« 「RADIO TMQ」#36 セットリスト | トップページ | 「The Sound of Shimokitazawa〜弾き語りの夕べ〜」@Shibuya O-EAST(11/17) »

2005/11/21

MOTLEY CRUE@さいたまスーパーアリーナ(11/20)

55930056_239
 以前どこかで書いたと思うけど、自分の中学生時代('80年代半ば頃か)のヒーローはマイケル・モンロー(HANOI ROCKS)とニッキー・シックス(MOTLEY CRUE)だった、というようなことをずーっと公言してまして。その思いは20年経った2005年においても全く変わらず、まさか30も半ばに差し掛かろうとする今、その2バンドを今年1年の間に観ることができるようになるなんて、あの頃は考えてもみなかったなぁ‥‥ハノイは解散しちゃってたし、モトリーだってメンバーが刑務所行ったり死にかかったりクビになったり出戻りしたり別の奴が抜けちゃったり途中から入ったメンバーが死んじゃったり‥‥ホント、20年でいろいろありすぎだよオマエら。確かに一時彼等のファンであることから距離を置いていた時期もあったけどさ、やっぱり「あの4人」で再び、いや三度か、ステージに立つというのなら、そりゃ観ないわけにはいかないよな。しかも当初、今回の復活ツアーは『Farewell Tour』なんて言われてたしね(後にニッキーが否定、来年もツアーしオリジナルアルバム製作にも意欲を見せている)。

 アメリカやヨーロッパでのツアーでは、日本じゃ考えられない規模のステージセットと火薬の量で度肝を抜くような内容だったけど、ここ日本じゃやれ消防法だ、代々木や横アリじゃそれは無理なんじゃないの?とかなり懐疑的だったんだけど‥‥実際そのステージを観たら、可能な限り海外でのセットに近い、これまでの来日公演で最も海外のそれと「ほぼ同等」な内容だったんじゃないかと思いましたね。いやいや、ここまでやられたら大満足ですよ。

 そんなわけで行ってきました、ジャパンツアー2日目となる、さいたまスーパーアリーナ公演。既に前日の初日が非常に盛り上がり最高だった、と伝え聞いていただけに、過剰な期待を寄せて会場に乗り込んだのでした‥‥

 ここから完全なネタバレ・レポになるので、ワンクッション置きますね。これからライヴを観る人でライヴの内容やセットリストを知りたくない人は、この先読まないように。ツアーが終わってからじっくり読んでね。



 ‥‥さ、準備は良いかしら? というわけで、前座のBUCKCHERRYからいろいろコメントしていきますね。


■BUCKCHERRY
 8月の「SUMMER SONIC」以来、約3ヶ月ぶりに観るわけですが、かなり違って見えましたね。それは観る側の心構えも大きいのかなぁという気もするし、あと新作を通過した後だから曲を把握してるってのも大きいのかもしれません。前回観た時は新作「15」がリリース前だったし、俺に関して言えば2nd「TIME BOMB」すら聴いてない状況でしたからね。そういう意味じゃ、今回演奏された8曲は全部どれがどの曲というのを把握できてたし、更にバンド側も8月の時点よりも「よりバンドに」成長していた‥‥上手く機能してるように感じられました。

 新作に関しては絶賛してた俺ですが、実はライヴ観る数日前に2ndをようやく聴いて‥‥ってこれ、1stよりも良いじゃんか。何で当時聴かなかったんだろう‥‥ラジオやPV等で数曲耳にしてたはずなのに、何故か当時はピンとこなかったんだよね、不思議と。って2ndの感想をここに書いても仕方ないので、ライヴの感想を。

 モトリーの巨大なセットの前方、ステージにかかった幕の前にところ狭しとドラムセットやアンプを置いて、演奏中も各メンバーの行き来が大変そうな中でのライヴだったにも関わらず、客の反応もまずまずだったし、ひとまず大成功だったんじゃないでしょうか。そりゃモトリー観に来た年寄り(30代以上)にはあまり認知されてないかもしれないけど、少なくともこの手のロックに興味を示す10代〜20代の子達にはしっかりアピールしてたと思います。ジョシュも相変わらずハデだし。

