2016/01/12

David Bowie『A REALITY TOUR』日本武道館公演(2004年3月8日/再掲)

※このライブレポートは2004年3月11日に「とみぃの宮殿」に掲載されたものを、加筆修正したものです。最後のジャパンツアーの模様を伝えたいと思い、またデヴィッド・ボウイ追悼の意味を込めて再掲載したいと思います。


8年ぶりに来日したデヴィッド・ボウイのジャパンツアー初日、3月8日の武道館公演に行ってきました。前回('96年6月だっけ?)観たのもここ武道館。あのときは布袋寅泰がオープニングアクトとして出演してたっけ。今回行われる来日公演3本のうち、オープニングアクトが付かないのがこの初日のみ。そういう意味では損したような気がしないでもないけど……ま、ここ数日ボウイが観れるって考えただけでドキドキしてたし、正直ボウイばかり聴いてたから、余計なモノを観なくても(聴かなくても)済んだ、という意味では得したのかも……要はボウイさえ観れればいいわけ。

この日は2階席西側の最前列。ステージにかなり近いポジションだったこともあり、本当にドキドキもんでした。そのステージは比較的シンプルで、ドラムやキーボードの後方に数段高いステージ(踊り場?)があったり、その上からススキの穂みたいなのがぶら下がってたり、そのさらに後方には大きなスクリーンがあったり、ステージ前方には2メートル程度の花道があったり。過去のボウイと比べれば明らかに地味なわけ。今回の『A REALITY TOUR』、すでに行われた全米公演のセットリストとか見ると、過去の封印が何のそのって感じの選曲なわけですよ。とはいえ完全な1990年の『SOUND+VISION TOUR』みたいなヒットメドレーというわけではなく、意外な曲、地味な曲、そして過去2作の新譜からの曲をふんだんに取り入れ、明らかに「21世紀のデヴィッド・ボウイ」を提示した内容。新作『Reality』はなかなかの力作だっただけに、ライブでの披露もかなり楽しみなわけで。観る前からこんなにワクワクしたボウイの来日公演って、もしかしたら初めて観たドーム公演以来じゃないかな? その後も『Outside』でのツアーで観てるけど、今回の比じゃなかったもんな。

ほぼ定刻どおりにライブはスタート。まずオープニングSEが流れ出すのと同時に、会場が暗転。バックのスクリーンに都会の映像が流れ、SEは生バンドによるインストへ。途中から映像がボウイ・バンドのメンバーをコラージュしたアニメーションに切り替わり、これがボウイ・バンドの演奏によるものだと判明するのですが。アニメーションのボウイはハーモニカを吹いています。で、映像がアニメからリアルな姿に変わり、実際のバンドメンバーがひとり、またひとりとステージに登場します。会場はスクリーンの灯りのみで、最後にボウイが現れ、あの印象的なリフが会場に鳴り響く。全米ツアー同様、1曲目は「Rebel Rebel」。イントロ部はオリジナルバージョンに忠実で、歌に入る直前に2003バージョンに変わるというアレンジ。うん、やっぱりロックンロールを歌うボウイは単純にカッコいい。その佇まいがさまになるし。サビに突入して、会場がパッと明るくなり、初めてボウイがきらびやかな衣装を着ていることに気づきます。なんだかなぁ……57才なのに、この王子ぶり。ここまで圧倒的にカッコいい57才、他にいる!? ったく……うちのオフクロと同い年ってのがね……そんな自分の親父と呼んでも差し支えない年齢のオッサンに向かって、目を輝かせてる自分って一体……ま、気にしない気にしない。実際カッコいいんだからさ。

1曲終えて一息つくボウイ。以前からは考えられないほどに話す話す。かなりアットホームな雰囲気の中、新作から「New Killer Star」を。ここでボウイ、ギターも弾くんだけど、あんまり音が出てないような気が。ま、気にしない気にしない。残念ながらお客のリアクションは明らかに薄かった。それだけは事実。畜生、ここに集まってきた中年連中は、ここ数作の新作は完全無視してるようですぜ? だって、その後に演奏された「Fame」と比べればその差は歴然でしたからね。

旧曲のライブアレンジ自体は2000年のツアー以降、ほとんど一緒みたい。比較的カッチリした演奏ながらも、適度にルーズで適度にファンキー。特にドラムのスターリング・キャンベルのプレイがハンパなくすごかった。時にチャーリー・ワッツみたいな「ロールする」ロックンロールプレイを、時にNine Inch Nailsばりに「人間ドラムンベース」していたりするんだから。あとベースのゲイル・アン・ドロシー。ルックスだけで一人勝ちなのに、ベースだけでなく歌も相当うまい。コーラス要員としてシンセ&パーカッション&ギターを担当していた黒人女性(キャサリン・ラッセル)とともにいい仕事をしてました。

その後、Pixiesのカバーだと多くの人が気づいてないであろうシンプルなロックンロール「Cactus」で徐々に盛り上がりつつ、この日最初のピークが「All The Young Dudes」で訪れます。名曲すぎ。イントロのフレーズを聴いただけで鳥肌。サビでは大合唱……のはずなんだけど、キーが若干高かったせいもあり男性には厳しく、思ったほど大きな合唱にはならず。まあそれでもかなり歌えてた方だと思いますけど。曲が終わると、また一緒に歌ってくれというようなコメントの後、印象深いギターフレーズが。「China Girl」だ。イントロ部でのコーラスでゲイルがトチってやり直しになったのはある意味貴重かも。

ていうかさ、ホントにみんな歌わなすぎ! 知らないの? 何しに来たの!?なんて考えながらこの曲を聴いてると、今度は「Hallo Spaceboy」。とにかくこの曲はライブがカッコいいん。ボウイは後方の高台に昇って歌う。この曲でバンドの音量が一気に大きくなった印象。とにかくラウド(特にドラム、すごすぎ)。そういえば昔、ボウイの50才記念ライブで、この曲をデイヴ・グロールが叩いてたっけ。ふとそれを思い出させるほどにパワフルなドラミングで圧倒されっぱなし。もちろん、ボウイのカッコよさが大前提としてあるわけですけどね。

最初のピークで大きな拍手を受けた後、今度はまったりモードに。メンバーのほとんどが袖に引っ込み、スクリーンにはMVっぽい映像が。キーボードとギターで幻想的な演奏を始め、それがそのまま『Heathen』1曲目の「Sunday」へとつながっていく。曲が進むに連れてひとり、またひとりとメンバーがステージに戻ってきて、クライマックスのバンド演奏へ……CDだと盛り上がったところでフェードアウトという尻切れトンボ状態だったんですが、ライブではさすがにそれはなし。ギターソロ弾きまくり、ドラムもパワフルに叩きまくり。アルバムテイクが嘘みたいな名曲ぶり(いや、名曲は言いすぎか)。続いて新作からの「The Loneliest Guy」、Nirvanaのアンプラグドでおなじみ「The Man Who Sold The World」とまったり三昧。派手な盛り上がりはないけど、とにかくこれもボウイの持ち味のひとつ。

一息ついて、ゲイルのボーカルをフィーチャーした「Under Pressure」。ご存知のとおり、原曲はQUEENとのコラボ作。演奏自体は原曲どおりで、ゲイルはフレディ・マーキュリーのパートを一生懸命にこなしているんですが、ある意味ではフレディを超えていた気が。とにかくうまいシンガーだな、と。ボウイは10数年前にフレディの追悼ライブでアニー・レノックスと一緒にこの曲を歌っていたけど、あのときよりはるかに良かった。タイミング的にもちょうど日本でQueen再評価の時期だけに、この選曲は大成功。ボウイというよりもQueenの曲なんだけどね。そしてその盛り上がりを引き継ぐように、名曲「Life On Mars?」へ。ボウイ、かなり歌えてたほうだと思いますよ。さすがにちょっとウルッときた。すげえ良かった、うん。

