2006/07/09

PANIC! AT THE DISCO『A FEVER YOU CAN'T SWEAT OUT』(2005)

 今年の「PUNKSPRING」で初来日を果たしたPANIC! AT THE DISCOというバンド。デビュー時代は昨年秋なんだけど、ブレイクした感が強いのは今年に入ってから、特にこのイベント前後からじゃないかな。4人組でエモの流れにあるサウンドを上手いこと打ち込みダンスビートと組み合わせたりして、心地よいナンバーを聞かせてくれるのが、この「A FEVER YOU CAN'T SWEAT OUT」という作品。

 実は彼らもビジュアルイメージが派手で、もしかしたら昨今の「ゴスメイク系」の流れになるのかな、という気も。ただ世間的に今注目されている「ゴス」というよりは、モロに「ゴシック」系という感じかしら。THE DRESDEN DOLLSなんかもゴスの流れにあるけど、NINE INCH NAILSとの対バンツアーでもわかるように、やっぱり「ゴス」じゃなくて「ゴシック」なんだよね。ま、同じジャンルだとは思うけど、ちょっと流派が違うみたいな? わかりにくいかもしれないけど。

 俺、最初に彼らの楽曲を聴いたとき、MY CHEMICAL ROMANCEからパンクやハードロックが持つ攻撃性みたいなにを取っ払って、もっと芸術性を高めた‥‥みたいなイメージを受けたのね。実は地続きなんだけど、到着点が違ったみたいな。そういう意味では、ルーツはみんな一緒なんだと思う。けど、それぞれが違った方向性を見つけ、到着点がバラバラだったと。それが一気にシーンに登場した時期が重なった、と。そういうことなんでしょね。恐らく年代的には近いんじゃないかしら。

 エモコアともスクリーモとも違う、もっとゆったりしたテンポの楽曲が多く(とはいっても、その流れにある疾走感の強いナンバーもあるにはあるけどね)、シンセサウンドや打ち込みダンスビートを重ねることでバンド名みたいにフロアでかかっていても違和感のないナンバーも見受けられる。中世っぽいビジュアルイメージも面白いし、単純に売れる音なんじゃないかと。もちろん、それだけでは終わらない「something special」も存分に感じられますけど。もっとも、それを見出せるかは、聴き手の接し方次第だと思いますが。

 あー、ライブ観たいね、小さい会場で。サマソニで再来日すると思ってたんだけど、年内にもう1度、O-Eastくらすで来日しないかしら(AXだとデカい気もするので)。



▼PANIC! AT THE DISCO「A FEVER YOU CAN'T SWEAT OUT」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 07 09 06:31 午後 [2005年の作品, Panic! at The Disco] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2006/06/25

FLYLEAF『FLYLEAF』(2005)

 アメリカでは昨年初頭にEPをリリースし、10月にフルアルバムを発表したニューカマー・FLYLEAF。今年前半に海外では公開済みの映画「UNDERWORLD : EVOLUTION」にも楽曲提供などしてるので、まだ国内リリースのない状況でも意外と知ってる人は知ってる存在なのかな。俺が彼らの名前を始めて意識したのは、日本のDir en greyも参加することが決定している「FAMILY VALUES TOUR」でその名前を見つけてから。へー、女性フロントのバンドなんだー、やっぱりヘヴィロックなんだよねぇ、くらいの印象。音も聴いてなかったしね。

 んで、今度は今年10月に日本で行われるメタル/ラウド系の祭典「LOUD PARK 06」で初来日が決まって。そりゃ注目するでしょう、どんなバンドかって。日本盤の予定もなさそうだし、とりあえず輸入盤に手を出してみたわけ。

 最近女性ボーカルのヘヴィバンドっていうと(ここでも何度も紹介してるように)ゴス寄りのサウンドが多いんだけど、このバンドは生粋のアメリカのヘヴィバンドといった感じかな。スクリームもあるんだけど、基本的には普通に歌い上げてる。上手くファルセットも取り入れてるけど、サウンド自体からはゴスの色はそんなに強くない。むしろDEFTONES辺りからの影響を強く思わせるクールさの方が印象的。かといってポストロックの色は全くないんだけど。純粋な歌ものヘヴィロックバンドかな。こういうサウンドが売れると、まぁ二番煎じはいくらでも出てくるわけだけど、彼らもまだその域は出てないかも

 ゴスの色はあくまで「味付け」止まりで、やはり歌を中心に置いた、聴いていて気持ちいいラウドロックかなぁ。悪くない。けど彼らなりの魅力や特徴がね。惜しい。ま、デビューアルバムだし、この時点でこのクオリティなら、今後いくらでも化ける可能性はあるかな。あとはまぁ、来日した時にステージ観て判断したいと思います。意外とアグレッシヴな気がするし。

 ちなみに彼ら、MAROON 5と同じ「Octone Records」所属。てことは、BMG系列から日本でもリリースになるのかしら。

※8月末追記
無事9/6に日本盤リリースされることになりました。よかったよかった。



▼FLYLEAF「FLYLEAF」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 06 25 03:51 午前 [2005年の作品, 2006年の作品, Flyleaf, LOUD PARK] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/06/22

TOKYO DRAGONS『GIVE ME THE FEAR』(2005)

 その名前はちょっと前から耳にしてたんだけど、アルバムを聴いたのは今年に入ってからなんですよね。英米で昨年の秋にリリースされたTOKYO DRAGONSの1stアルバム「GIVE ME THE FEAR」は、本当によく出来た良質のハードドライビングロック&ブギーアルバム! なんかテキトーに知ってる単語を繋げただけっぽいけど特に気にする必要はないよ。だってまんまの音だから。

 今年の4月に英「Kerrang!」で取り上げられた際に、以下のステキな文章で彼らを紹介してるんだわ。


"People are still arriving as Tokyo Dragons are raising denim and leather hell. Front man Steve Lomax and co are on fire at the moment, playing old school heavy rock with as much blood and thunder as anyone. They've got the honest-to-goodness authenticity of Thin Lizzy mixed with The Datsun's bluster and brevity. All from a British band that everyone should be supporting."


これだけで十分に伝わる気がするんだけど‥‥どうだろう?

 THIN LIZZYだとかDATSUNSの名前が挙がってるけど、ホントそのとおりの音で。後はAC/DCだったりKISSだったり‥‥っていうとあれだね、THE HELLACOPTERS辺りの名前も挙げないとね。いや、このデニム&レザーの小汚い野郎ども4人は完全に確信犯ですわ。バンド名がアレで、ちょっと引いちゃう人もいるかもしれないけど、このダサイセンスこそ、'70年代ブリティッシュロックに必要な要素だからね。ホント確信犯(だって「TOKYO」っていう単語を使ったのは、単に響きがカッコ良かったから、って理由だしね。無意識・無自覚だとしても、完全な確信犯。音とバンド名がピッタリじゃんか)。

 なんかいろいろ調べてみたら、彼らが2004年以降サポートを務めたバンドは先のDATSUNSやSTATUS QUO、HANOI ROCKSやTHE WiLDHEARTSといった辺り。そうそう、俺のど真ん中。ね、もうその音が想像できるでしょ? ホント最近イギリスからいいバンドが出てきてるよね。THE DARKNESSもそうだし、最近アルバムをリリースしたTOWERS OF LONDONもそうだし。こういうバカがもっと増えればいいと思うよ。

 そんなTOKYO DRAGONSがいよいよ8月に日本デビュー。日本盤化に際してバンド表記は「東京ドラゴンズ」になるんだってさ。なんじゃそりゃ。「URUSEIYATSURA」が「奴ら」って表記されんのと同じようなもんか(多分違う)。ま、なんにせよ‥‥早いとこ日本でライヴ観たいね!



▼TOKYO DRAGONS「GIVE ME THE FEAR」(amazon:US盤UK盤日本盤

投稿: 2006 06 22 12:51 午前 [2005年の作品, 2006年の作品, Tokyo Dragons] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/21

BABYSHAMBLES『DOWN IN ALBION』(2005)

 正直、THE LIBERTINESって何だったんだろう?って考える瞬間があってね。いつぞやのサマソニ(2002年だっけ?)で伝説となるようなライヴをやって、その年の末にリリースした1stアルバムがいろんなところで話題になって、まぁこの俺もリリースから遅れをとるものの、案の定やられちゃうわけで。2003年・2004年と続けてフジロックに出演するものの、肝心のピート・ドハーティを欠く形での来日。だから俺にとってのTHE LIBERTINESっていうのは、カール・バラーのバンドっていう印象が強くて。いや、それが正解だと思わないよ。でも、俺はピートを生で観ていないし、伝わってくる情報が全部「逮捕」と「麻薬」と「バンドメンバーに対する悪態」ばかりだから‥‥第三者としては面白い存在と思ってるけど、音楽の対象としては正直そこまでの興味がない、というのが本音。THE LIBERTINESでどんだけ良い曲を書いてきても、結局書いただけで終わってるし。少なくともここ日本にいるファンにとっては、ね。

 そんなピートがバンド離脱中に結成したのが、BABYSHAMBLESというバンド。正直、最初はこんなに続くと思ってなくて。「Rough Trade」のコンピ盤やシングルのリリースと続いても、実は全然チェックしてなかったのね。で、昨年の暮れにとうとうアルバムまでリリース。これもリリースされてからもしばらくは聴こうなんて思わなかった。先日、片割れのカールが同じくバンドのドラマーだったゲイリーと共にDIRTY PRETTY THINGSという新バンドでデビューアルバムをリリースしたのを機に、ようやく手にしたくらいだから。要するに‥‥片方の意見(=出す音)だけで判断したくなかったんだよね、THE LIBERTINESの本質ってものを。

 なんてカッコつけてみたものの、本音は単に怖かっただけ。THE LIBERTINESより良かったらどうしよう、っていう。少なくとも‥‥ピートのいないバンドのライヴを観て、ほんのちょっとでもカッコいいと思ってしまった身としてね。

 ピートのソロユニットというよりは、まぁかろうじてバンドとして成立してるイメージのサウンド。ヨレヨレのピートのボーカルが、悲痛な悲鳴をあげる‥‥っていうか、本当に聴いていて痛々しいというのが正直な感想。勿論というか、THE LIBERTINESのような疾走感も、直接的な攻撃性も感じられない。速い曲はあっても、何か違う。歌詞からはいろいろなものを感じ取ることはできるけど、サウンドだけだと‥‥これが今、鳴らされる必要があったのかな?と。ピートにとって、これを今鳴らす必要性は多いに感じられるんだけどね‥‥

 このアルバムって結局は、カールに向けられてるんだろうな。そう思わざるを得ないっつーか。良い曲もあるし、冷静な判断を持って聴けば、きっとそれなりに響くロックンロールアルバムなんだろうけどね。ピートとカール間の、音による往復書簡なんだろうな、BABYSHAMBLESとDIRTY PRETTY THINGSのアルバムって。ま、これから後者のアルバムを聴くわけですが‥‥



▼BABYSHAMBLES「DOWN IN ALBION」(amazon:UK盤US盤日本盤

投稿: 2006 05 21 11:03 午後 [2005年の作品, Babyshambles, Libertines, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/20

AVENGED SEVENFOLD『CITY OF EVIL』(2005)

 正直な話、AVENGED SEVENFOLDなんてバンド、サマソニへの出演が決まらなければ知らなかったわけですよ、俺。すでにアルバムを3枚も出していて、そのいずれもが日本国内盤が出てないんだもん。そりゃ知りませんわな。だけど彼らの最新作「CITY OF EVIL」が全米チャートのトップ50入りして、セールスも100万枚近くまでいってるわけで。なのに日本ではほとんど話題にもならず、実際最新作はメジャー移籍第1弾にも関わらず、日本のワーナーは完全スルーだったしね。ホントひどい話ですよ!

 けどまぁ、こうやって6月には日本盤リリースも決まったわけで、ようやくこういう形で紹介できるようになったと。ま、日本盤が出なくても紹介してたけどね。ただ、一応5〜6月にはリリースされると聞いていたんで、それにあわせて紹介しようかと思ってここまで引っ張ってみました。実際には3月頃に買ったんだけど。

 なんつーか、彼らはインディーズ時代はもっとパンク寄りで、ボーカルも結構スクリーミングしてる感じだったのに(後で過去の音源もチェックしました)、このメジャー作では完全に歌い上げ系に専念してるんだよね。変なデス声も一切なし。しかもギターがツインリード決めまくり、大袈裟な展開は入るわ、曲は長いわで‥‥思わず「これ、ホントにアメリカのバンド? ジャーマンメタルなんじゃねーの?」と疑ってしまったほどに、アメリカっぽくない。ま、逆の見方をすれば、それだけ異質で個性的ともいえるんだけどね(アメリカでは、って意味で)。彼らは今、「2006年のGUNS N'ROSES」みたいに祭り上げられようとしてるんですわ。そのルックスもゴスメイクでキメてて、ちょっと見は確かにグラムロック系と言えなくもない。でも出してる音は‥‥えーっと、日本のX JAPANとか好きな人は、意外と気に入っちゃうんじゃないかな?ってくらいに、後半の曲の畳み掛け&ストリングスやコーラス隊を使った優雅な世界観は、とてもじゃないけどGN'Rとは言えないよね。どっちかっていったらMANOWARじゃんか、ってね。

 はい、ここまでのキーワードを読んでお尻の辺りがむず痒くなったそこのあなた! 絶対に気に入るから聴いてみなって。「BULLET FOR MY VALENTINEに対する、アメリカからの回答」なんてキャッチコピーもあるみたいだけど(どっちが先に世に出てんだよ!?って話もあるんだけど)、それもあながち外れてないよな、とも思ったり。当のBULLET FOR MY VALENTINEがそのGN'Rと一緒に全米ツアーやってるんだからね。方向性にブレはないな、と。実は密かに、サマソニで観るのを楽しみにしてるバンドのひとつなんだけどね。



▼AVENGED SEVENFOLD「CITY OF EVIL」(amazon:US盤日本初回盤日本通常盤

投稿: 2006 05 20 12:15 午前 [2005年の作品, 2006年の作品, Avenged Sevenfold] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/19

Dir en grey『Withering to death.』(2005)

 Dir en greyが2005年3月にリリースした、通算8枚目のオリジナルアルバム「Withering to death.」が先日、いよいよ全米でリリース。この発売に先がけて、かの「Billboard.com」ではトップ記事で「Dir en greyって何者!?」と彼らを紹介してるんですわ。さらにドイツでは昨年に続き今年も「Rock am Ring」フェスへの出演が決定、しかもメインステージの中盤に登場という優遇ぶり。そして夏にはKORNやDEFTONESらと共に、アメリカで久しぶりに開催される移動型フェス「Family Values Tour」への出演も決まっちゃってる‥‥新曲のレコーディングなんてしてる暇がないくらいに、世界中を駆け回ってる。さらに、7/31&8/1には日本武道館でのライヴも‥‥もはや敵なし状態の彼ら。いったいなぜこの時期に世界的ブレイクを果たしたんでしょうか。

 このアメリカでもリリースされたアルバムを、US盤で購入して聴いてみました。ま、日本盤でもいいんですけどね。個人的にはこれまでシングル曲を数曲しか知らないのと、最新のシングル「CLEVER SLEAZOID」が完全メタルコア/スクリーモ化してたってことくらいの知識。そんなまっさらな状態で彼らに接したんですが‥‥なるほどね、こりゃイイわ。確かに上に挙げたような音楽性も取り入れつつ、日本特有のビジュアル系(海外にいくとこの辺はゴスと評価されるんでしょうか)の要素も強く、ボーカルの京はファルセットを使ったクリーントーンで歌い上げたり、かと思えばヒステリックに叫んだり、あげくの果てにはデス声に近いタイプのスクリームまで登場する。うん、これ日本語じゃなかったら海外の新人メタルコアバンドと勘違いするかもしれないわ。完成度は確かにめっちゃ高いですよ。個人的には日本語でも英語でも全然気にならないんで、その辺で評価が下がったりすることはないです。人によってはいろいろあるでしょうけどね。

 日本に'80年代からあるメタル‥‥ジャパメタだったり、アンダーグラウンドなハードコアだったり、そして'90年代以降に登場したビジュアル系だったり‥‥そういった歴史をしっかり辿りつつ(踏まえつつ)、彼らなりの「らしさ」をしっかり確立。X(X JAPAN)が成し得なかった「全米ブレイク」という夢に、今もっとも近い存在と言えるんでしょうね。実際、このアルバムがどのくらいのセールスを記録するのが、とても気になります。UTADA(宇多田ヒカル)でさえトップ100に入らなかった、天下の「Billborad」にね。

 噂では、今秋開催される「taste of CHAOS」のアジア版にBULLET FOR MY VALENTINEやTRIVIUMといった海外のメタルコアバンドと共に出演するなんて話も聞こえてきます。昨年の「taste of CHAOAS」日本版に出演した経験を持つだけに、それもあながち間違ってないような気もします。いや、むしろその組み合わせで観てみたいですよね、欧米のメタルコアにやられた身としては。



▼Dir en grey「Withering to death.」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2006 05 19 12:13 午前 [2005年の作品, 2006年の作品, DIR EN GREY, LOUD PARK] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/07

EXODUS『SHOVEL HEADED KILL MACHINE』(2005)

 '80年代に活躍したもののその後解散。数年前に本格的な復活を果たしたEXODUSは2004年に復活作「TEMPO OF THE DAMNED」をリリースし、健在振りをしっかり証明してくれましたが、その後ボーカル/ドラム/ギターが脱退というアクシデントに見舞われ、存続が危ぶまれました。が、まさかこんな形で、こんなもの凄いアルバムと共に戻ってくるとは思ってみみませんでした。

 昨年末にリリースされた復活第2弾(通算7作目)「SHOVEL HEADED KILL MACHINE」は新ボーカルにロブ・デュークス、ギターに元HEATHENのリー・アルタス、ドラムに元SLAYER等のポール・ボスタフという最強メンバーを迎え制作。実際に完成したアルバムは、スラッシュを現代に蘇らせた傑作に仕上がってます。ドラムが凄いのは言うまでもなく、ボーカルがかなり良いです。前任2人にもなんとなく似てる色もありつつ、それでいて非常に現代的。デス声に逃げることもなく、しっかりとダミ声でスラッシュメタルを21世紀に復活させてくれてます。

 けど今回は、まず曲が良かったのが大きいのかな。俺、EXODUSってリアルタイムでもあんまりいい印象ってなくて。'92年頃の来日公演とか観てるけど、まぁあの時はアルバムも良くなかったからねぇ。確かに「ベイエリア・クランチ」なる言葉の発祥のバンドではあるけどさ。アルバムもそんなにのめり込んで聴いた記憶ないし。

 でも、これは違う。すんなり入ってきたし、とにかく有無を言わせぬカッコ良さがある。昨今のメタルコアとか聴いてる若い衆にもぜひ聴いてほしい1作。'80年代の良かった頃のサウンドと21世紀のメタルの融合。過去の焼き直しに終わらず、攻めの姿勢を崩してないのは流石というか。今年の来日公演、他のライヴがあって見逃しちゃったけど、また戻って来てほしいなぁ。ていうか、こんなにアグレッシヴなアルバムが作れるんだもん、まだまだ凄い作品を連発してくれるはず。そっちに期待しようかな。



▼EXODUS「SHOVEL HEADED KILL MACHINE」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 07 12:15 午前 [2005年の作品, Exodus] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/06

OPETH『GHOST REVERIES』(2005)

 スウェーデンのプログレッシヴ・デスメタル(とでも呼べばいいのかな?)OPETHの、通算8作目にあたるこのアルバムは、昨年の秋にリリース済みなんだけど、とにかく各方面からの評価が高くて。俺もずっと注目はしてたし、このアルバムからのPV(多分 "The Great Conjuration" だったかな?)のインパクトも強くて、気にはなってたんだけど、買ったのはつい最近で。最近多いよね、そういうの。

 すでに10数年活動してる彼等なんだけど、このアルバムから名門「Roadrunner Records」に移籍してます。移籍しただけのことはあるわな、もの凄い衝撃作だもん。デスの暴虐性と、KING CRIMSON辺りに通ずる知的かつ緻密なプログレッシヴなサウンドが見事に融合していて、それぞれが別々の魅力を放つんじゃなくて、しっかりと1曲の中に共存してるんだよね。あと、シンフォニックな要素も強くて、例えばアコースティックギターやピアノが要所要素に上手く使われていて、そんな緩急あるサウンドがまた魅力的すぎて。ゴーっていう轟音&デス声と後に訪れる静寂、怪しい音色。そしてまた訪れる轟音‥‥この繰り返しがとにかく気持ちいい。1曲8分10分なんてのはざらで、実際アルバムには8曲しか入ってないんだけど、60分以上の作品として仕上がってますからね。でも、全く飽きさせない。ま、デスとか苦手な人はダメだろうけど。

 このアルバムからキーボードが加入していて、それがさらによい方向に作用してますよね(しかも加入したキーボーディストは、SPIRITUAL BEGGARSのペルなのね。それで二度ビックリ)。俺は前作、前々作とかは全く知らないんで、前もこんなだったのかは比べられないんだけど、仮にそうだったとしても、全然後悔はしてない。だって今、こんなにスゲーアルバムに出会うことができたんだから。

 いやーっ、やっぱスウェーデンはすごいなぁ。いろんなバンドがわんさかいるんだから。難しいことは言えないけど‥‥これが話題になるのは、よーく判るわ。だって、ホントにすごい作品だもん。メタルとかデスとかプログレとか、そういうカテゴライズは要らない。メタルファンじゃなくて、それ意外の人にもぜひ聴いてほしい1枚。こういう表現の仕方もあるんだよ、ってね。



▼OPETH「GHOST REVERIES」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 06 03:04 午前 [2005年の作品, LOUD PARK, Opeth] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/05

COHEED AND CAMBRIA『GOOD APOLLO I'M BURNING STAR IV, VOL.1 : FROM FEAR THROUGH THE EYES OF MADNESS』(2005)

  ビックリした、というのが第一印象。もっと早くに聴いておくべきだったね、これ。

 昨年9月にリリースされた、アメリカのCOHEED AND CAMBRIA通算3作目、メジャーに移籍しての第1弾となるアルバム「GOOD APOLLO I'M BURNING STAR IV, VOL.1 : FROM FEAR THROUGH THE EYES OF MADNESS」(タイトル長すぎ!)は、そのタイトルを見ればなんとなく想像つくかと思いますが、コンセプトアルバムとして仕上がってます。何やら4章からなる物語の前半部分を扱ったのがこの作品で、続いてリリースされる次作がその後半部分を取り扱ったものになるそうです。成る程ね。

 コンセプトアルバムと聴いて数歩退いてしまう人も多いんじゃないかな。敷居が高そうだもんね。気軽に聴けないっていうか。でもそんな心配はいらないよ。輸入盤で買ったから歌詞とかあまり理解できてない俺が言うよ‥‥これ、すごく素晴らしいプログレハードロックアルバムですよ。多くの人が指摘するように、’80年代前半までのRUSHに非常に近いスタイルを持っていて、それを上手く現代的に表現してるなぁと。ボーカルの声質がなんとなくゲディ・リー(RUSHのボーカル&ベース)に似てることもあり、またコンパクトな楽曲が並び、それらが上手く繋がっていく辺りに全盛期のRUSHを重ね合わせてしまったり。勿論、完全な焼き直しではなく、そこには彼等なりのオリジナリティは十分に感じられて。うん、すごいいいよこれ。

 そんなコンパクトな曲が10数曲並んだ後に訪れる‥‥ラスト4曲の組曲が、とにかく圧巻! プログレバンドとしての威厳を遺憾なく発揮した会心の一撃というか。これだけでも聴いてほしいなぁ。いやぁ、前半と後半のコントラストが兎に角良いです。これはしばらく愛聴しそうだわ。

 去年の秋、このアルバムからのPVを観て(どの曲だったか忘れたけど、ヘヴィなミドルチューンだったから、3曲目の "Welcome Home" かな?)、そのルックス(どことなく南米の人っぽい印象を受けたけど、実際メンバー名を見ると純粋なアメリカ人というわけではなさそうだね)からは想像できないヘヴィ且つ繊細なサウンドに衝撃を受けたんですが‥‥ずっと忘れてた。ゴメンね、ホントにもっと早くに聴くべきだった。

 タイプは違うけど、THE MARS VOLTA辺りとツアーすると面白いんじゃないかな。エモやコア系からの流れにあるTHE MARS VOLTAと、ハードロックやプログレから流れてきたこのCOHEED AND CAMBRIA。異論はあるだろうけど、俺は彼等を現代の2大プログレバンドとして評価したいですね。



▼COHEED AND CAMBRIA「GOOD APOLLO I'M BURNING STAR IV, VOL.1 : FROM FEAR THROUGH THE EYES OF MADNESS」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 05 01:31 午前 [2005年の作品, Coheed and Cambria] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/03/22

ROLLING STONES『A BIGGER BANG』(2005)

 いよいよ本日3月22日より、ROLLING STONESの5度目の来日公演が始まります。前にも書いたことあるかもしれませんが、実は俺、STONESを初来日しか観たことがないんですよ。いや、言い方を変えれば「ビル・ワイマンのいるSTONESを観てる」わけですが‥‥決してその後彼等が嫌いになったわけではなく、もう単純に‥‥十代の一番多感な時期にSTONESを初体験しちまって、もうその後は「この思い出を今後一生反芻して生きていこう」くらいに思ってたわけですよ。だってさ、その後の人生を棒に振るくらい、当時俺の生活においてROLLING STONESって重要な位置に属するバンドだったわけですから。

 その後は、ロニー・ウッドやチャーリー・ワッツがソロで来た時に、それぞれ武道館だったりブルーノートだったりに観に行ったりはしてたんですが、どうしてもSTONES単体には行こうと思わないで。さすがに前回の来日時、武道館公演が決まった時には心ときめきましたが(結局チケット取れなかったんだけど)。でも‥‥何故か今回は行こうって思ったんですよ。どういうわけか判らないけど。ただ、何となくかな‥‥自分の勘を信じて、今回は行こうかな、と。

 今回のツアーは、昨年9月にリリースされた約8年振りのオリジナルアルバム「A BIGGER BANG」をフォローするもの。前回のツアーが所謂ベスト盤ツアーだったことを考えると、今回は純粋な新作を引っ提げたツアーなんだよね。勿論新作からの曲も幾つかやってるようだけど、まぁ基本的にSTONESのツアーってヒットメドレー+意外な'60〜'70年代の隠れた名曲みたいな感じだから、正直新曲要らないって言っちゃあ要らないのかもしれないけど。でも今回のアルバムの曲ってのきなみクオリティが高いと思うんだけど。

 いや、クオリティが高いって言い方は変かな。なんつーか、俺等がよく知ってるROLLING STONESをなぞって作ったというか。決して前作「BRIDGES TO BABYLON」みたいな現代的な要素を取り込もうとしたアルバムではないよね(ま、前作のアレはアレでまたSTONESらしいんだけどね。俺は大好きですよ、あのアルバムも「STEEL WHEELS」も)。アルバム1曲目から'70年代の、いろんな時期のSTONESをなぞった楽曲が登場する。ストレートなロックチューンにしても、例えば'70年代初頭の印象があったり、'70年代後半から'80年代前半のイメージを彷彿させるものがあったり。やさぐれてたり、ポップだったり。そしてディスコチューンがあったり、ソウルフルなバラードがあったり、どブルーズがあったり。そういった「STONESなりのロックンロール」が16曲も詰まった大作に仕上がってる。「VOODOO LOUNGE」もそういう意味では近い作風なのかもしれないけど、あっちはもっと筋が通ってたような気がする。どっちが良い/悪いって意味ではなくね。すごくナチュラルかな、今回の方が。好き放題やったらこうなりました、みたいな感じで。だって冷静に聴いてみても、60超えたジイさん共がやりたい放題やったアルバムにしか聴こえないよね。確かに革新性みたいなものを求める人には向かないだろうけど、単純にロックンロールが好きな奴はこれ聴けばいいじゃない。屁理屈こねくり回す奴がよくいるじゃない、ロックはこうじゃなきゃいけない、とか、OASISがどうのとか、やれ若いバンドがどうのとか。そうは言ってもさ、ここまで確信的に、尚かつ説得力を持ってこの音を鳴らせる若手がどんだけいるんだよ?って話だよね。どうせアルバム1枚か2枚で消えちまうような奴らより、それこそ毎回同じことしか出来ないRAMONESやAC/DCやSTONESの方が、どんだけ信用できるかって話ですよ。

 だからそういう意味じゃ、もう新譜出さなくてもいいんだよね、彼等は。毎回曲名と歌詞だけ変えて、リフとバックトラックだけ同じみたいなアルバム作っても許されるんじゃないかって気もするけど‥‥いや、STONESの場合は許されないか。他が許されても。でも俺は許すよ。今回のアルバムも、全然アリ。ベスト10にこそ選ばなかったものの、恐らく昨年よく聴いたアルバムの10枚に入るかもしれないし。

 さて、もう19時間もすれば‥‥東京ドームで彼等を16年振り(!!)に観るわけですね。楽しみですよ、ホント。



▼ROLLING STONES「A BIGGER BANG」
(amazon:US盤JP盤

投稿: 2006 03 22 12:37 午前 [2005年の作品, Rolling Stones] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/02/08

THE MAGIC NUMBERS『THE MAGIC NUMBERS』(2005)

 THE MAGIC NUMBERSの単独公演@代官山UNITに行ってきまして。実は彼等が目当てじゃなくて、先週末急に決まったオープニングアクトのソンドレ・ラルケの方に興味があって、ギリギリ行くのを決めたんですけどね。大体THE MAGIC NUMBERSは明後日、FRANZ FERDINANDの前座で観るし、音源もそんなに聴いたことなかったから、特にどうでもいいかーって思ってたわけ。昨年のフジロックで評判良かったのは知ってるんだけど、数曲ネットラジオで聴く限りではそこまで響かないなーってのが本音で。

 だからライヴも全然期待してなくて。アルバム自体はライヴに行く数日前に手にして、数回聴いてみたんだけど‥‥どうにもしっくり来なくて。悪くないんだけど、全然ひっかからない、心に残らない‥‥恐らく、聴いたタイミングが悪かったんだろうね。今ならそう思える。

 結局、あまり良い印象を持たずにライヴに臨んだわけ。彼等がメインで、そんなライヴに5,500円も払って観に行ったんだけどさ。これが‥‥

良かったんだわ。確かに特別なものとか光る要素は皆無だし、ルックスもアレだし。少なくとも自分がロックに求めるモノの大部分が欠けてるような、そんな存在なんだけど‥‥良かった。なんつーか、ロンドンのクラブで酒呑みながら観るような、そんな空気の中で終始和やかな雰囲気で進んでく感じ。ソンドレ・ラルケの時もそうだったけど、特にこのバンドの時はそれを強く感じたのね。演奏はそこまで上手いわけじゃないし、コーラスが特別上手かと問われればちょっと首かしげちゃうんだけど。要はセンスとやり方の問題なのね。ライヴでそれらが光ってたわけ、唯一。

 絶対に自分から進んで聴くタイプのバンドじゃないし、もしかしたら次に来た時はもう観に行かないかもしれないけど、それでも今日の単独公演は素晴らしかったと思うよ。たまにはこういうライヴもいいなーって。全然殺伐としてないし(笑)MCも全部聞き取れたもんだから、もういろいろと笑わせてもらったしさ。

 単独公演ならではのスペシャルとしては、ビヨンセのあの曲のカバーでしょう。あれは文字では表現し難いなー。とにかくみんな爆笑と失笑の中間でゆらゆらしてましたよ。あれもセンスの賜物だよなー。

 結局80分くらいやってたのかな。1stの曲を殆どと、「HELP」コンピに入ってた曲、CHEMICAL BROTHERSの「PUSH THE BUTTON」でコラボした曲(のバンドバージョン)と、2ndアルバムに入れる予定という新曲を2曲くらい。ホント良いライヴだったと思います。

 結局、ライヴバンドなんだよね。アルバムだけで判断してたら俺はずっとこのバンドと交わることなかったと思う。最近ライヴ観てから好きになるバンドが増えてるのは、単純にライヴに行く回数が増えたとかじゃなしに、俺がそういうものに飢えてる(ていうか求めてる)から‥‥かしら?

 ‥‥ってこれじゃあライヴの感想で終っちゃいそうだから、帰宅してから先の1stアルバムを聴き始めたわけ。そしたら既に2周目も半ばですよ。いいじゃん、これ。何で最初に聴いた時に響かなかったんだろうね? ま、要するに素晴らしいライヴというフィルターを通すことで、より曲が魅力的に聴こえてくるようになった、と。そういうことなんでしょうね。

 実際のところ、ライヴに勝るものはないと思うし、アルバムの音源はこぢんまりとし過ぎてる感もあるんだけど、やっぱり曲は良いね。グッドメロディーに、上手い聴かせかた。音数が少なくて、無駄がない。情報量が少ない分、聴き手のイマジネーションが勝っちゃうこともある。逆にイマジネーションが弱い人は、額面通りかそれ以下しか受け取れなくて、前の俺みたいに「引っかからない」とか「魅力弱い」で終っちゃう。まぁ自分の趣味とは明らかに違うけど、これはこれで魅力的なんだな、うん。

 それにしても、2005〜6年にこの音を、イギリスから鳴らすってのが凄いよなぁ。ある意味根性座ってる。ま、押してもビクともしないだろうけどな!(いろんな意味で)



▼THE MAGIC NUMBERS「THE MAGIC NUMBERS」(amazon:US盤/CD-DA


▼THE MAGIC NUMBERS「THE MAGIC NUMBERS」(amazon:日本盤/CD-EXTRA

投稿: 2006 02 08 12:29 午前 [2005年の作品, 2006年のライブ, Magic Numbers, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/01/09

THE WHITE STRIPES『GET BEHIND ME SATAN』(2005)

 個人的に2005年のベストアルバム候補に選び、10枚を決める日が別の日だったらこのアルバムを選んでいただろう‥‥っていう作品は、多分俺だけじゃなくて、今回のアンケート企画に参加してくださった皆様にとっても、そういうのってあると思うんですね。実際、参加してくださった皆さんからのコメントに「今日の時点で選ぶと、こうなります」とか「明日になったらまた別の結果になると思いますが‥‥」って書いてる人が結構いまして。そりゃそうだよな、散々悩んで、最後の最後でギリギリ落としてる作品、あるに決まってるもの。んで、それくらい悩むんだから、最終決定の10枚とそこまで差があるとは思えない、そんな素晴らしい作品に違いない‥‥今回紹介するTHE WHITE STRIPESの5thアルバム「GET BEHIND ME SATAN」も、自分にとっては正に「2005年を代表する1枚」と呼んでも差し支えない作品集だと思ってます。

 2002年、日本デビュー盤となった3rd「WHITE BLOOD CELLS」で世界的に注目され、同年夏には早くも「FUJI ROCK FESTIVAL」にて来日し、レッドマーキーステージを湧かせた彼等。この時のステージは俺も遠目に目撃してますが、確かにインパクト大でしたよ、この構成(ギターとドラムのみ)でこのサウンドでこの曲‥‥丁度世間が「ロックンロール・リバイバル」なる言葉で盛り上がり、THE STROKESを始めとしたガレージ/ストレートなロックンロールバンドが注目されることが多く、その一環として彼等も持ち上げられたんでしょうけど‥‥明らかにそれらとは一線を画する存在だったのは‥‥言うまでもなく。その後、2003年リリースの4th「ELEPHANT」ではセールス的にも大成功し、とうとうグラミー賞まで受賞、2004年の「FUJI ROCK FESTIVAL」ではモリッシーのキャンセルにより結果的に最終日のヘッドライナーを務めることになる‥‥正に順風満帆という言葉が相応しい活躍ぶりだったわけですよ。そんな中、然程長いインターバルを置かず、約2年振りにリリースされた今回の「GET BEHIND ME SATAN」、一体どんな作品に仕上がっているのか‥‥

 実際、アルバムを手にしてCDプレイヤーで再生している時、曲が進むに連れ新鮮な驚きとどよめきが自分内で起こったんですよ(笑)。前作辺りから変化球的な楽曲が現れ始めてたんですが、今回はアルバム自体が変化球と呼ぶことができるんじゃないでしょうか。ストレートなガレージロックナンバーが数曲のみで、それ以外はピアノやマリンバ等といった楽器を主軸に置いたナンバー目白押し。が、それらが全て『THE WHITE STRIPESの曲』として成立してしまっている、いやさせてしまっている強引さ。ポップなナンバーでもグイグイと聴き手を引っ張っていく魅力や中毒性の強い作品集に仕上がってるんですよ。実際、いつも通りのストレートな "Blue Orchid" で小気味良くスタートすると、もう次の曲からはピアノ中心の曲が続くわけですから。曲によってはエレキギターやアコースティックギターを被せている、いわばライヴを想定したというよりは「アルバムとしての完成度」を重視してレコーディングされたテイクが多く、常にライヴではジャックとメグの二人のはずなのにどうするんだろう‥‥という心配までする始末。それくらいよく出来てるんですわ。

 けど、それでいて作り込まれた感が強いのかというと、実は全然そんな印象がないんですよ。これでも無駄を極限まで削ぎ落としたシンプルさが目立ち、必要だからピアノだとかマリンバを入れた、必要だからそこにギターも被せた、だけどオーバープロデュースではない。そのギリギリな感じが彼等らしく、驚きはしたものの最後まで安心して聴ける作品として完成されてるわけ。実はもの凄いアルバムなわけですよ、これ。

 実験的要素という意味では‥‥何となくLED ZEPPELINの3rdアルバムに通ずるものがあるかな、なんて思ったりして。いや、たまたま最近よくZEPのアルバムを聴いてたもんだから、余計にその辺りと比較したくなったのかもしれません。実際の音楽性は別物ですけどね。しかしねぇ、まさかここまでギターとピアノの比重が逆転するとは思ってもみなかった。とかいってライヴではギター比重が高かったりするんだろうけどね。そんな彼等のライヴを、数日後に観に行ってきます。2004年のフジロック以来だし、この新作のサウンドをどうライヴで表現(「再現」ではなく、あくまで「表現」ね)するのか‥‥非常に楽しみだったりします。あーきっとライヴが昨年中にあったら、迷うことなくこのアルバムを10枚に選出してたんだろうなぁ。



▼THE WHITE STRIPES「GET BEHIND ME SATAN」(amazon:DVD付限定盤日本通常盤US盤

投稿: 2006 01 09 07:57 午後 [2005年の作品, White Stripes, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/01/08

BULLET FOR MY VALENTINE『THE POISON』(2005)

 さて、2006年一発目のレビューなんですが、まだまだ2005年を引きずってみようかと思います。というのも、時間がなさ過ぎて紹介し切れなかった2005年リリースの素晴らしいアルバム達が、まだまだ沢山あるわけですよ。2006年は始まってまだ1週間ちょっとってことでリリース数も少ないことですし、そっちはまぁ今月末辺りから徐々に‥‥増えてくんじゃないでしょうか。それまでは昨年リリースされた良作や、昨年末に観たライヴのレポート等を紹介していきたいと思います。

 ま、そういいながらも実は今日紹介するバンド、BULLET FOR MY VALENTINEについては‥‥2006年のライヴ観戦一発目が彼等だったんですよ。こちらについてはネタバレも多いのでまた後日アップということで‥‥今日はそのライヴの感想も踏まえつつ、彼等が昨年10月にリリースした1stフルアルバム「THE POISON」についていろいろ書いてみようかと思います。何せ自身の2005年度ベストアルバム10枚に入れたくらいですからね。本国イギリスでは2004年にリリースされ、日本とアメリカでは2005年夏にリリースされた1stミニアルバム「BULLET FOR MY VALENTINE」で強烈なインパクトを我々に与え、同年夏の「SUMMER SONIC」では先に大阪に登場し、各所に話題になる位素晴らしいステージを披露したものの、翌日の東京ではドラマーが高熱でダウンし出演キャンセルとなってしまったため、再来日が熱望されていたわけですが‥‥その待望の初単独ツアーを昨日、渋谷クラブクアトロで観てきたんですが、とにかく噂通り素晴らしいライヴでした。

 そのライヴでもこの「THE POISON」の曲を中心に披露していたんですが‥‥正直な話、最初この1stアルバムを聴いた時、EP程のインパクトはなかったものの曲はまぁ良いよなぁ、繰り返し聴いたら更に良さが増すタイプかな‥‥って感じたんですよ。結果としてはベストアルバムに選ぶ位に気に入ったんですが、それでも‥‥なんつーか「型」にはまり過ぎてて、ちょっと面白味に欠けるかな、どの曲も似たり寄ったりなんじゃないかな、なんて思ったりもしてて。まぁ新人だし個性が強まるのは2nd以降かな、なんて偉そうに上から目線で彼等を語ったりとかしてね。

 けど、実際にライヴで披露された彼等の楽曲はどれも非常に個性的で、まぁライヴ自体は短いものだったんですが、決して「同じような曲が続く」タイプのライヴではなく、しっかり各曲が独立した個性を放ってたんですよ。ま、1st EPの曲も同様なんですが‥‥最新型のメタルと呼んでも差し支えないですよね。スクリーモから派生したバンドだとは思うんですが、彼等はウェールズ出身ってことで同郷のFUNERAL FOR A FRIENDやLOSTPROPHETS(彼等は本国ではレーベルも一緒だし)辺りと比較されてるようで‥‥LOSTPROPHETSはともかく、FUNERAL〜との比較は何となく理解できるんですね。彼等もステージでは非常にメタリックな印象が強かったし。でも、BFMVの場合はもっとこう、昨今のメタルコア寄りというか。スクリーモのフォーマットを準えているものの、精神性はメタルなんですよね。だから所々に30代以上のメタル通過組にも判りやすい要素‥‥スラッシュメタルの構築美であったり、IRON MAIDEN辺りのオールドスクール的ツインリードソロが多用されていたりして、非常に「判りやすい」わけ。

 更に歌詞に目をやると、メタル特有の歌詞とも違う恋愛をテーマにしたものが多く見受けられるんですよ。そこが面白いな、とも思うわけ。ステージではメロイックサインを掲げててヘッドバンギングしてるわけですが、実は歌われている歌詞はそっち方面だという‥‥女性客、しかも若い子が非常に多かったのも何となく頷けるかな、と。男性はどちらかというとサウンドに魅せられた人が多く、女性は歌詞やルックス(アイドル性も高いですしね)に惹かれる‥‥というのはちょっと端的かと思うけど、そう言われるとちょっと思い当たる節もあったり。それくらい固定層のみならず、もうちょっと多方面にアピールする要素をもったバンドだな、と。

 かなりアルバムの話題から離れてしまいましたが、要するにメタルファンやスクリーモを愛聴するロックファンだけでなく、もっといろんな人達に手に取って欲しいかな、と思うわけ。メタルと聞いて敬遠する人は多いでしょうけど、恐らく2006年はこのバンドにとって飛躍の年になるはずなので、ここらでひとつチェックしておいて欲しいな、と。アメリカでのリリースも控えてるし、その後はUSツアーもあるでしょう。そして恐らく今年の「SUMMER SONIC」には再登場するでしょうね、東京でのリベンジを含め。その時は間違いなくマリンスタジアムで演奏することになるのかな‥‥今回はクアトロクラスだったけど、間違いなくスタジアムでの演奏も似合うタイプなのでそっちも楽しみだし。

 決して「先物買い」って意味ではなく、本当に素晴らしいバンドだと思うし、素晴らしく完成度の高い作品集だと思ってるので、機会があったら是非聴いてみてください。逆にこれを切っ掛けにメタルの世界に足を踏み入れる可能性も高いかもね‥‥



▼BULLET FOR MY VALENTINE「THE POISON」(amazon:日本初回盤日本通常盤UK盤US盤

投稿: 2006 01 08 02:47 午前 [2005年の作品, Bullet For My Valentine] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/12/28

NINE INCH NAILS『WITH TEETH』(2005)

 NINE INCH NAILS通算4作目(!)のオリジナル・フルアルバム。前作「THE FRAGILE」リリースが1999年9月だから‥‥丸々5年半振りってことですか。まぁトレント・レズナーの場合アルバムのリリースサイクルが基本的に5年周期ってとこがあるし、その5年の間にもリミックスアルバムやら映像作品をリリースしてくれているので、さすがに「そんなに出してないのか!」と気が遠くなることはありませんが、それにしても‥‥1989年のデビューから早16年、たった4枚のオリジナルアルバムだけでここまで辿り着いたのは奇跡というか、ホントの意味での『アーティスト気質』なお方なんですね。改めて尊敬します。

 そんな自分に厳しい『アーティスト気質』なトレント。これまではほぼひとりで完璧に作り上げた作品集が大半でしたが、今回のアルバムはちょっと違っています。まず本人も語ってる通り、今回のアルバムは過去の作品‥‥特に前作「THE FRAGILE」や前々作「THE DOWNWARD SPIRAL」と比較して、非常に軽くてコンパクト、且つラフな作風なのです。それはサウンドアレンジがバンドサウンドを意識したもの、ライヴ感を強く感じさせる曲がアルバムの骨格を作っているからかもしれません。勿論そういった楽曲だけではなく、これまでのトレントらしい内向的で『個』を感じさせる楽曲も含まれているのですが、どうしても最初に耳がいくのはそういったバンドっぽい楽曲。これまでもライヴではバンドを引き連れてツアーを重ねていたわけですが、ここにきて急にバンドでも組みたくなったのか‥‥それとも『ソロ』としての重圧から逃れたかったのか(ま、そうはいってもアルバム自体はバンド録音ではなく、大半がトレントによるものなんですけどね)。ソロでデビューしたアーティストが突然バンドを始めたくなる、というのはよく耳にしますが、もしかしたらトレントもそういう時期だったのかもしれません。事実、今回のアルバムをフォローするツアーでは、非常に『バンド』として機能してるように見えましたしね。

 初めてアルバムからの先行カット "The Hand That Feeds" を耳にした時、何となく1stアルバム「PRETTY HATE MACHINE」と重なるものを感じました。曲がここ1〜2作程ひねくれてないとか、ド直球ストレートな楽曲だとかいろいろ思うことはありますが、とにかく曲に漂う空気感が非常に1stのそれに似てるなぁと感じたのです。それは「WITH TEETH」というアルバムを通して聴いた時にも同様でした。これまでの『悩める孤高の王子』というポジションから一転し、新しい『オモチャ』(=バンドサウンド)を手にして嬉しくて浮かれまくってるような、張り切ってるような‥‥そういう初期衝動的な空気が少なからずこのアルバムには存在すると思うのです。

 これまでのNINの作品は、一度出来上がった楽曲を更にリミックス作業を施してから世に出すような、『生モノを合成着色料で加工した』作品集だったように思うのですが、「WITH TEETH」に関してはその『合成着色料で加工』する作業をせずに世に出してしまった、いわばプロトタイプ的作品集なんじゃないかな‥‥そういう意味では新機軸だし評価に値すると思います。ただ、過去の作品‥‥特に前作、前々作と比較してしまうとどうしても一歩劣るかな、という気もします。勿論作品の好みは人それぞれですし、個人的にはどのアルバムも好きなのですが。仮に一歩劣るからといってそれが駄作という意味ではなく、「常に150点取ってた奴が、今回は120点だった」くらいの評価ですよ。そう、通常のロックアルバムとして考えれば水準以上の内容なんですからね。



▼NINE INCH NAILS「WITH TEETH」(amazon:日本盤日本盤DVD付US盤

投稿: 2005 12 28 12:31 午前 [2005年の作品, Nine Inch Nails] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/12/25

曽我部恵一『ラブレター』(2005)

 曽我部恵一の、ソロアルバムとしては通算5作目となるオリジナルアルバム。先頃一般流通されるようになった「sketch of shimokitazawa」も本人にとっては「オリジナルアルバム」という認識だそうなので、今年は2枚の、異なる作風のアルバムがリリースされたことになります。しかも共に素晴らしい内容なもんだから甲乙付け難いんですよね。2005年の10枚を選ぶ時にホント悩みますよ‥‥最後は各人の趣味が大きく影響するかと思いますが。とかいってたら、年末になってこれまた素晴らしいライヴアルバム「LIVE」(しかも「曽我部恵一BAND」名義)をドロップしてくれて‥‥ホント凄いわこの人は。同い年のミュージシャンとして、心の底からリスペクトしてます。

 さて、肝心の「ラブレター」の内容はというと、個人的には昨年リリースされた前々作「STRAWBERRY」の延長線上にありつつも、更に激しく、若々しくロックンロールしまくる1枚に仕上がってます。オープニングの "バタフライ" のサビでの爆裂振りからも伺えるように、とにかく初期衝動的な音がそこら中に詰め込まれていて、それでいて彼らしいポップでメロウな歌にしっかり仕上がっている。自主レーベルに移行したからってわけじゃないでしょうけど、とにかく「今やりたいことを、今この瞬間真空パックにする」かのような音作り/作品作りに見事に直結していて、それが今年の多作振りという結果に表れているんじゃないかと。メジャーじゃここまで軽いフットワークじゃできなかったんでしょうね。

 LED ZEPPELINの "Rock And Roll" を彷彿させるドライブ感を持ち合わせた "ハルコROCK"、最近の若手バンドにも全然負けてないギターポップナンバー "ねむれないあの娘のために" や "きみの愛だけがぼくの♥をこわす"、切ない弾き語り "抱きしめられたい" や "ラブレター" etc...とにかくいろんなタイプの曲が詰め込まれていて、前作・前々作にあったような統一感は感じられないんだけど、この「今やりたいことを〜」という『Do It Yourself精神』を真空パックしたアルバムは、荒々しいんだけど優しく心に響くという意味で、非常に奇跡的な作品なんじゃないか、と思ってます。こんなアルバム、そうお目にかかれるもんじゃないですよ。

 そして、こういうアルバムを聴かされてしまうと、どうしてもライヴが観たくなっちゃうんですよね‥‥実は俺、ここ最近は彼の弾き語りライヴしか観てないんですよ。それはそれでラッキーなんですけど、なんだかもの凄く損をしてる気もしないではないんで、来年はガンガン彼のライヴに参加できたらな、と思っております。

 とにかくね、多くの人にもっと届けたい1枚。



▼曽我部恵一「ラブレター」(amazon

投稿: 2005 12 25 10:51 午後 [2005年の作品, 曽我部恵一] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/12/20

THE HELLACOPTERS『ROCK & ROLL IS DEAD.』(2005)

 スウェーデンが誇る爆走ロケンロールバンド、THE HELLACOPTERSの約3年振り、通算6作目となるオリジナルアルバムは、そのタイトル「ROCK & ROLL IS DEAD.」にドキリとさせられるものの、内容はどこを切り取ってもロックンロール以外の何ものでもない純度の高いサウンドが詰まった好盤に仕上がってます。もはや先の『爆走ロケンロール』なんて枕詞すら似合わないような、渋くて味わい深い枯れた音を鳴らすバンドへと変化(深化)してしまってますが、本質的な部分‥‥ニッケ・アンダーソンが持つポップでカッコいいシンプルなロケンロールという要素は何ひとつ変わってないわけで、後はもう聴き手の受け取り方次第なんですよね。

 日本盤リリースが本国よりもだいぶ遅れ(北欧及びヨーロッパでは既に5月にリリース済み、日本盤は何故か9月まで待たねばなりませんでした)、話題となるタイミングも来日する機会も失ってしまい、例えば他の北欧ガレージ勢‥‥THE HIVESやCAESARSといったバンド程メディアで取り上げられる機会も少なく、来日に至っては前々作におけるツアー以来実現しておらず、かれこれ5年以上日本にやって来ていないことになります。確かに初期の頃のような破天荒なサウンドではなく、特にここ1〜2作はソウルやサザンロック辺りにも傾倒した方向性も取り入れているので、どうしてもパンキッシュなものを求める古いファンには辛いかもしれないし、また先に挙げたような他の北欧勢と比較しても地味で取っ付き難いという印象があるのかもしれません。が、一度ハマったら抜けられない、深い世界観はこの手のバンドの中でも一番じゃないかと個人的には思ってます。同じオルガンを使うにしても、CAESARSとTHE HELLACOPTERSとではその味付けが全く異なりますからね。ちなみに俺の好みは‥‥言うまでもないでしょ?

