カテゴリー「2005年の作品」の85件の記事

2019年5月 4日 (土)

THUNDER『THE MAGNIFICENT SEVENTH!』(2005)

2005年2月(日本では3月)にリリースされたTHUNDER通算7作目のオリジナルアルバム。前作『SHOOTING AT THE SUN』(2003年)の時点では期間限定復活ぐらいの軽い気持ちで復活した彼らでしたが、その後バンドは活動を継続することを決意。その結果、前作はオンラインでの販売だったところ(日本ではビクターから通常販売)、今作は通常のインディーズレーベルを通してリリースされ、全英70位にランクイン。先行カットされたシングル「I Love You More Than Rock n' Rol」も最高27位まで上昇し、全盛期に迫る勢いのヒットとなりました。

前作では地味さ、おとなしさが印象に残り、まだまだバンドとしてはリハビリ状態なのかな?と思わずにはいられませんでしたが、今作ではそんな不安を払拭。往年の“らしさ”に加え、大人になったロックバンドの色気が感じられる聴き応えのある1枚に仕上がっています。

オープニングを飾るシングル曲「I Love You More Than Rock n' Rol」は非常にシンプルなロックンロールナンバーですが、これが不思議とクセになる。日本人があまり好みそうにないタイプの楽曲ですが、こういう曲って欧米では異常にウケがいいんですよね。結果、現在までセットリストのクライマックスに組み込まれることが多い、再結成後の彼らを代表する1曲になっています。

かと思えば、どこかMETALLICA「Enter Sandman」を彷彿とさせるヘヴィな「The Gods Of Love」があったり、往年のTHUNDERらしさを踏襲した「Monkey See, Monkey Do」や「I'm Dreaming Again」「Amy's On The Run」があったりと、序盤から濃厚な仕上がり。特に「The Gods Of Love」はリフやアレンジこそ先述の空気感がありますが、楽曲のメロディや運び方は『BEHIND CLOSED DOORS』(1995年)あたりのヘヴィでエモーショナルな楽曲と共通するものも多い。つまり、時代がヘヴィさを求めるから取ってつけたというわけではなく、こういったカラーも彼らの持ち味のひとつなのです。

そういう意味では、本作では決して新たな挑戦が詰まった1枚というわけではありません。むしろ、これまでに発表してきた諸作品を現在の技術と感性で再構築した、と言ったほうが正しい内容かもしれません。

ダニー・ボウズ(Vo)も必要以上に張り上げて歌うことはないし、ルーク・モーリー(G)のギターも派手に弾きまくることはない。だって、楽曲がそういう演出を求めていないんだから。そういった点においては前作同様に地味な印象も拭えないのですが、完成度は前作の数倍以上。むしろ、リスナーが「これが聴きたかった!」と断言できる内容の、“いかにも”な1枚ではないでしょうか。

クラシックロック、ルーツロックとかいろいろ言い方はあると思いますが、古き良き時代のロックンロール、ハードロックを2005年という時代に正しい形で表現した、いかにも英国らしいロックアルバムです。

 


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2018年5月 4日 (金)

BLOC PARTY『SILENT ALARM』(2005)

イギリス出身の4人組バンド、BLOC PARTYが2005年2月に発表した1stアルバム。2004年から2005年初頭にかけて発表されたシングル「Banquet」(全英51位)、「Little Thoughts」(同38位)、「Helicopter」(同26位)、「So Here We Are」(同5位)のヒットを受けて、アルバムはいきなり全英3位という大成功を収めました。

“ポストパンク・リバイバル”と呼ばれるムーブメントの末期に誕生した彼らですが、当初はどこか胡散臭さを感じていました。性急なビートとラッセル・リサック(G)が生み出すカラフルなギターアンサンブル、そして真っ直ぐすぎてあまり抑揚が感じられないケリー・オケレケ(Vo, G)の歌声。例えば、同時期に活躍していたFRANZ FERDINANDあたりと比べてしまうと、クセは強いのに個性がいまいち足りないような気がしてしまって……。

だけど、いざアルバムを聴くと非常によく作り込まれている。先に挙げたようなシングル曲はもちろんのこと、アルバム全体を通してするっと聴けてしまう。そう、ポストパンクの手法を取り入れてはいるものの、基本的にはポップなんですよ。だから聴きやすい。本作が『NME』が選ぶ2005年度年間アルバムランキング1位に選ばれたのも、頷ける話といいますか。

この手のバンドにありがちなリズムの軽さも、スルスルと聴けてしまう要因のひとつかもしれません。で、この感覚って何かに似ているな……と考えてみると、わかりました。ここ10年くらいの間に登場した日本の“四つ打ち”主体のロックバンドのそれに近いんです。ああ、なるほどなあ。即効性は確かに強いけど、味わい深さはちょっと足りない。どこか共通するものがありますよね?