 あと、改めて思ったのは‥‥サマソニの時は全く感じなかったのに‥‥曲の出来が良いんだよね(あの時は「曲の判別がつかない、どれも似たり寄ったり」とか書いてたのにな)。サウンドは最高とは言い難かったけど、サマソニの時よりは格段に向上してました。それもあってか、とにかく気持ちよかった。なんつーか‥‥スタジアムやアリーナで観るバンドじゃないのかな、と。もっと小規模な、クラブクラスが非常に似合ったサウンドなんだろうね。同じスタイルのAC/DCはどっちも似合ってるのにさ。この辺はもう、経験とかそういったものなんだろうか‥‥いや判んないけどさ。

 とにかく。初日よりも2曲減っていたとはいえ、8曲でも大満足でしたよ。そして‥‥単独公演観たいと思った。ツアー終わっちゃったけど。また来ないかなぁ。あ、そうか。もう1回モトリーのライヴ観に行けばいいのか!

   [BUCKCHERRY SETLIST]
   01. So Far
   02. Broken Glass
   03. Porno Star
   04. Crazy Bitch
   05. Next 2 You
   06. For The Movies
   07. Ridin'
   08. Lit Up


▼BUCKCHERRY「15」(amazon


■MOTLEY CRUE
 20分のインターバルの後に、ほぼ定刻通りに会場暗転。ステージ天井から大きなプロジェクターが降りてきて、オープニングのチープな映像が流れ始めました。メンバーが主役となった、パペットショーなんですが(声は全てメンバー自身が担当)‥‥字幕一切なしなので、英語厳しい人にはキツかったかも。でも、観てて大まかな内容は理解できたんじゃないかな? とにかくのっけから笑かしてくれます、このオヤジ4人。

 映像がひと通り終わった後、スクリーンがまた天井に戻っていき、幕の前にクラウン(ピエロ)やエロい格好したお姉さま方が出てきて、なんかいかがわしいポーズとかで客を煽った後に後方から音が聞こえてきて‥‥オープニングは "Shout At The Devil" の'97年バージョン。ドラムが入った辺りで幕が上がるんだよね。ステージ上ではエロな踊りをするサーカスのお姉さま方に目を奪われつつも、そこはやはりモトリーファンの俺。まずはニッキーを観て‥‥おお、こないだ出た「BURRN!」の表紙と同じ格好・メイクだ。ミック・マーズは以前と比べればかなりガリガリに痩せてるけど、とりあえず元気そうだ。トミー・リーは‥‥後方なのでよく見えないけど、あのドラミングは健在(あ、言うの忘れたけど、俺の席はアリーナ席のDブロック。真ん中よりかなり前の方で、肉眼でステージ上のメンバーの顔を拝めるポジションでした。ラッキー!)。そして、肝心の‥‥おっ、デブの野郎(=ヴィンス・ニール)、ちょっと痩せた‥‥ように見えるだけ!? とにかく、フロントマンとしてはまぁ合格かな。思ってた以上ではなかったので、ひと安心というか‥‥ってそれ、滅茶苦茶ハードル低いんですが‥‥

 まぁそんなこんなでいろいろ思うことはありつつも、ヴィンスの声(特に高音)も想像してた以上にちゃんと出てるし(ま、歌詞を端折るのは今に始まったことじゃないので、もう諦めてます)、演奏も7年前にお台場で観た時よりもゴリゴリした印象を受けたなぁ。とにかくね、このバンドは‥‥改めて実感したけど、ミック・マーズありきなんだな、と。確かにニッキーのカリスマ性も、トミーの派手でグルーヴィーなドラミングも、ヴィンスの声も、全てモトリーにはなくてはならない要素なんだけど、でもそのギタープレイを観て聴いて、モトリー・サウンドの核はミックのギターだ、と強く実感させられましたね。決してトリッキーでもないし、派手さもないんだけど‥‥やっぱり他のギタリストじゃ考えられないんだよね、モトリーの曲をステージで聴く際に。弾き過ぎず、それでいて地味にもなり過ぎず。痒いところに手が届くプレイやフレーズが満載。この曲にはこのソロが合ってる、このリフとバッキングしかあり得ない‥‥曲にピッタリ合ったプレイを的確に繰り出すという意味で、やはりこの人は過小評価されすぎだろ、と。確かにオーラの強い3人と比べりゃ、ひとり年齢の高いミックは‥‥でも、もっと評価すべきだよ! 俺ですら、何度もライヴ観てるはずなのに、そんな単純なことに今更気づかされるなんて‥‥それだけこの7年間の(俺にとっての)不在は大きかったんだなぁ、と。