この後、『Low』からの三連発(「Sound And Vision」「Be My Wife」「A New Career In A New Town」)に失禁しそうに。特に後者2曲は意外な選曲だっただけに、腰抜かしそうになりました。だって「A New Career In A New Town」って……ボウイ、ハーモニカ吹いてるだけだし。もうね、カッコよすぎ。ニューシングルかつミネラルウォーターのCMソングの「Never Get Old」は、どことなく「Fame」や「Young American」にも通ずる“黒っぽさ”を持った1曲。女性コーラスがいい味出してるね。その後に、確か前回の来日時にもやってたような記憶がある「Quicksand」、再び新作から「Days」というアコースティック楽曲が続き、さらにギターのエフェクトが気持ちいい「Heathen (The Rays)」、新作のからのLooking For Waters」と、後半になっても比較的新しめの曲が続くのが正直以外。全米ツアーよりも新曲増えてるんじゃない? 日本で久々のヒットを記録したから、気をよくしたとか? まあここ最近、旧譜よりも新作をよく聴いてたので、個人的にはありがたかったんですが(古い曲はありがたみが大きい反面、変わり果てたときは受けるショックも大きいから諸刃の剣なんですよね)。

エンディングが近づき、最後の盛り上げパートに。まずは「Ashes To Ashes」。大好きな1曲で、一時期バンドでコピーしてたことがあるほど。原曲とキーが変わってるので、慣れないと違和感が残るんだけどね。原曲にあった浮遊感/ニューウェイヴっぽさが薄れて、ポップ色の強いロックナンバーに様変わりしてるのが気になるけど、この際良しとしよう。そして『Earthling』から唯一披露された「I'm Afraid Of Americans」。本当は「Little Wonder」を聴きたかったんだけど、この曲がとにかくファンキーかつつヘヴィで、それこそNine Inch Nailsっぽくもあり、先の「Fame」あたりにも通ずる色もあり。この曲だよ、とにかくドラムがすごかったのは。ラストでのドラミングは神業で、ハイハットとリムショットを使用した、正しく人間ドラムンベースといったプレイ。そりゃ終わった後、この日一番の拍手を受けるわけだ。本編最後は名曲中の名曲「Heroes」。1コーラス目はギターのバッキングのみで歌われ、歌い終えるとおなじみのフレーズとともにバンドが加わるといったアレンジ。ちょっともどかしくもあったんだけど、じらされただけにあのギターフレーズが聴こえてきた瞬間、鳥肌が……やっぱりカッコいいわ、うん。曲も、ボウイも、バンドも、とにかくすべてが最高にカッコよすぎ。

アンコールでは、ドラムの印象的なフレーズとともにあの曲が……『Ziggy Stardust』1曲目、「Five Years」……最初のフレーズをボウイが歌い出した瞬間、思わず涙がこぼれそうに。いやあ、参った。まさか本当に泣きそうになるとは。まさかこの曲をここでこうやって聴ける日がくるとは……すでにアメリカ等で披露されていると知っていながらも、いざ実際に耳にするとね……こらえきれなくなるんですわ。もうね、終始歌いっぱなし。さらにこの流れで「Suffragette City」ですよ!? 10数年前、初めてボウイを生で観て、どうしてもこの曲を自分のバンドでやりたくなって。その後数年間、この曲を何百回と歌ってきたもんだから、そりゃそらで歌えますわ。後半のサビ繰り返しはさすがのボウイも厳しそうで、高いキーが全然出てなかったですが、そんなの気にしない気にしない。キメの「Ah, Wham bam thank you mom!」も一緒に叫びましたよ、ええ。

そんな、完全に心酔し切った状態の中、アルバム『Ziggy Stardust』曲3連発のラストを飾る「Ziggy Stardust」。あのリフを聴いた瞬間、全身に鳥肌立ちまくり。当然この曲もそらで歌えるわけですが‥‥泣いた、マジで。実際に涙は流れなかったかもしれないけど、心で号泣。ありがとうって言いながらボウイに抱きつきたい心境。2時間10数分がアッという間で、まさか26曲もやったなんて思ってもみなかった。

間違いなく、90年以降の来日公演で一番の内容でした。「今のボウイ」もちゃんと垣間みれたし、いろんな意味で吹っ切れたかのような初期代表曲のオンパレードといい、とにかく完璧すぎる内容でした。選曲的にも申し分ないと思うし(そりゃ言い出したらキリがない)、ボウイの状態もかなり良かったと思うし、何よりも今のバンドが素晴らしい。個性的なメンバーが集まった今のバンドで、2枚のアルバムのツアーを長期間過ごしてきたこともあり、かなり息が合った演奏を聴くことができました。どうせならまた観たいよ、次のツアーでも。

正直なところ、観る前は結構不安になってたのね。先日観たKraftwerkが「過去」と「今」をつなげた、ある意味集大成的な素晴らしいステージだっただけに、ボウイは一体どうなるんだろうと。開き直って過去の曲を多くやってくれるのは嬉しいんだけど、でもなぁ……って。けど、実際には違った。いや、もちろん過去の曲をたくさんやってくれたんだから違ってはないんだけど、根本の部分では違ってた。今回はツアータイトルどおり、『Reality』という自信作を引っ提げたツアーなんだなと。観客の新曲に対するリアクションは薄かったし、あのリアクションがすべて正しいとは思わないけど、僕は今のボウイを支持したいな、うん。そして……できることなら、夏にもう一回、野外で観たいよね。

セットリスト
01. Rebel Rebel
02. New Killer Star
03. Fame
04. Cactus
05. All The Young Dudes
06. China Girl
07. Hallo Spaceboy
08. Sunday
09. The Loneliest Guy
10. The Man Who Sold The World
11. Under Pressure
12. Life on Mars?
13. Sound and Vision
14. Be My Wife
15. A New Career In A New Town
16. Never Get Old
17. Quicksand
18. Days
19. Heathen (The Rays)
20. Looking For Water
21. Ashes To Ashes
22. I'm Afraid Of Americans
23. Heroes
<アンコール>
24. Five Years
25. Suffragette City
26. Ziggy Stardust



▼David Bowie『Reality』
(amazon:国内盤

投稿: 2016 01 12 07:15 午後 [2004年のライブ, David Bowie, 「R.I.P.」] | 固定リンク

2004/12/13

メロン記念日コンサートツアー2004冬〜ザ☆メロンショー!〜@渋谷公会堂(2004年12月12日)

 思えば今年は一度もメロン記念日の単独コンに行きませんでした。というよりも、行けなかったといった方が正解なんですが。春ツアーは前日に「MAGIC ROCK OUT」がオールナイトであったから無理だったし(無理、というか起きられなかった、というのが正解)、6月のスペシャルライヴは直前に従姉妹の結婚式@盛岡に行ったりで無理だったし、夏ツアーはエゾロックに行ってて無理だったし‥‥という具合に、他のライヴを優先するばかりに、メロンを蔑ろにしてきたのね。ま、それは今に始まったことじゃないんですが。昨年はまだ「東京公演は無理だから、他の土地(千葉だったり仙台だったり)で観よう!」という気持ちがあったんですが、今年はそれが完全になくなりましたね。熱が冷めたのか、それとも「もう俺が応援しなくても大丈夫」と思うようになったのか‥‥

 ま、そんなことはともかく。丁度1年振りに観るメロンのライヴですよ。しかも会場は1年前と同じ、渋谷公会堂。昨年、柴田が泣いた、あの場所。斉藤が腰を痛めて全力でライヴに臨めず、悔し涙を流したあの場所ですよ。そういう意味では、非常に感慨深いものがありますね。

 というわけで、簡単な感想を書いてみたいと思います。セットリスト等ネタバレが多いので、これから大阪&名古屋公演に行くという人は、この先は読まない方がいいかもよ?

