BACKYARD BABIES『LIVE LIVE IN PARIS』(2005)
BACKYARD BABIES初のライヴアルバム。『LIVE LIVE IN PARIS』と書いて「リヴ・ライヴ〜」と読ませるらしい。ジャケには『[liv][laiv]』ってちゃんと発音の仕方が書いてあるしな。
『TOTAL 13』で日本デビューした彼等。恐らく殆どのファンがあのアルバムにやられて現在に至ってるか、既にその当時のファンは離れちゃってるかのどちらかだと思うんだけど……アルバムリリースのサイクルが長いバンドなんだよね。大体3年に1枚の割合だよね。まぁ海外ではデビューアルバムから2nd『TOTAL 13』まで4年かかってるから、それを思えばね……ってデビュー12年でオリジナルアルバム4枚ってのも凄いな。しかも決してメジャーで大ブレイクしてるようなバンドじゃなくて、かろうじて自国スウェーデンで1位を取るような感じなのにね。
でさ、その『TOTAL 13』に魅せられたファンってのは、その後の2枚……メジャーであるBMG SWEDEN移籍後の『MAKING ENEMIES IS GOOD』と『STOCKHOLM SYNDROME』には納得してないって人が多いみたいで。曰く「初期衝動性が減退した」「パンク色が薄れてガチガチに作り込まれた作品になってる」「メジャーに魂を売った」……まぁ言いたいことはよく判りますよ。あのアルバムにおける彼等は神がかってましたから。
思うに、ここ2枚のアルバムに足りなかった要素……生々しさであり危うさだったんじゃないかな、と。勿論『MAKING〜』にも『STOCKHOLM〜』にもそれなりの危うさは存在してたと思うんですが、どうしても「作品としての完成度」を重視した結果、カッチリした作りにならざるを得なかったのかな、と思うわけで。勿論、それはそれで正しい判断だったと思うし、だからこそライヴではそれらの楽曲がまた違った聴こえ方をしたり、逆にあーこの曲はアルバムの方が良かったな、なんて曲もあったりして。
でもそんな問題点も、このライヴアルバムで解消されたんじゃないかな? 『TOTAL 13』以降の3枚のアルバムからの曲が中心となる、所謂ベスト盤的内容になってるし(まぁ『STOCKHOLM〜』リリース後のツアーだから、このアルバムからの曲が多くならざるを得ないのは仕方ないけど)、古い曲も新しい曲も同じスタイル……つまり“ライヴバンド・BACKYARD BABIES”として表現されてるわけですよ。曲の作りは確かに変わってますよ。「Made Me Madman」 と「A Song For The Outcast」とじゃメロディの運び方なりアレンジなりに……恐らく方向性の違いなのだろうけど……多少の違いはありますよ。でも、一環してるんですよね、こうやって通して聴くと。
……とここまで書いてみて、やっぱりそんなのどうでもよくなった(苦笑)。
いや、今ね、このアルバムを聴きながらこれを書いてるんですが……文句無しにカッコいいし。それ以上でもそれ以下でもないですよ。曲のアレンジだの善し悪しだの、どのアルバムの曲の方が疾走感があって、どのアルバムの曲がタルいとか、そんなことが言いたいんじゃないのよ。“BACKYARD BABIESらしさ”が最も色濃く表れた作品だよね、やはり。ライヴバンドなんだよ、何だかんだいって。って当たり前の話だけど。
どんなにスタジオテイクで凝ったものを録音しようが、いざステージに立てば勢いと力で押し切るパワーゲーム。それが彼等のライヴでしょ。事実、17曲(日本盤。内1曲目はイントロなので実質16曲か)もやっていながら実際には60分に満たないんだから。ここにもう2〜3曲足すと、昨年の来日公演と同じセットリストになるらしいよ(本編に「You Tell Me You Love Me You Lie」、アンコール1曲目に「Everybody Ready」が演奏されてます)。そう考えると‥‥多分実際のライヴは90分にも満たない、ホント70分とか80分程度に凝縮したライヴなんだろうね。いや、これだけ飛ばされたらさ……十分だよね。つーか彼等が一時のGUNS N' ROSESみたいに3時間近くも演奏するなんて、今は考えられないけどね。
1本のライヴをほぼノーカットに近い状態で収めたライヴ盤。だからこその生々しさがあるし、客の反応もハンパじゃない。しかも地元じゃないのにね……パリだよ、パリ! 英語圏じゃないし。つーかBYBだってスウェーデンじゃん! 何だそれ、ちゃんと英語でMCしてるし!!
とにかく、勢いがあって男臭くて哀愁味もしっかり備わったカッコいいロケンロールが聴きたかったら、迷わずこのライヴアルバムを聴けばいいよ。
最後に。アルバム初回仕様にはDVD付きがあるんだけど、このDVD『JETLAG -THE MOVIE』がとにかくイイ! 本国スウェーデンではDVD単品として今年頭にリリースされたもので(日本でも一部専門店で見かけます)、60分に及ぶバンドのヒストリー・ドキュメント映画なのよ。勿論ライヴ映像やPVも断片的ながら収録されてるし。当然ながら字幕入り。これで通常盤に800円足しただけの値段なんだから‥‥迷わず初回盤でしょ! つーかこのDVDがホント泣ける。男泣き。カッコ良過ぎ!
やっぱりロックンロールはカッコ良くなきゃ。墓まで持って行きたいライヴアルバム。
▼BACKYARD BABIES『LIVE LIVE IN PARIS』
(amazon:DVD付/通常盤)
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