 ちょっと話題が逸れちゃったけど、再びライヴの感想に。ライヴ自体は2部構成となっていて、前半に初期(1st〜3rd)の曲中心、後半が「GIRLS, GIRLS, GIRLS」や「DR.FEELGOOD」といった'80年代後半以降の曲メインとなってるのね。何でそういう風に分けたのかは諸説あるけど、まぁこれだけ長いショー(2時間半以上!)だし、前半のメタリックなノリと後半のロックンロールなノリとを区切る意味では、これもアリかなぁと。

 とにかく第一部は初めてライヴで聴くような曲が多くて、涙モノでしたよ。まさかライヴで "On With The Show" を聴ける日が来ようとは。"Too Fast For Love" は7年前のお台場で『デビュー以来久し振りに演奏する』と言って久し振りに演奏してくれたんだけど、あの時はボロボロだったんだよね。ツアー自体はあの時は始まったばかりの時期だったし。そういう意味じゃ今回は2月からアメリカやヨーロッパをずーっと回ってきてるので、演奏面は問題なかったよね。安定感もあったし。心配されたミックもオジーみたいにノソノソと歩き回りながらギター弾いてたし。

 一部ラストは歓喜の "Live Wire"。やっぱりライヴで聴くと盛り上がるね。泣きそうになったもん、首振りながら。

 エンディングと共にまた幕が降りてきて、スクリーンには先のパペットショーの続きが。そして10分間のインターミッション(休憩)が告げられるのでした。スクリーンには10分をカウントダウンしてて、ホントに時間通りに二部がスタートしたもんだから、トイレ休憩してたお客は慌てて席に戻ったんじゃないかな。

 第二部はバイクのエンジン音と共に "Girls, Girls, Girls" でスタート。この頃になると、さすがのヴィンスも声が出なくなってきてて‥‥ま、この日は基本的にどの曲もサビを客に歌わせてましたよ、いつものことですが。

 ちょっと感動的だったのが、"Don't Go Away Mad (Just Go Away)" でお客がちゃんと一緒に歌ってくれたことと、やはり "Home Sweet Home" での大合唱でしょうか。頭のワンコーラスを客に全部歌わせて、その後に再度ヴィンスがトミーのピアノに合わせてもう一度同じフレーズを歌い、バンドが入る‥‥勿論サビは一緒に大合唱。過去、何度かこの曲をライヴで聴いてきたけど(といっても'94年のジョン・コラビの時はトミーのピアノがないアコースティックバージョンだったし、'97年の時は確かやってないんだよね)、ここまでお客が大合唱したのは今回が初めてじゃないかな‥‥何となくそんな気が。

 その後ニッキーがキーボードやテルミンを使ったソロを初めて、自身が火花を被るアトラクションあり、"Dr.Feelgood" で盛り上がった後にお約束のトミーのドラムソロがあり。今回は空中にふたつのドラムセット(ていうかパーカッションだね)を用意し、ワイヤーで吊られてピーターパンの如く宙を舞い、左右のドラムセットを行ったり来たりしながらソロを叩き、最後は火花と爆発で終了という非常に手の込んだソロでした。'87年の回転ドラムソロを超えるのはなかなか難しいけど、これはこれで楽しませてもらいましたよ。やっぱりこんんなバカバカしいことを真剣にやれるのは、もうモトリーだけだもんね(KISSはちょっと方向性違うし、SLIPKNOTはバカ度が足りないんだよね)。

 そうそう。この後にトミーがハンディーカム持ってアリーナ前方にいる女性客に向かって「乳見せろー」といって服を脱がす、既に恒例となってる(らしい)『Tommy's Tits Cam』のコーナーがあったんですが‥‥前日には誰一人脱がなかった(当たり前だ、ここは日本だよ)のに、この日は‥‥仕込みなのか、ホントにノリが良かったのか、5〜6人脱いでるんだよね! しかも最後の子なんてアリーナの真ん中辺から前方までやってきて、自らアピールして胸見せてたからね! 嗚呼、いつから日本はこんな素敵な国になったんでしょうか!!!(感涙)これ見たさに俺、もう1公演行きたいくらいだもん!(えーっ)

