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2005/09/29

L'Arc-en-Ciel@東京ドーム(9/25)

 L'Arc-en-Cielの「ASIA LIVE」最終公演に行ってきました。既に報道されてる通り、北京や韓国でのライヴを含む、初のアジアツアーだったわけですが、その最終公演となったのが東京ドーム2デイズ。活動休止前に行ったドーム公演以来なので、恐らく4年振りくらいになるのかな‥‥その時、自分もチケットを取っていたんですが、身近に起きた不幸を理由に欠席せざるを得なくなってしまったのでした。

 実はラルクのライヴを観るのは今回が初めてではありません。最後に観たのは10年前の初武道館公演。更に言えば、そのもっと前には更に数回観てます。あまり詳しい状況は説明しませんが、今程メジャーではない彼等を観る機会が何度かあったわけです。切っ掛けは忘れましたが、一度観て「あ、この人達にはDEAD ENDの匂いを感じる」と察知し、それから事ある毎に観に行ってたんですよ。

 なんていう昔話はこれくらいにしておいて、10年振りに観たラルクのライヴ。簡単に感想を書いてみたいと思います。

 まずあの時(10年前の武道館)と何が一番違ったかというと、そりゃもうメンバーですわな(当たり前の話ですが)。ドラムが違う。これはかなり大きいと思うのね。sakura時代は何度か観てるけど、今回yukihiroになってからのライヴを初めて生で体感して、アルバムの時以上にリズムの感じが全然違うことに気づかされて。yukihiro参加後の初ドームの中継('97年12月)とかその後のライヴDVDなんかを観て判ってたはずなのに、いざこうやって生で体験して改めてそれを感じましたね。yukihiroのドラム自体は余所のバンド(DIE IN CRIES時代)で何度も体験してて、決して嫌いなタイプのドラマーではなく、むしろsakuraよりも好みのタイプのプレイヤーなんだけどね。でもそれがいざラルクのライヴとなった時、作品として聴いていた「CD音源」の時には気づかなかった細かい違いとか、そういったことに気づいちゃったり。yukihiro加入後の曲が9割近くだった中、いきなりライヴ2曲目に懐かしい "Caress of Venus" なんてやっちゃったから、余計に気になっちゃったのかもしれない。いや、原曲に忠実だったんだけどね、ホント細かいところで「あ、違う」って気になっちゃったんだよね。

 それともうひとつ、kenのギタリストとしての存在感を存分に味わえたのも大きな収穫だったかな。どうしても「(自分にとっての)DEAD ENDの代用品」的な存在だった初期ラルクだけど(実際、初武道館で彼等のカバーをやった時には大爆笑したと同時に興奮もしたんだけど)、改めてこのバンドはその後継者なんだなぁと思わされた。勿論YOUの単なるコピーなんかではなく、kenなりの主張の強いプレイなんだけど‥‥これは単なるいち個人の強い思い込みでしかないのであんまり気にしないで欲しいんだけど‥‥「あー、DEAD ENDがずーっと続いてたら、もしかしたらこんな曲をやってたかもしれないよなぁ」とか、「YOUだったらここをどう弾くかな」とか。そんなことをライヴ観ながら時々考えちゃったりしたのね。いや、やってる曲自体はラルクのオリジナル曲だし、絶対にあり得ない話なんだけどね。でも、曲聴いたりライヴ観たりしてここまでDEAD ENDの亡霊がつきまとうのって、今ではラルクくらいなんだよね。LUNA SEAはもういないし(そして彼等は「それ」を引き受けることを一切拒絶したし)、清春(黒夢時代の彼がDEAD ENDからの影響を強く匂わせていたのは有名だよね。実際、ソロ1作目にはかのMORRIEもギターでゲスト参加してるし)もSADSを経てソロになり、全く別の道を歩んでしまったし。「DEAD END大好きなんですよね」なんて公言して影響をそのままストレートに出してた奴らがみんな大人になって、それぞれ別の道を歩んでく中、既にオリジナリティを確立しているにも関わらず、その中に面影を感じさせてしまうのはもうラルクしか残ってないんだよな。それが嬉しくもあり、同時に寂しくもあり。

 ‥‥ってラルクのライヴの感想とは全然関係ない話でゴメンね。

 いや、改めて凄いバンドになったもんだと実感した。それはスケールのデカさとかそういった点だけではなくて、曲や演奏についてもなんだけどさ。tetsuのプレイは確実に初期よりも複雑になってるし、yukihiroは(ドラムソロはつまらなかったけど。苦笑)スクリーンに足下が映る度に釘付けにされたし。hydeは‥‥まぁ‥‥いい奴だよね。カリスマ性は10年前よりも薄れて、逆に今は等身大のhydeとしてバンド内で上手く立ち振る舞えてるんじゃないかな、と察しています。この日の歌も、以前程の不安定さはなくなって、後半にいくに従ってドンドン熱量がデカくなって、そのままクライマックスに向かっていく感じが良かったんだけどね‥‥

