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2004/05/04

KISS『ALIVE!』(1975)

もうね、何というか‥‥エンターテイメントを追求したロックンロールのひとつのあり方を、50歳過ぎてまで(!)限界ギリギリまで我々に提供し続けてくれているKISSをね、どこかバカにしながらも(だって解散ツアーと銘打って何年続けるんだよ!?って素直に思うじゃないのみんな)やはり尊敬の目で見つめてしまう別格。俺が保育園に通ってた頃からずっと現役なわけよ!? AEROSMITHにしろ、ROLLING STONESにしろ、そのやり方に違いこそあれど、30年以上に渡りロックンロールし続けているってのは、本当に凄いことだと思うわけです。

実際に観た人も多いかと思いますが、数日前(2004年5月2日)にNHKにて'77年の初来日時のライヴが放送されました。勿論これは当時放送された番組をそのまま放送したもので(古くなった映像や音声を多少修正したようですが)、初めて「全盛期のKISSライヴ」を観たっていう若い世代も多いかと思いますが、実は俺、これを観るのはもう何十回目、いや、何百回目なんですよね‥‥

高校の頃、修学旅行で行った京都で、友達がこの番組のブートビデオを買ったんですよ。そいつ、俺とKISSやAEROSMITHのコピーバンドをやってたもんで、それを帰宅してから一緒に観まくったものです。真似もしたよなー、うん。奴がエース・フレーリーのコピーを散々やって、俺は無理矢理(当時)殆ど弾けなかったギターを弾かされてねぇ、しかもポール・スタンレーのパートを散々ね。"Destroit Rock City" の、あのツインリードのパートとかも、間違ってエースのパートを覚えてきて怒られたりしてね。ノーメイク時代のビデオ('80年代前半)や'88年の武道館公演の某衛星放送のやつとか散々観てたはずなのに‥‥

でね、やっぱり衝撃でしたよ。演奏は確実に'80年代以降の方が技術的に上なのに、それをも上回る勢いと、神がかったオーラというか‥‥メイクをしてる/してないでここまで違うのかな‥‥いや、演奏スタイルも'70年代の方がもっとオーソドックスなハードロックというかシンプルなロックンロールだよな、'80年代以降の楽曲や良くも悪くもLAメタル以降だしな、とか、いろいろ考えたりして。

その後、上京してから西新宿のブート屋でこの放送の「完全版」と銘打たれたビデオを購入してね。放送されなかった曲を含めたライヴ当日の完全版だそうで、確かにカメラアングルも違うし変な字幕も入らないし。映像の荒さは仕方ないんだけど、やっぱり凄いな‥‥比べ物にならないくらいに。

KISSのライヴを初めて観たのはそれから数年後、'95年1月のノーメイク時代。どうかな‥‥と思ったんだけど、やっぱり面白かった。KISSはKISSのまま。'97年にはメイク&オリジナルメンバーでの来日で、ドーム公演だったもののやっぱり凄かったし、その後ももう1回観たのかな‥‥もはやポールとジーン・シモンズだけだろうが、全然問題なし。KISSが自分達の原点に立ち返って、何をすべきか、どうやってすべきかってのを理解した時点で、勝ち試合がこの先も続いて行くことは決まったようなもの。後は「老い」とどう向き合っていくか‥‥それだけでしょうね。

このライヴアルバム「ALIVE!」は先の初来日の2年前、'75年のライヴを完全収録した2枚組。初期3作からの選曲なので当然 "Detroit Rock City" も "Love Gun" も入ってないわけだけど、ここには「ポップでシンプルでヘヴィなロックンロール」を信条としたKISSの原点が詰まっていて、ビジュアル重視な彼らだけど「如何にロックンロール・バンドとして優れているか?」を伺い知るには恰好の教科書だと個人的には思ってます。

曲の良さは言うまでもなく、やはりライヴならではの迫力/圧倒感はスタジオ盤からは伝わってこないもの‥‥特に初期のKISSのスタジオ音源はスカスカなものが殆どですからね(その辺を補強するために、続くスタジオ作「DESTROYER」では名プロデューサー、ボブ・エズリンを迎えることになります)。圧巻なのはディスク2ですかね。エンディングの "Black Diamond" に向けて盛り上がる構成は、本当に凄いの一言。ロック好きでこれを聴いてないって人はモグリですよ!

KISSはアルバムも沢山出てるし、同時にベスト盤も数種出てる。だから「どれから聴いていいか判らない」って人が多いのも事実。だったらまず、このライヴアルバムから聴いてみては如何でしょうか? 知ってる曲は半分にも満たないかもしれないけど、ロックファンを自認するあなたなら、絶対に聴いて興奮するし、気に入るはずだから。騙されたと思って!



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投稿: 2004 05 04 04:12 午前 [1975年の作品, KISS] | 固定リンク