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2005/05/10

マーティ・フリードマンはただの「変なガイジン」じゃない!(MEGADETH再考)

 このブログでも既に何度か紹介しているテレビ東京の深夜番組「ヘビメタさん」。番組第1回目のゲストとして出演したのが、元MEGADETH(それ以前はHAWAII〜CACOPHONY)のギタリスト、マーティ・フリードマン。気づいたら第二回目以降、準レギュラーとして毎回出演してひとり異彩を放ってるのね。観る人が観たら絶対に「単なる日本語が上手な、おもろいガイジン」で終ってしまいそうなその扱い‥‥先日の放送ではMEGADETH時代の "Hangar 18" のPVが紹介され、実際に自身のギターソロを再現したりして、何とか面目を保ってましたが‥‥

 こらまて、そんなぞんざいな扱いでいいのかい!?

 俺が初めてMEGADETHを観たのは1991年の2月、マーティ加入後最初のアルバム「RUST IN PEACE」リリース後、通算3度目の来日公演でさ。この時はとにかく強烈だったなぁ。アルバムは勿論凄く良い出来だったし、そこに輪をかけてマーティのプレイがね、ハンパないんだわ。

 既にご存知の通り、彼はハワイ出身。現地で日本の演歌や歌謡曲を耳にして、そのメロディに感銘を受けた、というのは有名な話。実際、彼のソロプレイからはそういった「日本の演歌/歌謡曲っぽいメロディ」や「コード進行」が多々含まれています。というよりも、元々メタル自体がそういった音楽と非常に共通するものがあるんでしょうね‥‥それは何となく頷いてもらえるんじゃないかな?

 でね。そんなマーティに少しでも興味を持ってくれた若い子達のために、今日はマーティがMEGADETH在籍時にリリースしたアルバムについて、簡単にコメントしながら紹介していこうじゃないか、という「マーティ・フリードマン応援企画」なわけですよ。新宿在住のマーティさん、今後もとみぃはあなたを応援してますよ!



▼MEGADETH「RUST IN PEACE」(amazon

 1990年リリースの通算4作目となるアルバムで、デイヴ・ムステイン&デイヴ・エルフソンといった主要メンバー以外が交代し、マーティ・フリードマン加入後最初の作品。前作までにあった複雑な曲構成が若干後退し、より直線的でより正統派メタル路線寄りになった1枚。多分サウンドプロダクションのせいなのかな、それまでの「機械的」なノリからより「生々しさ」を前面に打ち出してるのね。更にマーティの独特なメロウさが功を奏して、更に唯一無二な世界観を生み出してます。良い意味で「それまで」と「これから」を繋ぐ、良作。



▼MEGADETH「COUNTDOWN TO EXTINCTION」(amazon

 1992年リリースの通算5作目。前作のヒットを受け、また前年にMETALLICAが初登場1位を獲得した余波だったのか、いきなり全米チャート初登場2位にランキング。初のプラチナアルバム獲得。いわば彼等の代表作と呼べる1枚。
 音楽的には前作で垣間見せた「これから」の要素が更に色濃く表れ、曲はよりコンパクトに、尚かつストレートなメタル/ハードロック路線に。所謂「歌モノ」的ナンバーが増え始めたのもこの頃から。"Symphony Of Destruction" はビルボード・シングルチャートのトップ100入りもしてるんだよね。既に初期の特徴であった「インテレクチュアル・スラッシュメタル」の要素は皆無。正統派ヘヴィメタルバンドとして生まれ変わったと言っても過言ではないでしょう。名盤。



▼MEGADETH「YOUTHANASIA」(amazon

 1994年リリースの通算6作目。前作リリース後にデイヴ・ムステインのドラッグ癖が悪化、入退院を繰り返し、活動も中途半端な状態になっていったんだよね‥‥お陰で決定していた初の武道館公演も中止に。俺、この武道館のアリーナチケット持ってたのに‥‥それ以後、MEGADETHは観に行ってません! そうそう、AEROSMITHと一緒にツアーしたのはこの頃ですよ。デイヴのドラッグ癖が影響しないように、と楽屋は完全に遮断されてたとの話。
 さて、アルバムの内容は前作の延長線上にあるのかな。ただ、個人的にはあまり「残らない」1枚なんだよね。所謂「歌モノ」がどんどん増えていき、ファスト・ナンバーが減り、大半をミドル/スローチューンが占めるという。時代がそうだったといえばそれまでだけど、それだけじゃない気も。ただ、マーティのソロプレイに関しては相変わらず印象深いものが多いです。特に "A Tour Le Monde" には胸を締め付けられます。



▼MEGADETH「CRYPTIC WRITINGS」(amazon

 1997年リリースの通算7作目。恐らく「COUNTDOWN TO EXTINCTION」以降彼等が挑んできた「挑戦」の集大成であり、もうひとつの「頂点」がこのアルバムなのではないでしょうか。もはやスラッシュメタルとは違うベクトルを放ってますが、どこからどう聴いてもヘヴィメタル以外の何ものでもない。個人的には後期の最高傑作だと思ってます。
 ミドルテンポの楽曲がメインなんだけど、そんな中に数曲挿入されたスラッシーなファスト・ナンバーが良いアクセントになっているんだよね。しかもそういったスラッシーな曲が初期のようなスラッシュナンバーに落ち着いておらず、例えばIRON MAIDEN的なファスト・ナンバーに通ずる魅力を持ってるんだよね。凄く良い。
 マーティのソロも聴かせる曲では徹底的にメロウに、そして攻撃的な曲では攻めまくってる。ま、そういう曲の大半はムステインが弾いてるんだろうけどさ。
 斬新さや驚きはないけど、安心して聴ける1枚だよね。名盤。