 んじゃ、まず最初にセットリストからいきますか。

  00. メロン記念日のテーマ
  01. シャンパンの恋
  02. 恋の仕組み。
   --MC--
  03. かわいい彼
  04. MI DA RA 摩天楼
  05. 雪
   --MC--
  06. 努力・系・美人
  07. 夏の夜はデインジャー!(ショートVer)
  08. ぴったりしたいX'mas!(大谷&柴田)
  09. 聖なる鐘が響く夜(村田&斉藤/ショートVer)
  10. 赤いフリージア
  11. キライ、スキ スキ スキ ホント、ウソ ウソ ウソ
  12. チャンス of LOVE(ショートVer)
   --VTR(「夏」オリジナルPV)--
  13. 遠慮はなしよ!
  14. さぁ!恋人になろう
  15. This is 運命
   --MC--
  16. 香水
   --ENCORE--
   --MC--
  17. さあ、早速盛り上げていこか〜!!
  18. THE 二枚目 〜ON MY WAY〜

 全18曲ですが、ご覧の通り3曲を除く全てがフルコーラスで歌われているので、実質2時間近くの濃い内容でした。個人的には久し振りにオープニングに流れる "メロン記念日のテーマ" にちょっと感動しつつ、そのままユルリと始まる "シャンパンの恋" への流れ、意外と好きですよ。初単独コンの時の "香水" を思い出しましたから。

 全体的に非常に安定したライヴでして、最初の頃みたいなハラハラ・ドキドキ感(ライヴ中何かトチるんじゃないか的な)は既になく、良い意味で予定調和の中進んでいく印象を受けました。そういう意味では、この1〜2年の数々のツアーで鍛え上げられたんだなーと感慨深かったり。またその反面、何か物足りないものも感じたり。

 選曲は2ndアルバム「THE 二枚目」リリース後ということで、アルバム曲(7曲の新曲)中心にいくのかな、と勝手に想像してたんですが、実際に披露された新曲は3曲。アルバムからの先行シングルとなった "シャンパンの恋" とそのc/w曲 "恋の仕組み。" といった曲も含めると、新曲は5曲というカウントになりますが‥‥個人的には人気曲だと思ってる "レモンタルト" や "ラストシーン" といった曲が選択されず、元Cymbalsの矢野さんアレンジの2曲が進んで選ばれている点が興味深かったですね。勿論それは完成度が高いからという理由もあるでしょうけど、それ以上に‥‥次への布石なんじゃないかな、と。2月のシングルはこの布陣(たいせー作曲/矢野アレンジ)でまた行くのかな、と‥‥それは嬉しい反面、非常に困るんですが。どうせなら矢野さんに作曲も任せてしまえばいいのに。

 そうそう。選曲でもうひとつ。完全に初期の曲を排除し、尚かつ人気のc/w曲も少なく("遠慮はなしよ!" くらいか)‥‥所謂メロン人気に火が着き始めた "This is 運命" 以降のシングル曲&2ndアルバム周辺の曲という構成が、これまでとは違った印象を与えてた気がしますね。予定調和的なイメージを受けたのは、もしかしたらこの辺の選曲にあったのかもしれませんね。ぶっちゃけ、もう "〜運命" も "さぁ!恋人になろう" も、両方共やる必要はないんじゃないかな、と。そういう時期に来てると思うし、実際今日のライヴから「それらを徐々に排除して、次のステップに進まなきゃ」というような空気を読み取りました。いや、勝手に読み取っただけですが。

 毎回お約束のハロプロ他ユニット曲のカバーも、今回は時節柄クリスマスソングが選ばれ、柴田&大谷はプッチモニ、村田&斉藤は初期タンポポの曲を聴かせてくれました。ま、柴田はタンポポ在籍経験があるから、プッチを選んで正解だけどね。実際ピッタリだったし。個人的には斉藤の歌で "聖なる鐘が響く夜" みたいな曲が聴けたのは、大きな収穫だったな、と。この人にはもっとこういう曲を、思いっきり歌って欲しいな。

 ハプニングも相変わらずでしたね。特にMC。大谷が素晴らしくいい味を出していて(チャックが空いてるのには、崩れ落ちた柴田同様、俺も倒れそうになった)、柴田は相変わらずカワイイし、村田はこれまでになかった程に「煽り」に回ってて、とても驚きました(この1年でそういう風に成長してったってことですか?だとしたら、すごくいい1年を送れたんじゃないかな)。そして最後に斉藤‥‥最後のMCの途中でいきなり泣き始めて‥‥一瞬何事かと思いましたが、昨年の自分自身の悔しさを思い出して、そしてあれがあったから今年1年頑張れたこと、等。そういういろんな思いが絡み合って泣けてきたんだろうね。俺の席からは確認できなかったけど、恐らく柴田や村田辺りは目に涙を滲ませてたんじゃないの? 勝手な想像だけど。

 何だろ‥‥このMCの時に俺、あぁ俺、まだメロンのことを見続けてくことができるな、と感じたのね。それまではライヴ観ながら「もう暫くは観なくてもいいなぁ。俺が応援しなくてもいいよな」って感じてたんだけど、こういう変わらない面を見ちゃったら、だったらもう少し付き合ってみよう、って思ってさ。ま、そうやってまんまと乗せられてる気がしないでもないけど。ええ、どうでもいいですよ!

 ファンの間では今回の内容、恐らくこれまで以上に賛否あると思うけど、今回はこの1年の試行錯誤、そしてこの先の新しいステップへのけじめなんだと、俺は思いたい‥‥そして年が明けて、レビュー&コンサートという新しい形態のショー、再び松浦亜弥のツアーに帯同する等、新たな試練が待ち構えてますからね。来年もまた挑戦が続くわけですよ。

 頑張れ、メロン記念日。どんなことになっても、俺は見守り続けるからさ。



▼メロン記念日「メロン記念日ライブツアー2004夏 〜極上メロン」(amazon

投稿: 2004 12 13 01:55 午前 [2004年のライブ, ハロー!プロジェクト, メロン記念日] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/08/14

終わった‥‥

 奇跡を見た! この場に居た奴ら、全員を抱きしめたい! 笑いたければ笑え! ホント、今まで観た中で最高のZIGGYだった!!

 とりあえず、セットリスト!

1. BOOGIE WOOGIE TRAIN
2. I'M GETTIN' BLUE
3. MAKE IT LOUD
4. 悪魔と踊れ(新曲)
5. JEALOUSY 〜ジェラシー〜
6. 翳りゆく夏に
7. GLORIA
8. HEAVEN AND HELL

 いきなり1stから3連発! フェスのこと、よく判ってるんだか判ってないんだか。ま、この場に居合わせたオールドファン及び昔は聴いてたぜ的オサーン&オバサン達大興奮。そして2曲目でいきなりピークに。だってさ、その場にいた客全員が大合唱してるんだぜ? マジあり得ない! だってどうみても10代の小僧共が「あぃ〜げでぃんぶ〜」って。大声で。歌ってるんですから。マジで!

 新曲が聴けたのもよかった。今度出るボックスセットに入るやつかな。けどこれが全然「新曲ぽくない」のがある意味凄い。スローに始まって一瞬バラードか?と思わせておいて、ホンキートンク調のラフなロックンロールなんだから。カッコいいったらありゃしない。松尾までコーラス張り切ってやってるし。

 その後、意外な "JEALOUSY" が飛び出したり、唯一SNAKE HIP SHAKES時代から選ばれた "翳りゆく夏に" でクールダウンした後、この日最大のピーク‥‥あのタムタムの4つ打ちが‥‥イントロのリフが鳴り響いた瞬間、大歓声を通り越して、大悲鳴ですよ! ええ、"GLORIA" ですよ‥‥14年振りの、生 "GLORIA" ですよ‥‥とうとうSHS時代のライヴで俺が体験することのなかったあの曲を、14年振りにこの北の大地で聴くことになろうとは‥‥いや、やらないわけないと思ってたけど、いざ聴くとやっぱり感慨深い‥‥もうこの時点で声ガラガラで歌えないんだけど、それでも一緒に口パクパクして歌ってやったよ。本気で泣きそうになった!

 そして最後の最後は、今現在のZIGGYの代表曲というかテーマ曲である "HEAVEN AND HELL"。前の曲でいい意味で温まったお陰で、この曲もナイスリアクションを得られました。つーか俺の周り、歌える率高すぎ! みんなファンかよ!!

 いやぁ‥‥高い金かけて、ここまで来た甲斐があったってもんですよ‥‥俺の夏フェス、サイコーッ!

投稿: 2004 08 14 10:15 午後 [2004年のライブ, ZIGGY, 「フェス」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

ZIGGYさん待ち

ezo07.jpg

 エゾでツーバスフルセットは多分JOE‥‥というか、彼らだけ? 今日はキーボードがあるってことで、サポートにキーボードで三国義貴さんが付くっぽいです。前の方にはコアなファンが既に陣取ってるし。後方からはドンドンお客が入って来てます。物珍しさで観る人、マジで観たい人、久し振りに名前を見て感慨深げに足を運ぶ人、等々。ちょっと面白いものが見れるかもしれませんぜ?

