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2004/02/28

DEFTONES『DEFTONES』(2003)

前作「WHITE PONY」から約3年半振りに届けられた、DEFTONES通算4作目のオリジナルアルバム「DEFTONES」。この時期にセルフタイトルのアルバムを発表するということは、恐らくそれなりに自信があるのか、それともこれまでの活動の集大成となるような作品になるのか‥‥とにかく前作があまりにも恐ろしい傑作だったこともあり(そして予定されていたフジロックのキャンセル等、未だに大ブレイク後の来日が果たせていない事等も付け加えて)いろいろ期待していたのですが‥‥ま、良くも悪くも「前作の延長線上」にある作風といえるでしょう。

ニューメタルとかスクリーモとかいろいろ呼び名はあると思うんですが、こういった「ポストロックとのクロスオーバー」的サウンドを実践した先駆者として、今後後続達との差別化を図るためにどういう方向に進んでいくのか。この3年間に所謂「ニューメタル」と呼ばれるタイプのバンドは飽和状態に入り、平凡なバンドはどんどんと消えていき、成功を収めたバンドは更に自らの個性に磨きをかけ、独自の方法論で新作をリリースしていく中、このDEFTONESだけは沈黙を守り続けていたような思えます。海外からツアーやフェス等に参加した等の情報は伝わってきたものの、やはり前作に伴う来日公演が実現しなかったことから、ここ日本では殆ど盛り上がりに欠け、未だに「どこがそんなに凄いのか!?」といった感じで静止するロックファンが多いのではないでしょうか。考えてみれば過去、彼らが来日した際にはクアトロ・クラスでのツアーでしたからねぇ。それだけ観た人が限られるわけで‥‥だからこそ、フェスのような大舞台で彼らの魅力を余す事なく見せつけて欲しかったんですけどねぇ(結局、この「DEFTONES」リリースから1年近く経った今現在においても、来日は実現していません)。もしかしたら彼らって、'01年までのTOOLに近いものがあるのかもしれませんね。

そんな彼らの新作。悪いわけがない。いや、普段ヘヴィロックやラウド系をバンバン聴いてるファンにとっては、この程度のラウドさは日常茶飯事でしょう。しかし、やはり最近この手のバンドを聴く機会が少なくなった自分からすると、良い意味で聴きやすいサウンドなんですね。勿論、依然ラウドなサウンドには違いないのですが、前作辺りから顕著になりだした「RADIOHEADやMOGWAI等にも通ずるポストロック感」が一部の楽曲で激化しているように感じます。頭3曲はこれまでの流れを汲むミドルテンポのラウドロックで、適度にグルーヴィーで気持ちいいのですが‥‥その3曲目 "Minerva" 辺りから、少しずつですがMOGWAI辺りの色合い‥‥静と動のコントラストを強調した色合いが見えだします。5曲目 "Deathblow" になると、もはやラウド系やニューメタルということさえ忘れそうになる空気が漂い、打ち込みを多用した8曲目 "Lucky You" になると完全に「AMNESIAC」辺りのレディヘとイメージが被り、10曲目 "Anniversary Of An Uninteresting Event" ではそのレディヘやMASSIVE ATTACK辺りの色合いすら感じられ、既にラウドロック/ニューメタルなんて域を完全に抜け切っていることに気づかされます。ゴスとも違うダークさ‥‥例えば同時期にリリースされたEVANESCENCEと比べても、全く方向性や向かっている場所が違っていることに気づくことでしょう。

が、そういった要素がアルバム全体を覆っているわけではなく、あくまで「バンドとしての、何分の一かの個性」であり、やはり残りの楽曲はこれまでのフォーマット‥‥所謂ニューメタル/スクリーモの系譜に属するものなんですね。そこがその手のファンにとっての安心要素であり、且つ残念な点でもあるんですが。完全に向こう側に突き抜けることなく、あくまでこっち側に居座ってその居場所の面積/間口を広げている。それがDEFTONESの立ち位置なのかな、と。それはそれで否定しませんが‥‥NEUROSISのようなバンドもいるわけですし、今後はラウド系だけでなく、そういったポストロック系との付き合いも深めてみてはどうでしょうか? この手のサウンドを好むポストロック系アーティストも多いでしょうし、最近では普通にUKギターロックバンドでも、こういったバンド達とツアーをする人達がいるみたいだし。そうやってどんどんクロスオーバーを重ねていき、次のアルバムでは更なる「深化」を進めていってもらいたいものです。

やっぱり俺がこのバンドに望むのは、現状維持しつつ間口を広げていく形ではなく、いっそのことあっち側にどっぷり浸かって、「ポストロック側から鳴らされるラウドロック」という手法でアルバムを1枚作って欲しいんですけどね‥‥ちょっとズレてますかね?

ま、とにかくです。前作やこのアルバムを引っ提げて、是非一度来日してもらいたい。今年のフジロックやサマソニ‥‥一気にブレイクするチャンスだと思うんですけどね。



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投稿: 2004 02 28 12:00 午前 [2003年の作品, Deftones] | 固定リンク