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2004年6月 6日 (日)

VELVET REVOLVER『CONTRABAND』(2004)

元GUNS N' ROSES組のスラッシュダフ・マッケイガン、マット・ソーラム(この人はつい最近までTHE CULTでも叩いてましたね)の3人に、デイヴ・ナヴァロ(JANE'S ADDICTIONのギター)のソロバンドやzilch(元X JAPANhideが生前参加していた無国籍ヘヴィバンド)、先のダフのバンド・LOADEDにも参加した経験を持つギタリストのデイヴ・クシュナー、そして最後にピースとして加わったシンガー、スコット・ウェイランド……言うまでもなく元STONE TEMPLE PILOTSのメンバー……の5人によって結成された新バンド、VELVET REVOLVER。ってバンド構成を説明するだけでこれだけの行数を要する、所謂「スーパーバンド」と呼ばれるような、デビュー前から大きな期待が寄せられていたバンドなわけですが、いろんな意味でトラブルメーカーなスコットのお陰でアルバムリリースが大いに遅れたり、今年1月に実は来日予定(1月末の屋内フェス『SONIC MANIA』 )だったのが、スコットの逮捕等で実現しなかったり等、そっち方面でも何かと話題なわけでして。所謂ハードロックの範疇に入るバンドの中で、良くも悪くもここまで話題性に富んだバンドは随分と久し振りかなぁ、なんてね。

昨年夏に映画『ハルク』の為にオリジナル曲「Set Me Free」を提供し、こりゃ世間が大騒ぎするか!?とか思ったものの、周りは意外と冷静でビックリしたけど、まぁこうやってアルバムリリースにまでこぎ着けたことで、ようやく盛り上がり出したみたいですね。タイミング的にも3月にリリースしたGN'Rのベスト盤が世界的に大ヒットを記録してる中でのデビューとなるので、そりゃ否が応でも盛り上がるわな、メディアもロックファンも。

けどさ、ひとつだけ見誤って欲しくないことがあってね。きっと誰もがこのVELVET REVOLVERに接する時に考えることだと思うけど‥‥GN'Rとの比較ね。あるいは彼らにGN'Rサウンドを求めたりとかさ。そりゃね、元メンバーが3人も参加してるんだもん、嫌でも比較したくなるし、本家が動かない今、VRにその幻影を求める気持ちも判らないでもない。で、そういう人に限って言うわけさ、「GN'Rと違う」「GN'Rっぽいんだけど、あれより劣る」とか。いや、大きく間違ってはいないと思うけど……俺、やっぱり違うと思うのね。

そもそもさ、GN'Rのメインソングライターって他でもないイジー・ストラドリンだったんじゃねぇの? クレジット的には全員の名前が載っている1st『APPETITE FOR DESTRUCTION』にしろ、その大半はイジーが骨格を作ったわけでしょ? 勿論アクセル・ローズもスラッシュもダフも作曲に貢献してはいるけど、比率的には「イジー6.5:アクセル1.5:スラッシュ1.5:ダフ1.5」くらいだったんじゃないかな、と。そして、そんなだから10数年経った2004年においても未だにアクセルは苦悩してるんじゃないかな、と。違うかしら?

そういう意味でこの『CONTRABAND』という作品、GN'R以上にSLASH'S SNAKEPITやダフのソロ、そしてSTPと比較されるべきアルバムなのではないかと力説したいわけ。だってそうじゃない?

で、実際にアルバムを聴いた感想ね。思ったより悪くなかった、むしろ好意的に受け取れる作品集だな、というのが第一印象。数回聴き込んでいくうちに、あー何か久し振りにこんなアメリカンハードロックアルバムを聴いたなーと感じたり(いや実際にはその手のアルバム、結構聴いてるのにね)、STPがストレートになるとこんな感じなのかな、とかいろいろ想像したりしてね。うん、面白いアルバムだと思いますね。実際、曲もよくまとまってるし。スコットが歌ってるからなのか、それともバンドアレンジをワザとそうしたのかは判りませんが、とにかくGN'R側というよりもSTP側に比重が傾いてる気がします。ストレートなんだけど、妙な浮遊感がある、みたいな。サイケではないんだけど、独特な「色」や「味」を感じる。別にマット・ソーラムがいるからってわけじゃないけど、THE CULTの'90年代以降の作品と非常に近い空気を感じましたね。あれがひとつの「アメリカンハードロック」のスタイルを築いたといってもあながち間違ってませんよね?(ま、実際にはTHE CULTはイギリスのバンドなわけですが、よりアメリカナイズされた『ELECTRIC』『SONIC TEMPLE』辺りで大ブレイクしたのでね。で、この辺のサウンドに対してアクセルも非常に憧れや嫉妬心を持っているという話もあるしね)

ストレートな曲は確かにSLASH'S SNAKEPIT辺りがやってたことと共通するものがあるし、実際ギターソロなんて聴いちゃうとまんまスラッシュなわけですよ(当たり前の話ですが)。そこからブルーズ色を後退させ、スコット特有の浮遊感(カメレオンみたいにコロコロ変わる声色)が加わることで何か別のものへと変化する。それがVRの持ち味なのかもしれませんね? で、そんな中にあって一際光っているのが、「Fall To Pieces」や 「Loving The Alien」のようなスローな曲。スコットのボーカルがちょっとデヴィッド・ボウイを彷彿させるようなイメージで、特に後者はギターがスラッシュっぽくなくて面白いかな、と。

そういえば、STPっぽいから余計にそう聞こえるのかもしれないけど……いや違うよな……あのね、全体的にギターリフが単調な気がします。GN'Rと比べるのは反則だと自分で言っておいてアレですが、バリエーション少ないよね、このアルバムでのギターリフって。その大半がベースとのユニゾンだし。SNAKEPITの時ですらもうちょっと印象的なリフが幾つかあったような気がするんだけど、そこが一番残念な点。ロックがヒットチャートで活躍する機会が減ったこんなご時世だからこそ、スラッシュにはもっと頑張ってキッズがギターを手にしたくなるようなサイコーにイカしたギターリフを増産して欲しかったんだけどね。そこは今後に期待ですかね。あとは、やっぱライヴだな、うん。この手のバンドの場合は、やっぱりツアーを重ねることで更に曲のバリエーションが広がったり、よりライヴを意識した曲作りをするようになるはずだから。そもそもスコット自体がここ数年引き蘢りに近い状態だったから(STP初期に比べれば、ってことね)、現在行われているツアーがこのまま順調に進めば続くセカンドアルバム(本当にあるのだろうか?)は更に凄いアルバムになるはずなんですよね。だってさ、これだけ凄い野郎が5人も揃ってるんだもん、出来ないはずがないでしょ?

まぁそれまでは、このアルバムを可能な限り大音量で聴くことで我慢することにしましょうよ。どうせGN'Rのアルバムは‥‥ねぇ?

 


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