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2005/07/24

FOO FIGHTERS『IN YOUR HONOR』(2005)

FOO FIGHTERSがここまでデカイ存在になるなんて、10年前は想像もしてなかったよね。最初の頃はリキッドルームや赤坂BLITZが程よい大きさだと思ってたのに、気づいたら世界各国の大型フェスティバルのヘッドライナークラスですよ。確かにNIRVANAは越えられない大きな壁かもしれないけど、もはやそんなこと気にする必要もなくなっちゃいましたよね。

通算5作目となるアルバムは、ロックサイドとアコースティックサイドの2面性を強調した2枚組。昨年のレコーディング前からデイヴ・グロウルはBEATLESの『ホワイト・アルバム』的な2枚組アルバムを作りたい」なんて発言していて、その時はまぁ何だかんだ言って1枚ものになるんだろうなぁと思ってましたが、まさか有言実行するとはね。逆に、それだけ今のバンドの状態が良いってことなのかもしれませんね、これだけの短期間に集中して、これだけ濃い作品集を作れてしまったってことは。


メンバー自体は前作『ONE BY ONE』(2002年)と同じ、ロックサイド的なDISC-1の方も作風自体はその前作の延長線上にある流れなのですが、個人的には今回の方が更にしっくり来るというか。王道ハードロック路線を突き進んだ前作の後、デイヴはメタル道追求プロジェクト『ROBOT』(2004年)を経てこのアルバム制作に挑んだわけですが、『ONE BY ONE』にあった堅苦しさというか(悪い意味での)暑苦しさが『ROBOT』で灰汁抜きされたのか、同じ方向性でも今回の方がもっとナチュラルに感じられる。良い意味で1st〜3rdアルバムまでの集大成的な要素さえも感じられる。だから自分にとって聴きやすかったのかもしれませんね。

そして問題のDISC-2。アコースティック/バラード調を主体とした、いわば新境地/冒険作と呼べる内容で、こういうことが出来るってことはやはりバンド自体が上手く機能していて、尚かつ余裕が出来てきたんだろうなぁ、なんてことを勝手に想像してます。デイヴがこういうアコースティック主体のスローチューンを歌うのは決して初めてのことではなく(NIRVANA時代にもありましたしね)、そういう意味での物珍しさ/新鮮さはそこまで感じませんでしたし、俺は周りが感じた程の驚きというのもそこまでなかったんですよ。むしろその片鱗は1stアルバム『FOO FIGHTERS』(1995年)の頃からあったし(「Big Me」なんてアレンジがアレンジなら、このディスクに入っていても違和感ないですしね)。ジョン・ポール・ジョーンズ(元LEZ ZEPPELIN)やノラ・ジョーンズといったゲスト陣や、ドラムのテイラー・ホーキンスが「Cold Day In The Sun」でボーカルを取っていたり等、話題となりそうな焦点は幾つもあるけど、俺的にはそういった二次的要素よりも楽曲……とにかくデイヴ及びFOO FIGHTERSのメンバーは、こっちのディスクの曲がやりたくて今回のアルバムを作ったんだろうなぁ‥‥と邪推をしたくなっちゃう程、ホントよく出来てるんですよ。デイヴがアルバム制作前に比喩した、BEATLESの『ホワイト・アルバム』……確かにこのDISC-2にはあのアルバムにあったような多面性や雑多性が強く感じられる内容になってるし、そしてアルバムとして散漫にならないようにちゃんと工夫されてる。そして従来のファンを納得させるためにも、更に自分達の得意とするものを最も得意な手法で作ったDISC-1があって、初めてこの2枚組は「FOO FIGHTERSのアルバム」として成立する。お見事としか言いようがないなぁ。

デイヴひとりで「おもちゃ箱をひっくり返す」ように制作された1stから10年。FOO FIGHTERSはちゃんとした“バンド”になり、そして大人になった。ただ目の前をおもちゃを手当り次第に使ってたデイヴはもうここにはおらず、そのおもちゃひとつひとつの使い方を熟知し、更に吟味するレベルにまで到達してしまってるんだから‥‥そりゃ、オーバーグラウンドでここまで大きくなってしまったのも納得がいく話ですよ。

実はFOO FIGHTERSは1998年1月の初ジャパンツアー以来、一度もライヴを観れてなかったので(運悪く、俺が行けなかった2000年のフジロックに出てたり、あとギリギリまで悩んだ『MAGIC ROCK OUT』初年度にも出てたんだよね)、今年のフジでは是非その勇姿を拝みたいなぁと思ってるんですが。フジ初日、個人的ハイライトのひとつですね。楽しみです。



▼FOO FIGHTERS『IN YOUR HONOR』
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投稿: 2005 07 24 09:08 午前 [2005年の作品, Foo Fighters, Led Zeppelin] | 固定リンク

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