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2004/01/11

BON-BON BLANCO『バカンスの恋』(2003)

  BON-BON BLANCOが'03年6月にリリースした、通算5枚目となるシングル「バカンスの恋」はこれまでどのシングルとも違った、非常に「聴かせる要素」が強い作品に仕上がっています。3月にリリースされたファーストアルバム「BEAT GOES ON」以降最初のリリースとなるわけですが、決して路線変更というわけでもなく、かといって前作の延長線上にある楽曲と言い切るにはちょっと違った、非常に深みを持ったタイトル曲 "バカンスの恋" と、アルバム収録曲の中でも1~2を争う完成度の高さを誇るバラード "The sea of the time" の2曲から成るこのシングルで、ボンブラはまた新たなステップを踏み出したと言っていいでしょう。

  ラテンテイストという共通項を持ちながらも、それまでのシングル曲とは違った趣きの "バカンスの恋" は、アイドルポップという枠をはみ出しつつあることを伺わせる、非常に完成度の高い1曲に仕上がっています。こういう傾向はアルバムを聴いた時点で見え隠れしていたのですが(その顕著たる例がカップリングにも収録された "The sea of the time" でしょう)、その傾向はこの曲で一気に進んだと言っていいでしょう。この曲が誰の曲だか知らずに聴いたとして、一体どれくらいの人が「アイドルグループの曲」だと判るでしょう? そういう楽曲なんですよね、これ。残念ながら某歌番組での悲しい弄りのイメージの方が強かったためか、曲自体が話題になることは殆どありませんでした。同時に古参のファンからは「ちょっと‥‥」という声も聞こえてくる程。確かに「アイドル」としての彼女達が好きだった人にとっては、この曲の路線はちょっと違うのかもしれませんね。けど、個人的にはこういう路線に進むこと、大歓迎です。決して「アイドル」だから悪いのではなくて、良い意味での差別化を図るためにも必要かな、と思うのです。現在、アイドルグループで成功を収めているのはモーニング娘。を含む一部のハロー!プロジェクトの面々と、「バンドル(バンド・アイドル)」という形態を取るZONEくらいでしょうか。そんな中に食い込んで行くには、ラテンの要素の他にも「完成度の高い楽曲」という要素が重要になってきます。そりゃデビュー時の路線のままで成功を収めるのが一番良いのですが、「キワモノ」「色モノ」で終わらないためにも「こういう曲も歌えるんだよ!」というのを誇示しておく必要があったのかなぁ、と。リリースから半年以上経った今、この曲を聴いて改めて思うわけです。

  別にアーティスト路線で売ろうとは考えてないはずなんですよ、製作陣も。確かに "バカンスの恋" といい "The sea of the time" といい、普通にJ-POPとして通用する楽曲ですけどね。じゃなかったら、これに続くシングルをアニメ「ワンピース」主題歌にぶつけるという大ネタをかましたりしないでしょうしね(ま、思った程このシングルが売れなかったから、また路線を変えた/戻した、というのも考えられますけど)。とにかく曲としては非常に優れた2曲なので、もしボンブラに興味を持ったなら、まずはこのシングルから聴いてみては如何でしょうか?

  とにかくね‥‥アルバムで聴いた時から既に名曲だと感じていた "The sea of the time"。これだけでも是非聴いてみてください。正直、こっちがA面でもよかったんじゃないかと思える程なんですよ。あ、タイアップ取ってきて両A面ってのもありだったかも。それだけに、本当に勿体無いなぁ‥‥とも思うわけで。一回生で歌う姿を観てみた1曲ですね。



▼BON-BON BLANCO『バカンスの恋』
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投稿: 2004 01 11 12:30 午前 [2003年の作品, BON-BON BLANCO] | 固定リンク