2006/10/12

SLAYER『CHRIST ILLUSION』(2006)

 気づけば5年ぶりですか、SLAYERの新作。前作「GOD HATES US ALL」ではドラムがポール・ボスタフだったんだよねまだ。その後にボックスセットが出たり、そのちょっと前にボスタフが抜けて、助っ人でデイヴ・ロンバードが復帰して、気づいたらそのまま居座っていたり。挙げ句の果てに名盤「REIGN IN BLOOD」完全再現ライブをやったり、そのDVDを発表したり。

 でもねぇ……ファンはそういうのを求めていないんですよ(いや、全部嬉しいけど)。最強の布陣に戻ったんだから、ここは一発最強の新作が欲しいわけですよ!

 んで、最初に2006年6月6日(「666」!)に公式サイトでフル試聴公開されたのが、新作収録曲の "Cult" という曲。個人的にはもうこれ1曲でノー問題だったわけ。完全にノックアウトされたよ。良き時代のSLAYERと今のSLAYERがうまく融合されてて、ドラムもちゃんとロンバードのそれだってわかるプレイだったし。確かに「REIGN IN BLOOD」を超えることはないだろうけど、それでも標準ラインはクリアしてるんじゃないかな、と。そう確信したわけです。

 それから2ヶ月後。いよいよリリースされた「CHRIST ILLUSION」は……皆さんの耳にどう響きました?

 俺は……あのね、前もどこかで書いたかもしれないけど、そう簡単に超えられる作品じゃないでしょ、「REIGN IN BLOOD」って。それこそ「SOUTH OF HEAVEN」でもいいし、「SEASONS IN THE ABYSS」でもいいんだけど、あの時代に、あの年齢で、ああいう音を作り上げたっていう事実。それを10年20年、同じテンションで続けることは不可能に近いですよね。勿論それを軽く成し遂げてるアーティストもいるでしょう。けど、このスタイルで20年以上続けてこれたのが奇跡だと思うし(METALLICAやANTHRAXのような音楽性の変化だってあるわけだし)、それこそ全部同じな「金太郎アメ」みたいなアルバムにしてこなかっただけマシなのかな、とも思うし。いや、彼らを庇護するわけじゃないですよ。でも……うん、俺はこれはこれでいいと思ってます、正直な話。

 そりゃね、言い出したらきりがないですよ。不満を覚える箇所もあるし、ここはサイコーっていうパートも曲もある。ファン全員を100%満足させることなんて不可能だし、なんだかんだで文句言ってる奴らって俺と同じ年代の偏屈なオッサンか(笑)、10代の「リアルタイムでは知らないけど(さらにライブ観たことないけど)、メディアが「REIGN IN BLOOD」サイコーって騒いでるから、それと比べたらねぇ?」みたいな輩ばかりなんじゃないかな? 彼らを批判する気も、SLAYERを貶す気もない。俺はこれを現実として受け入れてるし、彼らが今できること・やりたいことをやった結果がこれだとしたら、それ相応の評価をしようと思う。勿論、これが本当に酷い作品だったらこっぴどく貶すけどさ。逆に中途半端に良い作品なもんだから(ヘヴィロック/メタルの範疇で言えばね)、言葉に詰まる場面もあるんだよな。

 ホント、METALLICAが「St.Anger」出したときみたいな変化があったなら、賛否大きく分かれていろいろ書きようがあるんだろうけど……でも好きですよ、これはこれで。つーか40代半ば〜後半のオヤジがいまだにこういうサウンドを続けてること時代が奇跡的だと思うし、そこは賞賛すべきだと思う。ライブじゃテンション保ったまま "Angel Of Death" やら "Chemical Warfare" をいまだに演奏してるんだから。

 あ、そういえば俺、SLAYERのライブってもう10年以上観てなかったんだ。初来日とボスタフでの初来日時のみか……今回は「LOUD PARK 06」と翌日の新木場STUDIO COASTで2夜連続で観ることになるわけですが……ワクワクして眠れない夜が続きそうです!



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投稿: 2006 10 12 06:30 午後 [2006年の作品, LOUD PARK, Slayer] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/10/04

MASTODON『BLOOD MOUNTAIN』(2006)

 間もなく「LOUD PARK 06」でも来日するアメリカのバンド、MASTODONのメジャー移籍1作目「BLOOD MOUNTAIN」は、メタル周辺のさまざまなジャンルを飲み込んだ、それでいて1本筋の通ったもの凄いエクストリームな作品に仕上がっております。

 いわゆるハードコア寄りのメタル/ハードロックにスラッジの要素を加えたり、さらにプログレッシヴな演奏パートを導入することで他の同系統バンドとは一線を画する独自性を生み出していたり。それがこのバンドの魅力みたいに言われていますが……うん、確かにそうなんだけどさ、俺は前作「LEVIATHAN」を聴いたときに、例えばCORROSION OF CONFORMITY辺りとの共通点がたくさん見受けられるバンドだなぁと認識してたのね。引きずるようなリズムセクションに、テクニカルな演奏。そしてところどころに見え隠れするハードコアからの影響(ま、C.O.C.の場合はもともとハードコアの流れにあるバンドだけどさ)、そしてBLACK SABBATH……そういうポイント同士で俺の中では繋がっていた2組なわけ。

 でも、このニューアルバムでさらに数歩先に行った感が強いなぁ、MASTODON。C.O.C.が良くも悪くも現状を維持してるイメージが強い分、まだアルバム3枚目というMASTODONはより前進してるし成長している。ハードコアな要素は若干後退したものの、プログレッシヴロック的な(特定のバンド名を敢えて出すなら、RUSH辺り?)側面をさらに強く打ち出してるように感じられる。強力な曲はより強力に、重い曲はより重く。そしてどの曲にもテクニカルなプレイが次々と登場する。なんじゃこりゃ?

