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2006/05/31

V.A.「ALL APOLOGIES」

 今年はカート・コバーンが亡くなってから12年。日本でいうところの「十三回忌」ってことになるのかな? 偶然のタイミングで映画「ラスト・デイズ」が日本公開になったのもあり、日本でも2枚のトリビュートアルバムがリリースされたわけだけど、これはそのうちの1枚。純粋なトリビュートアルバム、というか、単なるカバー曲集という言い方もできるんだけどね。

 この手のアルバムは、大まかに2タイプあるじゃないですか。ひとつは、原曲に忠実な作品集。そしてもうひとつが、原曲を大きく崩して、各アーティスト流に仕上げてしまった作品集。この「ALL APOLOGIES」というアルバムは、どちらかというと前者に限りなく近い作品。前半を聴いて、やはりカバーアルバムの域を出てないなぁとガッカリしたんだけど‥‥あの名曲 "Smells Like Teen Spirit" をメジャーコードでリアレンジし、印象的なリフすらぶちこわしてしまったB-DASHのカバーに、思わす吹き出しちゃって。このアレンジ、賛否あるかと思うんだけど、俺は逆に「やっちゃった」感が強い彼らを支持したいなぁ。好き嫌いは別にしてね。

 結局、MO'SOME TONEBENDERの百々和宏のコメント、「NIRVANAを演ってみて、これらの曲はカートが歌ってないと意味が無いんだと気付きました。」がすべてを物語ってるように思いませんか? ま、当たり前の話っていえば当たり前なんだけどね。

 その相手がMO'SOMEだろうが、Dr.StrangeLoveだろうが、吉井和哉だろうが、KING BROTHERSだろうが、答えは全部一緒なんだよね。いや、それぞれに愛情が感じられて、俺は好きなんだけどさ。でも、結局トリビュートアルバムって最後はそこに行き着いちゃうんだよね。無い物ねだりっつーかね。

 演奏がシンプルすぎればすぎる程、それを崩したり自分の色を付け加えるのが、実は難しいのかもしれないね。ましてやNIRVANAみたいに情念がこもった音楽なら尚更っつーかさ。あとはもう‥‥NIRVANAをリアルタイムで知らない世代が、ここに参加した若手バンドのカバーを聴いて、原曲に興味を持ってくれるのなら、これほど嬉しいことはないよね。

 改めて、12年ってあっという間なのか、それとも長い時間なのか、考えさせられました。



▼V.A.「ALL APOLOGIES」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 31 01:52 午前 [2006年の新譜レビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/29

HOOBASTANK「EVERY MAN FOR HIMSELF」

 HOOBASTANKの通算3作目のアルバム「EVERY MAN FOR HIMSELF」は、バカ売れした前作「THE REASON」から約2年半ぶりに発表される作品集という以上に、ベースのマーク脱退後初の作品という意味で注目される1枚なのかもしれません。全米第2位を記録したシングル "The Reason" で完全にブレイクした感の強い彼らですが、果たして新しいアルバムではどういった方向性を押し進めるのか、そしてメンバーチェンジはその音楽に影響するのか。このアルバムに対する注目点は大きく分けてこの2点かと思います。

 で、アルバムよりも先に先行シングル曲 "If I Were You" がラジオやMTV、ネット上で流れ始めて‥‥新作はこの大ヒット曲路線を押し進めたものになるのか、とちょっとガッカリしてたんですよね。勿論、デビューから5年近く経って未だにスクリーモもないだろう、とは思うんだけど。多くのファンはああいった路線を求めてるように感じてたんでね。当たり前といえば当たり前か、前作のヒットを受けて同じ路線を進むのは。

 ところがアルバムをいざ聴いてみると‥‥一概に「"The Reason" 路線」と言い切ってしまうにはちょっと違うように感じたんですね。いや、確かに全体を覆う大らかでゆったりしたイメージは、間違いなくあの大ヒットの影響なんでしょうけど。大ヒットしたことで、実験的なことをやってみたくなった、あるいは前からやってみたかった路線に進める環境になったのか。この新作には一筋縄ではいかない要素をいろいろ見つけることができます。

 確かにアッパーな曲も1〜2曲あるにはあるんだけど、残りの曲はメロウなミドル〜スローチューン。しかも若干サイケな色合いも見られる。ぶっちゃけて書くと、評価の分かれるアルバムだなぁと。曲間が殆どなく、全部つながってるような印象を受けるので、ある意味ではコンセプトアルバムっぽいイメージもあるし。特に前半7曲は完全にそういう印象が強い。中盤で以前の路線 "Without A Fight" でちょっとブレイクが入って、その後は再びミドル〜スロー路線へ。結局最後の "More Than A Memory" まで聴かせる路線で一貫してる。ある意味では潔いって思うんだけど、ちょっと聴き手を突き放し過ぎかも?という気も。このアルバムでさらに新しいファン層を掴む可能性も多いにあるだけに、ちょっと今後に注目したいかな、と。

 非常によく出来た、良いアルバムだと思うんだけど、これはホントの意味で理解するにはもっと聴き込まないといかんな。時間をかけて、ゆっくりじっくりと味わいたいアルバムですね。


 
▼HOOBASTANK「EVERY MAN FOR HIMSELF」(amazon:US盤US限定盤日本盤日本限定盤

投稿: 2006 05 29 12:45 午前 [2006年の新譜レビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/26

KILLING JOKE「HOSANNAS FROM THE BASEMENT OF HELL」

 21世紀に入ってからのKILLING JOKEが、なぜか良いカンジなんだよね。なぜだろう? インダストリアルな方向により歩み寄った'90年代の2作(「PANDEMONIUM」「DEMOCRACY」は決して悪くなかったけど、個人的にはそこまでグッとこなかったんだよね、当時は(でも最近聴いたら結構良かった)。で、実はそういうこともあって、2003年リリースの「KILLING JOKE」は出た当初、聴いてなかったんだよね(聴くのが怖かった)。デイヴ・グロウル(FOO FIGHTERS)が参加してるってだけで、まぁいいんだろうなーと思ってたし、なによりもオリジナルメンバーが揃ってたってだけで、個人的には結構グッとくるものがあったんだけど。んで、1年くらい経ってから聴いて。そしたらホント良くて。

 で、あれから3年(俺が聴いてから2年)。意外と早くに届いた新作「HOSANNAS FROM THE BASEMENT OF HELL」は再びインディー落ちしちゃったけど、そんなこと全く関係ないぜ!ってくらいに素晴らしい。残念ながらユースは脱退しちゃってるしドラムも新メンバーなんだけど、そんなの全然関係ないです。すごい良い。冒頭から攻めっぱなし。スラッシーな曲も多いし、妙にインダストリアルに偏ってもない。そりゃ最近のMINISTRYみたいな派手さはないけど、デビュー26年目のオッサンを通り越した年代のジジイが今、この音を鳴らしてるってだけで、個人的にはググっとくるものがあるんだよね。贔屓目かしら?

 ジャズ・コールマンの声はさらに凄みを増してるし、ギターのザクザクした感じもさらに強調されてる。曲の長さもちょうど良いし(ミドルスローの曲はさすがに7〜8分台あって、有無をも言わせぬ迫力があるね)、全体的にバランスが良いと思う。いやいや、ホント会心の出来ですよ。

 そんな彼らがこの夏、「FUJI ROCK FESTIVAL '06」で久しぶりの来日を果たすっていうんだから、そりゃ観ないわけにはいかないでしょ! このアルバムの世界観を野外で再現し、さらに初期の曲(勿論 "Wardance" や "The Wait" もね!)も生で聴けるっていうんだから‥‥ま、それがなくてもフジロックには例のごとく、今年も行くんだけどね!



