« TOMMY LEE『TOMMYLAND: THE RIDE』(2005) | トップページ | 「RADIO TMQ」#33、17日24時から放送! »

2005年9月16日 (金)

MOTLEY CRUE『GENERATION SWINE』(1997)

 さて、9/18に「Motley Crue Night」というDJイベントをやる関係で過去のモトリー諸作品を聴く頻度が増えてるんだけど、そんな中でも特に聴いてるのが今回紹介する「GENERATION SWINE」なのです。このアルバム、ファンの間では非常に評判の悪い、いわば「失敗作」扱いされている1枚で、実はつい最近までこの俺もずーっと「そんなに好きではない」部類に入れてたわけ、このアルバム。よくファンの間では『ヴィンスが抜けた後の作品(ジョン・コラビが歌った「MOTLEY CRUE」、この「GENARATION SWINE」、そしてトミー・リー脱退後の「NEW TATTOO」)はどれも駄作』みたいに呼ばれてるんだけど、その中でもとりわけ「MOTLEY CRUE」と「GENERATION SWINE」は評価が低いのね(あ、俺はリリース当時から「MOTLEY CRUE」は大傑作だと常に主張してきてますからね)。

 この「GENERATION SWINE」、1992年初頭に脱退したヴィンス・ニールが1996年に復帰して最初のアルバムだったわけ(リリースは1997年。全米4位まで上昇)。1997年初頭でしょうか、「American Music Awards」にいきなりこの4人がゲスト出演して、当時まだ未発表だった "Shout At The Devil '97"(2ndアルバム「SHOUT AT THE DEVIL」収録曲を、NINE INCH NAILSやMARILYN MANSONでお馴染みのエンジニア、デイヴ・オギルヴィがリミックスしたテイク。「GENERATION SWINE」収録)を披露して話題を独り占めしたんだよね‥‥俺、あの時WOWOWで放送されたそのライヴ(当て振り/リップシンクだったけど)映像を観て、どんだけ鳥肌立てたか。どんだけこの日を待ち望んだか‥‥イギリス留学中、現地のMTVで知った『ヴィンす解雇(当時の第一報ではこう発表されたはず)』にどれだけ打ちのめされたことか‥‥それを思うと(ジョン・コラビ時代もそれなりに満足してたものの)どれだけこの5年という月日が長く感じたことか。そこにきて、このカッコいい、同時代性すら感じさせるリミックステイクですよ。そりゃ新作に期待しちゃうわけですよ。「今度のモトリーは、ヴィンスも戻ったし、どんだけ凄いことになるんだよ!?」、と‥‥

 ところがね、出来たアルバムがこれでしょ? インダストリアルというか、悪い意味で時代に迎合しちゃった音作り‥‥フォロワーだったMARILYN MANSON辺りの作風をまんま取り入れちゃったアレンジ‥‥以前のようにハイトーンでは歌えないヴィンス、そして何故かアルバム冒頭でいきなり聴こえてくるのはそのヴィンスの歌声ではなくてニッキーの歌声だという事実。しかもヴィンス復活作なのに、ニッキーとトミーのソロ曲がそれぞれ入ってる始末。なんじゃそりゃ!?って普通は思うわけですよ、とりわけ思い入れの強いファンになればなる程。

 このアルバムの時は1997年8月にお台場で「ROCK AROUND THE BAY」なんていうフェスの先駆け的イベントで2日間ライヴをやったんですよね(共演はスティーヴ・ヴァイとザック・ワイルド)。俺、初日に行って、まぁ1日だけ行けばいいよな‥‥って思ってたら、ライヴじゃ意外な(今じゃ毎回やってるけど) "Too Fast For Love" とかやっちゃってね‥‥気づいたら次の日のチケットも買っちゃって。結局ほぼ同内容だったんだけどさ。まぁそれでも久し振りに観た『オリジナル・フォー』は‥‥外見こそ変わっちゃったけど‥‥やはりモトリーそのものでしたよ。

 でもなぁ‥‥アルバムはなぁ‥‥と、実はリリースから約8年、ずーっと敬遠してた1枚なんですよ。

 しかし、最近になってフラットな気持ちで改めて聴いてみること数日‥‥意外といいじゃない?、と。確かに曲の出来にはバラツキがあるし、アルバムとしてのトータル性も散漫なものになってるけど、これはこれでアリだよなーと。前作「MOTLEY CRUE」で‥‥BEATLESでいえば「REVOLVER」や「SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、PINK FLOYDでいえば「THE WALL」みたいなアルバムを作っちゃったわけですよ。そしてそれに続く今回‥‥「ホワイト・アルバム」であり、「THE FINAL CUT」的な1枚を作ってしまったんじゃないかな、と。まぁ「THE FINAL CUT」は多少こじつけですが、作風的には「THE BEATLES(ホワイト・アルバム)」っていうのは言い当ててるような気がしますが、どうでしょう?

 非常にスタジオワークやテクノロジーに気を遣い、それぞれのメンバーが個々で作り歌った楽曲があり(ニッキーの "Rocketship" であり、トミーの "Brandon")、過去の楽曲のリミックスもある(何となく "Revolution #9" を思い浮かべたのは俺だけ?)。"Helter Skelter" を彷彿させるヘヴィ級ナンバーあり(ま、既に彼等はこの曲カバーしちゃってますけどね)、パンクあり、サイケあり、バラードあり‥‥過去のモトリーの諸作品といえば、どのアルバムも確たるテーマみたいなものがあって、それに沿ってアルバムが進んでいくトータル性を重視してたように思うんですが、このアルバムに関してはそういったものは皆無に等しく、ただひたすらメンバーが好きなことをやったらアルバム1枚できました、みたいな内容になってる。それまではフロントマン=ヴィンスを立てつつ、地味ながらもステージやヴィジュアルで自己主張していた他のメンバーが、自ら歌って自己主張する。曲によってはヴィンスとのデュエット、あるいは完全なソロ曲として。

 あとこのアルバムって、制作途中段階までジョン・コラビがいたわけでしょ。曲のクレジットを見てもジョンの名前がある曲があるし("Flush"、"Let Us Prey" 等。アルバム・アウトテイクにも幾つか見受けられるよね)、作風的にも前作「MOTLEY CRUE」の延長線上にある作品として作られてたんだろうな、っていうのは一聴瞭然だしね。ある意味じゃ、『「MOTLEY CRUE」っていうアルバムをヴィンスが歌ってたら、もっと受け入れられてたんだろうな』っていう思いが遂にここで実現する‥‥はずだったんだけどね‥‥う〜ん、ちょっと違うんだよね。

 とまぁ‥‥長くなっちゃいましたが、それだけ俺はこのアルバムに対して複雑な思いがずーっとあったわけですよ。でも、今やその複雑な感情もだいぶ和らいできてるのね。まぁね、もうこのアルバムの中からライヴでは演奏される機会のある曲、数える程しかないだろうけど(今のツアーでは "Shout At The Devil '97" と、メドレーの一部として "Glitter" が演奏されてるのみ)、それでも‥‥これもMOTLEY CRUEの歴史の一部なんだよね。うん。



▼MOTLEY CRUE「GENERATION SWINE」(amazon:日本盤US盤

« TOMMY LEE『TOMMYLAND: THE RIDE』(2005) | トップページ | 「RADIO TMQ」#33、17日24時から放送! »

Motley Crue」カテゴリの記事

1997年の作品」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: MOTLEY CRUE『GENERATION SWINE』(1997):

« TOMMY LEE『TOMMYLAND: THE RIDE』(2005) | トップページ | 「RADIO TMQ」#33、17日24時から放送! »

カテゴリー