 今回のアルバムもメジャー移籍後の過去2作の延長線上にある作風で、特に地味過ぎた前作よりは派手さが復活しています。とはいっても、それは初期のような『MOTORHEADやMC5みたいなパンク路線』に戻ったわけではないのでお間違えなく。基本的には黒っぽいシンプルなロックンロールであり、所々にファストナンバーが挿入されていて良いアクセントになっています。1曲目の "Before The Fall" なんてまるで『THE HELLACOPTERS版 "Rock And Roll Music"』だし、5曲目の "Bring It On Home" はどことなく2ndや3rd辺りのファストナンバーにも通ずる色がありつつも、構築するアレンジそのものは今のTHE HELLACOPTERSなんですよね。ミドルナンバーは相変わらず哀愁漂う泣きメロ満載だし、とにかく無駄が一切ないんですよ。どの曲もコンパクトにまとまってるし、演奏にも無駄がない。そういった要素を全て削ぎ落としてより純度の高いロケンロールを目指している。それが今のTHE HELLACOPTERSなんでしょうね。勿論、初期の彼等が『純度が低かった』わけではないですよ。あれはまた違ったベクトルを持ったピュアなサウンドだったわけで、全てはその表現方法の違いなんですよね。

 タイトなリズムに小気味良いオルガンやピアノ、そして気持ちよいリフに暴れまくるギターソロ。男気溢れるボーカル‥‥まさかこの男が昔はデスメタルバンド(ENTOMBED)で曲を書きドラムを叩いてたなんて、誰も想像できないでしょうね。ま、そんなニッケは最近再びデスメタル・ユニットにてアルバム制作を画策中らいしですけどね。そっちも非常に気になるんだけど‥‥まずはTHE HELLACOPTERSで来日してくださいよ! マジで!! ライヴを観ればみんなも一発でノックアウトされるはずだから。だって彼等は『ロックンロールバンド』なんだからさ。



▼THE HELLACOPTERS『ROCK & ROLL IS DEAD.』
(amazon:日本盤US盤US再発盤

投稿: 2005 12 20 12:32 午前 [2005年の作品, Hellacopters, The] | 固定リンク

2005/12/19

LOST IN TIME『時計』(2005)

 LOST IN TIMEの1年5ヶ月振り、通算3作目のオリジナルアルバム「時計」は、過去2作と比較しても最も穏やかで、最も人肌に近い温もりを持ち、最も自然に鳴っているアルバムに仕上がってます。この1年半に彼らが経た成長の数々は、実際にそのステージを観ればお判りいただけると思いますが、それが見事に『形』としてこのアルバムに表れているのではないでしょうか。

 このアルバムが過去の2枚と比べ、また実際のライヴでの彼らと比較すれば非常に落ち着いた作風で、実際「ライヴでの良さが上手く生かされていない」という声をファンの間からよく聞きます。実際、俺も初めてこのアルバムを聴かせてもらった時、そういった印象を持ちました。何て言うか、非常に小さくまとまってしまっているような‥‥そんな気が。けど違ったんですよ。

 12/18に新宿厚生年金会館で行われたワンマンライヴで、このアルバム収録曲を、アルバムと全く同じ楽器編成で演奏したんですね。曲によってはベーシストやキーボードのサポートを入れたりして、可能な限りアルバムのサウンドに近いサウンドでこのアルバムの曲を表現しようとした。ポイントはここにあるんじゃないかな、と思うんです。

 ライヴを中心に活動し、そこで生まれていった楽曲達をレコーディングして制作された1枚目や2枚目のアルバム。リリースを重ねる毎に彼等なりの成長が伺えるわけですが、この3枚目に関しては楽曲自体はライヴ先行で発表されてきたものの、それをいざレコーディングしようとした時に、良い意味での「ミュージシャンとしての拘り」が生じていき、スタジオワークならではの試行錯誤を繰り返したのかな‥‥非常に練られたアレンジを耳にするに連れ、そういったことが脳裏を過るのです。特に彼等のようなトリオバンドの場合、どうしてもそういったアンサンブルに対する拘りが作品を重ねる度に高じていくのは至極自然なことだと思うんですね。

 方向性に関してはファンそれぞれに思うところあるでしょうし、勿論俺の中にも「こうであって欲しい」みたいな思いはありますが、ああいうライヴ(12/18の厚生年金会館)を観てしまった後となると、このアルバムはまた違った聴こえ方をしてくるし、それまで見えて(聴こえて)いなかった面(音)が改めて顔を出したりして、非常に興味深く楽しむことができます。元々このアルバムはスルメ的要素が強い1枚だと思うんですが、その思いは更に強くなりましたね、自分の中で。

 ライヴを経て成長していった楽曲が、レコーディングで練られることで新たに生まれ変わり、更にライヴを繰り返すことでまた新たな地平へと辿り着く。このアルバムの楽曲達は今後もっと違った色を放っていくだろうし、このアルバムもツアーが終わる頃にはまた違った評価を受けるようになる‥‥そういう気がしますね。作り手の人柄がダイレクトに伝わる、こういう時期だからこそ浸りたい音が詰まった、非常に人間臭いアルバム。今年はこのバンド(のライヴ)に出会えたことが、非常に大きな収穫だったと思います。これを読んで興味を持った人、是非アルバムを聴いて、また機会があったら是非ライヴも観てください。ふたつ合わせて初めて「LOST IN TIMEというバンド」が理解できるはずですから。



▼LOST IN TIME「時計」(amazon

投稿: 2005 12 19 02:15 午前 [2005年の作品, LOST IN TIME] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/12/18

後藤真希『プレミアムベスト①』(2005)

 今年の後藤真希は年頭に「3rd ステーション」(→レビュー)という非常に良く出来たポップアルバムをリリースし、更に「スッピンと涙。」(→レビュー)という、これまた非常に優れた楽曲をリリースし、数こそそれまでとは比較にならない程少なかったものの、非常に充実した1年だったんじゃないかな、と勝手に思ってます。

 んで、そんなリリースの少なかった今年を締めくくる作品として、ベスト盤がリリースされることになったわけですが‥‥ソロデビューから約5年、気づけば彼女も20才になって、確かにここでひと区切りつけるにはいいかもしれませんね。モーニング娘。や松浦亜弥以外にこうやってベスト盤を出せるのは、今や彼女くらいでしょうしね。

 基本的にはシングルコレクション的内容で、ソロデビュー曲 "愛のバカやろう" から最新シングル "スッピンと涙。" までの12曲(ミュージカル用の企画盤的色合いの「サントワマミー/君といつまでも」こまっとう後浦なつみの曲は収録されず。ま、後者2ユニットの曲は2nd、3rdアルバムでそれぞれカバーされてますしね)+DEF.DIVAのソロテイク、モーニング娘。のオーディションで歌い、初の紅白出演でも歌った "オリビアを聴きながら"、そしてアルバム用新曲の "「二十歳のプレミア」" の3曲を加えた計15曲という太っ腹な内容。これから後藤真希を聴こうって人(がどれだけいるか疑問ですが)にとってはうってつけの入門編となってます。

 が、そういった単なるコンピ盤として流してしまうには惜しい1枚でもあるわけでして‥‥例えば、シングル曲にもいろいろと仕掛けが施されてたりするんですね。全15曲中、既出曲のテイク違い/バージョン違いも含めると約半数の7曲が別テイクなり新録音だったりするんですよ。「シングル全部持ってるし、ベスト盤の類はいいや〜」と思ってスルーしようとしてたそこのアナタ。悪いことは言わないから買ってみなさい!

 1曲目の "愛のバカやろう(バカやろうVersion)" は基本的にはシングルと同テイクなんだけど、サビに行く前のブレイク部分に後藤自らの「‥‥バカやろう‥‥」っていう呟きが挿入されている新バージョン!‥‥って子供騙し同然なわけですが(苦笑)。問題はここからですよ。5曲目 "抱いてよ!PLEASE GO ON(2005夏ハロー!Version)" はなななんと! 夏のハロー!プロジェクトのコンサートからのライヴテイク! 曲自体はTV用のハーフサイズなのですが、ライヴならではの後藤の煽りやヲタの声援やPPPH(!!!)まで収められていて、臨場感は伝わってきます。ヲタ声の入ったライヴテイクをこういったアルバムに収録することに賛否あるかと思いますが、何故彼女が「ライヴが凄い!」と言われるのか、その片鱗を伺い知ることが出来る1曲になってるんじゃないかな? しかも選ばれた曲が、シングル曲では最もハードでアッパーな類。ちょっと久し振りに後藤コンに行きたくなったよ。

 2曲目に収められたDEF.DIVA "好きすぎて バカみたい" はアレンジこそシングルと同テイク(だよね?)なものの、ボーカルは完全に後藤ひとり。1曲目が5年前のテイクだから、その5年の成長というか時の流れを十分に感じさせるテイクだと思います。この配置は良いなぁ。「愛のバカやろう」から「好きすぎて バカみたい」っていうタイトルの流れも良い。

 12曲目からの4曲は全てこのアルバム用に録音されたであろうリテイク&新曲。"サヨナラのLOVE SONG(純情Version)" はバックトラックを一新し、ボーカルも再録音されたテイク。歌謡曲チックだったシングルテイクと違い、ここでは高橋諭一アレンジらしいポップな仕上がりで、これはこれでアリ。っつーか俺、こっちの新テイクの方が好きだ。ただ、フェイクを含めた歌い回しはシングルの方が好きだけどね。

 13曲目 "オリビアを聴きながら" も「2005 Version」ってことでアレンジ/ボーカル一新されたもの。そつなくこなしてるよなー、アレンジも歌も。昔の後藤だったらちょっと不安定なとこもあったはずなのに、軽く歌ってるんだよな、今だと。いい具合に肩の力が抜けてるっていうか。力入れるところでは思いっきり力んで、こういう曲ではサラリと流す。この5年の成長が伺える1曲じゃないでしょうかね。

 14曲目は彼女の2ndシングルとなった "溢れちゃう...BE IN LOVE" の3つ目のテイクとなる「プレミアムVersion」。オリジナルのシングルバージョンのアレンジが非常にアレだったため(要するに、海外の某アイドルの某曲にアレンジが激似してたってわけ。ま、インスパイヤでしょうけどね、あれも)、1stアルバム収録時にはアレンジを一新し、そして今回はR&Bバラード調に生まれ変わってます。これもアレンジは高橋諭一。3曲連続彼のアレンジで、いい仕事しまくり。ちょっと "SHALL WE LOVE?" の藤本美貴バージョンを思い出しました。

 スローな曲が3曲続いた後、アルバムを締めくくるのが完全新曲となる "「二十歳のプレミア」"。後藤らしい、元気のよいポップチューン。最後はこうやって締めるのが如何にも彼女らしいというか。シングルにはならないものの、アルバムの中の1曲としては十分な出来だと思います。

 とまぁ新曲/新テイクに関してのみコメントしましたが、全体を通して聴くと‥‥非常に流れが良いんですよね。単なるシングル曲の寄せ集めはなずなのに、意外と良い流れなんですよ。冒頭2曲の「バカ繋がり」も良いし、そこからストーンと落とす "手を握って歩きたい"、そして名バラード "スッピンと涙。" で最初の山場を作り、勢い良くライヴテイクの "抱いてよ!PLEASE GO ON"、それを受けてポップでキャッチーな曲が延々続く‥‥なんだ、後藤ってこんなにいい曲を沢山貰ってたんだ、と今回改めて実感したりしてね。

 以前、「迷走こそ後藤真希の美学」なんて言ってた俺だけど、その迷走の記録をこうやってひとまとめにした時に見えてきたもの‥‥それは決して「無駄」なんかじゃなかったってこと。非常に意味のある迷走だったんだな、と。ホント、いい歌い手に成長したもんだ。



▼後藤真希「プレミアムベスト(1)」(amazon

投稿: 2005 12 18 12:30 午前 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/12/17

MO'SOME TONEBENDER『Rockin' Luuula』(2005)

 あるひとつ(ひと組)のアーティスト(バンド)を好きになる瞬間って、様々なわけじゃないですか。たまたまラジオやテレビで耳に/目にして気になったり、他人に勧められて借りた音源を聴いた時だったり、あるいは無防備な状態でイベント会場とかでいきなり出くわした時とか‥‥でもやっぱり、ライヴでいきなり好きになってしまったバンドって、その後も凄く尾を引くと思うんですね。

 俺とMO'SOME TONEBENDERとの出会いは、多分2001年頃のフジロックだったと思うんだけど、正に無防備な状態でたまたま臨んだら、完璧にノックアウトされちまったわけ。気づいたら帰りに岩盤の物販テントで彼等のアルバム(まだメジャーデビュー前だったので、「DAWN ROCK」「echo」を慌てて買って。帰りの車の中で、延々聴いてたなぁ。そのくらい衝撃を受けたわけ。翌週くらいに開催された「ROCK IN JAPAN FES」でもしっかりお目当てのひとつに入れて堪能したしね。この時はもう曲もある程度把握出来てたので、また違った楽しみ方が出来たなぁ。そして同年秋にメジャーデビュー。ライヴを観る機会はその後あまりなかったけど、音源だけはしっかりチェックしてて。「TRIGGER HAPPY」を初めて聴いた時は、とにかく「なんじゃこりゃー!?」ってなって、このバンドは更に上にいこうとしてるなってのが伺えたよね。でも‥‥続く「THE STORIES OF ADVENTURE」を俺、何故かチェックしてなくてさ。今日に至るまで、まだ聴けてないのね。たまたまタイミングが悪くて買えてなかっただけであって、決して彼等に対する評価が下がったり興味がなくなったわけじゃなかったんだけど‥‥今となっては恥じるしかないね、マジで。

 最近になって身近の知り合い達がこぞって「今の」モーサムを絶賛してて。当然シングルも聴いてない、ライヴもちゃんと観てない俺はその理由が判らなくて。朝霧JAMでチラッと観ただけで、その時は場違いだなーって思っちゃってハナから観る意思がなかったんだけどさ。

 先日、PIXIESのライヴを観に行って。新木場STUDIO COASTでやったやつ。ビークルとかモーサムがサポートに付いてさ。もともとPIXIESは観るつもりだったんだけど、他のバンドも観れるならってことでこの公演を選んで。

 でね‥‥生涯で二度目、またモーサムのライヴでもの凄いショックを受けたわけ。そりゃPIXIES目当てだったし、まぁついでにモーサム観れるならくらいの軽い気持ちだったんだけど‥‥嗚呼、これはみんな絶賛するわけだ。つーか何だこれ!? 何時からこのバンドはこんなことになってるんだ!?ってさ。とにかくショック以外の何ものでもなかったわけ。正に手に汗握るようなライヴ。初めて彼等を観た時とは全く違うレベルのショック。これだからロックはたまんないし、ライヴ行くのが止められないんだよ。

 そしてライヴ終演後、当然のようにモーサムのニューアルバム「Rockin' Luuula」を物販で買ってる俺。これも初めて観た時同様だね。

 聴いてないので前作との比較もできないし、もはや「TRIGGER HAPPY」以前と比べることに意味があるのかさえも判らない。ただ言えるのは‥‥ものスゲーかっこいいロックンロールアルバムだということ。曲もキャッチー且つワイルド。所々にグラマラスな匂いもすれば、ポストパンク的な色も見え隠れする。つまりさ‥‥これまで彼等が表現してきたこと/表現しようとしたことが、ここらで一気に開花し始めてるってことだよね。そう、まだ「開花し始めてる」段階なんだよ‥‥そのブレイク前夜的な瞬間を真空パックしたのが、今回のアルバムなんじゃないかと思うわけ。

 つまり‥‥このバンドは、この先まだまだ上へと昇りつめますよ! ライヴを重ねれば重ねる程、このアルバムの曲は生き物のように成長するだろうし、バンド自身もどんどんとレベルアップしていく。いい意味で「出来上がってない」んだよね。

 先日のライヴを観た時、『あの時』と似たような感覚に陥ったよ‥‥そう、ナンバーガールが「NUM-HEAVYMETALLIC」を発表する前後ね。彼等をナンバガと重ねて観るつもりは毛頭ないし既にモーサム以外の何ものでもないわけだけど‥‥何となく『あの時』と重なった。もしかしたら、『この次』が更に凄いことになってるんじゃないか‥‥そう思わせてくれるバンドが少なくなった今だからこそ、期待したい。勿論今回のツアーにも行きますよ。当たり前じゃないですか!

 ‥‥つーか何回このバンドは、そういった特別な瞬間を作ってくれるんだよ。そしてこの先ももっとそういった瞬間を生み出し続けてくれるんだろうな。ホント凄いバンドになったもんだわ。



▼MO'SOME TONEBENDER「Rockin' Luuula」(amazon

投稿: 2005 12 17 01:00 午前 [2005年の作品, MO'SOME TONEBENDER] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/12/16

THE DARKNESS『ONE WAY TICKET TO HELL...AND BACK』(2005)

 今年2005年初頭、「MOK Radio」にちょいゲスト出演した際や年頭の「RADIO TMQ」で『2005年、期待するアーティストは?』との問いに、俺は真っ先にBON JOVIと答えたわけですが‥‥それじゃこのエントリーはここで終ってしまうので‥‥続いて名前を挙げたのが、今や英国を(いろんな意味で)代表するふたつのバンド、OASISTHE DARKNESSの名前を挙げました。共に本国のみならずアメリカで成功を収めた、ここ数年間では数少ないイギリスの『ロックバンド』ですし、そりゃ期待しますよね‥‥時期的に2005年には新作がリリースされることは判ってたし。

 OASISについてはこの際無視して(笑。彼等については12/23放送の「RADIO TMQ」にて改めて語りますのでお楽しみに!)、今回はTHE DARKNESSについて。

 彼等が最初登場した時、本国の人達でさえ「21世紀にこれかよ‥‥悪いジョークだな」って思ったであろうTHE DARKNESS。2003年当時に'70年代〜'80年代前半に流行ったハードロックを焼き直し、しかもボーカルはフレディ・マーキュリーばりの全身タイツ(キャットスーツ)をまとい、ファルセットを多用する。決してグッドルッキンなバンドじゃない、でも曲だけは最高にイカしててカッコ良かった。DEF LEPPARDやTHE WiLDHEARTSといったバンドが彼等を後押しし、気づいたらアルバムは本国で爆発的に売れまくり、それはすぐにアメリカにも飛び火し、余所者には厳しいあのアメリカで50万枚近いヒットを記録したのでした。勿論ここ日本でも初来日公演は即日完売し、2004年夏の「SUMMER SONIC」で再来日を果たすはずでしたが、直前にボーカルのジャスティン・ホーキンスの急病で来日中止。現在に至るまで再来日は果たされておりません。

 結局ニューアルバム制作に費やされたこの1年。ベーシストのメンバーチェンジがあったり、ジャスティンのソロ活動があったりしたものの、予定よりかなり遅れて何とか2005年中にリリースされた彼等の2ndアルバム「ONE WAY TICKET TO HELL...AND BACK」。予想してた以上の出来て、さすが待った甲斐があったなぁという作品に仕上がってます。

 基本的には1st「PERMISSION TO LAND」の延長線上にある作風であり、アルバムからの1stシングルである "One Way Ticket" を聴いても判る通り、前作を更に煮詰めたような濃い内容になってます。ただ、さすがに曲作りやレコーディング(更にはプロデューサー選び)に長い時間をかけたせいか、非常に考えて作られてるなぁといった印象がありますね。1stみたいな勢いで押す部分が幾分後退し、聴き手を引き込むようなメロディやアレンジを持った曲が増えてるように思います。ま、どのバンドにとってもヒットしたデビュー作の後の2ndアルバムというのはひとつの鬼門、慎重になる気持ちも判ります。実際、彼等もかなり苦悩したようですしね。

 でも、これはそんな生易しいアルバムではないですよ。特に後半に進むにつれて‥‥どんどんと濃くてドロドロした方向へと傾いていきます。勿論ポップでキャッチーなロックナンバー、メロウなバラードも用意されていますが、中盤‥‥ "Hazel Eyes" 以降からの流れは緊張感すら伴っています。決してコンセプトアルバムでもなければ組曲でもない。でも1曲1曲に関連性があるように聞こえてくるし、そう配置されてるように聞こえる。曲と曲との隙間が殆どない構成も功を奏してか、全てが繋がってひとつの方向へと突き進んでるように思える。2ndアルバムだからってわけじゃないですが‥‥最初アルバムを通して聴いた時、印象や作風は全く違うんだけど‥‥QUEENの2nd「QUEEN II」をふと思い浮かべました。QUEENにとってもあのアルバムはひとつの鬼門だったわけで、更に彼等のその後の個性を確立するために必要だった1枚なわけで。そういう意味では、この流れって非常に似てるよな‥‥と。そう思ったわけです。

 このアルバムは前作以上に万人に受け入れられるべき作品集だと思います。とにかく、中途半端なヒットはしないでしょうね‥‥思いっきりウケるか、全然ヒットしないか。そういう極端な印象を聴き手に与える、非常に優れた1枚だと思います。ホントいいアルバムであり、ホントいいバンドに成長したなぁ‥‥こういう音を待ってたんだよ、こういう『ブリティッシュロック』をね!



▼THE DARKNESS「ONE WAY TICKET TO HELL...AND BACK」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 12 16 10:33 午後 [2005年の作品, Darkness, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/12/09

CHILDREN OF BODOM『ARE YOU DEAD YET?』(2005)

 フィンランド出身の5人組メロディック・デスメタルバンド、CHILDREN OF BODOMの通算5作目となる今作。前作「HATE CREW DEATHROLL」('03年)からメジャーの「Universal」傘下レーベルからのリリースとなり、ワールドワイドでのブレイクが期待される今、更にそこに一歩近づくに十分なアルバムを作ってきました。といっても、俺が彼等のアルバムを聴くのは今作が初めて。最近何度も書いてるけど、ホント'90年代末以降に登場したメタルバンド、特にメロデス方面には疎いんだよね‥‥勿論チルボド自体は知ってたし、何となく彼等がメロデス・バンドだってことも把握してた。けど、こんなにカッコ良いなんて思ってもみなかったわけ。

 ギター2人(ボーカルが兼任)とキーボードを含む構成だと知って、ちょっと驚いたというのが本音。ツインギターってのは想像してたけど、もっとブルータルでいかがわしいものを想像してたんで、そこにキーボードが入るなんて考えてもみなかった。しかも実際にアルバムを聴いてたら、かなりの比率でフィーチャーされてて、挙げ句ギターとのユニゾンリードパートもあるんだから。ボーカルも思ってた以上にメロウなパートが多く(やはり近作からこういう方向へと移行してったようですね)、曲もただのメロデスというよりは、よりクラシカル且つプログレッシヴなパワーメタル寄り。つーかボーカルがハイトーンの歌い上げ系シンガーだったら、間違いなくDREAM THEATERフォロワーとか言われてんじゃないの? それくらい、音楽的にはデスメタルの要素が薄い。ボーカルだけだもん、もはや。

 曲はホントに練られた、良く出来たものばかりで、楽器隊のテクニックもなかなかのもの。キーボードは味付けというよりは、ギターと同じくらいに重要な要素として含まれる感じ。先にも書いたように、ソロパートも十分に配置され、所々でギターとバトルしたりユニゾンプレイも飛び出す。速い曲もミドルヘヴィの曲もそれぞれに魅力的で、あーこういうのが『チルボドらしさ』なのかしら、と思わせるに十分な個性は確かに感じられました。今、メタルコアの連中がより普遍的なパワーメタルやスラッシュメタル的な方向へとシフトしていく中、一世を風靡したメロデス連中もドンドンとデスメタルから脱却し、より間口の広いヘヴィメタルへと進化しているように感じられます。ボーカルスタイルこそデスメタルそのものだけど、音楽的にはより純度が高いメタルへと昇華されつつあるARCH ENEMYや、もはやメロデスというよりもゴス色が強いメタルと呼んだ方が似合ってるIN FLAMES。このCHILDREN OF BODOMもキーボードを強くフィーチャーしたプログレッシヴなパワーメタル色が今作で強まっている。これは世の中的な流れもあるのかもしれないけど、それ以上にもともと持ち合わせていたカラーなんでしょうね。特に日本盤ボーナストラックとして収録された2曲のカバー(ブリトニー・スピアーズの "Oops" I Did It Again" とPOISONの "Talk Dirty To Me")を聴けばご理解いただけるんじゃないかと。ここじゃもう普通に歌っちゃってますからね、ダミ声だけどさ。もうデスメタルでも何でもないじゃん!

 とにかく、俺には彼等が昔どういう音楽をやってて今こういう風に変化したなんていう情報はどうでもよく、今目の前で流れている「ARE YOU DEAD YET?」というアルバムがメチャクチャカッコいい。それだけでもう十分なわけ。



▼CHILDREN OF BODOM「ARE YOU DEAD YET?」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 12 09 12:30 午前 [2005年の作品, Children of Bodom] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/12/07

IRON MAIDEN『THE ESSENTIAL IRON MAIDEN』(2005)

 2005年7月に、アメリカ限定でリリースされた2枚組ベストアルバム。レーベルは「SANCTUARY」なんだけど、それを配給してるのが米「SONY BMG」で、本国イギリスや日本(EMI系列)ではリリースされておりません。この「THE ESSENTIAL」シリーズ自体がソニー系アーティストのシリーズものなので、まぁ他所の国じゃいろんな権利関係で難しいかもですね。それにメイデンは過去にも幾つか本国主体のベスト盤出てるし、今更要らないか‥‥って気もするけど。

 この夏、「OZZFEST」に出演するということで、USツアー向けにリリースされたのがこの2枚組だと思うんだけど、内容的には最近作から始まり過去に遡っていくといった構成。各アルバムから2曲ずつ選ばれていて、オープニングが現時点での最新オリジナルアルバム「DANCE OF DEATH」収録の、8分半もある大作 "Paschendale"。しかもシングル曲でもなんでもないし。この感覚がアメリカ人のものなんでしょうか。選曲自体にはメンバーは関わってないはずなので、恐らくは‥‥ね。ただその後はシングル曲やライヴでの定番曲を中心に進んでいくので、これからメイデンを聴こうという人にも優しいセレクトになってると思いますよ。

 個人的に感慨深かったのは、やはりアルバム2枚でクビとなってしまった3代目シンガー、ブレイズ在籍時の4曲。「THE X FACTOR」からはよりによって11分以上もあるアルバムオープニグ曲 "Sign Of The Cross" を選んでるんだよね。他にもっといい曲なかったっけ?‥‥って全然覚えてないんだけど。実はそれに続くオリジナル作「VIRTUAL XI」って俺、聴いてないので "Futureal" や "The Clansman" って曲は非常に新鮮でしたね。ブレイズのボーカルも前作とは比べモノにならない程に成長が伺えるし。なのに‥‥勿体ない、とは思わないけど、結局ブルース・ディッキンソンに戻って正解だったと思うよ。全ての面において。彼が戻ってなきゃ、今もこうやってメイデンが第一線で活躍できてたかどうか危うかったと思うし。

 それ以前の‥‥「FEAR OF THE DARK」より前の楽曲については割愛。だって、それこそ中学時代から20代前半まで散々聴いた曲ばかりだからね。

 そんな中、"Fear Of The Dark" は前のライヴアルバム「ROCK IN RIO」('02年)から、ラストの "Running Free" と "Iron Maiden" はこのベスト盤リリース当時はまだ未発売だった最新ライヴアルバム「DEATH ON THE ROAD」から、それぞれライヴテイクを収録してるんですが‥‥兎に角 "Fear Of The Dark" が凄い。イントロのギターフレーズを数万人のオーディエンスが大合唱、勿論歌が始まったら一緒に歌い、途中のギターソロも大合唱。そういやぁRUSHのリオでのライヴDVDで、やはりインスト曲をオーディエンスが一緒に歌うという場面があって大爆笑したのだけど‥‥実はこの感覚、初めてじゃないよね‥‥例えばOASISのライヴ音源とか。そこでピントひらめいたわけ。というのも‥‥

 これってさ、サッカーの応援に似てない? スタジアムでのサッカー観戦と、メタルのライヴ。いやOASISはメタルじゃないけど。イギリスとリオ(ブラジル)、共にサッカー王国。そう、要するに国民性なんですよね。それだけサッカーやロックが生活に根付いている、と。違うかな?

 とにかく "Fear Of The Dark" のライヴ音源におけるオーディエンスの大合唱を聴く度に、軽いジェラシーをおぼえます。悔しいけど、ここまでのシーンには、ここ日本じゃなかなかお目にかかれないしね。少なくともロックのライヴじゃね(サッカーならあるだろうけどさ)。

 ‥‥って何の話だっけ? あそうか、メイデンね。というわけで、メイデンサイコー!(えぇっ、そんなシメなの‥‥)



▼IRON MAIDEN「THE ESSENTIAL IRON MAIDEN」
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投稿: 2005 12 07 12:05 午前 [2005年の作品, Iron Maiden] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/12/06

VADER『THE ART OF WAR』(2005)

 ポーランド出身のデスメタルバンドの、2006年初頭リリース予定のニューアルバムに先駆けてリリースされるミニ・アルバム「THE ART OF WAR」。このアルバムのリリースより前、今年の8/22に前任ドラマーのドックが亡くなるという不幸があったものの、そういった悲壮感を一切感じさせないブルータルなサウンドは相変わらず。ていうか俺、実のところVADERの音源を聴くのってこれが初めてなんですよね‥‥以前から書いてるように、ここ5〜6年のメタルに疎かったもので、全然聴く機会がなかったんですよ。今年に入って自ら積極的にいろいろと聴くようになり、とうとうここにまで辿り着いたといったところでしょうか‥‥

 『ポーランドのSLAYER』なんて触れ込みを以前雑誌で目にした記憶があったので、そういうバンドなんだろうなぁ‥‥と想像してたんですが、成る程そういう例えがピッタリなバンドですね。もっとも、このミニアルバムを最初聴いた時、オープニングの仰々しくてシンフォニックなS.E.には驚かされましたが。勿論、それに続く "This Is The War" での狂気に満ちたツインペダルを聴いてひと安心したわけですが。いやー、単純にカッコいいね。しかも曲が思ってた以上にコンパクトで、CDプレイヤーのカウントを見てないとどこで曲が切り替わったのか気づかないかも。実際、今何曲目?と思って目をやると、既に5曲目だったり‥‥まだ2曲目くらいだと思ってたのに(オープニングや4曲目がS.E.だとは最初気づいてなかった)。1曲の展開が複雑な、それこそSLAYERでいったら「HELL AWAITS」辺りに通ずる感じなのかしら、って勝手に思ってたからね。

 デス声に拒否感を持つ人にはやはり辛いのかもしれないけど、例えば‥‥個人的にですが‥‥ARCH ENEMY辺りと比較すると、VADERクラスのデス声って全然デスっぽくないというか、俺的にはダミ声レベルなんですよね。勿論、SLAYERタイプとはいえ、本家の方がもっとヒステリック且つメロディも備わってたりするんですが、これはこれでカッコいいと思う。つーか有無を言わせぬ強引さを持ってるというか。こっちが考える隙を与えない程のスピードで突っ走り、気づいたら最後の曲まで到達してた、みたいな。そこは凄いな、と素直に思いました。

 過去の名作にも手を出してみようと思ったし、何よりもこれに続くであろうフルアルバムが今から楽しみで楽しみで‥‥ジャケットが過去のイメージとは異なる、非常にSFチックなのもフルアルバムへの布石なのでしょうか。とにかく、ライヴ含めて今気になる存在だったりします。



▼VADER「THE ART OF WAR」(amazon:日本盤US盤UK盤

投稿: 2005 12 06 10:45 午後 [2005年の作品, Vader] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/11/03

HELLOWEEN『KEEPER OF THE SEVEN KEYS -THE LEGACY』(2005)

 HELLOWEENの新作を買うなんて、何時以来だろう‥‥多分アンディ・デリス加入後2〜3作は買ってたから‥‥7〜8年振り? 丁度俺がメタルから離れたのもそれくらいだから、多分間違いないと思う。一度全部売り払って、現在手元にあるのは中古で買った「守護神伝 完全版」「BETTER THA RAW」だけなんだよね。それ以外は‥‥別に聴きたいとも思わないし、聴きたくもならないし。

 そんな俺が今回、このCDを手にしたのは‥‥間違いなく、「守護神伝」の続編という要素が俺の中で引っかかったんだと思う。リアルタイムでは間違いなく1作目の「守護神伝」を聴いてハマり、初来日公演にまで足を運んだ程だから。続く2作目も大好きだったけど、リリース後すぐにカイ・ハンセンが脱退。それと共に自分の興味も少しずつ盛り下がっていき‥‥PINK CREAM 69が大好きだったからアンディ加入後も聴いたけど‥‥結果はご存知の通り。そんな俺が今のHELLOWEENを楽しめるのか、「守護神伝」という偉大な比較対象を前にこの新作とちゃんと接することが出来るのか。謎でしたよ、聴き終えるまでは。

 通算11作目のオリジナルアルバムとなる今回の新作は、2枚組の大作。が、各ディスク40分前後なので、これ無理すればCD1枚に収まったじゃん。って最初は思ったけど、各ディスクの1曲目を聴くと、バラした意味が何となく理解できた気がした。それぞれ1曲目が10数分に渡る長編。多少蛇足かなぁと思えるパートもあるにはあるけど、総じて平均点以上かと。もはやカイ・ハンセン時代と比較するのはナンセンスなんだろうね。個人的にはアンディが書く曲や声が大好きだったけど、このアルバムでは完全にPC69臭が消えてるのね。「らしさ」は所々に残っているんだけど。思えばもう加入してから10年以上経つもんね。マイケル・キスクよりも在籍年数が長いわけだ。

 あと新しいギタリストのサシャがいい仕事してると思う(まだ28才なんだね、驚いた)。曲も相当書いてるんだけど、わざと「ヴァイキーっぽい」、HELLOWEEN王道路線を意識して書いた曲("Silent Rain" 等)とかあって、けど単なるセルフパロディになってない。もうオリジナルメンバーが2人しか残ってないってのも大きいんだろうね。今回から加入したドラムも若々しい手数の多いドラミングで、今回の路線には合ってるんじゃないかと。

 でもなー、シングルの "Mrs.God" が浮いてるんだよね、全体を通しても(この曲最初聴いた時、アルバム期待出来ねーなぁって思って、買うの躊躇したしな)。これだけ初期のおちゃらけ路線っつーか "Dr.Stein" 辺りの流れなんだよね。しかも妙にポップだし。もはやメタルでもなんでもない。楽曲としては悪くないけど、それまでクラシカルで劇的展開をする長尺楽曲が続く中(何せディスク1はいきなり14分、7分、6分ときて)"Mrs.God" で3分欠けますからね。その辺だけ初期の「守護神伝」シリーズっぽいというか。他にも3分代、4分台の曲は数曲あるけど、やっぱりこれだけ違うんだよね。無理矢理シングル曲作りました、みたいな作為があからさまに見えちゃってさ(これ、アンディの単独作なのか‥‥ソロでやればいいのに)。

 ディスク2のオープニング曲 "Occasion Avenue" に過去「守護神伝」シリーズの音源("Eagle Fly Free" とか "Halloween" 等)が挿入されてて、確かに聴くと気持ちが盛り上がる(でもアンディ単独作)。ストーリーの構成とかはまだ歌詞ちゃんと読んでないんで理解してないけど、これはこれでアリなんじゃないの?と思った。あ、キャンディス・ナイト(リッチー・ブラックモアの内縁の妻な)とデュエットしてる "Light The Universe"(これもアンディ単独作)とか良かったな。って結局俺、アンディが書く曲が好きなんじゃん。HELLOWEENじゃなくて、アンディ・デリスのソロアルバム聴いてればいいのか。成る程‥‥ってオイ!

 とまぁいろいろ書いたけど、7〜8年振りに聴いたHELLOWEENの新作、結果としては非常に新鮮でしたよ。もはやこの手のサウンドは古いのしか聴いてなかったし、最近はこういう風になってるんだーってなんとなく見えてきたし。もうちょっと聴き込もうかな。決して数回聴いてハイ終わり的アルバムではないと思ったので。あと、これをどうライヴで表現するのかな、ってのも気になるね。となると、約20年振りにライヴ観に‥‥ってことになるのかしら。いや判らないけどさ。



▼HELLOWEEN『KEEPER OF THE SEVEN KEYS -THE LEGACY』
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投稿: 2005 11 03 11:41 午後 [2005年の作品, Helloween] | 固定リンク

2005/11/02

AEROSMITH『ROCKIN' THE JOINT』(2005)

 AEROSMITHの公式ライヴアルバムって実は3枚しか出てないんじゃないかな。個人的には「CLASSICS LIVE」って余り公式盤って認めたくないんだよね。実際1枚目の方はレコード会社が勝手に出したものだし(2枚目はメンバーが関わったそうだけど、あの音の悪さはどうしようもなく、公式盤とは認めたくないって気持ちが強くてさ)。となると‥‥'78年の「LIVE BOOTLEG」、'98年「A LITTLE SOUTH OF SANITY」に続く通算3作目の公式ライヴアルバムとなるのが今回の「ROCKIN' THE JOINT」だという認識で今後いきたいと思います(誰に対する表明だよ)。

 去年「YOU GOTTA MOVE」という、同年春のライヴを収めたライヴDVD(正確にはライヴドキュメンタリー+おまけライヴCD)が出た後だけに、「またライヴ盤関係?」という声も多いだろうけど、今回収録されているライヴは前々作「JUST PUSH PLAY」に伴うツアー時の音源。2001年末にラスベガスの小規模小屋で行われたスペシャルライヴの模様をCD1枚に収めたもの。「へっ、1枚ものなの!?」とリリース情報が発表された時、ファンなら誰もが疑問に思ったはず。当然ながら、エアロのライヴって2時間、下手したらそれ以上あるはずで、この日のライヴだって相当数の楽曲が演奏されたはず。しかし、アルバムに収録されているのは12曲。しかも1曲目はスティーヴン・タイラーのMCなので、実質11曲。今時11曲しか入ってないライヴアルバムなんて買う奴いるの!?ってくらいに懐疑的だったんだわ。日本盤には更に2曲のボーナストラックが収録されてるから、トータル13曲に繰り上がったけど、それでも‥‥6〜7曲は足りないよね?

 けど、このライヴ盤にはそれを補う「おまけ」が付いていて‥‥同日の模様を収めたライヴDVDが付いてるのですよ!(US盤はDUALDISC、日本盤は別添DVDとしてそれぞれ収録。但し日本盤のみ初回限定なのでご注意)おお、そっちがメインになるのか!!‥‥思ったのものの、実はこっちも「たった」4曲しか入ってないという、ホント「おまけ」以外の何ものでもないわけで(日本盤には更に2曲追加収録されて計6曲になってるけどさ)。一応CDに収録されなかった曲も入ってるから、ちょっと得した気分にはなるけど‥‥正直、こんなの聴いたって悶々とするだけだよファンは!

 実際に聴けば演奏のクオリティは高いし(特にジョー・ペリーとブラッド・ウィットフィールドのギターはハンパなく凄い!)、収録された曲も'70年代の曲が殆どで、ライヴアルバムには初収録となる "No More No More" とか "Seasons of Wither"、"Big Ten Inch Record"、更には8分以上にも渡る名カバー "Rattlesnake Shake" なんかも収録されてるので、それなりに聴き応えはあるのね。勿論ファン以外にもアピールする "Walk This Way" や "Draw The Line"、更には最大のヒット曲 "I Don't Want To Miss A Thing" のライヴ音源も入ってるので、これからエアロかじろうって人にもそれなりにアピールする、かも。

 '80年代〜'90年代前半の‥‥所謂「PERMANENT VACATION」「PUMP」「GET A GRIP」からの大ヒットシングル曲を完全排除し(ていうか正直聴き飽きたし。でも日本盤ボートラには唯一 "Livin' On The Edge" 収録)'70年代の、およそ代表曲とは呼べないようなマニアックな曲を多めに入れたのは評価に値するんだけど、やはり物足りない。当時の新作「JUST PUSH PLAY」の曲もたった2曲しか入ってないし(実際には "Jaded" や "Just Push Play" 等、もっとプレイしてるはず)‥‥正直何故この時期に、こんなにも中途半端な「コレクターズ・アイテム」を発表するのか、理解に苦しみます。

 が‥‥これって、結局はUSツアー用にリリースしたかったんだろうね。ご存じの通り、エアロは昨年7月の日本公演を最後に、長期間の活動休止に突入、何時まで休むとかそういったアナウンスが一切されてなかったんだよね。ところがこの春にジョー・ペリーが久し振りのソロアルバムをリリースした際に「もうすぐエアロとして動く」とコメントし、この秋から小規模ながらUSツアーをすると発表、その後新作のレコーディングに入ることが明らかになったわけで‥‥ただツアーするんじゃなくて、その「いいわけ」を作りたかったのかなぁ、と。バンドとしてではなく、レコード会社としてね(多分「出そう」って言い出したのはレコード会社の方でしょう)。そんな気がするよ。

 今度のツアー、ファンからの人気投票で「アルバム丸ごと、曲順通りにライヴで聴きたい作品」を集ったことから、古めのアルバムがライヴで完全再現される可能性がある‥‥だからこういう選曲('70年代の曲多め)なのかなぁ、と。単なる憶測ですけど。

 けどまぁ‥‥悪くないですよ。悪いわけがない、今のエアロが。第二次絶頂期、まだ続いてますからね。ホント、凄いバンドだよ。呆れるくらいに。



▼AEROSMITH『ROCKIN' THE JOINT』
(amazon:日本限定盤日本通常盤US盤DUALDISC


【AEROSMITH ディスクレビュー一覧】
『AEROSMITH』(1973)
『GET YOUR WINGS』(1974)
『NINE LIVES』(1997)
『JADED EP』(2001)
『JUST PUSH PLAY』(2001)
『HONKIN' ON BOBO』(2004)
『ROCKIN' THE JOINT』(2005)

【AEROSMITH ライブレポート一覧】
2002年2月2日@東京ドーム
2002年2月3日@東京ドーム

投稿: 2005 11 02 08:24 午後 [2005年の作品, Aerosmith] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/10/30

美勇伝『スイートルームナンバー1』(2005)

 正直なところ、去年デビュー曲 "恋のヌケガラ" を初めて聴いた時の印象はそこまで良いものではなかったし、CDを買ってちゃんと聴いた時もそこまでは‥‥のめり込めなかったんですよね。デビュー曲だというのに、非常に微妙な出来だったことも大きいんですが、石川梨華以外のメンバーがド新人ってことで、愛着も全く湧かなかったし‥‥

 その後、この1年1ヶ月の間に彼女達は更に4枚のシングルをリリースしてるんですが、実はどれもちゃんと聴いてないというのがホントのところでして‥‥買ってもいなければ、テレビ(「ハロモニ」等)でも殆ど聴かなかったんですね。そりゃサビ程度は耳にする機会はあったけど、フルコーラスはおろかワンコーラスでさえも知らないという‥‥いや、石川の卒業公演で3rdシングル "紫陽花アイ愛物語" は聴いてるな。でも‥‥あのレポにも書いたけど、全然印象に残らなくて。更に‥‥ホントは俺、5月末の美勇伝の単独ライヴにも行くことになってたのね。けど、直前になって‥‥何だか気持ちがついていけなくなって‥‥チケット持っていながらも、結局厚生年金会館にまで足が向かなくて。その辺りからかな、俺の本格的な『ハロプロ離れ』が進んだのは‥‥

 ま、今でこそあの頃程酷い状態ではないものの、それでも一時程の熱心さはないですよ。音源だって聴いて気に入ったものしか買ってないし、それこそテレビ番組も殆ど観なくなったし。ライヴなんて石川卒業@武道館以来行ってないし。

 でもさ、ここ最近‥‥安倍なつみのシングルとか松浦亜弥のシングルとか、結構好意的に捉えててね。DEF.DIVAでさえ俺、珍しくリリース日前日に手に入れてるし。ま、これらは買う前に曲を聴いて気に入って買ってるわけですが。ところが今回、美勇伝の1stアルバムが出るということで‥‥ "恋のヌケガラ" 以外の曲はまともに知らないのに、更にはアルバム用新曲も一切知らない状態でこのアルバムを予約してまで購入したわけですよ。それは愛情なのか、それとも‥‥単なる怖いもの見たさ(聴きたさ)から? 考えてみれば石川がメインで関わるユニットのフルアルバムってこれは初めてじゃないですか。モーニング娘。時代は10数分の一の役割でしかなかったから、曲によっては彼女の声すら聞こえないものもあった。けど今回は石川は三分の一であり、しかも主要メンバーなわけですよ。どう考えたって彼女の歌の比重が過去最高に高くなってるわけですよ。そりゃ‥‥やっぱり愛情以上に怖いもの聴きたさですわ、うん。

 ところがさ、このアルバムってリリース前後から比較的評判が良かったんですよね。恐らくラジオとかで前もってアルバム曲の幾つかがオンエアされたんだと思いますが‥‥にしてもリリース後になってもあまり悪い意見は聞こえてこない。むしろみんな驚いてるんですよね、「ここまでのもんだとは思わなかった」って。

 シングル5曲を軸にしてそこに新曲6曲を加え、オープニングとエンディングにショートコント風のS.E.を導入した、一種のコンセプトアルバム風なアルバムに仕上がってるんだけど、まぁそんな蛇足がなくても良い程に、かなり良い仕上がりなんですよ。

 正直シングル曲のクオリティがここまで良いと思ってなかったし、どれも捨て難いんですが‥‥個人的な趣味からいうと最近の2曲‥‥ "ひとりじめ" と "クレナイの季節" がすっげーツボなんですね。モーニング娘。でいうところの "AS FOR ONE DAY" 路線とでもいいましょうか、元々あの曲自体石川の声に合ってると思ってた俺からすると、この2曲は正に「石川梨華の曲」という印象があるんですが。勿論他の "カッチョイイゼ!JAPAN" もフルコーラスで聴いたら想像以上に良かったし、ライヴで聴いた時は印象悪かった "紫陽花アイ愛物語" も完成度が高い。そうなると‥‥やはり "恋のヌケガラ" のクオリティ(曲自体ではなく、アレンジの方ね)の低さが目立ってしまうんですよ。それが勿体ないかな、と。

 アルバムの為に用意された新曲6曲も総じて素晴らしいと思いますよ。ユーロ調ダンスナンバー "愛 〜スイートルーム〜" や "Tea Break" といった曲の出来もかなり良い方だし、ちょっとエコモニ。の曲に似てなくもない "クラクラ ディナータイム" も悪くない。けどこのアルバムはそういった予定調和な楽曲が主役なのではなく、ラスト3曲‥‥ "唇から愛をちょうだい"、"パジャマな時間"、"まごころの道" が真の意味での主役なんですよ。

 中近東風フレーズとアレンジを導入したニューウェーブチックな "唇から愛をちょうだい" には非常に暴力的なものを感じるし、ケイト・ブッシュかよ!とツッコミを入れずにはいれられない "パジャマな時間" の悪ノリも鳥肌もの。Bメロでのオペラ調ファルセットにはさすがに爆笑させられたけど、こういう曲を彼女達、特に石川に歌わせようと思ったつんく♂、まだまだ衰えてないな、と。聴いてるうちに脳内で飯田圭織、矢口真里、加護亜依の歌声を補完してしまったのは、ここだけの話ですよ。あーそうそう、こういう曲を歌わせたかったんだよなー、って感傷的になっちゃったりしてね。そして最後の "まごころの道" はエンディングに相応しい全うなバラードなんだけど、コーラスやハーモニーを殆ど石川と三好絵梨香が手掛けてるんだよね。だからなのか‥‥すごく自然に感じるのよ、歌が。バックトラックやコーラスが作り物っていう、ハロプロにありがちな匂いがあまりしない。初期のタンポポや娘。っぽいのは曲調のせいだけではなく、そういったところからも感じられるからなのかも。っていうのは言い過ぎ?