▼KILLING JOKE「HOSANNAS FROM THE BASEMENT OF HELL」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 26 02:06 午前 [2006年の新譜レビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/25

Midnight Bankrobbers「冬のピノキオ」

 多分、誰もが今のROSSOの状況に対して妙な違和感みたいなものを感じてるんじゃないかな‥‥少なくとも、俺はどうにもしっくりこないものがあるんだわ。昨年夏にいきなり登場した、このMidnight Bankrobbersというチバとイマイによる弾き語りユニット。単なるライブでのお楽しみ企画だと思ってたら、いきなりアルバムまで作っちまう。その後に発表された、ROSSOニューアルバム「Emissions」リリースの情報と、第2期ROSSOが今作でファイナルという事実。そして本日、照井がベンジー(浅井健一)のソロ作に参加していることが発表されて‥‥

 本人達からのオフィシャルコメントがないので、何をどう信じていいか判らないし、本当にどうなっているのか全く見えてこない。これが今のROSSOを取り巻く現状。まぁとにかく、あと2週間もしたらリリースされるアルバムを待つしかないか。

 その前に、この作品についてちょっと触れておきましょう。実は昨年末、このMidnight Bankrobbersをイベントで観るチャンスがあったんだけど‥‥遅刻して観れなかったんだわ。噂で「2人してエレキで弾き語りしてる」なんて話が伝わってきてたんだけど、実際に出来上がったアルバムは、まぁ確かにその言葉通りではあるんだけど、もっと自由度の高い、とても実験的なロックアルバムだったなぁと。多分ミッシェルやROSSOでのストレートなロックンロールを期待したファンには辛い内容かもしれないけど、こういう要素はミッシェル時代からあったはずだし、要するに見せ方・聴かせ方なんだと思うのね。これが現在の、2006年のチバの表現方法なんだろうな、と。

 全17曲中10曲がインストナンバーという暴挙ぶりに、このユニットに対する自由度が伺えるし、歌モノにしてもポエトリーリーディング的なものが多い。中にはドラムが入ってる曲もあって、それを叩いてるのが元thee michelle gun elephantのクハラカズユキだというんだから、笑える。ま、だからといってこれがミッシェルというわけではないんだけど。

 でも、同時にミッシェルでもROSSOでもあるんだよね、矛盾してるけど。要するにそれらのバンドの中にあるセンチメンタルな要素だったり、実験的な要素だったりを抜き出して、それを2006年に追求したらこうなった。そういうシンプルな作品なんじゃないかな。決してこれがやりたいからROSSO第2期が終わるとは思えないのね。最初聴いたときは、次につなげるためのアク抜き程度にしか思ってなかったし。けどこうなっちゃうと、このアルバムの存在が重要な意味を持つのかもしれないなぁ‥‥実際にはないんだろうけど。

 評価は人によって分かれる内容だと思うけど、俺は好き。チバのこういう面が好きだったからさ。



▼Midnight Bankrobbers「冬のピノキオ」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 25 09:24 午後 [2006年の新譜レビュー, ロケンロールと無理心中] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/24

真心ブラザーズ「FINE」

 4年半ぶりに発表された、真心ブラザーズの通算10作目のオリジナルアルバム「FINE」。2005年春に復活を宣言し、シングル「Dear, Summer Friend」「I'm in Love」を立て続けにリリースしたものの、ちょっと我々の期待が大きすぎたのか、それに応えるほどの傑作ぶりは発揮してくれませんでした。でも、勿論真心としてのクオリティはかなり高い方だと思うんだけど‥‥あと一歩なんだよね。なんだろう、この歯がゆさは。復活後のライヴはホントどれもすばらしいものなのに。

 昨年夏の復活後、4人バージョンを含めて何回彼らを観たんだろう‥‥5回は観てるんだな、この4月の野音を含めて。イベントやフェスでの出演も含まれるけど、それらは本当に感動的で涙腺を刺激するようなものでした。でも、それは過去に曲にであって、新曲には‥‥普通に接してたというのが本音。昨年末の中野サンプラザで披露された "I'm in Love" アコースティックバージョンには、さすがにグッときたけどね。

 そして復活後第3弾シングル「情熱と衝動」もかなりいいとこまできたよなーって感じさせる1曲で、確かにこれ聴いたらアルバムに期待しちゃうような出来だよな、と。で、シングルから遅れること半月後にようやく発表されたのが、今回の「FINE」ってわけ。

 正直に書くと、シングルの時点でそこまで期待してなかった自分と、ライヴを観て過剰な期待をしてる自分が同時に存在したんだけど‥‥う〜ん、80点の出来、って最初は思ったよ。シングル曲はアルバムの流れで聴くとピッタリはまってる気がするし、他のアルバム曲の完成度もなかなか。ていうか、桜井曲の出来はやっぱりハンパないと思った。一方、YO-KINGが‥‥あと一歩、あと一歩なんだよなぁ。すごくも勿体ない。彼自身は今、非常にいい状態なんだろうけど、やっぱりどこか数センチ、いや、数ミリズレちゃってる気がね、するんだよね。で、これまでの真心ってその「ズレ」を桜井が歩み寄ることで補正してたように感じてたんだけど、今回は良い意味でそれが感じられない。すごく音で戦ってる気がする、対等に。これがもっと続けることで良い方向に作用すると思うんだけど‥‥だから、あと一歩って感じるんだよね。

 この2人に関して過剰な期待をしてしまうのは、やっぱりライヴでものすげーものを見せつけられてきてるから。この1枚と、これに伴うツアーでまた活動休止なんてことはないよね? 適度な休憩はしつつも、コンスタントに活動を続けることで、通算11作目のアルバムはさらにすごい内容になると思うんだけどな‥‥どうでしょう?



▼真心ブラザーズ「FINE」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 24 12:15 午前 [2006年の新譜レビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/23

bonobos「あ、うん」

 昨年はシングル "THANK YOU FOR THE MUSIC" が多くの音楽ファンに受け入れられ、一気にブレイクへと近づいたbonobos。昨年11月のセルフプロデュースによるミニアルバム「GOLDEN DAYS」以来、約半年ぶりのアルバムとなる通算3作目のフルアルバム「あ、うん」は、先行シングル「Beautiful」同様、朝本浩文が共同プロデュースを担当してます。

 実はこれまでのbonobosの作品って、「音源は音源、ライヴはライヴ」っていう、どこか壁を感じさせる印象があったんですね。良く言えば「作品として作り込まれているのが録音楽曲で、ライヴはそれを崩す作業」というイメージ。悪い言い方をすれば、レコーディング作品とライヴとの間に差(溝?)がある、と。それを良く取るか悪く取るかで、彼らに対する評価も違うんでしょうけど、俺はライヴ観るたびに「勿体ないなぁ‥‥」ってずっと感じてたんですね。というのも、どっちも優れものなだけに、それを上手くひとつに結びつける、あるいは近づけることってできないのかなぁ、って。

 ミニアルバム「GOLDEN DAYS」辺りから少しずつだけど、よりライヴ感みたいなものが増してきた気もしてて、それって結局セルフプロデュースだからかな、だったら朝本浩文が作品を作り込みすぎるのかな?という疑問が沸々と湧いてきてたんだけど、実はこのニューアルバムはそこまで「差(溝)」を感じさせない作風なんですね。これは恐らく意識してのことだと思うんだけど、アレンジはかなりきっちり作り込まれてる印象がありつつも、しっかりライヴ感が増しているという。バンドとしてのグレードもアップしてるし、それをバックアップする朝本側の理解度も増してる。お互いの意思が良い方向に結びついた、すごい良作に仕上がったのが今回の作品なんですね。

 先行シングルを聴いた時点で、もう今度のアルバムは期待十分だと思ってたけど、こうやって8曲を通して聴くと、俺の期待以上の出来だったんで驚いたのと同時に、すっごい嬉しかったなぁ。bonobos独特のグルーヴ感がさらに強調され、ポップ感はそのまま。楽曲のクオリティもより増してるし、蔡忠浩の表現力も向上してる。よく「ポスト・フィッシュマンズ」なんていう例えをされることの多い彼らだけど‥‥これはもう、お互いのバンドに失礼だなと思うようになったなぁ、これ聴いたら。bonobosはbonobosとしての個性をここではっきり確立したと思う。

 前作「electlyric」も名盤と呼んでも差し支えない1枚だったけど、今度の「あ、うん」は間違いなくbonobos史上に残る名盤だと言い切れると思います。いやぁ、このアルバムの曲をライヴで聴くのがすっげー楽しみだ!



