« LOST IN TIME『時計』(2005) | トップページ | Mr.Children@東京ドーム(11/27) »

2005/12/20

THE HELLACOPTERS『ROCK & ROLL IS DEAD.』(2005)

 スウェーデンが誇る爆走ロケンロールバンド、THE HELLACOPTERSの約3年振り、通算6作目となるオリジナルアルバムは、そのタイトル「ROCK & ROLL IS DEAD.」にドキリとさせられるものの、内容はどこを切り取ってもロックンロール以外の何ものでもない純度の高いサウンドが詰まった好盤に仕上がってます。もはや先の『爆走ロケンロール』なんて枕詞すら似合わないような、渋くて味わい深い枯れた音を鳴らすバンドへと変化(深化)してしまってますが、本質的な部分‥‥ニッケ・アンダーソンが持つポップでカッコいいシンプルなロケンロールという要素は何ひとつ変わってないわけで、後はもう聴き手の受け取り方次第なんですよね。

 日本盤リリースが本国よりもだいぶ遅れ(北欧及びヨーロッパでは既に5月にリリース済み、日本盤は何故か9月まで待たねばなりませんでした)、話題となるタイミングも来日する機会も失ってしまい、例えば他の北欧ガレージ勢‥‥THE HIVESやCAESARSといったバンド程メディアで取り上げられる機会も少なく、来日に至っては前々作におけるツアー以来実現しておらず、かれこれ5年以上日本にやって来ていないことになります。確かに初期の頃のような破天荒なサウンドではなく、特にここ1〜2作はソウルやサザンロック辺りにも傾倒した方向性も取り入れているので、どうしてもパンキッシュなものを求める古いファンには辛いかもしれないし、また先に挙げたような他の北欧勢と比較しても地味で取っ付き難いという印象があるのかもしれません。が、一度ハマったら抜けられない、深い世界観はこの手のバンドの中でも一番じゃないかと個人的には思ってます。同じオルガンを使うにしても、CAESARSとTHE HELLACOPTERSとではその味付けが全く異なりますからね。ちなみに俺の好みは‥‥言うまでもないでしょ?

 今回のアルバムもメジャー移籍後の過去2作の延長線上にある作風で、特に地味過ぎた前作よりは派手さが復活しています。とはいっても、それは初期のような『MOTORHEADやMC5みたいなパンク路線』に戻ったわけではないのでお間違えなく。基本的には黒っぽいシンプルなロックンロールであり、所々にファストナンバーが挿入されていて良いアクセントになっています。1曲目の "Before The Fall" なんてまるで『THE HELLACOPTERS版 "Rock And Roll Music"』だし、5曲目の "Bring It On Home" はどことなく2ndや3rd辺りのファストナンバーにも通ずる色がありつつも、構築するアレンジそのものは今のTHE HELLACOPTERSなんですよね。ミドルナンバーは相変わらず哀愁漂う泣きメロ満載だし、とにかく無駄が一切ないんですよ。どの曲もコンパクトにまとまってるし、演奏にも無駄がない。そういった要素を全て削ぎ落としてより純度の高いロケンロールを目指している。それが今のTHE HELLACOPTERSなんでしょうね。勿論、初期の彼等が『純度が低かった』わけではないですよ。あれはまた違ったベクトルを持ったピュアなサウンドだったわけで、全てはその表現方法の違いなんですよね。

 タイトなリズムに小気味良いオルガンやピアノ、そして気持ちよいリフに暴れまくるギターソロ。男気溢れるボーカル‥‥まさかこの男が昔はデスメタルバンド(ENTOMBED)で曲を書きドラムを叩いてたなんて、誰も想像できないでしょうね。ま、そんなニッケは最近再びデスメタル・ユニットにてアルバム制作を画策中らいしですけどね。そっちも非常に気になるんだけど‥‥まずはTHE HELLACOPTERSで来日してくださいよ! マジで!! ライヴを観ればみんなも一発でノックアウトされるはずだから。だって彼等は『ロックンロールバンド』なんだからさ。



▼THE HELLACOPTERS『ROCK & ROLL IS DEAD.』
(amazon:日本盤US盤US再発盤

投稿: 2005 12 20 12:32 午前 [2005年の作品, Hellacopters, The] | 固定リンク