 がなっているようで、でもしっかり歌ってる。曲調のせいか、時々オジー・オズボーンが思い浮かんじゃうんだけど、それはこのタイプのバンドの宿命なんでしょうね。それを差し引いても、もの凄いアルバムだと思いますよ。決してクールでスマートなタイプのサウンドではないし、目新しくもないんだけど、でも2006年的なサウンドだなぁと感じさせてしまう説得力がここにはある。アルバムでここまでやるんだから、ライブはもっとすごいんだろうなぁ……そう感じずにはいられないアルバムですね、これは。

 昨日のTRIVIUMのレビューで「これが2006年におけるヘヴィメタルの在り方」と書いたけど、このMASTODONの方向性・音楽性というのも、もうひとつの2006年におけるヘヴィメタルの在り方なのかな、という気がします。まぁともに決して目新しいサウンドではないんだけど、過去の歴史に対する敬意を表しつつ、今を生きてるみたいな。そういう意識が強く感じられます。



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投稿: 2006 10 04 09:30 午前 [2006年の作品, LOUD PARK, Mastodon] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2006/10/03

TRIVIUM『THE CRUSADE』(2006)

 前作「ASCENDANCY」からたったの1年半で届けられた、TRIVIUMの3rdアルバム「THE CRUSADE」は噂どおりにスゴいことになってました。いやぁ、俺の想定していた成長の度合いを遥かに超えた、もの凄いヘヴィメタルアルバムを作っちゃったなぁ……マット・ヒーフィーってまだ20歳そこそこだよね?(汗)「好きこそものの上手なれ」なんて言葉のとおり、やっぱり若い子は飲み込みも早いし、それを用いて成果を出すのも早い……ま、彼の場合は才能の問題だと思いますが。

 バンドとしてもこの2年近くで相当な数のライブをこなしたはずで、それが良い方向に機能したのかな。実際に曲を書く時間はほとんどなかったようで、全部前回のツアー中に書いたみたいだけど(BULLET FOR MY VALENTINEも同じようなこと言ってたな。1stで売れちゃうとそういうことになるわけか)、その割にかなり……いや、相当良い曲が出来上がってると思います。

 ハッキリ言っちゃえば、ここには「M.A.メタル」も「メタルコア」も「スクリーモ」も存在しません。あるのはただひとつ、「ヘヴィメタル」のみ。そう、これこそ純粋な、2006年におけるヘヴィメタルの在り方なんじゃないかな、と思うわけです。もちろんいろんなバンドがいていいし、いろんなサウンドがあるから音楽って面白いんだけど、我々が忘れかけていた何かを一瞬にして思い出させてくれるのがこのアルバム「THE CRUSADE」なんじゃないか、と。そう信じたいわけです。

 ボーカルはスクリームやデス声を極力抑え、歌メロを重視した歌唱がメインになってます。その点においてこれまでのファンからは賛否分かれるかもしれません。曲もモダンな要素は若干後退し、かなり古めかしい、それこそ'80年代的なサウンドを彷彿させる瞬間が何度も登場します。でも頭2曲を聴いた時点で、俺は思いっきりガッツポーズを取ってたけどね。俺はスクリームがなくなったことで嘆くよりも、こういう音楽を素直にカッコいい、彼らがこれをやることに意味があると信じてます。

 前作をよくMETALLICAの「MASTER OF PUPPETS」と比較する声があったけど(実際彼らは今年、ケラングの付録のために "Master Of Puppets" をカバーしてたけどね)、それじゃあこの新作はどうなるのよ……と考えたところで、実は俺は今回、「RIDE THE LIGHTNING」を作ってしまったんじゃないか?なんて思う瞬間があってね。決して後退ではなく、良い意味でね。より深いルーツを探っていった結果、そこにたどり着いたのかなぁ……なんて思うんだけど、きっと俺だけだろうね、そう思うのは。

 いやぁ、とにかく名盤。今年の10枚への選出決定ですわ。



▼TRIVIUM「THE CRUSADE」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 10 03 07:19 午後 [2006年の作品, Trivium] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2006/10/01

ソウル・フラワー・ユニオン『GHOST HITS 00-06』(2006)

 久しぶりにソウル・フラワー・ユニオンのワンマンライブに行ってきました。丁度9月後半に3枚目のベストアルバム「GHOST HITS 00-06」がリリースされ、それに伴う全国ツアーだったんですが……内容はどちらかというと「これからのSFU」を強く印象づけた、素晴らしいものでした。