▼bonobos「あ、うん」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 23 12:15 午前 [2006年の新譜レビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/22

DIRTY PRETTY THINGS「WATERLOO TO ANYWHERE」

 さて、続けてカール・バラーによる新バンド、DIRTY PRETTY THINGS。昨年暮れ、ピート・ドハーティのBABYSHAMBLESのアルバムがリリースされたのを見計らってからともいえるような時期に、オフィシャルサイトにてアルバムに収録予定だった(後にシングルとしてもリリースされた)"Bang Bang You're Dead" のPVが先行公開され話題に。いよいよTHE LIBERTINESの面々が、それぞれの道を歩み始めたなぁという印象を受けました。

 あれから約半年。とうとうリリースされたDPTのデビューアルバム「WATERLOO TO ANYWHERE」。ピート抜きのTHE LIBERTINESという表現もピッタリといえるメンバー(ドラムのゲイリーは元メンバーだし、ギターのアンソニーもピート抜き時代にTHE LIBERTINESのツアーにサポートメンバーとして参加)に、カールの新たな相棒といえるディス・ハモンド(元THE COOPER TEMPLE CLAUSE)を迎えて新たな出発をするこのバンド。BABYSHAMBLESとの比較は避けて通れないだろうし、実際に俺みたいな意地悪な見方をするファンもいるだろうから、この先には茨の道が待ち受けてるとも言えるでしょうね。でも、大丈夫だ、このバンドは。サウンドを聴いて安心した。良くも悪くも、THE LIBERTINESなんだもん。

 音楽性云々よりも、その精神性を引き継いだBABYSHAMBLES。そして音楽性そのものを引き継いだDPT‥‥そう言い切ったら、ちょっと乱暴すぎるかな? でも、俺にはそう感じられました。

 元THE CLASHのミック・ジョーンズを三度迎えて制作されたBABYSHAMBLESのアルバムと違い、DPTは新たにデイヴ・サーディ(レッチリやSLAYER、最近じゃOASISやJETなんかも手がけてる)とトニー・ドゥーガン(ベルセバとかMOGWAI辺りが有名)という名プロデューサーを迎え、リリースも「Rough Trade」ではなくメジャーの「Vertigo(Universal傘下)」から。結果、デビュー曲 "Bang Bang You're Dead" は全英チャートで5位、アルバムも初登場3位を記録したわけです。元THE LIBERTINESという話題性と、メジャーレーベルによる広告力と、そしてこの数年で培った実力が生み出した結果だと、俺は確信してます。

 確かに、ここには意外性も初期衝動も薄い。そういうのを求めるファンはBABYSHAMBLSを聴けばいい。乱暴な言い方だけど、俺が求めるTHE LIBERTINESはこっちだったんだな、と音を聴いて実感できたという意味では、この2組の音を同時に聴けたのはラッキーだったね。

 でも‥‥改めて言うけど、これはTHE LIBERTINESではない。と同時に、BABYSHAMBLESもTHE LIBERTINESではない。当たり前だけど、どっちもTHE LIBERTINESとは別のバンド。それを冷静に受け入れられるようになるまでには、もうちょっと時間がかかりそうだけどね。



▼DIRTY PRETTY THINGS「WATERLOO TO ANYWHERE」(amazon:UK盤US盤日本盤

投稿: 2006 05 22 01:00 午前 [2006年の新譜レビュー, ロケンロールと無理心中] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/21

BABYSHAMBLES「DOWN IN ALBION」

 正直、THE LIBERTINESって何だったんだろう?って考える瞬間があってね。いつぞやのサマソニ(2002年だっけ?)で伝説となるようなライヴをやって、その年の末にリリースした1stアルバムがいろんなところで話題になって、まぁこの俺もリリースから遅れをとるものの、案の定やられちゃうわけで。2003年・2004年と続けてフジロックに出演するものの、肝心のピート・ドハーティを欠く形での来日。だから俺にとってのTHE LIBERTINESっていうのは、カール・バラーのバンドっていう印象が強くて。いや、それが正解だと思わないよ。でも、俺はピートを生で観ていないし、伝わってくる情報が全部「逮捕」と「麻薬」と「バンドメンバーに対する悪態」ばかりだから‥‥第三者としては面白い存在と思ってるけど、音楽の対象としては正直そこまでの興味がない、というのが本音。THE LIBERTINESでどんだけ良い曲を書いてきても、結局書いただけで終わってるし。少なくともここ日本にいるファンにとっては、ね。

 そんなピートがバンド離脱中に結成したのが、BABYSHAMBLESというバンド。正直、最初はこんなに続くと思ってなくて。「Rough Trade」のコンピ盤やシングルのリリースと続いても、実は全然チェックしてなかったのね。で、昨年の暮れにとうとうアルバムまでリリース。これもリリースされてからもしばらくは聴こうなんて思わなかった。先日、片割れのカールが同じくバンドのドラマーだったゲイリーと共にDIRTY PRETTY THINGSという新バンドでデビューアルバムをリリースしたのを機に、ようやく手にしたくらいだから。要するに‥‥片方の意見(=出す音)だけで判断したくなかったんだよね、THE LIBERTINESの本質ってものを。

 なんてカッコつけてみたものの、本音は単に怖かっただけ。THE LIBERTINESより良かったらどうしよう、っていう。少なくとも‥‥ピートのいないバンドのライヴを観て、ほんのちょっとでもカッコいいと思ってしまった身としてね。

 ピートのソロユニットというよりは、まぁかろうじてバンドとして成立してるイメージのサウンド。ヨレヨレのピートのボーカルが、悲痛な悲鳴をあげる‥‥っていうか、本当に聴いていて痛々しいというのが正直な感想。勿論というか、THE LIBERTINESのような疾走感も、直接的な攻撃性も感じられない。速い曲はあっても、何か違う。歌詞からはいろいろなものを感じ取ることはできるけど、サウンドだけだと‥‥これが今、鳴らされる必要があったのかな?と。ピートにとって、これを今鳴らす必要性は多いに感じられるんだけどね‥‥

 このアルバムって結局は、カールに向けられてるんだろうな。そう思わざるを得ないっつーか。良い曲もあるし、冷静な判断を持って聴けば、きっとそれなりに響くロックンロールアルバムなんだろうけどね。ピートとカール間の、音による往復書簡なんだろうな、BABYSHAMBLESとDIRTY PRETTY THINGSのアルバムって。ま、これから後者のアルバムを聴くわけですが‥‥



▼BABYSHAMBLES「DOWN IN ALBION」(amazon:UK盤US盤日本盤

投稿: 2006 05 21 11:03 午後 [2005年の新譜レビュー, ロケンロールと無理心中] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

「RADIO TMQ」#47 セットリスト

 さ、無事に終了した「RADIO TMQ」#47、いかがでしたでしょうか? ゲストのjunneさんとのトークもかなり濃い内容から、初心者にも判りやすい説明も入れつついろいろお送りしました。最初、ただのモーヲタトークだったのには笑いましたが、まぁそれもこの2人らしいというか。とにかく楽しんでいただけたなら何よりです。そして2人の濃いメタルトークに気後れしていたアリーサ、ホント申し訳ない!
 ではでは、いつものごとく放送した楽曲を紹介したいと思います!


■■「RADIO TMQ」#47 SETLIST■■

--OPENNING : NEW ORDER / Krafty-- [Start ; 24:00]
01. METALLICA / Enter Sandman(amazon

--talk [モーニング娘。のコンサートに行ってきたよ]--
02. LIVING THINGS / Bombs Below(amazon

--メタル千本ノック・打ちっぱなしスペシャル:28〜36本目--
--talk [ノルウェーのブラックメタル]--
03. DARKTHRONE / Natassja In Eternal Sleep(amazon

--talk [ドイツのメタルコア、BJORKをカバー]--
04. CALIBAN / Army Of Me(amazon

--talk [韓国のシンフォニックプログレメタル]--
05. JEREMY / Beyond Myself(amazon

--talk [病んだ日本語]--
06. PAUL GILBERT / 僕の頭(amazon

--talk [病んだ日本語、その2]--
07. RAGE / 満ちし月(amazon

--talk [日本代表、再び世界へ]--
08. LOUDNESS / In The Mirror(amazon

--talk [爽やかな感じで from ノルウェー]--
09. TNT / Sometimes(amazon

--talk [爽やかじゃない感じで from ノルウェー]--
10. SATYRICON / Now, Diabolical(amazon

--talk [ちょっとひと休み。DELOREANの7月リリースの新作から!]--
11. DELOREAN / No Name

--talk [最後はフランスのスイサイダルブラックメタルで]--
12. WARSHIP / Whispering Gloom

--ENDING-- [02:20]


 さて、次回#48は6/2放送! 次回はアリーサがお休みのため、俺ひとりによるソロラジオか、誰か助っ人を呼んでお送りする予定です。いったいどんな放送になるのか、乞うご期待!

投稿: 2006 05 21 12:51 午前 [ネットラジオ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/20

AVENGED SEVENFOLD「CITY OF EVIL」

 正直な話、AVENGED SEVENFOLDなんてバンド、サマソニへの出演が決まらなければ知らなかったわけですよ、俺。すでにアルバムを3枚も出していて、そのいずれもが日本国内盤が出てないんだもん。そりゃ知りませんわな。だけど彼らの最新作「CITY OF EVIL」が全米チャートのトップ50入りして、セールスも100万枚近くまでいってるわけで。なのに日本ではほとんど話題にもならず、実際最新作はメジャー移籍第1弾にも関わらず、日本のワーナーは完全スルーだったしね。ホントひどい話ですよ!

