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2005/07/22

L'Arc-en-Ciel『AWAKE』(2005)

 L'Arc-en-Ciel、通算10作目となるオリジナルアルバムは、初めてメンバー4人の顔をモチーフにしたジャケットを持つ、一種異彩を放つ作品に仕上がってます。

 2003年の活動再開以降、順調に活動をしている彼等ですが、このアルバムを聴くと‥‥従来の「らしさ/パブリックイメージ」を中心に置きつつ、更なる新しいステージに昇ろうとしてるのが判ると思います。前作「SMILE」で感じた『新しさ』とはまた違った、無理のない変化や進化という‥‥いや、むしろ『深化』と呼んだ方が正しいかもしれない。むしろ前作ではまだ「ラルクであることを『演じ』つつ楽」しんでたのかなぁ、と。そういう意味では、アルバム1枚とシングル数枚を経て、更にそれらの楽曲をライヴを通すことで更に進化させたことで、『演技』がより自然なものへと変わっていった、と。そして新しいチャレンジをするにしても、芯にあるものがちゃんと見えていて、そして4人がそれぞれ自信を持つことができているから、妙な違和感を感じずに済む‥‥前作を聴いた人の多くが感じた『違和感』を今回感じずに済んだのは、そういうことなのかもなぁ、と思うわけで。

 とはいっても、そういうのは全部憶測で書いてるだけなんで。結局のところはメンバー4人にしか判りませんけどね。

 さて。このアルバムなんですが‥‥この1年の間にリリースされた4枚のシングルを軸に(面白いことに、それぞれメンバー4人による楽曲なんですよね)、非常に魅力的で味わい深い新曲群が随所に挿入されていて、これまで以上に聴き応えがある1枚に仕上がってます。

 でね‥‥俺さ、このアルバムをブックレットの歌詞見ながら聴いてて、あるバンドの、あるアルバムとの共通点に気づいちゃったんだよね‥‥

 それは、LUNA SEAの「LUNACY」というアルバム。結果的にLUNA SEAにとってラストアルバムとなってしまった1枚なんだけど、面白いくらいに(音楽面ではなく、その他いろいろな点において)似てるなぁ、と感じたんですよ。

 活動再開後、2作目となるアルバム。いきなりメジャーキーのアッパーチューンからスタートする点、しかも両方のアルバム共、その1曲目(LUNA SEAは "Be Awake"、ラルクは "New World")のテーマが『目覚め』であること‥‥いや、アルバム全体のテーマといっていいかもしれませんえ、両者共。ラルクなんてアルバムタイトル自体が「AWAKE」ですし。

 眠っている状態から目覚めること、あるいはそれまで気づいていなかった/見えていなかった物事に気づくこと、新しい何かに生まれ変わること。それらを指して『AWAKE』という言葉を使った両者。ラルクはその "New World" の中でハッキリと「I'm awakening in the new world」って歌ってますしね。

 となると‥‥なんていう邪推もしたくなる程に、両者に共通点を感じずにはいられない俺ですが、両者共その1枚前のアルバム(LUNA SEAは「SHINE」、ラルクは「SMILE」)も、思えば共通点が多いような気が。後付けかもしんないけど、今更ながらにそう感じますね。

 ただ、両者にこれだけ共通項がありながらも決定的に違う点がひとつあるんですよ。それは、LUNA SEAが1枚のアルバムを作るのに長い時間をかけてしまうのに対し、ラルクは意外に多作家だということ。前作からたった1年3ヶ月でこの「AWAKE」というアルバムに辿り着いてるんですが、その間にシングルが4枚も出てますからね。シングル曲をレコーディングしながら、徐々にアルバムの骨格が見えてくる‥‥みたいな作品作りをしてるんじゃないか、と思える程に、今も昔も、ラルクは多作振りを発揮してる。メンバー4人が個性的なソングライターというのも大きいでしょう。ある時期はtetsuが波に乗って曲を増産し、今度のアルバムではhydeやkenが非常に頑張った。その結果、非常に初期に近い匂いを放つ作風にも感じられる。だけどyukihiro的なモダンな要素もしっかり入ってる。ここがラルクの強みであり、長いブランクがありながらも常にチャートの上位を維持できる秘訣なのかもしれませんね。

 ここ何作かはアルバム終盤に行くにつれて多少散漫になっていく感じがありましたが、このアルバムは珍しく終盤で劇的な盛り上がりをみせてくれます。前半の「ラルクらしい」怒濤の流れも良いけど、個人的には "自由への招待" 以降の流れが凄く好き‥‥特にラスト3曲がね。あーそうそう、こういうラルクを待ってたんだよなー、って。それだけで十分ですよ。勿論、そこに行き着くまでの流れも良いから更にこの終盤が引き立つわけですが。

 アルバムジャケットにおける初の顔出し、珍しく12曲も入っている点、メジャーキーのアッパーチューンからスタートする点、「『New World』に『AWAKE』する」等々‥‥幾らでも「嫌な想像」は可能でしょう。噂だけはいろいろ耳にしますが‥‥今はこのアルバムを心底楽しみたいと思います。一体ライヴでどう鳴らされるのか、そして‥‥同時期に制作されたニューシングル「Link」は別として‥‥この後に続く『新曲』ってどうなっちゃうのかなぁ‥‥期待しちゃうのと同時に、非常に不安だったりもするんですが‥‥

 最後に。このアルバムを聴いて改めて気づいた点をもうひとつ。

 ラルクってやっぱりニューウェーブを上手に通過して、それらを血と化し肉と化してきたバンドだったんだなぁ、と。勿論それだけじゃなく、ハードロックやヘヴィメタルの要素も強く感じさせるんですが、今回は久し振りに「ニューウェーブ上がり」だと強く意識させる楽曲が多いように思います。ま、だからこそ俺はこうやって未だにアルバムを手にしてるんだろうけどね。



▼L'Arc-en-Ciel「AWAKE」(amazon

投稿: 2005 07 22 12:40 午前 [2005年の作品, L'Arc-en-Ciel] | 固定リンク

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» ラルク『AWAKE』 from Moment
L'Arc〜en〜Ciel NEWアルバムを聞きました{/usagi/} 個人的には メタルちっくなのが好きなんだけど、 今回はLOST HEAVEN、AS ONEが私は良いかな。 あと My Dearが好き{/heart/} 続きを読む

受信: 2005/07/23 16:57:15

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