 という、お客自体も非常にアメリカナイズされたこの日のライヴ、ミックの渋いギターソロの後にお約束 "Kickstart My Heart" で本編終了。長めの休憩の後にアンコールでSEX PISTOLSの "Anarchy In The U.K."。サーカス一同全員がステージ上に登場し、後方には悪魔の顔したクラウンのバルーン人形が登場、ここぞとばかりに全部やり尽くしてライヴ終了。18時にスタートして、全部終わったのが20時45分過ぎてた‥‥いつからモトリーはこんなに長いライヴをやるようになったんだよ!?とちょっとだけ感慨深かったですね。だって、'87年の時なんて、その半分くらいの時間しか演奏しなかったのに‥‥

 いやーっ、とにかく圧巻のステージでした。曲によってストリッパーばりの女性ダンサーが空中で踊ってたり、ナースの格好したエロいお姉さま方がヴィンスと絡んだり(ってそっちばかりかよ)。火柱や花火・火花もToo Muchなくらいに使いまくってたし。っていうか、あそこまでやって消防法に引っかからないの!?ってくらいに爆発してたなぁ。多分、KISSと同等なんじゃないの、火薬量。でも本場でのライヴにはほど遠いんでしょ、あれで‥‥一体何やってるんだよ、向こうじゃ!?

 もうね、ここまでやってくれたら、他は文句言えないよ。そりゃ、ヴィンスの歌のこととか、選曲とか(せめて "Smokin' In The Boys Room" はやって欲しかった)いろいろ言いたいこともないことはないんだけど‥‥究極のエンターテイメントを目の当たりにした今、もうそれだけで満足ですよ。あーそうそう、俺はガキの頃、"Home Sweet Home" のPV観て、こういう世界観に憧れたんだよなーって。非常に基本的なことを思い出させてくれた、非常に素晴らしい『ショー』でしたね。あれはもはやライヴを超えてる。『ショー』ですよ、ひとつの。

 なんだろ‥‥普段下北辺りの狭いライヴハウスでしかライヴ観てないような子達にも、このToo Muchな世界観を是非体験して欲しい。好き嫌いはあるにせよ、とにかく‥‥ロックってこういうバカバカしいものじゃん本来は。これもひとつの『初期衝動』の表現の形だよね。何もストイックに、ミニマムに突き進むことだけが正しいロックの在り方じゃないと思うよ。中坊の頃に頭に思い描いたクソ下らない、ハデでバカバカしい世界観。それを40半ばを過ぎ50代に近づこうとしてるオッサン達がやってる‥‥まだまだ30代の俺らも負けてられねぇよな、と。凄く勇気づけられたよなぁ‥‥

 なんつーか、もうこれで解散しますと言われても仕方ないくらいのステージを見せてもらって、俺自身は大満足だし、今はお腹いっぱいですよ。ま、余裕さえあれば今週末のパシフィコ横浜公演にも行こうかと思ってますけどね!

   [MOTLEY CRUE SETLIST]
   --- INTRO ---
   01. Shout At The Devil '97
   02. Too Fast For Love
   03. Ten Seconds To Love
   04. Red Hot
   05. On With The Show
   06. Looks That Kill
   07. Louder Than Hell
   08. Live Wire
   --- INTERMISSION (10min)---
   09. Girls, Girls, Girls
   10. Wild Side
   11. Don't Go Away Mad (Just Go Away)
   12. Primal Scream
   13. Glitter 〜 Without You
   14. Home Sweet Home
     〜Nikki Sixx Solo
   15. Dr. Feelgood
   16. Tommy Lee Drum Solo
   17. Same Ol' Situation (S.O.S)
   18. Sick Love Song
   19. Mick Mars Guitar Solo
   20. Kickstart My Heart
   --- ENCORE ---
   21. Anarchy In The U.K.


▼MOTLEY CRUE「RED, WHITE & CRUE」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 11 21 10:30 午後 [2005年のライブ, Buckcherry, Motley Crue] | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/62417/7253443

この記事へのトラックバック一覧です: MOTLEY CRUE@さいたまスーパーアリーナ(11/20):

コメント

コメントを書く