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2004/07/24

JACK JOHNSON『BRUSHFIRE FAIRYTALES』(2002)

元プロサーファーが音楽をやる、なんてことはよくわるわけで。けど大概はハワイアンだったりパンクだったりするわけですが(それは偏見か?)、ここに紹介するジャック・ジョンソンの場合は‥‥例えばベン・ハーパーであったりG.ラヴであったり、そういったアコースティック主体のレイドバックしたポップ/ロックを聴かせてくれるわけです‥‥と思ってたらこのアルバム、そのベン・ハーパーもスライドギターで参加してたのね。成る程、納得だわ。

ジャックが2000年にインディーズからリリースしたこの「BRUSHFIRE FAIRYTALES」はその時点で20万枚ものセールスを記録したことから、後にユニバーサルとメジャー契約し、このアルバムをそのままの形でメジャーから再リリース('02年)したのでした。よくありがちな「メジャー向けに曲を差し替える」とか「ミックスし直す」「音を加える」といった作業は一切されず、最初のままの形で再リリースされています。

ハワイのオワフ島出身のジャックはいろいろな側面を持った素晴らしい才能の持ち主のようで、例えばサーファーとして名を馳せただけでなく、映画学校を卒業していたり(その絡みで後に映画や映画音楽に絡むことになるんでしょう)、こうやって曲を書いて歌を歌ったりギターを弾いたり‥‥羨ましいくらいに「勝ち組」な男じゃないですか。しかもアルバムが全米ナンバーワンになるような大ヒットまで収めるんですから。

上にも書いたようにこのアルバム、決してハワイ出身の彼らしい音楽をやっていると断言できるような内容でもなく、良い意味でユルい作風で統一されています。確かにその片鱗は見え隠れするんですが、それ以上にもっと大陸的なノリも感じられるし‥‥例えばブルーズやフォークといった、もっと本土的な色合いといいましょうか。上に挙げたようなアーティスト達にも共通する要素が多々見え隠れするわけですが、個人的にはもっとユルい印象があって、だからこそこれらのアーティストの中で最も愛聴してるんだろうな、と感じるわけです。

基本はアコースティックギターがメインなんですが、曲によってエレキを弾いていたりもするし、かといって歪みまくりのディストーションギターは皆無なわけで。リズム隊もスカスカで隙間ありまくりの演奏。ギターはその隙間を埋めるんじゃなくて、その上を自由に泳ぎまくってる‥‥いや、サーファーらしく「音の波」に乗りまくってるといった感じでしょうか(思わず自分で「上手い!」と膝をポンと叩いてしまいましたよ)。決して高揚感のあるタイプの音楽ではないですが、これも「アメリカン・ロック」のひとつの流れだよな、と。なんでこれが全米でウケたのか、聴いてみてよーく判りましたね。

よく彼に「癒し」とかそういう要素を求めたり口にする人がいますが、個人的にはそれともちょっと違うかな‥‥という気がしてるんですよね。ま、確かに聴いてるとリラックスするし、肩の力抜けまくりになるんですが‥‥自分が求める「癒し」とはまた違うんですよね。もっとこう‥‥大自然‥‥海辺や山で酒呑みながら、ユルーい感じで寝そべって聴く‥‥それを他人が「癒し」というなら、それはそれで否定しないけど‥‥とにかくそういう音なんですよ、俺にとってのジャック・ジョンソンって。

実は俺、アルバムよりも先にライヴで彼の「音」に出会ったわけで。それが昨年の朝霧JAMでのこと。その時はそこまで「これサイコー」とは思わなかったものの、でも間違いなくあの雰囲気にピッタリだったわけで‥‥気づいたらアルバム1枚買って、2枚買って‥‥で全部揃えてて。今年のフジロックでも勿論観る予定で、更にはその後の単独公演のチケットまで取ってしまったわけで。同時に彼の盟友・ドノヴァン・フランケンレイターにまで興味が向き、もうこの手の音から離れられない身体になってしまい‥‥アハハ。

昨日、午後から会社に出勤したんですが‥‥通勤路が海岸線なんですよ。この時期の海辺、最高ですよ。そこをこのアルバム聴きながら車で走るわけですから‥‥あー、やっぱりこういうシチュエーションにピッタリだな、と。仕事前にユルユルの状態になってしまって、思わずそのまま会社行くの止めようかと思った程でして。ええ。

間違いなく、これからのシーズンにピッタリの1枚です。続くセカンド「ON AND ON」も名盤なわけですが、とりあえず最初はこのファーストから聴きましょう。セカンドよりもロック色が若干強めで聴きやすいですからね。



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投稿: 2004 07 24 02:43 午前 [2002年の作品, Jack Johnson] | 固定リンク