 ‥‥どうしても石川梨華に関しては感情的になり過ぎちゃうんだけど‥‥まぁ許してよ、こればっかりは。モーニング娘。を卒業して約半年、やっと俺の中で石川がスタートラインに立てたんだからさ。もしかしたらずっと、こういう作品を石川が出すことを、ずーっと前から‥‥それこそ俺が彼女に興味を持つようになった4年前から‥‥待ってたのかもね。器は「モーニング娘。」でも「タンポポ」でもなくなっちゃったんだけどさ、でもいいよ。

 さぁ、ここからだな。ちょっと本気で楽しみになってきたなぁ‥‥ワクワクするよ、このアルバムを聴くと。ホントに今年はハロプロ関係のアルバムに良作が多いなぁ。



▼美勇伝「スイートルームナンバー1」(amazon

投稿: 2005 10 30 12:05 午前 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, 美勇伝] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/10/29

V.A.『KILLER QUEEN -A TRIBUTE TO QUEEN-』(2005)

 さて、目下絶賛来日中の『QUEEN + PAUL RODGERS』御一行様ですが、やはり来日する前は懐疑的な声があったと思うんですよ、特に古くからのファンから。けど、実際にこの目で見てしまうとやはり‥‥QUEENという偉大さに対してリスペクトをしつつ、ブライアン・メイやロジャー・テイラーがポール・ロジャースという「友人」と思う存分楽しんでQUEENナンバー、更にはFREEやBAD COMPANYの曲を演奏してる‥‥っていうことを、もの凄い説得力を持って披露してくれるもんだから、観る側としては文句の言いようがないわけですよ。だってねぇ、約2時間半近くに渡って、それこそ30曲近くも演奏してくれるんですからねぇ‥‥俺はあのセットリスト見ただけで涙ぐみましたもの。

 そんなQUEEN、今年は「WE WILL ROCK YOU」のミュージカルが日本に来日したり(当然俺も行きましたが)、先のQUEEN + PAUL RODGERSがあったり、もっといえば去年からの「JEWELS」の日本でのヒット等があって、かなりQUEENに注目が集まった1年だったじゃないですか。そんな中、リリースされたのがこのトリビュートアルバム「KILLER QUEEN -A TRIBUTE TO QUEEN-」。アメリカでは8月に、ここ日本では来日公演に合わせて10月後半にリリースされたばかり。リリース元がQUEENのアメリカでの配給元である「Hollywood Records」ということもあり、最も公式トリビュート盤に近い存在な1枚ではないかと思うんですが‥‥如何でしょう? 以前にも「EMI」からこの手のトリビュートが出たこともあったけど、あの時はダンス系のみだったし。今回みたいなロック/ポップス/オルタナティヴといった最もQUEENが影響を与えたシーンからのフィードバックは恐らく初めてのことだと思うので、普段はこの手のトリビュート盤を買わない俺ですら、これは真っ先に買いましたからね。

 参加アーティストはそれこそ多岐に渡り、その辺はAmazonのリンク先を見てもらえば一目瞭然だと思うんですが‥‥みんなそれぞれに原曲に忠実だったり、独自の色にまで昇華させてしまっていたり、その愛情表現の方法は様々で、良い意味で聴きやすく、破綻してないなーと。それが嬉しくもあり、また物足りなくもあり。まぁトリビュート盤というのはそういうのが多いですからね、そこまで過剰な期待はしてなかったですけど。でも聴き応えありますよ、それなりに。完全にゴスペルバラードに昇華してしまったデヴィン・デグロウの "We Are The Champions" もそうだし、ストーナーチックなヘヴィロックへと進化したジョシュ・オム(QUEENS OF THE STONE AGE)が歌いELEVENが演奏する "Stone Cold Crazy" もそうだし、個性的なアーティストっていうのはやはりカバー曲でも己の色へと昇華してしまうんですね。かと思えばSUM41による "Killer Queen" やROONEYによる "Death On Two Legs" みたいに原曲まんまの完全コピーすらある(彼等がここまで素直なカバーをするとはちょっと驚きでした)。あのLOS LOBOSがQUEEN("Sleeping On The Sidewalk")をカバーするというのもある意味面白いし、ジョン・オブライオンによる "Play The Game" もらしくて聴き応えあったし。うん、これだけでも平均点以上ですよね。

 しかし、このアルバムには本当の意味でのハイライトがふたつ用意されていました。それは2曲の "Bohemian Rhapsody" カバーなんですよ。前半のハイライトであるコンスタンティン・Mとミュージカル「WE WILL ROCK YOU」のハリウッド版キャストによるカバーは、原曲まんまなんですが、中盤のオペラパートもミュージカル同様全て完全コピーされてるのがさすがというか。ちょっと鳥肌立ちますね。そしてもうひとつのカバーは、かのTHE FLAMING LIPSによるサイケデリック・バージョン。こちらも基本的には完全コピーに近いんだけど、そこは彼等のことですから‥‥完全にLIPSバージョンになってしまってる。ていうか、彼等のオリジナル曲ですよこれ! 多重録音ならではの中間パートは正に「涅槃からの誘い」ですし、このドリーミーな感じこそLIPSの極みといったところでしょうか。こちらも違った意味で泣けますね。

 とまぁ他にも名カバーは幾つもあるしホントは1曲1曲についてコメントしていきたいんですが、それをやると相当な長さになるんで、今回は割愛。QUEEN好きで昨今のロックシーン(主にアメリカン・オルタナ・シーンね)に興味を持っている人なら間違いなく楽しめる1枚だと思いますよ。これを聴いて改めてQUEENの偉大さにひれ伏すもよし、来日公演前に聴いて気分を高めるもよし。LIPSバージョン "Bohemian Rhapsody" だけでも是非聴いてみてくださいよ!



▼「KILLER QUEEN -A TRIBUTE TO QUEEN-」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 10 29 09:18 午後 [2005年の作品, Compilation Album, Queen] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/10/27

BUCKCHERRY『15』(2005)

 BUCKCHERRY再結成については過去にこのエントリーに情報を書いてるので、その辺を参照してもらうとして‥‥まさかこんなに早く新作が出ると思ってなくて。せいぜい来年の頭頃だろうな、と高を括ってましたよ。ところが‥‥噂通り、今年の頭から楽曲の準備を始めていて、このメンバーが揃ってからいざレコーディングを開始したら‥‥たったの15日で完成してしまったという。それでタイトルが「15」ってことらしいよ‥‥てっきり15曲入ってるからだと思った(実際には13曲しか入ってません)。

 2nd「TIME BOMB」から数えて4年とか5年? まぁそれくらい間が空いちゃうアーティストも結構いるし、別に解散してなかったとしても「久し振りの新作!」ってことでそれなりに話題にはなっただろうね。正直言えば、去年の夏にジョシュ・トッドがソロアルバムをリリースしてるので、全然間が空いた印象がないんだよね。あと‥‥もっと言えば、ジョシュのソロが結構好きだっただけに、BUCKCHERRYに戻る理由が見えてこなかった。てっきりソロバンドは上手くいってるもんだと思ってたから。けど‥‥昔の名前云々よりも、パートナーとしてのキース・ネルソンの存在が大きかったのかなぁ‥‥このアルバムを聴いて、そんな気がしました。

 既にこの夏、サマソニでここに収録されている新曲の幾つかは耳にしてたんだけど‥‥過去のレポートにも書いたように、全然印象に残らなかったのね。まぁあのスタジアムの環境もよくなかったし、なによりもこっちも聴くぞ!っていう心構えがあまりできてなかったし。

 ところが、今回アルバムを聴いてみて‥‥あ、この曲やってた!とか、お、これ聞き覚えがある!っていう曲が幾つかあって。ってことは、ちゃんと記憶に残ってたんだね。ビックリした。

 楽曲自体は過去2作の延長線上にある作風なんだけど‥‥正直、今までで一番良い出来だと思う。楽曲のバラエティー豊かさは過去1番だし、ジョシュのソロみたいにヘヴィ一辺倒ってわけでもなく、中盤にミドルテンポのアコースティック曲やストリングスを導入したパワーバラード的な楽曲もある。如何にもなAC/DC的ハードロックもあるし、疾走パンクチューンもある。要するに、我々がイメージする「BUCKCHERRY像」を忠実に再現しながらも、更にその数歩先を行ってる感じかな。ここまで出来が良いと思ってなかっただけに、これは嬉しい驚きでした。

 楽曲クレジットを見ると、ジョシュやキースのみならず、ベースのジミーやギターのスティーヴ・D、更には外部ライターとしてマーティ・フレデリクセンの名前もある。かなりソングライティングに時間をかけ、丁寧に作られたんだろうなぁというのがこのクレジットからも伝わってくるんだけど、実際に聴くとそういった要素がどうでもよくなるくらいに、次々と登場する楽曲達に耳を奪われる。いや、まさか2005年にここまでBUCKCHERRYに感激するとは思ってもみなかった。嬉しい驚きだね。うん、まだ3枚しか出してないとはいえ、これは彼等の今後のキャリアにおいて非常に重要な、決定打的1枚になるはず。だからこそ、早く本国でのリリースが決まって欲しいんだけどね‥‥勿体ないよ。

 来月、早くも彼等はこのアルバムを引っ提げてジャパンツアーを決行します。ツアー終了後には、同じ事務所の大先輩であるMOTLEY CRUEのジャパンツアーに同行し、前座として出演することも決まってます。BUCKCHERRYをスルーしてるMOTLEYファンの目に、今の彼等はどう映るのか。それも興味深いけど、やはりこのアルバムの曲がどうライヴでは響くのか‥‥改めて視点を変えて楽しんで来ようと思います。



▼BUCKCHERRY『15』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD


投稿: 2005 10 27 10:00 午前 [2005年の作品, Buckcherry] | 固定リンク | トラックバック

2005/10/26

ARCTIC MONKEYS『I BET YOU LOOK GOOD ON THE DANCEFLOOR』(2005)

 『UK期待の新人』とか『第二の○○(例:OASIS、THE SMITHS、STONE ROSES等)現る』といった謳い文句は、それこそ長年ロックを聴いていれば毎年お目にかかるキャッチフレーズかと思います。それを信じて、「俺世代のOASISだ!」とか崇拝してしまう若い子も沢山いるでしょう。それは決して間違ってないし、視点を変えればそういったバンドがOASIS超えをしたり、あるいは独自の個性を確立して更なるビッグネームへと成長していくことだってあるので、一概に『フェイク』とか『ポーズ』とか『一発屋』なんて言葉では片付けたくないのですが‥‥

 にしても、アルバム1枚で消えてしまう、いや、下手したらシングル数枚で忘れ去られてしまうバンドの多いこと、多いこと。昨今の(いや、最近じゃだいぶ落ち着いたけど)ニューウェーブ・リバイバルだって、昨年から今年にかけて登場したバンドの幾つが来年も残っていられるか。そしてセカンドアルバムをリリースすることができるのか‥‥仮に出来たとして、1stと同等の、あるいはそれ以上の成功を収めることができるのか。微妙ですよね?

 そんな中、またここにもビッグネーム予備軍が登場しましたよ‥‥既に巷で話題になっている、ARCTIC MONKEYSというバンド。イギリスの4人組だそうで、既にリリースされている7インチは即完売。先頃このシングルがリリースされ、本国では初登場1位を記録。それよりも前に発表された日本公演のチケットは即日完売。急遽、同日の昼に追加公演が決まるという異例振り。確かに、ちょっと尋常じゃない空気は伝わってきてますよね。

 早速俺もこのシングル「I BET YOU LOOK GOOD ON THE DANCEFLOOR」を聴いてみました。THE LIBERTINESにも通ずる疾走感のある表題曲は、確かにインパクトあるし、サビのキャッチーさなんて思わずガッツポーズを取っちゃうくらいに気持ちいい。決してこれ1曲で「次世代新ヒーロー誕生!」とか大騒ぎする気はないけど、大成する可能性は十分に感じられる。続く2曲目 "Bigger Boys And Stolen Sweethearts" も小気味良いリズムを持つ佳曲。シングルの帯には『21世紀版の "I Know It's Over" (THE SMITHS)』みたいな煽り文句が書いてあったけど‥‥言い過ぎとは思うけど、決して全否定はできない何か‥‥片鱗みたいなものは十分に感じられるんだよなぁ、悔しいけど。最後に収録されているモッズ風のインストナンバー "Chun Li's Spinning Bird Kick" もかっこいい。むしろ個人的にはこの曲に一番ググッときたんだけど。

 とにかくこの手のバンドは、アルバムが出るまでは過剰な期待はしないことにしてるんだけど‥‥珍しく、ライヴを観てみたいと思わせてくれた数少ない新人バンドですわ、これ。今年に入ってからだと‥‥全然タイプが違うんだけど、TOWERS OF LONDON以来じゃねぇかな?(結局あっちはサマソニで観損ねたけど、来月アルバム出るんでまもなくショーケースとかで来日するでしょう)アルバムは恐らく来年の前半早いうちでしょうから、それまでにまずライヴだな‥‥きっと今後1年間、何度も来日するんじゃないかな‥‥サマソニ開催までの間に。ここ最近の流れ(THE LIBERTINESもそうだし、KASABIANやTHE ORDINARY BOYS、BLOC PARTY辺りね)を見てると、何となくそういう気がしないでもないけど‥‥まぁその前に本国であれだけ成功しちゃったから、難しいかもしれないね。

 ま、1回この目で確認する価値はあるかと思うわ。とりあえずその前に、このシングル聴いて、その耳で判断してみてよ。



▼ARCTIC MONKEYS「I BET YOU LOOK GOOD ON THE DANCEFLOOR」(amazon:日本盤UK盤

投稿: 2005 10 26 09:59 午後 [2005年の作品, Arctic Monkeys] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/10/25

THIRTEEN SENSES『THE INVITATION』(2005)

 このCD、何時買ったんだっけ‥‥っていう未開封のCDの山が、結構あるんですね。最近特に身辺が慌ただしくて(で、夏場はそこに毎週フェスという過酷なのか幸せなのかよく判らない状況が加わるし)とりあえず買ったけど‥‥ってCDが沢山あって。それら全部を消化する時間が足りないんですよ。だから‥‥買っても真っ先に聴くアルバムやシングルもあるけど、「話題になってるし、とりあえず買っておこう」とか「ジャケやアーティスト名が気になるので、買ってみようか」っていうのになると‥‥封を切るのはかなり後になってから‥‥ってことが多いんですね。贅沢な悩みだとは思いますけど、ええ。

 今回紹介するTHIRTEEN SENSESというバンドに対しても、何となくジャケットが気に入ったのと、店頭でバーゲン品として1,200円くらいだったから買った‥‥っていう程度の理由だったと記憶してます。7月頭頃かな? 全然どんなバンドかも知らなかったし、そもそもこれがバンドなのかどうかすら怪しかったわけですから。写真ではなくて、ちょっと印象深いイラストだったことで目を惹いたのかな‥‥いやゴメン、正直ホントの理由は全然覚えてないや。

 で、数日前にやっとこのCDの封を切って、トレイからCDを取り出して再生してみたんです‥‥嗚呼、もっと早くに聴いておけばよかった‥‥と思わせるに十分な、正に俺好みのメランコリックなUKロックだったわけですよ、これ。

 まぁ音楽雑誌をこまめにチェックしてる人や新しいバンドに詳しい人なら既にご存知のバンドかと思いますが、このアルバムは英国では今年1月にリリースされた、デビュー盤でして。日本でも3月に、アメリカでは7月にそれぞれリリースされたようで、サウンドのタイプ的にも『COLDPLAYやKEANEに次ぐ、イギリスからの新たな刺客』といった感じでして。ピアノを取り入れた、メランコリックで繊細で叙情的なサウンドのバンド‥‥まぁ早い話が、RADIOHEAD以降に多く見られ、TRAVISを経てCOLDPLAYで完成型へと辿り着いた、あのタイプと言えばお判りいただけるでしょうか‥‥そういうサウンドです。要するに、デビュー盤なのにいきなりメソメソしてたり、妙に落ち着いちゃってる、イギリス特有のジメジメサウンドです。

 近年、COLDPLAYの大ヒットを経てKEANEの中ヒットがあり、この手の英国産バンドの幾つかがアメリカで健闘してるわけですが、彼等もそのひとつになり得るかどうか‥‥はさておき、個人的な印象としては‥‥上のふたつとはちょっと違うかなぁと。COLDPLAYはあの型をひとつのエンターテイメントとして昇華しつつあるし(例えばRADIOHEADやR.E.M.のようにね)、KEANEにはもっと力強さを感じるし。ボーカルなんてライヴで観るとハードロック系シンガーみたいだしね。だけどこのTHIRTEEN SENSESには‥‥なんていうか、もっと澄んだ繊細さを感じるんですよね。バンドのタイプは違うけど、SOUTH辺りにも通ずるものを感じたり‥‥って書いてみたけど、やっぱり全然違うなぁ。何ていうか‥‥こう、目の前で鳴ってる音っていう感じじゃなくて、もっと‥‥遠くから鳴らされる音っていう‥‥夢の中で鳴ってる感じ? 非現実的とかそういう意味ではなくて、本当に独特な叙情性を持ったバンドだと思うんですね。熱すぎず、それでいて冷たすぎず。人肌に近いようで、もうちょっと体温が低いような‥‥それで「夢の中で鳴ってる感じ」って例えたんですが‥‥どうでしょう?

 上手いこと来日のタイミングを逃しちゃった気がしますが、今年の夏フェス辺りで来日すればもっと大きくフィーチャーされてたはずなんですが‥‥11月にちょっとお安くなった限定盤が出るってことは、もうちょっと売ろうよ!っていう意思が日本のレコード会社にも多少はあるってことでよろしいんですよね? じゃなきゃ勿体なさすぎる。ニューウェーブ・リバイバル系ばかりをプッシュして「売るものがなさ過ぎる!」とか言うくらいなら、もっとこういう普遍的な魅力を持ったバンドを大々的にプッシュしてあげてください。売り方さえ間違わなければ、絶対に安定した人気を得られるはずですから。



▼THIRTEEN SENSES「THE INVITATION」(amazon:日本盤日本限定盤UK盤US盤

投稿: 2005 10 25 12:01 午前 [2005年の作品, Thirteen Senses] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/10/24

BULLET FOR MY VALENTINE『BULLET FOR MY VALENTINE』(2005)

 日本でも間もなく1stフルアルバム「THE POISON」がリリースされるBULLET FOR MY VALENTINEが、2004年11月に本国イギリスでリリースした1stミニアルバム。日本では今年の「SUMMER SONIC」での初来日に合わせて7月に、アメリカではタイトルとジャケットを変えて8月にリリースされたこのアルバム、新人としてはかなり完成度の高い内容ではないでしょうか。

 所謂スクリーモを通過したメタルコアと呼んで差し支えないと思います。所々にデスラッシュなりメロデスの要素も含みつつ、実は古典的なスラッシュメタル‥‥オールドスクールの要素も強かったりする辺りに、我々のような'80年代リアルタイム通過組は既視感を覚え、ちょっと親近感込みで好印象だったりするんですよね、このバンド。他のスクリーモ/メタルコアよりもしなやかなサウンドだし、実際メロウな比率はかなり高いです。ハッキリ「歌っている」し、そこに味付けとしてスクリームが入る感じでしょうか。

 プロデュースとミックスに大御所コリン・リチャードソン、マスタリングにアンディ・スニープというその筋では知らない者はいない有名エンジニアを迎えて制作された楽曲達は、とにかく聴きやすい。コリン・リチャードソンというとFUNERAL FOR A FRIENDの1stも手掛けてましたが、最近はデスメタルというよりもスクリーモ系を手掛けることの方が多いのでしょうか。その辺俺は近年疎かったので驚いているんですが‥‥でもいいよね、凄く聴きやすくて。鋭角的なんだけど適度な丸みを感じるサウンドのせいなんだろうか‥‥コアなファンにとっては「生温すぎ!」ってことになるのかなぁ。いやよく判らないけど。曲自体がオールドスクールのそれよりも複雑すぎず、比較的シンプルな曲構成なのも大きいと思うし(殆どの曲が3分台なのは、やはりニュースクールの特徴なのかな)、メロディアスなボーカルラインと心地よいツインリードギター、そして所々でドカドカ鳴るツーバス。もはや楽器以上に存在感のあるデス声によるスクリーム。正直、メロデスとか苦手な人でもこれなら全然イケると思うし。

 日本盤とUS盤には今年春にリリースされたEP "4 Words (To Choke Upon)" が追加収録されてます。俺はこの曲のPVで彼等に興味を持ったんだよね。この春にサマソニ出演決まった際、オフィシャルサイトで彼等の曲を試聴した時は全然ピンとこなかったんだけどねぇ。「ああ、今流行りの音だね」って程度で聴き流してたんだけど‥‥メタルだよね、完全にこれは。

 今年のサマソニ幕張公演では非常に残念な結果となってしまいましたが(当日ドラムが高熱のために出演キャンセル)、1stフルアルバムを引っ提げて、いよいよ来年1月に単独来日公演が決まりました。勿論俺も行きますよ! すっげー楽しみだ。ま、その前にフルアルバムの方が楽しみなんですけどね!!



▼BULLET FOR MY VALENTINE「BULLET FOR MY VALENTINE」(amazon:UK盤日本盤


▼BULLET FOR MY VALENTINE「HAND OF BLOOD」(amazon:US盤[上記CD日本盤と同内容])

投稿: 2005 10 24 01:12 午前 [2005年の作品, Bullet For My Valentine] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/10/20

ORANGE RANGE『ИATURAL』(2005)

 ‥‥いよいよ禁断の扉を開けてしまいますよ。今年の夏フェスで2度彼等を観る機会を得て、その際に比較的好意的(そうか!?)な感想を書いてきたORANGE RANGE。昨年12月の2ndアルバム「musiQ」からたったの10ヶ月で発表された3rdアルバム。全19曲、77分超という大作に仕上がってます。考えてみればこの10ヶ月の間にもシングルを連発("*〜アスタリスク〜"、"ラヴ・パレード"、"お願い!セニョリータ"、"キズナ")し、アメコミ映画「ファンタスティック・フォー」サントラにデビュー曲 "キリキリマイ" のリミックス収録(今回のアルバムにも収録)等、音楽面での話題づくりも絶え間なく続きました。そんな中でのドラマー脱退等トラブルもありましたが、このペースでこの熱量・力量を持った作品集を作り上げてしまう勢いは、ただただ圧巻ですわ。

 俺、世間が言う程このバンドのことをバカにしてないのね(ネタにはするけどさ)。パクリ云々は、それすらひとつの才能だと思うし(彼等のことをパクリバンド呼ばわりしてバカにしてる洋楽ファンの方々は、LED ZEPPELINの初期作収録曲の多くがブルーズナンバーからの大パクリ大会してるっていう事実はご存じなんですよね、当然ながら)、まぁただパクリだけでここまできたんなら、そろそろボロが出てもおかしくないですよね。そういう意味も含めて、今回この新作を手に取ってみたわけですよ。

 全19曲中、既出曲は先のシングルナンバーとリミックス曲の5曲。他の14曲が今回のアルバム用にレコーディングされた楽曲ということになるのでしょうか。最初聴いた印象ですが、思った以上に物腰の柔らかい、柔軟性を持ったバンドだなぁと。いや「バンド」というより「ソングライター」と置き換えた方がいいのかしら。アレンジ含めて、いろいろ遊んでるのが判る。ラップボーカルが多いけど、だからといってヒップホップ中心というわけでもなく、また初期みたいなゴリゴリのヘヴィロック色も後退してるように感じられる。その代わりに前面ににじみ出てきてるのが、テクノポップ的な要素と、昨年の大ヒット曲 "花" に代表されるようなメランコリックなミドルポップチューン。"上海ハニー" や "ロコローション" 的な要素はそこまで高いってわけでもないのね。あくまでシングル用の「判りやすさ」ってことなのか。

 77分という時間は確かに俺みたいに移動中に音楽を聴く頻度が高い人間には少々厳しいものがありますが、それだけ「出来たものを全部詰め込みたい」っていう衝動があったのか‥‥GUNS N'ROSESの「USE YOUR ILLUSION」みたいなもんか。ま、あれよりはちゃんとアルバムの構成しっかりしてますが。全てが全て高品質とは言い難いけど、でもその勢いみたいなものは十分伝わってくる。だから怖いんだよな、このバンド。正直嘗めてた部分もあったと思う。ライヴで聴いたアルバム曲(前作収録曲か?)はピンとこないものが多かった中、ここで耳にできる新曲群は個人的ツボにハマる曲が多いし、アルバム通して聴けばその勢いに圧倒される。

 周りが言うほど、実はパクリパクリした曲が今度のアルバムの中には少なくなってるように思うんだけど、どうだろう? スパイスとしての「インスパイアされた元ネタ」はあるんだろうけど、あからさまなのは正直なかったと思う(俺が気づいてないだけか)。俺、前からいろんなところで書いてきてるけど、結局'90年代以降の音楽って「ヒップホップ以降」‥‥つまり「サンプリング文化」だと思うんですよ。ある程度出尽くしてるわけじゃないですか、音楽って。まっさらな新しいジャンルなんてそうなかなか出てこない。結局は何かと何か、既存のものを掛け合わせたり足したり割ったりして工夫してる。そういうのが当たり前のようにまかり通るようになったのって、結局ヒップホップの功罪だと思ってるんですよ。そういう意味でこのORANGE RANGEを考えると、もっとえげつなくやってる、だけど意外とスマートに聞こえる(のは俺だけか?)。そこに若さなりルックスなり話題性なりも加わり、現在のような成功を手にした。たったそれだけのことなんですよね。ま、その「たったそれだけ」が一番難しいことなんですけど。

 「ちゃんと聴いて批評しろよ!」というのは簡単ですよね。表面的な部分(テレビやラジオから流れるシングル曲やそのルックスや発言等)だけで彼等を判断するのも、まぁ仕方ないことではあるんですが、やっぱ俺のスタイルじゃないわけですよ、そういうのは。余所の掲示板とかでみんなでワイワイやればいいじゃない、そういうのは。別に俺は音楽そんなに詳しいとは思わないし、俺よりももっといろんなジャンルを数多く聴いてる人も沢山いるし。そういった人達がORANGE RANGEをどういった形で批評しようがそれはその人達の自由。だったら俺も自由に書くよ、と。こういう見方もあるよ、と。いいじゃん、俺みたいな「判ってない奴」がひとりくらいいても。感情的で結構。暑苦しくて結構。ウザくて結構。「好きなものを好きと言える場所」がここなんだから。今後も好き放題書かせてもらいますよ。

 というわけでこの「ИATURAL」、決して今年のベスト10枚に入るような代物ではないけど、結構気に入って頻繁に聴いてます。シングル曲を飛ばして、アルバム曲のみを聴くっていう傾向が強いですが。これよりクオリティの高い「ポップアルバム」は、今年の日本ではそんなにないんじゃないのかな?(っていうのは言い過ぎか)



▼ORANGE RANGE「ИATURAL」(amazon

投稿: 2005 10 20 12:30 午前 [2005年の作品, ORANGE RANGE] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/10/19

DEF.DIVA『好きすぎて バカみたい』(2005)

 さ、2日続けてハロプロ・ネタです。もはやここを観てる人の中には重度のモーヲタはいないかと思います(以前はいたんだろうけど。さすが離れてったんじゃないかな)が、単純に自分が楽しめる曲が続いたんで、んじゃいっちょ取り上げてみっかーみたいな肩の力の抜け具合で接しようかと思いまして。一部の「普通はもう聴かねーよ」とかウダウダ言ってるカッコ悪いヲタ崩れの方々はどうでもいいです。我が道を行きます。っていうかほっとけって話ですよ、ええ。

 2002年末に「ごまっとう」があって、あれはまぁ1位を記録したわけでして。んで去年は「後浦なつみ」っていうのがあって、そっちは曲がアレだったことも大いに災いし(ま、それ以前にハロプロ自体が下火だったってのが最大の敗因でしょうが)4位止まり、セールス的にも惨敗。しかもそのまま紅白に出て翌年にはツアー‥‥のはずが、安倍のあの件でうやむやになり、まぁツアーだけはこの4月に辛うじて開催。非常に中途半端な形で終らざるを得ませんでした。

 がしかし。まさか今年もやるとは思ってなかった。さすがに意表をつかれた。しかもメンツが‥‥「後浦なつみと石川梨華(美勇伝)」な仲間達による、その名も『DEF.DIVA』ですよ。『DEF.』はDeffinitiveを意味するスラングで、まぁDef Techにも使われてるので馴染みのある単語かもしれませんね。ただ個人的にはDEF LEPPARの方を思い浮かべたんですが(こちらはちょっと意味が違って、「deaf Leopard」=耳の不自由な豹を意味する造語)。となると‥‥『耳の不自由な歌姫』‥‥皮肉ですか? いやいや、そっちの意味じゃないよな、ゴメンゴメン。

 んで、安倍なつみ・後藤真希・松浦亜弥・石川梨華というメンツによるこのユニット。単なる紅白対策と取ることも出来るし、今年の夏のシャッフルに加わらなかった人気所を寄せ集めた「もうひとつのシャッフルユニット」とも受け取ることができる。どうせなら後浦なつみのままでいいんじゃねの?とも思うし、何故ここに石川が加わるのか、その必然性も感じられない。コンセプトもイマイチ中途半端だし。ま、ケチの付いた後浦なつみを立て直すために石川を引っ張って来ただけなんでしょうけど‥‥しかしよりによって石川かよ‥‥と皆一斉に思ったはず。だって『歌姫』なのにさ‥‥

 最初テレビで歌うを聴いた時も、石川が足を引っ張ってるなーって思ったのね。でも曲自体はなかなかだと思ったし、アレンジも嫌いじゃなかった。むしろこの4人が代わる代わる1フレーズずつ歌っていく様にはちょっと目を奪われたし。やはり一時代を築いた者達による、それなりのオーラと貫禄を感じるわけ。あと‥‥何だかんだで、石川がいる/いないでやっぱり大きく違うわけよ。しなやかさというか柔らかさが加わるわけね、このグループに。後浦なつみの時はどうしても「ガチンコ勝負!」的なものを感じてたけど、石川が入るだけでやっぱり空気が一変するんだわ。そこはさすがだと思った、うん。

 さて。早速CDの方を聴いてみたんですが‥‥うん、やっぱり印象良いよ。'80年代ユーロ歌謡をモチーフにしたアレンジも悪くないし、何度か転調するサビのアイディアもありきたりではあるけど面白いと思ったし。実はCDで聴いて初めて気づいたんだけど‥‥石川の歌声が入ることで、耳障りがよくなるというか、いい意味でアクセントになってるのね。他の3人がどちらかというとごっついイメージが強いから、そこにボーンとあの石川の声が飛び込んでくると、やはり耳を奪われるし、意識を持っていかれる。この起用は間違ってなかったのかもしれない。ていうか、石川が入るとしっかり『石川梨華の曲』になっちゃうのは相変わらずで、さすがだと思います。正直今の美勇伝の曲の13倍くらいは良いと思う。

 同時収録されたリミックステイクも悪くない。個人的には田中直による「CRAZY J-G JAZZリミックス」が気に入ったし、AKIRAによる「女王リミックス」もまずまずだと思うし。原曲の平田祥一郎といい、今のハロプロワークスを引っ張る名アレンジャー3人による豪華なディナーといった感じかしら、このシングル。

 でも難点も書いておかないと。石川の生かしどころは良かったとしても、他の3人が‥‥上手いだけで終ってる気がするのね。上手いこと個性が生かされてないというか。松浦は良くも悪くも埋もれちゃってるし(この子はこういうユニットになると、完全に「何分の一」に徹して埋もれちゃうんだよな)、安倍も後藤も(曲調のせいもあるんだろうけど)今回は肩の力が抜けてるような気が。ワーと割りが良くないのかなぁ‥‥う〜ん。それと、1曲ってのは勿体ない。ホントに単なるシャッフルの一環ならまだしも、『2005年を代表するスーパーユニット』とか何とかいうなら、もっと4人の個性を巧みに生かした曲を2〜3曲は用意して欲しかった。まぁこの手のスペシャルユニットの時は決まって1曲のみで、あとはリミックスで水増しするパターンなので判ってはいたけどさ(去年の後浦は例外だったんだな。本気でシツレンジャーに差し替えたのか‥‥その神経が理解できない)。

 「これが売れないともう後がない」とか「このメンツで1位取らなきゃ意味がない」とかいろいろ意見はあるだろうけど‥‥全部無意味でしょ。実際「もう終ってる」わけだし、1位だって‥‥今年に入って1位を取ったハロプロ楽曲、どれだけある? 去年はどうだった? ねっ、考えるだけ無駄だよ。単純にこの曲を好きか、楽しめるか。それで十分なんじゃないの? ホントにダメダメなら、もうとっくに消えてるって。



▼DEF.DIVA「好きすぎて バカみたい」(amazon

投稿: 2005 10 19 01:00 午前 [2005年の作品, DEF.DIVA, ハロー!プロジェクト, 安倍なつみ, 後藤真希, 松浦亜弥, 美勇伝] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/10/18

安倍なつみ『恋の花』(2005)

 最初、安倍なつみがつんく♂プロデュースを離れ、別の作家が楽曲制作・プロデュースをすると聞いても全然興味が湧かなかった。何故なら‥‥なんだかんだ言って、安倍や後藤真希、松浦亜弥といった歌い手こそが『つんく♂』という世界観を最大限且つ最良な形で具現化する表現者だ、と勝手に思い込んでたからさ。いや、『表現者』ってのは言い過ぎか。とにかく、モーニング娘。時代からずっと、ある意味では一番『つんく♂に近い存在』だったわけじゃないですか、安倍なつみって人は。

 昨年末からいろいろあって、スローペースながらも人前に出て歌う機会を得て、まぁ前程の勢いは感じられないものの、それでもいい歌を唄ってるなぁと思わせてくれてただけに‥‥でも、ほんの少しだけど‥‥誰もが心の奥底で感じてた‥‥『つんく♂以外のソングライターの曲を、つんく♂以外のプロデュースで聴けたら‥‥』という秘めたる思い。それがある意味では実現する瞬間でもあったんだよね。でもそれは同時にパンドラの箱みたいなものでもあるんじゃないかな、ヲタ的に‥‥例えば、あーつんく♂は枯渇しちまったんだなやっぱり、とか思わされるの、嫌じゃない?

 シングル曲 "恋の花" は、島谷ひとみやNaoといったシンガーに楽曲を提供している「BULGE」が作詞作曲アレンジのみならず、プロデュースまで手掛けてることから‥‥これまでのハロプロ楽曲には感じられない『音の太さ』が感じられるんだよね。前に知り合いのDJが言ってたのかな‥‥ハロプロの曲ってマスタリングの時点で、購入層のオーディオシステムに合わせた音質に変えられてる、って。つまり‥‥ヲタを除外すると‥‥小学生なり中学生だったわけじゃないですか、ちょっと前(=全盛期)までは。恐らく大半はCDラジカセですよね(偏見かな?)。で、そういったシステムでこそ発揮する音というか、「ならでは」の音作りをしてるんだ、とその人は言ってたわけ。今回この曲をCDラジカセやカーステレオ、CDJやシステムコンポ、果てはiPodで過去のつんく♂ワークスと聴き比べてみたんだけど、やっぱり違うのね。芯が鳴ってるっていうのかな。普通に「J-POP」してるんだわ。もしかしたら俺自身の偏見も多少は入ってるのかもしれないけど、それにしても‥‥コーラスの重ね方なんかもつんく♂ワークスと全然違うし、ちょっと聴いた限りではファン以外は「安倍なつみの新曲」って気づかないんじゃないかな‥‥それくらい普通にJ-POPなわけ。avexから新人デビュー、とか言ってこれ聴かせたら多分信じちゃうんじゃないかって程に。

 で、逆の言い方をすれば‥‥それくらい安倍なつみがサウンドプロダクションに埋もれちゃってるんじゃねーの、と。安倍らしさは後半のブリッジ部でバックトラックが薄くなる辺りでやっと‥‥あぁ俺の知ってる安倍だ、って気づくくらい。いい曲なだけに、それを上手く自分のものに出来てない歯痒さを感じました。勿体ないなぁ。

 話はカップリング曲 "恋ひとひら" に移りまして‥‥俺ね、このシングルを数日前に買ったんだけど、その切っ掛けとなったのが実はこの "恋ひとひら" をたまたま偶然に有線で耳にしたからなんですよ。アイドルチャンネル(B-4)で昼頃から延々ハロプロ曲が3〜4時間流れててね。懐かしいのから殆ど馴染みのない最近のシングルのカップリング曲まで、それはまぁ幅広くかかってたわけ。んで、その中に初めて耳にする「気になった曲」が幾つかあって、そのひとつがこの "恋ひとひら" だったと。聴けばすぐに安倍の歌だってわかったんだけど、曲調がすっげームーディーなシティーポップというか。これまでのハロプロにはない方向性だと思ったので、ちょっと驚いたのよ。つんく♂の曲じゃないのはすぐに判ったんだけど、これがまさか先の "恋の花" と同じ作者(「BULGE」)によるものだとは気づかなくて(ま、それも作詞のみだったんですが)。おー安倍、いい曲貰ったなー、つんく♂プロデュース離れて良かったなーって素で思って。

 それですぐにCD買いに走ったわけですよ。そこでカップリング曲のクレジットを見て愕然とするんですね‥‥そう、この曲だけ作曲とアレンジが‥‥「たいせー」作なんですよ。ってことは‥‥多分プロデュースもたいせー!? ん、んなアホな‥‥orz

 いやいや、でもたいせー作にしてはちゃんとサビもしっかりしてるし、凄くよく出来た曲だと思いますよ。手軽に打ち込みに走らなかったバックトラックの丁寧さも良かったし。恐らく一部の安倍ファンは両手上げて大喜びなんじゃないかな。実際、このシングルに収められた2曲はタイプこそ違うけど、非常に良質なポップソング・シングルだと思いますよ。今年リリースされたハロプロ関連の楽曲の中でもかなりの上位に入ると思います、個人的に。

 今後彼女の制作スタッフがこのメンツで続くのか、それともまた新しい血を導入していくのかは現時点では判りませんし、実際「あの事件」よりも前にレコーディングされていた楽曲も数あると思うんですよ(だってアルバム制作中だったはずだし、実際TAKUI作曲によるシングルも準備されてたわけですしね)。そういった楽曲が今後どういった形で世に出るのかも判らない‥‥良い解釈をすれば‥‥それだけ選択肢がある、自由度の高い活動ができるってことですよね。うん、そう信じてあげたいわ‥‥そしていつの日か、『つんく♂の呪縛』を振り払う時が来るんでしょうね‥‥それまで、この世界から消えずに、しっかりと歌い続けて欲しいものです。



▼安倍なつみ「恋の花」(amazon


▼安倍なつみ「恋の花」シングルV(amazon

投稿: 2005 10 18 10:54 午後 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, 安倍なつみ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/10/14

RAMMSTEIN『REISE, REISE』(2005)

 今年の夏フェスにおいて、幾つか出演キャンセル組があったかと思うんですが(特に海外勢な)、そんな中で個人的に『畜生、こいつらの為にチケット取ったようなものだったのに!』という思いでキャンセルを悔やんだアーティスト、それはRAMMSTEINと(ちょっと事情が違うけど)BULLET FOR MY VALENTINEですかね(共にサマソニ東京2日目)。後者はまぁこれから1stフルアルバムが出るので単独来日が期待できますが、RAMMSTEINに関しては‥‥2000年のサマソニ、その後の単独来日を個人的事情で見逃していただけに、更に今年6月のショーケース・ギグもチケット取れなかっただけにさ‥‥すっげー期待してたんだよね。あーやっと観れる!って。

 海外では昨年秋にリリース済みだった4thアルバム「REISE, REISE」。何故か日本盤は半年遅れでリリースされることになったのですが、これにはまぁ‥‥いろいろ問題があったのは目に見えてるわけでして。

 まず、海外版ジャケットな。


   


 これ、何だか判りますか? 今年の夏、「20年目の夏」ということで各報道機関で話題になったもの‥‥御巣鷹山に墜落した日航機のタイムレコーダーを模したものなんですよ。しかもこのアルバムの(海外版の)オープニング‥‥ブラックボックスに残された、機長達のあの「最後の会話」音声を使用してるんです‥‥確実に問題になりますよね、そりゃ。ま、問題にならなくても自主規制するでしょう、レコード会社が。タイミング的にも2005年でまる20年を迎え、相当話題になることは判っていたはずですし‥‥そういうこともあって、日本版ではジャケットを新たに作成、オープニングのブラックボックス音声も見事カットされてます(気になる人は海外盤を購入するといいと思うよ。簡単に手に入るし。ま、そこまでして聴きたい音声でもないでしょ、この夏散々いろんな特集番組で流れてたわけだし)。

 更に不思議なことに、この日本版ジャケットが、海外では今年11月にリリース予定の5thアルバム(リリースペース、滅茶滅茶早いな!)「ROSENROT」のジャケットに用いられることになったと‥‥今だ日本盤リリース予定が立っていないこの「ROSENROT」、今度は何時どの時期に、どんなジャケットを用いられるのでしょうか‥‥

 まぁそんな余談はこの辺にしておいて‥‥肝心の感想を。歌詞は相変わらず風刺の効いた内容になってるし(それこそ日航機墜落事故をジャケットやサンプリングに用いてるのも、その一環でしょうし)、サウンド的にもゴシック色の強いインダストリアル調ヘヴィロックを聴かせてくれてます。が、特に今回は‥‥ポップな曲が目立ちませんか? いや、その要素は前々から持ち合わせていたものだけど、特に今回‥‥ "Moskau" や "Ohne Dich" とか(ま、後者はちょっとポップとは違うかもな)‥‥いや、単に "Moskau" の異様さが目立ってるだけか。それ以外は相変わらずオーケストレーションを導入したゴスメタルだったり、"Reise, Reise" や "Amerika" みたいに思わずコーラス部を口ずさんでしまいたくなる民族歌チックなノリだったり‥‥所々「あーやっぱりアメリカや他のヨーロッパのバンドとはちょっと違う、ドイツ独特の臭みがあるよなー」と強く思わせるパートが散りばめられていたり。そういうパートに出会うと、4年間の不在期間をアッという間に忘れさせてくれるんですよね。

 一時期自分の周りで(RAMMSTEINが日本デビューした頃だから1997年頃?)彼等をMARILYN MANSONと比較する声をよく耳にしたのですが、やっぱり違うよね。当たり前だけど。共にお下劣な要素を持ってるけど、MANSONは確実にエンターテイメントだよね、音もステージも。でもRAMMSTEINは‥‥ステージは完全にエンターテイメントしてるけど、こうやって音だけ聴くともっと「深い」んだよね。いや、MANSONのサウンドが「浅い」って意味じゃないんだけど‥‥こう、何度も何度も聴き込みたくなるのが、RAMMSTEINのアルバムの強みだよなぁ、と。まぁ最終的には個人の趣味の問題ですけどね。

 このアルバムでRAMMSTEINを知ったという新参者は贅沢ですよ。だってまだ聴くべき旧譜アルバムが3枚(ライヴ盤を含めると4枚か)もあって、しかも間もなく新作まで出る。1年に2枚もの傑作を聴くことが出来るんだから。そんなの、SYSTEM OF A DOWNとRAMMSTEINくらいですよ。羨ましいぜ、ったく!


 
▼RAMMSTEIN「REISE, REISE」(amazon:日本DVD付限定盤日本通常盤US盤

投稿: 2005 10 14 11:34 午後 [2005年の作品, Rammstein] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/10/13

La'cryma Christi『ZEUS』(2005)

 昨日に引き続き、La'cryma Christiのお話を‥‥ってクドい? 仕方ないでしょ、気に入ってしまったんだからさ。

 さて、旧譜の話を続けてもつまらないので(いや、やってる俺は楽しいけど)、現役バンドである以上は最新アルバムについても語っておきましょう。ぶっちゃけ、あの「Break Out!」から羽ばたいていったバンドで現在においてもメジャーシーンで活躍してるのって、このバンドとPIERROTくらいじゃないでしょうかね(ま、PIERROTの方がもうちょっと後にデビューってことになるのかしら)。メンバーの一人、KOJI(ギター)がこの春に脱退し、不動の5人からシングルギターの4人組バンドになってしまったLa'cryma Christi。しかしそんなマイナス要素をも撥ね除けるようなもの凄いアルバムを作っちゃったわけですよ。

 通算6作目のオリジナル・フルアルバムとなるこの「ZEUS」という作品集。先行シングルとして "CANNONBALL""Hot Rod Circuit"(泣きのツインリードソロが痺れる!!)、"yesterdays" がリリースされていましたが(これらは全て5人時代に録音された楽曲)、それらを聴いて旧来のファンは驚いたようですね。だって、それまで持っていたメランコリックな要素を排除した、男臭い直球HM/HR路線なんですからね。俺も過去のシングル曲のイメージがあったもんだから、初めてこのアルバムを聴いた時は度肝を抜かれましたよ。だって‥‥これ、普通にジャパメタしてるんだもん! アルバムオープニングの "AWAKEN" 〜 "Lay down" の流れは凄く自然で、いつ曲が切り替わったのかが判らない程にカッコいいミドルハードナンバーによる組曲。その後はひたすら攻めまくりの楽曲が続くわけですが(何せボーカルのTAKAがシャウトやスクリームしてるんですよ!)、特に凄いのが後半の流れ。シングル "CANNONBALL" から疾走メタルチューン "Don't tell me lies" へと流れ、更にその流れのまま突っ走り、途中でスロウダウンしてギターで泣かせまくるインスト "DRONE" から更に突っ走る "SAME OLD SHIT!"、そして感動的なパワーバラード "yesterdays" で閉めるという‥‥とにかく過去のイメージで聴くと腰を抜かしそうになりますよ、これは!

 俺はインディーズ盤〜3rdまでしか音源としては聴いてないし、その後のシングル曲ってのも全然知らないんだけど(それ以降露出が極端に少なくなったからね)‥‥一体2000年から今年までの間に何があったんだ!?ってくらいに音楽的に成長というか進化してしまっていて、最初は戸惑ったんですよ。しかもいきなりこのアルバムから彼等に入っていったから。で、実際このアルバム前後からそういった変化が顕著に表れ始めたようで、ファンの皆さんも俺同様に戸惑った人が多かったみたいですね。ギタリストがひとりになることでやむを得ずこういった方向へとシフトチェンジしたとも取れるし、かと思えば「それまでのアルバムでのうっすらと表出していた要素が、単にこのタイミングで色濃く出ちゃっただけ」と取ることも出来る。実際、そのメロディセンスやアレンジ、演奏のテクニック等は間違いなくあのLa'cryma Christiのままですしね。でも、シングルの時点ではまだ5人だったわけだから‥‥結局、自分達のルーツに正直になっただけなのかもしれないですね。何となくそんな気がします、この捻りのない直球っぷりを聴いてると。

 ボーカルに癖(ひっくり返るような高音)があるんで人によって好き嫌いがハッキリするタイプだと思うんですが、演奏は兎に角激ウマですよね。それは初期の、それこそインディーズ盤の時点で判ってたことですが、特に今回はそれまでリミッターをかけていたのを外しました的暴れっぷりなもんで、逆にここまでやられちゃうと清々しいというか気持ちいい。しかも純粋にカッコいいハードロックやっちゃってるし。それまでがQUEENやYESといったメランコリックでシンフォニック且つプログレッシヴなハードロック路線だったものが、今回はLED ZEPPELINやジミ・ヘンドリクスといったストレートでグルーヴィーなHR、更にはパワーメタル的な疾走感すら加わっているんだから(ヴィジュアル系によくあるタイプの速い曲とは訳が違いますよ今回!)。でもある意味ではオープニングの2曲なんてQUEENぽくもあるんだけどね(「INNUENDO」辺りのね)。

 えーっ、過去のイメージに囚われ過ぎて聴かず嫌いしてるハードロック・ファンの皆さん、聴くなら今がチャンスですよ。このタイミングでゼウスを名乗ってしまうアルバムですからね、ヴィジュアル系で片付けてしまうには勿体なさすぎますよ!



▼La'cryma Christi「ZEUS」(amazon

投稿: 2005 10 13 12:23 午前 [2005年の作品, La'cryma Christi] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/09/30

TRIVIUM『ASCENDANCY』(2005)

 唐突だけどさ‥‥今年に入って俺の中で、完全にメタルが盛り返しちゃってるんだよなぁ‥‥いや、別に嫌ではないんですよ。ただ、正直な話‥‥ここ数年のメタルやメタルファンに対して、個人的には嫌悪感みたいなのがずっとあったからさ。正面切って「メタルサイコー!!」と素直に言い切れない自分がいたり、と同時にそんな自分を嫌がるもうひとりの自分もいて。好きなのに素直に好きと言い切れない、非常に複雑な心境だったんですよ。

 別に「ヘビメタさん」が始まったから俺内でメタルが盛り返したんじゃなくて‥‥ネットラジオ「RADIO TMQ」でもそのちょっと前にメタル絡みで特番やったりして、更に4月から「メタル十番(盤)勝負」なるコーナーまで始めて。そんな中でSOILWORKやSHADOWS FALLみたいなバンドと出会ったり、それと前後してKILLSWITCH ENGAGE辺りまで聴くようになったり、それまでちょっと敬遠してたARCH ENEMYやIN FLAMESをもう一度ちゃんと聴き返したり。で、そんな新しめのバンドを通過することで素直になれた自分がいて。気づけば「Motley Crue Night」なんつーHM/HR中心のクラブイベントやったり、挙げ句の果てに生涯初の『スラッシュ/デスメタル・バンド結成』ですよ‥‥本気で。どうしちゃったんだろう俺‥‥ってくらいに、もう引き返せないところまで来ちゃってる気がするんですが‥‥

 そうそう、最近のメタルをよく聴くようになって覚えた単語があるんですよ。『M.A. METAL』っていうんですけど‥‥知ってる人は知ってますよね? そう、L.A.メタルと同じように地名を表す『M.A.』‥‥マサチューセッツ州を意味するこのキーワード、要するに『マサチューセッツ州出身の(あるいは活動の拠点がマサチューセッツ?)メタルバンド』ということになるのでしょうか‥‥昨年辺りからSHADOWS FALLやKILLSWITCH ENGAGEといったマサチューセッツ出身のニュースクール(METALLICAやANTHRAXのような旧世代のバンドを『オールドスクール』と呼ぶのに対し、若手のメタルバンドをこう呼ぶそうです)陣がチャート的にも成功したりして、新しいメタルの波がアメリカに押し寄せてるんですよね。またこういったバンドの音楽スタイルを『メタルコア』なんて呼んだりもするそうで‥‥『ヘヴィメタル』+『ハードコア』ってことでいいんですか? もうここまでくると正直よく判りませんけど‥‥もうメロデス(メロディック・デスメタル)なんて呼ばないんですね。

 さ、前置きが長くなりましたが‥‥今回紹介するTRIVIUMというバンドも、この枠に入れても何ら違和感のないバンドでして。インディーズから数年前に1stアルバムをリリースしていて、今回の「ASCENDANCY」からメタル界名門レーベル『ROADRUNNER RECORDS』に移籍して再出発ということなんですね。それに彼等、フロリダ出身だしね。ま、古くはフロリダがデスメタルの整地だったわけですけどね。

 このバンドのメインメンバーであるマット・ヒーフィー、所謂『ハーフ』で生まれは山口県岩国市だというから驚き。幼い頃にフロリダに移り、そこでメタルの洗礼を受けてしまったようで、デビュー盤をリリースした頃はまだ16才(!)。そんな彼も現在では19才‥‥っておい! 19才かよ!?っていう驚きがまずあったのよ、音聴いて。ボーカルスタイルやギタープレイもさることながら、その楽曲の素晴らしさがね‥‥熟練したメタル野郎のソレなわけですよ。

 正直なところ、俺はこのアルバムを聴いて‥‥何がメタルコアなのか、何がメロデスで何がM.A.メタルなのか正直判らなくなったよ。だってさ、これ‥‥どこからどう聴いても、普通のヘヴィメタルじゃん。確かに所々にデス声で歌ってるパートがあるんだけど、サビではメロウに歌ってたりするし、ギターのメロディも完全に正統派ヘヴィメタルのそれだし。様式美とまでは言わないけど、かなりそれに近いものがあると思う。だからなのか、すんなり聴けたし、一発で気に入ったのね。だって所謂オールドスクールを聴いて育った世代からすればこれ、聴きやすいもん。そしてカッコ良い。全編デス声で歌われるとキツイって人もいるかと思うけど、このバンドは曲によっては完全に「普通に歌ってる」曲もあるし、デスの要素は単なる味付け程度でしかない気がするのね。デスはひとつの要素であって、メインにあるのはストロングスタイルのメロディック・ヘヴィメタル。

 至る所でこのバンドを『第二のMETALLICA』、このアルバムを『第二の「MASTER OF PUPPETS」』と例えるのを目にしたりするけど、成る程それもあながち間違ってないのかもな‥‥という気がしないでもない。METALLICAは「MASTER OF PUPPETS」で劇的な変化/成長を経て、歴史に名を刻んだわけだけど、このTRIVIUMの「ASCENDANCY」というアルバムにもそれと同じものを予感させる何かを感じるんだよね。ま、『第二の〜』云々はこの際どうでもいいんだけど、コア方面一辺倒な流れを変えるに十分な魅力と破壊力を持った1枚なんじゃないかな。

 こういう良質な若手バンドがバンバン出て来るんだったら、今のメタルシーンも捨てたもんじゃないよな‥‥素直にそう思いますよ。だって彼等なんてまだ2枚目ですよ!? 順調に成長していったら‥‥行く末怖い存在になるんじゃないかと‥‥うん。楽しみだ。



▼TRIVIUM「ASCENDANCY」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 09 30 12:31 午前 [2005年の作品, Trivium] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/09/28

宇多田ヒカル『BE MY LAST』(2005)

 宇多田ヒカル、17ヶ月振りのニューシングルということだそうで。確かに言われてみると、去年の春にリリースされた「誰かの願いが叶うころ」以来なんだよね。でも実は、去年の秋に全米デビュー盤「EXODUS」が出てるから、まだ1年くらいなんだよね。なのにこの飢餓感。俺だけ、こんなに宇多田の曲を待ち望んでたのって?

 実は意外と知られてないけど俺、「EXODUS」について感想というかコメント書いてるんですよ、リリース当時(→こちら)。あのアルバムを『UTADAの海外デビューアルバム』としてではなく、『宇多田ヒカルの4作目のアルバム』として認識することで見えてくるもの、そして地味過ぎること等、いろいろ語ってるんですが‥‥

 あれから1年経って、今回のシングル「BE MY LAST」を聴いて。ハッキリと判ったことがひとつ。結局あのアルバムは『英語』で歌われていたから、必要以上に地味だったんだろうな、と。このシングルでの胸に突き刺さる言葉の数々を目に/耳にする度に、それを強く再認識する結果となったのでした。

 音楽的には「DEEP RIVER」以降の延長線上にあるサウンド/曲調なのですが、聞くところによると今回の曲、初めてピアノではなくギター1本で書かれた曲だそうですね。オープニングのアコギをバックにいきなり歌からスタートする辺りには、そういうことが強く影響してるのかもしれませんね。打ち込みモノが多かった「EXODUS」と比較すれば、今回のシングルの方がよりオーガニックに感じられます。そういえば前のシングル「誰かの願いが叶うころ」はピアノによる弾き語り風でしたよね。英語という言葉の響きを重要視する言語にはああいう打ち込み的なものが合ってるのかもしれませんし、前回や今回のシングルみたいな言葉の意味に趣を置いた日本語曲には、こういった新譜且つナチュラルなアレンジが合っているのかも‥‥というのは、考え過ぎかな?

 兎に角、この曲を一聴した時の印象は、暗いの一言。ヨーロッパ的な重さ・暗さを感じさせる楽曲に対し、付属DVDで観ることができるPVの色彩感覚もゴシックなイメージが強い。例えばUS向けに作ったPVと比較すれば、その違いは一目瞭然でしょう。それにしてもこのPV、もの凄い内容だよなぁ‥‥日本のテレビ局(特に地上波)じゃ放送できないんじゃないの? 特に後半は‥‥

 この曲好きか嫌いかの一言で片付けていいのなら‥‥大好き、と言わせてもらいますよ。単純に自分の感性に合っているってのも大きいけど、とにかく歌詞が突き刺さる。久し振りだなぁ、宇多田の曲でここまで歌詞が刺さりまくるは。とにかく一度、歌詞カードを手に取って、読みながらその音と接してもらいたいな。PVはまたその後でいいからさ。まずは宇多田ならではの言葉遣いを堪能して欲しい。

 次のアルバムが一体どんな作風になるのか、この曲だけじゃ占うことは出来ないけど‥‥このレベルの楽曲が並んで、尚かつ過去2作の延長線上にある作風だとしたら‥‥もの凄くディープ且つダークな作品集になるんじゃないかな。勿論、勝手な予想であり、そういう作品を聴いてみたいという俺の願望なんだけどね。



▼宇多田ヒカル「BE MY LAST」(amazon:DVD付通常盤

投稿: 2005 09 28 01:39 午前 [2005年の作品, 宇多田ヒカル] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/09/27

QUEEN + PAUL RODGERS『RETURN OF THE CHAMPIONS』(2005)

 QUEENはフレディ・マーキュリーが亡くなった時点で、ほぼ解散してしまったも同様なわけですよ。そう、1991年11月24日に幕を閉じたと言っても過言ではないのです。その翌年4月、残された3人のメンバーは様々なシンガーを迎えてチャリティーライヴを行い、それから数年後には生前に残されたフレディのボーカルトラックを用いて「ニューアルバム」を完成させ、更に数年後には「フレディ抜きのQUEEN」として新曲まで発表しました。しかし、俺にとってのQUEENは間違いなく、あの日に終っていたんです。

 QUEEN復活(敢えて「再結成」とは呼びません)について周囲がざわつき始めたのは、結構前の話です。当初はジョージ・マイケルをシンガーに迎えてアルバムを作るなんて話もありました。しかしここ数年、ロビー・ウィリアムスを迎えてツアーに出るのではないか?なんて噂が飛び交ったりもしました。

 とあるイベントでブライアン・メイとポール・ロジャース(元FREE/元BAD COMPANY等)が共演したことが切っ掛けみたいですが、この両者が「QUEEN + PAUL RODGERS」名義でライヴツアーを行うことを発表、ライヴではポールがQUEENの曲を歌うだけでなく、FREEやBAD COMPANYの曲をQUEENのメンバーが演奏する、ということまで発表され、多くのQUEENファンは複雑な思いの中、その『復活の日』を待つことになったのです。更にこのツアーにはQUEENのベーシスト、ジョン・ディーコンの姿はなく、バンドメンバーはQUEENやブライアン・メイのツアー・サポートメンバーによって固められていました。

 当初、俺もこの組み合わせには疑問だったし、少々ガッカリしたのも確かでした。QUEENの歴史をあのままキレイに閉じて欲しかった‥‥しかし、この6月に新宿コマ劇場であのミュージカル『WE WILL ROCK YOU』を観る機会がありまして。この時、ああいう形でQUEENの名曲をライヴ形式で聴くことが出来、ファンとしては非常に嬉しかったのも確かです。だって‥‥俺、QUEENを生で一度も観たことなかったんですよ? 俺が彼等を知った時には、既に最後の来日公演が終了した後だったんですから。ブラウン管の中でしか動くQUEENを観たことない世代なんですから‥‥

 そんなことも手伝って、このライヴ盤「RETURN OF THE CHAMPIONS」にもフラットな気持ちで接することができたのです。QUEENの曲を、歌の上手いシンガー(しかもそれが大好きなバドカンのポール・ロジャース)が歌い、更に懐かしい "All Right Now" や "Can't Get Enough"、"Feel Like Makin' Love" といったFREE/バドカンの名曲まで聴くことができる。でもそれは決して俺の知ってるQUEENではない‥‥そう素直に割り切ることができたのです。自分も大人になったんだなぁ‥‥それが良いことなのか悪いことなのかは別としてね。

 このライヴアルバム、非常に良い出来だと思います。ポール・ロジャースは十数年前に、マディ・ウォーターズのカバーアルバムをリリースした時、JOURNEYのニール・ショーン等を引き連れて来日した時に観てるので、その上手さに関しては熟知してるつもりですし、何気に俺、BAD COMPANYが大好きなんですよ。昔、バンドでもコピーしてた程でして。そんな慣れ親しんだQUEENやバドカンの曲を2005年の現代に、ライヴで聴くことが出来るというのは、素直に喜ぶべきことなんじゃないですかね? 俺はそう思います。確かに曲によってはフレディのように歌えてないし、あるいはポールの声に合わせてキーを下げてる楽曲もあります。でも、逆にそれが「ポール・ロジャースらしさ」を垣間見せる機会となってるのも確か。フレディにはない枯れた感じ(共にソウルフルではあるけど、ブルージーさではポールの方が数歩上じゃないでしょうか?)が曲によってはマッチングしているし、またブライアン・メイがギターを弾く "All Right Now" というのも興味深い。ポール・コゾフは「向こう」でこれ聴いて、どう思うんですかね?

 確かにこのアルバムの中で繰り広げられているのは、QUEENのあの名曲達であり、俺の知ってるQUEENの断片なんだけど、でも‥‥矛盾するけど、同時に俺の知ってるあのQUEENでもないんだよね。なんていうか‥‥凄く庶民的で浮世離れしてない、素朴なQUEENというか。別にスケールダウンしてるわけじゃないんだけど、もっと手に届くところにいそうなイメージというか。それがポール・ロジャースによるものなのか、あるいはフレディの不在によるものなのかは判りません。でも‥‥俺は素直に喜びたいと思う。だって来月、これらの曲を生で聴く機会を得ることが出来たんだから。

 10月30日。このアルバムを聴き込んで、横浜アリーナに臨もうと思います。二度とQUEENは観れないと思ってたのに、こういう形で実現する日が訪れようとは。少々複雑な心境もあるにはあるんですが‥‥とりあえず、今はこのアルバムを心から楽しみたいです。



▼QUEEN + PAUL RODGERS『RETURN OF THE CHAMPIONS』(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 09 27 01:12 午前 [2005年の作品, Queen] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/09/25

松浦亜弥『気がつけば あなた』(2005)

 松浦亜弥の作品を、リリースに合わせて新品で買ったのって、一体何時以来かな?って考えてみたら、実は昨年1月末の "奇跡の香りダンス。" 以来だったという(後浦なつみは除く)‥‥いや、その後のシングル数枚はリリースから数ヶ月経ってから中古で購入してるのね。でも今年に入ってからの音源は‥‥ベスト盤含めて、全然チェックしてなくて。勿論、彼女が今年に入ってからのリリースが少なかったってのも大きな要因なんだけど、それ以上に‥‥やっぱりね、バラード系がここまで続くと厳しいよね。少なくとも自分は「アイドル・サイボーグ」呼ばれてた頃の「あやや」が気に入ってたわけであって、そういう意味じゃ今の「あがり」感の強い「松浦亜弥」には興味が持てないんだよね。

 ところがさ。つい最近なんだけど‥‥テレビの歌番組で、ふたつの松浦を観る機会があって。それは決して俺が知る「あやや」ではなかったんだけど、結構胸にズシーンと来るものがあってさ。

 ひとつは、宇多田ヒカルの "FIRST LOVE" を生ピアノやパーカッション(あとストリングスもだっけ?)バックにして歌うシーン。歌としては荒いものだったし、宇多田のそれをコピーしてるに過ぎないんだけど‥‥でも松浦が歌うと、やはり松浦亜弥の世界観がしっかり広がっていくのね、それが例え宇多田のコピーであっても。

 もうひとつは、名曲 "LOVE涙色" を生ストリングスバックにして歌い上げるシーン。これはたまたま録画してたんで何度も観返してるんだけど‥‥良いのよ。去年、NHKの音楽番組に出演した際にも代表曲をリアレンジして、それに順応する松浦の感の良さみたいなものを存分に堪能したんだけど、今回はあれともまた違った、純粋に「歌い手・松浦亜弥」としてシンプルに楽しむことができたのね。そういう意味じゃ‥‥ここ4作くらい続いてたバラード系シングルも、それなりに彼女の血となり肉となってたのかな、と。今改めてそう思ったりするわけ。

 で、今回のシングル。珍しくリリース日に買ったよ、しかもDVD付き初回盤を。

 既に「午後の紅茶」テレビCMで何度も耳にしてる、あの曲。CM用にサビだけ作ったら評判が良くて、結局フルコーラス無理矢理作り上げちゃったという代物なんだけど‥‥悪くないよね。つーか、つんく♂が丁寧に作ったなーというのは何となく伺える。ま、松浦に関しては‥‥特にここ最近は‥‥手を抜かないよね、あいつは。今回もC/W曲 "友情〜上カルビ〜" 含めて、非常に丁寧に作られてますよ。アレンジは共に(悪名高き)鈴木Daichi秀行氏なんだけど、無駄な音を省いた分、シンプルで判りやすいし、松浦のストレートで屈託のない歌い方にピッタリ合ってる。変にこねくり回した歌唱とか感情を込めすぎることもなく、ある意味じゃ第二のデビュー曲みたいな印象を受ける今回のシングル、悪くないと思うよ。話題性も十分だし、まぁ最近のシングルの中じゃ久々のヒットになるんじゃないかな?

 この "気がつけば あなた" をCDでフルコーラス聴いた時‥‥何故だか先の "LOVE涙色" を思い出しちゃったんだよね。ストリングスによるリアレンジじゃなくて、原曲の方。シンプルな作風があの曲に通じるものがあるのかもしれないけど‥‥なんだかさ、あそこにまで戻りたい(戻したい)んじゃないかな、なんて気がしてね。"LOVE涙色" や "100回のKISS" とか、あの辺りにさ。ま、違うとは思うんだけどさぁ‥‥何となく、空気感が似てるような気がするんだよね。

 勿論、あの頃に戻ることなんて不可能だし、それこそそういった行為に意味があるのかどうかも判らない。でも‥‥ある種の奇跡を感じさせた、それこそ人間離れしてるオーラを出してたあの頃に、地に足の着いた「ニンゲン」松浦亜弥がタイマン勝負を挑んでるような‥‥ってのは言い過ぎかしら?

 でも、第二のデビューってのは、あながち間違ってないように思える。ベスト盤をリリースしてから、最初のリリースになるわけだしね。暫く時間を置いたことで、更にそういった感じが強くなってるのかもしれないし。どちらにしろ、ちょっと様子を見てみたいと思うよ、今後の松浦亜弥のさ。



▼松浦亜弥「気がつけば あなた」(amazon:CD+DVD通常盤シングルV

投稿: 2005 09 25 01:00 午前 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, 松浦亜弥] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/09/24

HIGH and MIGHTY COLOR『G∞VER』(2005)

 デビューから約9ヶ月、その間に4枚のシングルをリリースしてきたアンチノブナガHIGH and MIGHTY COLORが、いよいよ1stアルバムをリリースしましたよ。プロデューサーにはコリン・リチャードソンシングル同様HALを迎えたこの作品集。一体どんな作風の1枚に仕上がっているのか。男性ボーカル・ユウスケの見せ場はあるのか。7弦ツインギター&5弦ベースの存在意義はあるのか。そして‥‥このままどんどんとポップ化が進んでしまうのか‥‥(もうアンチノブナガには戻らないのか

 で、いきなり結論から書いてしまうと、これが予想してた以上に素晴らしい作品集に仕上がってたんですよ。いい意味で期待を裏切ってくれたというか。いや、正直そこまで期待してなかったのね。というのも、ここ2枚のシングル("RUN☆RUN☆RUN" と "Days")が、曲そのものは良いものの、自分が彼等に対して望んでいた方向性ではなかったので‥‥あーこのままポップロック指向にドンドンと移行してっちゃうんだな、ラウド路線は更に後退してくんだろうなー、って。だからアルバムもそういう曲で占められてると思ったのね。

 ところがいきなりアルバム1曲目 "G∞VER" でブチかまされちゃうわけですよ。ダンサブルな曲調に、ユウスケのデス声が響き渡る。完全なるユウスケ・ソロ! 良い意味で期待感を煽る、掴みの1曲の後に、これまたユウスケとマーキーがパート毎に歌い分ける、これまたこれまでにないタイプの曲 "NOTICE" が続くわけでして。適度なヘヴィさを残しつつ、メロやアレンジの良さに酔いしれてると、名曲 "PRIDE" へと流れていく‥‥この3曲で既に小さくガッツポーズですよ、俺。

 基本的にアルバム用の新曲は、マーキーを主軸に持ってきていても、ちゃんとユウスケの見せ場も用意されてる、しっかりと「ツイン・ボーカル」としての見せ場が用意された、聴き応えのあるメロウな佳曲ばかりなんですね。確かにシングルのC/W曲にあったようなモロにメタル路線な楽曲は皆無ですが、"PRIDE" や "OVER" といったラウド路線と、"RUN☆RUN☆RUN" や "Days" といったポップ路線の中間にあるような曲が多く、非常によいバランスでアルバムが進行していくんですよ。で、最後にある意味感動的なバラード "With YOU" で終了する。あーこりゃホントによく出来たアルバムですよ。まさかここまでの作品集を作り上げるとは思ってもみなかったから、ホントに驚いたし嬉しかったわけですよ、アンチノブナガ・ファンのひとりとしては!

 とはいってもアンチノブナガというバンド自体に「らしさ」や個性があったかというと、実はまだ確立されてなかったと思うんですね。で、マーキーという女性ボーカルを「大人の事情」で加入させることになって、迎え撃つ男性陣5人は試行錯誤を繰り返す。下手に作曲能力があったもんだから、いろんなタイプの曲を書いてみた。本来はラウド/ヘヴィロックをやりたかったバンドが、でも実はMR.BIGやEXTREMEみたいなポップはHRバンドも好きってことで、よりJ-POP的な味付けを加えて、更に試行錯誤を繰り返す。シングルの4枚は正にその変遷というか歴史であって、この「G∞VER」というアルバムでとうとう「ひとつの結論」に到達したのかな、という感じですかね。勿論ここで「あがり」ではなく、既に彼等は次の地平を目指して進み始めてるわけですよ。年末に向けてゲームのタイアップ曲、某有名アニメとのタイアップ等いろいろ用意されてるようですし、またそれらの楽曲がヘヴィ路線よ再びだったりするみたいで‥‥って結局試行錯誤の延長じゃんか! そうかそうだったのか!!

 ‥‥って特にオチはないんですが。

 とにかく、まだ若いバンドですよ。オレンジレンジと同じ事務所ってことで比較する輩が多いですが、全くの別物なのは周知の事実。もうデスとかメタルとかどうでもいい! このクラスの良い曲を連発してくれれば‥‥勿論、ユウスケにはデス声を捨てて欲しくないし、マーキーにはこれ以上歌上手くなって欲しいとは思わない。この「良い意味で」微妙なままでドンドン良い曲書いて、ここではないどこかへ俺を連れてって欲しいわけですよ! いや本気で!

 若いっていいなぁ‥‥このアルバムを聴いてると、ホントにそう思いますわ。正直羨ましい。



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投稿: 2005 09 24 01:05 午前 [2005年の作品, HIGH and MIGHTY COLOR] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/09/23

ZIGGY『ONE NIGHT STAND -真夏の夜の夢- 2005.07.02 at 日比谷野外音楽堂』(2005)

 ZIGGYが9/24のイベント出演を最後に、来春まで暫く活動を休止するそうな。単純に各メンバーがソロ活動をするための活動休止なんだろうけど、何かね‥‥昨年末辺りからのZIGGYを見てると、いつこうなってもおかしくなかったはずなんだけど、意外と頑張ったよなぁ‥‥っていう、非常に複雑な気持ちでして。

 昨年11月のライヴで森重が「(同年夏頃)ZIGGYを解散しようかと思ってた」なんて発言をした辺りから、このバンドに対するネガな感情が常につきまとって来たんだよね。それまでは‥‥SHAKE HIP SHAKES時代を見てるだけに、とにかく不屈の精神で、売れなくてもバンバンと作品を作り続けてくれる印象があったんだけどさ、結局去年って例の4枚組ベスト盤だけじゃない(更に新曲となるとたった2曲だし)。それと前後するように森重ソロがあって、The DUST'N'BONEZのお披露目やアルバムリリース、昔のZIGGYみたいなフットワークの軽さを併せ持ったライヴ活動があって。そりゃSHS時代からずっと応援してるファンは多少不安になるわな。

 今年俺が観たZIGGYってのは、3月の単独公演のみなんだけど、あれは非常に素晴らしい内容だったと思いますよ、今でも。「JUST A ROCKIN'NITE」という非常に地味な作品の後だったけど、新旧バランス良い選曲もなかなかだったし、バンドのテンションも昨年11月の渋公以上だったし。

 で、本来なら行っている「はず」だった、7/2の野音。『ONE NIGHT STAND -真夏の夜の夢-』というタイトルの付いた、スペシャルな内容になるはずの、たった1公演のライヴに俺は行かなかったわけですよ(代わりにLOST IN TIME@リキッドルームに行き、その夜にはかの「AIN'T IT FUN」があったわけですが)。

 ライヴの評判は‥‥実はあまり目にしてなかったんですよ、つい最近まで。まぁ気になった点はただひとつで、その特別な夜に彼等(というか森重)はピリオドを用意しなかったという点。凄く嫌な予感のするライヴになりそうな気がしてたんだけど、それだけはハズレてくれた。ホントよかったよ。ただ‥‥

 この日のライヴがDVDになることが発表された後、ファンサイトや一部の雑誌等で今回のライヴの感想を目にしたんだけど‥‥セットリスト含め、非常に微妙だという声がホントに多くて。

 確かに曲目もバランス悪いし、スペシャルといえば1回目のアンコールで登場したストリングス隊との共演による "GARDEN OF ROSES" くらい。まぁ、久し振りに演奏される曲も幾つかあったけど、これなら昨年11月や今年3月の方がバランスが良かった気がするんだよね。

 そして何よりも‥‥DVD観て嫌という程思い知らされたけど‥‥この日のライヴ自体、非常に出来の良くないものだったのよ。バンドとして‥‥特に森重と松尾が微妙に噛み合ってないし、松尾のギターは完全にリハ不足だし(ラフを通り越してるよ、これは)、森重のノリが悪い。というよりも、客に対して一種の敵意みたいなものさえ感じられる。つーかさ、ノリが悪いのよ、この日のお客。1曲目 "ONE NIGHT STAND" では凄まじい盛り上がりをみせるのに、続く2曲目 "Guilty Vanity"(森重・戸城・JOEの3人体制時代の曲)になった途端に、全体のテンションが4割くらい落ちるのが、DVD観てても伝わってくるわけ。その後に新作から "JUST A ROCKIN'NITE" があって、そこから自然な流れで "月が昇る頃には" という3月のライヴと同じ構成なのに、やっぱり盛り返さない‥‥この日のお客が、明らかに「何を」求めているのかが伺えるんじゃないかな?

 でもね、"MAYBE I'M A FOOL" とかやってもそこまで盛り上がらないし、コールアンドレスポンスも弱いし。でも "I WANT YOUR LOVE" みたいな曲ではしっかり盛り返す‥‥結局、1stや2ndの曲やってれば盛り上がるのかよ、年寄りしか来てなかったのかよこの日は!?って疑っちゃう程。そういやぁ渋公も似たような感じだったなぁ、と今更ながらに思い出してみたり。ちょっと美化し過ぎだったな。やっぱりスタンディングと椅子付ホールとでは客層やノリが違うってことなのかしら。。

 最初っからDVDを想定してのライヴだったはずだし、そのための仕掛けも用意してたんだけど‥‥正直、これを作品として残す意味が判らないんだよね。収録しちゃったものは仕方ない、出そうよ、暫くリリース予定ないし‥‥ってことになったのかもしんないし。だったら3月のライヴをDVD化しろよ!とも思うけどさ。

 森重はダスボンだろうがソロだろうがZIGGYだろうが、どこでも『ロックンロールシンガー然』としていてカッコいいし、JOEは相変わらず気持ちいいドラムを叩くし、津谷は憧れのメンバー達に追いつこうと必死なのがヒシヒシと伝わってくるし、松尾は‥‥うん‥‥頑張ろうよ、ね‥‥ZIGGYの存在意義が今、確かに希薄になりつつあるよね。だからこその休業なんだろうけど。ギタリストに合わせてわざとレイドバックしたユルい路線に持っていく必要があったのか、そしてその反動をソロや別バンドにぶつけるのはミュージシャンとして正しいのか、そもそもそんなことやってて精神衛生上よろしくないのか、とかいろいろ思うことはあるけど‥‥答えは出てるんだよね、最初っから。


  KEEP ON ROLLIN'


転がり続けるしかないんじゃねーの、何があっても? SHSも、再生ZIGGYの最初の頃も、この精神があったからここまでこれたんじゃないの。

 でも、う〜ん‥‥やっぱりこのDVDを観たら、リセットする意味での休憩(「ZIGGY再開」を野球に例えて『開幕』と広告打ったくらいだから、ここはひとつ『ストーブリーグ』ってことにしようか)は必然なのかな‥‥なんていう親心みたいな気持ちも生じてきてさ。

 だからこそ、ライヴ終了後に森重が言った、「また会えたら。。」っていう言葉がね。深読みし過ぎなのは重々承知だけどさ。。

 とりあえず、9/24のライヴに行ってきます。



▼ZIGGY『ONE NIGHT STAND -真夏の夜の夢- 2005.07.02 at 日比谷野外音楽堂』
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投稿: 2005 09 23 01:01 午前 [2005年の作品, ZIGGY] | 固定リンク

2005/09/22

MR.CHILDREN『I♥U』(2005)

 いろいろ考えたんだけど、「とみぃの宮殿」時代からの恒例行事となっている、『全曲解説レビュー』は今回だけはやらないことに決めました。それは決してこのアルバムが語り難いからとかそういったネガティヴな理由からではなく、本当に光り輝き過ぎてるからなんです。1曲1曲を取り出して分析するんじゃなくて、1枚のアルバムとして、13編の私小説を綴った1冊の長編物語を読むようにこのアルバムと接してもらいたい、そういう風に楽しんでもらいたい‥‥っていう願いが強いんです。曲に関しては、前に取り上げたシングルのレビューでも読んで復習してみてください。といっても、このアルバムに収められた13曲の内、たった4曲についてしか触れてないですけどね‥‥

 Mr.Childrenの通算12作目となるオリジナル・アルバム「I♥U」がいよいよリリースされました。前のシングルレビューの時は‥‥7/20とかなんだね。あれから「ROCK IN JAPAN FES」があって、それと前後するようにアルバムのリリースが発表されて‥‥あのシングルについて語った時点では俺、「こうなると‥‥やはりアルバムに期待せざるを得ないよね。年内リリースは‥‥可能性薄いよなぁ。早くても年明け、やっぱり来春くらいかなぁ。」って書いてるんだよね。あの「四次元 Four Dimensions」における、尋常じゃないテンションとグルーヴ感を体験してしまった後となっては、やはりどうしてもアルバムに期待してしまうんだけど、まさかこんなに早く完成しちゃうとはね‥‥要するに、あのシングルに収録された4曲を含め、昨年後半辺り(恐らく昨年9月のツアー終了後)からドンドンと曲を作っていき、合計13曲もの素晴らしい新曲群を完成させてしまっていたんですね‥‥本当に驚くと同時に、それらが先のシングルと同等、あるいはそれ以上のポテンシャルとクオリティを備えている事実に驚愕するというか‥‥前作「シフクノオト」を聴いた後となっては、ただただ驚くばかりというか‥‥嬉しくて涙すら溢れてくるよ。それくらい、このアルバムを聴くと、どうしようもない程に嬉しくなっちゃんだな、うん。

 実はこのアルバム、フラゲ(フライング・ゲット。リリース日前日、店頭に並び始めた時に購入)すていたものの、当日は聴く余裕がなくて。そのまま封も開けずに寝ちゃってさ。その時点では、メディア(テレビや雑誌)やネット上での評判は殆ど目にしてなくてさ。けどまぁ、何となく「絶対的な1枚になる」という予感めいたものはあって。そりゃね、あのシングルを聴けばね。

 でさ、翌日。通勤時間を使って、10曲目くらいまでザーッと聴いて。

 頭3曲("Worlds end"、"Monster"、"未来")の時点で、まず前作に何が足りなかったのかを再確認できたよ。ありきたりの言葉だけど、

  「グルーヴ(あるいはロール感)」「破綻」

このふたつだったんだな、と。シングルの時は「毒」って表現したけど、ほぼ「破綻」と同じ意味合いでこの表現を使ったんだな、うん。そして後で「とみ宮」時代に書いた「シフクノオト」レビューを読み返したけど、既にあの時点で同じような事を書いてるのね。この新作を通過することで、そこを再認識できたという意味では、本当に良かったのかもしれないな。

 他人はどう思ってるか知らないけど、自分にとって「IT'S A WONDERFUL WORLD」ってアルバムは、音楽オタクとしての桜井が思う存分『音』で遊んだ、正しく音楽(=ポップス)オタクのためのアルバムだったのね。んで、リリース後に本当の意味での『破綻』が一回あってリセット。手探りで作られた「シフクノオト」は世間的(所謂「ファン」ではなく、浮動票といえる一般層)に歓迎はされたものの、それは作品云々というよりも「病み上がりへのご褒美」的評価だったんじゃないかな、と。もしかしたらあのアルバムがホントの意味で評価されるのって、もっと時間が経ってからなんじゃないか、とも思うし。

 でさ、前作の時に非常に歯切れの悪い文章を書いた俺だけど、結局あのアルバムはライヴツアーを通過しないで作られた、いわば「密室音楽」だったのかな、と。オタク作品「IT'S A WONDERFUL WORLD」は良くも悪くも「外」に向けて放たれたけど、「シフクノオト」って非常に「内」に向かって放たれてるんだよね。音的にも、歌詞の面でも(これは前作リリース時点で既に書いてましたね。自分の事なのに改めてビックリした)。だから、バンド特有のグルーヴ感やロール感も希薄だったし、破綻もなかった。悪い意味で『出来上がっちゃった感』が強かった。バンドとしての『あがり』が見えちゃったんだよね。あー、ミスチルはこのままこういうスタイルで、今後何年もずーっとヒットチャートの常連を続けて行くんだろうな、でもそれはそれで悪くはないんだけどなぁ‥‥淋しいよなぁ、と。

 けど、今度の「I♥U」というアルバムは、過去のどれとも比較しようのないものが感じられるんじゃないかな。例えば‥‥俺自身がこのアルバムを最初に聴いた時ふと思い浮かべたんだけど‥‥「深海」とか「Q」辺りと比較することは容易いけど、明らかにあれとは異質の『何か』が潜んでる。それが何なのかは‥‥実は俺自身、まだそれを見極めることができてなかったりするんだよね。単なるグルーヴ感や破綻だとか毒といったものではなく、もっとこう、根本的なものというか‥‥そうか‥‥それが全てアルバムタイトルに集約されてるのか‥‥何となくそんな気がしてきた。ただの「I LOVE YOU」ではなく、トマトが潰れてハートの形なってるジャケット。トマトは自然と床に落ちたのか、あるいは意図的に叩き付けられたのか‥‥その違いだけでも「I LOVE YOU」のニュアンスがだいぶ違ってくる。母国語じゃない日本人からすればとても容易く口にすることができるフレーズなんだけど、実は最も日本人が苦手とする表現手段でもある。凄く奥が深いよな‥‥

 でさ、そういった様々な表現や想いを13編の歌詞とメロディに乗せて、ひとつの大きな『うねり』(=アルバム)を作り出す。それぞれがバラバラの個性を持っていながら、実は13曲がこの順番に並んだ時にこそ、その言葉の重み・意味合いは更に増す。この配置じゃなきゃいけないんだよ、"未来" も "and I love you" も。"ランニングハイ" の後にあの "Sign" のピアノフレーズが響かなきゃいけないんだよ。

 なんか‥‥音楽面(メロディがどうとかアレンジがどうとか、そういった類のお話)については全くといっていい程触れてない気がするけど‥‥今回だけは、余計な先入観なしに‥‥そう、こんな駄文を読む前に、真っ先に聴いて欲しいんだよ。そうだよ、これ読んでる暇があったらCD買ってこいよ!

 このアルバムに関してはさ‥‥もしかしたらこの人達(「この人」ではなく「この人達」ね)、とてつもなくもの凄い作品を生み出しちゃったのかもしれない‥‥全部聴き終えてない時点でそう言わせるだけのパワー・熱量を持った作品集だと思いますよ。そしてアルバムを通して聴いた今、その思いは確信へと変わりました。最高傑作とかそういう容易い表現は使いたくないけど、間違いなく過去のどの作品から遥か彼方の高みへと到達してしまったなぁ。

 ていうかさ‥‥ミスチルのアルバムを聴いて、泣きそうになったのなんて何時以来だよ‥‥嬉しくてガッツポーズを取ることはあっても、目に涙を滲ませるなんてことは暫くなかった気がするんだけどな。


 嗚呼‥‥今後ずーっと付き合っていけるアルバムが、また1枚増えちゃったなぁ。



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投稿: 2005 09 22 12:05 午前 [2005年の作品, Mr.Children] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/09/21

RAREDRUG『11 Slide 27 Makes?』(2005)

 ロックバンドといえば、そりゃ『バンド』っていうくらいだからライヴ活動を中心に考えてる奴らが大半なんじゃないかと思う。っていうか、まぁ普通はバンド組んだらスタジオに入って練習して、その練習の成果をステージ上で示す‥‥そう、それが『普通』だと誰もが考えてたよね、ちょっと前までは。

 でも‥‥いろんなテクノロジーが発達し、楽器もデジタル化し、更にデータのやり取りも回線を通じて送配信することができる世の中になって、音楽を作る側の考え方・在り方も少しずつ変化してきてるのね。実際、PC上で作った音楽データをネット回線を介して、別の土地・別の国に住んでいるメンバー間でやり取りして作品を完成させたアーティスト、結構いますよね?

 実は今回紹介するRAREDRUGというユニットもそれに属するアーティストでして。ただ、彼等が他の『我々がよく知るその手のアーティスト』と唯一違う点は、ヘヴィ/ラウドロックをデータのやり取りでやってるっていうこと。ここに自分的には驚いたんですよね。

 彼等は3年前にメジャーから1stアルバムをリリースしている2人組(当時は3人組)なんですが、ライヴ活動よりも作品作りに比重を置いた活動をしているんですね。というのも、(多くは公表していないんですが)メンバーがそれぞれ離ればなれの土地に住んでいることもあり、全てデータのやり取りで作品作りを行っているんだそうです。よく打ち込み系アーティストに多く見られる手法かと思いますが、自分の中でこの手(ラウド系)のアーティストでそういう手段で活動を続けている人達って初めて出会ったもんだから、ホントに驚いたし、興味を持ったわけですよ。

 で、インディーズからの再出発となった3年振りの2ndアルバム「11 Slide 27 Makes?」をいち早く聴く機会を得たんですが‥‥これがね、何ら違和感ないんですわ。「違和感」って何?ってお思いでしょうが‥‥要するに、アルバムを聴く限りでは「ネットを介してデータのやり取りで完成させたアルバムには思えない」ってこと。確かによくよく聴けばドラムが打ち込みなのは判りますが、個人的にはそこまで気にはならないし、むしろ打ち込みならではの「機械的な冷酷さ」が感じられ、時にそれが彼等のサウンドとマッチしていて、いいんじゃないかと思いましたね。

 所謂ラウドロックの範疇に入るサウンドで‥‥本人達はあまりこういう例えは好まないかもしれませんが‥‥海外のバンドでいうと、ROB ZOMBIEやSTATIC-X辺りが好きな人なら気に入るんじゃないかな?と思いますね。意外とメロウな要素も強く、歌詞が日本語ということで新鮮に響くし、何よりもそこはかとなく感じられるサイケさ‥‥これがこのバンド(ユニット)最大の持ち味じゃないかな、と思いますね。ギターのフレージングもただのゴリ押しってわけじゃなく、柔軟性が感じられるし、ボーカルもいろいろと歌い方を使い分けてるし。勿論、もはやラウド系は飽食状態ではあるんですが、意外と日本ではまだいけるんじゃないか‥‥こういう表現手段があったんじゃないか、と思わせてくれるんですよね。

 個人的には一発で気に入りましたし、これを読んだ皆さんも気に入ってくれると嬉しいのですが‥‥まずはオフィシャルサイトでフル試聴できる曲があるので、そこでお試ししては如何でしょうか? 先日の「RADIO TMQ」でもこのアルバムから1曲目の "Anticsant" をオンエアしましたが、意外と評判が良かったようなので、こちらとしてもひと安心しております。こういうバンドは(特にライヴ活動がない分)なかなか露出の機会もないし、そういう意味ではうちみたいなネットラジオが少しでも役に立てばいいのですが‥‥

 最後に。バンドのポリシーに反するのかもしれませんが‥‥やはりライヴが観たいです! この音聴かされたら、そりゃライヴで爆音を浴びたくなりますよ!! 今後の活動、いろいろと期待してます!



▼RAREDRUG「11 Slide 27 Makes?」(amazon

投稿: 2005 09 21 01:00 午前 [2005年の作品, RAREDRUG] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/09/19

BON JOVI『HAVE A NICE DAY』(2005)

 BON JOVIの約3年振り、通算9作目となるオリジナルアルバム「HAVE A NICE DAY」がいよいよリリースされました。先行シングル "Have A Nice Day" は8月初旬から「iTunes Music Store Japan」にて先行配信されていたので俺はそっちで購入していたんだけど、今月に入って店頭に並んだCDシングルの方も売れに売れまくり、気づいたら日本のオリコン・シングルチャートに初のトップ10入りを果たしてしまう程のヒットを記録したのでした。まぁこっちはいろんな要因があると思うのですが(500円という「ワンコイン・シングル」が功を奏したり、等)、兎に角今BON JOVIというバンドが何度目かのピークを迎えようとしていることには違いないと思います。そしてそのピークを支えるのが、自分みたいな「'80年代の全盛期」を支えてきたオールドファンではなく、"It's My Life" 以降‥‥下手をしたらつい最、それこそ "Have A Nice Day" を聴いてファンになったような若い子達だという事実。このバンドの凄みは、そういった所にあるんじゃないか、とここ数年は常に感心しています。

 3年振りとはいうものの、実は彼等に対しての飢餓感みたいなものは全くなかったんですよね。というのも前作「BOUNCE」(2002年)以降、毎年BON JOVIは音源をリリースしてきてたんですよ。2003年秋には過去のヒット曲をアコースティックでリアレンジした企画盤「THIS LEFT FEELS RIGHT」、そして2004年秋にはバンドのデビュー20周年を記念する4CD+DVD(日本盤は更にCDがもう1枚付いた)ボックスセット「100,000,000 BON JOVI FANS CAN'T BE WRONG」もリリース。更に前者リリース後には、そのアルバムリリース時に行われた特別ライヴを収録したDVD「THIS LEFT FEELS RIGHT LIVE」も出てるし‥‥昔みたいに全く音沙汰なしな期間がゼロだったんですよ、今回。というよりも「CRUSH」以降は毎年何かしらの音源/DVDをリリースしてるんですよね、BON JOVIって。そこが凄いというか‥‥

 さ、前振りはこの程度にして、このアルバムの魅力について語りますか‥‥

 この「HAVE A NICE DAY」、実は今年の春にはリリースされる予定だったという話は既にいろんな所で語られていることだし、実際昨年末のボックスセットリリース時のインタビューでもジョン・ボン・ジョヴィ本人がそう語っていたので、そりゃみんな驚いたよねぇ‥‥へっ、ボックスセットのことしか考えてなかったから、心の準備が‥‥みたいなさ。ところが、実際には曲の追加&差し替え、更に煮詰めたりして、最終的なリリースはそこから更に半年ずれた秋口になってしまったという‥‥ま、それでも全然遅過ぎる!とか思わなかったけどね。むしろ春先に出ると信じたファンからすると、この半年の遅延のお陰でこのアルバムに対する期待感が更に高まったんじゃないかな?

 んで、実際我々の手元に届いたこのアルバム、もの凄い傑作に仕上がってるじゃないですか! いや、何かここまで褒めるのもシャクなんだけど‥‥ホント貶しどころがない。BON JOVIのアルバムって(過去にも何度も書いてるけど)前半気合い入れ過ぎて、後半ちょっと散漫になりがちだったんだけど(それって名作「NEW JERSEY」からずっとそうだったような気がする)、それも「CRUSH」辺りから解消されてきてたんだけど、特にここ2作のアルバムって最高に良い曲が揃ってるんだけど、すごく隙のない作風になってたのね。悪く言えば(勿論悪いとは思ってないんだけど)作り込み過ぎ、というか‥‥それっていうのはその当時のバンドを取り巻く状況だったりジョン自身の精神状態だったり、そして当時の情勢みたいなものも大きく影響してたんだろうなぁ‥‥特に「BOUNCE」にはそれが色濃く表れてるしね。

 でも、今回アルバムは‥‥確かに昨年のアメリカ大統領選を意識した内容になってるとはジョン本人も語っているけど‥‥もっと肩の力が抜けた、良い意味で「ラフ」なアルバムなんだよね。だけど、キメるところはしっかりキメてるし、どこからどう聴いてもBON JOVI以外の何ものでもない。シングル曲 "Have A Nice Day" でしっかり聴き手の心を掴んでおいて、これもBON JOVI以外の何ものでもない "I Want To Be Loved" ときて、アーシーなアコースティックバラード "Welcome To Wherever You Are" へと流れていく。その後はユルいアメリカンロックあり、ハードロッキンなナンバーあり、ゆったりしたバラードあり‥‥だけど後半5曲はただひたすら疾走するロックンロールナンバーが続いて、最後の最後に(兎に角歌詞が素晴らしい)名曲 "Story Of My Life" へと辿り着く。凄く完璧な流れだし、捨て曲も1曲たりとも存在しない。凄いというしかないよ‥‥しかも良い意味で「作り込まれてない」から、そんな完璧な流れであろうと緊張感や緊迫感を伴うこともなく、すんなりと最後まで聴けてしまう。先に書いた『肩の力が抜けた、良い意味で「ラフ」なアルバム』とは、正にこういうことを言うんだよなぁ‥‥という、ホントに素晴らしい作品なわけよ。

 ‥‥ってここまで書いたら、もう他に書くことないんだよなぁ。そうそう、「ラフ」っていうのは、例えばこれまでのBON JOVI作品の肝のひとつであったキーボード、今回はその比率が低くて本当にギターが前面に出まくってるんだよね。曲によっては殆どキーボードが聴こえない曲もあるくらい。多分そういった「ギターアルバム」的な作風に仕上がったことも、「ラフ」に聴こえる要因なのかもしれないね。で、リッチー・サンボラもソロやバッキング含め、相当気合い入れて頑張ったんだろうなぁ‥‥というのが手に取るように判るんだよね。しかもそれを聴き手にスラッと聴かせてしまう辺りも改めて凄いというか。日本盤ボーナストラックとなった3曲(当初アルバムに入る予定だったが、最終的には差し替えられてしまった4曲の内の3曲)と聴き比べれば、作風然りギタープレイ然り、その違いの大きさに驚くんじゃないかな‥‥多分この春にアルバムが出てたなら、間違いなく過去2作と同系統の作品で終ってたと思う。でも、そこから更に踏ん張ったから、そこから更に数歩進んだ、ある意味では最も「THESE DAYS」に近づいた、良い意味であのアルバムと近作の中間に位置するフラットでアーシーで親しみやすい作品に仕上がったんじゃないかな、と。

 俺の同世代の奴らもそうだけど、未だにBON JOVIというと "Livin' On A Prayer" や "Bad Medicine" といった曲名を挙げたり、そういった産業ロック臭が苦手だというんだよね。でもさ、ここ10年のBON JOVIっていうのは自身のルーツにとても忠実で、それこそライヴじゃ'50〜'60年代のソウルやR&Bの名曲をカバーしてきてるし、アルバム自体もブルース・スプリングスティーン化がどんどん進んでるし。要するにどんどん「ナチュラルなアメリカン・ロック」へと昇華してるわけですよ。先の「THESE DAYS」ではそれをやり過ぎてしまった感があったけど、今回のアルバムは従来のファンも、そしてこれまでそういう風に敬遠してきたロックファンとを繋ぐ橋渡し的1枚になったんじゃないかな‥‥そう信じて疑いません。

 とにかく、こんな素晴らしいアルバムをみすみすスルーしてしまうなんて、愚か者のすることですよ。絶対に聴け!



▼BON JOVI「HAVE A NICE DAY」(amazon:日本盤DVD付日本盤US盤

投稿: 2005 09 19 12:05 午前 [2005年の作品, Bon Jovi] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/09/18

BRIDES OF DESTRUCTIONの新曲4曲がフル試聴可能に

BRIDES OF DESTRUCTIONの新曲4曲がフル試聴可能に(www.myspace.com)

 最近、THE WiLDHEARTSのジンジャーもこの「www.myspace.com」を利用して新曲をいち早く披露してくれてますが、そのジンジャーも作曲に絡んだ新生BRIDES OF DESTRUCTIONのニューアルバム「RUNAWAY BRIDES」から、4曲を先行でフル試聴することができます。

 とはいってもこのアルバム、既に海外では9/13にリリース済みなのです。前作は「Sanctuary」からのリリースで、日本盤から3〜4ヶ月遅れてのリリースでしたが、今回は「Shrapnel」からのリリースとなり、日本盤より半月早いリリースとなったようです。この辺に前作と新作での日本での温度差を感じたり、感じなかったり(単にスケジュールの関係だけかもしれませんが。。)。

 既にご承知の通り、このアルバムにはニッキー・シックスは参加していません。つまりメインソングライターのひとりが抜けてしまい、完全にトレイシー・ガンズ体制になってしまったと言っていいでしょう。そんな中にヘルプとしてジンジャーが(一時的に)加入、一緒に曲作りをしたりしたのですが‥‥ どうやらジンジャーが関わった曲は "White Trash"(M-6)、"Never Say Never"(M-8)、"Tunnel Of Love"(M-12)の3曲みたいですね。

 で、先の「www.myspace.com」で聴けるのは、"White Trash"(M-7)、"Dimes In Heaven"(M-13)、"Lord Of The Mind"(M-2)、"Porcelain Queen"(M-10)の4曲。"White Trash" は前作の流れを組む、アッパーなR&R調といいましょうか。確かにどことなくジンジャーっぽさが感じられたり、られなかったり。ボーカルのロンドンが前作よりも抑え気味に歌ってるのが多少気になりますが‥‥

 続く2曲("Dimes In Heaven"、"Lord Of The Mind")はどちらもミドル・ヘヴィなタイプで、特に前者は多少プログレッシヴな要素を持った演奏が印象的ですね。後者は特にトレイシーのギターソロが耳に残る、多少グルーヴィーな仕上がりになってます。あー成る程、この辺はニッキー主体ではなくトレイシー主体っぽい気がするなぁ。L.A. GUNSの2nd〜3rd辺りにも通ずるヘヴィさというか。

 そして最後の "Porcelain Queen" はピアノやシンセを用いたバラード。前作にはないタイプですよね。これもトレイシーっぽいな。特に途中でアップテンポ&ヘヴィな展開をしていくアレンジなんて、モロにL.A. GUNS的ですよね。

 こうやって4曲だけですが、ちゃんと聴いてみると‥‥凄くバラエティに富んだ作品にしたかったんだなーという気がします。勿論、最終的な判断はアルバム13曲を通してからですが‥‥1stアルバムが、ニッキー・シックスの「パンク精神」をそのまま体現したような作風で、ただひたすら前進といった感じだったのが、この2ndではもっとひねくれた感じというか、俺等パンクだけどもっと知性もあるんだぜ?的な頑張りみたいなものが感じ取れますよね。歌もただがなったり叫んだりしてるんじゃなく、丁寧に歌おうとしてる印象を受けたし。

 う〜ん、これはもしかしたら賛否分かれるかもしれませんね。あくまで「ニッキー・シックスがMOTLEY CRUEの代わりに始めたバンド」という風に捉えていたファンからすると、(既にニッキーが抜けた時点で興味は薄らいでいるのかしれませんが)ちょっとなー‥‥という気がしないでもないし、またジンジャーが絡んだから聴いてみようと思ってるTHE WiLDHEARTSファンからすると、ちょっとパワーが足りない気がするし(ヘヴィではあるけど、ワイハーが持つヘヴィさとはまたタイプが違うしね)。他の9曲の中には従来のタイプの曲もあるだろうし、あるいはもっと風変わりな曲もあるかもしれない。その辺はちょっと楽しみではありますけどね。

 まぁ‥‥この4曲を試聴用に選んだという時点で、何となく彼等(特にトレイシー)の意図するものが見えなくもないですけどね‥‥とにかく。日本盤は10/5にリリースされます。同日にはBUCKCHERRYの3rdアルバムも日本先行でリリースされますので、これはちょっと面白い聴き比べができるかもしれませんね、同じ「21世紀を代表する中堅アメリカンハードロックバンド」として。



▼BRIDES OF DESTRUCTION「RUNAWAY BRIDES」
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投稿: 2005 09 18 12:01 午前 [2005年の作品, Brides of Destruction, Ginger Wildheart, Motley Crue, Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/09/15

TOMMY LEE『TOMMYLAND : THE RIDE』(2005)

 私事で恐縮ですが、この度9月18日(日/祝前日)深夜に三軒茶屋にて「Motley Crue Night」というクラブイベントを開催することになりまして。タイトル通り、MOTLEY CRUEを中心とした国内外のワイルドでやさぐれたロックンロール、HM/HR、グラム等々、ひたすらカッコいいロックンロールが朝までかかって踊りまくれるイベントとなっております。俺は24時50分から55分、モトリー・タイムを担当させてもらうことになってます。「オリジナル・モトリーの来日を記念して」開催されるイベントですので、ここでは『オリジナル編成での楽曲』のみ次々とかけまくる予定です。モトリー大好きっ子も単なるハードロック好きもカッコいいロックなら何でもいいっていう人もそうでない人も、是非お友達を誘って遊びに来てくださいね! 詳しくは後程、別のエントリーに書きますので!

 というわけで、最近ドップリHM/HR漬け、中でもモトリー関連を聴く頻度がかなり高く(当たり前だけど)、こんなにモトリーの(しかも初期の)楽曲ばかり聴いたのは恐らく中学〜高校生時代以来じゃないか‥‥って程でして。あの頃は高校1年の時に「GIRLS, GIRLS, GIRLS」が出て、その年の冬に武道館で回転ドラムソロを観て、高校3年の秋に「DR.FEELGOOD」が出たんだよなぁ‥‥当然、その間にはCD化された過去のアルバムを全部揃え、もう来る日も来る日もそればかり聴いてたんだよなぁ‥‥モトリーのコピーバンドもやったなぁ‥‥なんてことを思い出しつつリマスター化された初期の作品を改めて聴くと、当時は気づかなかった細かい音やフレーズに気づいたり、ガキの頃は全然良いと思えなかった「捨て曲」が妙に愛らしく思えてきたり、まぁ新鮮な気持ちで新たに接することが出来るようになってたんですね。これは正直嬉しかったなぁ。

 でね、各メンバーのソロ作品も同じように聴いたんですよ。ヴィンス・ニールのソロは勿論、ニッキー・シックス幻のユニット「58」やBRIDES OF DESTRUCTION、そしてトミー・リーがモトリー脱退中にリリースしたソロ作(METHODS OF MAYHEM含む)もなんですけどね‥‥

 そんなトミー・リーがモトリー復帰後、つい最近リリースしたのが今回紹介する「TOMMYLAND : THE RIDE」というアルバム。2002年にリリースした「NEVER A DULL MOMENT」というアルバムはソロ名義だったものの、実際にはMETHODS OF MAYHEMとして制作されたアルバムだったので、実質今回の「TOMMYLAND : THE RIDE」が正真正銘のソロアルバムってことになるのでしょうか。

 とはいっても、そこは人気者トミー・リーのこと。数多くの有名ミュージシャンがゲストとして参加してます。勿論過去の作品でも、その当時・そのアルバムの音楽性に合ったゲストミュージシャン(主にヒップホップ系だけど)が多々参加してきましたが、今回はその参加者の名前を見れば今のトミーがどういう方向を向いているのかが一目瞭然なのですよ。

 ・Butch Walker [M-1]
 ・Andrew McMahon (SOMETHING CORPORATE) [M-2, 7]
 ・Chad Kroeger (NICKELBACK) [M-3]
 ・Carl Bell (FUEL) [M-4]
 ・Joel Madden (GOOD CHARLOTTE) [M-6]
 ・Dirty Harry
 ・Nick Carter (BACKSTREET BOYS) [M-11]

勿論このアルバム、全ての楽曲のボーカルはトミー自身が担当してるんですが、各曲毎にフィーチャリング・ボーカリストもいて、それが上の名前の数々なんですよ‥‥どうよ、これ? 成る程ーっていう名前がズラズラと続く中、最後のニック・カーターに越し抜かすハードロックファン、多数じゃないでしょうか? けどね、これがすっげーハマってるのよ。

 このアルバムは決してハードロックアルバムではないし、更にトミーがこれまでソロで実践してきたようなヒップホップ寄りの作品でもない、至極シンプルなアメリカン・ポップロックな1枚なんですよ。まずそれがビックリ。何故トミーが今、この方向に向かって行ったのかは彼にしか判りませんが、プロデューサーはこれまで同様、スコット・ハンフリー(モトリーの「GENERATION SWINE」やトミーのソロ諸作をプロデュース)ですから‥‥トミー自身の中で何か大きな変化があったんでしょうね。

 勿論、こういうったスウィートな要素は常にトミーに備わっていた要素なわけですよ。でも、彼はソロではそういった側面をほんの少ししか見せてこなかった。そう、ここまで全面的にそういった甘い要素を打ち出したのは、モトリーという古巣に戻ったことで改めて「やっぱり俺の出所はここだよな」って認識したのかもしれない‥‥ま、憶測ですけど。でも‥‥だとしたら、非常に嬉しい変化じゃないですかね、彼にとっても、そしてファンにとっても。

 ドラムは全てトミーが担当し、ベースにはJANE'S ADDICTIONのクリス・チェイニー、ギターもゲストが多彩で、ボーカルでも参加してるチャドやブッチの他に、かのデイヴ・ナヴァロ(JANE'S ADDICITON)も参加してます(といっても彼がどの曲に参加してるかは、クレジットがないので判りませんが)。

 トミーのソングライターとしての資質も改めて目を惹くものがあるし(ま、大半の曲はフィーチャリング・シンガーとの共作でしょうけどね)、シンガーとしての彼もシンプルで味のある、魅力的な歌い手だということが判ったし(ラップする彼もまたいいんだけどね)‥‥モトリーの「GENERATION SWINE」でトミーがピアノで弾き語りしていたラストナンバー、"Brandon" が好きだった人なら絶対に気に入る1枚だと思います。曲/プレイ共にモトリー的な派手さは皆無だけど、サラッと聴けて、尚かつ味わい深いという意味では、これも「あのモトリーのメンバーによる1枚」なんですよね。急にポツンとこういうのを出す。だから奴らは侮れないんですよね。



▼TOMMY LEE「TOMMYLAND : THE RIDE」(amazon

投稿: 2005 09 15 09:56 午後 [2005年の作品, Motley Crue, Tommy Lee] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/08/19

METALLICAの映画『SOME KIND OF MONSTER』を観た。

 METALLICAのドキュメント映画、「SOME KIND OF MONSTER」が先月末から日本でも公開されてるわけですが(アメリカから遅れること、約1年近くかぁ‥‥向こうでは既にこの1月にDVD出てるし)、東京での公開が8/19までということもあって、焦ってその前日、8/18のレイトショーに行って観てきました。今、その興奮も冷めやらぬ内にこれを書いてるところです。

 映画の内容は‥‥ジェイソン・ニューステッドが脱退したところからスタートするんですが、彼が抜ける直前にこのドキュメント映画の撮影が決まったみたいで、結果撮影はジェイソンを欠いた3人+プロデューサーのボブ・ロック、そこにセラピストを含むメンバーにより進められていくんですが‥‥

 えーっと、これからネタバレ的なことも多々含まれます。まだ大阪、名古屋、札幌等の地区では上映中だったり、これから上映開始したりするので、ちょっとワンクッションおきます。映画をこれから観るって人は、まぁ読まない方がいいかもしれませんね。

 というわけで‥‥

 ‥‥はい、続きです。

 ストーリーの続きですが‥‥まぁMETALLICAのここ数年の流れ(ジェイソン脱退~ジェームズのアルコール依存症治療~レコーディング開始~ロバート・トゥルージロ加入~「ST.ANGER」完成)を知ってる人にとっては、まぁ既に頭に入ってるエピソードが、ほぼ時系列に沿って「ドキュメント映画のように」進んでいくんですが‥‥いや、これドキュメント映画だったね。失敬。

 でもさ‥‥そう思えない程に、俺は映画館の中で大笑いしてたわけよ。ストーリーやメンバー間のやり取りがシリアスになればなる程、もう笑えて仕方ないわけ。なんつーか‥‥我々が生活する「日常」とは、やはり相当にかけ離れてるというか、どう考えても感情移入できないのね。ま、そんなの当たり前の話なわけですが、それでも‥‥曲がりなりにも20年近くファンをやってる立場としては、ジェームズのリハビリ施設退院以降、バンドが再生していく過程に涙しなきゃいけないんだろうけど、無理。無理なのよ。だってジェームズもラーズもバンド結成当時で「止まっちゃってる」んだわ。要するに、ガキ。そんなガキのやりとり、冷静に観ろっていう方が難しいわな。いや、濃いファンはこれを真剣に受け止めてるのかもしれないけど、やっぱり(与えられた情報の中からとはいえ)ジェームズの性格も、ラーズの性格も、ある程度知ってるわけでしょ。で、ある程度想像つくじゃない、衝突すればどうなるかって‥‥で、それが想像通りなもんだから、もう大爆笑なわけ。だってさ、いい大人(しかも幼い子供を抱えた、一家の主)がですよ、「今日は朝から機嫌が悪いんだ」なんて、普通言わねーよ。で、それは映画にも登場するデイヴ・ムステイン(元METALLICA、現MEGADETH)にも言えることで‥‥同類だよな。だからそれぞれが上手くいってる時はホントに奇跡的な仕事をするんだけど、大半はほぼ衝突しまくり。結果、デイヴはデビュー前のMETALLICAを追い出され、20年経った今でもそのことを根に持ち、自分の人生がどんなに辛くて酷いか、それは全部お前らのせいだ!とまで言わんばかりの勢い。んでカークはその次元までいかないけど、あれ(ジェームズとラーズ)を受け入れてる時点で、ある種同類なわけ。だけど「身を引く」ことを知ってる。だから上手くいく。その点からすると、ジェイソンって男は、至極「まとも」「真面目」だったんだな、と。まとも過ぎから脱退した。去った理由も理解できなくないわ、これ観たら。

 とまぁ、こんな風にいろいろな人間模様が見え隠れする、非常によく出来たドキュメント映画だと思いますよ。RAMONESに「THE END OF THE CENTURY」というドキュメント映画がありますが(あれも観た時はかなりショックでしたが‥‥)、完成度の点ではあれを遥かに上回っていると思います。

 ただ人間模様だけを記録したのではなく、それが「6年振りの新作レコーディング過程」の中で映し出されているから、更に面白いわけですよ。ひとつの作品が成長して完成していく様、しかもそれが過去のどの作品にも似ていない、非常にユニークな作品に仕上がっている点。製作方法も過去のそれとは全く違う、ホントの意味での「バンド」のレコーディングになっている点。そしてラストのベーシストのオーディション。意外な面々がオーディションに登場します。ここだけでも必見ですよ。

 日本でのDVD化はまだ先らしく、年末か年明けになるのでは‥‥なんて噂を耳にしています。とにかく、東京の人はこれを読んだら本日のラスト上映(17時半と20時半の2回)に駆け込んでください。そして他の地方の人は‥‥これ読んでも興味が失せなかったら是非観てみて。更にどうしても観れないって人は‥‥リージョン1で英語が堪能なら、下の輸入版を購入するって手もあります。ま、もう暫く辛抱するのが一番かもしれませんが。

 とにかく。この手のロック・ドキュメンタリーの中では過去最高の出来ではないかと思います。これを笑えるか、観て凹むかで、あなたの忠誠心が判ってしまうかも‥‥なんてね。



▼METALLICA「SOME KIND OF MONSTER」DVD [region 1] (amazon

投稿: 2005 08 19 01:30 午前 [2005年の作品, Metallica] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/07/27

モーニング娘。『色っぽい じれったい』(2005)

 えーっと、もう27枚目のシングルですか‥‥何度目かの「新生モーニング娘。」によるニューシングル、「色っぽい じれったい」。既に第何期なのかも判らないし、よくよく考えたら俺ですら現在何人なのかが判らない程なんですわ‥‥7期メンバーの久住小春加入後としては最初のシングルになるわけですが‥‥今年に入って既に3人ものメンバーを欠いた今、暫くはメンバーの増減よりも、如何に「LOVEマシーン後のモーニング娘。」を世間一般に印象づけるか、そしてそれに見合うだけの素晴らしい楽曲を手に出来るか。全てはここにかかってると思うんですが‥‥もうこの4年くらい、ずっと迷走してるわけですけどね。迷走こそ○○の美学、なんていうのは後藤真希だけで十分ですよ。ハロプロ全体が迷走してどうするよ(ま、実際は皆迷走しまくりなわけですが)。

 でね、肝心の楽曲です。テレビで初めて耳にしたタイトル曲ですが‥‥

これが意外に好印象でして、俺的に。路線的には前作「大阪 恋の歌」と同系統の、所謂「ラテンの要素を取り入れた歌謡曲チックなJ-POP」という‥‥ってなんだその例え。けど俺内ではそういうのが今ブームなわけ。早い話が‥‥T&Cボンバーがこの春頃からずっと大ブームなんですよ、今の俺には。あとメロン記念日の2ndアルバム前後とかその辺な。

 それを踏まえた上でこの "色っぽい じれったい" を聴くと‥‥モーニング娘。が歌う必然性が感じられないんですよ。言っちゃ悪いけど、いい曲なんだけどモーニングが歌うと平凡に聞こえちゃう、みたいな。多分これを今のメロン記念日が歌ったらすっげードンピシャなんだろうし、後期T&Cが歌っても絶対にハマってたと思うのね。アクの強いメンバーによって歌われれば歌われる程、曲時代がよりクドく、そして粘っこくなるんだけど‥‥悲しいかな、今のモーニング娘。が歌うことで箸にも棒にも引っかからないような、そんな平凡な出来になっちゃうんだよねぇ‥‥悪くないんだけどさ。ホント勿体ない。

 それはね、カップリングの "愛と太陽に包まれて" にしても同じことが言えて。これなんて‥‥タイプ的にはタンポポ辺りが歌いそうなボッサテイストの1曲なんだけど、これをさ‥‥例えばROMANS辺りに歌わせてみようよ(よりによってROMANSかよ!)。そうすると‥‥あら不思議、見事にハマるんですよ。まぁ‥‥要するにさ、この曲もメロン記念日に歌わせるべき楽曲だよね。アレンジャーのAKIRAが非常に頑張ってるんだけど、「モーニング娘。らしさ」が皆無だし、必然性が感じられないし、何よりも‥‥聴き終わった後に何も残らない。かろうじて、まぁいい曲だよねーという感想のみ。モーニング娘。の新曲を聴いた!っていう満足感なり、そういった多幸感を殆ど感じさせないという意味では凄いモノを感じるけど、それじゃマズいだろ‥‥

 もうさ、この2曲をメロン記念日に譲れや。どうでもいいよ‥‥そんな投げやり感さえ感じてしまう、聴き終えた後の空しさ。楽曲の出来が良ければ良い程、その空しさは更に深まるばかり。そして、セールスも‥‥

 あーあ。もういいや。

 久し振りにカップリング含めて気に入った楽曲だっただけに、非常に残念。



▼モーニング娘。「色っぽい じれったい」(amazon:初回盤通常盤シングルV

投稿: 2005 07 27 12:14 午前 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/07/25

THE PREDATORS『Hunting!!!!』(2005)

 海外なんかだと大物バンドのメンバーと玄人ウケするバンドのメンバーとが一緒にユニットをやる、なんて話はよく耳にするし、実際幾つもそういうのを目の当たりにしてきてるじゃないですか。けどこれが日本になると、やれ事務所のしがらみが、とか、やれどのレコード会社から出すか、とかいろいろ揉めることが多いんじゃないでしょうか。あと、「誰(メイン)のバンド」か、とか。正直、聴いてる方はそんなのどうでもいいんですよ‥‥曲と、バンドとしての佇まいさえカッコ良ければ、俺は全然アリなんですけどね。

 the pillowsの山中さわおとGLAYのJIROが中心となってスタートし、そこにストレイテナーのナカヤマシンペイが加わることで完成したスリーピース・バンド、THE PREDATORS。これが意外とサマになってるんだよね、佇まいが。俺はこの中だとthe pillows寄りのモノの見方をしてしまいがちだけど、別にGLAYだって嫌いじゃないし、むしろ好意的に捉えてるよ。そしてストレイテナー‥‥今年久し振りにライヴを観ていろいろと感慨深かったんだけど、その中でもやはりドラムの凄さは相変わらずだなぁとため息混じりに思ったものですよ。そんな3人がバンドをやる‥‥面白いじゃないですか。

 曲自体は大半を山中が書いてるので、まぁthe pillows寄り‥‥というか、そのままpillowsでやっても違和感がないような曲が大半。ただ、そこは別のメンバーが演奏してるだけあって、やはり別物を聴いてるんだな、と思わされるわけ。とにかく勢いというか、このバンド独特な「ノリ」が既にあるわけ。pillowsでも疾走チューンはアルバムに必ずあるんだけど、それともまた違ったノリなんだよね‥‥pillowsの場合はタテノリながらも、横にゆらゆら揺れてる感じ‥‥判りにくいかな‥‥があって、凄く余裕を感じさせるんだけど、このTHE PREDATORSの場合‥‥本人達も口にしてる通り、NIRVANA等のバンドから受けた影響が、プレイに出てるんだよね。曲、というかメロディ自体はpillowsと同じかもしれないけど、それを別のメンバー(リズム隊)で鳴らすことによって、また違ったものになる。当たり前のことなんだけど、これが凄く新鮮で。

 例えばpillowsの場合、ドラムがTheピーズだったり、過去には真心ブラザーズなんかのサポートに参加してたりして、それが良い意味で灰汁抜きになったり、はたまたpillowsにとってプラスになってたはずなんだけど、今回の場合、メインソングライターが別ユニットで、しかも特にpillowsと大きく区別するわけでもなく普通に曲書いて、別のメンバーと演奏する。これはかなり大きいんじゃないかなぁ。灰汁抜き以上の何かを得られるような気がするんだけど‥‥pillows自体、ここ数年はかなり素晴らしい作品を毎年発表してくれてるんだけど、ここでひと休みして次に繋げるのもいいのかなぁという気がするんだよね、このアルバム聴くと。若返りだったり音楽性の変化だったり、いろいろ得るものがあるはずなんだよね。勿論、pillowsとして決して揺るがない要素もあるから、それがいい感じで取り込めれば万々歳なんだけどね。

 あと、他にもJIROが曲を書いてるのも数曲あるんだけど、俺はこっちも好きよ。元々GLAYでもJIROの曲って結構好みだったし。ただ、もっと「やらかし」てもよかったように思うんだけど。凄く山中が歌うってことを意識して書いたせいで、本家以上に爆発することができなかったのかな。っていうのは邪推しすぎ? とにかく、折角だからもっと暴れて欲しかったなぁというのが正直な気持ち。それが出来る男だと思うし、ちゃんとそれが出来て尚かつ受け入れてくれる環境だったと思うんだけど。このバンドがアルバム1枚こっきりで終ることなく、また数年後にセカンドアルバムなりシングルなりが出ることがあったら、その時はもっとやらかして欲しいなぁ‥‥と思うんだけど。

 ドラムに関しては、言うことなし。さすがというべきかしら。俺、この人のドラム、相当好きだわ。最近のストレイテナーのアルバムとか聴いても、ニヤニヤしちゃうもんね、リズム隊聴いて。初めてテナーのライヴを観た時に感じた、「あーきっとこの人、絶対デイヴ・グロウル(元NIRVANA、現FOO FIGHTERS)大好きだわ」って思いは間違ってなかったなぁと、このアルバムを聴いても再確認できたのも、個人的には収穫だったしね。

 肩肘張らずに、それぞれが本家よりユルい感じで、遊びなんだけど本気度が高くて、だけど非常に「FUN」の要素が強い。この絶妙なバランス感が、別ユニット/バンドの強みなんだろうなぁと、改めて思わされました。ライヴも面白そうだなぁ‥‥エゾで観る機会がありそうなので、是非観てみたいと思います。



▼THE PREDATORS「Hunting!!!!」(amazon

投稿: 2005 07 25 01:51 午前 [2005年の作品, GLAY, pillows, the, Predators, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/07/24

FOO FIGHTERS『IN YOUR HONOUR』(2005)

 FOO FIGHTERSがここまでデカイ存在になるなんて、10年前は想像もしてなかったよね。あの頃はリキッドルームや赤坂BLITZ程度が程よい大きさだと思ってたのに、気づいたら世界各国の大型フェスティバルのヘッドライナークラスですよ。確かにNIRVANAは越えられない大きな壁かもしれないけど、もはやそんなこと気にする必要もなくなっちゃいましたよね。

 通算5作目となるアルバムは、ロックサイドとアコースティックサイドの2面性を強調した2枚組。昨年のレコーディング前からデイヴ・グロウルは「BEATLESの『ホワイト・アルバム』的な2枚組アルバムを作りたい」なんて発言していて、その時はまぁ何だかんだ言って1枚ものになるんだろうなぁと思ってましたが、まさか有言実行するとはね。逆に、それだけ今のバンドの状態が良いってことなのかもしれませんね、これだけの短期間に集中して、これだけ濃い作品集を作れてしまったってことは。

 メンバー自体は前作「ONE BY ONE」と同じ、ロックサイド的なDISC-1の方も作風自体はその前作の延長線上にある流れなのですが、個人的には今回の方が更にしっくり来るというか。王道ハードロック路線を突き進んだ前作の後、デイヴはメタル道追求プロジェクト「PROBOT」を経てこのアルバム制作に挑んだわけですが、「ONE BY ONE」にあった堅苦しさというか(悪い意味での)暑苦しさが「PROBOT」で灰汁抜きされたのか、同じ方向性でも今回の方がもっとナチュラルに感じられる。良い意味で1st〜3rdまでの集大成的な要素さえも感じられる。だから自分にとって聴きやすかったのかもしれませんね。

 そして問題のDISC-2。アコースティック/バラード調を主体とした、いわば新境地/冒険作と呼べる内容で、こういうことが出来るってことはやはりバンド自体が上手く機能していて、尚かつ余裕が出来てきたんだろうなぁ、なんてことを勝手に想像してます。デイヴがこういうアコースティック主体のスローチューンを歌うのは決して初めてのことではなく(NIRVANA時代にもありましたしね)、そういう意味での物珍しさ/新鮮さはそこまで感じませんでしたし、俺は周りが感じた程の驚きというのもそこまでなかったんですよ。むしろその片鱗は1stの頃からあったし("Big Me" なんてアレンジがアレンジなら、このディスクに入っていても違和感ないですしね)。ジョン・ポール・ジョーンズ(元LEZ ZEPPELIN)やノラ・ジョーンズといったゲスト陣や、ドラムのテイラー・ホーキンスが "Cold Day In The Sun" でボーカルを取っていたり等、話題となりそうな焦点は幾つもあるけど、俺的にはそういった二次的要素よりも楽曲‥‥とにかくデイヴ及びFOO FIGHTERSのメンバーは、こっちのディスクの曲がやりたくて今回のアルバムを作ったんだろうなぁ‥‥と邪推をしたくなっちゃう程、ホントよく出来てるんですよ。デイヴがアルバム制作前に比喩した、BEATLESの「ホワイト・アルバム」‥‥確かにこのディスク2にはあのアルバムにあったような多面性や雑多性が強く感じられる内容になってるし、そしてアルバムとして散漫にならないようにちゃんと工夫されてる。そして従来のファンを納得させるためにも、更に自分達の得意とするものを最も得意な手法で作ったDISC-1があって、初めてこの2枚組は「FOO FIGHTERSのアルバム」として成立する。お見事としか言いようがないなぁ。

 デイヴひとりで「おもちゃ箱をひっくり返す」ように制作された1stから10年。FOO FIGHTERSはちゃんとした『バンド』になり、そして大人になった。ただ目の前をおもちゃを手当り次第に使ってたデイヴはもうここにはおらず、そのおもちゃひとつひとつの使い方を熟知し、更に吟味するレベルにまで到達してしまってるんだから‥‥そりゃ、オーバーグラウンドでここまで大きくなってしまったのも納得がいく話ですよ。

 実はFOOは初来日以来、一度もライヴを観れてなかったので(運悪く、俺が行けなかった年のフジロックに出てたり、あとギリギリまで悩んだ「MAGIC ROCK OUT」初年度にも出てたんだよね)、今年のフジでは是非その勇姿を拝みたいなぁと思ってるんですが。フジ初日、個人的ハイライトのひとつですね。楽しみです。



▼FOO FIGHTERS「IN YOUR HONOUR」(amazon:日本盤:CDDAUS盤:CCCD

投稿: 2005 07 24 09:08 午前 [2005年の作品, Foo Fighters] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/07/23

HIGH and MIGHTY COLOR『RUN☆RUN☆RUN』(2005)

 さぁ、アンチノブナガ‥‥もとい、HIGH and MIGHTY COLORのサードシングル、「RUN☆RUN☆RUN」について語っときましょうよ。とみぃが語らずにどうするよ、ねぇ?

 個人的には今年デビューした新人の中では、最も(熱さでも、そして生温さでも)注目してるのがこのアンチノブナ‥‥いや、ハイカラなわけですが。オレンジレンジの事務所が放つ第二の刺客、みたいな取り上げられ方をしたり、ガンダムSEED DESTINYのオープニング曲にいきなり抜擢されたり等、とにかくデビュー曲「PRIDE」は鳴りもの入りで大プッシュされた彼等も、続くセカンド「OVER」では以前程のプッシュを得られず、結果デビュー曲がチャート初登場2位という大記録だったのが、セカンドではトップ10圏外‥‥まぁそりゃ仕方ないか。それにチャートが全てじゃないですけどね。

 所謂ラウド系やヘヴィロックのフォーマット(演奏スタイルが7弦ギター×2、5弦ベース、デス声の男性ラップボーカル)にJ-POPの要素(女子高生モデルをそのままボーカルとして採用)という、これまであったようでなかったタイプのスタイルで、確かに最初は注目されたんだけど‥‥やはり世間的にはオレンジレンジ程の注目をされることもなく(それだけの個性もまだなく)、苦戦を強いられてる感じがありましたが‥‥恐らく、このサードシングル「RUN☆RUN☆RUN」でその辺の状況は一変するんじゃないかな、と聴いた時に感じたんですが‥‥どうでしょう?

 今回初めて外部プロデューサーを起用し、しかもその相手がHALだというんだから、二度ビックリですよ。HALというと浜崎あゆみ等avex系アーティストへの楽曲提供やリミックスの他、最近ではavex系以外でも玉置成実等への楽曲提供やアレンジ等で名前を見かけたりします。既にバンド/ユニットとしての活動は休止状態にあるようですが、こうやって他者への楽曲提供/プロデュース活動をする時にはこのユニット名を用いているようですね。

 で、このタイトルトラックが正に「HALらしさ」と「ハイカラらしさ」がいい具合に融合した、アッパーなポップロックに仕上がってるんですね。ここでは男性ボーカルは完全に無視され、サビパートで合いの手を入れてるのがうっすらと聞こえる程度‥‥オイオイ‥‥ただ女性ボーカルの方はこれまでで一番伸び伸びと歌ってる(歌えてる)ように感じられます。恐らく「アンチノブナガ色」が後退したことが原因なのかな、と。まぁ女の子が好きそうな曲調ですしね。親しみやすさでは過去最高の出来だと思うし、もう完全にシングルヒットを想定して制作されてますよね。売れなきゃ嘘くらいの勢いで。

 一方カップリングの "Hopelessness" は従来のハイカラらしい、ミドルヘヴィチューン。男性ラップボーカルもちゃんと生かされ、サビになるとポップに爆発するという‥‥俺等(というか、「TMQ-WEB」を読んでるハイカラに興味を持ってる人達)が認識する「ハイカラらしさ」が100%詰まった1曲に仕上がってます。"RUN☆RUN☆RUN" で軽く退いてしまった人(特にデス/ラウド路線を期待してたメタラー)を一気に現実に引き戻す、安定感タップリ。やっぱりアンチノブナガはこのラップボーカルがないとね!(いやだからアンチノブナガじゃないし)

 今の彼等は間違いなく選択の岐路に立たされてるんだと思います。それは‥‥このまま自分達のやりたいことだけをやる環境の中でラウド路線を追求するか、それとも‥‥大人の敷いたレールの上を無心に走り続けるのか、の。このシングルを聴く限りでは‥‥タイトルトラックでは後者路線をまっしぐらという気がしますが、カップリングを聴いてしまうとね‥‥まだ迷いがあるんだろうな、と。それは製作陣にしても同じことで、彼等を本当にどう売り出そうか、まだまだ迷いが読み取れるというか。間違いなく一般層にアピールするのが正しいとは思いますが、それでも‥‥このバンドが従来持っていた「魅力」を削いでまで、別の「衣装」を着せる必要があるのかなぁ、だったらボーカルの女の子のみソロで売り出せばいいじゃん‥‥でもそれじゃ売れないだろうしな‥‥っていう迷いが、聴いてるこっちにまで伝わってきちゃうんですよね。それじゃマズいだろうに。

 早くも8月には4枚目のシングル「Days」がリリースされるようです。この曲がどういったタイプなのか現時点では判りませんが‥‥ここで今後進むべき道が提示されるような気がします。果たしてそれは俺が望む路線なのか、それとも‥‥何度も書くけど、やっぱり彼等には「やりたい放題やったヘヴィロック路線」でアルバムを1枚作って欲しいんだけどねぇ‥‥如何なもんでしょうか?



▼HIGH and MIGHTY COLOR「RUN☆RUN☆RUN」(amazon

投稿: 2005 07 23 02:16 午前 [2005年の作品, HIGH and MIGHTY COLOR] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/07/22

L'Arc-en-Ciel『AWAKE』(2005)

 L'Arc-en-Ciel、通算10作目となるオリジナルアルバムは、初めてメンバー4人の顔をモチーフにしたジャケットを持つ、一種異彩を放つ作品に仕上がってます。

 2003年の活動再開以降、順調に活動をしている彼等ですが、このアルバムを聴くと‥‥従来の「らしさ/パブリックイメージ」を中心に置きつつ、更なる新しいステージに昇ろうとしてるのが判ると思います。前作「SMILE」で感じた『新しさ』とはまた違った、無理のない変化や進化という‥‥いや、むしろ『深化』と呼んだ方が正しいかもしれない。むしろ前作ではまだ「ラルクであることを『演じ』つつ楽」しんでたのかなぁ、と。そういう意味では、アルバム1枚とシングル数枚を経て、更にそれらの楽曲をライヴを通すことで更に進化させたことで、『演技』がより自然なものへと変わっていった、と。そして新しいチャレンジをするにしても、芯にあるものがちゃんと見えていて、そして4人がそれぞれ自信を持つことができているから、妙な違和感を感じずに済む‥‥前作を聴いた人の多くが感じた『違和感』を今回感じずに済んだのは、そういうことなのかもなぁ、と思うわけで。

 とはいっても、そういうのは全部憶測で書いてるだけなんで。結局のところはメンバー4人にしか判りませんけどね。

 さて。このアルバムなんですが‥‥この1年の間にリリースされた4枚のシングルを軸に(面白いことに、それぞれメンバー4人による楽曲なんですよね)、非常に魅力的で味わい深い新曲群が随所に挿入されていて、これまで以上に聴き応えがある1枚に仕上がってます。

 でね‥‥俺さ、このアルバムをブックレットの歌詞見ながら聴いてて、あるバンドの、あるアルバムとの共通点に気づいちゃったんだよね‥‥

 それは、LUNA SEAの「LUNACY」というアルバム。結果的にLUNA SEAにとってラストアルバムとなってしまった1枚なんだけど、面白いくらいに(音楽面ではなく、その他いろいろな点において)似てるなぁ、と感じたんですよ。

 活動再開後、2作目となるアルバム。いきなりメジャーキーのアッパーチューンからスタートする点、しかも両方のアルバム共、その1曲目(LUNA SEAは "Be Awake"、ラルクは "New World")のテーマが『目覚め』であること‥‥いや、アルバム全体のテーマといっていいかもしれませんえ、両者共。ラルクなんてアルバムタイトル自体が「AWAKE」ですし。

 眠っている状態から目覚めること、あるいはそれまで気づいていなかった/見えていなかった物事に気づくこと、新しい何かに生まれ変わること。それらを指して『AWAKE』という言葉を使った両者。ラルクはその "New World" の中でハッキリと「I'm awakening in the new world」って歌ってますしね。

 となると‥‥なんていう邪推もしたくなる程に、両者に共通点を感じずにはいられない俺ですが、両者共その1枚前のアルバム(LUNA SEAは「SHINE」、ラルクは「SMILE」)も、思えば共通点が多いような気が。後付けかもしんないけど、今更ながらにそう感じますね。

 ただ、両者にこれだけ共通項がありながらも決定的に違う点がひとつあるんですよ。それは、LUNA SEAが1枚のアルバムを作るのに長い時間をかけてしまうのに対し、ラルクは意外に多作家だということ。前作からたった1年3ヶ月でこの「AWAKE」というアルバムに辿り着いてるんですが、その間にシングルが4枚も出てますからね。シングル曲をレコーディングしながら、徐々にアルバムの骨格が見えてくる‥‥みたいな作品作りをしてるんじゃないか、と思える程に、今も昔も、ラルクは多作振りを発揮してる。メンバー4人が個性的なソングライターというのも大きいでしょう。ある時期はtetsuが波に乗って曲を増産し、今度のアルバムではhydeやkenが非常に頑張った。その結果、非常に初期に近い匂いを放つ作風にも感じられる。だけどyukihiro的なモダンな要素もしっかり入ってる。ここがラルクの強みであり、長いブランクがありながらも常にチャートの上位を維持できる秘訣なのかもしれませんね。

 ここ何作かはアルバム終盤に行くにつれて多少散漫になっていく感じがありましたが、このアルバムは珍しく終盤で劇的な盛り上がりをみせてくれます。前半の「ラルクらしい」怒濤の流れも良いけど、個人的には "自由への招待" 以降の流れが凄く好き‥‥特にラスト3曲がね。あーそうそう、こういうラルクを待ってたんだよなー、って。それだけで十分ですよ。勿論、そこに行き着くまでの流れも良いから更にこの終盤が引き立つわけですが。

 アルバムジャケットにおける初の顔出し、珍しく12曲も入っている点、メジャーキーのアッパーチューンからスタートする点、「『New World』に『AWAKE』する」等々‥‥幾らでも「嫌な想像」は可能でしょう。噂だけはいろいろ耳にしますが‥‥今はこのアルバムを心底楽しみたいと思います。一体ライヴでどう鳴らされるのか、そして‥‥同時期に制作されたニューシングル「Link」は別として‥‥この後に続く『新曲』ってどうなっちゃうのかなぁ‥‥期待しちゃうのと同時に、非常に不安だったりもするんですが‥‥

 最後に。このアルバムを聴いて改めて気づいた点をもうひとつ。

 ラルクってやっぱりニューウェーブを上手に通過して、それらを血と化し肉と化してきたバンドだったんだなぁ、と。勿論それだけじゃなく、ハードロックやヘヴィメタルの要素も強く感じさせるんですが、今回は久し振りに「ニューウェーブ上がり」だと強く意識させる楽曲が多いように思います。ま、だからこそ俺はこうやって未だにアルバムを手にしてるんだろうけどね。



▼L'Arc-en-Ciel「AWAKE」(amazon

投稿: 2005 07 22 12:40 午前 [2005年の作品, L'Arc-en-Ciel] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/07/21

COLDPLAY『X&Y』(2005)

 まず始めに断っておくけど、俺はこれまでCOLDPLAYがそんなに好きではなかった。いやむしろ、無駄にメソメソしやがって的要素‥‥所謂「膝抱えて系UKロック」全般がどうにも許せないタイプなもんで、1stや2ndがね‥‥どうにも苦手だったわけ。両方共アルバムを買って、ちゃんと聴き込んだ結果、自分にはちょっと合わないなーと思ってたのね。だからサマソニ初年度の時も、数年前のフジロックの時も「別に俺が観なくても‥‥」って思ってスルーしてたし。

 何だろ‥‥決してUKロックは好きだし、そういう苦悩系サウンドも大好きなんだけど、上に挙げたような「ただ悩んでるだけ/ただ膝抱えてるだけで前進しようとしない」路線がどうにもね。RADIOHEADの成功以降、ホントに多かったでしょ、そういうバンドが。けど先駆者であるRADIOHEADが他と違ったのは、やっぱり突き抜け方であったり精神性だったり、ただ弱々しいだけではなくてそれをひとつの要素として用いて、実はもの凄くタフだったって点なんだよね。だから彼等はここまで世界的に成功することができたし、そんな中だからこそ未だに "Creep" が効力を保っていられたわけ。リリースから12年以上経った現在においても、その楽曲のパワーには衰えが感じられないでしょ?

 俺はCOLDPLAYもその類‥‥所謂「One of THEM」だと思ってたのね。確かに楽曲は優れてたけど、何だろ、この無駄に感情的な楽曲は!?って、ずっと違和感を感じてて。それはもう、単純に趣味じゃなかったんだろうね。

 グラミー賞も受賞して、今や世界的にRADIOHEADクラスへと押し上げられてしまったCOLDPLAY。待望の3rdアルバムがリリースされ、イギリスのみならずアメリカでも初登場1位を記録、しかも3週連続で1位を維持しちゃったりして。日本でもCCCDながら大健闘したこの作品、US盤(非CCCD)のリリースと共に購入したんだけど‥‥

 何だろう、これ!? 何でいきなりこんなに「タフ」になっちゃったの?ってくらいに自信に満ちあふれたサウンドが詰まった1枚なわけよ。あーバンドが昇り調子の時に、本当にいい状態で制作に臨めたんだろうなぁ、と思わずにはいられない楽曲群、そしてその名曲の数々を見事に盛り上げている演奏と歌。前作までだったら絶対に「やりすぎ!」とか嫌悪感さえ感じてたかもしれないのに、ここでは「これじゃなきゃいけない」という絶対的なものを強く感じさせてる。例えが悪いかもしれないけど‥‥RADIOHEADが「OK COMPUTER」に辿り着いた時、U2が「THE JOSHUA TREE」に辿り着いた時、RED HOT CHILI PEPPERSが「CALIFORNICATION」に、R.E.M.が「OUT OF TIME」にそれぞれ辿り着いた時と同じような「絶頂感のスナップショット」みたいな作品に仕上がってるわけ。これは悪いわけないわ。有無を言わさぬ説得力があるもの。

 どっちかっていうと後半に従来の路線(というか我々が認識している「COLDPLAYらしさ」)が色濃く表れ、前半は‥‥よりエスカレートし、尚かつ歯止めが効かなくなったバンドの特性が良い方向に爆発した、非常に素晴らしい楽曲が集中してる。勿論どっちも素晴らしく、一概には比較できないよ。エモだとかUKロックだとかブリットポップだとか、そんなカテゴライズはどうでもよい、いよいよ「COLDPLAYの音」を完全に掴み取ったような‥‥って言い過ぎか。

 うん、これが売れるのは凄く理解できるよ。前作までが何となく「特定の層/人間に向けて放たれた」楽曲だとすると、今度のアルバムの曲はもっと目線を遠くに向けた、「不特定多数に向けて無闇矢鱈と放たれた、ある意味で持て余し気味のパワー」と呼んだ方がいいかもしれない。そのくらい各曲から伝わるものがある。

 あーこりゃ、もしかしたらライヴ観なきゃいけないかもしれないなぁ‥‥でもTHE POGUES辺りと被ってるんだよな、フジロック。このバンドがTHE MUSICやFOO FIGHTERSに挟まれても全然負け劣りしないのは確かでしょう。このアルバムがあればね‥‥これが苗場の山々に響いちゃうのか‥‥



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投稿: 2005 07 21 01:11 午前 [2005年の作品, Coldplay] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2005/07/20

Mr.Children『四次元 Four Dimensions』(2005)

 Mr.Children約13ヶ月振りの新音源は、4曲それぞれベクトルが異なる個性的な楽曲を収めた、正しくタイトル通りの作品集に仕上がってます。4曲共CMやテレビ番組、映画とタイアップしていることから、今年に入ってから必ずどこかしらで耳にしたことがある曲ばかり。良くも悪くも‥‥けど、今回ばかりは悪い方には作用してないように思えます。この1年、音源のリリースがなかったことから(Bank Bandとしてのリリースはあったけど)ファン側の飢餓感も強かったし、また今年の頭辺りから徐々にCM等で彼等の未発表新曲("and I love you" や "未来")が15秒だったり30秒だったりがブラウン管から流れ出す‥‥そりゃ否が応でも期待するわけですよ、何時聴けるんだ、この新曲は!?って。

 昨年春にリリースされたアルバム「シフクノオト」、その延長線上にあるシングル「Sign」は、確かに素晴らしい作品だったし、2004年の日本の音楽シーンを代表する作品と呼んでも何ら差し支えないと思う(実際これらは、昨年年間チャートの、それぞれトップ5入りしているし)。

 でも‥‥

 何か物足りなかったのも事実なんですよ。何だろう‥‥もの凄く「心地よ過ぎる」作品だったんだよね、この一連の作品群って。多分‥‥多分だけど、俺にとっては「毒」の要素が足りなかったのかな、と。勿論そんなのは結果論でしかないんだけど、今回リリースされた4曲を聴くと何となくそう思えるんだよね。

 勿論これらの4曲全てに櫻井和寿なりの「毒」を盛ったとは思わないけど、4曲通して聴いた時に見えてくる風景、伝わってくる感情ってのがあるんだよね。そういう意味で、凄くバランスの良い組み合わせだなぁ、と。決して革新性とかそういった類のものはないけど(そしてもはや彼等にそういう類のものを期待しない方がいいのかもしれない)、前作以上に強く感じられる揺るぎなさだったり、更なる余裕や心のゆとりだったり、ちょっとだけ斜に構えた皮肉さだったり、そういったものがダイレクトに伝わってくるんだよね。彼等の曲を聴いてこんな風に感じられたの、何時以来だろう。

 曲によっては過去の楽曲の延長線上にあるものもあるし、懐かしい匂いのするアレンジもあるし、そして久し振りに胸躍るような高揚感を持つ楽曲もあれば、切なくて胸に沁みる歌詞もある。恐らく「ミスチルといえば、こういう音」というイメージの最大公約数を忠実に再現しつつ、その上で「今だからこそ/今しか表現できない音/言葉」を上手に取り込んだのが、今回の4曲なんだろうな、と。だから100万人近い人間の心を瞬時に動かすことが出来、そしてこの俺の心も揺さぶることが出来た。文句ないよ、今回ばかりは。

 どの曲が一番好きか‥‥ってのは正直なところ愚問かな、と思うんだけど‥‥こればっかりは、その日その時で全然違うし、ドンドン変わってくんだよね。今だったら‥‥そうだね、"and I love you" かもしれない。ついさっきまでは "ランニングハイ" だったけど。どの曲もそれぞれに違った個性と魅力を持っているから、どれが一番とか選べないってのが本音。人によっては「俺は/私は、ミスチルのこういう要素/曲調が好きだから、○○が好き」とハッキリ選べるのかもしれないけどね。

 こうなると‥‥やはりアルバムに期待せざるを得ないよね。年内リリースは‥‥可能性薄いよなぁ。早くても年明け、やっぱり来春くらいかなぁ。この夏は精力的に各フェスティバルに出演してくれるし、俺も幸い「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」で彼等を観ることができるので、非常に楽しみにしてるところ。ここ2枚のアルバムに伴うツアーには参加出来てないんで、ホントに久し振りなんだよね。前にRIJFに出た年が最後だから‥‥4年振りくらい!? ひ、ひえぇ‥‥



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投稿: 2005 07 20 12:30 午前 [2005年の作品, Mr.Children] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/07/07

後藤真希『スッピンと涙。』(2005)

 多分疲れてたんだと思う。日常でいろんな事があり過ぎて、それが自分の中で全部処理し切れてなかったんだろう、ふとした瞬間に感情の「弛み」が生じて、思ってもみない現象が生じてしまう‥‥そんなこと、たまにない? 俺は‥‥昨日、久し振りにあったよ。

 後藤真希、久し振りの‥‥というか、今年に入って最初のシングルとなる「スッピンと涙。」。実はこのシングルを買って帰って、いざ聴いてみたら‥‥正にこの状況に陥ってしまって。別にこの曲の中の主人公みたいに失恋したり何か大切なモノ/者を失ってしまったわけでもない。だけど、涙が止まらない。久し振りだ、こんなに抑え切れない感情の破裂‥‥

 それだけこの曲にパワーがあるとか、そういうことが言いたいんじゃないけど‥‥でも、少なからず、その片鱗はあるよね。うん。

 今年に入ってまずアルバムをリリースし、単独のツアーは行っていない彼女。後浦なつみ名義でのライヴやドラマへの出演等があって、そういう単独ツアーに出れない事情があるんだろうけど、非常に勿体ないと思ってた。それだけのクオリティーを持った作品だったと今でも思うし、実際今でもよく聴くアルバムの1枚だもの、「3rdステージョン」て。

 で、その流れを汲むと言ってもいいであろう‥‥いや、その決定版となり得る可能性を持った楽曲がここに誕生したわけですよ。しかし、この曲の作曲はつんく♂ではなく、かのKAN氏。彼らしい、非常にメロウで切ないピアノバラードに仕上がってるわけ。それをサポートするかの如く、非常に力の入った良い歌詞を書いたつんく♂。そこに「今の後藤真希」だからこそ成し得た歌が乗る‥‥そりゃ悪いわけがない。世が世だったら間違いなく彼女の代表曲になってただろうに。3年遅過ぎた、いやでも3年前なら絶対にこんな風に仕上がってないし彼女も歌い切れてなかった‥‥そんな1曲。間違いなく「3rdステージョン」があったからここに辿り着いた。

 AKIRAがアレンジを手掛けた "もしも終わりがあるのなら" も悪くない。ちょっと風変わりなリズムの取り方をしたメロディと、"スッピンと涙。" とはまた違った側面を見せる後藤の歌声がマッチした、佳曲に仕上がってる。けど、"スッピンと涙。" が強過ぎる、強力過ぎる。

 NHKの深夜ドラマのテーマ曲に起用されたものの、果たしてそこまでのタイアップ効果が望めるのかどうか、非常に疑問。そこにきて、テレビの歌番組への出演も殆どなし。勿体ない。ちゃんと売ってあげて欲しい。勿論露出がそれだけあれば絶対に売れるとは限らないし、ましてや今のハロプロの現状を考えれば‥‥非常に厳しいものがある。けど、だからこそ大切に、そして丁寧に扱ってあげて欲しい。そんな大切な1曲。俺にとっても、後藤にとっても、そして多くのファンにとっても、そうなり得る1曲。



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投稿: 2005 07 07 01:23 午前 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/07/06

LOST IN TIME『蛍』(2005)

 LOST IN TIMEの曲を聴くと、いつも『青』を思い浮かべる。広大な空の『青』、果てしない海の『青』、夜明け前の、夜空と朝日が混ざり合った狭間の『青』、炎の中に見え隠れする『青』、デニムの『青』、青春の『青』、ブルーズ(Blues)の『青』‥‥物質的なものだけじゃなくてその状態や心境までもを表現する色、青。彼等の曲を聴くといつでもそんなような、日常のいろんな事柄を思い浮かべる。

 そしてLOST IN TIMEのアルバムやシングルの写真には、そういった『青』を基調としたものが多い。濃厚の差や使用の度合い・違いはあれど、必ずどこかしらに存在する色。だから彼等の音楽を聴くと必ず『青』という色を思い浮かべるのかもしれない。

 LOST IN TIMEという若いバンドも、確かに青臭さの残る、等身大の音を鳴らすバンドであり、そしてそんな彼等の奏でる音や発せられる言葉に人々は耳を奪われるだけでなく、その心まで奪われてしまう。人によっては彼等の言葉が合わない人もいるだろう。でも、少なからず‥‥何か引っかかる『言葉』があるんじゃないか。そんな言葉によって思い浮かべる『情景』があるんじゃないか。

 それが俺にとっての『青』なんだと思う。

 LOST IN TIME待望のニューシングル、「蛍」がリリースされた。幸いにも俺は先週末に行われた東京での単独公演(恵比寿リキッド。この日の感想については後日じっくり書く予定)にて先行で手に入れることができた。当日のライヴでもタイトル曲の "蛍" やカップリング曲の "はじまり" (この日のライヴの1曲目はこの曲だった)を聴くことができた。だからCDで聴いた時も、その時の光景やその瞬間に感じたことをすぐにでも思い出せた。同日夜、俺は自分主宰のDJイベントで買ったばかりのこのCDから "はじまり" をかけた。この曲を選んだ理由は単純に「これからイベントが始まる」という意味だけでなく、この曲の中にある「君との始まりを歌おう」という歌詞がライヴで最初に聴いた時にズシンと響いたから。『君』はこの俺でもあり、そしてイベントに参加してくれたスタッフ・DJのことであり、そして当日来場してくれたお客さん全員のことでもある。この曲をかけた時の俺の心境は、正にそんな感じだった。

 先にネットラジオで耳にしていた "シャボン玉" といい先の2曲といい、珠玉の名曲が揃ったシングルとなった「蛍」。やはり等身大で人間臭くて、そして『青』を感じさせる歌/詩/メロディ。ライヴを観て、更にこれらの曲が俺の心の奥の方にまで響いている。強さも弱さも、優しさも汚らしさも。そんなものを全部抱えて、人間はこの先も生きて行く。時にはそういったことを忘れたり、失ったり、隠したりすることもあるだろう。そういう時にこそ、俺はLOST IN TIMEの曲と向き合いたい。もし、この先彼等の曲が俺の中で響かなくなったら‥‥きっとその時は、そういったものをどこかに忘れてきてしまったんだろう。

 自分自身と向き合うこと、そしてLOST IN TIMEと向き合うこと。このシングルを聴いて、今後彼等の曲と向き合うことが自分の人生にとって必要不可欠な要素となってしまったことに気づいた。その予感はあったけど、先日のライヴとこのシングルが決定打となった。

 また大切なバンドがひとつできてしまった。

 ありがとう。



▼LOST IN TIME「蛍」(amazon

投稿: 2005 07 06 11:07 午後 [2005年の作品, LOST IN TIME] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/06/19

TOWERS OF LONDON『ON A NOOSE EP』(2005)

 またどうしようもないバカどもがイギリスから出てきましたよ‥‥

 THE DARKNESSの成功以来、イギリスでもハードロック系のバンドが数々脚光を浴びたり、あるいはASHのようなバンドが元々持っていた要素のひとつとしての「ハードさ」を更に追求したような路線に移行していったり、とにかく一時期のやれOASISだ、やれBLURだ、やれRADIOHEADだ‥‥とにかく第二の○○を探せ的なノリにひと段落ついたような感じなんでしょうか(そんなことないか)。まぁ元々アンダーグラウンドの世界では、イギリスにもハードでグラマラスなバンドは沢山いたわけで、そういうバンドに限って本国よりも日本での人気があったりとか、なかったりとか‥‥

 けどTHE DARKNESSの成功は大きいと思います。それを切っ掛けにTHE WiLDHEARTSのようなバンドにも再び注目が集まるようになったわけだし。ま、元を正せばTHE DARKNESSの前にDATSUNSのようなガレージから流れて来たようなバンドの成功があったわけですが。

 で、ここにまた1組、どうしようもなく「Very British」なバカロックバンドの誕生です。だってバンド名からしてTOWERS OF LONDONですからねぇ。何の捻りもない、直球バカですよ!

 切っ掛けはやはり、今年のサマソニに出演が決まった時ですよね。特番か何かで発表になって、そのルックスと出す音(多分当時出たばかりのデビュー曲 "On A Noose" だったと思う)に俄然興味を持ちまして。機会あるごとにCDショップを覗いて探し、最終的にたどり着きましたよ、「ON A NOOSE E.P.」に。

 もうね、ホント‥‥ただのバカ! ロックバカですよ。ちょっとグラムっぽいかな、と感じる "On A Noose" だけど、何となく‥‥THE DARKNESSとは違う流れのバンドですよね。もっと、こう‥‥BACKYARD BABIESっぽいというか。要するにパンクのフィルターを通過してるか否かなんですよね。同じ「'70〜'80年代で止まっちゃったバンド」だろうけど、TOLの方は完全に「パンク以降」の音ですよね。そこに伝統的なハードロックだったり、ガレージ臭のするロケンローだったり。とにかく派手でバカっぽいロック。何も考えずに頭降って踊れる音。無駄にシャウトしたりスクリームしたり、一緒に拳を振り上げるようなシンガロングがあったり、ギターが爆音で鳴ってたり‥‥単純だけど、至極当たり前だけどそれすら出来ないバンドが多いご時世ですからね。彼等がフェイクかどうかなんて現時点では判りませんが、俺は支持しますよ‥‥例え来年消えたとしてもね!

 ちょっとSEX PISTOLSっぽいカップリング "I Lose It" 含めて、非常に気に入ってます。先日DJやった時も早速 "On A Noose" をかけましたし。THE DARKNESSやHANOI ROCKSらと一緒にね。そういうバンドですよ、俺にとってこいつらは‥‥ま、ちょっと褒め過ぎかと思うけどさ。後はライヴだよね。下手クソだろうけどさ!

 興味を持った人‥‥上のオフィシャルサイトでは6/27にリリース予定の2ndシングル "Fuck It Up" 収録曲3曲の試聴もできますので(PVも観れる!)是非そちらで味見してみては如何でしょうか。当然俺はサマソニでこいつら観ますよ!



▼TOWERS OF LONDON「ON A NOOSE」EP(amazon:UK盤

投稿: 2005 06 19 01:35 午前 [2005年の作品, Towers of London] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/06/18

MOTLEY CRUE『RED, WHITE & CRUE』(2005)

 個人的な「2005年前半最大のニュース」は、やはり彼等が再び『THE ORIGINAL 4』で動きだし、新曲をリリースして、大掛かりなツアーまで開始したことでしょうか。『FAREWELL TOUR』と題された今回のワールドツアー、既に先日のUK公演でニッキー・シックス自らの口から「This is NOT a farewell tour.」と明言されたそうで、今回のツアー(現在敢行中のUKツアー〜ヨーロッパでのフェス関係、夏のSUM41辺りとのUS移動フェス、そして秋のジャパンツアー)終了後に再度レコーディングを行い、純粋な『MOTLEY CRUE』としてのオリジナル・ニューアルバムを発表する予定もあるとか‥‥ま、この人達の言うことはねぇ‥‥どこまで信じていいんだか。どっちにしろ、今回レコーディングされた4曲の新曲(カバー含む)だけじゃ物足りないもの、もっと沢山の「MOTLEYらしい」新曲を聴かせて欲しいものです‥‥

 思えば俺が最初にMOTLEY CRUEに出会ったのは、MTVで "Too Young To Fall In Love" のPVを観た時だから‥‥既に20年以上経っちゃってるわけですよ。初めて聴いたアルバムは1985年リリースの3rd「THEATRE OF PAIN」から。レンタルレコードで最初は借りたんだけど、その翌年かな、初めて我が家にCDプレイヤーがやってきて(親に学校の成績が学年トップ10に入ったら買ってやる、みたいに言われて頑張ったわけですよ)。最初に買ったCD(というかCDコンポを買うとお好きなCDが2枚貰えたんだけど。ちなみに初めて自分の小遣いで買ったCDはボウイの「BEAT EMOTION」)がこのMOTLEYの3rdとBON JOVIの当時出たばかりの「SLIPPERY WHEN WET」(邦題「ワイルド・イン・ザ・ストリート」)でして。だから思い入れがあるわけですよ。

 その後、ドンドン彼等にハマッていって、1987年にリリースされた4th「GIRLS, GIRLS, GIRLS」が決定打になって。その年の12月に行われた2度目の来日公演に初めて足を運び、武道館でトミー・リーの回転ドラムを目の当たりにして、興奮して‥‥

 最高傑作だと思ってた「GIRLS,〜」をいとも簡単に飛び越えてしまった1989年の5th「DR.FEELGOOD」では、とうとう全米ナンバー1まで獲得してしまうし、シングルも5枚切っちゃうし、翌1990年春の来日公演@武道館にも行っちゃったし(浪人中にも関わらず、な)。

 ‥‥なんていうことを、この2枚組ベスト盤「RED, WHITE & CRUE」のディスク1を聴いてると、思い出しちゃうんですよねぇ‥‥ホント、俺の十代の青春ですよ、MOTLEY CRUEは。

 このベスト盤はMOTLEYがリリースした8枚のオリジナルアルバムと、1991年にリリースされた編集盤「DECADE OF DECADENCE」収録曲を中心に、それぞれ年代順に収録されてるんですよ。先に俺が語った時期は正にディスク1の時代でして(1st「TOO FAST FOR LOVE」〜5th)、そこに各アルバムがリマスター再発された際に追加収録された、当時の未発表曲やアルバム未収録曲を挿入して、彼等の歴史を年代順に辿っていく構成になってます。例えば1stの時期にはインディーズからリリースされた初の音源 "Toast Of The Town"(1989年にPRETTY BOY FLOYDが「LEATHER BOYZ WITH ELECTRIC TOYZ」でカバーしてたり)や、1st〜2nd時期のデモ曲 "Black Widow" といった曲も収録されてます。

 そしてディスク2は1991年以降の楽曲がメイン。SEX PISTOLSの "Anarchy In The UK" カバーからスタートし、曲としてはイマイチだけど演奏はメチャメチャカッコいい "Primal Scream"、「当時、グランドピアノを使いたかったんだけど、プロデューサー(トム・ワーマン)に却下された」ことから1991年にギターとボーカル以外のパートを全て再録音された "Home Sweet Home '91" ‥‥ここまでほ本当に良い時代だったなぁ、と思うわけですよ。勿論、それ以降も悪くないですよ。何度も書きますが、ジョン・コラビ時代のアルバムだって素晴らしいし、その後も‥‥だけど、みんなが求めるMOTLEYではないし。逆に、これが本当にやりたいことなの? 時代に合わせてない?? 以前は君等が率先して新しいことやってたじゃんか!‥‥なんて思っちゃうんですが‥‥難しいですよね、うん。

 正直な話しちゃえば‥‥コラビ体制の「MOTLEY CRUE」と、ヴィンス・ニールがMOTLEY解雇後に最初にリリースした1stソロアルバム「EXPOSED」以外は、1990年代以降の作品は‥‥とも思うのだけど。1曲1曲をスポット的に取り上げると、凄いモノは沢山あるんだけどねぇ。

 今回録音された4曲(海外盤には3曲のみ収録)は、間違いなく「DR.FEELGOOD」での成功よ再び、という気持ちがあると思うのね。プロデューサーにボブ・ロックを起用して、ソングライティングもニッキーがいろんな旬な奴らと共作したり(SIMPLE PLANのボツ曲を手直しして使ったり、AMERICAN HI-FIのステイシー・ジョーンズとコラボったり)、お約束のカバー曲としてROLLING STONESの "Street Fighting Man" を取り上げたり‥‥いろいろあるんだけど、どれも100%前面開花!とまではいかないんだよね。7分咲き程度というか‥‥多分、ミック・マーズが腰の手術をして本格的にギターを弾くことが出来なかったり(思ったよりもギターソロ弾きまくってないし)ソングライティングにも一切タッチしてないことも大きいと思う。ご存知の通り、ニッキーとミックがMOTLEYのソングライティングのキーマンになってますからね。だから'90年代後半的なダークな色合いの曲が多いのか、大してBRIDES OF DESTRUCTION時代とソングライティングの印象が変わらないのか、と。決して「枯れた」わけじゃないと思うんだけど、やはりこの男(ニッキー)にはミックみたいな「ドスンと構えて何にも動じないソングライター/ギタリスト」が側にいた方がいいような気が。トレイシー・ガンズみたいな奴じゃなくてさ。

 まぁ‥‥なんだかんだといろいろ書いてきましたが‥‥MOTLEYを聴き始めて早20年以上、結局俺の音楽の趣味も殆ど変わってないし(そりゃ多少は広くなっただろうけど)、究極的に好きなバンドもあんま変わってないわけでして‥‥こいつらがまだまだこの4人で活動を続けてくれるだけでも‥‥まぁ曲はアレだけど‥‥悪い気はしないよな、と。どんなに太ってもさ、どんなに禿げてもさ、MOTLEY CRUEはMOTLEY CRUEですよ。どんなに原点回帰とかいって時代に流された音を作ったとしても、それはMOTLEY CRUE以外の何ものでもないわけですよ‥‥って庇護しか。

 とにかく、11月。待ってろよ、ニッキー、トミー、ヴィンス、ミック!!!!!



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投稿: 2005 06 18 11:10 午後 [2005年の作品, Motley Crue] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/06/17

HANOI ROCKS『ANOTHER HOSTILE TAKEOVER』(2005)

 さて、狂乱のHANOI ROCKS来日ツアーから約1ヶ月が経ちましたが、世のロケンロー馬鹿の皆様如何お過ごしでしょうか?

 今年前半にリリースされた名作群の中でも、やはり個人的な思い入れでいったら一番の作品はこの再生HANOI ROCKSの2ndアルバムとなる(通算では6作目のオリジナル・フルアルバム)「ANOTHER HOSTILE TAKEOVER」リリースから早くも3ヶ月が経とうとしてます。このアルバム、リリース当時から気に入ってたのは当然ですが、実は聴き込めば聴き込む程にその魅力が増していくという、正しくスルメのような「噛めば噛む程味が出る」1枚なわけですよ。

 前作「TWELVE SHOTS ON THE ROCKS」は元々マイケル・モンローのソロアルバム用マテリアルを元に制作がスタートしていたため、アンディ・マッコイの曲(及びマイケル&アンディの共作曲)が少なく、結果として非常に「マイケルのソロに近い」作風となっていましたが、この新作では殆どの曲をマイケル&アンディの共作で手掛け、プロデュースも前作同様この2人(所謂「THE MUDDY TWINS」)が手掛けているんですね。

 さて、その新作の出来はというと‥‥

 これがもうね、改心の1作!‥‥とまではいかないものの、これはこれで大満足な1枚に仕上がってるんですよ。なんていうか、'80年代のHANOI ROCKSが持ち得た「B級臭」が前作以上に濃くなってるというか。いや、これは退化とかではなくて、深化と呼びたい。

 HANOI ROCKS最大の魅力って、パンクでもハードロックでもない、一種独特な音楽性じゃないですか。っていうのは言い過ぎ? そりゃルックスやファッションも当然魅力的ですよ。けど、彼等がここまでカルト的な人気を世界的に得られたのは、間違いなく楽曲によるものが大きいはずなんですよ。時代的影響なのか、ルーズなロックンロールのみならず、パンクやハードロック、更にはニューウェーブといった様々なジャンルを全て呑み込み、HANOI ROCKS(というか、アンディ・マッコイというソングライター)というフィルターを通すことで一種異様で独特なロックンロールに生まれ変わる。最初はルックスから彼等に入っていった俺が20年以上も彼等に接していられるのは、こういった楽曲によるものが大きいんですよ。

 HANOI解散後、アンディはいろいろやるも鳴かず飛ばず、フロントマンに恵まれない20年間だったといえます。一方のマイケルも過去の盟友と共にバンドやったり、アメリカで派手なロックンロール/ハードロックを体現していたものの、気づいたら地元・ヘルシンキに戻って再びB級っぽいパンクやってるし。結局この人達には似合わないんですよ、ハリウッド的な音楽は。

 紆余曲折あり、奇跡の再生(not「再結成」)を果たし、最初はライヴで唸らせて、続けてアルバムをリリース‥‥古くからのファンからは不評だった前作ですが、今度のアルバムはどうでしょう。俺、今度のアルバムの方が数百倍好きだよ、前作より。勿論前作も好きだけどさ、HANOI ROCKSとして考えると‥‥こっちの方が「らしい」よね、独自の「ユルさ」が復活してるし。

 勿論前作に入ってたようなタフでハードな曲もある。先行シングルとなった "Back In Yer Face" なんて正にそれだし。けど、アレンジ面含めて前作にはなかった要素もあって‥‥ヘンテコな展開するよね、途中で。コーラスも前作以上に「如何にも」な感じだし。"Talk To The Hand" なんてマイケルのソロ‥‥ていうか、JERUSALEM SLIM的な1曲だよね。でも、こうやって聴くと非常にHANOIっぽい。何でだろう?

 兎に角好きな曲が多い。最近俺がDJやる時には必ずかける "Love" とか、アンディのフラメンコ風ギターに思わず唸る "Eternal Optimist"、独特な泣きメロを持つ "You Make The Earth Move" や "No Compromise, No Regrets"(これのみマイケル&アンディじゃなか)、初の本格的レゲエ・ナンバー "Reggae Rocker"‥‥これを「昔のHANOIと違う」って切り捨てちゃうの? それ違うんじゃね? 明らかに「続いてる」じゃん、「TWO STEPS FROM THE MOVE」から‥‥これ、前作のレビューの時にも書いたけど、マイケルとアンディはただ単に再結成して過去の焼き直しをしたいわけじゃなくて、終った地点から続けたかったんじゃないかな、と。ま、こういう曲しか書けないんだと言い切ってしまえばそれまでだけど。でもね、やっぱりバンドとして「HANOI ROCKS」という重みのある看板を背負う以上、下手なことは出来ないじゃない。ファンも納得しないだろうし、単なる懐メロバンドだったら。

 年相応の成長と深みを見せつつも、それまでになかった要素も取り込む‥‥それすら必然なわけですよ、HANOI ROCKSという名前で活動する以上はね。俺は全肯定しますよ、2005年のHANOI ROCKSを。うだうだいう年寄り、臭食らえッスよ! ROCK LIKE FUCKッスよ!

 そして今夜も、アルバムは2巡、3巡と繰り返されるのです‥‥ホント、いいアルバムですよこれ。



▼HANOI ROCKS「ANOTHER HOSTILE TAKEOVER」
(amazon:日本盤UK盤

投稿: 2005 06 17 06:00 午前 [2005年の作品, Hanoi Rocks] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/06/14

THE MARS VOLTA『FRANCES THE MUTE』(2005)

 2005年前半は本当に面白い、且つ素晴らしい作品に恵まれた年だったと思います。特にこの4〜5月辺りのリリースラッシュはもの凄いものがあったし、そこで連発された作品の数々がホントに素晴らしかったもんだから、こちらとしても毎週リリースされる作品達と自分の財布の中身とのにらめっこの連続でしたよ。

 そんな名作ラッシュ、今年はこのアルバムのリリース辺りからスタートしたんじゃないでしょうか。少なくとも俺にとっては「今年最初の名盤決定」だったように思います、このアルバムとの出会いは。いや‥‥アルバム聴く前にライヴ観ちゃったから、余計にそう感じたのかもしれません。

 今や『元AT THE DRIVE-IN』なんて形容詞はいらないだろう、THE MARS VOLTAの2ndアルバム「FRANCES THE MUTE」。日本では本国アメリカより約1ヶ月も早くリリースされました。これは2月上旬に来日し「SONIC MANIA」に出演するため、こういう措置を取ったんでしょうね。ま、結果としてはそれが吉と出たように思いますが‥‥ネット上ではソニマニでの彼等の勇姿、及び単独公演を観た数少ない人達からの絶賛の嵐に、みんな心動かされたんじゃないでしょうか。かくいう俺も、アルバムを買ったその日に彼等のライヴをソニマニで初めて観て、噂以上に凄いことになってたもんで、本気で身震いしましたよ。1st「DE-LOUSED IN THE COMATORIUM」は俺的にも2003年を代表するアルバムの1枚と認識していたし、そのサウンドを聴けばライヴが如何に凄いかが想像に難しくなかったわけですが、まさかここまでとは‥‥もうね、ライヴ中ノるとかそういう身動きが全く取れず、約50分の間、微動だにできず、ただただステージ上のバンドを凝視するのみでしたもん。それくらい衝撃的だったんですよ、生のTHE MARS VOLTAは。

 今回のアルバムは前作以上に入り組んだ複雑な作りになっていて、例えばCD自体は5曲としかカウントされてないんですが、その総収録時間は約77分にも及ぶ異常事態になってます。内1曲、シングルカットされた "The Window" のみ5分ちょっとの小楽曲なんですが、それ以外の4曲のトータルが72分‥‥おかしい、明らかにおかしい! しかもラストの超大作 "Cassandra Geminni" に至っては32分半ですからね! こんなに長い曲をアルバムに入れちゃうのは、自分が思いつく限りではDREAM THEATERくらいしか思いつかないわけですよ、現役のバンドの中では。

 でさ、勿論それだけ長いと1曲の中では歌パートよりも楽器パートの比重が高くなってるんだけど、これもまた全然飽きさせない構成になっていて。非常に強弱/明暗を使い分けたアレンジで、その辺は1stよりも更に拍車が掛かってるように思います。なんというか‥‥アルバムという計算された場なんだけど、まるでスタジオライヴでも聴いてるかのようなインプロビゼーションの応酬‥‥実際のレコーディングではPro-Toolsを駆使してるようですけどね‥‥正に古き良き時代の「プログレッシヴ・ロック」といった印象です。勿論ただのプログレで終ってませんよ。そこにはいろんな要素がある。LED ZEPPELIN的な色だったり、サンタナ的な色だったり、'70年代末のパンク色だったり、'80年代のニューウェーブ色だったり、'90年代以降のオルタナ色だったり‥‥そういったロックの歴史全てを呑み込み、THE MARS VOLTAというフィルターを通すと‥‥こういう非常に判りやすいんだけど複雑なサウンドになるんだろうなぁ、と。

 何だろ‥‥とにかくカッコいいの一言なんだけど、それだけで終ってないのもまた事実でして。ホントのところ、彼等のサウンドなりライヴなりって、暴れたりして楽しむよりも、目を瞑ってじっくりと楽しむものなのかもしれないね‥‥いや、目を瞑っちゃだめだ、セドリックやオマーの鬼気迫るパフォーマンスを楽しめなくなるからね。ライヴじゃそれだけは止めておこう。

 とにかく。AT THE DRIVE-IN時代も歴史に残るんじゃなかろうか!?と思わせる名盤を作っておきながら、すぐに解散。そして新たに作ったTHE MARS VOLTAでは、これまでにリリースした2枚のアルバムどちらもが歴史的名盤だったりするんだから‥‥セドリックとオマー、本当に凄い奴なんだろうなぁ。SYSTEM OF A DOWNの例もあるけど、これからは純粋なアメリカ人には作り出せない、こういった特異なサウンドが時代を作り上げてくのかもしれないね。



▼THE MARS VOLTA『FRANCES THE MUTE』
(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 06 14 01:04 午前 [2005年の作品, Mars Volta, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/06/09

NEW ORDER『WAITING FOR THE SIRENS' CALL』(2005)

 今更感も強いだろうけど、改めて語っておきましょうよ、NEW ORDERのこの素晴らしいアルバムについて。

 昨日のSYSTEM OF A DOWNのところで「今年前半で一番」みたいなことを書きましたが、SOADのアルバムを聴くまでは、実はこのNEW ORDERの「WAITING FOR THE SIRENS' CALL」が今年前半で一番良かったアルバムだったんですよ、俺的に。まぁ音楽性やスタイルが全く違うので比較しようがないんだけど、でも‥‥俺的には両者に共通する要素として「泣きメロ」ってのがあるんですよね。その表現方法はまた違うわけだけど、美メロって意味では今の俺内では双璧を成す感じかな、この2枚は。

 オリジナルアルバムとしては通算8作目、前作「GET READY」から数えて約4年振りとなる待望のニューアルバムなわけですが、先行シングルの "Krafty" を聴いた時点で、まだ見ぬニューアルバムが素晴らしいものになるだろうことは想像に難しくなかったはずです。が、実際に発表されたアルバムは、そんな我々の想像の更に上を行くもの凄い1枚でした。

 前作の流れを汲むギターロック的アプローチのオープニング "Who's Joe?" や "Hey Now What You Doing" は更に深みを増し、そのメロディの潤いはハンパじゃない。特に前者の泣きメロには聴く者全てがヤラれまくったんじゃないでしょうか。かと思えばフッキー(ピーター・フック)お得意の「ランニング・ベース」が耳に残るタイトルトラック "Waiting For The Sirens' Call"、「らしさ」を更に追求した名曲 "Krafty" と、兎に角この頭4曲だけで既に感無量なんですよ‥‥ジリアンは結局脱退しちゃったけど、新たに加入した(前作のツアーでもいい味出してた)フィルはいい仕事してるし。オリジナル・NOは観る機会に恵まれなかったけど、でも4年前のフジロック‥‥あのステージは今でも忘れられない!(大好きなビリー・コーガンもサポートメンバーとしてステージ上にいたから余計な)

 アルバムはその後も新機軸/十八番路線双方を上手く取り込み、それら全てに「NO印」を刻印して我々に提示されてます。と同時に、前作辺りから顕著になりだしたゲスト参加アーティストも面白いことになってます。今回は話題のSCISSOR SISTERSのアナ・マトロニックが2曲("Jetstream" と "Guilt Is A Useless Emotion")に参加してます。前作ではビリー・コーガンやPRIMAL SCREAMの面々、またアルバムには収録されなかったもののTHE CHEMICAL BROTHERSとのコラボもありました。が、今回は前作程「ゲストアーティストに頼る」といった弱腰は感じられず(前作は久し振りのアルバムってこともあり、やっぱりその辺気にしてたのかなぁという気も)、あくまで「NOありき」という印象が強いかも。新旧ダンサブル・エレポップ(と呼ぶには双方ちょっと違うか)対決‥‥とは言い過ぎかな。どこかのフェスでこの生コラボが実現しないかなぁ。

 アルバム本編はある意味で最も衝撃的なラウド・ナンバー "Working Overtime" で終了。ホント、最後まで驚きで一杯の1枚ですよ。ここでは触れなかった曲も総じて素晴らしく、そして「NOらしい」仕上がりになってます。初期‥‥特に'80年代で止まっちゃってるファンの方々からすると、このアルバムで表現されてることは納得いかないのかもしれないけど‥‥決して純粋なNOファンではなかった俺だけど、この20年近くをリアルタイムで、いろんな音楽と接しながら通過してきた身としては、この進化は納得のいくものだし、逆にデビューから30年近く経ったバンドがこういう風に進化(と同時に深化)するというのは興味深いと思いますよ。しかも彼等、このアルバムと同時にもう1枚アルバムを作っちゃったというじゃないですか! そっちがホントに出るのかどうかはその時になってみないと判りませんが‥‥多分そちらも納得出来る仕上がりになってるはず。SOADといいNOといい、何故にこんなに素晴らしいアルバムを作っていながら、もう1枚作れちゃうんだろう‥‥ただのアウトテイク集になってないといいんだけどね。

 最後に‥‥やはり触れておきますか、"Krafty" 日本語バージョンについて。何故バーニーがアジカン・ゴッチが書いた歌詞を歌う羽目になったのか、その裏事情は耳にしてますが‥‥まぁ俺的には、面白かったからアリの方向で。ただ、これをステージで歌われたら萎えるだろうけどね!



▼NEW ORDER「WAITING FOR THE SIRENS' CALL」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 06 09 12:35 午前 [2005年の作品, New Order] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/06/08

SYSTEM OF A DOWN『MEZMERIZE』(2005)

 全く、とんでもないアルバムを作ってくれたもんだ。

 現時点で、俺内2005年ベストアルバム。それがSYSTEM OF A DOWNの3rdアルバム「MEZMERIZE」‥‥とにかく、こんなにも爽快で熱くて笑っちゃって怒っちゃって考えちゃうアルバム、久し振りだ。コンパクトで聴きやすく、オープニングの "Soldier Side - Intro" からゆっくりとスタートし、その後に訪れる怒濤の展開からアッという間に最後のバラード "Lost In Hollywood" まで到達しちゃう。全11曲で40分前後というのも納得がいく、今時珍しいくらいに潔いアルバム。それでいて全然飽きさせないんだから‥‥1曲1曲が複雑に入り組んでいて、たった2分くらいの疾走チューンの中にもいろんな「味」や「要素」が詰め込まれてる‥‥元々その要素は十分にあったし、前作「TOXICITY」でもそれは既に開花してたんだけどね。ここに来て一気に完成型までたどり着いちゃったような、そんな感じ。それでいて、同時にもう1枚アルバムを作ってたんだから(この秋リリース予定と言われる「HYPNOTIZE」と呼ばれるアルバム)‥‥

 政治的な要素が強い歌詞という点では、今は亡きRAGE AGAINST THE MACHINEの後継者と呼べなくもないし(特にSOADの場合はメンバー全員がアルメニア系アメリカ人ということもあり、その指向はより強いんでしょうね)、サウンド的には正統的なヘヴィメタルの要素もあり、ハードコアパンク、RADIOHEADに代表されるようなギターロック、QUEENみたいなクラシカルな演劇要素、等々‥‥とにかく単なる「ヘヴィロック」では片付けられない豊富な魅力を兼ね備えたバンド。時にユーモラスに、時にハードコアに、時に切なく‥‥1曲の中に、そういった多面性/いろんな顔を見せる。

 更にこのアルバムでは、リードシンガーのサージ以外にも、ギターのダロンが歌うパート/曲が増えていて、所謂ツインボーカル的な要素も色濃く表れてきてるのね。ダロンが歌で前に出始めたからか、以前以上にシリアスな要素が強くなったように感じられるんだけど、それはバンド自体がそういった方向転換を選んだのではなくて、単にこのアルバムの「特色」なだけかもしれないし、もしかしたらもう一方の「HYPNOTIZE」ではそういったコミカルな要素が更に色濃く表れた作風になってるかもしれない。ま、結局は今後リリースされる作品を聴いて判断するしかないんだけど‥‥

 何だろうなぁ‥‥いろいろ言いたいこと、伝えたいことが沢山あるはずなんだけど、このサウンドを前にしてしまうと、どうにも上手く表現できないんだよね‥‥まぁ早い話が、聴け!ってことですよ。

 いつもそうなんだけど‥‥本当に素晴らし過ぎる作品に出会ってしまった時って、俺のレビューとか紹介文って大したこと書いてないんだよね。大体が「どうせ書いたって上手く伝わらないんだから、とっとと聴け!」みたいな感じで終ることが多いと思うよ‥‥そういう時は、あーとみぃは本気でこのアルバムに惚れ込んでるんだな、と察してください。勿論、それ以外のアルバムだって愛してますよ。けど‥‥

 やっぱり騙されたと思って、読むより先に聴いて欲しいよね、うん。



▼SYSTEM OF A DOWN『MEZMERIZE』
(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 06 08 12:27 午前 [2005年の作品, System of a Down] | 固定リンク

2005/06/07

SOILWORK『STABBING THE DRAMA』(2005)

 俺が(一応)毎月第1&3土曜深夜に放送してるネットラジオ番組「RADIO TMQ」っていうのがあって。あ、毎回聴いてくれてます? ありがとう! まだ一度も聴いたことない? んじゃ次回から聴いてね!

 んで、その番組の中で最近「とみぃのメタル十番(盤)勝負」というコーナーを始めたんですよ。ま、4月から始めたんですが。何か「radio.gs」のパーソナリティ内で最もメタルに強い、メタルといえば「とみぃ」らしいんですよ(完全に他人事)。それくらい、メタルのイメージが強いらしくて。ま、確かにこれまでも番組内でその手の曲をポツポツとかけてきたし(大体放送1回目からしてMETALLICAの "Whiplash"、しかもライヴテイクで流してるしな)、サイトでもその手の蘊蓄を沢山語ってきてるから、まぁ仕方ないっちゃあ仕方ないんですが‥‥

 でもね、俺。最近の、特にここ5年くらいのメタル事情にめっきり疎くて。要するに、全く興味が持てなかったんですよ、特に最近の新人とかに。全然聴かないとは言わないけど、購入するのはせいぜい'80年代から活動してるバンドか、その時代に活躍して最近再結成したバンドとか、新人でもラウド勢/ニューメタル勢ばかり。所謂『生粋のヘヴィメタル』には全然興味が湧かなくてね。

 ところが。昨年の夏辺りでしょうか‥‥まぁTHE RASMUS辺りから少しはその傾向があったんですが‥‥NIGHTWISHのアルバムを偶然買ってしまった辺りから、ちょっとずつ「最近のバンドも悪くないなぁ」と好意的に思えるようになってきまして。そこにきて、この春から「ヘビメタさん」のスタート。ちょっとメタル熱が俺内でまた盛り上がってきたんですよ‥‥そういうこともあって、「自ら最近のメタルに接する機会を作ろう」ってことで始めたのが、先のコーナーなんですよ。

 で、そんなコーナーを始めた矢先に、このバンドの、このアルバムに出会ってしまったわけです‥‥SOILWORK「STABBING THE DRAMA」に。

 名前くらいは知ってましたよ、このバンド。ただ、何人組でどこ出身とか、そういったデータ的なことは全く知らなくて。彼等がスウェーデン出身の6人組だというのはアルバムを買ってから暫くして知ったことだし、このアルバムが通算6作目というのも全然しらなかった程で。ただ、過去にリリースしたアルバムの中に、かのデヴィン・タウンゼント(元VAI、現在S.Y.L.)がプロデュースを手掛けた作品がある、ということは知ってて。それでバンド名がずっと頭の中に残ってたんですよね。デヴィンは俺、大好きなアーティストなもんで。そんな彼が手掛けたバンドだし、そりゃ興味があったわけですよ。

 けどまぁ‥‥今回はそういうのを抜きに普通に接したわけですが‥‥

 一発でノックアウトされちゃいました。何だコレ、すげーカッケーじゃんか!

 基本的にはデスメタルの延長線上にあるスタイルなんでしょうけど、ボーカルがデス声(=ディストーションボイス)と、クリーンでメロウなパートを上手く使いわけていて、またバンドのアレンジもそのメリハリを上手く生かしてるのね。とにかく、ただのデスメタルで終ってないし(いやむしろこれはもうデスではないでしょう!)正直‥‥これが今のヘヴィメタルなの!?と聴いた時は疑問に思った程に『現代的』なんですよ。だってさこれ、普通にラウド系/ヘヴィロック好きに聴かせても、絶対に気に入ると思うもん。まぁリズムは「跳ねて」ないけどさ、それでも十分に魅力的なわけよ。

 詳しい人に聞いた話だと、このアルバムは過去の作品と比べるとそこまでヘヴィでもないし、極端にメロウというわけでもない、いわば中間的な作品らしいんだけど‥‥俺的には十分にヘヴィだし、十分にメロウなわけ。全然中途半端には聞こえない。そりゃ過去を知ってる人からすれば中途半端なんだろうし、マンネリなのかもしれないけどさ‥‥俺みたいな奴もいると思うわけ、いきなりこのアルバムで目覚めちゃったり、ヤラレちゃったりする輩が。そういう魅力を持ったアルバムなんじゃないかな、と。

 ドラムの人はレコーディング時はゲスト参加だったようだけど、どうやら新加入したんですか? このブラストビート、ハンパじゃないっすよ。特に10曲目の "Blind Eye Halo" でのドラミングといったら‥‥久し振りに感動したよ。あーそうそう、デスメタルってこんな感じだったなーって(ま、曲自体は全然デスメタルってわけでもないですが、それっぽいデス声は登場しますよ)。

 所々に「デスメタル」とか人によっては気がかりなキーワードが登場するかと思いますが、ラウド/エクストリーム・ミュージックを愛する人、騙されたと思って聴いてみて。このバランス感はそう簡単に出せるもんじゃないよ。

 こういう出会いがまだまだあるっていうんなら、メタルも捨てたもんじゃないよな、うん。



▼SOILWORK「STABBING THE DRAMA」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 06 07 12:20 午前 [2005年の作品, Soilwork] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/05/25

AUDIOSLAVE『OUT OF EXILE』(2005)

 AUDIOSLAVEの2ndアルバム「OUT OF EXILE」が予想してた以上に素晴らしかったので、急遽更新の予定を変更して、今日はこのアルバムの素晴らしさについて語ってみたいと思います。

 もう聴きましたか、このアルバム? ってまだ店頭に並んでから1日、手にしてる人の数なんてたかが知れてますよね。それこそコアなファン以外は‥‥みんな同日発売のOASISに走っちゃってるんじゃないでしょうか。

 いや。今はそれでいいですよ。きっとこれを読んだ後に気が変わるかもしれないしさ。

 まず‥‥1stアルバムついてもう一度整理しておきましょう。「とみぃの宮殿」時代に書いた1stアルバムのレビューを今一度、読み返してみようじゃないですか。何ならそれと併せてCDを引っ張り出して聴きながら読むのもいいかも

 ここで俺は何点かポイントを挙げています。それは‥‥

・サウンド的には「ZEP的オーソドックスなハードロック」
・想定の範囲内のサウンド。だから大きな驚きも衝撃もなかった
・「‥‥正直、こんな程度なのかな‥‥」とさえ感じた程
・クリス・コーネルの声の衰えにはがっかりしたが、曲は声に合ったものが多い
・メロウなミドルチューンこそがこの組み合わせ最大の産物かも
・"Like A Stone" タイプの曲が今後の彼等にとって大きな武器になるだろう

‥‥以上、こんな感じでしょうか。

 正直この組み合わせだったら誰もが「もの凄いアルバムになるに違いない!」と思ったでしょうけど、古くから両バンドに精通してるファンからすれば、この組み合わせであの「古典的ともいえるオーソドックスなHR」は想定の範囲内の出来。枠からはみ出ることもなく、非常に優等生的な作品だったんですよね。だからなのか、俺もそこまで聴き込んだという記憶もないし、ライヴではRAGE AGAINST THE MACHINEの曲もSOUNDGARDENの曲もやらない、と耳にして、更に興味を失っていたんですよね。

 ところが。この2ndアルバムリリース前に行われたライヴでは、以下のようなセットリストでライヴをやってるようなんですよ。

01. Your Time Has Come
02. Set It Off
03. Like A Stone
04. Spoonman [SOUNDGARDEN]
05. Be Yourself
06. War Pigs Tease
07. Bulls On Parade [RATM/Instrumental]
08. Sleep Now In The Fire [RATM]
09. Black Hole Sun [SOUNDGARDEN/Acoustic solo]
10. Show Me How To Live
11. Killing In The Name [RATM]
12. Cochise

12曲中、SOUNDGARDENの曲が2曲(日によっては "Outshine" をプレイする日もあるそうな)、RATMの曲が3曲(内1曲はクリス抜きでのインストバージョン)‥‥セットリストの約半数を彼等が過去在籍したバンドの曲なんですよ。頑に演奏してこなかった歴代バンドの名曲達を‥‥

 恐らく、1stを作って、長期間のツアーに出て、互いを更に理解し合い、バンドとしても、そして人間/友人としても、ビジネスパートナーとしてもより密な関係になれたんでしょうね。だからこそ、そういった「憑き物」が落ちたのかもしれない‥‥ダフ・マッケイガン(元GUNS N'ROSES、現VELVET REVOLVER)がAUDIOSLAVEに対して「何故(SOUNDGARDENやRATMの曲を)演奏しないんだ? ファンの気持ちになれば(それらを期待してるってことが)判るだろうに」とコメントしてたのが印象的でしたが(VELVET REVOLVERはGN'RとSTONE TEMPLE PILOTSの混合バンド。ライヴでは両バンドの曲も演奏します)、いよいよここにきて封印と解いた、ということは‥‥「AUDIOSLAVE」として納得できる、確立された音楽が完成したということを意味するんじゃないでしょうか?

 そして、それこそがこの「OUT OF EXILE」というアルバムなんだ、と。

 ゴメンなさい、前降り長過ぎですね。

 とにかく、前作で満足出来なかった人間の多くが、このアルバムを前にして、手に汗握るんじゃないでしょうか。だってさ、曲がとにかく良いし、演奏も良い。歌も無理なく、クリスらしさを上手く表現できてる。前作制作時には「AUDIOSLAVEとして一度もライヴの経験がなかった」状態だったことを思えば、今回はある程度互いの手の内を理解した状態で制作に挑んだわけですから‥‥悪くなるはずがない。だって、何だかんだいってここにはSOUNDGARDENのメインソングライターと、RATMのアンサンブルの要(というかそのもの)が揃ってるんだよ。

 曲‥‥特にメロディの充実度には目を見張るものがあると思います。上に書いた「"Like A Stone" タイプの曲が今後の彼等にとって大きな武器になるだろう」というポイントも、アルバムからのリーダートラックに "Be Yourself" が選ばれた時点で、あーバンドとしてもよく理解してるんだな、と納得できたし、それ以外の‥‥そう、それ以外の曲がとにかく凄く良いのですよ。もう1曲目 "Your Time Has Come" からハードドライヴィングしまくり、続く "Out Of Exile" ではRATM直結のグルーヴィーHR全開。ボーカルもハイトーンやシャウトに頼ることなく、完全に「クリス・コーネルの節回し」が独特なバックに馴染んでる。前作では上手く噛み合ってなかったり、メロの節回しがあと一歩だったりと、非常に残念な箇所が幾つかあったわけですが、今回に関しては(通しで2回聴いた限りでは)それが見当たらないし。いい具合に「感」が戻ってきたんじゃないでしょうか(思えばクリスはSOUNDGARDEN解散以降、ソロでのライヴはあったものの、こういう形でのバンドは5年近く経験がなかったわけですからね)。

 演奏も見事に「らしさ」を残しつつ、更に「歌」をバックアップする「引き」の要素も強まってる。でも決して地味なんじゃなくて、実は結構派手なプレイしてたりするんだよね。そう聞こえないのは、完全にひとつの楽曲として調和されたものが多いからなんじゃないかな。曲作りやリハーサルにそれだけ時間をかけたことも大きいだろうし、やはり長期のツアー経験がものを言ってるんじゃないでしょうかね。

 いやー参った。"Be Yourself" を最初聴いた時は「やはりこの路線を強調してきたか‥‥」と嬉しく思ったのと同時に、どんどんハードロック色‥‥クリスやRATM残党組が最も得意とするであろう表現方法‥‥が後退してくのかなぁ、と危惧していたんですが、とんだ取り越し苦労でした。曲の配置、構成、曲調のバラエティやバランスも良いし、12曲(日本盤は+2曲)という曲数も丁度良いし(前作は似たタイプのミドルチューンが多い14曲入り)。

 これはアメリカでもバカ売れするんじゃないの? 日本じゃ過去に在籍した両バンドの内、RATMの方が知名度上で、SOUNDGARDENは結局1度の来日(しかも全米ナンバー1になる直前の来日な。俺も行ったけど)しか実現しなかったからか、マニアックなファンしか着いてない気がするし‥‥そういったカルト的な知名度を跳ね返すような、大きなブレイクを期待したい‥‥と思ってた矢先に、サマソニへの出演決定!?(日本盤にその旨を伝えるステッカーが貼られてます) NINE INCH NAILSが出る日の「VERY SPECIAL GUEST」ってやはりAUDIOSLAVEのことだったか! 何となくそうじゃないか、とは予想してたけど。嬉しい。素直に嬉しい。野外で、このサウンドを体感できるんだから。日本人は幸せだと思うよ。

 さて、アルバムも3周目に突入。もっとボリューム上げて聴き込みますよー!



▼AUDIOSLAVE「OUT OF EXILE」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 05 25 12:05 午前 [2005年の作品, Audioslave, Rage Against The Machine, Soundgarden] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/05/12

コンタクト『exit songs』(2005)

 昨年1月末にファースト・フルアルバム「君の夢を見たんだ」をリリースしたコンタクトの、1年1ヶ月振りとなる新音源集。ミニアルバムの形体を取っているけど、内容的には1曲1曲が長尺なため、6曲で約40分もある。世が世だったら、これでも立派なフルアルバムだよな。

 けどこれ、6曲で十分だわ。それくらい濃いのよ、この1枚。

 前作にあったような「ロックの躍動感」は後退し、ミドル〜スローを中心とした曲調、ムーディーで「歌」を支えるための、だけど自己主張するところでは自己主張しまくってる楽器隊。そして‥‥あくまで「日本的」なボーカル‥‥勿論良い意味でね‥‥前作の時に「RADIOHEADのフォロワー的バンド」とか俺書いた記憶があるんだけど‥‥

 いやいや、何か根本的なものが違ってるような気がしてきた。明らかに装飾の部分はRADIOHEADが「OK COMPUTER」以降押し進めていった方向性なんだけど、芯にあるものが違ってるんだもん、そりゃ独特な存在になるわな。そして‥‥それが良くも悪くも、今の日本のロックシーンで孤立する方に作用しちゃってるのかも。

 曲は全部素晴らしいと思う。個人的には文句のつけどころ、ないし。そりゃもっとハードコアなファンになれば、あそこが気に入らないとか、だからお前等ダメなんだよ、とか言いたいことも沢山あるんだろうけど、1年振りに彼等の音に接した身からすると、むしろ凄く新鮮に映るし、あれっ、コンタクトってこんなバンドだったっけ!?という新しい発見も多々あるのね。その新しい発見ってのが表現力だったり、「歌」を生かすための演奏やアレンジだったり、そういった要素が前作以上に優れてるのね。あと、たまたまミドル〜スローテンポの曲が揃ってしまったのかもしれないけど(いや、曲によっては若干アッパーなものもあるし、6曲目の "君のもとへ" みたいに後半テンポアップする曲もあるんだけど)、自分達の「ストロング・スタイル」を早くも見つけちゃったかな、という気も。思えばレディヘだって3rd以降はミドル〜スローが中心だしね。

 唯一のカバー曲である "Higher Than The Sun"(ご存知PRIMAL SCREAMの大名曲)、このセレクトも良いと思うし、そのアレンジセンスもなかなかだと思います。PRIMALの濃いファンからは反感買いそうな気がしないでもないけど、俺は全然アリだと思うし、むしろ「コンタクトの曲」にちゃんと昇華しちゃってる辺りに彼等の底力を見た気がしたし。

 多分レーベルメイトであるところのPolaris辺りとの比較が一番多いと思うんだけど‥‥似てるようだけど、また違うんだよね。恐らくレディヘ以上にPolarisの方が芯にあるものは似通ってると思うんだけど、結局は装飾の面が違うから、肌触りが違ってくる。俺はそれでいいと思うんだけどね。同じである必要なんて全然ないし、同じじゃつまんないしね。

 今のコンタクトって、実はMERCURY REV辺りのサイケでプログレ的要素を持ったバンドの方が近いんじゃないかな‥‥コンタクトの方がもっと現代的だけどさ。このアルバムを初めて聴いた時、俺が思い浮かべたのはレディヘでもなくPolarisでもなくて、MERCURY REVだったんだけどね‥‥



▼コンタクト「exit songs」(amazon

投稿: 2005 05 12 12:31 午前 [2005年の作品, コンタクト] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/05/03

HIGH and MIGHTY COLOR『OVER』(2005)

 「ハイカラ」こと、HIGH and MIGHTY COLORのメジャー2ndシングル、「OVER」が先月リリースされました。前作「PRIDE」がガンダムの主題歌に大抜擢されたことで、いきなりチャート初登場2位という記録を打ち立てました。が、今回はタイアップは付いているものの、深夜のバラエティ番組のエンディングテーマ。実質「タイアップなし」に限りなく近いんじゃないですかね(前作と比較すれば、の話ですが)。

 元々がヘヴィメタルからスタートしてるバンドに女子高生Vo.が加入したことでその音楽性もどんどん変化をみせていったわけですが、このシングルのタイトルトラックというのは以前インディーズからリリースされたことがあるそうですね(2004年11月に1,500枚限定リリース。即完売したそう)。それはさすがに知らなかった。ということは、こっちの方が前作の "PRIDE" よりも古い‥‥つまり進化過程ってことなんでしょうか。

 というわけで、前作の時に「アンチノブナガ」時代を含め、散々盛り上げた身としてはやはり責任を取らないとね‥‥やりますよ、今回も。ええ。

 今回も3曲+ "OVER" のカラオケ、の計4曲を収録したマキシシングル形態。前作は意外とバラエティ豊かな印象を受けましたが、今回はどうでしょう?

 まずタイトルトラック "OVER"。SE的な打ち込みを同期させたサウンドは前作同様ですが、女性ボーカルのマーキーの歌が若干「慣れてきた」「馴染んできた」印象が強いかな。ま、以前にレコーディングしてる曲なんで歌い慣れてるってのも大きいんでしょうけど。あと所謂ラップバートにも彼女が合いの手を入れる等して絡んできてますね。ますます男性Vo.のユウスケの立場が‥‥いい仕事してるんですけどね、今回も。こうやって聴くと彼のヒステリックな歌唱はあれですね、LIMP BIZKITのフレッド・ダーストにも通ずるものがある‥‥とか言ったら言い過ぎですか?

 曲はいろいろ考えられてる、フックが幾つも用意されたハードロック、って印象。歌謡曲/ポップスっぽいのはその歌メロの判りやすさのみ。途中で入るデス声による「オーイ!」って掛け声とかも、「らしい」よね。好きじゃなきゃそんなの入れないし、入らないよな。

 2曲目の "Change" は更にアップテンポの1曲。Aメロでのディレイを用いたギターフレーズと、ユウスケのシャウトが印象的な1曲。全3曲中最もポップステイストの強いナンバーじゃないかな。演奏は相変わらず派手なんだけどね。

 で‥‥問題の3曲目 "インソムニア" なんですが。前作の3曲目 "all alone" も非常に「濃い」ナンバーだったわけですが‥‥今回の "インソムニア" は、いよいよ彼等(というか、「アンチノブナガ」として)の本質的な部分を端的に表した1曲なんじゃないでしょうか。だってさ、モロにデスメタルですよ。デス声でユウスケが歌いまくりですよ。若干バックトラックが軽めなのが玉に傷ですが、これをもっと低音利かせてギターも歪ませたら、本格的なデスメタルじゃないですか。スゲー勿体ない。けどさ、メジャーの、一般のヒットチャート上で勝負しようとしたら、実はこれが限界なのかな‥‥というのも見えてきたりしてね。いや、それでも大健闘してますよ。スゲエよ、アンチノブナガ!(いや違うから)

 というわけで、個人的には今回も満足させてもらいました。8月にクラブツアーがあるようだけど‥‥その前にアルバムだろ、アルバム。ホント徹底的にロックしたアルバムを作って欲しいなぁ。海外でレコーディングしてさ、プロデューサーにコリン・リチャードソン辺りを迎えてさ。そんなの作っちゃってくださいよ!


‥‥ま、無理だろうけどな。残念だけど。
(そもそも期待する方向が間違ってる気が‥‥)



▼HIGH and MIGHTY COLOR「OVER」(amazon

投稿: 2005 05 03 12:00 午前 [2005年の作品, HIGH and MIGHTY COLOR] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/04/29

モーニング娘。『大阪 恋の歌』(2005)

モーニング娘。なるか!? 2年ぶりの首位!(ORICON STYLE)

 例の「石川梨華/モーニング娘。卒業コメント8cmCD」1万名様プレゼント・キャンペーンが効いてるのかね。コメントだけでしょ? それ、ホントに欲しいかなぁ‥‥

 さて‥‥

 矢口真里の電撃脱退から早くも3週間が経ちました。その直後は彼女をブラウン管の中で見つけることはなかったものの、ここ1週間くらいの間にまたポツポツとみかけるチャンスがありまして‥‥結局新曲のプロモーション用に既に収録済みだった分は、殆どそのまま放送されたようですね。ま、ここまでの飢餓感(本人が我々の前に出て、コメントする等が一切なし)の中だと、そりゃファンからすれば『矢口ラスト』とか『矢口真里、緊急卒業』とか新聞の番組ラテ欄で見つけたなら‥‥ねぇ。

 さて。本来なら自分が大好きな石川梨華の卒業を目前に、いろいろと感慨深い気持ちにならなきゃいけないんですが‥‥全然そんな気になれねぇ。矢口よ、そんなところまで持っていかなくても‥‥

 んで、その石川梨華のモーニング娘。在籍時ラストシングルとなるのが、この「大阪 恋の歌」という、非常に微妙なシングルなわけ。

 どこが微妙なのか‥‥というと‥‥いや、嫌いではないんですよ。むしろ好きな部類の曲。アレンジやバックトラックも意外と好きだし。鈴木Daichi秀行がやったアレンジの割りに、結構好きですよ。所謂R&B歌謡の部類に入ると思うんですが、これまで彼が手掛けてきた同系統のモーニングのシングル曲の中では、メロや雰囲気含め、個人的にはかなり上位にランキングするんですよ。でも微妙。何故なのか?

 恐らくその最大の理由は‥‥

 これを「何かこれから始まります!」って時ではなく、「ひとまずここでひと区切り」って時期に発表してしまったことなんじゃないかな、と。そう、曲には罪はないのよ。ただね、これを卒業シングルです、と提示されてもこちらは割り切れないし、しかもリリース直前にもうひとり別の卒業者(というか脱退者)まで生んでしまった後となると‥‥余計にね。なんだろ‥‥今度のラジオの中でも言ってるけど、後藤卒業/ハロプロ大改革という時期にドロップ、異色作 "そうだ!We're ALIVE" の「次」に発表してしまったがために、散々たる評価しか得られなかった "Do it! Now" の時と同じような微妙さを感じるんだよね‥‥

 あとさ‥‥これは多分いろんな人が言ってるかもしれないけど、あのオープニングでの大阪弁によるセリフ‥‥勿体ないなぁ‥‥あれいらないよ。今までのモーニングだったらあってもおかしくはないんだけどさ。何かね、ここでいきなりマイナスイメージ/マイナスポイントを聴き手に与えちゃってるんだよね。これなかったら、普通に聴けるのにさ。歌詞が大阪弁で歌われる分には全然違和感ないのよ。そういう歌、沢山あるじゃない。でもあの出だしだけはね、何となくダメ。

 アレンジとかメロとか歌詞とかは、つんく♂が最も得意とする手法なんだけどさ、かなり上手くいってる方だと思うのね。シャ乱Qが普通に好きだった人には、何となく懐かしい空気があるんじゃないかな‥‥これ、普通につんく♂がソロで歌っても全然「アリ」だもんね。むしろお前が歌え!くらいの曲だよね。それを藤本・高橋がメインとなって歌ってる。多分、次期モーニングを支えるであろうふたりが。だからこそ、石川の存在がね‥‥邪魔なのよ。ホントに。

 そうよ、これを石川卒業後に出せばよかったのにね‥‥売れる/売れないは別としてさ。それとも、7期メンバーを迎えた後の「次の一手」は既に見えてるんですかね? 何かさ‥‥それが見えるまでは、無闇矢鱈と音源を出さない方がいいんじゃないか‥‥そう思うのね。きっと次のモーニングは完全に生まれ変わると思うのよ。全然違う、別のユニットとして再デビュー‥‥くらいの気持ちで、メチャクチャやっちゃっていいと思うのよ。もう "LOVEマシーン" は完全に過去、あの曲を捨てちゃうくらいの気持ちで無謀なことをやってもいい時期だと思うのよ。だって‥‥一介のアイドルグループが、7年以上もこうやってヒットチャート上に生き残っちゃってるんだもん。普通に考えればもう限界はとうに越えてるわけじゃない。普通の人達からみたら、もう知ってるメンバーって殆どいないわけでしょ? 吉澤と藤本‥‥高橋とか紺野の名前を言えたら大したもんだ、くらいの存在なわけでしょ。もうさ、過去に囚われずに前進するのみでいいんじゃないかな。守るべきものはもう既になくなっちゃってるんだからさ‥‥

 そういう意味では、カップリング曲の "NATURE IS GOOD!" が無駄に「現在のモーニング娘。」を端的に表現しちゃってるような気がするね。中途半端なロック感、中途半端なポップさ。歌えてるんだか歌えてないんだか、微妙な感じ。元気に歌う矢口の声を聴いちゃうと余計に‥‥こう‥‥ね。

 もうさ、エコとか自然を守ろうとか、そういうのを止めてさ。ゴロッキーズなんだから、無茶苦茶やっちゃって欲しいわけよ。アナーキズムを追求して欲しいわけですよ。まぁ、完全に子供相手になってしまってるから、今回みたいなスキャンダル程度で脱退しなきゃならなかったわけだけど‥‥無理か。やっぱり無理なのか。

 何か無茶苦茶書いてるな、俺。けどさ、単に好きなわけですよ。"THE マンパワー!!!" の後だから、保守的且つ過渡期的な曲をね、卒業シングルに持ってくるとは誰も思わないじゃない。しかも当の石川を全然生かし切れてないわけだからさ‥‥勿体ない。



▼モーニング娘。「大阪 恋の歌」(amazon:初回盤通常盤シングルV

投稿: 2005 04 29 12:17 午前 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/04/28

W「2nd W」をついに聴いた。

 先日、都内でラジオ特番の収録を行ってきたんですよ。普段やってる「RADIO TMQ」とは別の番組なんですが、同じネットラジオ「radio.gs」の番組である「MOK Radio」の実験4号さん(サヨナナ)と、これまた同じく「ダラ・ダ・ラジオ」のヨシノザワさんと俺の3人で、5/2に特別番組を放送することになったんですね。

 で、この3人に共通する事柄って何だかわかります? ま、俺と実験さんが揃った時点で、感の良い人なら「嗚呼、またか‥‥」って思うかもしれませんが。そう、この3人でモーニング娘。を始めとするハロー!プロジェクトについて、GWの深夜にあーでもない、こーでもないと濃い話をするネットラジオをやることになったんですよ。

 題して「実験・とみぃ・ヨシノザワのラジオでハロプロ話」!‥‥ってまんまやん!!

 まぁね。どうしてもこの時期にやっておきたかったわけですよ。前々からそういうラジオをやりたいねーみたいな話はちょろっと出てたんですが、まぁその時は手伝いますよ!とは言ってたんですね俺。で、先月末辺りから急展開で話が進み、この日曜に収録を行ってきたという。大体2時間半くらいの内容になるかと思いますが、とにかく濃いです。好きな人にはたまらない、興味ない人にはとことん「気持ち悪い」だけのプログラムですので‥‥このサイトやとみ宮時代から、そっち方面にも足を突っ込んでる人は全員正座で聴くように! ここでしか聴けない裏話もあるんでね。

 改めて。5/2(月)24時から、こちらに聴く方法が載ってますので(って普段のTMQやらMOKと聴き方は一緒ですが)、ひとつよろしくお願いします! 反響次第では第2弾、第3弾も考えますんで!!

 でですね。その収録の時に、やはり「ここ最近リリースされたハロプロ系アルバムの出来が軒並み水準以上だよね」という話題になって。勿論俺もそう思ってるわけですが‥‥実はまだ1枚だけ手をだしてなかった作品があったんですよ。で、それを告白したら二人にエーッて顔をされて。絶対に良いから! 何で聴いてないの?ってなって。まぁ何で聴いてなかったのか‥‥その理由も未だに判らないんですが。ま、たまたまタイミングの問題でしょう。

 その「1枚」ってのが、W(ダブルユー)の2ndアルバム、「2nd W」なんですけどね。

 ‥‥あ、今モニターの前の君まで「えーっ!?」って言ったろ!? 判ってるんだから、俺には‥‥クソーッ! キーッ!!

 ま、冗談はさておき。収録語も飯食いながら3人でいろいろ話したわけですよ。で、「今からこの素晴らしいアルバムに出会えるって事が素晴らしい、羨ましい」とまで言われちゃってね。ま、このアルバムに関しては先月末からずっと実験さんにオススメされてたし、彼もこのエントリ「現在までのハロプロ関連CD全ての歴史の中でもベストテンに入る傑作なんじゃないでしょうか」と書いてる程でして。

 確かに、他所の信頼するサイト(そちら関係)を覗いても、大絶賛してるんですよね、後藤の「3rdステーション」以上に‥‥そこまで言われちゃうと、逆に構えちゃうじゃないですか? 構えません?? 俺はね、ちょっとだけ構えちゃったの。けどね、このラジオ収録を通して、以前よりもハロプロに対して前向きになれたのも大きくて、帰りがけにCD屋寄って勢いで買っちゃったのよ、「2nd W」

 買ったその日は聴かなかったんだけど(パッケージの封すら切らなかったしね)、翌朝の出勤時にカーステに買ったCDをぶち込んで再生したら‥‥

 な ん で す か 、 こ れ は ! ?

 ゴメン、マジで。正直すまんかった。って思ったわけですよ。みんなが大絶賛する意味が、聴いて初めて理解できたわけですよ。勿論聴く前はちょっとだけ構えてたんですが、いざ "Wのテ〜マ" がスタートしたら、もうそのカッコ良さにやられっぱなしで、続く "デコボコセブンティーン" に唸ってしまい、運転どころじゃないわけですよ。その後(俺的)名曲 "ロボキッス" が続き、緩急をつけつつアルバムは進み、カバーあり、校歌アリ、プログレポップな "あぁ いいな!" があり‥‥っていう説明は不要ですよね今更。そういった曲の数々と、所々に挿入されるちょっとした遊び含めて、とにかく完璧なんですよ。いや、アルバムのトータル性という意味では完璧ではないんだけど、世間が(「世間が」??)求める「辻加護」、あるいは「W」をトレースしつつ、これまでに到達したことのないような地平にたどり着いてしまった‥‥そんな景色が見えちゃったんですよね、このアルバムを聴き終えたとき。

 多分つんく♂的にはそういった「ファンが求める要素」という意味でミニモニ。の後継者的存在としてWを運転してるのかもしれないけど(そしてファンの一部にもそういう認識があるんじゃないかな、未だに「辻加護」という色眼鏡で見てしまったりとか)、全曲カバーという異色なデビューアルバムの後にリリースされた、このカラフルな1枚を聴いて思ったのは、そういった「ミニモニ。後継者」といったイメージ以上に、(ある意味では「今は亡き」)プッチモニの後継者的存在でもあるように感じたんですが、如何でしょう?

 確かにこれはハロプロ史上、10本の指に入る名盤だと思います。同時期にリリースされた後藤の「3rdステーション」もそこに入る1枚だと信じて疑わないわけですが‥‥なんだろ、去年出たミニモニ。の「ミニモニ。ソングズ2」から地続きにある作品だな、と。ま、曲作ってる人間が一緒で、歌ってる人間も二分の一が残ってるんだから「続き」といえば間違いないんだけど‥‥でも変質してる部分も多いじゃない。例えば加護の声だったり、辻の表現力だったり。それぞれが人間としても、表現者としてもこの1年で想像以上の成長を収めている。それまで四分の一、あるいは十数分の一(モーニング娘。でのことね)だった負担や役割分担が、完全に二分の一へと増大したことで、それが良い方向に作用したんだろうね‥‥そう思うことにしてますよ。

 ミニモニ。の2ndもかなり好きだっただけに(特に新曲群がまとまったアルバム前半の流れね)、このWの2ndアルバムは歓迎すべき内容、歓迎すべき成長でしたね。いやー恐れ入りました!

 もう末期的、終末感さえ漂い始めているハロプロ(「そんなの数年前からだよ!」と興奮気味のそこのあなた。まぁまぁ落ち着いて)。俺の気持ちも安倍の卒業を境にドンドンと離れ気味だったんですが‥‥Berryz工房の登場以降、また全体的に水準が上がってきてるんじゃないか‥‥って思うんですが‥‥ま、ダメなやつはホントどうしようもない程にダメなんですけどね‥‥例えば‥‥いや‥‥それはまた今度‥‥ねっ?

 とにかく、5/2のラジオ聴いてね!(結局そこか)



▼W「2nd W」(amazon

投稿: 2005 04 28 01:10 午前 [2005年の作品, W(ダブルユー), ハロー!プロジェクト] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/04/27

SCREAMING SOUL HILL『REVIVE』(2005)

SCREAMING SOUL HILL、超強力アルバムを引っさげ復活! バク宙もカッコいいPVフル公開(BARKS)

 先日もこちらのエントリで久し振りの新作リリースについて紹介したSCREAMING SOUL HILL。その5/11リリース予定の新作「REVIVE」に収録予定の1曲、"HEAVEN" のPVが上記リンク先でフル視聴できます。

 シンプルな白バックと、熱い演奏をかますバンド。時にモノクロに、時にカラーに切り替わったり等、さして目新しい要素は皆無なんですが、逆に曲のストレートさ、鋭さを上手いこと後押しした、好作品に仕上がってるんじゃないでしょうか。単純にこれ観たらロックバンドとしてかっけーと思えたし、ライヴの風景が目に浮かぶもんね。カッコいい。ホントそれだけよ。つーかそれが一番重要じゃんよ、ロックバンドにとって。

 実は先日のエントリの後、ひと足先に「REVIVE」を聴かせてもらうことができました。また前回の「RADIO TMQ」#27(こちら)でもいち早くこのアルバムから3曲目に収録されている "Silver Bullet"(オフィシャルサイトで試聴可能)を先行放送しました。評判もなかなかで、もっと聴きたい!ってメールも頂いた程。勿論今度の放送(4/30の25時を予定)でもこの新作から紹介しますのでお楽しみに。

 で、この6曲を聴いた感想なんですが‥‥

 ホントにストレートなハードロックが印象的な、濃密なアルバムなのね。オフィシャルサイトで試聴できる2曲("HEAVEN" と "Silver Bullet")がアルバムの核になってると思うんだけど、それ意外の曲も当然のように高レベルで印象深いのね。

 例えば2曲目に収録された "She's A Rainbow"。かのROLLING STONESのカバー曲で、昔「iMac」のCMにも起用されてたので、覚えてる人も多いはず。この曲を上手いことアレンジしてて、ただ疾走するんじゃなく、この曲本来のメロウさ/ポップさ、そしてドリーミーな空気感はちゃんとそのまま残しつつも、「S2Hらしさ」がしっかりと感じられるという好カバーに仕上がってるのね。

 かと思えば、ストリングス系のシンセ?によるリフが印象的なミドルヘヴィ・チューン "FLY" みたいな曲もある。ラップ的なパートは過去のS2Hを彷彿させるんだけど、以前よりもバンドとしての「重心」が低くなってて、とにかくズッシリと響くのね。エンディングでのギターソロも思わず聴き入ってしまう程で、フェードアウトが勿体ないくらい。

 ちょっとダンサブルな要素がみられる "I'm" もスカッとする程カッコいい。とにかく終始「歌ってる」アルバムだよね。歌がちゃんと聴き手に届く作品集だと思います。勿論それだけでなくて、サウンドやプレイやアレンジも最高にカッコいい。単なる「欧米ヘヴィ/ハードロックの焼き直し」に終らず、日本人らしさ、S2Hらしさもしっかり感じられる。そこがその辺にウジャウジャ存在するだけのヘヴィロックバンドとの違いなのかも。エンディングを飾る "BURNING" もとにかくS2Hらしいとしか言いようのない1曲。ま‥‥要するに、今まで待ってたファン、安心してください! S2Hは更にタフに、更にハードに、そして更に優しさを増して帰ってきましたよ!と。

 うわぁ〜、ホントにライヴ観たいよね。5/7の下北沢公演がちょっとヤバめ(RIZEも出るのか!)だね。けどこの日はちょっと無理っぽい感じなんだよね‥‥くそぉ‥‥あ、6月に千葉LOOK公演があるじゃん! 会社の都合つけて、こっちに行こうかしら。いや、仮に下北に行けたとしてもLOOK公演には絶対に行こう! やっぱり自分の地元で観たいし!

 というわけで、リリースまでまだ2週間近くありますが、このサイトをご覧になってる「タフでハードなロックンロールが大好き!」な野郎共、オススメですよ。まずはPVとオフィでの試聴を!!



▼SCREAMING SOUL HILL『REVIVE』
amazon

投稿: 2005 04 27 11:55 午後 [2005年の作品, Screaming Soul Hill] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/04/22

MANIC STREET PREACHERS『GOD SAVE THE MANICS』(2005)

マニック・ストリート・プリーチャーズ、新曲3曲を無料配信中!(CDJournal.com)

 夕べあの記事をアップしてから暫くして、とある方から連絡を貰い、無事マニックスの新曲3曲を聴く事ができました。どうもありがとうございました! 夕べからガンガンに聴きまくっております。心身共に疲れ切っていた俺でしたが、この3曲のお陰で完全に生き返りました! ホントだよ!

 さてさて。改めまして上記サイトでも紹介されておりますので。


というわけで、無事聴くことが出来たお礼といってはなんですが‥‥簡単な感想を書いておこうかと思います。

M-1. A Secret Society
 如何にもマニックスらしい、メランコリック且つ力強いメロを持ったパワーソング。オフィシャルサイトでのスタジオ・ノートには「THE SKIDSやTHE SAINTSをなぞり、NIRVANAのハンドクラップにアクセル・ローズのバッキングボーカル」という、判ったような判らないような説明がありますが‥‥聴けば判りますよね。典型的なマニックス流ロックチューンなんだけど、単なる焼き直しで終ってない。「THIS IS MY TRUTH TELL ME YOURS」の後に発表された "The Masses Against The Classes" みたいな空気を感じるかな。

M-2. Firefight
 これもある意味で典型的なマニックスナンバー。「EVERYTHING MUST GO」以降のノリを持ったミディアムチューンなんだけど、これも単なる焼き直しで終ってない。むしろ「LIFEBLOOD」に入っていてもおかしくない程の完成度。これ、タダで発表するなんて勿体ないくらい。
 スタジオ・ノートには「ABBA風のピアノ」なんて書いてあるけど、それも頷けるようなメロディはさすがというか。ちなみに作詞はジェイムズだそうです。

M-3. Picturesque
 最も「LIFEBLOOD」の流れを汲む1曲かな。というか新作からのアウトテイク?というには完成度が高過ぎるか。凄くいい曲だなぁ‥‥メロディの泣き具合といい、ギターの泣き具合といい。正に『MANICS meets NEW ORDER』とでもいいたくなる程の名曲。
 つーかこの曲はむしろ歌詞なんじゃないかな‥‥歌詞カードとかないから何とも言えないけど‥‥これってリッチーの残した歌詞を元にしてるのか‥‥ってスタジオ・ノートを読む限りではそう解釈できるよね? 夕べこれ読んで、思わず目頭熱くしちゃったよ‥‥


 改めて3曲を通して聴いた感想は‥‥これ、是非『盤』で発表すべき作品集だよ! これ普通にリリースしたらイギリスで1位取れるんじゃねーの? 勿体ないよ、タダなんて! まぁ要するに、アルバムがタダでさえ素晴らしかったのに、そこに甘んじることなく、更に一歩前に進んでるよな、と。改めて実感したよ、スッゲーバンドだって!

 何やら先日のロンドン公演(4/19)ではこの3曲を収録したCDを来場者に無料配布、更にこの日のライヴをもって暫くの間(今後2年間という話ですが‥‥)ライヴ活動を休止するというマニックス。その2年の間にスタジオ作品をリリースしてくれるのか、それとも単に休んでしまうのか、あるいは各自ソロ活動をするのか‥‥全く今後の彼が想像できません。当然どの夏フェスにも(今のところは)出演する予定もなし。

 「LIFEBLOOD」に伴うプロモーション活動(ライヴツアーを含む)が思いの外短かったこと、そしてそのアルバムが過去の作品程ヒットしなかったこと等いろいろと難しい時期なのかもしれませんが‥‥ここまできたら、とことん続けて欲しいよ。むしろ老いぼれて、カッコ悪く、無様に生き残って欲しいな‥‥その『泥臭さ』こそが、デビュー当時から一環してる『マニックスらしさ』なんじゃないかな、と俺は思うんだけど‥‥



▼MANIC STREET PREACHERS『LIPSTICK TRACES -A SECRET HISTORY OF MANIC STREET PREACHERS』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2005 04 22 12:48 午前 [2005年の作品, Manic Street Preachers] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/04/21

ウルフルズ『9』(2005)

 ウルフルズ、「ええねん」から約1年2ヶ月振り、そのタイトル通り通算9作目のオリジナルアルバムとなる「9」。前作ではベースにジョン・B・チョッパーが復帰したこともあり、何か特別な空気で包まれた中での発表となり、また受け手側である我々の方も、気持ちの面でこれまでとは違う受け入れ方をしちゃったんじゃないかな‥‥と思ったり思わなかったり。本来は深く考えずに楽しめるはずのウルフルズ・サウンドを、一歩突っ込んだ感じで、あるいはそれまでとは違った角度から覗いてみたりして、ちょっとだけ難しく考えちゃってた節があるかな、と。ま、俺に限ってのことかもしれませんが‥‥だからなのか、非常に良い作品であるにも関わらず、ちょっと聴く頻度が今までの作品と比べても低かったかな、と最近思うようになって。ま、結局はアルバム1曲目 "ええねん" に全てが集約されてるわけなんですが‥‥

 今回はあれから時間も経ってるし、バシバシ活動を続けてくれたこともあってバンド側もだいぶ肩の力が抜け、いつも通りの「らしい」1枚に仕上がってるのね。まんまウルフルズな "バカサバイバー" といい、ソウルフルな "ゼンシン・イン・ザ・ストリート"("Dancin' In The Street" の捩りだよね)といい、力強い "歌" といい‥‥ってもう、この頭3曲の流れでオールオッケー。

 先行リリースされたシングル2枚に収められた4曲が全てアルバムに収録されてしまってることから、シングルをちゃんと買ってるファンには不評だったようだけど(でも "暴れだす" は一応「full version」)、俺みたいな余程のことがない限りシングルまでは追わない微妙な立ち位置の人間にはまぁ有り難いんですけどね。あーCMで耳にしたあの曲も、有線でよく耳にしたあの曲も、全部入ってるのね、ってさ。

 力強さも、バカっぽい緩さも、訴えかける言葉も、耳に馴染むメロディも、心躍るファンキーなリズムも、ここには全部ある。確かに「ウルフルズ史上最高傑作」かと問われれば、それはどうかな‥‥とは思うけど、十分に平均点は超えてるし、むしろこのレベルのアルバムをコンスタントに出し続けてくれるなら、俺には文句は全くありませんよ。むしろこういうバンドには目先の物珍しさとか最先端の流行を追っかけるんではなく、いつ聴いても「そうそう、これこれ!」って安心できる「らしさ」を求めちゃうんだよね。それって俺が年を取ったからなのかな?

 でも‥‥それでもいいや。この11曲で40分にも満たないアルバムには、普遍的な魅力が沢山詰まってるから。



▼ウルフルズ「9」(amazon

投稿: 2005 04 21 12:04 午前 [2005年の作品, ウルフルズ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/04/12

岡村靖幸『ビジネス』(2005)

 タイトルとリリース時期からして、単なる『年度末のお仕事』と見なしてスルーしてしまうと一生の後悔モンですよ、これ。

 レコード会社の所謂『煽り文』によると、「岡村靖幸史上初の「リアレンジ」「リミックス」ノンストップアルバムの登場! ツアーのために制作された至高のLIVE用音源をもとに、岡村靖幸本人が「リアレンジ」「リミックス」し、ノンストップで再レコーディング。LIVE、サウンドプロデュース、DJ、とさまざまなポジションにおいて発揮される岡村ちゃんの才能が一度に堪能できる、過去に例を見ない特別なアルバム」‥‥ってことらしいです。

 ま、言い過ぎかな‥‥って気がしないでもないけどさ。でもね、ホントにこれが予想してた以上に良かったんだわ。DVDと同日発売ってこともあって、まぁ半分惰性で買ったようなとこもあったんだけどさ‥‥

 ライヴ用にリアレンジされた過去の楽曲("聖書(バイブル)" や "Check out love")、「岡村と卓球」名義でリリースされた曲のリアレンジ("come baby" と "adventure")、そして昨年リリースされた楽曲のライヴ用リアレンジ("ア・チ・チ・チ")、と‥‥そう、昨年のツアー「Me-imi TOUR 2004」用に岡村本人がリアレンジしたバックトラックをそのまま使用、そこに今の岡村が新たに歌を乗せたという、正しく「準・新作」と呼べるような1枚に仕上がってるんですわ。で、そのアレンジも‥‥彼の復活後のライヴを観たことある人ならわかると思うけど‥‥かなり現代的に、しかもハイパーアクティヴなテイクにビルドアップされてるわけ。それを(ほぼ)ノンストップに近い形で、曲間も殆どないような形で並べられてるんだもん、興奮しないわけがない。しかも「岡村ちゃん大百科」みたいな過去の大決算みたいなボックスが出て、昨年のツアーDVDが出て、って感じに‥‥これでもか!?って位に「岡村ちゃんの新曲」飢餓状態に陥らせる状況を作って、そこにこの新録作品‥‥で、これがたった5曲しか収録されてないもんだから‥‥火に油を注ぐだけだという。おいおい、ふざけないでくださいよ!

 昨年リリースされた "ア・チ・チ・チ" は置いといて、他の4曲‥‥例えば初期の代表曲であるところの "聖書(バイブル)" や "Check out love" を完全に2005年のサウンドに再構築したのは非常に興味深いですね。これ、岡村ちゃんに疎い人が聴いても受け入れられるような作風になってますよね(ま、確かに "聖書(バイブル)" がちゃんと「歌えてない」のは今のライヴ同様なわけですが)。特に "Check out love" がクールでね。後半の盛り上がりとか凄いよね。

 あと、個人的には「最高!」とは言い難かった「岡村と卓球」名義での "come baby" と "adventure" が完全に「生き返ってる」のがいいよね。前者は一昨年のライヴで聴かせたバージョンよりも更にバージョンアップしてカッコ良くなってるし(良い意味での「下世話さ」が売りだった原曲から、それを取っ払って硬質な感じに蘇らせたイメージ)、原曲以上に『岡村ちゃんらしさ』が濃くなった後者のポップさといったら‥‥あー、こんなに良い曲だったんだね、と再確認。うん、ホント良いねこれ。

 いろんなところで言われてるように‥‥5曲じゃ物足りなさ過ぎですよ! 何度も言うけど、寸止めにさえ程遠い状態。もっとやれたんじゃないか、これだけでフルアルバムが作れたんじゃないか、って気もするけど‥‥そうなると、またコンセプトも変わってきちゃうかな。ま、5曲って辺りにアルバムタイトルとの連動性を感じずにはいられないかな‥‥なんて思ったりして。

 とにかく、非常に良く出来た1枚ですよ。新作「Me-imi」で初めて岡村ちゃんに触れた人、次にどのアルバムを聴こうかと悩んでる人、そしてまだ岡村ちゃんを聴いたことがないって人。いや、岡村ちゃんに興味がない人もある人も、全員必聴盤ですよ! そして‥‥物足りなさに地団駄踏んで、最終的には「岡村ちゃん大百科」を手にしてる‥‥みたいな、ね。



▼岡村靖幸「ビジネス」(amazon

投稿: 2005 04 12 11:00 午後 [2005年の作品, 岡村靖幸] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

The DUST'N'BONEZ『LOVE/HATE』(2005)

 もはや『別ZIGGY』『裏ZIGGY』と呼んでも差し支えないであろうバンド、The DUST'N'BONEZ。だって森重樹一と戸城憲夫の2人が揃ってるんだもん。二人時代のZIGGYを思い浮かべればいいだけの話。しかもその音楽性が初期‥‥「HOT LIPS」「KOOL KIZZ」での戸城作曲の楽曲を更にハードエッジにしたサウンド。そういう意味では今、最も『ZIGGYらしい』存在なのかもしれない‥‥幸か不幸か、ね(だって本家ZIGGYが未だに存在し、そこに森重本人が在籍するんだから。ってまぁ森重こそが『ZIGGY』そのものなわけですが)。

 今回リリースされたのは、昨年11月末にリリースされた1stアルバム「FLAME SKULL BASTARDS」からたった4ヶ月で届けられた新曲3曲+昨年12月の初単独ライヴ@渋谷クアトロから6曲を収録したDVDという2枚のディスクから構成される変則盤。どっちがメインか‥‥新曲3曲はどれも彼等らしいし(いや、ある意味で既に1stで繰り広げた音楽性の更に数歩上に行ってるようにも感じられるし)、ライヴDVDはたった6曲ってことで消化不良気味に陥りそうだけど‥‥

 それでも森重と戸城が同じステージの上に、二人並んで立っているという映像を目にしただけで、何かこう、込み上げてくるものがあるんだよね。元SADS組の二人もそれぞれに個性的だし(特にギターの坂下たけともはそのヘアスタイルやファッション、メイクから、何となくBACKYARD BABIESのドレゲンを意識してるのかな‥‥と思わせるし。ギターもES335使ってる辺り、その辺を狙ってるように思えるし)。何よりも、森重のファッションが1990年前後のZIGGY時代を彷彿させて‥‥まぁ早い話が、GUNS N'ROSESのアクセル・ローズ的なんですよね。今のZIGGYでは考えられないような、ある意味でコスプレというか。戸城も何となくニッキー・シックス(MOTLEY CRUE)を彷彿させるし。とにかく今のZIGGYが失ってしまった「危うさ」を必要以上に感じさせるステージだなぁ、と。これ観ちゃったら絶対に生で体験したくなるもんな、普通。

 さてさて。新曲の方にもコメントを。ご存知の通り、このバンドのコンセプトは『戸城の曲に森重が歌詞を付ける』というスタイルで、所謂『戸城主導のZIGGY』みたいなもんなのですが‥‥良い意味で、戸城がZIGGY時代〜ZIGGY以降にやってきた音楽を、上手く森重のスタイルに合わせて再構築してるよなぁと。まぁZIGGY時代でいったら‥‥戸城在籍時最後の2枚辺り‥‥「CRAWL」「Goliath Birdeater」での戸城曲に通ずる要素があるんだよね。風変わりな展開をするAメロ〜Bメロ、だけどサビは非常にメロウで判りやすい。バックは非常にヘヴィで重たいんだけど、それに相反してサビはポップみたいな。ここに収められた3曲はどれも良い意味で『ポップ』なんですよ。そして危うさ、生々しさというロックバンドらしさもしっかり備わってる。初期衝動と完成度の両面で充実しまくっていた1stアルバムの次にくる作品ってことで、もっとカッチリしたものになるのかと思ったら、更に生々しくて激しくなってる。この攻めの姿勢は森重+戸城でなきゃ表現し切れないものでしょう。残念だけど今のZIGGYのスタイルではないわな。

 うわぁ‥‥これをライヴで実際に聴いたら俺、卒倒するね。ってこれを書いてる2日後には(現時点の予定では)初めてダスボンのライヴを体験することになってるんですが‥‥戸城なんて生で観るの、それこそ15年振りくらいだよ!



▼The DUST'N'BONEZ『LOVE/HATE 〜激情の色彩 3tracks & 6live shots〜』
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投稿: 2005 04 12 12:08 午前 [2005年の作品, DUST'N'BONEZ, THE, ZIGGY] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/03/31

BACKYARD BABIES『LIVE LIVE IN PARIS』(2005)

 BACKYARD BABIES初のライヴアルバム。「LIVE LIVE IN PARIS」と書いて「リヴ・ライヴ〜」と読ませるらしい。ジャケには『[liv][laiv]』ってちゃんと発音の仕方が書いてあるしな。

 「TOTAL 13」で日本デビューした彼等。恐らく殆どのファンがあのアルバムにやられて現在に至ってるか、既にその当時のファンは離れちゃってるかのどちらかだと思うんだけど‥‥アルバムリリースのサイクルが長いバンドなんだよね。大体3年に1枚の割合だよね。まぁ海外ではデビューアルバムから2nd「TOTAL 13」まで4年かかってるから、それを思えばね‥‥ってデビュー12年でオリジナルアルバム4枚ってのも凄いな。しかも決してメジャーで大ブレイクしてるようなバンドじゃなくて、かろうじて自国スウェーデンで1位を取るような感じなのにね。

 でさ、その「TOTAL 13」に魅せられたファンってのは、その後の2枚‥‥メジャーである「BMG SWEDEN」移籍後の「MAKING ENEMIES IS GOOD」と「STOCKHOLM SYNDROME」には納得してないって人が多いみたいで。曰く『初期衝動性が減退した』『パンク色が薄れてガチガチに作り込まれた作品になってる』『メジャーに魂を売った』‥‥まぁ言いたいことはよく判りますよ。あのアルバムにおける彼等は神がかってましたから。

 思うに、ここ2枚のアルバムに足りなかった要素‥‥生々しさであり危うさだったんじゃないかな、と。勿論「MAKING〜」にも「STOCKHOLM〜」にもそれなりの危うさは存在してたと思うんですが、どうしても『作品としての完成度』を重視した結果、カッチリした作りにならざるを得なかったのかな、と思うわけで。勿論、それはそれで正しい判断だったと思うし、だからこそライヴではそれらの楽曲がまた違った聴こえ方をしたり、逆にあーこの曲はアルバムの方が良かったな、なんて曲もあったりして。

 でもそんな問題点も、このライヴアルバムで解消されたんじゃないかな? 「TOTAL 13」以降の3枚のアルバムからの曲が中心となる、所謂ベスト盤的内容になってるし(まぁ「STOCKHOLM〜」リリース後のツアーだから、このアルバムからの曲が多くならざるを得ないのは仕方ないけど)、古い曲も新しい曲も同じスタイル‥‥つまり『ライヴバンド・BACKYARD BABIES』として表現されてるわけですよ。曲の作りは確かに変わってますよ。"Made Me Madman" と "A Song For The Outcast" とじゃメロディの運び方なりアレンジなりに‥‥恐らく方向性の違いなのだろうけど‥‥多少の違いはありますよ。でも、一環してるんですよね、こうやって通して聴くと。

‥‥とここまで書いてみて、やっぱりそんなのどうでもよくなった(苦笑)。

 いや、今ね、このアルバムを聴きながらこれを書いてるんですが‥‥文句無しにカッコいいし。それ以上でもそれ以下でもないですよ。曲のアレンジだの善し悪しだの、どのアルバムの曲の方が疾走感があって、どのアルバムの曲がタルいとか、そんなことが言いたいんじゃないのよ。『BACKYARD BABIESらしさ』が最も色濃く表れた作品だよね、やはり。ライヴバンドなんだよ、何だかんだいって。って当たり前の話だけど。

 どんなにスタジオテイクで凝ったものを録音しようが、いざステージに立てば勢いと力で押し切るパワーゲーム。それが彼等のライヴでしょ。事実、17曲(日本盤。内1曲目はイントロなので実質16曲か)もやっていながら実際には60分に満たないんだから。ここにもう2〜3曲足すと、昨年の来日公演と同じセットリストになるらしいよ(本編に "You Tell Me You Love Me You Lie"、アンコール1曲目に "Everybody Ready" が演奏されてます)。そう考えると‥‥多分実際のライヴは90分にも満たない、ホント70分とか80分程度に凝縮したライヴなんだろうね。いや、これだけ飛ばされたらさ‥‥十分だよね。つーか彼等が一時のGUNS N'ROSESみたいに3時間近くも演奏するなんて、今は考えられないけどね。

 1本のライヴをほぼノーカットに近い状態で収めたライヴ盤。だからこその生々しさがあるし、客の反応もハンパじゃない。しかも地元じゃないのにね‥‥パリだよ、パリ! 英語圏じゃないし。つーかBYBだってスウェーデンじゃん! 何だそれ、ちゃんと英語でMCしてるし!!

 とにかく、勢いがあって男臭くて哀愁味もしっかり備わったカッコいいロケンロールが聴きたかったら、迷わずこのライヴアルバムを聴けばいいよ。

 最後に。アルバム初回仕様にはDVD付きがあるんだけど、このDVD「JETLAG -THE MOVIE」がとにかくイイ! 本国スウェーデンではDVD単品として今年頭にリリースされたもので(日本でも一部専門店で見かけます)、60分に及ぶバンドのヒストリー・ドキュメント映画なのよ。勿論ライヴ映像やPVも断片的ながら収録されてるし。当然ながら字幕入り。これで通常盤に800円足しただけの値段なんだから‥‥迷わず初回盤でしょ! つーかこのDVDがホント泣ける。男泣き。カッコ良過ぎ!

 やっぱりロックンロールはカッコ良くなきゃ。墓まで持って行きたいライヴアルバム。



▼BACKYARD BABIES「LIVE LIVE IN PARIS」(amazon:DVD付通常盤

投稿: 2005 03 31 12:31 午前 [2005年の作品, Backyard Babies] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/03/22

HANOI ROCKS『BACK IN YER FACE EP』(2005)

 いよいよHANOI ROCKSが動き出します。2002年に再生され、春にシングル "People Like Me" が地元フィンランドでリリースされ(この時はわざわざフィンランドから取り寄せたもんなぁ)、夏には「SUMMER SONIC」で18年振り(!)の来日を果たし、同年末には再生第一弾アルバム「TWELVE SHOTS ON THE ROCKS」がリリースされ、翌2003年2月には単独再来日が実現。更に同年秋にもイベントのためまた来日‥‥とにかく復活‥‥いや再生か‥‥後のHANOI ROCKSの活動のスムーズさには目を見張るものがありました。だって、あれだけ犬猿の仲って言われたマイケル・モンローとアンディ・マッコイが、仲良く活動してるんだもん‥‥今までの18年は何だったんだよ!?って思うわな普通。ナスティ・スーサイドやサム・ヤッファとは解散後にマイケルのソロやDEMOLITION 23.なるパンクバンドで一緒に活動してたものの、それは決して『HANOI ROCKS』ではなかったわけで‥‥要するに、メインソングライターでありリーダーであったアンディがいなければ何の意味もないわけですよ。また逆に、アンディひとりで他の人間を集めて『HANOI ROCKS』を名乗ったとしても、それは決して我々がよく知る『HANOI ROCKS』ではないわけですよ。じゃあアンディとマイケルさえいればそれは『HANOI ROCKS』なのか‥‥その疑問/問いに答えるべく、彼等はこの数年格闘し続けたのかもしれません。

 2004年は静かに時が過ぎました。アンディの足の具合もあっただろうし、脱退したギターやベースの補充もあったでしょう。けど実際にはマイケルとアンディが再び一緒に曲を書き始め、レコーディングに突入してたんですね。

 2005年、再生第二弾アルバムとなる「ANOTHER HOSTILE TAKEOVER」からの先行シングルとなる "Back In Yer Face" がここ日本でリリースされました。収録されているのは3曲。内2曲はアルバムにも収録される予定の "Back In Yer Face" と "Better High"、そしてアルバム未収録の "Keep Our Fire Burning"。全てマイケル&アンディによる楽曲です。

 前作「TWELVE SHOTS〜」の楽曲は当初マイケルのソロアルバム用に用意されていた楽曲がメインとなっている為、クレジットの大半はマイケルが中心となっています。マイケル&アンディによる楽曲は数曲に留まったためか、また作風も以前のようなラフさが薄らいだ硬質なサウンドだったこともあり、どことなくマイケルのソロアルバムにアンディがゲスト参加したかのような印象が若干ありました。勿論、あれを『HANOI ROCKSの新作!』と言い切ることもできたし、実際ライヴを観た後なら間違いなくあれは『HANOI ROCKSの新作』と言い切れたわけです。が‥‥今となってはやはり歯痒さが残る作品だったと言わざるを得ません。

 そこで今回の新曲3曲。基本的には前作の延長線上にある作風と言えるでしょう。タイトルトラックの "Back In Yer Face" はHANOIというよりはマイケルのソロ曲に近い印象を受けます。が、所々にソロ曲にはなかった要素が見受けられます。きらびやかなポップさとでもいいましょうか‥‥恐らくこのセンスがアンディによるものなのかもしれませんね。また風変わりなアレンジ&コーラスも取り込まれていて、一筋縄ではいかない感じが過去のHANOIと共通するんじゃないでしょうか。

 "Better High" も如何にもアンディ・マッコイなコーラスからスタートするメロウなロックンロールで、これぞ正にHANOI ROCKS!といった感じじゃないでしょうか。音の質感は現代的なんですが、メロディやちょっとしたアレンジのアイディアには過去のHANOIのそれが見受けられ、前作以上に『HANOI ROCKSらしさ』が色濃く表れているんじゃないかな? これはアルバムも期待できそうですね。

 そして‥‥"Keep Our Fire Burning"。この曲のみちょっと別の括りで語った方がよさそうですね。この曲、1983年の楽曲で、マイケル&アンディが日本の本田恭章に提供した曲のセルフ・カバーなんですね。俺、この曲の存在は知らなかったんですが‥‥本田恭章なんて、今の10代〜20代前半の子達は知ってるのかね? 30代以上の皆さんは確実に知ってるかと思いますので説明は要らないと思いますが‥‥この曲のみ、ホントに懐かしい香りを放ってるんですよ。これぞHANOI ROCKS!みたいな。サウンドプロダクションこそ2005年ですが、これをもっとラフな音で演奏したら、間違いなく初期HANOIなんですよね。そんな曲。うわーこれアルバムに入れないんだ、勿体ない‥‥まぁこれだけ浮きそうな気もしますけどね。とにかく良い曲。これ1曲の為だけにこのシングル買うべきですよ。

 この3曲を聴いちゃうと、ホント楽しみで仕方ないんだよな、今度のアルバム‥‥前評判もかなり良いみたいだし、まぁここ最近のマイケルのソロもかなり良い出来だったし、アンディも本気度がかなり高まってるようだし、上手く化学反応してくれてると嬉しいよ。しかももう一人のギタリストとして加入したのがコニー・ブルーム(THE WiLDHEARTSのジンジャーのソロバンド、SiLVER GiNGER 5のギタリスト)なんでしょ。彼がどの程度アルバム作りに貢献してるのかは判らないけど、この辺も期待できそうだしね。

 いやー、シングル収録のたった3曲だけでここまで書けるんだからなぁ。アルバムになったらどれだけ長い絶賛文になるんでしょうねぇ‥‥ちょっと怖いよ。



▼HANOI ROCKS「BACK IN YER FACE」(amazon

投稿: 2005 03 22 12:00 午前 [2005年の作品, Hanoi Rocks] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/03/21

ROOSTER『ROOSTER』(2005)

 イギリスの音楽誌がこぞって「2005年、最も大ブレイクするだろうバンドのひとつ」として名前を挙げることが多いROOSTERというバンド。昨年末からその名前は耳にしてたんだけど、音は全然聴いたことなくてね。そうこうしてる間にリリースされたシングル2枚は共に全英チャートのトップ10入り、今年1月末にリリースされたファーストアルバムも全英アルバム・チャートのトップ3入りですよ。更に今年2月頭に行われた「SONIC MANIA」会場内に設置されていたBMG(レコード会社ね)ブースでも、彼等のステッカーが配られてたり、サンプラーCDにも日本盤リリース前の彼等の曲が収録されていたりで、如何に彼等をここ日本でも大ブレイクさせようとしてるかが伺えました。

 で、そのサンプラーCDを帰宅して聴いてみて‥‥ゴメン、一発で気に入りましてね。多分これまでの(多くのみんなが想像するであろう)「UKギターロック」とは一線を画する路線なのね‥‥正統派のポップ・ロックというかハードロックというか‥‥まず最初に思い浮かべたのがDEF LEPPARDだったという、ね。更に最近の音だと‥‥イギリスのバンドではないけど‥‥MAROON 5辺りとの共通点も見受けられるかな、と。あそこまで爽やかでもなく、ちょっとイギリス特有の明るくなり切れない湿り気もしっかり備えていて、何と言うか非常に懐かしい音‥‥'80年代にはこういうバンド、沢山いたのにね、みたいな音といいましょうか。ああ、イギリスでもこういう音が今、再び求められてるのかぁ‥‥と、ちょっと興味深く感じたりして。

 そのソニマニの翌週かな、都内のHMVでこの1stアルバム「ROOSTER」を見かけて。試聴して‥‥やっぱり予想通りの音で。勿論即買いですよ。日本盤はまだ出る気配がなかったので、まぁ待ち切れずに買ったわけですよ。

 帰宅してクレジットを見ると‥‥やはりというか、プロデューサー陣の中に「Pete Woodroffe」の名前を見つけまして。彼は'90年代のDEF LEPPARDのアルバムで、メンバーと一緒に共同プロデューサーとしてクレジットされることの多いエンジニアでして。確か、名プロデューサーであるジョン・マット・ランジの門下生じゃなかったかな?(違うかもしれないけど) 彼は曲によっては楽曲クレジットにも名前が載ってることから、かなりDEF LEPPARD辺りとの共通点も見受けられたりするんですが‥‥勿論良い意味でね。

 勿論、そういった『ビッグ・プロデュースされた産業ハードロック』的な曲ばかりでなく、他にもBAD COMPANY辺りを彷彿させるブルージーなルーツロック的な曲もあるし、聴かせるバラードもしっかり持ってる。そういえば先日実現した初来日公演(アルバムリリース前に!)でもCREAMの "Sunshine Of Your Love" をカバーしたそうだし、またその直後に実現したアヴリル・ラヴィーンの武道館公演オープニングアクト。その際にアヴリルをドラムに迎えてBLURの "Song 2" のカバーまで披露したそうで‥‥微笑ましいなぁ。

 彼等自身はやはりハードロック・キッズらしく、LED ZEPPELINやCREAM、FREEといったルーツ的なものから、GUNS N'ROSESやAEROSMITHのようなアメリカン・ハードまで愛聴し、最近一番のお気に入りはVELVET REVOLVERだというんだから、何となく納得できるよね、うん。メンバーはまだ19〜24才というんだから‥‥普通はOASISとかBLURを聴いて育ったんじゃねぇの?って思うんだけど、少数ながらもいるんだな、こういう子達が。ただ単に世に出る機会がないだけでさ。

 先日のショーケース初来日公演も大盛況だったようだし、アヴリルの前座で多くの人の目に触れる機会も得た。この8月には「SUMMER SONIC」での再来日も決定してるし‥‥4月末リリース予定の日本盤の成功はもう約束されたようなもんじゃないの? いや、大ブレイクして欲しいよね、こういうサウンドのバンドには。幸い4人共非常にルックスも良く、アイドルとしての人気も得ることが出来るだろうからさ。でも音は無骨で演奏もしっかりしてる実力派。スタジアムやアリーナ向きのバンドなんだから、是非サマソニでは野外で、そしてBON JOVI辺りが来日した際には再びオープニングアクトとかで来日すればいいと思うし、この夏海外で行われるDEF LEPPARD/ブライアン・アダムスの合同ツアーにも同行したらいいと思うよ。ピッタリな音だし、逆にそういったバンドを懐かしく思うような30代の人達にも受け入れられる音だと思うし。更にROOSTER目当てで来た若い子達にBON JOVIやLEPS、ブライアン・アダムスの音をアピールする丁度良い機会でもあるわけだしね。

 兎に角。ブレイクは間違いないでしょう。既に今売りの「rockin'on」にも取り上げられてるようだし(雑誌付録のサンプラーCDにも大ヒット曲 "Come Get Some" が収録されてるようですね)。「BURRN!」辺りの層にもアピールすると思うんですけどね。音は純粋にカッコいいし、何よりもメロディアスだしね。そして‥‥やはりルックスだな。いや、別にそこに拘りはしないけどさ‥‥でも、やっぱりルックスいい方がいいって、ロックバンドは。何時の時代だってそうだったじゃない‥‥もう薄汚い奴らにはウンザリなんだよ!(ま、半分冗談ですけど、半分は本気ですね。カッコ良くてナンボの世界ですから、ロックは)

 ホント、今年はもっとこういうバンドが世に出てきて大ヒットを飛ばして欲しいと思うよ。



▼ROOSTER「ROOSTER」(amazon:UK盤日本盤(4/20リリース)

投稿: 2005 03 21 12:00 午前 [2005年の作品, Rooster] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/03/05

JUDAS PRIEST『ANGEL OF RETRIBUTION』(2005)

テレビ東京:新番組「ヘビメタさん」 司会に熊田曜子ら(MSN-Mainichi INTERRACTIVE)

 ヘヴィメタルを愛する者にとって、「ヘビメタ」という呼称は単なる軽蔑語というか、ホントにマイナスのイメージしかないんですよね。それは恐らく‥‥1980年代半ばに放送された某番組に出演した、日本のインディーメタルバンド達(その中には当時まだマイナーだった「X」の姿も)が笑いのネタとされ、例えば「早朝ヘビメタ(寝てる芸能人の前でいきなり演奏して起こす)」「ヘビメタ運動会(文字通り、ステージ衣装のまま普通に運動会)」「ヘビメタ歌合戦(横森正三氏のアコーディオンをバックにメタルシンガーが熱唱)」なんていうコーナーで色モノとして使われ、その奇抜なファッションや、自らをジミーだのポールだのと呼ぶバカっぽさが更に拍車を掛け、世間の笑い者になってたんだよね‥‥(と、遠い目)

 当時高校生だった俺は普通にメタルキッズでしたよ。いや、メタルだけしか聴いてなかったってことはなかったけど、やはり一番好きなジャンルはハードロックやヘヴィメタルだったし。だから、出演するバンド達のやりたい事とかやってる事も理解できたのね。と同時に、それをブラウン管を通して観る事で、如何にそれらが滑稽かってことも理解してて。普通に笑ってたもんな、テレビ観て。勿論魅せ方も上手かったわけだけどさ。

 そんなヘビメタが、深夜とはいえ再び地上波の深夜に帰ってきますよ‥‥15年振りくらいに。まぁテレ東は昔からこういうの、結構やってきてたし、当たるとホントに(カルト的に)面白いの連発してたから、個人的には期待してます。「エアギター勝ち抜きバトル」、楽しそうだなー。

 さてさて。そんな「ヘビメタ」ですが、最新のオリコン・アルバム週間チャートで珍事が発生してます。先頃リリースされたJUDAS PRIESTの約4年振り(オリジナルシンガーであるロブ・ハルフォード参加作としては、'90年の「PAINKILLER」以来、約14年半振り)の新作「ANGEL OF RETRIBUTION」が、チャートのトップ10入りを果たしてしまったのです。勿論、過去にも海外のメタルバンド/ハードロックバンドが日本のオリコンチャートでトップ10入り、あるいは1位を獲得してしまったこともありました。イングヴェイ・マルムスティーンの「FIRE AND ICE」だったり、BON JOVIの「THESE DAYS」だったり、MR.BIGの「HEY MAN」だったり。しかし、それも全て10年以上も前のお話。21世紀において「ヘビメタ」は単なる時代遅れの『終った』ジャンルだったわけですよ、コア層以外にとって。

 しかし、PRIESTにロブが復帰したことでメディアやファンが大騒ぎし、昨年行われた復活ライヴツアーで見せつけた貫禄振りを伝え聞いたファンが大騒ぎし、今度の新作は出る前から大騒ぎだったわけですよ‥‥曰く、『「PAINKILLER」に続くべきオリジナルアルバムの完成』等々と。

 んで、実際に完成したアルバムを聴いて‥‥非常に懐かしい香りがプンプンして、聴いてるこっちの顔がニヤケてしまう程に首尾一貫の鋼鉄魂を感じさせる作品集だな、と感じたわけです。ただこれ、決して「PAINKILLER」の後に続くような作品集ではないですよね。そこだけは力説しておきます。間違いなく「PAINKILLER」に続くアルバムは「JUGULATOR」であり、「DEMOLITION」なわけですよ。じゃあ今度のアルバムは「DEMOLITION」に続く作品かというと、イエスでもありノーでもあるかな、と。

 イエスというのは一部の楽曲に関して、前作で再び復活したアコースティックを導入した叙情性豊かなスロウソングが今回も取り入れられている点かな。"Angel" や "Eulogy" といった辺りは、そう言えなくもないでしょう。'80年代の作品辺りからこういったスロウソングを聴く機会がめっきり減っていたので、個人的には非常に嬉しいですね(しかもそれをロブの声で聴けるんだから)。

 そしてノーというのは‥‥この作品が単なる「前作の延長線上作品」なのではなく、これまでのJUDAS PRIEST史を総括するような作風だということでしょうか。つまり、単なる「PAINKILLER」以降の続編なのではなく、それらの要素も取り入れつつ、非常にオールドスタイルのPRIESTを現代の手法で再現しようとした、そういう意気込みを感じるわけですよ。もうアルバム1曲目の "Judas Rising" のイントロを聴いた瞬間に俺、てっきり「SIN AFTER SIN」か「STAIND CLASS」でも聴いてるんじゃないか!?って錯覚に陥った程でして。続く "Deal With The Devil" や "Revolution"、"Worth Fighing For" にしたって「BRITISH STEEL」や「SCREAMING FOR VENGEANCE」、「DEFENDERS OF THE FAITH」 といった往年の名作に入ってそうなタイプの曲調であり、アレンジなんですよね。かと思えば現代的な "Demonizer" や "Hellrider" みたいな曲もあり、ちょっと往年のBLACK SABBATHとLED ZEPPELINをPRIEST風様式美に仕上げた13分以上もある超大作 "Lochness" もある‥‥古くからPRIESTに慣れ親しんできた身からすれば、こんな作品は本当に久し振りなわけですよ‥‥リアルタイムで最初に聴いたアルバムが「DEFENDERS OF THE FAITH」だったんですね、俺。だから未だに一番好きなPRIESTのアルバムはこれで(そう、いくら「PAINKILLER」に当時衝撃を受けたからといっても、これを越えることはないですね、俺の中で)、20年経ってようやくあそこに再び戻ってきたような感じなんですよね、この「ANGEL OF RETRIBUTION」を聴いてると。

 多分「PAINKILLER」辺りから入った子、それ以降しかしらない子、あるいはリアルタイムで初めて「ロブのいるPRIEST」を体験する若い子達からすれば、これはつまらない、聴き所の少ない退屈な作品なのかもしれないけど、この作品こそが約40年近くに渡るブリティッシュ・ハードロック/ブリティッシュ・メタルの集大成のひとつなんですよ。奥義ですよもはや。それくらい言い切っちゃってもいいと思うよ。ここまで真正面からぶつかってこないでしょ、SABBATHもリッチー・ブラックモアも。かろうじてIRON MAIDENが頑張ってるくらいか。けど、まだPRIESTの域にまでは達してないよね。

 決して過去最高の傑作とは言い難いけどさ、俺はこれ大好きですよ。久し振りにヘヴィメタルのアルバムを聴いて「あーメタルってやっぱいいなー」って思えたもん。最近、こんな純粋なメタルの新譜を聴いてなかったから(何を聴いてもどこかモダンヘヴィネスだったりその辺の影響が垣間みれたし)、余計に新鮮なんだよね。これ、アメリカでも売れるといいねー。いや、売れるでしょう、世が世だしさ!



▼JUDAS PRIEST「ANGEL OF RETRIBUTION」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 03 05 12:00 午前 [2005年の作品, Judas Priest] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/02/24

後藤真希『3rd ステーション』(2005)

 後藤真希の1年1ヶ月振り、通算3作目のオリジナルアルバム「3rd ステーション」。ここまで毎年同じ時期に必ずアルバムをリリースし、気づけばシングルも12枚を数え、訳の判らない「ごまっとう」やら「後浦なつみ」等に引っ張り込まれ‥‥良くも悪くも、その活動は活発です。が、そのクオリティーに関して言えば(特にアルバムは)満足できるような代物ではありませんでした。

 最近になって前作「2 ペイント イット ゴールド」をまたよく聴くようになり、その良さがだいぶ見えてきたように思いますが、そんなんじゃダメなんですよね。即効性のある、とにかくファン以外をも巻き込むような話題作を作ってくれないと‥‥だって『後藤真希』なんだからさ。最近、よく身の回りにいる普通の方々(非ヲタって意味ね)から「後藤真希の良さだけは判らない」みたいなことを言われる機会が多いんですが、そんな層の心まで動かすような作品をね、本気になって作ってもらわないと、もうホントの意味で「ゴマキは終った」とか言われかねないわけですよ。

 そんな時期にリリースされるこのアルバム。前評判だけは非常に高く、またいろんなところで目にするつんく♂の解説からもかなり熱が入っていることが伺えたので、俺も久し振りに過剰な期待をしてみたわけですが‥‥

 これが、ホントに良かった! アルバム通して聴いて、こんなに満足したハロプロのアルバム、久しくなかったもの。いつも「あと一歩なぁ‥‥」って思ってたのに。いつも「あの曲がなければなぁ‥‥」って嘆いてたのに。これは頭からお尻まで、ホントに良いんですよ!

 というわけで、久し振りに全曲解説なるものをやってみたいと思います。それくらいやらないと、興奮が収まらないのよっ!



■M-1. エキゾなDISCO
 平田祥一郎アレンジによる、アッパー且つ少々アジアテイストを感じさせるダンスチューン。この曲の肝はやはり、終始ウィスパーボイスで歌われる後藤の声でしょう。非常に「エロ」を感じさせる1曲。可愛らしさとエロさの間を行き来する、絶妙なオープニングナンバー。ハロプロといえばアルバム1曲目は(主に最新)シングル曲、というセオリーがあった中でのこの冒険。掴みはオッケーでしょう。

■M-2. さよなら「友達にはなりたくないの」
 '04年11月リリースの12thシングル曲。作詞つんく、作曲たいせー、編曲が鈴木Daichi秀行という布陣。たいせー作曲ってことで最初それを知った時は文字通り「orz」だったわけですが、いざ聴いてみるとこれが悪くない。むしろつんく♂曲にか感じられない魅力すら見え隠れする。これはアレンジャーによるものが大きいのかな、と。Daichiアレンジというとどうしても聴き手側がネガに感じてしまう要素だったりするんですが、ここでは逆に「たいせー作曲」というネガ要素をDaichiが打ち消してるように思います。非常に後藤っぽい1曲かな。ただ、大絶賛する程ではないですが。Aメロ〜Bメロ前半の流れが非常に良いだけに、サビ前〜大サビのメロの弱さが足を引っ張ってる気が。勿体ない。

■M-3. 横浜蜃気楼
 '04年7月リリースの11thシングル曲。作詞つんく、作曲はたけ、アレンジ西田昌史(EARTHSHAKERのマーシー)という布陣のハードロックチューン。詳しくはこの辺を読むといいと思うよ

■M-4. シンガポール トランジット
 高橋諭一アレンジによる、ちょっとサイケな展開をみせるストレンジ・ポップ調な1曲。サビのコード進行とか面白いなぁ、如何にも「高橋諭一」印なアレンジに、思わずニンマリ。いや、メロも悪くないし、後藤の歌唱も「らしく」て、非常に好印象。ここまでの流れ、とてもいいんじゃないの? 全然外してないし。

■M-5. 来来!「幸福」
 田中直アレンジによる、パラパラが似合いそうなアッパーなダンスチューン。思わずBerryz工房辺りが歌った方が合ってるんじゃないの?と思うような曲調。けど、こういう頭悪そうな歌詞の曲もそつなく歌えてしまうのが、またこの子の魅力でもあるんだけどね(そう、良くも悪くもね)。でも‥‥いいんだよなぁ、これが。

■M-6. 渡良瀬橋(後藤Version)
 ご存知、森高千里のカバー。昨秋に松浦亜弥がシングル切ってるけど、それとは別アレンジ。この正月のハロプロ公演でも後藤はこの曲を歌ったそうだけど、正直なんでアルバムにまで‥‥って気持ちがあったのね。けどこのアルバムの流れで、そしてこのテイクを聴けばみんな納得するんじゃないかな。それくらい出来が良いのよ。松浦のように作り込んだドラマチックさが皆無で、非常に素朴でほのぼのとしたものなんだけど、それが彼女の歌声に合ってるのね。そして‥‥ここまでの6曲、それぞれの曲に合わせた歌い方/声、と使い分けてるんだわ、この子。恐るべし。
 それにしても‥‥最初クレジット見ないでアルバム聴いたんだけど、このアレンジがすぐに高橋諭一のものだって判りましたね。

■M-7. ポジティブ元気!
 ロックファンには問題の1曲だったんじゃないの? 鈴木Daichiと共にアレンジャーとして名を連ねているのが、あのニューロティカなんだから。ってことは演奏がロティカ?って普通思っちゃうもんねぇ。で曲名が "ボジティブ元気!" なんだからさ。ねぇ?
 で結論から言えば、演奏には参加してません。ただ、アレンジには名前が残っていることから、恐らく制作段階の途中でトラックの差し替えがあったか(ちなみにこの曲は、ストレートな疾走ビートパンク調で、ギター以外は打ち込み)あるいはロティカの曲のフレーズやアレンジを「引用」したから名前を載せてるのか。その真相は本人達に聞かないとわかりませんけど。残念。
 でも非常に「後藤のロックサイド」を上手く引き出した、よい曲だと思いますよ。打ち込みとはいえ、バックトラックも熱いし。彼女のライヴを観た事ある人なら、きっとこの曲がどんな風にステージで歌われるのか‥‥それを想像しただけで思わず興奮しちゃうんじゃないでしょうか。

■M-8. サヨナラのLOVE SONG
 '04年3月リリースの10thシングル。アレンジは古くから歌謡曲/アイドル方面を手掛け、現在もジャニーズ系等に携わる馬飼野康二。同時期に行われたミュージカル用の曲というのもあったけど、後藤にとってシングル初のスローチューンなんだよね。そういえばその前の紅白で "オリビアを聴きながら" を歌ったんだよね‥‥何となくその流れで聴くと納得できる1曲なんだよね。まぁベタ褒めする曲ではないけど、アルバムのこういう流れで聴くとシングル単発で聴いた時よりは印象が良いかな、と。小休止には丁度よい1曲。

■M-9. 恋愛戦隊シツレンジャー(後藤Version)
 昨年秋に「後浦なつみ」として安倍なつみ・松浦・後藤の3人でリリースしたシングル曲のソロバージョン。バックトラックは完全にアルバム用に作り替えられてて、これが‥‥良いんですよ、シングルのテイクより。シングルはそうる透&人時(元「黒夢」)というリズム隊を迎えた生バンドテイクだったんですが、非常に軽い音とチープなアレンジで軽い目眩がしたんですが(あれこそ宝の持ち腐れだな)、ここではシングルと同じアレンジャーである鈴木Daichiが全面打ち込み&ギターで遊びまくり。えーっと、布袋です。ギタリズムです。COMPLEXです。まんま。松浦の "奇跡の香りダンス" と同じ流れにある1曲。あそこまでの完成度はないけど、こっちはこっちで俺は好きよ。こうやって聴くと、この曲そんなに悪くなかったんだなぁ‥‥って気がしてきた。メロはポップで判りやすいし。要するにアレンジをもっとしっかりやれば‥‥いや、やっぱりコンセプトが一番の問題だったんだけどね!

■M-10. ステーション
 平田祥一郎アレンジによる、ちょっとBoA辺りを彷彿させるR&B調歌謡。でも今まで後藤がやってきたような似非R&B路線というよりも、もっとポップス寄りで全然「黒さ」は感じさせない曲調で、非常に聴きやすいです。そういえばこのアルバム、前作「2 ペイント イット ゴールド」を覆っていたような「R&B色」が非常に弱く、もっと1st「マッキングGOLD (1)」にあったようなポップ色を復活させ、尚かつライヴにみられるロック色を具体的に表現した作風だよなぁ、と。だから終始聴きやすいのかな、俺にとって。
 それと‥‥気づいてる人も多いかと思いますが、このアルバムの曲の配置が絶妙なんですよ。アッパーな曲の後にミディアム/スロウ曲、その後に再びロック系/アッパー系を持ってきて、またポップなミディアムチューン‥‥交互に出てくるんですよ。人によってはアルバムに対して「2〜3曲上げ上げの曲が続いて、その後にメロウな曲、そしてバラード」みたいな信条があったりするかもしれません(俺も最初はそう思ってた)。けど、この配置/流れが、このアルバムをよりカラフルなものに感じさせていて、それこそアルバムコンセプトであるところの「旅行」を体現してるんじゃないでしょうか。

■M-11. 19歳のひとり言
 高橋諭一によるアレンジ。最後を締めくくるのは、今年の9月で二十歳を迎える後藤に向けてつんく♂が送る、切ないバラードナンバー。これを聴いちゃうと、今回の後藤は本当に大事にされてるなぁ‥‥と感じるわけですよ。ここまでベタなバラードも初めてでしょうけど(前作の "涙の星" はピアノメインの音数が少ない曲ってことで、また別ですからね)、もしかしたら後藤はこういう曲をずっと待ってたんじゃないか‥‥って程にのびのびと歌ってるんですね。そしてつんく♂からすれば、こういう曲をすんなりと歌いこなせるようになるまで、彼女に対してベタなバラードをおあずけしてたんじゃないか、って思える程‥‥相思相愛の1曲に思えるんですよねぇ。いやぁ、いい締くくりじゃないですか。


■総評
 既にこちらのエントリで相当期待してることを書いてたわけですが、その期待を大きく上回る、非常に作り手の愛を感じる作品集に仕上がってました。それは楽曲面だけでなく、アートワーク等を含めたパッケージ面に至るまで全てにおいてです。結局これまで、ライトなファン(notヲタ)や後藤が気になる程度の一般層にとって、如何に気軽に店頭で手に取れるか、それを他人に勧められるか‥‥そういう点ではかなり厳しかったじゃないですか。後藤の顔ドアップ(1st)とか、オモチャみたいなギター持ったマンガチック(2nd)みたいなのとか。如何にもアイドルのアルバムです!と太鼓判を押したような、そんなパッケージング。良くも悪くも、首尾一貫してたじゃないですか。

 そういう意味で今度のは、今までで一番その辺をクリア出来てるんじゃないかと。「旅行」というテーマが軸にあって、曲順をそういう風に配置して、ジャケットのアートワークに至るまで「旅」をイメージさせる構成になっている。非常に「ポップ」な作りですよね。初回盤のジャケは遠目に見たら絶対にハロプロのそれだって気づかないだろうし。ここ最近のアートワークで一番好きだなぁ(ま、そうは言っても脳が半分麻痺してる人間の言うことなんで、アレですが。笑)。

 それとさ‥‥このアルバムを聴いて改めて感じたのは、後藤真希っていうのは顔の表情はアレだけど(以前よりはだいぶ豊かになったと思うけど)、声の表情ってのはホントにコロコロ変わる、多面性を持った歌い手だよなぁ、と。例えば‥‥松浦亜弥を一言で表すとすると『唱』、安倍なつみは『演』なんだけど、後藤はズバリ『声』そのものなんだよね。恐らくつんく♂自身もその辺を意識してアルバム曲を作ったんじゃないかと思うんだけど(じゃなきゃいきなりド頭に "エキゾなDISCO" みたいな冒険曲を持ってこないでしょ普通)。そしてこのアルバムは後藤のいろんな『声』色を楽しめるという意味で、一番彼女の『素』に近い作品なんじゃないかなぁ‥‥と思うんですが、如何でしょうか?

 ホントべた褒めだなぁ俺。けどなぁ‥‥多分売れないんだろうなぁ。勿体ないよ。今度のは、沢山の人に聴いてもらいたいなぁ‥‥そう思うわけですよ。だからこそ久し振りに(いや「TMQ-WEB」になってからは初めてか)こんな全曲解説をやってるわけですから。これ読んで少しでも興味を持った人、そして後藤のアルバムに興味はあるけどまだ迷ってる人、是非買ってあげてくださいよ。お願いします(ってファンでもない俺が何故にそこまで!?)。



▼後藤真希『3rd ステーション』(amazon

投稿: 2005 02 24 12:00 午前 [2005年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/02/21

大塚基之、再び‥‥??

MORRIE、ニューアルバム「エクトプラズム」4/20リリース(@TOWER.JP)

 何の確証もないですけど‥‥これは間違いなく、あの、我々がよく知る『MORRIE』ですよね!? ちょ、ちょっと‥‥何年振り? 最後が「影の饗宴」で、あれが1995年1月だから‥‥へっ、10年振り!!

 レコード会社もBMGみたいですし(品番から判断)、恐らく間違いないとは思います。最近は清春のアルバムに参加したりして、少しずつですが活動が外向きになってきてたし。そこにきて、DEAD ENDのベスト盤があったから‥‥そうか、そういう前振りだったのか‥‥

 一体この10年間、何をやっていたのか、そしてその成果はこのアルバムに表れているのか、それとも気持ちも新たに最近作ったものなのか‥‥今はこのリリース情報しかないですから、何とも言えませんが‥‥多いに期待してみようじゃありませんか、コノヤローッ!!!

 そういやぁMORRIEのソロアルバムって全部廃盤もしくは生産中止なんですよね。非常に残念ですが‥‥これを機に是非低価格で再発してもらいたいものです。まぁそれまでは、この最新ベストを聴いて(そして18年前の映像を観て)2ヶ月待とうじゃないですか‥‥

‥‥けどよくよく考えたら、これってソロ・ベスト盤の可能性もあるんだよね‥‥

 ちなみに、「FOOL'S MATE」次号にて、何やら重大発表があるようですよ(情報解禁第1弾は2/24とのこと)。表紙のこの人がMORRIEではないか?という噂が出回ってますが‥‥俺はてっきりhyde氏かと思った(苦笑)。



▼DEAD END「∞(INFINITY)」(amazon

※2月22日 17時40分 追記
 タワレコの商品紹介文が追加されてます。嗚呼、やはりベスト盤でしたか‥‥残念だけど、まぁこれから聴こうっていうファンにとってはてっとり早い1枚なんじゃないですかね。シングルにしか入ってない曲とかも入れてレア度を上げて欲しいな。
 あと、「FOOL'S MATE」次号にDEAD END特集が載るという話があるそうです。その一環でMORRIEのロングインタビューがあるのでは、そしてその場で次のアクションが発表される可能性がある、との憶測が強まってます。あと2日、心して待ちましょう。

※2月24日 0時40分 追記
 結局「FOOL'S MATE」表紙はPIERROTのボーカル、キリトでした。彼のロングインタビューでソロ活動について語られる、といった内容だそうで‥‥そりゃそうだわな、今のMORRIEに表紙を飾るだけの注目度があるとは思えないしな。新作→ベスト盤といい、空回りし過ぎだなこりゃ。
 ちなみにDEAD END特集はホントに載るようです。こっちに関しては楽しみにしたいと思います。

投稿: 2005 02 21 08:20 午後 [2005年の作品, DEAD END, Morrie] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2005/02/14

「アンチノブナガ」ってどんなバンド?

 以前こちらのエントリで紹介したHIGH and MIGHTY COLORについて、「その後どうなったの?」とか「聴いた感想聞かせてください!」という反響が意外に多くて、正直俺としてもビックリしてます。意外とメタルファン、というか元メタラー辺りからの反応が良くてさ。現役のメタラーの皆さんがどう思ってるのかは知りませんが、確かに現在日本のヒットチャートにこういったハードロックやヘヴィメタル的なサウンドを持つバンドが上位入りすることは殆どないので、そりゃ期待したくなる気も判ります。

 でですね。あのエントリを書いた日、早速シングル「PRIDE」を買って帰ったんですよ。と同時に、Amazonの方でハイカラ以前の「アンチノブナガ」時代の音源が収録されているというオムニバス盤の存在も知り、そちらも注文しましてね‥‥今日は「ハイカラ完結編」ってわけじゃないですが、両方を聴いた感想を書いていこうかと思います。

 まずハイカラ「PRIDE」。タイトルチューンに関しては前にも軽く感想書きましたが、適度にポップでギターも思ったよりもヘヴィじゃないんですよね。ソロも簡単なプレイっていう印象が強く、ヘヴィメタル的なプレイ面での派手さは皆無かな、と。その反面、シンセや同期するシーケンス音が派手で、如何にもJ-POPといった装飾が施されてます。個人的にはストリングス系のシンセ(あるいは生ストリングス)が入った、メロウな曲が好きなので、この曲の後半、ギターソロ明けのパートの壮大さが非常に気に入ってます。ちょっとシンフォニック・メタルっぽいかな?なんて思ってね。

 この曲さ、男性ボーカルで歌い上げたら立派なHM/HRだよね? タイプは違うけど‥‥正直エリック・マーティン辺りが歌っても全然通用するよな、と。ポップソングとしても、そしてロック(HM/HR)としても十分通用する作りになってるなと感じました。

 カップリング曲の内、"光るカケラ" もヘヴィメタリックな要素が強い1曲なんだけど、歌だけ聴いてるとEVERY LITTLE THING辺りと同じものを感じますね。ホント、歌メロだけ聴くと普通のJ-POPなんですよね。バックトラックのヘヴィさはそれなりなのに。そういう意味ではHM/HRというよりは‥‥やはりLINKIN PARK以降かな、と。

 そして最後の "all alone" なんですが‥‥個人的にはこれが一番好き。イントロだけ聴くと思わずLINKINやEVANESCENCEか!?と思ってしまうザクザクしたギターが小気味いいバラード調ヘヴィロック。が、曲が進むにつれてメタル色がどんどん強く感じられて、特に中盤の男性ボーカルのラップパートがデス声での絶叫に変わる辺りで、思わず小さくガッツポーズ取っちゃいましたからね。その一瞬にARCH ENEMY辺りからの影響を感じちゃいましたよ(ホントは違うかもしれないけど)。うん、この曲は素直にカッコいいです。

 確かに普段メタルものばかり聴いてる耳にはヤワかもしれませんが、こういう音が(タイアップの影響とはいえ)チャートの上位に数週居座るという状況がね、もう面白くて。ORANGE RANGEの弟分的に捉えられがちですが、出所は全然違うわけですから、一緒くたに語って欲しくないなと思いますよ。こりゃ確かにアルバム楽しみだわ。



▼HIGH and MIGHTY COLOR「PRIDE」(amazon


 んで、それから数日後に、今度はアンチノブナガの音源が届きまして。ORANGE RANGEがインディーズ時代に在籍した沖縄のレーベル「Spice Records」から2003年6月にリリースされたオムニバス盤なんですが、ここに6組のバンドが各2曲ずつ楽曲提供してるんです。アンチノブナガも "Hate you!" と "meaning" という2曲を提供していて、どんなヘヴィメタルを聴かせてくれるのか‥‥と期待いっぱいでCDを聴いたわけですよ‥‥

 ‥‥えーっと‥‥

 これ‥‥ただのヘヴィロックじゃん。ただのモダンヘヴィネスじゃん。


 orz


 確かに要所要所からはヘヴィメタル的な要素を感じるんですが、基本的にはメタルというよりもラウド系。ボーカルも歌い上げるというよりも、ラップメタル的なもの。一応歌詞は全部英語みたいなので、サマにはなってるけどね‥‥時にデス声が入ったり、普通にメロディを歌い上げたり、ラップっぽくなったり‥‥まぁヒップホップに影響受けてバンド始めました、というよりは、LINKINはその類のバンドから影響を受けました的な音かな。

 そういう意味では、メジャーに行って更に「ホントにやりたい事」に近づいてるのかな‥‥歌がちゃんと唄える女性ボーカル入れて、男性ボーカルの方はそれまでと同じ方法で何ら変わらず。この辺のインタビュー読むと、あーやっぱり「周りにも同じようなバンドが沢山いる」と感じてたんだな、と。それが本心なのか「言わされてる」のかは別として‥‥

 とにかく。この音楽性の変更は歓迎すべきものだと思います、ええ。

 頑張れ、HIGH and MIGHTY COLOR。



▼「沖縄2003 〜沖縄の六傑(ロケッツ)〜」(amazon

投稿: 2005 02 14 01:49 午前 [2005年の作品, HIGH and MIGHTY COLOR] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/01/28

ZIGGY『JUST A ROCKIN'NITE』(2005)

 ZIGGYのニューアルバム「JUST A ROCKIN'NITE」がようやくリリースされました。当初、元旦リリース予定だったものが、「製作に熱が入りすぎて」約1ヶ月の遅れが生じてしまったようです(実際、昨年のクリスマス辺りにミックス終わったようですしね)。2004年はZIGGYとしての新作のリリースはなかったものの、結成20周年記念イヤーってことで結構話題になることが多かったように思います。エゾロック出演、初の海外(韓国)公演、20周年記念4枚組ボックス、森重・松尾それぞれのソロアルバム、松尾&JOEによる新バンド結成、更には森重と旧メンバー・戸城による新バンド・The DUST'N'BONEZの結成・アルバムリリース、等々‥‥これだけ書いていると、なんだかZIGGY自体は停滞してるような錯覚に陥りますよね。だってソロ活動とか別バンドとか。特に森重に至っては戸城と新しいバンドを組んで、ZIGGY以上に「ZIGGYらしい」アルバムを作っちゃったんですから‥‥

 そう、決して2004年のZIGGYは順風満帆だったとは言い切れません。だって、昨年11月の20周年記念ライヴにおける、森重の「この夏、本気で(ZIGGYを)解散することを考えた」という発言。これが全てじゃないでしょうか。20年という区切りをつける上で、そして「その先」を見据える上で、やはりそういう考えに至るのは仕方ないことなのかなぁ‥‥と思うわけですよ。ましてやソロや別のバンドでZIGGY以上に素晴らしい仕事振りを発揮し続けてるとなれば、尚更ね。

 通算14作目、SNAKE HIP SHAKES時代を含めれば通算17枚目のオリジナル・フルアルバムとなるこの作品集。昨年末に発表されたThe DUST'N'BONEZ「FLAME SKULL BASTARDS」がZIGGYのメインソングライターのひとりであった戸城憲夫が作曲の大半を手がけたことから、今のZIGGY以上に「我々がよく知っているZIGGY」らしかったという素晴らしいロックンロールアルバムだったわけで、その後に出るとなると‥‥いくら本家ZIGGYでも分が悪いよなぁ‥‥と思ってしまうわけですよ。しかも、この新作に先駆けて、昨年9月にリリースされたボックスに収録された2曲の新曲を聴く限りでは、明らかに今のZIGGYはレイドバックした方向へ進もうとしてるのが予感できたわけですから。そりゃ戸城も無言のうちに今のZIGGYを批判するわけですよ、「年寄りくさい」とかいって。

 特にここ最近、松尾がソロアルバムをリリースしたことで、彼自身がよりレイドバックした方向(いわゆるROLLING STONES路線)に目覚めてしまい(いや、前からその片鱗はあったけど、完全に開花しましたよね)、彼のプレイもだんだんと今の森重に合わないんじゃないか‥‥そう思わざるを得ない状況になってきてる、と思ってたんですよね。特に昨年末のライヴを観て‥‥

 そして完成した新作。ホントに「熱が入りすぎた」のか、あるいは単に難産だったのか、それは聴いてのお楽しみだわな‥‥キーボード・プレイヤーに三国義貴を全面的に迎え、しかも共同プロデューサーとしても迎えたことで、何となく音の感触はつかめていたんですが‥‥これがね、予想以上にドロドロしたアルバムに仕上がってるんですよ。

 最初ひと通り聴いた感想としては‥‥「地味」。あの派手なZIGGYがこれまでで一番地味な作品を作っちまいやがった。正直、非常にすっきりしませんでしたよ。ブックレットに目を通さず、曲名と流れる楽曲に耳を向けるだけで、どの曲が誰のペンによるものなのかとか、そういった余計な情報は一切入れず、ただ聴いたんだけど‥‥なんだか殆どの楽曲がまるで松尾作曲に思えたんだよね。それくらい、各曲の中でのギターが占める割合(というか印象)が強いのね。森重特有の高音域での歌唱やシャウトも少ないように感じたし、中音域、あるいは低音域で歌うバラードとか、なんかこれまでにあまりなかったような感触で。例えば森重特有の、劇的に盛り上げていくクサ過ぎるメロディの曲とか、そういうのがあまり感じられなくて。

 ところが。全10曲中、2曲だけが松尾作曲で、残りの8曲は森重作曲なわけですよ。しかも俺が「絶対に松尾の曲だよな」と思ってた1曲目、3曲目、7曲目、9曲目辺り、全部森重。してやられたり、って感じなのかな、彼等からすれば。凄く意外だったね。

 個々の楽曲は確かに素晴らしいんですよ。本気でSTONESを真似たんじゃないかって程にギターやドラムがあの空気感を再現してるし、一緒に鳴ってるキーボード類も凄く味わい深い。ボーカルもパワープレイを拒否したかのような、引きの美学を感じさせる。そういう意味では、The DUST'N'BONEZと同じことをやっても向こうには敵わないと感じたのか、その対局にあるようなスタイルを極めてるわけですよ。うん、確かにこれもZIGGYなんだよな。だけど‥‥

 恐らく、多くの人が期待した「ZIGGY像」ではないよね、これ。未だに多くのファンは「'80年代のZIGGY」を彼等に求めてるわけじゃないですか。勿論、そんなの無理なわけですよ、メンバーも違うわけだし、なにせあれから10数年の経験が蓄えられている。それに、あれをそのままなぞるのは彼等の美学に反するんじゃないか‥‥いや、もう出来ないのかな。それでもファンは、ZIGGYの新作が出る度に期待し、そしてガックリする。しかも出てきたアルバムが普通のロックアルバムとして考えた場合、非常に高水準な作品ばかりだから、余計に複雑な心境になる。今回の場合、The DUST'N'BONEZの後だったから、余計にそう感じちゃうわけですよね(勿論、あれも完全には「初期のZIGGY」というわけではないですけどね。でも俺らがよく知ってるZIGGYの断片ではあるわけですが)。

 そう‥‥これが中途半端な作品だったら、きっと諦めもついたんですよ。けどさ、本気度が高い、非常に濃いロックンロール・アルバムを作っちゃったもんだからさ、たちが悪い。貶せないんだもん。貶しどころ、なしだから。すっげーカッコイイじゃんか。地味渋だけど、ちゃんとロックしてロールしてる。そう、今のご時世、どこを探したってこんなにロールしまくるロックンロール、見つからないんだもん。

 畜生‥‥いいアルバムだなこれ。森重ソロの方が従来のZIGGYっぽかったけど(あれはギリギリまで去年のベスト10に入れるかどうか悩んだからな)、これも間違いなくZIGGYなんだよな‥‥まだまだ俺も甘ちゃんですよ。

 けど、これが転けたら‥‥完全に次はないだろうな。だって、無理して続ける「理由」はないんだから。後は「意地」と「拘り」だけですよね。勿論、続けて欲しいんだけどさ‥‥



▼ZIGGY『JUST A ROCKIN'NITE』(amazon

投稿: 2005 01 28 12:00 午前 [2005年の作品, ZIGGY] | 固定リンク

2004/12/15

モーニング娘。「THE マンパワー!!!」

 みなとさんも書かれていますが、既に一部音源が流出してるらしいモーニング娘。の新曲、「THE マンパワー!!!」。といってもCD音源やラジオ音源がネット上に出回っているわけではなくて、テレビ番組の中でちらっと流れたものらしいので、ほんの一部分だけなんですが‥‥

 これがね、タイトル通り、本当にもう‥‥久し振りの会心の一撃といいましょうか。もうね、俺的には完全にアレですよ、アレ。聴いた瞬間に鼻血出たもん、大袈裟じゃなしに。

 そりゃ、"涙が止まらない放課後" も俺的にはアリなんですが、瞬殺できるような殺傷力はなかったよね。どっちかっていうとあれは、聴く度に体内にどんどん毒が蓄積されて、気づいたら致死量に達していた、といったイメージなんだけど(どんなイメージだよ)、今度のは違う。上手く言葉にできないけど‥‥正しく、秒殺の世界観。食うか食われるか。生き残るのは俺かお前か。そんなイメージなのよ。

 ちゃんとした感想はまぁCDが出た時か、あるいはラジオでフル音源が流れた後にでも書きます。今はまだ、そこまでやるには早すぎるんで。でも‥‥凄いよ。久し振りにモーニング娘。の新曲でここまで興奮した。何時以来だ‥‥決してこれが俺的に "そうだ!We're ALIVE" を超えたとかそれに並んだとか言いたいわけじゃないよ。いや、超えてくれると有り難いんだけど‥‥今はまだ、それを口にする時期じゃないから。

 でもなぁ‥‥ここまで啖呵切って、いざCD聴いたら空回りしてました、って結果に終わったら‥‥それはそれで、まぁ「今の」モーニング娘。らしいかな、と。納得はしないけどな。

 アルバムが地味ながらも見事に「今この瞬間」を切り取ることに成功した好盤だっただけに、ここで一気に「壊れて」くれることに期待。いつもは「過剰な期待はしない」と明言する俺も、今回ばかりはちょっと‥‥背筋を伸ばして来年1月19日を待ちます。


▼モーニング娘。「THE マンパワー!!!」(amazon

投稿: 2004 12 15 05:17 午後 [2005年の作品] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック