PUFFY『Splurge』(2006)
PUFFYのデビュー10周年を記念するオリジナルアルバム「Splurge」は、その収録曲名やソングライター名が発表になって以来、俺の中ではかなり「これは傑作になるかも?」という思いがどんどんと高まっていった1枚なんですね。だってMARVEROUS 3の名曲 "Radio Tokyo" のカバーから始まって、最後がライブでもおなじみの "Basket Case"(もちろんGREEN DAYのカバー)で終わるなんて。当然、その間には数々のオリジナル曲が収録されてるんだけど、それらがアンディ・スターマー(元JELLYFISH)、ブッチ・ウォーカー、奥田民生、草野マサムネ(スピッツ)、セイジ(ギターウルフ)、ジョン・スペンサー、デクスター・ホーランド(OFFSPRING)、チャーリー・ドレイトン(民生とのセッションでおなじみ)、アンディ・トンプソン、甲本ヒロト、斉藤和義、横山健、などなど‥‥これが悪いはずないよね?
仕事柄、人様よりもいち早く耳にする機会を得まして、実はこの1ヶ月近くかなりの頻度でリピートしている1枚でして‥‥あのね、これは絶対に聴いた方がいいって。特にパワーポップファン! 絶対にこれは気に入るはず。
元来、PUFFYにはパワポの要素がそこら中に散りばめられていたし、デビュー曲 "アジアの純真" なんてまんまE.L.O.だったわけじゃないですか。その後もアンディ・スターマーが絡むようになった作品群はモロにそっち側だったわけで。今回もアンディが制作の大半に携わってるわけで(曲も一番提供してるしね。中には一部のファンの間では有名なブルー(Bleu)と共作してる曲もあるしね)、過去の作品同様悪いわけがない。しかも今回はさまざまなソングライター(しかも国内の一流ドコロ)が絡んだこともあり、それぞれが粒ぞろいという。逆に散漫にならないかが心配だったんだけど、無駄な心配でした。ライブ感も強くて適度にハード、そしてメロは甘くてポップ。ディストーションギターと同じくらいアナログシンセの音が鳴ってる。もうそれだけでニヤッとしちゃう。
PUFFYが海外で「PUFFY AMIYUMI」として活躍し、コンピ盤「Hi Hi Puffy AmiYumi」っていうのを出したじゃない。あれに入ってる新曲もまんまパワーポップだったし、それ以外の代表曲もあわせて聴くと統一感があって、実はずっと前からパワーポップだったことに気づかされる。古めかしい歌謡ロックでも、アイドルが片手間でやってきた余興でも何でもない。This is POWER POP!
最近じゃCHEAP TRICKの新作と交互に聴いても何ら違和感ない。もうなんなら海外のフェスとかでGREEN DAY辺りと対バンするといい。言い過ぎかもしれないけど、それくらいの説得力あるよ、この音には。だからこそ‥‥日本国内でのセールスの低さには淋しいものがあるんだよね。思ったより売れてないんだもん。昔みたいにバカ売れしなくてもいいから、せめてもうちょっと‥‥コアな音楽ファンには理解してほしいよね、せめてこのアルバムだけは。
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