もちろん、これは両者を非難しているわけではありません。バンドがオーディエンスと戦っていくために、どこに軸を置くかというだけの話ですので。事実、BLOC PARTYの場合、このデビューアルバムでの教訓を軸に、続く2ndアルバム『A WEEKEND IN THE CITY』(2007年)で一気にその才能が花開くわけですから。

あの頃感じた胡散臭さは、今は完全に払拭されている。リリースから13年を経て久しぶりに聴き返したこのアルバムも、先に挙げたようなリズムの弱さは否めないものの、楽曲の良さは今も色褪せていないわけですから。

そして、このアルバムを聴くと2005年前後、あの時代ならではの空気感が一気によみがえります。これこそが音楽の醍醐味。ホント面白い時代でしたね……。



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2006年7月 9日 (日)

PANIC! AT THE DISCO『A FEVER YOU CAN'T SWEAT OUT』(2005)

今年の「PUNKSPRING」で初来日を果たしたPANIC! AT THE DISCOというバンド。デビュー時代は昨年秋なんだけど、ブレイクした感が強いのは今年に入ってから、特にこのイベント前後からじゃないかな。4人組でエモの流れにあるサウンドを上手いこと打ち込みダンスビートと組み合わせたりして、心地よいナンバーを聞かせてくれるのが、この『A FEVER YOU CAN'T SWEAT OUT』という作品。

実は彼らもビジュアルイメージが派手で、もしかしたら昨今の「ゴスメイク系」の流れになるのかな、という気も。ただ世間的に今注目されている「ゴス」というよりは、モロに「ゴシック」系という感じかしら。THE DRESDEN DOLLSなんかもゴスの流れにあるけど、NINE INCH NAILSとの対バンツアーでもわかるように、やっぱり「ゴス」じゃなくて「ゴシック」なんだよね。ま、同じジャンルだとは思うけど、ちょっと流派が違うみたいな? わかりにくいかもしれないけど。

俺、最初に彼らの楽曲を聴いたとき、MY CHEMICAL ROMANCEからパンクやハードロックが持つ攻撃性みたいなにを取っ払って、もっと芸術性を高めた……みたいなイメージを受けたのね。実は地続きなんだけど、到着点が違ったみたいな。そういう意味では、ルーツはみんな一緒なんだと思う。けど、それぞれが違った方向性を見つけ、到着点がバラバラだったと。それが一気にシーンに登場した時期が重なった、と。そういうことなんでしょね。恐らく年代的には近いんじゃないかしら。

エモコアともスクリーモとも違う、もっとゆったりしたテンポの楽曲が多く(とはいっても、その流れにある疾走感の強いナンバーもあるにはあるけどね)、シンセサウンドや打ち込みダンスビートを重ねることでバンド名みたいにフロアでかかっていても違和感のないナンバーも見受けられる。中世っぽいビジュアルイメージも面白いし、単純に売れる音なんじゃないかと。もちろん、それだけでは終わらない「something special」も存分に感じられますけど。もっとも、それを見出せるかは、聴き手の接し方次第だと思いますが。

あー、ライブ観たいね、小さい会場で。サマソニで再来日すると思ってたんだけど、年内にもう1度、O-Eastくらすで来日しないかしら(AXだとデカい気もするので)。



▼PANIC! AT THE DISCO『A FEVER YOU CAN'T SWEAT OUT』
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2006年6月25日 (日)

FLYLEAF『FLYLEAF』(2005)

 アメリカでは昨年初頭にEPをリリースし、10月にフルアルバムを発表したニューカマー・FLYLEAF。今年前半に海外では公開済みの映画「UNDERWORLD : EVOLUTION」にも楽曲提供などしてるので、まだ国内リリースのない状況でも意外と知ってる人は知ってる存在なのかな。俺が彼らの名前を始めて意識したのは、日本のDir en greyも参加することが決定している「FAMILY VALUES TOUR」でその名前を見つけてから。へー、女性フロントのバンドなんだー、やっぱりヘヴィロックなんだよねぇ、くらいの印象。音も聴いてなかったしね。

