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2005/03/18

JOMI MASSAGE『ALOUD』(2003)

 先日紹介した「Loveless Records」について、そして前回取り上げたTRAENINGについて、多少は話題になってくれたようで個人的には嬉しく思っています。こうやって少しずつでもいいんで、草の根的に名前やその良さが広まってくれれば、俺としても非常に嬉しいです。明日(3/19)放送の「RADIO TMQ」でもこちらのレーベル所属アーティストを幾つか取り上げる、ミニ特集を組む予定ですので、興味がある人は是非聴いてくださいね。

 さてさて。今回もその「Loveless Records」所属アーティストについて書いてみたいと思います。今回紹介するのもTRAENING同様デンマークのアーティストです。「JOMI MASSAGE(ヨミ・マッサージ)」というユニットの、昨年3月に本国でリリースされた(日本では昨年11月リリース)1stアルバム「ALOUD」、これが兎に角個性的で良いんですよ。

 JOMI MASSAGEというのは『シグネ・ホイラップ・ウィリー・ヨルゲン』という女性によるユニットの名前です。彼女は元々、デンマークでは名の知れたノイズロックシーンのカリスマ的バンド、SPEAKER BITE ME(SBM)のフロントマンだったそうで、このJOMI MASSAGEというユニット自体は1999年頃からスタートさせたそうです。この名義で音楽活動だけでなく、アートの個展を開いたり等、ソロとしてのアーティスティックな活動は全てこの『JOMI MASSAGE』名義で行ってきたそうです。

 ドラムを除く殆どの楽器をシグネひとりで演奏し、レコーディングやライヴではそのSBMでの盟友、エミル・ランドグリーンが参加し、更にMOGWAIの最新作やツアーにも参加しているルーク・サザーランドがギターやバイオリンで参加し、2003年後半に制作されたのが、今回の「ALOUD」というアルバムなんだそうです。

 一聴すると、ローファイで刺々しく、硬質で苦みばしったサウンドがPJハーヴェイを彷彿させたりしますが(隙間だらけで硬質な感じが余計にそう感じさせるんだよね)、他にもSONIC YOUTHのキム・ゴードン、PIXIESのキム・ディールといった『カリスマバンドの中の、女性アーティスト/シンガー』を彷彿させます。要するに、非常に個性的なサウンドに個性的な歌が乗る、と。

 時にシューゲイザーのように激しいディストーションサウンドの壁が飛び出したり、ノイズの海に飲み込まれたりしますが、その轟音の後に無音に近い静寂が訪れたり、不気味なまでの冷たさを感じさせたり‥‥ルークが参加してるからってわけじゃないですが、こういった強弱法を用いたアレンジから、MOGWAI的なものも感じられたりします。ボーカルも時に囁くように歌ったり(というよりも呟いたり)、時にエフェクトをかけたかのようなディストーション・ボイスが飛び出たり、何だろう‥‥ヒステリックには決してならない、けど暴力的な程に冷たい感情の塊を言葉に乗せてぶつけてくるような、そんな感じとでも言えばいいでしょうか。

 俺は先のSBMも聴いたことないし、そこでどういった音楽をやっていたのか実際知らないので、このアルバムを聴いただけの評価になってしまいますが‥‥凄くエモーショナルな1枚だな、と。先日、このアルバムを聴き始めた時にウトウトしてきちゃって、実際に3曲目の "I See Those Who Died" 辺りで眠っちゃったんですよ。で、この曲の後に無音に近いような静寂が訪れるんですね‥‥フェードアウトして、そのまま暫くして4曲目の "Is There A Light?" にフェードインしていくような‥‥まるでホントに夢の中へと引きずり込まれていくような錯覚に陥って。で、これが‥‥決していい夢が見れるような状況/状態ではないんですよね。悪夢とは言わないまでも、なんつーか‥‥ジンワリと嫌な寝汗をかくような、そんな音とでもいいましょうか‥‥

 で、歌詞もまた女性的で‥‥多分男性の俺が語るよりも、もっと同性の方々が語ってくれた方がより判りやすく伝わるんじゃないかな、と思うんで、俺は今回コメントを避けます。「○○っぽい」とか書くことも可能だけど、それともちょっと違うような気もするんで。

 今再び、シューゲイザー的なものがリバイバルしようとしてるのかどうか、俺には判りません。ただ、その流れがシーンの中に(小さいながらも)存在するのは確かなようです。それはギターロック・シーンだけでなく、テクノ方面においても同様で、昨年辺りから実際にそういう音に出会う機会が何度かありました。しかもそういう並がアメリカやイギリスからではなく、他のヨーロッパ諸国だったり、カナダみたいな国からだったりするんですよね‥‥これが何時英米に飛び火するのか、そしてその時にTRAENINGやこのJOMI MASSAGEといったアーティストも日の目を見ることになるのか‥‥いや、なって欲しいし、なってもらわないと困るんですよね。こんなに良いアルバムを作ってるんだから。

 デンマーク、面白いことになってるなぁ。MEWは勿論、TRAENINGといい、このJOMI MASSAGEといい。まだまだ個性的で良質なバンド/アーティストが沢山いそうですね。そういったアーティストを沢山我々に紹介してくれることを、今後「Loveless Records」さんに期待したいところです。楽しみにしてますよ!



▼JOMI MASSAGE「ALOUD」(amazon

投稿: 2005 03 18 12:10 午前 [2003年の作品, Jomi Massage] | 固定リンク

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