 けどまぁ、こうやって6月には日本盤リリースも決まったわけで、ようやくこういう形で紹介できるようになったと。ま、日本盤が出なくても紹介してたけどね。ただ、一応5〜6月にはリリースされると聞いていたんで、それにあわせて紹介しようかと思ってここまで引っ張ってみました。実際には3月頃に買ったんだけど。

 なんつーか、彼らはインディーズ時代はもっとパンク寄りで、ボーカルも結構スクリーミングしてる感じだったのに(後で過去の音源もチェックしました)、このメジャー作では完全に歌い上げ系に専念してるんだよね。変なデス声も一切なし。しかもギターがツインリード決めまくり、大袈裟な展開は入るわ、曲は長いわで‥‥思わず「これ、ホントにアメリカのバンド? ジャーマンメタルなんじゃねーの?」と疑ってしまったほどに、アメリカっぽくない。ま、逆の見方をすれば、それだけ異質で個性的ともいえるんだけどね(アメリカでは、って意味で)。彼らは今、「2006年のGUNS N'ROSES」みたいに祭り上げられようとしてるんですわ。そのルックスもゴスメイクでキメてて、ちょっと見は確かにグラムロック系と言えなくもない。でも出してる音は‥‥えーっと、日本のX JAPANとか好きな人は、意外と気に入っちゃうんじゃないかな?ってくらいに、後半の曲の畳み掛け&ストリングスやコーラス隊を使った優雅な世界観は、とてもじゃないけどGN'Rとは言えないよね。どっちかっていったらMANOWARじゃんか、ってね。

 はい、ここまでのキーワードを読んでお尻の辺りがむず痒くなったそこのあなた! 絶対に気に入るから聴いてみなって。「BULLET FOR MY VALENTINEに対する、アメリカからの回答」なんてキャッチコピーもあるみたいだけど(どっちが先に世に出てんだよ!?って話もあるんだけど)、それもあながち外れてないよな、とも思ったり。当のBULLET FOR MY VALENTINEがそのGN'Rと一緒に全米ツアーやってるんだからね。方向性にブレはないな、と。実は密かに、サマソニで観るのを楽しみにしてるバンドのひとつなんだけどね。



▼AVENGED SEVENFOLD「CITY OF EVIL」(amazon:US盤日本初回盤日本通常盤

投稿: 2006 05 20 12:15 午前 [2005年の新譜レビュー, 2006年の新譜レビュー, ヘビメタさん] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/19

「RADIO TMQ」#47、19日24時から放送!

 本日5/19(金)24時から、「RADIO TMQ」放送します。今夜は久しぶりにゲストが登場しますよ!

 今回は同じ「radio.gs.」の仲間として、そして以前俺もゲストとして出させてもらったイベント「P.R.O.M.」のメンバーでもあり、俺が主催するイベント「AIN'T IT FUN」のレジデントDJでもあり、そして一緒にバンドも始めた仲間である(ってナゲーなw)、junneさんをゲストに迎えて、TMQおなじみのコーナー「メタル千本ノック」拡張版「打ちっぱなしスペシャル」を行いマース! せっかくなので、普段聴けないようなあんな国のメタル、こんなへんちくりんなメタルなど、とにかくいろんな方向から攻めていき、メタルに疎い人にも楽しんでもらえるようにしたいと思います。勿論アリーサも来て、一緒に笑ってるんじゃないかとw

 そんな番組を、とりあえず23時半過ぎから試験放送(0.5部)を始める予定ですので、お暇な方はぜひ。2時間+αでガンガンやりますんで、ヨロシクね!

 肝心の放送の聴き方ですが、依然サーバ復旧作業中のためワンクリックでの放送に対応できておりません。放送を聴くには

http://219.101.172.104:8000/radiogs.mp3

↑このURLをコピー等して、お使いのプレーヤーソフト (Winamp, Windows Media Player, iTunesなど)で開いてください。

 放送中にはとみぃもチャットに参加。是非こちらにも遊びにきてください。

http://discobeach.cc/chat/comchatq.cgi

投稿: 2006 05 19 01:19 午前 [ネットラジオ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

Dir en grey「Withering to death.」

 Dir en greyが2005年3月にリリースした、通算8枚目のオリジナルアルバム「Withering to death.」が先日、いよいよ全米でリリース。この発売に先がけて、かの「Billboard.com」ではトップ記事で「Dir en greyって何者!?」と彼らを紹介してるんですわ。さらにドイツでは昨年に続き今年も「Rock am Ring」フェスへの出演が決定、しかもメインステージの中盤に登場という優遇ぶり。そして夏にはKORNやDEFTONESらと共に、アメリカで久しぶりに開催される移動型フェス「Family Values Tour」への出演も決まっちゃってる‥‥新曲のレコーディングなんてしてる暇がないくらいに、世界中を駆け回ってる。さらに、7/31&8/1には日本武道館でのライヴも‥‥もはや敵なし状態の彼ら。いったいなぜこの時期に世界的ブレイクを果たしたんでしょうか。

 このアメリカでもリリースされたアルバムを、US盤で購入して聴いてみました。ま、日本盤でもいいんですけどね。個人的にはこれまでシングル曲を数曲しか知らないのと、最新のシングル「CLEVER SLEAZOID」が完全メタルコア/スクリーモ化してたってことくらいの知識。そんなまっさらな状態で彼らに接したんですが‥‥なるほどね、こりゃイイわ。確かに上に挙げたような音楽性も取り入れつつ、日本特有のビジュアル系(海外にいくとこの辺はゴスと評価されるんでしょうか)の要素も強く、ボーカルの京はファルセットを使ったクリーントーンで歌い上げたり、かと思えばヒステリックに叫んだり、あげくの果てにはデス声に近いタイプのスクリームまで登場する。うん、これ日本語じゃなかったら海外の新人メタルコアバンドと勘違いするかもしれないわ。完成度は確かにめっちゃ高いですよ。個人的には日本語でも英語でも全然気にならないんで、その辺で評価が下がったりすることはないです。人によってはいろいろあるでしょうけどね。

 日本に'80年代からあるメタル‥‥ジャパメタだったり、アンダーグラウンドなハードコアだったり、そして'90年代以降に登場したビジュアル系だったり‥‥そういった歴史をしっかり辿りつつ(踏まえつつ)、彼らなりの「らしさ」をしっかり確立。X(X JAPAN)が成し得なかった「全米ブレイク」という夢に、今もっとも近い存在と言えるんでしょうね。実際、このアルバムがどのくらいのセールスを記録するのが、とても気になります。UTADA(宇多田ヒカル)でさえトップ100に入らなかった、天下の「Billborad」にね。

 噂では、今秋開催される「taste of CHAOS」のアジア版にBULLET FOR MY VALENTINEやTRIVIUMといった海外のメタルコアバンドと共に出演するなんて話も聞こえてきます。昨年の「taste of CHAOAS」日本版に出演した経験を持つだけに、それもあながち間違ってないような気もします。いや、むしろその組み合わせで観てみたいですよね、欧米のメタルコアにやられた身としては。



▼Dir en grey「Withering to death.」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2006 05 19 12:13 午前 [2005年の新譜レビュー, 2006年の新譜レビュー, LOUD PARK 06] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/18

smorgas「smorgas choosen from '99-'06」

 smorgasのインディーズ時代からつい最近までの楽曲の中から、ファンお気に入りの楽曲とメンバー自身が気に入っている曲の中から選ばれた20曲。単なるヒットコレクション(ま、彼らの場合はヒットという言葉とは程遠いし、正直そういうのとは関係のない時間軸の中で活動してるような気もするんだけどね)では終わらない、非常に濃いベストアルバムに仕上がってます。えっとね、俺は彼らのこと大好きだったけど、それもあらきさんがいた頃に限定されてさ‥‥要するに彼女の脱退を機に、その後聴かなくなっちゃったんだよね。だから未だに一番好きなアルバムは?と問われると「INTERACTIVA」という2001年にリリースされたメジャー1stアルバムを選んじゃうんだよね。ま、俺がこういったオルタナティヴな日本のバンドを積極的に聴いてたのが、この頃ってことなんだろうね。