 んで、今度は今年10月に日本で行われるメタル/ラウド系の祭典「LOUD PARK 06」で初来日が決まって。そりゃ注目するでしょう、どんなバンドかって。日本盤の予定もなさそうだし、とりあえず輸入盤に手を出してみたわけ。

 最近女性ボーカルのヘヴィバンドっていうと(ここでも何度も紹介してるように)ゴス寄りのサウンドが多いんだけど、このバンドは生粋のアメリカのヘヴィバンドといった感じかな。スクリームもあるんだけど、基本的には普通に歌い上げてる。上手くファルセットも取り入れてるけど、サウンド自体からはゴスの色はそんなに強くない。むしろDEFTONES辺りからの影響を強く思わせるクールさの方が印象的。かといってポストロックの色は全くないんだけど。純粋な歌ものヘヴィロックバンドかな。こういうサウンドが売れると、まぁ二番煎じはいくらでも出てくるわけだけど、彼らもまだその域は出てないかも

 ゴスの色はあくまで「味付け」止まりで、やはり歌を中心に置いた、聴いていて気持ちいいラウドロックかなぁ。悪くない。けど彼らなりの魅力や特徴がね。惜しい。ま、デビューアルバムだし、この時点でこのクオリティなら、今後いくらでも化ける可能性はあるかな。あとはまぁ、来日した時にステージ観て判断したいと思います。意外とアグレッシヴな気がするし。

 ちなみに彼ら、MAROON 5と同じ「Octone Records」所属。てことは、BMG系列から日本でもリリースになるのかしら。

※8月末追記
無事9/6に日本盤リリースされることになりました。よかったよかった。



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2006年6月22日 (木)

TOKYO DRAGONS『GIVE ME THE FEAR』(2005)

 その名前はちょっと前から耳にしてたんだけど、アルバムを聴いたのは今年に入ってからなんですよね。英米で昨年の秋にリリースされたTOKYO DRAGONSの1stアルバム「GIVE ME THE FEAR」は、本当によく出来た良質のハードドライビングロック&ブギーアルバム! なんかテキトーに知ってる単語を繋げただけっぽいけど特に気にする必要はないよ。だってまんまの音だから。

 今年の4月に英「Kerrang!」で取り上げられた際に、以下のステキな文章で彼らを紹介してるんだわ。


"People are still arriving as Tokyo Dragons are raising denim and leather hell. Front man Steve Lomax and co are on fire at the moment, playing old school heavy rock with as much blood and thunder as anyone. They've got the honest-to-goodness authenticity of Thin Lizzy mixed with The Datsun's bluster and brevity. All from a British band that everyone should be supporting."


これだけで十分に伝わる気がするんだけど‥‥どうだろう?

 THIN LIZZYだとかDATSUNSの名前が挙がってるけど、ホントそのとおりの音で。後はAC/DCだったりKISSだったり‥‥っていうとあれだね、THE HELLACOPTERS辺りの名前も挙げないとね。いや、このデニム&レザーの小汚い野郎ども4人は完全に確信犯ですわ。バンド名がアレで、ちょっと引いちゃう人もいるかもしれないけど、このダサイセンスこそ、'70年代ブリティッシュロックに必要な要素だからね。ホント確信犯(だって「TOKYO」っていう単語を使ったのは、単に響きがカッコ良かったから、って理由だしね。無意識・無自覚だとしても、完全な確信犯。音とバンド名がピッタリじゃんか)。

 なんかいろいろ調べてみたら、彼らが2004年以降サポートを務めたバンドは先のDATSUNSやSTATUS QUO、HANOI ROCKSやTHE WiLDHEARTSといった辺り。そうそう、俺のど真ん中。ね、もうその音が想像できるでしょ? ホント最近イギリスからいいバンドが出てきてるよね。THE DARKNESSもそうだし、最近アルバムをリリースしたTOWERS OF LONDONもそうだし。こういうバカがもっと増えればいいと思うよ。

 そんなTOKYO DRAGONSがいよいよ8月に日本デビュー。日本盤化に際してバンド表記は「東京ドラゴンズ」になるんだってさ。なんじゃそりゃ。「URUSEIYATSURA」が「奴ら」って表記されんのと同じようなもんか(多分違う)。ま、なんにせよ‥‥早いとこ日本でライヴ観たいね!