投稿: 2004 08 14 08:10 午後 [2004年のライブ, ZIGGY, 「フェス」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/08/08

光と影

 昨日はライブビート@NHKのPolarisのライヴに行ってきました。生放送で約50分程度。実は何気にちゃんとPolarisのライヴを観るの、初めてかも。いや、過去にも観てるんだけど、酔っぱらってたり、フェス会場のテントの中から音だけ聴いたりとか。自ら「よし聴くぞ!」という気持ちで臨んだのは今回が初めて。ごく初期からちゃんと追ってたのにね。

 NHKには初めて入ったかな。いや、ふれあいホールの方は前に行ったけど、ライブビートの収録なんて初めてだし。普段平日だしな。

 音が意外としっかりしてたのが印象的。なんていうか、如何にも前時代的ラジオ収録的な雰囲気を匂わせつつ、19時20分頃からライヴ開始。セットリストは多分以下の通り。

 1. ツインドラム
 2. 瞬間
 3. 深呼吸
 4. 檸檬
 5. 太平洋
 6. 光と影
 7. コスモス

 ライヴ自体は、非常に良かった。つうか心地よ過ぎ。本来ならアルコールとか入れたドーピング状態で聴くのが一番気持ちいいんだろうけどさ。まぁそれはそれ。ステージを観るというよりは、ひたすら目を瞑ってビートに身を委ねる。そんな楽しみ方がピッタリなバンドですな。新曲も2曲くらいやってて。"太平洋" と "コスモス" っていう曲。個人的には "光と影" が良かったかな。

 う〜ん‥‥良かっただけに、ちょっと物足りない当たり前だけど。かといって、単独公演観に行く程好きってわけでもないし。やっぱりイベントやフェスに出演した時は、無理してでも観に行けってことですか。そうですね、ハイ。それを嫌ぁ〜という程実感させられました。良いライヴだけに。

 ‥‥けどホントはアルコールを一切摂取できなかったことへの恨み節が80%くらいなんだけど(えーっ)。



▼Polaris「cosmos」(amazon

投稿: 2004 08 08 04:03 午後 [2004年のライブ, Polaris] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/06/20

THE MAD CAPSULE MARKETS CiSTm K0nFLqt... TOUR@Zepp Tokyo(2004年6月11日)

  THE MAD CAPSULE MARKETSのライヴに行ってきました。約3年振りとなる通算11作目のオリジナルアルバム「CiSTm K0nFLqT...」を伴うツアーのラスト3デイズの初日、Zepp Tokyo公演だったんだけど、この日はゲストとして盟友のWRENCHの出演も直前に決定して、個人的には非常に心待ちにしていたライヴであったんだけど‥‥その反面、CCCDのせいで未だに聴けていない新作中心のツアーということで、どこまで楽しめるのか‥‥ホントそれだけが心配の種でね。昨年、CCCD化されたアルバムの楽曲しか演奏しないというエレファントカシマシのライヴを観ているだけに、しかもそのライヴが心底楽しめるものではなかったことから、大好きなバンドのライヴを前にまた複雑な心境に陥るのかな‥‥

  当然ながらライヴは3日間ともソールドアウト。客層も明らかにフェス等の時以上に若い。完全に10代中心。とりあえずはオープニングアクトのWRENCHを後方で楽しむ事にしますか‥‥。


●WRENCH

  彼らもイベント等でしか体験したことがなく、またアルバムもマトモに聴いた事がないので、ちゃんと知ってる曲が数曲しかないんだけど、それでも十分に楽しめちゃうのがまた彼らのライヴの良さなんだよね。後で聞いた話だとリリース前の新曲中心の内容だったようだけど、変な先入観がなかったせいかとても楽しめました。彼らの最新作もCCCDだったわけだけど、やっぱりライヴだと気持ちいいんだよね。新曲はサイケとはまた違った方向で、結構ゴリゴリしたイメージが強かったかな。1~2曲ボーカルのShigeがキーボードか何かを弾きながら歌う曲があって、またそれが独特な雰囲気を醸し出していて好印象。そろそろちゃんとアルバム聴いてみようかしら‥‥リキッドルームでのライヴ盤しか持ってないんだよね俺。ライヴ自体は30分程度だったけど、6~7曲やったかな。短かったよなぁ。


●THE MAD CAPSULE MARKETS

  新作のツアーだから新曲中心な内容になるのは仕方ないと諦めてたんだけどさ‥‥これがね、最初から最後まで汗だくで踊り狂える程、サイッコーに楽しくて素晴らしいライヴだったのよ。新作から2曲を除いてほぼ全曲に近い形で、しかもアルバムとほぼ同じ曲順でライヴが構成され、その合間合間にここ2~3作からの代表曲/シングルヒット曲を散りばめた、正に現時点での「THE BEST OF "MAD"」といった内容。半分が新曲、半分が過去の曲という意味で、本当にバランスが良い内容だと思いました。

  しかもね、披露された(この時点で初めて耳にすることになる)新作「CiSTm K0nFLqT...」の楽曲がどれも素晴らしいものばかりなのよ。個人的には前作「010」って良い曲と普通の曲の落差が激しくて、とてもじゃないけど名盤とは言い難い内容だったのね。けどさ、正直今度のアルバムは(少なくともライヴで聴く限りは)ここ数作‥‥現在のような路線に移行してから‥‥での最高傑作なんじゃないの!?と思える程、バランスが良い曲ばかり(な気がした。ライヴで聴く限りでは)。もうね、頭の2曲(SE的な "-start ID-" を除く、"RETALK" と "Bomb Idea")で完全に持ってかれちゃって。一番後方でじっくり観戦するつもりがさ、気づいたら真ん中辺まで走ってたもん、人かき分けて。唯一新作から知ってる(シングルヒット)曲 "SCARY -Delete streamin' freq. from fear side-" も最初シングルとして出たときは「正直どうなの?」と思ったものの、この流れで聴くと完璧。身体が温まったところでシングルヒットという流れも完璧だと思うし。

  このまま新作中心に行くのかとおもいきや、前作からのシングルヒット2連発("CHAOS STEP"、"GAGA LIFE.")という出し惜しみしない感じも驚きだったし、所々に過去の代表曲(しかも "SYSTEMATIC." まで!)を程よく散りばめた構成は本当に圧巻。で、新曲になってもテンションが全く落ちず、むしろ最近の曲の方が余計にテンションが上がるんだよね、こっちも。個人的にはトランシーなシンセと独特なメロディ感が印象的な "W.O.R.L.D" がすっげー気に入ったよ。これ、シングルカットすればいいの(8センチシングルで。そうすれば俺も聴けるし)。"クラッカー!!!" ってのは去年のフジロックでもやってた曲だよね? 随分と印象が変わった気がするけど、こっちの方が好みかも。

  終盤も新作メイン。特にラスト曲となったアルバムタイトル曲 "CiSTm K0nFLiqT..." も良かったなぁ‥‥本当にこのアルバムを象徴するような1曲だと思うよ。あー畜生、何でこんなに良いアルバムを普通の環境で、普通に楽しむことができないんだろうね? そりゃさ、簡単にコピーできるのは知ってるよ。けどさ、そういう問題じゃないじゃん。バンドには申し訳ないけど、やはりああいった「不完全な商品」に「いち消費者」として金を払いたくないから。中身は素晴らしいのは十分に判ったけど、それを聴き手に届ける手段が絶対に間違ってると思う。そしてそれが続く限りは、俺は断固として自分の信念を突き通す。それが俺のやり方だから。そうこうしてるうちに周りから取り残されたとしてもね‥‥

  アルバムタイトル曲を終え、本編が終了。当然アンコールになるんだけど、ここからは本当にヒットメドレーといった流れ。「OSC-DIS」からの強烈ナンバー2連発("TRIBE"、"PULSE")で心身共に燃え尽きたアンコール1回目。これで終わりかなと思わせて、更にダブるアンコールが用意されているとは。しかもギターのTORUが冗談ぽく弾き始めたギターフレーズにドラムのMOTOKATSUが合わせていき、気づいたら演奏されてたMETALLICAの大ヒット曲 "Enter Sandman"! KYONO、歌詞テキトーだし。実は何気に一番盛り上がってたんじゃないの?ってくらいに周りが普通に歌えてたのが意外というか。そうか、いつの間にかそういうファンに支えられてるってことなの? ま、俺はマッドもMETALLICAも好きだからこの冗談、心底楽しめたわけですが。 ワンコーラスで終わらせ、そのまま最後は和やかな雰囲気で "ISLAND" を演奏して終了。約90分に及ぶ完全燃焼のライヴでした。

