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2004年2月26日 (木)

モーニング娘。さくら組『さくら満開』(2004)

  安倍なつみ卒業後初となる、モーニング娘。さくら組のセカンドシングル「さくら満開」。その衣装といい、「純和風」をイメージしたばかりに奇をてらったかのような印象が強まった曲調といい、全てが空回りしてるように感じられた第一印象。ラジオでこの曲を最初に聴いた時、どうにも苦手なタイプな曲だなぁと感じたのを今でも覚えています。その後、テレビで歌う姿を何度か見かけたのですが‥‥やはりダメでした。あの「企画モノ臭」が強いイメージが。俺、未だにこの曲を歌う姿、最後まで通して観たこと、ないもんね。

  そんなタイトル曲、"さくら満開" なのですが‥‥これがね、CDでのクリアな音源で聴くと‥‥想像していた程悪くないんですよ。いや、むしろ「‥‥これ、もしかしてかなり良い?」と感じる自分がいたりしてね。6分半というトータルランニングもあり、これをテレビサイズで上手く表現するにはちょっと厳しいものがあるかと思います。そういう意味ではモーニング娘。おとめ組よりも劣るような気がしてしまいますよね。曲調やインパクト等、全てにおいておとめ組の方が即効性が強いですからね。

  いや、だからこそ、この "さくら満開" って曲はフルコーラス、じっくりと聴き込むことを要する「スルメ的楽曲」なのかもしれませんね。メロディの抑揚はそれほど大きくないのですが、これがジワジワと効いてくるんですわ、何故か判らないけど。とにかく不思議な魅力を持った1曲。

  この曲は高橋諭一によるアレンジで、三線や中国古筝といった楽器を用いることで高橋らしいアコースティック色豊かなアレンジがより際立ったように感じられます。生演奏にこだわったおとめ組と違い、リズムトラック等大半が打ち込みによるものなのですが、それを強く感じさせないのはさすがといいましょうか。デビュー曲 "晴れ 雨 のち スキ♡" から2曲連続でスローナンバーということで、もうちょっと違った面も見てみたいな、という贅沢な望みはありつつも、これはこれで納得がいく楽曲かな、と。

  けどね、一点だけ。どうしても文句をつけたい箇所があるんだよね。それは歌詞。おとめ組もそうだけど、何だろう‥‥入り込めないというか‥‥イメージし難い世界観なんだよね。それは自分が年を取ったからとか、そういった次元ではないと思うのね。何というか‥‥現実離れしすぎているというか。以前、タンポポとプッチモニの歌詞を比べて、それぞれのスタイルの違いを明確にした文を書いたけど、完全に「ヲタ寄り」の世界観というか‥‥。

  2枚のシングルについて‥‥というよりも、ここ最近のモーニング娘。やハロー!プロジェクトがリリースする楽曲について、全般に言えることだと思うんだけど‥‥「歌」を世に出すというよりもむしろ「ファンアイテムとしてのCD」を生産してるようなイメージがどんどん強くなってるんですよね。「いや、そんなのずっと前からそうじゃんか!オマエが気づいてなかっただけだよ!」とか言われそうですが‥‥それでも伝わってくるものがあったんですよ、ファンじゃなかった頃とかでも。けどさ‥‥今の楽曲の大半ってファンが聴いてても「?」って感じる曲がどんどん増えてる。むしろ理解できる、共感できる歌詞を持つ曲が殆どないんだよね。タレントとしてのモーニングに以前のような魅力を感じられない今となっては、音楽にその魅力を求めるしかない俺なんだけど‥‥だから厳しいのよ。出来れば取り上げたくないくらい。

  と、ネガなことばかり書いても仕方ないので、カップリング曲について話題を移します。おとめ組同様 "Say Yeah! -もっとミラクルナイト-" と、モーニング初期のヒット曲 "抱いて HOLD ON ME!" の、それぞれさくら組バージョンが収められています。"Say Yeah! -もっとミラクルナイト-" はおとめ組と全く同じ音源なので説明は割愛。歌に関しては正直おとめ組よりも聴いてて楽しいな、と感じましたね。細かな技術的な上手い/下手じゃなくて、非常に聴かせ方が上手く感じられたのがさくら組の方。これはちょっと意外でしたね。おとめ組の方がそういうのに長けているメンバーが多い気がしたもんだから。それにさくら組は安倍を欠いた後だけに、その「喪失」という現実をまざまざと見せつけられるのかな、と思ってたもんでね。凄く意外でした。そしてそれは "抱いて HOLD ON ME!" にしても同様。最初聴いた時は、その若々しい声(=トーンの高い声)に違和感を感じたものの、慣れてみるとこれはこれで味わい深いな、と。高橋はファンク歌謡よりも、こういったR&B歌謡的な曲調の方が合ってるよな、とか、紺野はワンフレーズ歌うだけでいいアクセントになる存在感を持ってるよな、とか、矢口や加護、亀井といった女の子らしい声の中に突然現れる異物感‥‥吉澤や新垣の声はそれだけで武器だよな、とか。安倍という絶対的な存在がいなくなったことで、もっと失速するのかと思ってたさくら組だけど、これは意外な収穫でした。ま、とはいっても全て高得点というわけではなくて、ギリギリ合格点といった印象は拭えないですけどね。

  「モーニング娘。」の顔を失った本体は、上手い具合に分割ユニットを使ってその現実から我々の目をそらすことに成功‥‥したのかな? ま、少なくともさくら・おとめの14人が並んだ時に、以前程の「華」を感じなくなったのは間違いない事実ですが(それが果たして安倍の喪失だけによるものなのかは正直疑問ですが)。まぁ今回に関してはいろいろ面白いことに気づかせてもらえたので、良しということにしますか‥‥。



▼モーニング娘。さくら組『さくら満開』
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