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2004/07/01

ACCEPT『METAL HEART』(1985)

つうか何を今更ACCEPTなのよ!?って突っ込まれそうですが。実は数年前からこのアルバム、ずっと取り上げたかったんだよね。ま、でも辰さんのところでウルフ・ホフマンが現在写真家として活躍している、という話題を振られるまで忘れてたりもしたんですが。

そういえば数週間前にウルフがたまたま訪れたドイツの若手バンドのフラットで一緒にセッションした、という話を目にしたりもしましたが、結局彼は2度目のACCEPT解散後、完全に写真家として生計を立てているようですね(1回目の解散後も写真家として活動してたんですよね確か。再結成の話が出るまでギターを一切触らなかった、という話を昔『BURRN!』のインタビューで読んだ記憶がありますが)。ウド・ダークシュナイダーはU.D.O.として活躍、先日来日したばかりですしね。ピーター・バルテスって今何やってんですかね? 一番メタル向きな気がするんですが(1回目の解散後は当時DOKKENを解散したドン・ドッケンのソロバンド、DON DOKKENに参加してたっけ)。

とまぁ懐かしい話題でお茶を濁したところで、本題に。名盤中の名盤『METAL HEART』は、ACCEPTが1985年に発表した通算6枚目のオリジナル・アルバム。前作『BALLS TO THE WALL』でアメリカでそこそこの成功を収めたドイツ出身のメタルバンドは、時代の波に乗るわけでもなく、かといってアメリカナイズするわけでもなく、我が道を行くとばかりに頑固一徹なメタルサウンドを追求したわけです。世間がLAメタルだ何だと盛り上がってる中、「エリーゼのために」をモチーフにしたギターソロを含む名曲「Metal Heart」からアルバムはスタートするわけですよ。思いっきりダサイと言い切れるこのセンス。けど、だからこそ信用できた。当時の俺にとってはそうだったわけ。SCORPIONSが良くも悪くも垢抜けていく中、サウンド的には多少ゴージャスになったものの、やはり基本はAC/DCをよりバタ臭くしたかのようなコテコテメタルサウンド。何も変わらないし、変われない。だから日本ではこのアルバムでブレイクして、初来日まで果たせたわけですよ。残念ながら俺は初来日、というか1980年代の彼らを生で観る事はなかったわけですが(1990年代の再結成時は観てますが)、その伝説に残るような来日公演の様子は当時の音楽雑誌等で目にしていたので、よく覚えてますよ。

ウド・ダークシュナイダーのクセが強過ぎるボーカルに退いてしまう人が多いと思うんだけど、でもこれこそがメタルボイス。AC/DCにおけるボン・スコットやブライアン・ジョンソン、JUDAS PRIESTにおけるロブ・ハルフォードみたいなもんですよ。決して世界的に大成功を収めたとはいえないけど、この声じゃなければいけない。'80年代後半、ウドが脱退してアメリカ人シンガーを迎えてACCEPTは存続したことがあったけど、やっぱり別物だったし。どこかスマート過ぎてダサさが足りない。それじゃダメなのにね。

「ジャーマンメタル」の定義。実はそんなもん、あってないようなもの。1980年代末辺りからHELLOWEENやBLIND GURDIAN、RAGEやGAMMA RAYといったバンドが日本で支持されるようになり、アニメの主題歌みたいに判りやすいメロディーと適度な疾走感と重量感を持った、みたいな定義が定着しつつあったけど、でもこのアルバムがリリースされた頃はまだ別の定義だったはず。アメリカで成功する前までのSCORPIONSや、カイ・ハンセンがボーカルだった頃のHELLOWEEN、そしてこのACCEPT。共通する「ダサカッコよさ」こそが、我々がよく知るジャーマンメタルだったんじゃないかな。違う?

「Fast As A Shark」だったり「Balls To The Wall」だったり「TV War」だったり、曲単位で好きなのは数あるけど、アルバム単位で気に入っているのは、実はこの『METAL HEART』だけ。何故か知らないけど、これが一番気に入ってるのね。最初にこのアルバムを手に取ったというのも大きいんだろうけど。表題曲の他にも、PVにもなった「Midnight Mover」や「Screaming For A Love-Bite」のポップさ、「Wrong Is Right」の疾走感、感動的な「Bound To Fail」のエンディング、全てが記憶に残ってる。リリースから約19年。こんなに鮮明に覚えてるアルバムって数少ないよね。まぁこれを手にした頃、一番メタルとか真剣に聴いてた頃だからなぁ。

今の若いメタルファンに、このアルバムがどういう風に評価されているのか知らないけど、それでもやっぱり聴いて欲しいよね。METALLICAの初期作品と同じ感覚で聴いてくれたら嬉しいな。



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投稿: 2004 07 01 12:00 午前 [1985年の作品, Accept] | 固定リンク