  音楽のタイプもあるだろうけど、やっぱり聴かせ方なんだろうな‥‥あとは聴き手のモチベーションとか柔軟度とか。確かに「CCCDだから‥‥」という事実だけでアーティストを非難したりするのは間違ってるんだけど、けどそういう気持ちを抱きながらライヴに出向いても心底楽しめないって人もいるでしょう。実際俺もマッドを観るまではそんな感じだったし。やっぱりこれはもう、マッドみたいなバンドだったから上手くノせられちゃったってのもあっただろうし、曲も本当に文句の付けようがない程に良かったからってのもあったんだろうなぁ‥‥完全に完敗。本気でこのまままた海外に出向いていって欲しいよね、この素晴らしいアルバムを引っ提げて。つうか‥‥「Palm Pictures Records」との契約ってアルバム2枚で終わっちゃったの? 折角から是非年内中に海外で「CiSTm K0nFLqT...」をリリースして欲しいんだけど(というか、そうしてもらわないと聴く手段がないし、年明けたら輸入権が施行されちゃうし)‥‥前2作を気に入っていた海外のオーディエンスなら間違いなく『ブッ飛ぶ』内容だと思うんだけどねぇ、アルバムにしろ、ライヴにしろ‥‥

  あー、今回のライヴ観たら、夏フェス(今年はサマソニとエゾに出演予定)で彼らを観たくなっちゃったよ!


[SETLIST]
00. -start ID-
01. RETALK
02. Bomb Idea
03. SCARY -Delete streamin' freq. from fear side-
04. CHAOS STEP
05. GAGA LIFE.
06. JAM!
07. W.O.R.L.D
08. クラッカー!!!
09. MULTIPLIES
10. SYSTEMATIC.
11. Sunny Beach Rd.
12. LOUD UP!!
13. She loves it -Explore the new day-
14. GOOD GIRL -Dedicated to bride 20 years after
15. BIT CRUSHERRRR
16. HAPPY RIDE
17. CiSTm K0nFLiqT...
---ENCORE---
18. TRIBE
19. PULSE
---ENCORE---
20. Enter Sandman (METALLICA's cover)
21. ISLAND



▼THE MAD CAPSULE MARKETS『CiSTm K0nFLiqT...』
(amazon:海外盤CD

投稿: 2004 06 20 12:00 午前 [2004年のライブ, Mad Capsule Markets, The, Wrench] | 固定リンク

2004/04/22

RADIOHEAD HAIL TO THE THIEF TOUR@幕張メッセ展示ホール9~11(2004年4月18日)

前回観たのは1998年1月17日‥‥つまりこのサイトが立ち上がる、約1年前。だけどこのサイト内で一番古いライヴレポートは、実はそのRADIOHEAD公演だったりするんだよね‥‥そんなわけで、俺にとってもこのサイトにとっても原点であるレディヘ。この6年3ヶ月の間に彼らは2度(2001年9~10月と、2003年8月)来日してるんだけど。そのどちらにも行ってません。何故か? 多分「KID A」以降‥‥周りの彼らに対する熱が高まれば高まる程、それに反比例するかのように俺の熱が冷めていったと。1997年頃に「レディヘ、すっげーいいよ!」って薦めた時は「何それ!?」ってスルーした奴らが、2001年には「レディヘ、サイコー! 武道館行くよ!」とか俺に行ってくるにつれ‥‥なんだかなぁ、と。だから俺は、自分の人生にとって大切なアルバムの1枚である「OK COMPUTER」を2001年秋で封印して、結局ライヴにも行かなかった。それは昨年のサマソニも同様。たとえその時に "Creep" が演奏されようとも‥‥

「HAIL TO THE THIEF」は、実はあまり熱心には聴いてなかったのね。国内盤はCCCDだからって、頑張ってUS盤(CD-DA)で手に入れたにも関わらず、買った当時は数える程しか聴かなかった。で、そのまま放ったらかし。ちゃんと聴き返したのは、今回の来日が近づいた、2004年の4月に入ってから。リリース当時は「悪くないけど‥‥騒ぐ程の内容か、これ?」と疑心暗鬼だったものの、改めて聴き返すと良い意味で「KID A」と「AMNESIAC」を昇華させた作品集だな、と感じるようになり、結構気に入っている自分がいたりして。ま、嫌いになったわけじゃないからねぇ。

そして‥‥いよいよ(俺にとって)6年振りの来日公演。前回は3,000人に満たないクラブクラスだったバンドが、今回は2万人を軽く超えるキャパシティーのアリーナ、しかもオールスタンディング‥‥ちょっとだけ嫌悪感を感じていたのは、ここだけの話。さて、あの芸術的にも優れた「音楽」を、「万単位のオーディエンス」を前にどう料理するのか‥‥U2が、R.E.M.NINE INCH NAILSがそうしてきたように、彼らも「エンターテイメント」として上手くやってのけるのか‥‥

かなり後方からステージを観ていたんだけど、ステージ前方からほぼ平坦なフロアなため、俺のいた位置からはステージ上のメンバーが殆ど見えないに等しかったのね‥‥ステージ左右にあるスクリーンも演出上の効果を狙って設置されたものなので、後方の俺等のことなんてお構いなし。その「サービス性皆無」な辺りにまずニヤリ。

ライヴは新作から3連発でスタート。"There There" はやはりオープニングにピッタリの曲だと思う。徐々に盛り上がっていくアレンジは圧巻‥‥なんだけど、俺は全然ノレなかったのね。いや、カッコいいと素直に思えたんだけど‥‥構えちゃってさ。周りが熱狂的に盛り上がれば盛り上がる程、ね。大合唱してんだもん、この曲を‥‥それは2曲目 "2 + 2 = 5" にしても一緒でさ。何か違和感を感じちゃったのね。

けど、そんな違和感も続く3曲目で早くも解消されてさ‥‥非シングル曲 "Myxomatosis" がもうね、すっげーカッコ良くて。アルバムでこんなにカッコ良かったっけ!?って思える程にクールだった。で、その後は "Kid A" とか Morning Bell" といった最近の楽曲と最新作からの曲を連発。変拍子曲が多いもんだから、踊り難かったりするんだけど‥‥踊らずにはいられないのね。これは前回('98年1月)の来日時とは大きな違いかも。少なくとも、まだあの頃は「ギターロックバンド」だったもの。けど今は、その要素は残しつつも、完全に「ダンスミュージック」へと昇華させている。とにかくビートが太いのね。それが機械的であろうが単調であろうが、根底にあるビートはぶっといわけ。

で、勿論聴かせる曲では徹底的に聴かせるモード。繊細且つ丁寧なプレイと共に歌われる、懐かしの "Bullet Proof...I Wish I Was" にはちょっと泣きそうになったよ。こっちの要素は「HAIL TO THE THIEF」を通過することで、更に深化してますね。すっごい良かった。けどその反面、旧来のフォーマット‥‥所謂「強弱法」を用いたグランジ的ロックチューンに居心地の悪さを感じたのもまた事実。この日演奏された "My Iron Lung"‥‥全然メリハリみたいなもの、そして鋭さを感じる事ができなくてさ。それってPAのせいでしょ?とも思ったけど、それにしても‥‥あのまったりしたノリは‥‥正直、もうそういう枠からはとっくにはみ出してるだろうし、バンド自身もこういうことをやる必要性をそんなに感じてないんじゃないかな? まぁ "Creep" は別にしてもさ‥‥セカンドまでのこの手のタイプはもう封印してもいいんじゃないかな、と。まぁ俺が勝手にそう思ってるだけど、他の人にとっては全然そんなことないんだろうけどさ。

改めて「HAIL TO THE THIEF」からの曲の良さを実感したのと同時に、「KID A」からの楽曲がライヴだとここまで栄えるのか!ということを再確認。いや、ライヴアルバムとかで気づいてはいたけど、アルバムでのスタイルを若干崩しつつ、新しい空気を取り入れることで全く別の曲のように聴こえてくるんだから‥‥俺、下手したら「OK COMPUTER」よりも「KID A」の方が好きなんじゃないか‥‥とさえ思える時があってね。このライヴを観た後となると、もうそれが確信へと変わってるわけでして。それくらい良いんですよ。

