BEASTIE BOYS『TO THE 5 BOROUGHS』(2004)
この6年は本当に長かったよね。丁度このサイトを始めた年(98年)に『HELLO NASTY』という傑作をリリースして、翌99年頭に来日公演を行って。その年の秋にはベスト盤『THE SOUNDS OF SCIENCE』をリリース。その後いろいろと話題を振りまきつつも、結局6作目となるアルバム『TO THE 5 BOROUGHS』が我々の手元に届くまでに、6年という月日が流れてしまったんだから‥‥ホント長いって。だって6年前にはまだエミネムは裏路地でくすぶれてた頃だよ。丁度Dragon Ashがオーバーグラウンドへ上り詰めようとしてた時期。本当に6年という時間は大きいです。
じゃあその6年でBEASTIE BOYSは古くさくなってしまったか、時代遅れになってしまったかというと‥‥それはこのアルバムを聴いた人の判断に任せるよ。なっ、如何に彼らが原点回帰的な「純粋なヒップホップ・アルバム」を引っ提げて戻ってこようが、それを時代錯誤とか呼ぶ奴、誰もいないよな? むしろ20年近く第一線で戦ってきた3人にだから作れた作品。それがこの『TO THE 5 BOROUGHS』なんじゃないかな。ヒップホップに疎い俺ではあるけれど。いや、そんな俺だからこそ、そんな風に感じるのかもしれない。
作品的には前作からの流れにあるといってもいいかもしれないし、逆にある意味初期の作風に近いといってもいいかもしれない。ここには「ハードコア・バンド」としてのBEASTIESはいないし、ジャズ/ファンク的実験サウンドを生演奏で披露するBEASTIESの姿もない。ただあるのは3本のマイクと、ターンテーブルのみ。そういう意味では非常に「ハードコア」なアルバムだよね。
15曲で42分というトータルランニングも抜群だし、1曲1曲の自由度が非常に高くて、とにかく聴いていて飽きがこない。普段からヒップホップばかり聴いてるような人にとってはどうか知らないけど、少なくともロックファンな俺にも存分に楽しめる1枚。過去の作品みたいにハードコア・パンク調のバンドサウンドは皆無だけど、そんなの全然気にならないし、ただただカッコいいだけ。それで十分じゃない?
本当はこの手のアルバムについて語る時って、ここのサンプリング・ネタがどうだとか、バックトラック云々だとか、3MCのマイクパフォーマンスやライムがどうこうとか、そういったことについてもっと書くべきなんだろうけど、そういうのは専門家に任せます。難しいことは本当に判らないし、カテゴライズとかそんなの無視して‥‥俺にとって十分に「ロックンロール」アルバムとして機能している‥‥それだけ。カッコいいし、気持ちいいし、飽きがこない。ホントそれだけなのよ。
純粋にロックしか聴かない人にとってどう映るのかな、このアルバム‥‥まぁ最近ではエミネムとか普通に聴いてる子の方が多いだろうから、きっとこのアルバムも好意的に受け入れられるはず。

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