 いわゆる「インディーズ落ち」してからのナンバーを中心に収録した今回のベスト盤。"アンチェインのテーマ" 以外は名盤「SCREWBALL COMEDY」から昨年発表されたオリジナルアルバム「ロロサエ・モナムール」までの作品からライブでも人気のナンバーを中心に、ミックス違いやテイク違いなどを含む全17曲が収録されています。今回のライブでもこのアルバムから半数近くのナンバーが演奏されました。が……彼らはベスト盤ツアーといいながらも、すでに5〜6曲の新曲を用意していて、この日のライブは正直それらの新曲が中心になっていたといってもいいほど、強烈な印象を放ってました。

 俺は初めて「SCREWBALL COMEDY」を聴いたとき、それまでのソウルフラワーと比較すると非常にシンプルな……語弊があるかもしれないけど、ニューエスト・モデル時代の匂いがプンプンするなぁと思ったんですよ。実際、ほぼ全曲が中川敬による楽曲でしたしね。その後、片腕だった伊丹英子が結婚〜出産〜アイルランドへの移住などがあり活動から離脱状態に陥ったことから、ほぼ中川ひとりによるバンドになってしまった印象が強まって(もちろん、他のメンバーありきですよ、ソウルフラワーは。ここでは楽曲に命を吹き込むという意味でこういう書き方をしています)。それと同時に発表される新曲は、さらにシンプルでストレートな方向へと移行していき、「シャローム・サラーム」で聴くことができた新曲は完全に「歌もの」と呼んでも差し支えないナンバーばかりだったと思います。

 '90年代の彼らはいろいろなジャンルの音楽スタイルを飲み込み、ソウルフラワーならではの特別な音楽を作り出そうと試行錯誤の繰り返しだったのかな。だから一時はファンやメディアが彼らを見放そうとした(そして、俺もそのひとりだった)。だけどライブアルバム「High Tide And Moonlight Bash」で流れが変わったな、と。そして「SCREWBALL COMEDY」……インディーズに移ったことでメジャー時代よりも動きやすくなったというのもあるのかもしれないけど、とにかく2000年前後……もっといえば、2001年の「9・11」以降、彼らの中で何かが変わったのは事実なんでしょうね。

 つまりこのベストアルバムは、そういったソウルフラワーの変化の歴史をこれまで以上に端的に表した1枚なんじゃないかな、と個人的には思ってます。充実ぶりは過去2枚以上だと思うし、ライブ映えする楽曲ばかり。フェスやイベントで一度は耳にしたことがあるナンバーがズラーッと並んでいるので、聴いていて安心感が強い。これからソウルフラワーを聴いてみようという人はぜひこのアルバムと前のベスト「GHOST HITS 95-99」を聴いてみるといいんじゃないかな?

 今回のツアーで聴くことができる新曲は、これまで以上に歌っている楽曲が多く、歌詞もいろんなタイプがあったし、また音楽的にも新境地を感じされるものもありました。これまでのベスト盤2枚は何となくレコード会社主導で作っちゃいました的な印象が強かったけど、今回は充実した7年間の活動の軌跡をディスク1枚じゃ足りないのに無理矢理詰め込んだ感が強い、とても強力な内容に仕上がってます。ライブでは中川がしきりに「もっと売れると思って満を持して発表したのに……」と淋しそうにコメントしていたのが印象的でした。ソウルフラワーといえば、夏フェス。今年はあまり夏フェスに出ていたという印象がなかっただけに、ちょっとタイミング的に悪かったかなぁという気もするけど、今からでも遅くないのでぜひ一度手に取ってみてくださいな。

 ていうかさ、上にリンク貼ったようなアルバムは全部名盤なので、まだ聴いたことのないという人はとにかく聴いておくように。日本の、オリジナリティ溢れるロックバンドの名盤を聴き逃しているなんて、なんて勿体ない人生を送っているんですか!



▼ソウル・フラワー・ユニオン「GHOST HITS 00-06」(amazon:日本盤DVD付日本盤

投稿: 2006 10 01 05:59 午後 [2006年のライブ, 2006年の作品, Soul Flower Union] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/30

EVANESCENCE『THE OPEN DOOR』(2006)

 1stアルバム「FALLEN」から3年半という時間が経ってしまったことにも驚きだけど、前作で大半の楽曲を手がけたベン・ムーディが脱退したにもかかわらずここまで前作からステップアップした作品を生み出せたのは、さすがだなぁと思います。そんなEVANESCENCE、現在はバンドという形を取っているようですが(いや、少なくともデビュー作の時点でもそういう触れ込みだったけど、現実的にはエイミーとベンの2人がメインだったよね)、今回も表ジャケットにはエイミーの姿のみ。これがバンドのコンセプトだと言ってしまえばそれまでですが、やはりエイミーさえいれば成り立つのが今のEVANESCENCEかな、という気が。

 ま、そんなことはどうでもいいんですよ……曲が良ければ。正直に書くと、最初先行シングルの "Call Me When You're Sober" を聴いたときは「あぁ、やっぱり前作は超えられないか。そりゃ曲書いた人間がいないし、前の焼き直し&水増しバージョンになってもしゃーないわな」と落胆したんです。悪くない、悪くないけど取り立てて素晴らしいとも言えない。そんな微妙な曲だなぁと。だけどアルバムを通して聴くまではその気持ちを押し殺して、とにかく全部聴いてみようと思ったわけ。

