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2005年6月16日 (木)

RATT『RATT & ROLL 81-91』(1991)

 懲りずにまたLAメタルについて語りますよ! 今度はRATT!

 所謂LAメタルというムーブメントの中から出てきたバンドの中で‥‥QUIET RIOTを除いて‥‥恐らく一番最初にアメリカでヒットを飛ばしたのが、このRATTだったはず。メジャーデビュー盤『OUT OF THE CELLAR』に収録された "Round And Round" というポップなナンバーがビルボードのシングル・トップ20入りしたのを切っ掛けに、彼等は一躍有名になっていったんだよね。丁度MOTLEY CRUEが『SHOUT AT THE DEVIL』を出した後だったかな‥‥MTVの後押しもあり、デビューしていきなりアリーナツアーとかやってたような記憶が。ここ日本ではほぼ同時期にデビューしたBON JOVIの方が人気を博していたけど、アメリカでは逆の立場で、RATTの前座でBON JOVIがやってたりとかしてね‥‥ま、それから数年で全世界的に立場が逆転しちゃうんだけど。

 RATTはひと癖もふた癖もあるスティーヴン・パーシーのボーカルで好き嫌いがハッキリしちゃうと思うんだけど、意外とメロはポップなものが多くてね。テンポ的にもBPMが80〜110くらいの曲が大半だそうで、そういうミドルテンポの曲を指して「ラットンロール」なんていう造語まで出来た程で。例えばインディー盤に収録された(ベスト盤には収録)代表曲のひとつ "You Think You're Tough"、メジャー1stから "Wanted Man" や "Back For More"(これはインディー盤の焼き直しね)、2ndだと "Lay It Down"、3rdだと "Slip Of The Lip"、4thだと "Way Cool Jr."、そして解散前のラスト作となった5thだと "Lovin' You's A Dirty Job"‥‥こういった曲こそがRATTの魅力という人もいます。勿論それらが最も「らしい」曲調なんだけどね。

 

 けどRATTの魅力ってそういったミドルテンポのロックンロールだけでなくて、もっと硬質でヘヴィメタリックな曲が多いのも他のロケンロール系バンドとの大きな違いなんですよね。ま、そこがLAメタルたる所以なんですが。ロブ・ハルフォード(JUDAS PRIEST)が踏みつぶされたような声、なんていう例えもあった程(どんな例えだよ)メタルからの影響も強く、3rdの "Body Talk" みたいな名曲もあるし、1stに収録された初期の名曲にしてライヴの定番(ベスト盤未収録)"Morning After" みたいな曲もあるし。けど、全部歌メロがポップで覚えやすいし、そんなにメタルメタルしてなくて、聴きやすい。まぁ派手なのはギターですよね、ウォーレン・デ・マルティーニの。

 俺、ウォーレンのギターってそんなに好きじゃないんですよ。例えば初期ってそのウォーレン以上にロビン・クロスビーの方が目立ってた印象があるんですけど。アルバムを重ねる毎にプレイにしろ書く曲にしろ、ドンドンと前面にフィーチャーされ出して、解散前ラスト作となった「DETONATOR」ではとうとうプロデューサー的役割までするようになっちゃったんですよね。ギタープレイもドンドンとブルーズ気触れになってって‥‥あーこうやってバンドってダメになっていくんだなーという好例というか(悪い方向に進んでるのに「好例」という表現はアレですが)。ロビンの影もドンドン薄くなってくし。

 俺はRATTは2回くらい観てるのかな? '80年代後半の、丁度セールスに翳りが見え始めた時期と、'91年3月頃の、ロビン・クロスビーを含む編成でのラストとなってしまった時期。帰国後すぐにロビンが脱退しちゃうんだよね。で、ライヴにマイケル・シェンカーをゲストに迎えたりとかして、結局長続きしなくて。映画のサントラに新曲 "Nobody Rides For Free" を提供するんだけど、結局その後すぐに解散しちゃうんだよね。

 タイトルにもあるように、このベスト盤はそんな彼等の成功と衰退の10年を見事にまとめた1枚になってます。人によっては「DETONATOR」辺りの曲は「もはやRATTじゃない!」とか非難の的になってるんだけど、俺このアルバム、下手したら1stと同じくらい好きなんだよね‥‥同じ名前だけど、全然違うバンドの音みたいに聞こえるのにね。なんだかんだでRATTの場合は、オリジナルアルバムを聴くよりもこのベスト盤を聴く頻度の方が高いかも。アルバムだと退屈な曲もあるしね(特に後期にいけばいく程その傾向が強いです)。

 ちなみにそのRATT。'90年代後半にスティーヴンとウォーレンを中心に再結成され、未発表曲を含む編集盤と、セルフタイトルの完全新曲オリジナルアルバムをリリースするんですが、その後スティーヴンが脱退(ちなみに彼がバンド創設者ですから)。現在でもRATTはウォーレン主体で活動しています(この2005年においても!)。ボーカルは元LOVE/HATEのジジィ・パール‥‥まぁボーカルの系統は似てるけどなぁ‥‥全然別モノだよね、やっぱ。

 あと‥‥ロビン・クロスビーは脱退後暫くして、HIVに感染していることを発表。原因はクスリ(注射)の回し打ちだと言われてましたが‥‥数年前にお亡くなりになってしまいました。合掌。

 上記で述べたようなそ楽曲がまとめて楽しめるのが、このベストアルバム『RATT & ROLL 81-91』。解散記念で発表されたこのアルバムにはRATTが発表した楽曲がリリース順に(リリース時期に沿って)収録されていて、初期の「ラットンロール」が濃かったところから後期に向けてそれが薄まっていく様を追体験することができます。よくも悪くもね。



▼RATT『RATT & ROLL 81-91』
(amazon:日本盤US盤

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