« HATEBREED『SUPREMACY』(2006) | トップページ | The DUST'N'BONEZ『ROCK'N'ROLL CIRCUS』(2006) »

2006/09/26

GINGER『VALOR DEL CORAZON』(2006)

 本国イギリスでは今年初頭(限定盤は2005年末だっけ?)にリリース済み、日本では10月の来日決定にあわせて7月にようやく発表されたジンジャー(THE WiLDHEARTS)の「純粋な」初ソロアルバム。タイトルの「VALOR DEL CORAZON」というのは、日本語に訳すと「強い心」とかいう意味らしく……その経緯については、昨年前半のこのブログのワイハー関連の記事を読んでいただけるとご理解いただけるかと。まぁ今更その経緯に触れることはここではしません。今回は「あれ」以降について……純粋にこのアルバムについて話したいと思います。

 本人も語っているように、このアルバムはこれまでみたいにジンジャーというアーティストのある一面だけにスポットを当てた作品ではなく、彼のいろんな要素……それこそロックンロールやメタル、パワーポップだけでなく、カントリーやブルース、'70〜'80年代のポップスだったり。そういった彼のルーツ的なものがこれまで以上に表出しているのが、このアルバムと言えるんじゃないかな。実際2枚組19曲(日本盤は3曲のボーナストラックを追加)を通して聴くと、そのとっ散らかり具合のせいで作品としてのトータル性が希薄な気がするし。それは聴き手によっては「完成度が低い」とか「バランスが悪い」と解釈される可能性も強い。でも俺はそういう風には感じられなくて……ま、ソロとしては「前作」の「A BREAK IN THE WEATHER」もどちらかというと「とっ散らかってる」印象が強かったけど、あちらの方がまだ「THE WiLDHEARTSのジンジャー」という色合いが強調されてるよね。実際、ワイハーやりながら録音した音源だし。あと、もともとがシングルとしてバラバラの時期に録音されたものをまとめたものだし、そのバラツキに関しては聴き手も納得してる部分もあったよね。でも今回は最初っから音楽的にバラバラな要素がひとまとめになってる。だから人によって「?」となる人もいるんでしょう。でもコアなファンはもともとジンジャーというソングライターにはこういう素質があることを知っていた/わかっていたから、そこまでの違和感を覚えないというね。まぁ言い方によっては、ファンが庇護してるようなもんなんだけどさ。

 正直なところ、これをワイハーでやってもらいたいとは思わない。みんなそうじゃない? ワイハーにはワイハーの色があるし、もっとハイパーなロックンロール(って表現もどうかと思うけど)をファンが求めてるだろうし。それと同じことをやるんだったら……それこそ今後二度とワイハーは必要ないということになりかねないし。このアルバムで聴けるようなロッキンでそれでいて甘いポップな面をさらに強調して、それでいてロックとはかけ離れたようなこともやっちゃうような……そんな一筋縄ではいかないひねくれたことをガンガンやってほしいな、と。ファンもそれを望んでいるし、ファンではない人にも「なんだこれ!?」と思われて、それでいて思わず手に取ってしまうような音楽を提供していってほしいしね。

 内容については、こんなもん? いや、ほとんど触れてないに等しいかな(苦笑)。あのね、俺は本当に特に文句いうところもないのよ。確かに曲もバラバラだけど、ひとつひとつは本当によくできていると思うし、「俺はこれが好きなのか否か?」と自問自答すれば、絶対に「好き!」と即答できるような曲ばかりだし。確かにワイハーで聴くことができるようなパンクチューンは皆無だけど、メロディセンスだったり楽曲のアレンジには「ジンジャーならでは」の色をしっかり見出すことができるしね。ギタープレイにしても、例えば "Bulb" でのギターソロに思わず唸ってしまったり、かと思えば "The Man Who Cheated Death" みたいな泣けるバラードもある。なんちゃってマッドチェスターな "G.T.T" の後に、これぞジンジャー!なパワーポップチューン "Yeah, Yeah, Yeah" があったり。ひとまず「これまで」の総まとめなのかな。

 早くも次のアルバムを準備中で、MySpaceでは出来たてホヤホヤの新曲 "Black Windows" の試聴が始まってる。次作は来年の前半には出そうだし、そういう意味では彼のクリエイティビティはまったく落ちてないってことなんでしょう。来週からスタートするGINGER AND THE SONIC CIRCUSのジャパンツアーではこの「VALOR DEL CORAZON」からのナンバーをガンガンやってくれるだろうし……要するに今、俺はすんげー楽しみなんだ!と言いたいわけ。もうアルバムの感想でもレビューでも何でもないんだけどさ。

P.S.
このアルバムの日本盤にはSILVER GINGER 5の "Sonic Shake"、REPLACEMENTSの "Answering Machine"、デヴィッド・ボウイの "Boys Keep Swinging" のカバーが収録されているそうです。俺はUK盤を買ってしまっていて、実はまだ日本盤は買ってないのです。これはマズい……今回の来日を機に、こちらも購入しておきます。実際日本盤はUK盤よりもグンと安いしね。



▼GINGER「VALOR DEL CORAZON」(amazon:UK盤日本盤

投稿: 2006 09 26 07:53 午前 [2006年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/62417/12043688

この記事へのトラックバック一覧です: GINGER『VALOR DEL CORAZON』(2006):

コメント

コメントを書く