 で、ガーッと通して聴きました、アルバム。すでに何度となく聴き返してますが……いいんだよね、これ。個人的には前作よりも好き。前作はいわゆる「ゴシックなラウドロック」という枠に当てはめたかのような……まぁ産業ロック臭がプンプンしてて、人によってはまったく受け入れられなかったんじゃないかな。ところが今回はライブで聴くことができるようなヘヴィさが前面に押し出されて、それでいて全体としてのバランス感が優れている。いわゆる「トータルコンセプトのしっかりした」アルバムとして仕上がってるわけ。流れも良いし、とにかく聴き入ってしまうアルバムなんだよね。ただ、その分「これ!」という決めの1曲がないのも確か。"Bring Me To Life" や "Going Under"、"My Immortal" のような突出した出来の楽曲がね……"Call Me When You're Sober" は正直そこまでのナンバーだとは思わないし。だけどアルバムとしての出来は、前作以上の内容だと思うんだよね、不思議だね。

 彼ら(というか彼女)がこの2ndアルバムを「アルバム・オリエンテッド」に仕上げようとしたのかどうかはわからない。もしかしたらこれでも「全曲シングルとして切れる傑作」のつもりなのかもしれない。でも、残念ながら俺にとってはそういう作品ではなくて、アルバムでがっつり楽しむ作品集だなぁと。受け取り方は聴き手それぞれだから別にいいんだろうけどさ。俺は好きよ、想像してた以上の出来だったし。

 昨今、この手の「ゴスの要素が強いラウドロック」は腐るほどあるし、決してEVANESCENCEがその元祖ではないけど、やはりブレイクのきっかけをつくった先駆者としての意地を見せつけられた気がします。これはまたバカ売れするのかもね、アメリカで。だって前作以上に「アメリカの音」だもんね?



▼EVANESCENCE「THE OPEN DOOR」(amazon:US盤日本盤DVD付日本盤

投稿: 2006 09 30 12:10 午前 [2006年の作品, Evanescence] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/29

AUDIOSLAVE『REVELATIONS』(2006)

 前作「OUT OF EXILE」から1年3ヶ月で届いちゃった、AUDIOSLAVEの3枚目「REVALATIONS」。バンドの状態がすこぶる良い状態だからこそ、この短期間で仕上げちゃったんだろうね。実際、前作に伴うツアーもそんなに長いことやらず、ちゃっちゃと切り上げてこの作品に向かっていったようだし。その充実ぶりが伺える、前作以上にバラエティ豊かな傑作に仕上がっていると思います。

 このバンドの良さは、RAGE AGAINST THE MACHINEが単に「歌える」シンガーを手に入れたというだけではなく、「歌えるシンガーを手に入れたから、オーソドックスなハードロックをプレイする」というところにあると思うんですが、今回はそこにファンキーさが強調され(例えば5曲目の "Original Fire" なんてまさにそれだよね)、ポップなナンバー(例えば "Until We Fall" 辺りの楽曲)も増えている。尖り具合は残念ながらアルバムを重ねる毎に弱くなってるんだけど、このバンドの場合はそれでいいんだろうね。正直まだライブを実際に観ていないんで、現在どういうステージを繰り広げているのかわからないけど(とっととライブDVD観ようよ俺)、なんだか2ndからこのアルバムを続けて聴いたらこれでいいような気がしてきた。

 クリス・コーネルは今や新007の主題歌を担当するようなアメリカを代表するシンガーにまで登り詰めてしまっているし、ギターのトム・モレロは政治的な活動は別ユニットでやっているし、いろんな意味で現在バランスが良くて、完全に攻めの状況にあるんだろうなぁ。それがしっかりアルバムで形にできているんだから、やっぱりすごいわ。

 楽曲に関しては個人的にはまったく問題なし。ただ、ギター……正直に書くと、いくら何でもリフが単調すぎるんじゃないかな?という気も。もうちょっと派手に弾きまくってもいいと思うんだけどなぁ。その辺はボーカルとのバランスを取ってのことなんだろうけど……宝の持ち腐れな気がする。1曲くらい手数の多いソロとかメチャメチャ決めまくりのリフ(簡単に真似できないようなやつね)があってもいいよね。そこだけが勿体ないかな。ところどころに過去のモレロ節を感じさせるプレイは挿入されているし、グルーヴィーなリフプレイは相変わらずなんだけどさ。

 ま、最後に今後への課題を書いてみたけど(って偉そうなw)、それは俺がこのバンドを本当に好きで「ずっとこのまま続いてほしい」と思っているからこその苦言なんだけどね。だって、誰もがこのバンド、アルバム1枚で終わると思ってたんじゃないの??



▼AUDIOSLAVE「REVELATIONS」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 09 29 08:18 午後 [2006年の作品, Audioslave, Rage Against The Machine, Soundgarden] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/28

LILY ALLEN『ALRIGHT, STILL』(2006)

 今日、ちょっと仕事絡みで彼女の原稿を書くことになり、ふとiPodに音源が入っていることを思い出して聴き返してみました。って今まさに聴いてる最中なんだけどさ。

 いやー、想像してた以上に良かった。いわゆるポップスの範疇に入るサウンドなんだろうけど、とにかくバラエティ豊か。パンキッシュなイメージもあり、スカだったりレゲエだったりダンスホールだったりヒップホップだったり古き良き時代のポップスだったり。そういった雑多なジャンルがすべて詰め込まれてるんだけど、全然とっ散らかってない。現在21歳らしいんだけど、ちょっと驚きだわな。

 海外ではMySpaceでいち早く彼女の曲がアップされていって、そこで大きな話題を集めたらしいんだけど、それも納得ですわな。マドンナのことをどうこう発言したりとか、歌詞がかなりイケイケ(死語)だったりと何かと話題の尽きない感もあるけど、単なるお騒がせ娘ってわけでもなさそうだわ。

 あと、いたるところでTHE STREETSとの比較があるようだけど(同じイギリスを中心に活躍するアーティストだからか)、うーん、なるほどなぁと。完全に納得したわけじゃないけど、それも一理あるな、と。もちろん、どっちが上とか言う気はさらさらないし、どっちの方が好きというのも俺はない。両方それぞれに個性的で、それぞれの良さがあるからね。けど単純に自分の趣味の話で選べば、俺はリリー・アレンのサウンドの方が好み。ただそれだけ。

 いよいよ日本でも来週10月4日にリリースとなるこのアルバム。イギリス同様大ヒットが期待できそうだけど……すべてはプロモーションにかかってるわけですね。いろんなところからこのアーティストをプッシュしようという動きが見られますが、日本ではどういう売り方をするんでしょうねぇ。単にルックすだけじゃない、しっかりしたアーティストだけに気になるところです。

 ところで……オフィシャルサイトにある写真を観たら、普通の子なのでビビった。全然ジャケのイメージと違うじゃんか! 詐欺だ!!w



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投稿: 2006 09 28 04:33 午後 [2006年の作品, Lily Allen] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/27

The DUST'N'BONEZ『ROCK'N'ROLL CIRCUS』(2006)

 ZIGGYの森重樹一、元ZIGGYの戸城憲夫が中心となり2004年に結成されたバンド「The DUST'N'BONEZ」。何度も書くけど、「それって'90年代前半のZIGGYとどう違うの?」という疑問がふつふつと沸き上がってくるわけですが……そう、違うんですよ。正直な話、今のZIGGYにはない『毒』がタップリ詰まってる。今のZIGGYが決して悪いわけではない、だけど……森重ひとりがメインソングライターとして右往左往する今のZIGGYとは違って、やはり戸城の書く曲にはこの要素が色濃く表れてるわけです。

 1stアルバム「FLAME SKULL BASTARDS」が発表されたのが、2004年11月。あれから2年が経ち、当初インディーズからのリリースだった彼らがついにメジャーから2ndアルバムを発表することに……ってZIGGYや森重ソロと同じレーベルからなんだけど。ZIGGY自体は昨年1月の「JUST A ROCKIN'NITE」以来新曲のリリースはないし、活動自体が昨年9月のライブを最後に休止中なんだけどね。なのに2006年はSIONと森重とのユニットや、森重&松尾による「THE PRODIGAL SONS」、勿論森重ソロツアーもあったりしたので、それなりに……いや、相当忙しい1年だったはずなんだよね。そんな中、満を持してのダスボン2ndアルバム。そりゃ期待しますよ。

 結果としては、まったく申し分のない出来といいましょうか、さらにグレードアップしてるんだよね。今回は全曲戸城楽曲、森重は作詞のみ。1曲だけ昨年コラボした経験のあるMCUが参加した "TRICKSTER" ではラップの他に作詞で共作してます。このナンバー、楽曲自体は典型的なロックチューンで、中盤の間奏パートでMCUのラップが入るんだけど、全然違和感なくフィットしてる。最初はどうなの?と心配したけど(ZIGGYでならアリかもしれないけど、ダスボンはどうかなぁ?という疑問があったもので)、要らぬ心配でした。

 1stはデビュー作ということで、ひたすら突っ走る印象が強かった彼ら。それがあのアルバムの魅力だったんだけど、今作ではもっと楽曲的にバラエティに富んだ内容に仕上がってます。冒頭の4曲の流れで圧倒され、ミドルチューンやピアノを導入したナンバーも飛び出す。前作にないタイプのハードロックチューンも多いし、聴き所満載。'80年代的な色を強く放っていたグラマラスな前作よりも、ちょっと零度バックしたナンバーが増えてるように感じられたけど、それは俺だけ? いや、単に自分の好みにドンドン近づいているんで嬉しいだけなんですが。

 ドラムにしろギターにしろ、非常に「わかって」やってるのが嬉しいし、何よりも森重&戸城の本気具合がこれまで以上なのが最高に嬉しい。しかし、こんなアルバムをメジャーで出そうとするレコード会社もレコード会社だし、作るバンドもバンドだよな!(最高の賛辞)こんなハードロックアルバム、もう日本のメジャーではほとんど聴くことができないしな。

 いやー、10月の全国ツアーが楽しみだわ。



▼The DUST'N'BONEZ『ROCK'N'ROLL CIRCUS』
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投稿: 2006 09 27 12:10 午前 [2006年の作品, DUST'N'BONEZ, THE, ZIGGY] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/26

GINGER『VALOR DEL CORAZON』(2006)

 本国イギリスでは今年初頭(限定盤は2005年末だっけ?)にリリース済み、日本では10月の来日決定にあわせて7月にようやく発表されたジンジャー(THE WiLDHEARTS)の「純粋な」初ソロアルバム。タイトルの「VALOR DEL CORAZON」というのは、日本語に訳すと「強い心」とかいう意味らしく……その経緯については、昨年前半のこのブログのワイハー関連の記事を読んでいただけるとご理解いただけるかと。まぁ今更その経緯に触れることはここではしません。今回は「あれ」以降について……純粋にこのアルバムについて話したいと思います。

