La'cryma Christi『Lhasa』(1998)
La'cryma Christiといえば、ヴィジュアル系ブームの後期‥‥あの悪しき番組「Break Out」から登場した、というイメージが非常に強い、あまり印象が良くないバンドのひとつだったわけですね。勿論、テレビの歌番組によく出てた頃のヒット曲は耳にしてたし、そういった深夜番組でPVなんかも目にしたことあったわけですが‥‥所謂「シングル曲」のみで判断してしまっていて、その本質部分にまで目が(耳が)向かなかったというのが正直なところでして。ま、俺に限らず多くの人があの『ブーム』に否定的だっただろうし、そういったバンドを軽視してたと思うんですよ。
ところがね、親しい友人から「La'cryma Christiはお前、意外と気に入るかもよ?」とずっと前から言われ続けててね。もうかれこれ5年以上前かな‥‥アルバムは完全にハードロックだ、プログレの要素もある、アルバム1曲目がいきなり11分もある大作でスタートする、等々‥‥確かに興味はあったんだけど、時期的に‥‥LUNA SEAの終幕とかあって、俺の中でその手のバンドにひと区切りつけた時期だったのかなぁ。だから敢えて手を出さなかったのかもね。いや、よく覚えてないんだけど。
つい先日、よく通う中古盤屋のワゴンセールで、1枚50円という安さの邦楽中古盤を何枚も購入しまして。その中に先のLa'cryma Christiのアルバムも2枚程ありまして‥‥実は時を同じくして、彼等のニューアルバム「ZEUS」をちょっと前に購入してまして。これがね、非常に優れモノなハードロックアルバムだったもんで。しかも結構気に入っていて、かなりの頻度で聴き込んでたんですよ。そういうこともあって、旧譜にも興味を持ちまして‥‥
今回取り上げるのは、1998年末にリリースされた彼等のメジャー2ndアルバム「Lhasa」という作品。1998年というと、先の「Break Out」って番組の最盛期じゃないでしょうか‥‥前年にSHAZNAもデビューして大ヒットを飛ばしてる頃だし、このLa'cryma Christiも "With-you" や "未来航路" といったトップ10ヒットを飛ばしてた時期ですからね(2曲共このアルバムに収録)。
そういったシングルヒットやポップなナンバーをアルバム前半の「yours side」に集め、プログレッシヴで濃密な楽曲の揃ったアルバム後半「ours side」‥‥そう、このアルバムの肝はこの後半なんですよ。ビックリしたよ、マジメに。勿論ハードロックの要素も感じられるんだけど、もっとこう‥‥QUEENを更にプログレッシヴにしたような、あるいはYES辺りからの影響も見え隠れしてたりして。とにかく聴き応え十分なわけ。勿論アルバム前半の出来も非常に完成度高いし、十分にハードロックとしても機能してる。でも、俺的にはやはりアルバム後半だなぁ‥‥スゲエわ、これは。
ヴィジュアル系という枠に括られてしまい、あるいはそういったブームに便乗してデビューしてしまったがために、本質とは違った面を強調していかなければならない現実。いろんな葛藤があったはずだろうけど、最も売れてた時期にこういったことを好き放題出来てたんだね。ま、もっともアルバム前半のポップ小楽曲は意図したものとは違うのかもしれないけど(いや、アルバム後半の楽曲だって十分にポップだしな)。それでも、メジャーシーンでここまでやれば十分でしょう。
正直、あの時期にこれらの楽曲がちゃんとファンに理解されていたのかは疑問なんだけど‥‥リリースから7年経った今聴いても、十分にカッコいいと思えるし、色褪せてないんだよなぁ。新作の作風とは明らかに違うんだけど、確かに共通するもの、未だに引きずって続いているものは十分に感じられる。あの時期に登場したバンドの大半が消えてしまった現在においてこうやって未だにメジャーシーンで活躍できているということは(セールス的には散々たるものだろうけど)、やはりそれなりに支持されているってことなんだろうね。今回こうやって様々な音源を聴いてみて、改めてその魅力を再認識しましたよ。
パブリックイメージに惑わされて、結局聴かず嫌いしてた自分がちょっと恥ずかしい‥‥でも、今だからこそ、こういう風に好意的に接することができるようになったというのもあるかもしれないし、要はタイミングなんだろうね。俺にとってLa'cryma Christiは間違いなく『ジャパニーズ・ハードロック・バンド』のひとつだし、世が世ならヴィジュアル系としてでなくジャパメタ系から派生したバンドと捉えられてたかもしれない‥‥これも全てタイミングなんだろうね。
暫くは彼等の旧譜を漁る日々が続きそうな予感。まさか2005年になってからLa'cryma Christiにハマる日が来ようとはねぇ‥‥

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