 そう‥‥良かったんだよ、本編終了時までは‥‥だからこそ‥‥誰かリーダーに「パンク、もう止めようよ」ってストレートに言ってやってくれませんか。あれは本気で蛇足だと思ったわ。そりゃ確かにドームだけのスペシャルなんだろうけど、3曲は‥‥やり過ぎだよね。お楽しみは、「サプライズ」だからこそお楽しみなのであって、それが「義務」や「仕事」になってしまった時点で、退屈極まりないものへと変化してしまうのに。なんかバナナといい、彼の演出はことごとく間違った方を向いてると思う。それまでのバンドの熱量をものの見事にプラマイ・ゼロにまで戻してしまって、非常に勿体ないと思う。

 ライヴは約3時間に渡る長丁場で、アンコール後はダレるまくりだったんだけど(主にリーダーのパンクバンドと、 "Link" の時な。けどまぁ、こういうのも含めてラルクらしいっちゃあらしいんだけどさ)、まぁこの選曲ですよ、現時点でのグレイテスト・ヒッツだもん、楽しくないわけがない。ただ、メドレーが‥‥俺が最も聴きたかった曲の大半がここで消化されてしまっていたので、正直イラッときた。しかもイントロとサビのみって‥‥ハロプロでももうちょっとマシなアレンジしてるよ!(って比較すんなって話ですが)まぁアレに関しては、結構疑問視する声が周りから聞こえてきてるので、俺だけじゃないんだなって安心してますが。

 あと最後に、あんなに「音の小さい」ドームライヴ、初めて観たかも。嫌みとかじゃなくて、真面目な話。如何に普段ドームで観るライヴ(主にKISSやエアロやBON JOVIやガンズやストーンズやMETALLICAというアレな方々)が爆音かということを思い知らされた。で、今になって去年のウドーストックでレッチリ辺りと一緒にライヴやって大丈夫だったのかな?と心配になったり。yukihiroのドラム(主にスネアのチューニングのせいだと思うけど)が弱いんだよね。ミックスにもよるんだろうし、自分の席の位置も関係してるのかもしれないけど、全然身体に響かなかったし。ボーカルとギター中心のミックスっていうのが、如何にも邦楽っぽい(良くも悪くも)。

 なんていう不満も最後に幾つか出ちゃったけど、でも終った時には非常に満足し切った、良いライヴだと素直に思いましたよ。むしろこの手のバンドで、ここまで音楽でお腹いっぱいにさせられる奴ら、いないんじゃないの? あの頃、ヴィジュアル系なんていう気持ち悪いカテゴリーに括られてデビューしたバンドの中で、ここまで大きくなっても現存してるのって彼等とGLAYくらいでしょ。でもGLAYはそもそもヴィジュアル系でもなんでもなかったわけだし(そしてそういった枠から見事に抜け出し、今や唯一無二の存在へと成長してしまったし)、良い意味でそのヴィジュアル系というものに便乗しつつ「らしさ」に磨きをかけていったラルクもまた、真の意味でのヴィジュアル系ではなかったわけで。非常に「ミュージシャン」という匂いが強いバンドになったなぁ、と。で、そういった側面を保ちつつも、ちゃんとアリーナクラスやスタジアムで「エンターテイメント」することができるのも、あっぱれというか、ホント凄いと思う。

 このライヴが終って、暫くバンドとしての活動はなさそうだけど‥‥2〜3年に1度集まってアルバム作ってライヴツアーやるだけでもいいんで、このままずーっと続いて欲しいなぁ、と思ったなぁ。この手のバンドが10年以上、第一線で活躍し続けるケースってこれまでないしね。あのX JAPANだって、7〜8年程度だったし、その間にアルバムはたった3枚しかリリースしてなかったわけだし。そういう意味では水準の高い作品を短期間で量産できる(メンバー4人がそれだけ優れたソングライターでもあるわけだね)このバンドは、やはり過去類をみないタイプだよね。GLAYだってメインソングライターがひとりいて、なわけだし。

 ライヴ前に、懐かしい「DUNE」を久し振りに引っ張り出して聴いてたんだけど‥‥もう全然別のバンドなのと同時に、やはり芯の部分はそんなに変わってないのかなぁとも思ったり。どっちなんだよ!?って思うかもしれないけど、あの頃と比べると‥‥その両方を感じさせる、いろんな顔を持ったバンドへと成長したってことなんだろうね。

 ホント凄いバンドになったもんだ。改めて、しみじみとそう思ったよ。

[SETLIST]
  01. Killing Me
  02. Caress of Venus
  03. Driver's High
  04. LOST HEAVEN
  05. snow drop
  06. winter fall
  07. forbidden lover
  08. 叙情詩
  09. get out from the shell
  10. New World
  11. 自由への招待
  12.メドレー (Blurry eyes
     〜DIVE TO BLUE
     〜浸食
     〜花葬
     〜flower)
  13. STAY AWAY
  14. AS ONE
  15. READY STEADY GO
 [ENCORE-1/P'UNK-EN-CIEL]
  16. Promised Land
  17. milky way
  18. Round and Round
 [ENCORE-2]
  19. HONEY
  20. HEAVEN'S DRIVE
  21. Link
  22. 瞳の住人
  23. 虹



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投稿: 2005 09 29 01:27 午前 [2005年のライブ, L'Arc-en-Ciel] | 固定リンク

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