 本人も語っているように、このアルバムはこれまでみたいにジンジャーというアーティストのある一面だけにスポットを当てた作品ではなく、彼のいろんな要素……それこそロックンロールやメタル、パワーポップだけでなく、カントリーやブルース、'70〜'80年代のポップスだったり。そういった彼のルーツ的なものがこれまで以上に表出しているのが、このアルバムと言えるんじゃないかな。実際2枚組19曲(日本盤は3曲のボーナストラックを追加)を通して聴くと、そのとっ散らかり具合のせいで作品としてのトータル性が希薄な気がするし。それは聴き手によっては「完成度が低い」とか「バランスが悪い」と解釈される可能性も強い。でも俺はそういう風には感じられなくて……ま、ソロとしては「前作」の「A BREAK IN THE WEATHER」もどちらかというと「とっ散らかってる」印象が強かったけど、あちらの方がまだ「THE WiLDHEARTSのジンジャー」という色合いが強調されてるよね。実際、ワイハーやりながら録音した音源だし。あと、もともとがシングルとしてバラバラの時期に録音されたものをまとめたものだし、そのバラツキに関しては聴き手も納得してる部分もあったよね。でも今回は最初っから音楽的にバラバラな要素がひとまとめになってる。だから人によって「?」となる人もいるんでしょう。でもコアなファンはもともとジンジャーというソングライターにはこういう素質があることを知っていた/わかっていたから、そこまでの違和感を覚えないというね。まぁ言い方によっては、ファンが庇護してるようなもんなんだけどさ。

 正直なところ、これをワイハーでやってもらいたいとは思わない。みんなそうじゃない? ワイハーにはワイハーの色があるし、もっとハイパーなロックンロール(って表現もどうかと思うけど)をファンが求めてるだろうし。それと同じことをやるんだったら……それこそ今後二度とワイハーは必要ないということになりかねないし。このアルバムで聴けるようなロッキンでそれでいて甘いポップな面をさらに強調して、それでいてロックとはかけ離れたようなこともやっちゃうような……そんな一筋縄ではいかないひねくれたことをガンガンやってほしいな、と。ファンもそれを望んでいるし、ファンではない人にも「なんだこれ!?」と思われて、それでいて思わず手に取ってしまうような音楽を提供していってほしいしね。

 内容については、こんなもん? いや、ほとんど触れてないに等しいかな(苦笑)。あのね、俺は本当に特に文句いうところもないのよ。確かに曲もバラバラだけど、ひとつひとつは本当によくできていると思うし、「俺はこれが好きなのか否か?」と自問自答すれば、絶対に「好き!」と即答できるような曲ばかりだし。確かにワイハーで聴くことができるようなパンクチューンは皆無だけど、メロディセンスだったり楽曲のアレンジには「ジンジャーならでは」の色をしっかり見出すことができるしね。ギタープレイにしても、例えば "Bulb" でのギターソロに思わず唸ってしまったり、かと思えば "The Man Who Cheated Death" みたいな泣けるバラードもある。なんちゃってマッドチェスターな "G.T.T" の後に、これぞジンジャー!なパワーポップチューン "Yeah, Yeah, Yeah" があったり。ひとまず「これまで」の総まとめなのかな。

 早くも次のアルバムを準備中で、MySpaceでは出来たてホヤホヤの新曲 "Black Windows" の試聴が始まってる。次作は来年の前半には出そうだし、そういう意味では彼のクリエイティビティはまったく落ちてないってことなんでしょう。来週からスタートするGINGER AND THE SONIC CIRCUSのジャパンツアーではこの「VALOR DEL CORAZON」からのナンバーをガンガンやってくれるだろうし……要するに今、俺はすんげー楽しみなんだ!と言いたいわけ。もうアルバムの感想でもレビューでも何でもないんだけどさ。

P.S.
このアルバムの日本盤にはSILVER GINGER 5の "Sonic Shake"、REPLACEMENTSの "Answering Machine"、デヴィッド・ボウイの "Boys Keep Swinging" のカバーが収録されているそうです。俺はUK盤を買ってしまっていて、実はまだ日本盤は買ってないのです。これはマズい……今回の来日を機に、こちらも購入しておきます。実際日本盤はUK盤よりもグンと安いしね。



▼GINGER「VALOR DEL CORAZON」(amazon:UK盤日本盤

投稿: 2006 09 26 07:53 午前 [2006年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/25

HATEBREED『SUPREMACY』(2006)

 前作「THE RISE OF BRUTALITY」から約3年ぶりの新作「SUPREMACY」を発表したHATEBREED。メタルというよりもハードコアの範疇で語られることの多い彼らですが、実際にその精神性もメタルよりハードコアのそれに近いようです。だからといって彼らがメタルを敬遠しているわけではなく、ただ単に「ヘヴィロック」としてハードコアやパンク、メタルといったジャンルを捉えている、というのが一番違いみたいですね。実際、彼らのファンの中にはSLAYERも好き、SLIPKNOTも好きという人も多いでしょうし。ヘヴィでひたすらカッコいいバンドという認識でいいんじゃないかな。