ライヴ後半のハイライトは間違いなくラスト4曲。ライヴバージョンの方が遥かにカッコいい "Sit Down. Stand Up"、やっぱり独特な「違和感」を醸し出す "Paranoid Android"、圧倒的な存在感を持つ "Exit Music (For A Film)"、そして本編ラストを飾ったダンサブルな "Idioteque"。一見バラバラなように感じますが(いや、実際にバラバラな音楽性なんだけど)、これをあの5人が演奏することでちゃんと一本筋が通ってしまうんだから、さすがというか。どの曲も甲乙付け難い名演でした。個人的には特に "Exit Music (For A Film)" で身を引き裂かれそうになる程の切なさと暴力性が未だに健在だったことにひと安心。いつ聴いても涙が出てくるよ(で、実際に泣いてたしな、この日も)。

アンコールは比較的長めで(って彼らの場合はいつもこんな調子だけど)、本編で全く登場しなかった「AMNESIAC」からの曲を連発。いびつなヘヴィファンク "I Might Be Wrong" のノリはやはり彼らにしか出せないノリだし、"Pyramid Song" なんてライヴで聴くと完全にPINK FLOYDの域に達しているし。新作からの "Wolf At The Door" を挟んで懐かしの "Street Spirit (Fade Out)" が登場。うわー、まさか今日聴けるとは思ってもみなかった! 個人的には "Creep" よりも有り難かった。ここで1回目のアンコールが終了。

2度目のアンコールは、今回のジャパンツアーから復活したらしい「THE BENDS」収録の "Planet Telex"。これがまたまた壮大なノリを醸し出して、明らかに6年前とは違うバンドになってしまったなぁと気づかされました。いや、いい意味でよ?

最後の最後は、"Everything In Its Right Place"。これもライヴバージョンの方が遥かにカッコいい。いや、アルバムにはアルバム特有の魅力が十分に存在するんだけど、あれをそのままステージで再現されてもね。そういう意味では本当に「KID A」の曲ってのは恵まれてるというか、凄いというか。この日、新作の次にこのアルバムの曲が多く演奏されていたのも頷ける話(ま、たまたまでしょうけどね)。左右のギタリストが床に座り込んで、足下のエフェクターを弄りまくる姿は圧巻というか‥‥あり得ないね! エンターテイメント性完全無視。折り合いがついてるのかついてないのか微妙。けど、これが「RADIOHEAD流エンターテイメント」なんだろうなぁ‥‥とも思うわけで。多分これが一番レディヘらいし気がする。これ以上に過剰なサービスを提供されてもね‥‥なんか嘘っぽいし。

全23曲でほぼ2時間という構成は、6年前と殆ど一緒。このボリューム間もある意味エンターテイメントなんだろうなぁ。まぁ "Creep" こそ演奏されなかったものの(勿論他にも "Just" だったり "Airbag" だったり "No Surprises" だったりといった初期の楽曲達が演奏されなかったわけだけど)、俺的には全然満足だったな。だって古い曲以上に、ここ数作の曲がこんなにもライヴだと魅力的なんだってことが判ったからね。俺にとってはそれで十分。そうそう、それとやはりバンドの本質的な部分が進化してるな、とも感じた。もう'98年の時点で「ギターロック」という枠組みからはみ出していたけど、2004年の彼らはある意味UNDERWORLDにさえ通ずるものを提供してくれたような気がします。あそこまであからさまじゃないけどね。だって俺、スロウな曲以外はずっと踊りっぱなしだったからね。完全にクラブにいる感覚。ロックのそれじゃなくて、ダンスミュージックのそれね。そこが大きな違いだな、と。

もうね、"Creep" は一生聴けなくてもいいやって思った。少なくともあれから6年経った今の俺はそう感じるわけですよ。それが俺にとっての「6年目の真実」なわけ。正直、ここで最後に "Creep" やられても、なんか上手く誤摩化されたような気がしちゃうんだよね‥‥いや、誤摩化すっていうか、それまでにやってきたことをキレイに洗い流しちゃうというか。未だに "Creep" にはそれだけのパワーがあるからね。普段めったに演奏されない分、その力量は6年前以上だからね。

多分、次に来日したらまた行くと思います。もういいや‥‥とは思わないし、思えない。まだまだ先に進むであろうこのバンドの「行く先」を一緒に見てみたいもんね。


[SETLIST]
01. There There
02. 2 + 2 = 5
03. Myxomatosis
04. Kid A
05. Morning Bell
06. Where I End And You Begin
07. Bullet Proof...I Wish I Was
08. Backdrafts
09. My Iron Lung
10. Sail To The Moon
11. Go To Sleep
12. The National Anthem
13. Scatterbrain
14. Sit Down. Stand Up
15. Paranoid Android
16. Exit Music (For A Film)
17. Idioteque
---encore---
18. I Might Be Wrong
19. Pyramid Song
20. Wolf At The Door
21. Street Spirit (Fade Out)
---encore---
22. Planet Telex
23. Everything In Its Right Place



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投稿: 2004 04 22 05:23 午前 [2004年のライブ, Radiohead] | 固定リンク

2004/02/29

ミュージカル「おかえり」@青山劇場(2004年2月15日/夜の部)

卒業から半月。どうしても我慢出来ずに安倍なつみのミュージカルに足を運んでしまいました。以前、モーニング娘。のミュージカルに生で触れ、「あーもう二度と来る事はないだろうなぁ~」と内心思っていた、あの青山劇場に再び足を運ぶ事になろうとは。しかも、安倍なつみ相手に。何が俺を突き動かしたのか、未だにその理由は判らないけど‥‥んん、惚れたのか、俺?

ま、冗談はさておき。サイト上での呼びかけに快く応えてくださった方のご好意で、東京公演最終日の昼の部を観ることができました。

ミュージカルの方はそのものズバリ、「安倍なつみ劇場」といったノリでしたね、良くも悪くも。ストーリー的に「う~ん……」と頭を抱えてしまう箇所が多々あり、また共演したメロン記念日が本当に4人共必要だったのか、とか‥‥考えれば考える程頭痛がしてくるんですが‥‥まぁちょっとでも安倍に興味を持っている人が観たら、間違いなく理性を根こそぎ持ってかれるという、そんな異空間劇場でした。正直、また観たいかと問われれば「……無理、絶対無理っ!」な即答してしまいそうですが。ストーリーのお粗末さ、そして安倍の輝き。正直正常な心を持った人が接するにはどちらも尋常じゃないよな、と。まぁファンの人だけで楽しんでくださいマジで。

そんなわけでミュージカルの内容についてはここでおしまい(え~っ!?)。「え~っ!?」とか言わないのっ!って安倍さんに説教されそうな勢いですが、このまま肝心のミニライヴの感想へ。そう、これが目的で行ったようなものですからね、俺の場合は。

まず1曲目に「晴れ 雨 のち スキ♡」。舞台後方の高台から現れ、曲が進むに連れて上から下におりてくる形。曲自体は所謂ショートバージョン。ほんの20日前に号泣してた安倍、そして俺。既にあの時の悲壮感はなく、たったひとりのステージを伸び伸びと、気持ち良さそうに堪能してるようす。ま、既に大阪~東京と10数公演をこなしてきた自信の表れかな、と。簡単なMCを挟んだ後、アルバムから「あなた色」。公演スタート当初はこの曲の代わりに「ふるさと」が歌われていたようだけど、そりゃ確かにないだろ!?って話なわけで。ほんの数日前に滝のように泣いたあの曲を、まだこちらの涙も乾かぬ内に歌うっていうんだから。そういう意味ではこの曲目チェンジは大歓迎だし、むしろアルバムからの新曲をもっとバンバン聴きたかったので非常に嬉しかったです。この曲はフルコーラスで歌われてました(ま、ショートバージョンのカラオケ作る余裕があったのかどうか疑問だけど)。やっぱりこういう曲が彼女に合ってるんだな、と生で聴いて再確認。かといってこういう曲ばかりを連発されても困るけど。アルバムみたいにいろいろ試すのはいいけど、後藤真希みたいに「どっち付かず」にはならないで欲しいな、と。

