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2004/06/10

ASH『MELTDOWN』(2004)

ASH約3年振り、通算4作目となるアルバム『MELTDOWN』は前評判通り、これまでで一番ヘヴィな音像を持った作品に仕上がっています。時代の流れに迎合した、と批判することもできますが、そこはASHのこと、それでもポップなメロディはしっかり健在です。

今回のアルバムはアメリカ(LA)で録音され、製作陣にもこれまでと違った人選(FOO FIGHTERSを手掛けたプロデューサーに、RAGE AGAINST THE MACHINEやTHE MARS VOLTA等を手掛けたミキサーを起用。ま、ミキサーはMUSEの新作も手掛けてますが)で臨んだ意欲作となっていて、それはまぁ聴いてもらえばすぐにお判りいただけると思いますが‥‥前作での良い意味で「肩の力が抜けた」攻めの姿勢が、このアルバムではガチで攻めまくってる姿勢に一転してます。気合い入りまくり、攻撃しまくり‥‥要するにリフの応酬、ダウンチューニング、重いリズム、弦楽器の歪み具合‥‥これを指して「アメリカナイズしてしまった」とは言いたくありませんが、まぁそう言われても仕方がないかなぁ、という内容でして。

かくいう俺も、最初にこのアルバムからの楽曲(ネット限定でリリースされていた「Clones」や「Orpheus」等)を聴いた時、思わず「うわーっ、まるでSMASHING PUNPKINSみたいだなぁ~」と唸ってしまった程で‥‥ここでいう「スマパンぽい」というのは、彼らのラスト作となった『MACHINA』での作風・アプローチに似てる、かな?と感じまして‥‥ネット巡回すると、実際にそういう声が結構見られるので、あー同じように感じてる人意外といるのね、と関心したものです。

が、アルバム全体を通して聴くと、そこまでスマパンぽいというわけではなく、そこにはしっかりこれまで積み上げてきた「ASHらしさ」が散りばめられていましたよ。ま、前作『FREE ALL ANGELS』で聴かれたような「胸キュン青春ポップ」路線はかなり減退してしまいましたが、これが「20代後半の彼ら」がより「リアル」に感じられるもの、そして今の彼らに最も適した表現方法なんでしょう。それを否定する気はありません。ここまでくると、むしろ「好みのサウンドか否か」の問題だと思うので‥‥そういう意味ではこのアルバム、非常に好みであります。だって、スマパンが好きな俺が言うんだから、ねぇ?(えーっ!?)

なんていう冗談はさておき、適度にポップさを保ち、それでいて全体的な「ロック比重」は過去最高に高いこの新作。個人的に最も気に入っている点は、シャーロットのコーラスの比重が過去最高に高くなっていること。セカンドアルバム制作前後に加入し、適度に曲も書き、ステージではカッコカワイイ感じで華を添えてきた彼女、前作でもその片鱗はあったのですが、ここにきて完全に「シンガー」としての見せ場が増えてます。しっかりしたコーラス、時々メインボーカルのティム以上に目立ってしまう箇所もあり、思わずニンマリ。それが影響してなのか、彼女はこの夏に初のソロアルバムをリリースするそうです(勿論ボーカルは全部彼女!)。ソングライターとして、そしてシンガーとしてのエゴが出てきたのか、単に「ASHに合わない曲」が沢山出来たからなのか‥‥まぁそれはアルバムを聴いて判断してみましょうや。

とにかく。昨今のロックンロール・リバイバルとも、従来のブリットポップとも、そしてパワーポップやギターポップ的なものとも違う、新しい道を進もうとしている彼ら。ある意味、MUSEやTHE DARKNESS辺りと同じ枠で括ってしまいたくなる1枚なんですが‥‥なんてこと書くと、古くからのファンから怒られてしまうのでしょうか。まぁ要するに、最高にカッコいいロックンロールアルバムだってことですよ!

最後に。このアルバムをこれから買う方へ。絶対に初回盤をゲットしてください。通常盤と違い、初回盤にはボーナスディスクが付いた2枚組仕様になってるので。しかも新作からの楽曲を全曲演奏したライヴ音源ですよ! 更に数曲、前作や過去の代表曲まで追加されててかなり贅沢な1枚になってます。日本盤だと更に2曲追加されてて、まるでフルライヴを聴いてるかのような錯覚に陥ります。スタジオ版とライヴ版との違いも楽しめるし、更に「ライヴ観てみたいなー」って気持ちに絶対なるはず。さぁ、迷わず初回盤をゲット!



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投稿: 2004 06 10 12:00 午前 [2004年の作品, Ash] | 固定リンク