DIFFUSER『MAKING THE GRADE』(2003)
先日放送したネットラジオ「RADIO TMQ」でも紹介し、その時もなかなかの評判だったアメリカ出身の4人組、DIFFUSERのセカンドアルバム「MAKING THE GRADE」がやっとここ日本でも発売されました。とはいってもこのバンドのこと、俺もつい最近知ったんですけどね。いや、音はずっと前に聴いてるはずなんだけど‥‥全然記憶に残ってなくて。
3~4年前、映画「MI:2」のサウンドトラックに彼ら、参加してるんですよ。ファーストアルバム収録曲の "Karma" で。全然記憶に残ってないよ‥‥どんな曲かもね。で、最近聴き返してみたんだけど‥‥このセカンドの音と全然違うのな。ちょっと驚いた。ま、たった1曲との比較だし、実際ファーストアルバムはまだ聴いたことがないから、本当の「違い」はまだ判らないんだけど‥‥
これを書いている今まさに、彼らは来日中でして、しかも「MAGIC ROCK OUT」への出演も決まってる。アメリカでは昨年7月にリリースされたこのアルバムも、ようやくこの2月にはリリースされた(但し日本盤はCCCDなので注意。US盤はエクストラ仕様なのに‥‥)。そう、正にこれからというバンドですよ、彼らは。
聴いてもらえば判るように、彼らのこのアルバムでのスタイルは、ハードポップ/パンクポップの流れにあるサウンド。FOO FIGHTERS以降の流れといえばいいのか‥‥最近ではAMERICAN HI-FIみたいに「HM/HRからの影響を見せるパンクポップ/ハードポップバンド」が増えてますが、間違いなくこのDIFFUSERもそのひとつと呼んでいいと思います。
適度にパンク的疾走感があり、サウンド自体は重厚、メロディも親しみやすく、コーラスの重ね方なんてメロディアス系のハードロックバンド的。この辺は例えばHR側でいうところのHAREM SCAREMやSZUTERS、ENUFF Z'NUFF、あるいはANDREW W.K.なんかとも共通するものがあると思います。実際にこのバンド、そういったHM/HRからの影響を口にしてるそうですし。
ある時期まで、HM/HRを好きだと公言することはダサイことだ、という認識がありました。恐らくグランジ以降の流れでしょうか。が、ニューメタル系が台頭し始め、もう一方からはパンク系のハードポップ/ハードロックも盛り上がり始める。AMERICAN HI-FIなんて正にその代表例といっていいでしょうし、その兄貴分と呼べるだろうFOO FIGHTERSのデイヴ・グロールなんて、自身はグランジの中から登場したのに、今では自分が好きな/影響を受けたメタル/ハードコア系バンドとのコラボレーションを楽しんでいる。別にBON JOVIやMOTLEY CRUEが好きだった、と言っても誰にも責められない時代。それがここ数年の流れのようです。
間違いなく、DIFFUSERは'80年代以降のメロディアスなアメリカン・ハードロックの延長線上にいるバンドでしょう。そして、上に挙げたようなハードポップ系ハードロックバンド(なんつー呼び名だこれ)を好んでいるHRファン、AMERICAN HI-FIやSUGARCULT、BUSTED、FUZZBUBBLE、MARVEROUS 3といった辺りが好きなパワーポップ/ハードポップバンド好きに注目されるべき存在、それが今のDIFFUSERのポジションなのかな、と。「MRO」というフェス/イベントがイマイチ盛り上がってないようなので、是非今年の夏にもう一度、巨大サマーフェスに出演して、その良さを理解してもらわねばなりませんね!
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