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2006年5月21日 (日)

BABYSHAMBLES『DOWN IN ALBION』(2005)

 正直、THE LIBERTINESって何だったんだろう?って考える瞬間があってね。いつぞやのサマソニ(2002年だっけ?)で伝説となるようなライヴをやって、その年の末にリリースした1stアルバムがいろんなところで話題になって、まぁこの俺もリリースから遅れをとるものの、案の定やられちゃうわけで。2003年・2004年と続けてフジロックに出演するものの、肝心のピート・ドハーティを欠く形での来日。だから俺にとってのTHE LIBERTINESっていうのは、カール・バラーのバンドっていう印象が強くて。いや、それが正解だと思わないよ。でも、俺はピートを生で観ていないし、伝わってくる情報が全部「逮捕」と「麻薬」と「バンドメンバーに対する悪態」ばかりだから‥‥第三者としては面白い存在と思ってるけど、音楽の対象としては正直そこまでの興味がない、というのが本音。THE LIBERTINESでどんだけ良い曲を書いてきても、結局書いただけで終わってるし。少なくともここ日本にいるファンにとっては、ね。

 そんなピートがバンド離脱中に結成したのが、BABYSHAMBLESというバンド。正直、最初はこんなに続くと思ってなくて。「Rough Trade」のコンピ盤やシングルのリリースと続いても、実は全然チェックしてなかったのね。で、昨年の暮れにとうとうアルバムまでリリース。これもリリースされてからもしばらくは聴こうなんて思わなかった。先日、片割れのカールが同じくバンドのドラマーだったゲイリーと共にDIRTY PRETTY THINGSという新バンドでデビューアルバムをリリースしたのを機に、ようやく手にしたくらいだから。要するに‥‥片方の意見(=出す音)だけで判断したくなかったんだよね、THE LIBERTINESの本質ってものを。

 なんてカッコつけてみたものの、本音は単に怖かっただけ。THE LIBERTINESより良かったらどうしよう、っていう。少なくとも‥‥ピートのいないバンドのライヴを観て、ほんのちょっとでもカッコいいと思ってしまった身としてね。

 ピートのソロユニットというよりは、まぁかろうじてバンドとして成立してるイメージのサウンド。ヨレヨレのピートのボーカルが、悲痛な悲鳴をあげる‥‥っていうか、本当に聴いていて痛々しいというのが正直な感想。勿論というか、THE LIBERTINESのような疾走感も、直接的な攻撃性も感じられない。速い曲はあっても、何か違う。歌詞からはいろいろなものを感じ取ることはできるけど、サウンドだけだと‥‥これが今、鳴らされる必要があったのかな?と。ピートにとって、これを今鳴らす必要性は多いに感じられるんだけどね‥‥

 このアルバムって結局は、カールに向けられてるんだろうな。そう思わざるを得ないっつーか。良い曲もあるし、冷静な判断を持って聴けば、きっとそれなりに響くロックンロールアルバムなんだろうけどね。ピートとカール間の、音による往復書簡なんだろうな、BABYSHAMBLESとDIRTY PRETTY THINGSのアルバムって。ま、これから後者のアルバムを聴くわけですが‥‥



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2006年5月20日 (土)

AVENGED SEVENFOLD『CITY OF EVIL』(2005)

 正直な話、AVENGED SEVENFOLDなんてバンド、サマソニへの出演が決まらなければ知らなかったわけですよ、俺。すでにアルバムを3枚も出していて、そのいずれもが日本国内盤が出てないんだもん。そりゃ知りませんわな。だけど彼らの最新作「CITY OF EVIL」が全米チャートのトップ50入りして、セールスも100万枚近くまでいってるわけで。なのに日本ではほとんど話題にもならず、実際最新作はメジャー移籍第1弾にも関わらず、日本のワーナーは完全スルーだったしね。ホントひどい話ですよ!

 けどまぁ、こうやって6月には日本盤リリースも決まったわけで、ようやくこういう形で紹介できるようになったと。ま、日本盤が出なくても紹介してたけどね。ただ、一応5〜6月にはリリースされると聞いていたんで、それにあわせて紹介しようかと思ってここまで引っ張ってみました。実際には3月頃に買ったんだけど。

