PANTERA『VULGAR DISPLAY OF POWER』(1992)
PANTERAが1992年初頭に発表した、通算2作目のメジャー配給作品。前作「COWBOYS FROM HELL」がMOTLEY CRUEやSKID ROWといったメジャーフィールドのバンドからも愛され、と同時にコア層からも支持されつつあった中に、いきなりこんな無茶苦茶な作品を放り投げた当時の勢いは、今思い返しても凄いものがあったなぁ‥‥と。
このアルバムがリリースされる直前、俺はイギリスに留学中で。現地で読む音楽雑誌でもこぞってこのアルバムは絶賛されていて、中には5つ星が付いてるものもあった程。勿論PANTERA自体は知ってたし聴いてたんだけど、そんなに絶賛される程凄いとは思ってなかったのね。適度にヘヴィで適度に聴きやすい、程度の印象しかなくて。
そんなもんだからその後、ドイツを旅行してる最中にリリースされたこのアルバムを試聴した時の衝撃といったら‥‥オープニングの "Mouth For War" のイントロ、リフ一発でやられてるのに、更にフィル・アンセルモの
『Reeeeeveeeeeeeeenge!』
っていうドスの利いた叫びにビリビリと鳥肌立ちまくり。あれに反応しなかったら絶対に嘘だったよね。更に "A New Level"、"Walk" とミドルヘヴィナンバーが続き、ダイムバック・ダレル(当時はダイヤモンド・ダレルだったけど)の縦横無尽に暴れまくるギターにまたやられ。勿論フィルのボーカルにもね。そしてアルバム前半のハイライトであるファストチューン "Fucking Hostile" と、ミドルヘヴィバラードと呼んでも差し支えないであろう "This Love" の2曲‥‥METALLICAでさえミドル中心のバンドへと変化してしまった今、こいつらは本気で信じられる‥‥そう実感した瞬間だったなぁ。
アルバム後半もミドルヘヴィでアグレッシヴな曲が続き、最後の "Hollow" のギターに泣かされ。後半のヘヴィな展開にもゾクゾクしてアルバムは終了するんだよね。聴きながら手に汗握るアルバムは久し振りだったよ。METALLICAのブラックアルバムやGUNS N'ROSESの「USE YOUR ILLUSION」の2枚を通して聴いた時も興奮したけど、PANTERAの時は‥‥もっと違った衝撃を受けたなぁ。価値観が変わっちゃうくらいの。
リリースから間もなく14年もの月日が経とうとしてます。そして‥‥あれから1年経っちゃったよ‥‥このブログを初めて1週間後に、まさかあんなに衝撃的な事件・事故が起こるとは‥‥正直、未だに信じられない面もありつつ、今久し振りにこのアルバムと接してるわけですが‥‥
もうこのトリッキーでメロウでソウルフルで気が狂ったかのようなギタープレイを、新しいフレーズやリフを聴くできないんだな、と。感傷的になるような音じゃないんだけど‥‥だからこそ、余計に感傷的になっちまうんだよな。
畜生。
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