メロン記念日『THE 二枚目』(2004)
メロン記念日のセカンドアルバム「THE 二枚目」が12月1日に発売され、ほぼ一週間が経ちました。ファーストアルバム「1st Aniversary」のリリースが昨年3月だから、1年9ヶ月振り。ほぼ2年と言い切ってしまってもいいでしょう。しかし、前回と今回とでは状況が違う。前作は、デビューから3年と1ヶ月。シングルを8枚リリースした末、ようやく掴んだ「ひとつのゴール」だったわけですが、今回の場合は‥‥この1年9ヶ月の間にシングルを5枚、DVDも4枚(ライヴDVDが3枚、PV集第2弾が1枚)、ソロツアーも数本‥‥それなりに順調だったと言えなくもないでしょう。いや、むしろ前作リリース前を考えれば、状況はかなり良くなったと言っていいでしょう。
なのに‥‥何故かしっくりこない。それは何故か?
残念ながら、「1st Anniversary」リリースを境に、メロン記念日はそれまでとはまた別の「トラップ」にハマってしまったように思います。一見順調に活動しているようで、だけど全然パッとしない。売る側の姿勢もあるんでしょうけど、とにかくシングル曲が‥‥いや、個人的には全然問題ないですよ。ファンですし、いくらでも好意的に捉えることはできますから。けど、「モーニング娘。の妹分」としてデビューしながらも、そのイメージは全くといっていい程世間には浸透せず、後から出て来た松浦亜弥に追い抜かれ、気づけば松浦や後藤真希のサポートに甘んじる。いや、それも個人的にはどうってことないんですよ。けど、世間的には‥‥
そう。「1st Anniversary」リリース後の、メロン記念日にとっての約2年とは「世間一般層との戦い」だったように思うのです。"香水"、"赤いフリージア" と、上手い具合に世間から注目を集められるような状況になり(そしてそれに値する楽曲を貰い)、ほぼベスト盤と呼べるような1stアルバムをリリースし、待望の初全国ツアー。彼女達は成功を手にするはずだった‥‥なのに。状況は一変しなかった。製作陣はそれなりに頑張ったんだろうけど、彼等の感覚と世間の感覚が全く一致しなかった。だから折角貰った大きなタイアップ("涙の太陽")でも何も起きなかった。そして開き直って、つんく♂以外の作家を迎えた楽曲("シャンパンの恋")‥‥全くといっていい程ヒットしなかった。けど、それまでとは違った反応をファンから得た。これは何なんだろう?
そんな微妙な空気の中、リリースされたのが今回のアルバム。全12曲中、シングル曲が5曲。他7曲がアルバム用完全未発表新曲ということになるんだけど‥‥本来なら大喜びすべきこの事実も、作曲につんく♂が全く絡んでおらず、その大半をはたけやたいせーといった「その他大勢」が手掛けたということで、水を差された感が非常に強く、殆どのファンが聴く前から異常なまでの敗北感を味わっていたのですよ。勿論、この俺も。
ところが、だ。これが思ったよりも悪くない。いや、結構イケるんじゃ‥‥何度も聴き込んでいくうちに、どんどん馴染んできてるんだな、これが。
最初に聴いた時の第一印象は、「非常に地味」。シングル曲とアルバム曲との落差を激しく感じたのね。それはアレンジや音の使い方だったり、メロディーの運び方だったり、全体的なイメージだったり。要所要所にシングル曲が配置されてはいるものの、アルバム曲になるとテンションがガクッと下がる。そしてまた、耳慣れたシングル曲で持ち返すんだけど、新曲でクールダウンして、最後はそのままの空気で終了する。そういうアルバムなんだと思ったのね、最初は。
でもね。決して新曲は駄曲というわけではないんだわ。そりゃ確かに駄目な曲もあるよ(特にたいせー作曲のやつな。奴は本当にプロの作家を辞めた方がいいと思う。誰か本気で奴に気づかせてやってくれ)。けど、平均点はクリアしてると思うんだわ。シングル曲は「売る」こと、「耳につかせる」ことを目的としてる面もあるから、こういうアレンジや音使いで間違いないんだろうね。けど、こうやってアルバムとして他の新曲と並べてみると、どうしても空回りしてるような気がしてくるんだよね‥‥聴き込んでいくうちにさ。同じシングルでも "シャンパンの恋" とそれ以外のつんく♂作4曲を比べると、その方法論が若干違っているように感じられてね。その "シャンパンの恋" に用いた方法論は、しっかりアルバム曲にも流用されているのね。確かに地味だよ。けど、味わい深い。聴けば聴く程味が出る。そんな曲が揃ってると思うのね。
"シャンパンの恋" 同様、サムシングエルスの今井千尋が手掛けた "レモンタルト" なんて、その最もたる例なんじゃないかな。決してシングルのタイトルナンバーになることはないけど、アルバムの中で活きる曲。そういう曲ってどんなアーティストにも必ずあるよね。地味だけど、ファンの間で大人気のナンバー。それに成り得る1曲でしょう、これは。もう1日‥‥これが11月にリリースされていたら、間違いなく今年の「ハロプロ楽曲大賞」に選んでたはず。しかもかなりの上位に。
その他にも "キライ、スキ スキ スキ ホント、ウソ ウソ ウソ" も心地よさ(と思ったら、アレンジは矢野博康だった。当然か)、"愛してはいけない…" や "ラストシーン" のベタさ(初期のメロンを今敢えて演じるようなイメージ)、"努力・系・美人" のアレンジ(そう、あくまでアレンジ主体な。これも矢野アレンジ)とか‥‥聴くべき点は幾らでもあるんですよ。
「1st Anniversary」がああいう作風(シングル・コレクション的内容)だったことから、この「THE 二枚目」こそがメロン記念日にとって真の意味でのファーストアルバムと言えるでしょう。と同時に、前作が「デビューから3年間の成長と苦悩の歴史」だとしたら、今回は「そこから更に、どのように実力を付けたか?」という結果発表、あるいは披露の場。与えられた楽曲が良かろうが酷かろうが、それを見事に「メロン記念日の曲」にしてしまう‥‥初期のような「歌わされてる感」を一切感じ取らせない、一流のパフォーマーへと成長した彼女達の、文字通りの「アルバム」なわけですよ。
‥‥ダメだ、メロンのことになると、必要以上に熱くなっちまう。必要以上に長くなっちまう。もっとクールに書くつもりだったのに。
要するに、あれだ。この1週間、今回も前作同様に毎日聴きまくってるってことですよ。そのひと言に尽きるわけですよ!(結論短っ!)

▼ メロン記念日『THE 二枚目』
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