 今回、こういう形で1枚にまとめられた彼らの歴史を聴いてみると、結局本質は1999年から今現在に至るまで、何にも変わってなかったんだなぁということに気づかされるんだよね。すごくいいバンド。メンバーの脱退/交代といったトラブルが非常に目立つ(気がする)バンドではあるんだけど、MCのふたり(アニイと来門)が戦う姿勢を忘れない限りは、このバンドは大丈夫なのかな‥‥そんな気すらしてくる。勿論、辞めていったSENSHO1500とか河辺真とか、本当に勿体ないと思うし、できることなら辞めてほしくなかったという気持ちもあるんだけど。だけど、そういうトラブルがあったからこそ、このバンドはこういう形で続いたんだろうな、とも思えるわけで。ま、結果論でしかないんだけど‥‥ホントいいバンドだと思います。正直な話、今の彼らがどういうライヴをやるのかは見えてこないんだけど(だからこそ観たい、という気持ちも強い)、まぁ取るに足らない問題なんだろうな‥‥いいライヴやってるに決まってるって。それは十分に伝わってきましたよ、この20曲と付属のDVDを観て。

 和製RAGE AGAINST THE MACHINEだとか、日本のBEASTIESだとか、まぁたとえはいろいろあるかと思うし、逆にそれに対して嫌悪感を持つ洋楽ヲタも多いと思う。けど聴かず嫌いするには勿体ない存在だよ。こういうバンドこそ、どうにかして生き残ってほしいし、活動を続けてほしい。クソくだらないバンドが多い中、こんなにカッコいい音を9年にわたって出し続けてるんだからさ。



▼smorgas「smorgas choosen from '99-'06」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 18 09:10 午後 [2006年の新譜レビュー, ベスト盤イイヨネー!] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/17

レミオロメン「HORIZON」

 レミオロメンのニューアルバムはこれまでのイメージを良くも悪くも裏切った、なんだかすごい作品に仕上がってます。前作から1年2ヶ月ぶり、通算3枚目のフルアルバムなんだけど‥‥ついに行き着くところまで行ったかな、というよりも、振り切っちゃったかな、という気がします。俺はメジャーデビュー後の2枚のアルバムは聴いてなくて、インディーズ時代の作品全部とメジャー後のシングル曲しか知らない程度の知識でこれを書いてるので、もしかしたらコアなファンからしたら見当違いなことを書いてる可能性もあるけど、それでも気になったことを書いておきたいと思います。

 リリース前にこのアルバムを聴く機会を得て、それ以来何度も繰り返し聴いていたんですが‥‥とにかくスゲーアルバムだな、と。バンドの力量が一気にレベルアップしたってのもあるんだろうけど、やはりプロデューサー・小林武史って男も改めてすごい奴だと思いましたね。小林が好きそうなプログレの要素も適度にアレンジに取り込みつつ、曲自体のクオリティも以前以上に煌びやかで多くの人に伝わりやすいものになってる。全体のバランスがすごく良いんですよね。通して聴いたとき、次々繰り出される楽曲にちょっとゾクゾクしたりもしてね。アルバムジャケットの色使いやイメージのせいもあるけど、これはもしかしたらMr.Childrenでいうところの「Atomic Heart」みたいな1枚になるんじゃないか‥‥そんな予感すら感じさせる作品だと。ていうのは言いすぎですかね?

 ただし、気になる点もあって。たとえばそれまで身近な「個」について歌っていた楽曲が多く感じられたのに、アルバムにはもっと壮大で大きなテーマを持つ楽曲が増えていること。この辺もミスチルの「Atomic Heart」っぽいと感じさせる一因なんですが。個人的には「雨上がり」「3月9日」で歌われているような世界観が好きだったので、ちょっと寂しい気もするんですけどね。その辺をファンがどう受け取るかで、今後の評価も変わってくるのかな、という気も。ま、どちらにせよ、これは良いアルバムには違いないですよ。

 「化けた」というよりは、変化の過程にあるような印象が強いこのアルバム。ひとつの「地平線」を超えて、次の目的地を探してるような、そんな時期なのかな。だとしたら、次の目的地を見つけた後に訪れる「この次のアルバム」はもっとすごいことになってるんじゃないか‥‥ミスチルとの比較でファンには大変申し訳ないですが‥‥あの人たちが「深海」にたどり着いたみたいに、ね。



▼レミオロメン「HORIZON」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 17 12:00 午後 [2006年の新譜レビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/16

PEARL JAM「PEARL JAM」

 改めて思うけど、PEARL JAMってつくづく不幸なバンドだなと思う。だって、デビューした時期や周辺のシーンのせいでグランジ扱いされ、その十字架を勝手に背負わされ、未だにあの頃の幻想をファンは追ってるし。結局グランジという色眼鏡でこのバンドを見続けてる人にとっては、この先もずっとPEARL JAMは「初期を超えられない終わったバンド」で片づけられちゃうんだろうな。

 かくいうこの俺も、彼らのことをこの10年は完全に誤解してたように思うんだよな。やっぱり最初の3枚のインパクトやイメージが強過ぎて。それと初来日公演な。あれを観た後に聴いたそれ以降の作品は、やはり‥‥

 そしてここ1〜2作に関しては完全にスルーしてた俺。だけどネット先行配信された "World Wide Suicide"、そしてリリース前に聴かせていただいたアルバム収録曲の出来に思わずニヤリとして、今回は予約してまで買いましたよ。

 期待以上の出来でしたね。すごくストレートで、これなら日本人にも伝わりやすいと思う。こういう土着的なアメリカンロックって、実は日本人には受けが悪いじゃないですか。あと彼らの場合は歌詞も抽象的だったりするし、メディアに出る機会も少ないので、余計にアピールしにくいというか。日本で受けるロックって、やっぱりメジャー感が強くて、判りやすい方が人気あるしね。

 あと‥‥これは反論あるかもしれないけど、彼らって実験的なことも結構やったりしてるけど、基本的には「判りやすい、普遍的なロック」をやってるバンドなんですよね。その時代時代の色だったり、メンバーの感情の起伏とかそういうのが作品にダイレクトに表れてるから、ムラがある。でも今回のアルバムを改めて聴いて、これはもうずーっと変わることのない、いや、もっと昔から在ったロックだな、って実感しましたね。ニール・ヤングとの交流でよく比較されたりもする彼らだけど、それも判る気がする。

 とにかく。久し振りにPEARL JAMのアルバム聴いて、スッキリしたな。これは良いアルバムですよ。



▼PEARL JAM「PEARL JAM」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 16 01:46 午前 [2006年の新譜レビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/09

WHITESNAKE「LIVE : IN THE STILL OF THE NIGHT」

 間もなく来日を果たすWHITESNAKEの、2004年10月にロンドンで行われたライヴの模様を収録したDVD。海外では今年の2月にリリースされていましたが、日本では5月の来日公演に合わせて4月末の発売に。もともと昨年から出る出ると言われていたDVDなだけに、やっと出た!という印象が強いかも。

 このDVD、俺はUS盤を2月に入手していち早く楽しませてもらっていたんですが(但しリージョン1なのでご注意を)、そもそもWHITESNAKE自体約10数年振りに観たもので、いろんな意味でショックを受けましたね。いや、いい意味でだよ? 声が出なくなって来てるのは、すでに10数年前の時点で判っていたので今更驚かないし、逆に「ああ、このくらいは出るんだ」と安心したりもしたのね、今回のDVDを観て。

 ダグやレブといったレコーディングには参加してないギタリストのプレイも、ちゃんとオリジナルの良さを抑えつつ、それでいて自分らしさをしっかり表現してるあたりは流石というか。けど、古いファンからは評価が分かれそうだよね。「ギターのF1グランプリ」云々な表現で速弾きギタリストを拒絶した男が、またこんなギタリストを迎え入れてるんだから。でも、今後新作を出すとして、それにダグやレブといった曲も書けるギタリストが参加するんだったら、それはそれで楽しみだなーと。素直にそう思えます。

 選曲は'80年代の、所謂アメリカでのブレイク時の曲を中心に、懐かしい初期のヒット曲(イギリス向け)や、DEEP PURPLE時代の "Burn" や "Stormbringer" まで飛び出すサービスぶり。恐らく今度の来日公演もこれに近い選曲になるんだろうね。"Take Me With You" みたいな1stアルバムの曲までやってるんだもん、ちょっと観ておきたいよね。ま、その前にこのDVDだけどね。

 あ、あとこれを観ちゃうと、マルコ・メンドーザ脱退はちょっと惜しいなぁって気が。"Burn" でのグレン・ヒューズのパートを彼が歌ってたんだけど、新しいベーシストはそれをこなせるんでしょうか。不安です。