 なんつーか、彼らはインディーズ時代はもっとパンク寄りで、ボーカルも結構スクリーミングしてる感じだったのに(後で過去の音源もチェックしました)、このメジャー作では完全に歌い上げ系に専念してるんだよね。変なデス声も一切なし。しかもギターがツインリード決めまくり、大袈裟な展開は入るわ、曲は長いわで‥‥思わず「これ、ホントにアメリカのバンド? ジャーマンメタルなんじゃねーの?」と疑ってしまったほどに、アメリカっぽくない。ま、逆の見方をすれば、それだけ異質で個性的ともいえるんだけどね(アメリカでは、って意味で)。彼らは今、「2006年のGUNS N'ROSES」みたいに祭り上げられようとしてるんですわ。そのルックスもゴスメイクでキメてて、ちょっと見は確かにグラムロック系と言えなくもない。でも出してる音は‥‥えーっと、日本のX JAPANとか好きな人は、意外と気に入っちゃうんじゃないかな?ってくらいに、後半の曲の畳み掛け&ストリングスやコーラス隊を使った優雅な世界観は、とてもじゃないけどGN'Rとは言えないよね。どっちかっていったらMANOWARじゃんか、ってね。

 はい、ここまでのキーワードを読んでお尻の辺りがむず痒くなったそこのあなた! 絶対に気に入るから聴いてみなって。「BULLET FOR MY VALENTINEに対する、アメリカからの回答」なんてキャッチコピーもあるみたいだけど(どっちが先に世に出てんだよ!?って話もあるんだけど)、それもあながち外れてないよな、とも思ったり。当のBULLET FOR MY VALENTINEがそのGN'Rと一緒に全米ツアーやってるんだからね。方向性にブレはないな、と。実は密かに、サマソニで観るのを楽しみにしてるバンドのひとつなんだけどね。



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2006年5月19日 (金)

Dir en grey『Withering to death.』(2005)

 Dir en greyが2005年3月にリリースした、通算8枚目のオリジナルアルバム「Withering to death.」が先日、いよいよ全米でリリース。この発売に先がけて、かの「Billboard.com」ではトップ記事で「Dir en greyって何者!?」と彼らを紹介してるんですわ。さらにドイツでは昨年に続き今年も「Rock am Ring」フェスへの出演が決定、しかもメインステージの中盤に登場という優遇ぶり。そして夏にはKORNやDEFTONESらと共に、アメリカで久しぶりに開催される移動型フェス「Family Values Tour」への出演も決まっちゃってる‥‥新曲のレコーディングなんてしてる暇がないくらいに、世界中を駆け回ってる。さらに、7/31&8/1には日本武道館でのライヴも‥‥もはや敵なし状態の彼ら。いったいなぜこの時期に世界的ブレイクを果たしたんでしょうか。

 このアメリカでもリリースされたアルバムを、US盤で購入して聴いてみました。ま、日本盤でもいいんですけどね。個人的にはこれまでシングル曲を数曲しか知らないのと、最新のシングル「CLEVER SLEAZOID」が完全メタルコア/スクリーモ化してたってことくらいの知識。そんなまっさらな状態で彼らに接したんですが‥‥なるほどね、こりゃイイわ。確かに上に挙げたような音楽性も取り入れつつ、日本特有のビジュアル系(海外にいくとこの辺はゴスと評価されるんでしょうか)の要素も強く、ボーカルの京はファルセットを使ったクリーントーンで歌い上げたり、かと思えばヒステリックに叫んだり、あげくの果てにはデス声に近いタイプのスクリームまで登場する。うん、これ日本語じゃなかったら海外の新人メタルコアバンドと勘違いするかもしれないわ。完成度は確かにめっちゃ高いですよ。個人的には日本語でも英語でも全然気にならないんで、その辺で評価が下がったりすることはないです。人によってはいろいろあるでしょうけどね。

 日本に'80年代からあるメタル‥‥ジャパメタだったり、アンダーグラウンドなハードコアだったり、そして'90年代以降に登場したビジュアル系だったり‥‥そういった歴史をしっかり辿りつつ(踏まえつつ)、彼らなりの「らしさ」をしっかり確立。X(X JAPAN)が成し得なかった「全米ブレイク」という夢に、今もっとも近い存在と言えるんでしょうね。実際、このアルバムがどのくらいのセールスを記録するのが、とても気になります。UTADA(宇多田ヒカル)でさえトップ100に入らなかった、天下の「Billborad」にね。

 噂では、今秋開催される「taste of CHAOS」のアジア版にBULLET FOR MY VALENTINEやTRIVIUMといった海外のメタルコアバンドと共に出演するなんて話も聞こえてきます。昨年の「taste of CHAOAS」日本版に出演した経験を持つだけに、それもあながち間違ってないような気もします。いや、むしろその組み合わせで観てみたいですよね、欧米のメタルコアにやられた身としては。



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2006年5月 7日 (日)

EXODUS『SHOVEL HEADED KILL MACHINE』(2005)

