28日後...(2002)
あらすじ
たった1滴の血液で感染し、人間の精神を数秒で破壊する新種のウィルスが発生した。感染者の血管は純粋な激しい怒りで溢れ、人間の声を聞いただけで相手を殺そうと襲いかかる……。28日後、ジムは病院の集中治療室で昏睡状態から目覚める。世界から何もかも消滅してしまったような静寂の中、ジムは生き残った4人の非感染者たちと共に1台のタクシーで旅立つ。未来を救えるわずかな可能性を信じて。しかし、死のウィルスより恐ろしい存在に彼らはまだ気づいていなかった……。
『トレインスポッティング』でお馴染み、ダニー・ボイル監督による映画『28日後...』。劇場で観ようと思ってたら、結局忘れて行けなかったんだよね。先日、まとまった休みが取れた時に改めてDVDを借りてきて観ました。
観る前から既に周りで「(映画版の)『バイオハザード』みたい」とか「エンディングがイマイチ」なんて囁かれていて、あーそうなんだ、と鵜呑みにしつつ、そんなに期待しないで観たんですよ。
ところがね。これが非常に面白かった。いや、面白いからといって万人にはオススメしませんけどね。これはね、ゾンビ映画とかそんな類の映画じゃないですよ。むしろ第一級のホラー映画ですよ! スプラッター映画でもないし、ゾンビ映画でもない、もっと人間の内面にある狂気を描いたホラー。タイプは違うけど、過去に紹介した『シャイニング』や『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』にも通ずる狂気を描いた良作ですね。
「細菌に感染→凶暴化、人間に噛みつく」等の設定から、ゾンビものと捉えられがちですが、それは全くの誤解ですよ。ここでその認識のまま鑑賞を進めてしまうと、最後に肩すかしを食らうと思います。実際、俺も最初はそんな考えで映画を観てたんですよ。「あー、ゾンビもどきとはいえ、走っちゃだめでしょ!」とか「強すぎるよ!」とか。結構うんざり気味だったんですよね。「猿が病原菌を保菌」→『アウトブレイク』、そして上記のように『バイオハザード』といった映画がちらついたりしてね。
ところが。ストーリーが進むにつれ、映画に引き込まれていって……ハンナの父親・フランクが感染して射殺、以降のストーリー展開に引き込まれていき……そう、ここを境に主人公・ジムの“狂気”が一気に開花して(それ以前の、給油所でのシーンでその片鱗は伺わせていたし、実際あれがひとつの鍵になってるのも事実)、後は……実際に観てもらって判断してもらいましょう。とにかくこの映画の中では、人類にとって一番の敵は感染者ではなく、非感染者なんじゃないか……それはジムに限らず、あの軍隊の奴ら含めてね。生き残る為に躊躇わず感染者を“排除”していったヒロイン・セリーナにも言えること。人間は生きていく為に、常に残酷な面も持ち合わせている。それを端的に表現したヒューマン・ドラマと捉えることもできるかな。
とはいいながらも、結構至るところにジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』を彷彿させるシーンがちりばめられていて、製作側が如何にあの映画をリスペクトしているかというのが伺えますよね。ま、勝手に俺がそう思いこんでるだけかもしれないけど。
あと、やはりこの映画も『トレインスポッティング』同様、イギリス映画だなぁ、と。勿論良い意味でね。
うん、好きな映画ですよ。期待してなかっただけに収穫も多かったし、複数あるエンディングというのも個人的には面白かったな。まぁ白黒つけなきゃ気が済まない人にとっては駄作なのかもしれないけど。
(*82点)
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