bonobos『あ、うん』(2006)
昨年はシングル "THANK YOU FOR THE MUSIC" が多くの音楽ファンに受け入れられ、一気にブレイクへと近づいたbonobos。昨年11月のセルフプロデュースによるミニアルバム「GOLDEN DAYS」以来、約半年ぶりのアルバムとなる通算3作目のフルアルバム「あ、うん」は、先行シングル「Beautiful」同様、朝本浩文が共同プロデュースを担当してます。
実はこれまでのbonobosの作品って、「音源は音源、ライヴはライヴ」っていう、どこか壁を感じさせる印象があったんですね。良く言えば「作品として作り込まれているのが録音楽曲で、ライヴはそれを崩す作業」というイメージ。悪い言い方をすれば、レコーディング作品とライヴとの間に差(溝?)がある、と。それを良く取るか悪く取るかで、彼らに対する評価も違うんでしょうけど、俺はライヴ観るたびに「勿体ないなぁ‥‥」ってずっと感じてたんですね。というのも、どっちも優れものなだけに、それを上手くひとつに結びつける、あるいは近づけることってできないのかなぁ、って。
ミニアルバム「GOLDEN DAYS」辺りから少しずつだけど、よりライヴ感みたいなものが増してきた気もしてて、それって結局セルフプロデュースだからかな、だったら朝本浩文が作品を作り込みすぎるのかな?という疑問が沸々と湧いてきてたんだけど、実はこのニューアルバムはそこまで「差(溝)」を感じさせない作風なんですね。これは恐らく意識してのことだと思うんだけど、アレンジはかなりきっちり作り込まれてる印象がありつつも、しっかりライヴ感が増しているという。バンドとしてのグレードもアップしてるし、それをバックアップする朝本側の理解度も増してる。お互いの意思が良い方向に結びついた、すごい良作に仕上がったのが今回の作品なんですね。
先行シングルを聴いた時点で、もう今度のアルバムは期待十分だと思ってたけど、こうやって8曲を通して聴くと、俺の期待以上の出来だったんで驚いたのと同時に、すっごい嬉しかったなぁ。bonobos独特のグルーヴ感がさらに強調され、ポップ感はそのまま。楽曲のクオリティもより増してるし、蔡忠浩の表現力も向上してる。よく「ポスト・フィッシュマンズ」なんていう例えをされることの多い彼らだけど‥‥これはもう、お互いのバンドに失礼だなと思うようになったなぁ、これ聴いたら。bonobosはbonobosとしての個性をここではっきり確立したと思う。
前作「electlyric」も名盤と呼んでも差し支えない1枚だったけど、今度の「あ、うん」は間違いなくbonobos史上に残る名盤だと言い切れると思います。いやぁ、このアルバムの曲をライヴで聴くのがすっげー楽しみだ!

▼bonobos「あ、うん」(amazon:日本盤)
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