続いてモーニング時代の「Memory 青春の光」。これもフルコーラス。やっぱり初期モーニングの曲って「コーラスありき」の曲が殆どなので、ひとりで歌うとなると厳しいよね。特にこの曲は複数人の歌が絡み合ってくるからさ。コーラスにしろ、アルバム同様音量抑え気味で、この曲の魅力が半減してるような。ま、居もしないメンバーのコーラスが聴こえてきてもねぇ。続いて「黄色いお空でBOOM BOOM BOOM」。これもフルコーラス。この曲の時はメロンの4人と稲葉貴子が例の黄色い衣装を着てダンス&コーラスで登場。ま、例の如くヘッドセットのマイク音量は限りなくゼロに等しいわけですが。俺、シャッフルでのリリース当時から、この曲と安倍の組み合わせに妙な違和感を感じてたんだけど、それをこの日再認識。そうか、ファルセット多用してるからか。これ、声を張り上げて歌えばカッコいい曲になるんだろうけど、そこまでの声域と声量がないメンバーが殆どなハロプロ。そりゃファルセット使って小さくまとまっちゃうわけだわ。けどパフォーマンス自体は悪くなかったですよ。メロンファンの目線から観ると、斉藤のダンスに切れが戻ってることと、村田は相変わらずメガネがイカしてるのと、柴田が髪をヤワラちゃんみたい(マンガの方な。not谷)な縛り方をしてて異常な可愛さを発揮してたことと、太谷の髪型がKEIKO(globe)みたいになってたこと、等々。って必要ない情報ですか? そうですか。そうですね。ハイ。

何度目かの着替えを済ませて戻って来た安倍は、そのまま長めのMCを。これがまた、まとまりのない内容で、良くも悪くも「安倍ワールド」炸裂といった感じ。ま、これがたまらないんだろうけど、ファンには……で、ここでデビュー曲「22歳の私」をフルコーラスで披露。初めてフルコーラスで歌うの聴くわ。うん、ショートよりも全然いい。凄く安心して聴いてられた。この曲、生で聴くのは3回目。テレビで歌う姿も何度か観てるけど、どんどん良くなってるね。最初にテレビで歌ってるのを聴いた時は、どうなることかと正直思ったけど‥‥やっぱりこの曲は、人生の年輪を増す毎にどんどん良くなってくのかも。内容云々じゃなくて、彼女の生き様がそのまま歌に刻み込まれるような感じでね。

ここで終わりかとおもいきや、最後の最後はミュージカルのカーテンコールということで、出演者全員が再登場して、曲名が判らないミュージカルのメインテーマ(アレンジから、恐らく小西康陽が手掛けたものかと。上で触れませんでしたが、このミュージカルの劇中歌の殆どが小西がアレンジしたものらしく、一聴して「小西らしさ」全開な曲ばかりでした。久し振りにサントラ盤とか欲しいかも)を歌い、終演。

ミニライヴ自体は約30分程度の内容でしたし、歌われた曲も5曲(+α)と決して満足のいくものではありませんでしたが、どうしても彼女の「第一歩」をこの目で確かめたくてね。「最後」に立ち会ったわけだから、やっぱりさ‥‥気持ち的にね、けじめつかないでしょ?(いろんな意味でな)

そうこうしてるうちに、6月には安倍なつみ初ソロツアーが決まったようですね。モーニングのファンを辞めてたとしても、これには何をしてでも行こうと思ってます。そんなわけで、誰かチケット譲ってください!(ヲイ)


<SETLIST : ミニライヴ>
01. 晴れ 雨 のち スキ♡
---MC---
02. あなた色
03. Memory 青春の光
04. 黄色いお空でBOOM BOOM BOOM
---MC---
05. 22歳の私
06. ?(ミュージカルのメインテーマ曲)

投稿: 2004 02 29 12:00 午前 [2004年のライブ, ハロー!プロジェクト, 安倍なつみ] | 固定リンク

2004/02/27

コンタクト@高円寺SHOW BOAT(2004年2月11日)

  先日、念願だったコンタクトのライヴを、やっと観ることができました。3~40分程度のイベント形式だったのですが、初めて観る側にとっては丁度いい長さの、正に「お手並みとくと拝見」なステージだったのです。

  この日は他にもトミーザグレート、anngou、ECD(出演順。コンタクトはトップバッター)といった多種多様なアーティストが出演したのだけど、今回は割愛。トミーザグレートはずっと観たいと思ってたのだけど、自分の期待に応えるような内容じゃなかったし、anngouに関してはもう何が何やら‥‥ECDが始まる前に帰りの時間の都合で途中退場してしまったのでした。ま、メインはあくまでコンタクトで後はおまけ程度だったからいいんだけど。

  で、肝心のコンタクト。とにかくメンバー全員、思ってた以上に若い。佇まい的にはごく普通なんだけど、一旦音が鳴り始めたらとにかく空気を伝って熱‥‥いや、これは氷で火傷するような感覚か‥‥をビンビン感じる。いきなり "my name is..." というライヴの頭に持ってくるにはリスキーな曲からスタート。個人的な意見を言わせてもらうと、この意外性にやられたというか、初見でこれかよ!といきなりカウンターを食らった感じ。ギターの(サウンド上での)暴れっぷりが気持ちいい。このバンドが結成当初「Banana Corp」と名乗っていたことを後で知って、思わずニヤリとしてしまったのだけど、正にそんなイメージ。けど物真似で終わっておらず、ちゃんと「彼ららしさ」も感じられたのが収穫でしょうか。

  2曲目 "wonderland" ではオープニングでトチってしまうという失態があったものの、このバンド特有の「グルーヴ」もちゃんと体感でき、安心‥‥というか妙に納得してしまいました。このバンドの肝って、表向きはボーカルや手弾きシーケンサーだったりするのかもしれないけど、実はベースがかなり重要な気がしますね。それって自分がベース弾くからってのもあるから余計に目が行ったんだろうけど、とにかくギターとベースには目を奪われっぱなしでしたね。で、結局はドラムがシンプルながらもちゃんと土台を支えているからこそなんだろうな、と。全体的に未熟な面も多々あるんだけど、それを補うに十分の魅力と可能性を実感できました。

  そしてこの日は、未発表の新曲 "虹" が演奏されました。Polaris辺りに通ずる世界観を持ったミディアムスローの曲で、一発で気に入りました(そういえば彼らの製作陣ってPolarisと被ってるんでしたっけ?)。早いとこ音源化希望! 無条件で大絶賛しそうな勢いですが。

  他にも "fish in the rain" といった独特な雰囲気を持つアルバム曲も披露されたり、俺が大好きな "水の音" もやってくれた。ラストは "バニッシング" と "ハチミツの花" という、これまた大好きな曲が連発。終盤はとにかく気持ちよくノッてました。噂に聞いていた「手弾きシーケンサー」は、文字通りホントに片手に持って残りの手で弾くという、確かに風変わりな光景でした。しかし、このサウンドが彼らだけの独特な世界観を生み出しているのもまた事実。これが打ち込みでも、他の高級シンセでもきっとダメなんだろうなぁ‥‥あの(俺も持ってる)QYを、ああいう形でステージ上で手弾きするからこそなんだろうなぁ。視覚が伴ったお陰で、アルバムの方もまた違った見方/楽しみ方が出来るようになったし。うん、本当に行ってよかったと思います。

  全体的な感想としては‥‥曲の良さや独特な世界観に助けられてはいるものの、演奏面での凡ミスや詰めの甘い箇所(特にリズム面)が気になったりしました。けど、これは場数次第かなと思ってます。また、そういった意味では‥‥ワンマンでどうなるのかが気になるところ。本当は3/3のワンマンライヴ、行きたいんだけどね‥‥絶対に無理なんだけど。

  ま、今後いくらでも観る機会はあるだろうし、タイミングさえあえば積極的に足を運ぼうと思います。

  で‥‥アルバムレビューに書いた「何か」がなんだか判ったか、というと‥‥うん、何となく判りました。それって‥‥何で俺がこのバンドに惹かれたのかという理由にも絡んでくるんだよね。あのさ‥‥これって、俺が昔、バンドでやりたかったことと被るんだよね。そう、こういうバンドがやりたいって思ってた時期があって。けど、自分にはその才能や力量もなく、仲間にも恵まれなかった。だから自分がやりたくても出来なかったことを上手に表現してるバンドに出会うと、無意識に惹かれてしまう‥‥というか、嫉妬するよね。ライヴの中盤、嫉妬しまくりだったもん。ま、後半は上手にのせられて有耶無耶になっちゃったけど。本当に、悔しいくらいにいいバンドだわ。ここ1~2年の間に登場したバンドの中で、一番気に入ってしまったかも。まだ「唯一無二」というところまではいかないけど、そこに到達するまでにそんなに長い時間は必要ないんじゃないか‥‥今彼らのアルバムを改めて聴きながら、そう考えています。


[SETLIST]
01. my name is...
02. wonderland
03. fish in the rain
04. 虹(新曲)
05. 水の音
06. バニッシング
07. ハチミツの花

投稿: 2004 02 27 12:00 午前 [2004年のライブ, コンタクト] | 固定リンク

2004/02/25

宇多田ヒカル「ヒカルの5」@日本武道館(2004年2月10日)

もうね、最初から勝負は決まってたわけですよ。チケットは抽選、たったの5公演、しかも東京公演のみ。このチケットを入手できた人達は優越感に浸れるわけですから‥‥一部のコアな音楽ファン以外の、恐らく会場の大半を埋め尽くしていたであろうライトなファン(下手したらシングルヒット曲しか知らないような連中)は、もうその事実だけで十分、平均点程度のライヴを見せられても「サイコーだった!」と言わせちゃうだけの空気が常に漂っていたんですから‥‥

といわけで、宇多田ヒカルの日本武道館5公演の最終日に行って来ました。生で宇多田を観るのは今回が初めて。これまでは「テレビの中の人」だった彼女が、あんな曲やこんな曲も歌ってくれるのかなぁ‥‥という期待で胸一杯。セットリスト関係は全く目にせず(ま、スポーツ紙等に「○○からスタートし~」とか「本編最後に○○を歌い~」なんて記述があったので、若干は知っていたんですが)、可能な限りまっさらな状態でライヴに挑みました。

で、いきなり結論から書いてしまうと、ある意味でこの「出来レース」は成功であり、そしてそういった「出来レース」であったからこそのハプニングにドキリとさせられたりもし、いろんな意味で興味深いライヴだったな、と個人的には感じました。

既にご存じの通り、この日の彼女は終始挙動不審気味なMCを続け(ま、ステージ慣れしてない分、基本的には喋りは上手い方だとは思いませんけど)、ずっと疑問に感じてたんですが‥‥実はそれが『最終日。ライヴが終わってしまうのが名残惜しい』からそうさせていたんだということが、ステージが進むにつれひしひしと伝わってきました。

基本的に宇多田はライヴ慣れしていない、所謂「作品(録音)重視」のアーティストだといえます。例えば年間100本以上ものステージをこなしているモーニング娘。だとか、意外にライヴをやってる倉木麻衣等と比べてしまうと、その辺の魅力は若干落ちるのかもしれませんし、実際ステージでの身のこなしや喋りに関しては改善の余地があると思います。しかし、どうなんでしょう‥‥そういったアーティスト達と比べることに、こと宇多田ヒカルというシンガーをそういった枠に当てはめてしまうことに、どれだけの意味があるのでしょう。彼女のMCはプロの、カリスマ的シンガーのそれには程通り内容かもしれません。けど、俺はそれを彼女には求めたりしない。彼女をよく知れば知る程、もっとくだけた‥‥それこそオフィシャルサイトの日記で繰り広げられるような会話を聞きたいんじゃないかな? 少なくともあの場にいた何割かの濃いファンはそれを求めていたと思うし、だからこそああいった内容でも満足できたと思うんですね。勿論、彼女に対して「歌」しか求めていないドライなファンにとっては蛇足に過ぎませんが、『宇多田ヒカル』という人間に興味を持つファンにとってはあの日のライヴ、そしてMCはそれに十分応える内容だったと、今でも胸を張って言えると思います。

さてさて、そんなMCについての話題はさておき‥‥話題を戻します。挙動不審気味だった彼女。アンコール1曲目 "幸せになろう" では、歌い出しの数小節で急に両手で顔を覆い、泣き出してしまったのです‥‥ってこの話題もご存じですよね。その後、「チョットごめーん!」といってステージ袖に引っ込む宇多田。呆気にとられる客、笑う客、いろんな反応があったのですが、俺はね、なんだかこの時の宇多田に「21歳の、普通の女の子としての宇多田ヒカル」を垣間見てしまった気がしてね。何だかチョット得した気分だったのね。その後もずっと、今にも泣き出しそうな感じで喋ったりしてたけど、やっぱり歌い出したら違うのよ。そこはプロだなと感じた。

‥‥ってこれで終わったら怒られそうだな、いくら何でも。ライヴレポになってないし。えっと‥‥簡単に書くと、とにかく圧巻の2時間半だった、と。終始歌えるライヴってのは凄いと思うのよ。だってさ、そこまで濃いファンでもない俺ですら、最初から最後まで知ってる曲のオンパレードだったんだから。つまり言い方を変えれば、それだけ知らず知らずのうちに宇多田のアルバムを聴き込んでいたんだなぁ、と。オープニングの "光" で唐突にスタートする場面で驚かされ、そのまま "traveling" でノセらた後は、まったりしたテンポのR&Bナンバーが続くのですが、最初は身体が温まってなかった印象を受けた宇多田の声も、次第に伸びやかになっていき、中盤の "Can you keep a secret?" 辺りではかなりイイ感じに持ってこれてた気がします。が、かなり歌うのが難しそうな "Wait & See ~リスク~" の頃にはちょっとピークを過ぎて厳しそうな印象を受けました。けどそこまで酷い印象は受けなかったし、元々こもり気味な声質のお陰でだいぶ助けられてたかな、という気も。あと、ずっと気になってた「曲によってキーを下げる」行為ですが(半音下げくらいかな?)、全部そんな感じなのかと思ったら、実際には "光" と "COLORS" だけだったようです。それ以外の曲はちゃんと原曲のキーのままで、しっかりと歌っていました。

やっぱり圧巻だったのは、"First Love" ~ "Deep River" という怒濤のバラード二連発かな。ここで初めて鳥肌立ったし、特に後者は個人的に好きな曲ということもあってか、聴いてるうちにどんどんその世界観に引き込まれて、終いには涙ぐんでましたからね。決してベストな状態ではなかったと思うんですが、底力を見せつけられたような感じで身震いしましたよ。

今回のライヴに際して新たにバンドメンバーを集めたようですが、過去のライヴと比べてかなりシンプルな編成になっていることにちょっと驚かされました。ギターが二人というのは理解できるんですが、その他がドラムとベース(リズム隊は外人、しかもベースは女性!)、キーボードとパーカッション、更にマニピュレーターのみという編成。しかもマニピュレーターはステージ上にはいないので、実質メンバーは宇多田を含め7人。コーラス隊もブラス隊もなし。今回、ハーモニー等のコーラスは全部マニピュレーターがフォローしてました(スタジオ音源からコーラス部のみ抜き出し、宇多田の生歌に被せていた)。最初はちょっと違和感を感じましたが、慣れてしまえば全然アリかな、と。普段ハロプロのライヴとかで慣れてるしな、この辺は。


‥‥と。全然レポートらしくないレポですが、如何ですか? 思いついた事をちょこちょこ書いてみましたが‥‥ま、今回のライヴを観て一番言いたかったことは前半部に書いているので、俺的には満足なんですけどね。

次に宇多田のライヴが観れるのは一体何時になるのやら。ステージを去る前に「今度はもっといろんな土地を、くまなく回るから!」って言ってたけど、まぁ実質そんなのは無理に決まってるんで(せいぜい東名阪と北海道&福岡を軸にした地域でしょうね)、とにかく次回は新しいアルバムを引っ提げて、数多くこなしてください。数をこなした後、最後に東京に戻って来て、今回不平不満をこぼした輩を見返してやってくださいな! あなたはそれが出来る人なんだからさ。


[SETLIST]
01. 光
02. traveling
03. Letters
04. Another Chance
05. In My Room
---MC---
06. Can you keep a secret?
07. Addicted To You (up-in-heaven mix)
08. SAKURAドロップス
09. サングラス(リハーサルでの映像にて)
10. 甘いワナ ~ Paint It, Black
11. Movin' on without you
12. 蹴っ飛ばせ!
13. Wait & See ~リスク~
14. COLORS
15. First Love
16. Deep River
17. Distance
18. 嘘みたいなI Love You
---MC---
19. Automatic
---encore---
---MC---
20. 幸せになろう
 (冒頭部で泣き出し、中断。後に再演奏)
---MC---
21. B & C



▼宇多田ヒカル『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2004 02 25 12:00 午前 [2004年のライブ, 宇多田ヒカル] | 固定リンク