 ちなみに。日本初回盤にはこのDVD収録曲から10曲が収録されたCDが付いてきます。US盤にも付いてたけど、何やら世界中でトータル50万枚にしか付かないそうなので、お早めに。



▼WHITESNAKE「LIVE : IN THE STILL OF THE NIGHT」DVD(amazon:US盤日本初回盤日本盤

投稿: 2006 05 09 12:10 午前 [2006年の新譜レビュー, ヘビメタさん] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/08

安倍なつみ「2nd 〜染みわたる想い〜」

 約2年ぶりのアルバムとなる安倍なつみの「2nd 〜染みわたる想い〜」。本来ならもう1年くらい早く出てたはずだけど、まぁあの「事件」のお陰でリリース自体が暗礁に乗り上げちゃったからね。恐らくこのアルバム自体、当時制作されていたものとは内容が大幅に変わってるはず。予定されていたシングル曲(TAKUI作曲で話題になったやつな)もリリースされることなく、そしてこのアルバムにも収録されてないし。レコーディング自体は終了してたはずなのに‥‥完全にお蔵入りですか。勿体ない。ま、いずれ発表される可能性はあるだろうし、そっちはそっちで楽しみにしておきましょうか。

 で、このアルバム。最近のシングルがつんく♂作&プロデュースではないのに、アルバム用の新曲制作&アルバムプロデュースがつんく♂なんですよね。そこまでは投げないんですね、他人に。でもね、これが予想外に(と言っちゃあ失礼かな)良かった。もっとも最近のつんく♂ワークスはアルバムに関してはハズレはそんなにないので、そこまで心配もしてなかったけど。普通に安心して聴けるJ-POPモノといった印象。シングル曲以上に出来が良い楽曲が多いし(かといって、じゃあそれらをシングルにするとちょっと弱いという。インパクト重視なんだろうな、やっぱり)、今の安倍にピッタリな曲‥‥等身大って意味では、今までで一番合ってるんだろうね。無理してないというか。"恋のテレフォンGOAL" とかリリース当時聴いた時はどうしようかと思ったけど、今こうやって聴くと全然違和感がない(単に慣れただけか?)。アルバムの中の1曲として聴くと、意外と馴染んでるような。

 こういうアルバムを聴いちゃうと、もうつんく♂は安倍をまるごと他人に預けてプロデュース任せちゃったらいいんじゃないかと、マジメに思うんだけど。それはそれで淋しいって思う人も多いのかもしれないけど、ちゃんと成長を見せてくれてる人を、このまま飼い殺しするのは勿体ないと思うんだけど。いや、このアルバムの出来が良かっただけに、余計にそう思うわけですが。



▼安倍なつみ「2nd 〜染みわたる想い〜」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 08 12:10 午前 [2006年の新譜レビュー] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/07

EXODUS「SHOVEL HEADED KILL MACHINE」

 '80年代に活躍したもののその後解散。数年前に本格的な復活を果たしたEXODUSは2004年に復活作「TEMPO OF THE DAMNED」をリリースし、健在振りをしっかり証明してくれましたが、その後ボーカル/ドラム/ギターが脱退というアクシデントに見舞われ、存続が危ぶまれました。が、まさかこんな形で、こんなもの凄いアルバムと共に戻ってくるとは思ってみみませんでした。

 昨年末にリリースされた復活第2弾(通算7作目)「SHOVEL HEADED KILL MACHINE」は新ボーカルにロブ・デュークス、ギターに元HEATHENのリー・アルタス、ドラムに元SLAYER等のポール・ボスタフという最強メンバーを迎え制作。実際に完成したアルバムは、スラッシュを現代に蘇らせた傑作に仕上がってます。ドラムが凄いのは言うまでもなく、ボーカルがかなり良いです。前任2人にもなんとなく似てる色もありつつ、それでいて非常に現代的。デス声に逃げることもなく、しっかりとダミ声でスラッシュメタルを21世紀に復活させてくれてます。

 けど今回は、まず曲が良かったのが大きいのかな。俺、EXODUSってリアルタイムでもあんまりいい印象ってなくて。'92年頃の来日公演とか観てるけど、まぁあの時はアルバムも良くなかったからねぇ。確かに「ベイエリア・クランチ」なる言葉の発祥のバンドではあるけどさ。アルバムもそんなにのめり込んで聴いた記憶ないし。

 でも、これは違う。すんなり入ってきたし、とにかく有無を言わせぬカッコ良さがある。昨今のメタルコアとか聴いてる若い衆にもぜひ聴いてほしい1作。'80年代の良かった頃のサウンドと21世紀のメタルの融合。過去の焼き直しに終わらず、攻めの姿勢を崩してないのは流石というか。今年の来日公演、他のライヴがあって見逃しちゃったけど、また戻って来てほしいなぁ。ていうか、こんなにアグレッシヴなアルバムが作れるんだもん、まだまだ凄い作品を連発してくれるはず。そっちに期待しようかな。



▼EXODUS「SHOVEL HEADED KILL MACHINE」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 07 12:15 午前 [2005年の新譜レビュー, ヘビメタさん] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

「RADIO TMQ」#46 セットリスト

 約1ヶ月ぶりにアリーサと合流した「RADIO TMQ」#46、いかがでしたでしょうか? ひとりラジオは「やりたい放題」という意味で楽しいんですが、やはり会話のキャッチボールを楽しむには気心知れた相方が必要だなーと改めて実感した放送でした。テーマらしいテーマもなく、新曲をガンガンかけてるだけの後半と、くっだらないトークを中心に(笑)お送りした前半とではかなりの落差がありましたが、まぁそれもいつものTMQらしさ、ってことでご勘弁を。

 それでは、恒例のセットリストいきます!


■■「RADIO TMQ」#46 SETLIST■■

--OPENNING : NEW ORDER / Krafty-- [Start ; 24:00]
01. GUNS N'ROSES / Live And Let Die(amazon

--talk [アリーサ欠席の理由、そしてアラバキひきこもごも]--
02. RED HOT CHILI PEPPERS / Danny California(amazon

--talk [つんく♂婚約&小川紺野モー娘。卒業?脱退?]--
03. THE NEW CARS / Not Tonight(amazon

--talk [スマパン再結成]--
04. SMASHING PUMPKINS / Today(amazon

--メタル千本ノック:26〜27本目--
--talk--
05. LULLACRY / Fire Within(amazon
--talk-
06. KATATONIA / Leaders(amazon

--talk [新譜紹介]--
07. THE CHARLATANS / Blackend Blue Eyes(amazon

--talk --
08. KULA SHAKER / Diktator Of The Free World

--talk--
09. TOOL / Vicarious(amazon

--talk--
10. BACKYARD BABIES / The Mess Age (How Could I Be So Wrong)(amazon

--talk--
11. MINISTRY / Rio Grande Blood(amazon

--talk--
12. THE EARLY NOVEMBER / Decoration

--talk [キ○ガイ解散]--
13. TEST ICICLES / Pull The Lever (Raaary's Ripmix)(amazon

--talk--
14. SNOW PATROL / You're All I Have(amazon

--talk--
15. BON JOVI / Always (Unreleased Demo)(amazon

--ENDING-- [02:05]


 さて、次回#47は5/19放送! 「Radio P.R.O.M.」でお馴染み、また「AIN'T IT FUN」などでもお世話になってます、junneさんをゲストに迎えて、2時間ぶっ続けで 「メタル千本ノック・打ちっぱなしスペシャル」をやります。普段耳にする機会の少ない、マイナーなのを中心に、緩急つけてタップリお送りします(半ば嫌がらせチックに。笑)。どうぞお楽しみに!!

