GUNS N' ROSES『USE YOUR ILLUSION I & II: WORLD TOUR -1992 IN TOKYO』(1992)/『WELCOME TO THE VIDEOS』(1998)
GUNS N' ROSESの映像が急に観たくなって、帰宅後持ってる3枚のDVDを持ち出し、長時間に渡りテレビの前に釘付け状態だった。
▼GUNS N' ROSES『WELCOME TO THE VIDEOS』[DVD]
(amazon)
まずはこれ。GUNS N' ROSESがこれまでに発表したPVを「ほぼ」全部収めたDVD。最初ビデオ版が1998年にリリースされ、数年後にDVD化。
「ほぼ」といったのには理由があって、これは不完全版なのね。契約の関係で "You Could Be Mine" のみ収録されてません(PV中に映画『ターミネーター2』の映像が多々使われていたり、アーノルド・シュワルツェネガーが最後に登場したりするためか)。勿体ない、結構好きなPVなんだけど。でもその代わり、当時殆ど観る機会のなかった「Dead Horse」や「Since I Don't Have You」を堪能できるので、良しとする……わけがない。クソー。
初期(『APPETITE FOR DESTRUCTION』 〜『GN'R LIES』)の飾らないカッコ良さは今観ても鳥肌立つ。けど、いろんな意味で「'80年代的」だよなぁ。にしても「Sweet Child O' Mine」と「Paradise City」での5人はハンパなくかっけー。
スティーヴン・アドラーが抜け、気づいたらイジー・ストラドリンまで抜けてた1991年末以降(『USE YOUR ILLUSION I』及び『同 II』リリース後)のPVは、アクセル・ローズの有無を言わさぬ作り込み具合が気になるものの(演技しまくりだしな)、やはりライヴシーンは総じてカッコいい。特に「Live And Let Die」や 「Dead Horse」、そして英・ウェンブリー・スタジアムでの映像を含む「Estranged」等は「アリーナ・クラスだからこそのカッコ良さ」を見せつけてくれて、嫌になる程みんなかっけー。人間として、男として、脂が乗ってる時期なんだよね。恐らくこの辺が最大のピークだったように思います('80年代と'90年代では、バンドの特性も変化/進化してしまい、ある意味で別のバンドになってしまったからね、安易に比較は出来ませんよ。両方カッコいい)。
で、やっぱりガンズはライヴなわけですよ。3年前のサマソニにアクセルとディジー・リード(キーボード奏者。『USE YOUR ILLUSION』期から参加)しか残ってないガンズもどきが来日しましたが、今「ガンズかっけー」って言ってる若い子達は、VELVET REVOLVERを観て、在りし日のガンズを想像しているんでしょうか。
だったらね。これ観なこれ!
▼GUNS N' ROSES『USE YOUR ILLUSION I: WORLD TOUR -1992 IN TOKYO』[DVD]
(amazon)
▼GUNS N' ROSES『USE YOUR ILLUSION II: WORLD TOUR -1992 IN TOKYO』[DVD]
(amazon)
ガンズ二度目の来日公演……1992年2月の東京ドーム3デイズ、最終日を収めたDVD。元々はライヴ後にWOWOWで3時間一挙放送、後に2本バラ売りのビデオ版として発売されたものが、数年前に海外でDVD化されたのです。ちなみに未だ日本版のリリースはなし。何か権利関係でいろいろあるみたいですが‥‥
アリーナクラスの5万人オーディエンスを相手に、デカいステージ上を縦横無尽に動き回るアクセルやスラッシュ、ダフの姿は圧巻。アクセルの声はガラガラだし、正直音も悪いんだけど、ロックンロールにそんなキッチリしたモノを求める時点で間違い! いいんだよこれで! そんな細かいこと気にするくらいなら、ロケンロールなんて聴くの止めちまえ!
……はっ、思わず興奮しちまった。
いやー俺、この時海外にいたんで、生では観てないんだよね、このドーム公演は。帰国後、WOWOW録画分を友人から貰い、そのテープを擦り切れるまで観たなぁ‥‥一度観始めちゃうと、3時間席を外すことができないくらい、引き込まれちゃうんだな。これは茶の間で観るもんじゃないんだけどさ、ホントは。やっぱりデカイ会場で、大音量で楽しみたいよね。
丁度イジーが脱退した後で、確かギルビー・クラークのお披露目となったのが日本公演だったんじゃないかな? 1991年はサポートメンバーを含まない6人(イジー含む)で全米を回り、1992年からブラスやコーラス等のサポートメンバー多数を含む大所帯……ROLLING STONESみたいな感じね……でツアーを開始。かなりショーアップした感じで、初期の危うさとかライヴならではの即興性はかなり後退しちゃったんだけど(その後、またサポートメンバーを切ってシンプルな形態でツアー終盤は回ったんだっけ)、これはこれでアリーナツアーらしい「ゴージャスさ」を遺憾なく発揮してるんだわな。「Move To The City」でのブラスとか、「November Rain」での管楽器とか、スタジオテイクを忠実に再現してるから、聴いてて違和感無し。そういう意味では『USE YOUR ILLUSION』という作品集を見事に体現したツアーだったんじゃないかな。
ガンズといえばやっぱり『APPETITE FOR DESTRUCTION』でしょ!って気持ちは俺も同じ。でもね、初めて『USE YOUR ILLUSION』2枚をぶっ続けで聴いた、あのハタチの夜を俺は忘れなわけ。忘れられないわけ。あの興奮、あの言葉で表現できない、何だか凄いモノを聴いてしまったというドキドキ感。あの2枚じゃなきゃいけなかったんだよ。バイトから帰って深夜1時に聴き始めて‥‥結局眠れなかったもん。それ程興奮したんだよ、初めて聴いた時。きっと俺と同じ思いをあの当時体験した奴ら、多いんじゃないかな。それとも『APPETITE FOR DESTRUCTION』 以下だ、糞だ、としか思えなかった奴の方が多いのかな。
俺はガンズって『APPETITE FOR DESTRUCTION』 が凄かったから未だに伝説的に崇めたてられてるんじゃなくて、その後にもの凄い熱量の『USE YOUR ILLUSION』を、あの整理されない膨大な音の塊を我々にぶつけてきたから、その後オリジナル作品のリリースがなくてもここまで「生きた伝説」になっちゃってるんじゃないかな。やっぱ 「Estranged」とか「Civil War」とか「Coma」とか「Locomotive」とか、今聴いてもスゲーって思うもん。「Right Next Door To Hell」のイントロを聴けば、今でも鳥肌立つもん。1枚の「アルバム」として考えた場合、確かに二流だろうけど(流れとかメチャメチャだし)、これは2枚通して聴いた時にしか味わえない「凄み」があるのよ……。
俺は1st原理主義じゃないよ。アクセルがいて、スラッシュがいて、ダフがいて、そこにイジーがいてくれたら尚良いんだけどさ……あとドラムは……やっぱりマット・ソーラムなんだろうな。リアルタイムでは散々「ガンズに合わない」「ラーズ・ウルリッヒ(METALLICA)がガンズに入ったみたいなプレイしやがる」とか批判しまくってた俺だけど、VELVET REVOLVERでの彼を観て、そして時間が経って冷静に考えられる今だからこそ『USE YOUR ILLUSION』を聴いて、これはマットのプレイだからこそ成し得た奇跡だったんだな、と思うようになってさ。この5人が再び揃うことは‥‥AEROSMITHやMOTLEY CRUEみたいになることは、もうないだろうけど‥‥それでもね……。
▼GUNS N' ROSES『USE YOUR ILLUSION I』
(amazon)
▼GUNS N' ROSES『USE YOUR ILLUSION II』
(amazon)
« Mac使いのNINファンに朗報。 | トップページ | MANIC STREET PREACHERS、フリーダウンロード・シングル発表 »
「Guns n' Roses」カテゴリの記事
- BLACK SABBATH / OZZY OSBOURNE: BACK TO THE BEGINNING(2025年7月5日)(2025.07.06)
- SLASH『ORGY OF THE DAMNED』(2024)(2024.05.30)
- IGGY POP『EVERY LOSER』(2023)(2023.01.12)
- マイケル・ジャクソンの黄金期をオリジナルアルバムで振り返る(1979〜1991年)(2022.12.31)
- GUNS N' ROSES『USE YOUR ILLUSION II: DELUXE EDITION』(2022)(2022.11.22)
「1992年の作品」カテゴリの記事
- サブスクに存在する音源を通して1980年〜1994年のHR/HM(およびそれに付随するハード&ヘヴィな音楽)の歴史的推移を見る(2024.11.10)
- MR. BIG『MR. BIG LIVE』(1992)(2023.03.09)
- THE CURE『WISH』(1992)(2023.02.03)
- RAMONES『MONDO BIZARRO』(1992)(2022.08.04)
- DAMN YANKEES『DON'T TREAD』(1992)(2022.07.19)
「1998年の作品」カテゴリの記事
- ARCH ENEMY『STIGMATA』(1998)(2024.08.13)
- SLY『VULCAN WIND』(1998)(2023.02.01)
- SKID ROW『40 SEASONS: THE BEST OF SKID ROW』(1998)(2022.10.25)
- HARDCORE SUPERSTAR『IT'S ONLY ROCK 'N' ROLL』(1998)(2022.05.05)
- OASIS『THE MASTERPLAN』(1998)(2021.03.29)
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: GUNS N' ROSES『USE YOUR ILLUSION I & II: WORLD TOUR -1992 IN TOKYO』(1992)/『WELCOME TO THE VIDEOS』(1998):
« Mac使いのNINファンに朗報。 | トップページ | MANIC STREET PREACHERS、フリーダウンロード・シングル発表 »