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2005年8月19日 (金)

METALLICAの映画『SOME KIND OF MONSTER』を観た。

 METALLICAのドキュメント映画、「SOME KIND OF MONSTER」が先月末から日本でも公開されてるわけですが(アメリカから遅れること、約1年近くかぁ‥‥向こうでは既にこの1月にDVD出てるし)、東京での公開が8/19までということもあって、焦ってその前日、8/18のレイトショーに行って観てきました。今、その興奮も冷めやらぬ内にこれを書いてるところです。

 映画の内容は‥‥ジェイソン・ニューステッドが脱退したところからスタートするんですが、彼が抜ける直前にこのドキュメント映画の撮影が決まったみたいで、結果撮影はジェイソンを欠いた3人+プロデューサーのボブ・ロック、そこにセラピストを含むメンバーにより進められていくんですが‥‥

 えーっと、これからネタバレ的なことも多々含まれます。まだ大阪、名古屋、札幌等の地区では上映中だったり、これから上映開始したりするので、ちょっとワンクッションおきます。映画をこれから観るって人は、まぁ読まない方がいいかもしれませんね。

 というわけで‥‥

 ‥‥はい、続きです。

 ストーリーの続きですが‥‥まぁMETALLICAのここ数年の流れ(ジェイソン脱退~ジェームズのアルコール依存症治療~レコーディング開始~ロバート・トゥルージロ加入~「ST.ANGER」完成)を知ってる人にとっては、まぁ既に頭に入ってるエピソードが、ほぼ時系列に沿って「ドキュメント映画のように」進んでいくんですが‥‥いや、これドキュメント映画だったね。失敬。

 でもさ‥‥そう思えない程に、俺は映画館の中で大笑いしてたわけよ。ストーリーやメンバー間のやり取りがシリアスになればなる程、もう笑えて仕方ないわけ。なんつーか‥‥我々が生活する「日常」とは、やはり相当にかけ離れてるというか、どう考えても感情移入できないのね。ま、そんなの当たり前の話なわけですが、それでも‥‥曲がりなりにも20年近くファンをやってる立場としては、ジェームズのリハビリ施設退院以降、バンドが再生していく過程に涙しなきゃいけないんだろうけど、無理。無理なのよ。だってジェームズもラーズもバンド結成当時で「止まっちゃってる」んだわ。要するに、ガキ。そんなガキのやりとり、冷静に観ろっていう方が難しいわな。いや、濃いファンはこれを真剣に受け止めてるのかもしれないけど、やっぱり(与えられた情報の中からとはいえ)ジェームズの性格も、ラーズの性格も、ある程度知ってるわけでしょ。で、ある程度想像つくじゃない、衝突すればどうなるかって‥‥で、それが想像通りなもんだから、もう大爆笑なわけ。だってさ、いい大人(しかも幼い子供を抱えた、一家の主)がですよ、「今日は朝から機嫌が悪いんだ」なんて、普通言わねーよ。で、それは映画にも登場するデイヴ・ムステイン(元METALLICA、現MEGADETH)にも言えることで‥‥同類だよな。だからそれぞれが上手くいってる時はホントに奇跡的な仕事をするんだけど、大半はほぼ衝突しまくり。結果、デイヴはデビュー前のMETALLICAを追い出され、20年経った今でもそのことを根に持ち、自分の人生がどんなに辛くて酷いか、それは全部お前らのせいだ!とまで言わんばかりの勢い。んでカークはその次元までいかないけど、あれ(ジェームズとラーズ)を受け入れてる時点で、ある種同類なわけ。だけど「身を引く」ことを知ってる。だから上手くいく。その点からすると、ジェイソンって男は、至極「まとも」「真面目」だったんだな、と。まとも過ぎから脱退した。去った理由も理解できなくないわ、これ観たら。

 とまぁ、こんな風にいろいろな人間模様が見え隠れする、非常によく出来たドキュメント映画だと思いますよ。RAMONESに「THE END OF THE CENTURY」というドキュメント映画がありますが(あれも観た時はかなりショックでしたが‥‥)、完成度の点ではあれを遥かに上回っていると思います。

 ただ人間模様だけを記録したのではなく、それが「6年振りの新作レコーディング過程」の中で映し出されているから、更に面白いわけですよ。ひとつの作品が成長して完成していく様、しかもそれが過去のどの作品にも似ていない、非常にユニークな作品に仕上がっている点。製作方法も過去のそれとは全く違う、ホントの意味での「バンド」のレコーディングになっている点。そしてラストのベーシストのオーディション。意外な面々がオーディションに登場します。ここだけでも必見ですよ。

 日本でのDVD化はまだ先らしく、年末か年明けになるのでは‥‥なんて噂を耳にしています。とにかく、東京の人はこれを読んだら本日のラスト上映(17時半と20時半の2回)に駆け込んでください。そして他の地方の人は‥‥これ読んでも興味が失せなかったら是非観てみて。更にどうしても観れないって人は‥‥リージョン1で英語が堪能なら、下の輸入版を購入するって手もあります。ま、もう暫く辛抱するのが一番かもしれませんが。

 とにかく。この手のロック・ドキュメンタリーの中では過去最高の出来ではないかと思います。これを笑えるか、観て凹むかで、あなたの忠誠心が判ってしまうかも‥‥なんてね。



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