投稿: 2006 05 07 12:12 午前 [ネットラジオ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/06

OPETH「GHOST REVERIES」

 スウェーデンのプログレッシヴ・デスメタル(とでも呼べばいいのかな?)OPETHの、通算8作目にあたるこのアルバムは、昨年の秋にリリース済みなんだけど、とにかく各方面からの評価が高くて。俺もずっと注目はしてたし、このアルバムからのPV(多分 "The Great Conjuration" だったかな?)のインパクトも強くて、気にはなってたんだけど、買ったのはつい最近で。最近多いよね、そういうの。

 すでに10数年活動してる彼等なんだけど、このアルバムから名門「Roadrunner Records」に移籍してます。移籍しただけのことはあるわな、もの凄い衝撃作だもん。デスの暴虐性と、KING CRIMSON辺りに通ずる知的かつ緻密なプログレッシヴなサウンドが見事に融合していて、それぞれが別々の魅力を放つんじゃなくて、しっかりと1曲の中に共存してるんだよね。あと、シンフォニックな要素も強くて、例えばアコースティックギターやピアノが要所要素に上手く使われていて、そんな緩急あるサウンドがまた魅力的すぎて。ゴーっていう轟音&デス声と後に訪れる静寂、怪しい音色。そしてまた訪れる轟音‥‥この繰り返しがとにかく気持ちいい。1曲8分10分なんてのはざらで、実際アルバムには8曲しか入ってないんだけど、60分以上の作品として仕上がってますからね。でも、全く飽きさせない。ま、デスとか苦手な人はダメだろうけど。

 このアルバムからキーボードが加入していて、それがさらによい方向に作用してますよね(しかも加入したキーボーディストは、SPIRITUAL BEGGARSのペルなのね。それで二度ビックリ)。俺は前作、前々作とかは全く知らないんで、前もこんなだったのかは比べられないんだけど、仮にそうだったとしても、全然後悔はしてない。だって今、こんなにスゲーアルバムに出会うことができたんだから。

 いやーっ、やっぱスウェーデンはすごいなぁ。いろんなバンドがわんさかいるんだから。難しいことは言えないけど‥‥これが話題になるのは、よーく判るわ。だって、ホントにすごい作品だもん。メタルとかデスとかプログレとか、そういうカテゴライズは要らない。メタルファンじゃなくて、それ意外の人にもぜひ聴いてほしい1枚。こういう表現の仕方もあるんだよ、ってね。



▼OPETH「GHOST REVERIES」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 06 03:04 午前 [2005年の新譜レビュー, LOUD PARK 06, ヘビメタさん] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/05

「RADIO TMQ」#46、5日24時から放送!

 本日5/5(金)24時から、「RADIO TMQ」放送します。GW後半に突入し、まだ休みがない!とかどこにも行ってない!っていう俺みたいな奴(号泣)、PCの前に集合だよっ!

 今回はどうやら久し振りの2人での放送になりそうですが、いろいろ曲もテーマも目白押し! 「つんく♂婚約!/紺野小川卒業?脱退?/アラバキ悲喜こもごも/GWって何ですか?おいしいの?/カエラは本当に薬b(ry/今年の夏フェス事情/アリーサ2回も欠席、その理由は?(面白回答求む)」 へっ!?これ全部2時間でやれるの? 知らん! やれるだけやるよ!! 曲も今回は新譜ラッシュということで、リリース前のやつ含め、いろいろ紹介していきたいと思いますので、どうぞお楽しみに!

 冗談はさておき、とりあえず23時半過ぎから試験放送(0.5部)を始める予定ですので、お暇な方はぜひ。2時間ガンガンやりますんで、ヨロシクね!

 肝心の放送の聴き方ですが、依然サーバ復旧作業中のためワンクリックでの放送に対応できておりません。放送を聴くには

http://219.101.172.104:8000/radiogs.mp3

↑このURLをコピー等して、お使いのプレーヤーソフト (Winamp, Windows Media Player, iTunesなど)で開いてください。

 放送中にはとみぃもチャットに参加。是非こちらにも遊びにきてください。

http://discobeach.cc/chat/comchatq.cgi

投稿: 2006 05 05 01:41 午前 [ネットラジオ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

COHEED AND CAMBRIA「GOOD APOLLO I'M BURNING STAR IV, VOL.1 : FROM FEAR THROUGH THE EYES OF MADNESS」

  ビックリした、というのが第一印象。もっと早くに聴いておくべきだったね、これ。

 昨年9月にリリースされた、アメリカのCOHEED AND CAMBRIA通算3作目、メジャーに移籍しての第1弾となるアルバム「GOOD APOLLO I'M BURNING STAR IV, VOL.1 : FROM FEAR THROUGH THE EYES OF MADNESS」(タイトル長すぎ!)は、そのタイトルを見ればなんとなく想像つくかと思いますが、コンセプトアルバムとして仕上がってます。何やら4章からなる物語の前半部分を扱ったのがこの作品で、続いてリリースされる次作がその後半部分を取り扱ったものになるそうです。成る程ね。

 コンセプトアルバムと聴いて数歩退いてしまう人も多いんじゃないかな。敷居が高そうだもんね。気軽に聴けないっていうか。でもそんな心配はいらないよ。輸入盤で買ったから歌詞とかあまり理解できてない俺が言うよ‥‥これ、すごく素晴らしいプログレハードロックアルバムですよ。多くの人が指摘するように、’80年代前半までのRUSHに非常に近いスタイルを持っていて、それを上手く現代的に表現してるなぁと。ボーカルの声質がなんとなくゲディ・リー(RUSHのボーカル&ベース)に似てることもあり、またコンパクトな楽曲が並び、それらが上手く繋がっていく辺りに全盛期のRUSHを重ね合わせてしまったり。勿論、完全な焼き直しではなく、そこには彼等なりのオリジナリティは十分に感じられて。うん、すごいいいよこれ。

 そんなコンパクトな曲が10数曲並んだ後に訪れる‥‥ラスト4曲の組曲が、とにかく圧巻! プログレバンドとしての威厳を遺憾なく発揮した会心の一撃というか。これだけでも聴いてほしいなぁ。いやぁ、前半と後半のコントラストが兎に角良いです。これはしばらく愛聴しそうだわ。

 去年の秋、このアルバムからのPVを観て(どの曲だったか忘れたけど、ヘヴィなミドルチューンだったから、3曲目の "Welcome Home" かな?)、そのルックス(どことなく南米の人っぽい印象を受けたけど、実際メンバー名を見ると純粋なアメリカ人というわけではなさそうだね)からは想像できないヘヴィ且つ繊細なサウンドに衝撃を受けたんですが‥‥ずっと忘れてた。ゴメンね、ホントにもっと早くに聴くべきだった。

 タイプは違うけど、THE MARS VOLTA辺りとツアーすると面白いんじゃないかな。エモやコア系からの流れにあるTHE MARS VOLTAと、ハードロックやプログレから流れてきたこのCOHEED AND CAMBRIA。異論はあるだろうけど、俺は彼等を現代の2大プログレバンドとして評価したいですね。



▼COHEED AND CAMBRIA「GOOD APOLLO I'M BURNING STAR IV, VOL.1 : FROM FEAR THROUGH THE EYES OF MADNESS」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 05 01:31 午前 [2005年の新譜レビュー, ヘビメタさん] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/04

KATATONIA「THE GREAT COLD DISTANCE」

ジャケットとバンド名に惹かれて、思わず手にとってしまった1枚。ゴシック系のデスメタルかなぁ~って思ったら、正解。このKATATONIAはスウェーデンのゴシックメタルバンドで、'90年代前半から活動してるそうですね。今年3月にリリースされたこのアルバムは、通産7作目にあたるフルアルバムなんですが‥‥

 途中、確かにデスっぽい叫び声が入るものもあるんですが、基本的には中音域メインで歌い上げるタイプ‥‥ホントにゴシックメタルっていうイメージが強い音なんですよね。一昔前のPARADISE LOST辺りに通ずるというか。そこにちょっとヘヴィで凝ったアレンジ(ところどころで変拍子入れたりとか)のバックトラックが乗る感じ。すごく聴きやすい。

 だけど、ひたすら暗い(笑)。好きな人にはたまらない世界観ですね、これ。曲のテンポもひたすらミドル~スロウが中心。ボーカルだけ聴いてると、ALICE IN CHAINSとDEPECHE MODEが結婚したかのような暗さ‥‥って表現もどうかと思うけど、とにかく暗い。そして独特なムードがある、と。もうこのジャケット見てるだけで、こっちが頭を抱えたくなるというか‥‥一緒になって頭抱えて凹む、みたいなね。そんなバンドですよ(ってどんなだよ?)。

 それにしても、ホントにスウェーデン人はこういうサウンドやらせたら上手いね。って偏見か? いやいや、本当に上手いと思う。メロディック・デスメタルにしろ、ゴシックメタルにしろ。きっと一年中寒いから、みんなうつむき加減で生活してるんだろうね!(ひどい偏見だ)でも、本気でそう信じたくなるようなサウンドを、次から次へと繰り出してくるんだもの、このアルバムも。

 攻撃性や爽快感といったものは皆無。ただひたすらメロウでダーク。部屋の片隅で、ひざでも抱えながら聴いてみてください。ハマリますから。いや、保証はしないけどね。



▼KATATONIA「THE GREAT COLD DISTANCE」(amazon:US盤UK限定盤

投稿: 2006 05 04 12:10 午前 [2006年の新譜レビュー, ヘビメタさん] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/03