▼MEGADETH「RISK」(amazon

 1999年リリースの通算8作目にして、マーティ参加ラスト昨。このアルバム制作前にドラマーが交代、「RUST IN PEACE」から約10年近く続いた黄金の布陣は崩れ去ってしまうのですが、こういう作風のアルバムなら新ドラマー(ジミー・デグラッソ)のプレイはピッタリかもしれないね。そう思わせる意欲的且つ異色の内容。
 前作でひとつの頂点に達したためか、ここで新しい挑戦に挑むわけですが‥‥とにかく、ヘヴィメタルの枠を越えようとしてるのが伺えますよね。打ち込みを使った曲だったり、BON JOVIみたいなポップなハードロックだったり、ブギー調ロックンロールだったり。けどそれらが上手く機能してるかというと‥‥ちょっと厳しいかな。ただ曲は悪くないです。「YOUTHANASIA」で挑戦した「歌モノ」路線が完全にここで開花してます。
 とにかくマーティの貢献度が非常に大きい1枚ではないでしょうか。演歌や歌謡曲の泣きメロにも通ずるものがある "I'll Be There" や "Ecstasy"、"Time ; The Beginning" 等はメロディ含めマーティの独壇場。勿論、前作までのミドルヘヴィを基調とした "Prince Of Darkness" や "Crush 'Em" もある。MEGADETH史上最もバラエティ豊かな内容であるのと同時に、それが災いして最も評価が低い1枚でもあるわけです。が‥‥俺はこれ、凄く評価してるのよね。ある意味で、前作と対を成す作品だと信じて疑いません。これもある意味名盤。ただ、パブリックイメージとしての「MEGADETH」はここにはないかもしれないけど‥‥
 このアルバムをリリース後のツアー途中で、マーティ・フリードマンは脱退、翌2000年春に行われた来日公演から別のギタリストが参加するのでした‥‥


 以上、マーティが参加した5枚のアルバムを駆け足で紹介してみましたが、如何でしたか? ちなみに今回紹介したアルバム、全て昨年デイヴ・ムステインの手によってリミックス&リマスター化されてます。オリジナル盤と音の質感の違い(特にドラムやギターは大きく印象が異なる作品もあり!)やギターフレーズの差し替え、これまで音の壁に埋もれてしまっていたフレーズ等、とにかく「ある意味、別の作品」として生まれ変わっちゃってます。多分オリジナル盤の方は中古屋を回れば安く手に入ると思いますが、このリミックス&リマスター・シリーズは国内盤がCCCDなので注意を。US&UK盤がCD-DA、UK以外のEU盤もCCCDなので店頭で手にする時はどうぞ注意してください。ま、その点でamazonは問題ないですけどね。

投稿: 2005 05 10 12:31 午前 [Megadeth] | 固定リンク

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コメント

「ヘビメタさん」見られないわけですが、番組HPとか見ると、完全にマーティ・フリードマンの番組と化してますね(次週予告の画像とかマーティがセンターとってるし!)。そのうち踊るさんま御殿とか出るんじゃないだろうか……。

以前お話ししたっけという気もしますが、僕も91年2月の来日公演は行きました! たしか後でミニアルバムだか12cmシングルだかのライブ音源になったヤツ。

それにしても、中高生の当時は特に意識しなかったけど、「インテレクチュアル・メタル」って、良くも悪くも恥ずかしいキャッチフレーズですよね。

社会やライバル(というかメタリカ)へのデイヴ・ムステインのコンプレックスむきだし。それがMEGADETHのオリジナリティというか魅力なのデスが。

投稿者: (2005/05/11 19:45:55)

あと、イギリスに「マーティン・フリーマン」ていう人気俳優がいるんですけど(映画「銀河ヒッチハイク」の主演)、彼の名前見るといつもマーティ・フリードマンを連想します。

投稿者: (2005/05/11 19:48:40)

>辰さん
「ヘビメタさん」、テレビ東京とテレビ大阪の全国2局ネットという、とんでもない番組ですからね。是非このまま半年、1年と続いて欲しいんですが。

マーティは初回のゲストだったのに、2回目から「特別講師」扱いですからね。オール日本語でトークしてやがるし! そういやぁ昔、伊藤政則のラジオでも4時間の生放送、ずっと日本語で政則と一緒に番組やってたこともありましたが‥‥

そうそう、以前お会いした時に同じ91年の来日公演に行ったって言ってましたよね! ライヴ音源が入ったのって確か「Hanger 18」のEPか何かでしたっけ? 持ってたような気がするけど‥‥売っちゃったかなぁ?(笑)

日本ではこの4月に「MEGADETH(名義での)最後の来日公演!」という触れ込みで来日ツアーがあったんですが、先日その映像をテレビで観まして‥‥バックには全然知らないメンバーばかりですよ。完全に「デイヴ・ムステイン with His Band」といった趣でしたね。ニューアルバム、未だに聴いてないんですが、初期っぽい「インテレクチュアル」な感じっぽいですよ。

そういやぁWiLDHEARTSのギタリスト、CJも東京在住なんだよなぁ(ファンの日本人女性と結婚)。WiLDHEARTSのレコーディングやツアーがある度にイギリスに帰ってたみたいだし。あの人は日本語達者なのかしら‥‥ポール・ロジャースの(元?)奥さんも日本人だ(った?)し、イギー・ポップの前の奥さんも日本人‥‥みんな日本に住んじゃえばいいのに(笑)

投稿者: とみぃ (2005/05/12 23:27:39)

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