ウルフルズ『9』(2005)
ウルフルズ、「ええねん」から約1年2ヶ月振り、そのタイトル通り通算9作目のオリジナルアルバムとなる「9」。前作ではベースにジョン・B・チョッパーが復帰したこともあり、何か特別な空気で包まれた中での発表となり、また受け手側である我々の方も、気持ちの面でこれまでとは違う受け入れ方をしちゃったんじゃないかな‥‥と思ったり思わなかったり。本来は深く考えずに楽しめるはずのウルフルズ・サウンドを、一歩突っ込んだ感じで、あるいはそれまでとは違った角度から覗いてみたりして、ちょっとだけ難しく考えちゃってた節があるかな、と。ま、俺に限ってのことかもしれませんが‥‥だからなのか、非常に良い作品であるにも関わらず、ちょっと聴く頻度が今までの作品と比べても低かったかな、と最近思うようになって。ま、結局はアルバム1曲目 "ええねん" に全てが集約されてるわけなんですが‥‥
今回はあれから時間も経ってるし、バシバシ活動を続けてくれたこともあってバンド側もだいぶ肩の力が抜け、いつも通りの「らしい」1枚に仕上がってるのね。まんまウルフルズな "バカサバイバー" といい、ソウルフルな "ゼンシン・イン・ザ・ストリート"("Dancin' In The Street" の捩りだよね)といい、力強い "歌" といい‥‥ってもう、この頭3曲の流れでオールオッケー。
先行リリースされたシングル2枚に収められた4曲が全てアルバムに収録されてしまってることから、シングルをちゃんと買ってるファンには不評だったようだけど(でも "暴れだす" は一応「full version」)、俺みたいな余程のことがない限りシングルまでは追わない微妙な立ち位置の人間にはまぁ有り難いんですけどね。あーCMで耳にしたあの曲も、有線でよく耳にしたあの曲も、全部入ってるのね、ってさ。
力強さも、バカっぽい緩さも、訴えかける言葉も、耳に馴染むメロディも、心躍るファンキーなリズムも、ここには全部ある。確かに「ウルフルズ史上最高傑作」かと問われれば、それはどうかな‥‥とは思うけど、十分に平均点は超えてるし、むしろこのレベルのアルバムをコンスタントに出し続けてくれるなら、俺には文句は全くありませんよ。むしろこういうバンドには目先の物珍しさとか最先端の流行を追っかけるんではなく、いつ聴いても「そうそう、これこれ!」って安心できる「らしさ」を求めちゃうんだよね。それって俺が年を取ったからなのかな?
でも‥‥それでもいいや。この11曲で40分にも満たないアルバムには、普遍的な魅力が沢山詰まってるから。

▼ウルフルズ「9」(amazon)
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