LULLACRY「VOL.4」

 このバンド、偶然「Century Media Records」のサイトをさまよってたら見つけたんですよ。アメリカでは今年の1月に同レーベルからリリースされた、LULLACRYというバンドの4枚目のアルバム「VOL.4」。4曲目に収録された "Stranger In You" という曲を試聴したら結構好みだったので、即購入しまして。

 ホント、音だけ聴いてそれ以外の情報は一切なしで。アルバムが届いてからオフィシャルサイトを覗いたくらいですから。そしたらこのバンド、アメリカ出身じゃないのな! いや、聴いた時点でそれっぽくないとは思ってたけど、まさかフィンランドのバンドだったとは‥‥最近多いですね、フィンランドのバンド。NEGATIVEとかHIMもフィンランドでしたよね、確か。言われてみると、この辺のバンドに共通する「哀愁漂う歌メロ」要素に合致するんですけどね。

 ヘルシンキ出身の、女性ボーカルを含む5人組。'90年代後半から活動してるようで、実は日本盤もリリースされてるんですね。この「VOL.4」もアメリカでは今年リリースされたものの、ヨーロッパや日本では昨年の秋にリリース済み。日本盤にはKISSの "I Stole Your Love" とW.A.S.P.の "L.O.V.E. Machine" のカバーがボーナストラックで収録されてるんだそうな‥‥そっち買えばよかった(苦笑)。

 内容は、上に書いたような「歌メロ重視の、潤いあるメロディアスハードロック」路線。ボーカルは最近流行の(EVANESCENCEやLACUNA COILみたいな)耽美なゴス系ではなく(でも一応本国ではゴス系に括られてるらしい。本人達にもその意識はあるとか‥‥)、どちらかというとビッチ系? いや、いい意味でね(いい意味で「ビッチ系」て‥‥)。メタルというよりは、ハードロックって呼んだ方が正しいかもしれない。いや、すごい好み。タイプはちょっと違うと思うけど‥‥

 でも、最初に聴いた "Stranger In You" が'80年代のKISSをちょっとヨーロピアンにした感じで(伝わるかな?)、スゴイ好みの音だったんだよね。それで女性ボーカルだし。決してアヴリル・ラヴィーン的とは言わないものの‥‥EVANESCENCEと足して割ると、丁度いいのかな?(それは言いすぎか)とにかくカッコイイです。メロウなハードロック、例えばPINK CREAM 69とか(懐かしすぎ)「THE FINAL COUNTDOWN」以降のEUROPEとか、その辺の音が好きな人には絶対に伝わるものがあるはず。あとは上記のフィンランド勢がお気に入りの人達ね。ぜひチェックしてみてくださいな。



▼LULLACRY「VOL.4」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 03 12:10 午前 [2005年の新譜レビュー, 2006年の新譜レビュー, ヘビメタさん] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/02

ROB ZOMBIE「EDUCATED HORSES」

 前作「THE SINISTER URGE」から約4年4ヶ月ぶりに発表する、ROB ZOMBIE通算3作目のアルバム。2003年にはベストアルバム「PAST, PRESENT & FUTURE」がリリースされているので、実はそんなに時間が経ってるなんて思ってなかったんですが。そういやぁこの人はWHITE ZOMBIE時代含め、ホントにリリース間隔が長いですよね。その割りに、毎回内容は一緒なんですけど(良い意味でな)。

 さて、WHITE ZOMBIE時代にメジャーから2枚のオリジナルアルバムを、ソロになってからも2枚のアルバムを出している彼ですが、ベスト盤をひと区切りとしてここで心機一転、新しい音で勝負してくるのか‥‥と思いきや、まったく変わってません。安心してください、ファンの皆さん! 驚くくらいに変わり映えがないというか。いや、もう彼に関してはこれでいいのかもしれない。もともと音楽的に革新的なことをやってきた人じゃないし、むしろキャラ勝負なとこが強かったわけだし。ビジュアル面(映像作品など含め)でいろいろ凝ったことをやってる割りには、音は毎回一緒。もちろん手抜きは一切なく、細部まで徹底的に作り込まれてるんだけどね。

 今回も前半にキャッチーな曲を持ってきて、中盤にインターミッション的なインスト曲を挿入し、その後はミドルヘヴィでムード感のある曲が続くという構成は、ある意味では映画的かもしれません。あと、この人のオリジナルアルバムって、毎回適度な長さなんですよね。今回も40分がちょい欠ける程度。勢いで聴けてしまうというか、飽きる前に終わっちゃうし、程よい長さなんですよね。まぁ最近じゃCDの限界近くまで音を詰め込むアーティストが多いから、そういう意味でアンチテーゼっぽいかも(実はなにも考えてなかったりしてな)。

 とにかく、これまでの彼の曲が好きな人なら間違いなく気に入る1枚でしょう。この金太郎飴みたいなアルバムを楽しめたなら、もうこっちのもの。あとはひたすらリピートするのみ。そう、一度聴くと、2度、3度と繰り返し聴いてしまうアルバムなんですよね、これ。もちろんそれには曲が良いという大前提があるわけなんですが‥‥いやいや、マジでいいアルバムだって。MARILYN MANSONはダークすぎて&キモくて苦手、っていう人でも、こっちならいけるんじゃないかな? 実は音的にはまったくひねくれてない、ド直球だからね、ROB ZOMBIEって。



▼ROB ZOMBIE「EDUCATED HORSES」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 02 12:10 午前 [2006年の新譜レビュー, ヘビメタさん] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/01

GODSMACK「IV」

 アメリカ・ボストン出身のヘヴィロックバンド、GODSMACK。その彼らが前作「FACELESS」から約3年ぶりに発表する、通算4作目のアルバム「IV」は、前作をより進化させたような快作に仕上がってます。

 俺、このバンドに対する知識って殆どなくて、アルバムをちゃんと聴いたのも前作からなんですよね。コンピレーション盤に収録されていた1st~2ndのシングル曲は耳にはしていたものの、そんなに印象に残らなくて。ところが前作がいきなり全米ナンバー1になり、2003年夏の「FUJI ROCK FESTIVAL」に出演。アルバムを予習して彼らのステージを観たわけ。このときは丁度ドラムに元AMENのシャノン・ラーキンを迎えて初めての来日で。どんなステージを見せてくれるのかワクワクしたんだけど‥‥ちょっと会場の雰囲気に合わなかったかなぁ、と。悪くはなかったんだよね。トライバルなパーカッションプレイを導入したステージングは興味深かったし、演奏もカッチリしてて安心して最後まで観れたし。でも、スゴイとは思わなくて。実はこれ、アルバムにも通ずる印象だったんだよね。ALICE IN CHAINS直系の、ダークでムーディーなヘヴィサウンドは確かに心地よいし、個人的に思いっきりツボなんだけど。でもハマらなかった。

 今回のアルバムは確かに前作の延長線上にある作風で、さらにムーディーに作りこんでる気がするんだけど‥‥うん、いい意味で開き直ったかな、と。あの不協和音的なツインボーカルがない分、アリチェンというよりはストテン(STONE TEMPLE PILOTS)に近い気がするんだけど。まぁサウンド的には確かに初期アリチェンだよね。

 いきなりスローでブルージーな "Livin' In Sin" で始まるから「おっ!?」って惹きつけられ、2曲目に王道ヘヴィチューン "Speak" でドカーンと爆発する。いやいや、普通にカッコイイよね、この辺の曲は。いかにもアメリカのヘヴィバンドって感じで。続く "The Enemy" もさらにアッパーで、冒頭の良いバイブをそのまま引き継いでる。中盤、ブルースハープを取り入れた "Shine Down" やストリングスとアコースティックギターでじっくり聴かせる "Hollow" みたいな曲もある。ニューメタルとかアフターグランジとかヘヴィロックとか、そういった括りを上手くはみ出したかな、って気がしますね。もちろんこれらは全部、今までのアルバムに存在した要素なんだけど、それらがより洗練され、やりたい放題やったら上手くまとまった、みたいな感じなんでしょうか。うん、すごく良いんじゃないかと思います。

 前作にあったようなパーカッシブな "Voodoo Too" もしっかりあるし、なにかを捨て去るんじゃなくて、全部を残したまま上手く前進したかな、と。間もなくウドーフェスで再来日しますが、観ておいて損はないと思いますよ。明らかにアメリカと日本とでは、その人気に格差がありますけど、好きな人にはたまらない、如何にもアメリカンなバンドですからね。



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投稿: 2006 05 01 12:10 午前 [2006年の新譜レビュー, ヘビメタさん] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック