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2003/12/22

THE MARS VOLTA『DE-LOUSED IN THE COMATORIUM』(2003)

我々の前に衝撃的な登場をしたAT THE DRIVE-IN。しかしアルバム「RELATIONSHIP OF COMMAND」をリリースした翌'01年。まさかの分裂/解散。予定されていたフジロックへの出演も果たせぬまま、彼等はバンドとしてずるい幕引き‥‥勝ち逃げの状態で我々の前から姿を消したのでした。

そして'02年。彼等はふたつのバンドで我々の前に戻ってきます。SPARTAと、そして今回紹介するTHE MARS VOLTA。正直に言っていいですか?‥‥俺、SPARTAには全然興味が湧かなかったのね。何故なら、俺にとってのATDIってのは、セドリックのボーカルそのものなんですよ。勿論バンド全体としての雰囲気や生み出されるサウンド・楽曲、全てにおいて好きでしたが、やはりあの「声」があってこそ、俺は好きになったんですね。

だからこそ、その「声」を有するTHE MARS VOLTAの方に興味が行くのは、当たり前の話なんですね。けどさ‥‥やっぱり怖かったわけですよ。ATDIが最高だっただけに、その後に出てくるものが‥‥しかも分裂してしまった後ですから。あの5人だからこそ成し得たサウンドだというのは重々承知してるんです。だからこそ、聴くのが怖かった‥‥結果、昨年リリースされていたEPは聴かなかったんですよ。

で、このデビューアルバムですが‥‥実はこれもリリース後すぐには手を出しませんでした。同様にずっと引きずってたんですね、そういった思いを‥‥けど、ある切っ掛けで踏ん切りがついた。それは彼等のPVをたまたま観てしまったから。もうね、一発でノックアウトですよ。そうそう、俺がずっと待ってたのはこういうものだったんだ!って。それを一瞬にして思い出させてくれたのが、THE MARS VOLTAだったんです。やっぱりセドリックの「声」だったわけですよ。

ゲストとしてベースにRED HOT CHILI PEPPERSのフリーを迎えているとか、更にジョン・フルシアンテもゲスト参加してるとか、かのリック・ルービンがプロデュースしてるとか、いろいろ話題となるポイントはあると思うんですが、そんなことがどうでもよくなる程に、アルバム全体を覆う雰囲気やヴァイブ感が抜群に良い、良すぎるんです。ATDIに見られたパンク的要素は若干後退し、ラテン要素はそのままに、更にジャズやプログレ、ジャムバンド的フリースタイルなインプロビゼーション、そしてエレクトロニカ等‥‥とにかく他ジャンル/多ジャンルを包括した独自の感覚で構築されたロックがここには詰め込まれています。ATDIを気に入っていた人なら間違いなく受け入れられるだろう1枚。

とにかくね‥‥言葉にならない、いや、出来ない凄みを感じるんですね。感情の塊をそのまま素手でぶつけられたかのような、胸に大きな穴がポッカリ空いてしまったかのような衝撃。第一印象はとにか「衝撃」。ATDIのアルバムを初めて聴いた時にも似たような感覚を受けましたが、あれ以上でしたね。まさかこんなご時世に、こんなアルバムを聴こうとは‥‥嬉しいのと、焦って冷や汗かいたのと‥‥何だかよく判らない感情と、いろんな思いが入り交じる音。「アート」とか「ラウドロックの新星」とか‥‥そんなのどうでもいい。とにかく熱いロックンロール。感情を揺さぶるロックンロール。それだけが真実なんです、このアルバムの中では。

何でもっと早く聴かなかったんだろう‥‥と後悔したし、結局来日公演にも間に合わなかったし(来年1月にも再来日公演が予定されていますが、日程的に無理なんですよね)‥‥そしてアルバムリリースを待たずに、このアルバムでも大きな役割を果たしているサウンド・エフェクト担当のジェレミーがツアー先で亡くなってしまったこと。結局間に合わなかった‥‥って残念な気持ちもあるんですが、まだまだバンドは健在。ATDIのように短命に終わることなく、このままセカンドアルバムまで突っ走って欲しいです。



▼THE MARS VOLTA『DE-LOUSED IN THE COMATORIUM』
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投稿: 2003 12 22 09:28 午後 [2003年の作品, Mars Volta, The] | 固定リンク