80年代に活躍したもののその後解散。数年前に本格的な復活を果たしたEXODUSは2004年に復活作「TEMPO OF THE DAMNED」をリリースし、健在振りをしっかり証明してくれましたが、その後ボーカル/ドラム/ギターが脱退というアクシデントに見舞われ、存続が危ぶまれました。が、まさかこんな形で、こんなもの凄いアルバムと共に戻ってくるとは思ってみみませんでした。

昨年末にリリースされた復活第2弾(通算7作目)『SHOVEL HEADED KILL MACHINE』は新ボーカルにロブ・デュークス、ギターに元HEATHENのリー・アルタス、ドラムに元SLAYER等のポール・ボスタフという最強メンバーを迎え制作。実際に完成したアルバムは、スラッシュを現代に蘇らせた傑作に仕上がってます。ドラムが凄いのは言うまでもなく、ボーカルがかなり良いです。前任2人にもなんとなく似てる色もありつつ、それでいて非常に現代的。デス声に逃げることもなく、しっかりとダミ声でスラッシュメタルを21世紀に復活させてくれてます。

けど今回は、まず曲が良かったのが大きいのかな。俺、EXODUSってリアルタイムでもあんまりいい印象ってなくて。1992年頃の来日公演とか観てるけど、まぁあの時はアルバムも良くなかったからねぇ。確かにベイエリア・クランチなる言葉の発祥のバンドではあるけどさ。アルバムもそんなにのめり込んで聴いた記憶ないし。

でも、これは違う。すんなり入ってきたし、とにかく有無を言わせぬカッコ良さがある。昨今のメタルコアとか聴いてる若い衆にもぜひ聴いてほしい1作。80年代の良かった頃のサウンドと21世紀のメタルの融合。過去の焼き直しに終わらず、攻めの姿勢を崩してないのは流石というか。今年の来日公演、他のライヴがあって見逃しちゃったけど、また戻って来てほしいなぁ。ていうか、こんなにアグレッシヴなアルバムが作れるんだもん、まだまだ凄い作品を連発してくれるはず。そっちに期待しようかな。

 


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2006年5月 6日 (土)

OPETH『GHOST REVERIES』(2005)

 スウェーデンのプログレッシヴ・デスメタル(とでも呼べばいいのかな?)OPETHの、通算8作目にあたるこのアルバムは、昨年の秋にリリース済みなんだけど、とにかく各方面からの評価が高くて。俺もずっと注目はしてたし、このアルバムからのPV(多分 "The Great Conjuration" だったかな?)のインパクトも強くて、気にはなってたんだけど、買ったのはつい最近で。最近多いよね、そういうの。

 すでに10数年活動してる彼等なんだけど、このアルバムから名門「Roadrunner Records」に移籍してます。移籍しただけのことはあるわな、もの凄い衝撃作だもん。デスの暴虐性と、KING CRIMSON辺りに通ずる知的かつ緻密なプログレッシヴなサウンドが見事に融合していて、それぞれが別々の魅力を放つんじゃなくて、しっかりと1曲の中に共存してるんだよね。あと、シンフォニックな要素も強くて、例えばアコースティックギターやピアノが要所要素に上手く使われていて、そんな緩急あるサウンドがまた魅力的すぎて。ゴーっていう轟音&デス声と後に訪れる静寂、怪しい音色。そしてまた訪れる轟音‥‥この繰り返しがとにかく気持ちいい。1曲8分10分なんてのはざらで、実際アルバムには8曲しか入ってないんだけど、60分以上の作品として仕上がってますからね。でも、全く飽きさせない。ま、デスとか苦手な人はダメだろうけど。

 このアルバムからキーボードが加入していて、それがさらによい方向に作用してますよね(しかも加入したキーボーディストは、SPIRITUAL BEGGARSのペルなのね。それで二度ビックリ)。俺は前作、前々作とかは全く知らないんで、前もこんなだったのかは比べられないんだけど、仮にそうだったとしても、全然後悔はしてない。だって今、こんなにスゲーアルバムに出会うことができたんだから。

 いやーっ、やっぱスウェーデンはすごいなぁ。いろんなバンドがわんさかいるんだから。難しいことは言えないけど‥‥これが話題になるのは、よーく判るわ。だって、ホントにすごい作品だもん。メタルとかデスとかプログレとか、そういうカテゴライズは要らない。メタルファンじゃなくて、それ意外の人にもぜひ聴いてほしい1枚。こういう表現の仕方もあるんだよ、ってね。



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