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2004年5月26日 (水)

VAN HALEN『OU812』(1988)

サミー・ヘイガー加入後2作目となるVAN HALEN通算8枚目のアルバム『OU812』。リリース当時は意外と賛否あったように記憶してるけど、その割りにはメガヒットを記録したんだよね。記憶が間違ってなければ当時だけでも400万枚以上売ってるはずだし、シングルヒットも4曲出てるし(「Black And Blue」「When It's Love」「Finish What Ya Started」「Feels So Good」)、約10年振りの来日公演も東京ドームで実現したし(ま、ソールドアウトにはならなかったわけですが)。前作『5150』での大ヒットを後押しするには十分な役割を果たしたんじゃないかな?

聴いてもらえば判るように、前作の延長線上にある作風なんだけど、よりソフトになった印象が強いかな。全体の音像も前作と比べると薄くて細いイメージがあるし(ある意味、デイヴ・リー・ロス時代の音作りに戻ったかのような印象)、ギターがいつもよりも前に出てないような気が‥‥その分、サミーのボーカルが完全に前面に押し出されてるのと、いつも以上にキーボード(シンセ)が目立っています。といってもシンセが入ってる曲って10曲中たったの3曲なんだよね。だけど頭2曲(「Mine All Mine」「When It's Love」)がそのシンセ導入曲なもんだから、余計にそのイメージが強いのかな。今聴いてもかなりポップな印象ですよね、この2曲は。

速い曲にしても、例えば前作でいう「Get Up」と今作での「Source Of Infection」とでは全然感じが違うしね。明らかに今作の楽曲の方が軽めでポップな印象。ま、「Get Up」と比べる自体がどうかと思うけどね。

丁度このアルバムがリリースされた1988年前後って、所謂ルーツロック的な路線がもてはやされていた時代なんですね。BON JOVIが「Wanted Dead Or Alive」という曲で提示した路線、所謂「ブルーズ」を基調としたハードロックに目が行きだした頃。VAN HALENも彼らなりのブルーズをこのアルバムで表現してくれてます。

これまでもブルーズっぽい楽曲はあったものの、そのものを、あるいはモロなブルーズロックを披露したことはありませんでした。このアルバムでは「Cabo Wabo」や「Black And Blue」といった曲で、VAN HALEN流ブルーズロックを聴かせてくれているわけですが、そのどれもがちゃんと「どこからどう聴いてもVAN HALENの曲」として成り立っている辺りはさすがというか。デイヴが歌ってもそれっぽくなってたでしょうけど、あの当時の時代の流れを考えると、サミーが歌った方がよりフィットしてるんじゃないかな?と思えるのです。いや、サミーだったからこそ実現したのかも。アルバムラスト(本来はCD用ボーナストラックで、アナログ盤には未収録。ま、CD主流の現在においてはどうでもいい豆知識ですが)を飾るLITTLE FEETのカバー「A Aporitical Blues」なんて、間違いなくこのメンツじゃなきゃ出来なかっただろうカバーでしょうしね(で、これがまたらしいようならしくないような感じで、非常にカッコいいんですわ)。

サミー在籍時の4作品の中では恐らく一番評価が低い作品と思われていますが、このアルバムでのこういった挑戦が続く新作への布石になっていたりするんですよね‥‥うん。

そういえば、このアルバムがリリースされた頃(当時高校2年生)、最初に友達が買って、それをみんなが借りてダビングして、音楽仲間&バンド仲間全員に広まっていったんですが、聴いた感想がみんな一緒だったのが面白くて、今でも記憶に残ってます。それは「こっちを先に出せばよかったのにね?」という意見。そう、『1984』に続くアルバムは『5150』ではなくて、この『OU812』の方がよかったんじゃないか、サミー加入後1作目として『OU812』を先に作るべきだったんじゃないか?ということですよ。その後の歴史を見てきた今となっては「う~ん?」と思いますが、当時は本気でそう感じたんですよね。それだけ『5150』というアルバムのインパクトって強かったんだよな、そしてデイヴ時代をリアルタイムで通過した世代としては違和感があったんだよなぁ、と。

 


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