 一時はメジャーの「Universal」から作品を発表していた彼らは、どうにもそれが肌に合わなかったらしく、今回は全世界で「Roadrunner Records」からの配給となります(前作はアメリカのみ「Universal」)。ま、メジャーだろうがインディだろうが、彼らのスタイルやサウンドはそう簡単には変わらないけどね。

 とにかく、ひたすらカッコいい。確かにSLAYER辺りが好きな子も気に入る疾走チューンから、ヘヴィでグルーヴィーなナンバーまで、頭からケツまでヘヴィサウンドがタップリ詰まった1枚。リフの切れ味は抜群だし、その辺のヤワなメタルコアバンドなんかと比較したら、本気で殴られそうなくらいに強力なサウンド。今回からギタリストがもう1人加入して5人編成になったというのも大きく作用してるのかな(それはライブに色濃く表れるんでしょうな。とはいっても、初期は5人編成だったのか)。決してメロウではないし、ポップなんかじゃない。でも単なるハードコアでも終わっていない。確かにメタルの要素も強いし、曲調も意外と幅広かったりする(あくまで、この手のジャンルの中では、という意味でね)。Kのアルバムが全米トップ30入りする理由も何となく理解できるし、彼らがイマドキの若い子たちから絶対的な支持を受けるのも頷ける。だって、本当にカッコいいもの。もう、それ以上でもそれ以下でもない。

 過去にも「BEAST FEAST」や「EXTREME THE DOJO」でメタル/ハードコアの連中とともに来日経験のあるHATEBREED。今回は日本最大のラウドロックの祭典「LOUD PARK 06」での再来日となります。UNEARTHとKILLSWITCH ENGAGEという旬のメタルコア・バンドに挟まれての登場となるわけですが、ベテランとしてどのように気を吐くのか注目しておきたいと思います。いやー楽しみ楽しみ。



▼HATEBREED「SUPREMACY」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 09 25 12:10 午前 [2006年の作品, Hatebreed, LOUD PARK] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/24

UNEARTH『III : IN THE EYES OF FIRE』(2006)

 彼らも「MAメタル」に含まれるんでしょうか……アメリカ・マサチューセッツ州出身の5人組、UNEARTHの3作目「III : IN THE EYES OF FIRE」は、とにかく素晴らしいアルバムです。俺、8月に買ったことをすっかり忘れていて、ずーっと2nd「THE ONCOMING STORM」の印象で彼らのことを語ってたんだよね、周りに。正直、そこまで印象に残らなくて……だから友人に「UNEARTH(の3rd)聴いた?」と聞かれたら、この2ndの印象で返しちゃってて。本当、ゴメンね。

 で、この3rdですよ。他のマサチューセッツのバンド……SHADOWS FALLやKILLSWITCH ENGAGEと比較すると、よりコア色が強いように思います。そしてスラッシュ度も高い。そういう意味では一線を画する存在なのかな。でも、所々にハモリのツインリードとか北欧っぽい色合いが見え隠れしていて、その辺はやっぱりイマドキのバンドなんだなぁと思わされますね。

 いやぁ〜、本気でカッコいいアルバム。先日このアルバムからのPV(2曲目の "Giles")も観たんだけど、カッコよかったなぁ、すべてが。佇まいだったり演奏シーンだったり、'80年代のスラッシュバンドってこんな感じだったよなぁって。非常に一本気なところが好印象なわけですよ、彼らの場合。

 そういう気持ちで改めて2ndを聴き返したんだけど……あれ、意外と良いじゃん、これ(笑)。いやぁ、聴くタイミングが悪かったのか、俺がちゃんと聴き込んでなかっただけなのか。いやいや、素晴らしいですよ(えーっ)。こうやって聴くと、2ndから3rdって、ちゃんと一本筋が通っていて、そして成長の度合いもかなり高く感じられる。ものすごい勢いで成長してるのが手に取るようにわかりますね。

 あとさ、いわゆるメタルコアのバンドと違って、メロウな方向……いわゆる「クリーントーン・ボイス」に逃げない辺りも男らしい。どっちが良い・悪いの問題じゃなく、それぞれの個性だったり、合う・合わないという方向性の問題だから、彼らの場合はこれで良いのよ。この高速スラッシュチューンはがなりまくってくれた方が味わい深いし、カッコいい。下手に「わかりやすい」方向に行かないでほしいなぁ。

 いやいや、こりゃマジで「LOUD PARK 06」が楽しみになってきますね。もしかしたら今回の出演者の中で、一番の注目株かもしれませんね。特に'80年代通過組、元スラッシャーの方々はチェックしておいた方が良いかもよ?



▼UNEARTH「III : IN THE EYES OF FIRE」(amazon:US限定盤US盤日本限定盤日本盤

投稿: 2006 09 24 12:10 午前 [2006年の作品, LOUD PARK, Unearth] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/23

ANTHEM『IMMORTAL』(2006)

 ANTHEM通算11作目、再結成後4作目となる「IMMORTAL」。そうか、復活してから現メンバーでのアルバムもこれで4枚目、そして5年以上経つわけか。前作「ETERNAL WARRIOR」で行き着くところまで行ったなぁという気がしたんだけど、あれから2年。まだまだ行けますよ、このオッサンたちは。

 いわゆる'80年代のジャパメタ全盛期。俺はLOUDNESSよりもVOW WOWの方が好きだったし、もっと言えばANTHEMが一番好きだったのね。しかも坂本英三時代の3枚が本当に大好きで(いや、森川時代も素晴らしかったけど)。でも周りにはANTHEMファンは一切おらず、みんなLOUDNESSだ、EARTHSHAKERだ、とメジャーな方に興味を示して。もちろんANTHEMもメジャーバンドだったんだけどさ。

 '90年代のメタル不遇の時代、俺はLOUDNESSに参加した柴田も観てるし、練馬マッチョマンやANIMETALの坂本も観てるのね。そりゃ複雑な心境だったよ。でも、それから5年後にまさかまたこのふたりが一緒にバンドを組む、しかもANTHEMという形で復活するとは思いもしなかったんだけどさ。

 ま、そんな思い出話はどうでもいいや。このアルバムの話だよね。

 いろんなところで「1stから数えて、これこそ最高傑作!」なんていう声を耳にするけど、それも納得の完成度。前作で感じられた新たな要素も感じさせつつ、でもそれは単なる味付けでしかなく、全体を覆うのは暑苦しいまでのメタルサウンド。いくらオリジナルメンバーでLOUDNESSが復活しようが、いくらEARTHSHAKERが地道に活躍しようが、今のANTHEMには太刀打ちできないと思う。それくらいの気合いと熱量が毎回アルバムから感じられるし。その限界ギリギリさを強く意識させたのが、前作だったんだけど、あれから2年経って発表されたこの「IMMORTAL」はさらにその上を行ってるんだわ。柴田の書く曲も、坂本のボーカルも、清水のギターも、本間のドラムも過去最高の緊張感を保ってるし、最初から最後までその緊張の糸が切れない。1曲目 "IMMORTAL BIND" からインスト "INSOMNIA" までの7曲のテンションはハンパないし、続く8曲目 "UNKNOWN WORLD" からラスト "ROAD TO NOWHERE" で再び登り詰めてく感じはとにかく圧巻。ここまで「普通の」ヘヴィメタルを、説得力を持って演奏できるのはもはや日本じゃ彼らだけなんじゃないか……淋しいけどそんな気さえさせる、強力な1枚です。

 ホント、彼らみたいなバンドこそ「LOUD PARK 06」に出演すべきだと思うんだけどなぁ。日本を代表する「現役感を常に持った」ヘヴィメタルバンドはLOUDNESSじゃないよ、ANTHEMだよ。それか、IRON MAIDENと対バンライブやってほしい。

 奇しくも同じ時期に、IRON MAIDENとANTHEMが新作を発表。ともに過去と未来をしっかり見据えた内容だけに、今後もガキどもに負けずにメタルしまくってほしいです、はい。



▼ANTHEM「IMMORTAL」(amazon:日本盤

投稿: 2006 09 23 12:10 午前 [2006年の作品, ANTHEM] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/22

HELMET『MONOCHROME』(2006)

 ペイジ・ハミルトン率いるHELMETの、再結成第2弾アルバム「MONOCHROME」が7月にアメリカで発売になりました。復帰1作目「SIZE MATTERS」は解散前と同じく「Interscope」からのリリースでしたが、さすがに売れなかったためか(アメリカで最高位120位だったそうな)今回から「Warcon Records」というインディレーベルからの発表となります。

 またメジャー→インディという変化のみならず、前作に参加していた凄腕ドラマー、ジョン・テンペスタも脱退。さらに前作レコーディング後に加入したフランク・ベロ(当時ANTHRAXを脱退したばかり)までもがANTHRAX再加入のために脱退。結局ペイジとクリス・トレイナーの2人になってしまったのでした。が、新たにマイク・ジョスト(Dr)が加わり、クリスがベースを弾く形でトリオ編成でレコーディング。後に新ベーシストも加入し、現在は4人編成で活動しているようです。実際、このアルバムを発表後に、かの「Warped Tour」にヘッドライナーとして参加しています。

 さて、肝心の内容ですが……一応「原点回帰」と謳われているようですね。原点、つまりアルバムでいうと1st「STRAP IT ON」や2nd「MEANTIME」辺りを思い浮かべるわけですが、実際にその辺に狙いを絞って作られているようです。が、実際に出来上がった作品は、どちらかというと前作やその前の「AFTERTASTE」に近いノリかな、と。最初聴いたときは前作以上に肩すかしを食らったような気がしたけど、2曲目、3曲目と進むうちに「……あれ、これ意外といいじゃん。」って感じられて、7曲目の "Gone"(これが先行シングル)で「うぉーっ、これこれ!これがHELMETよ!」と小さくガッツポーズを取るという。9曲目 "Howl" みたいなギターインスト(変態ノイズともいう)を挟みつつ登場する "410" とか、とにかくヘヴィなHELMETという意味では目的を達成できてるかな、と。

 まぁ今更初期の名盤と比較するのも間違いなのかもしれないけど……一度「BETTY」や「AFTERTASTE」のようなアルバムを通過してしまったらね、同じものを作ろうと思っても決して同じにはならないわけで。勿論成長だったり時間の経過だったりメンバーが当時とは違うという要素も大きいけどさ。でもね、どうせなら前進してほしいじゃないの、ねぇ?

 もはや彼らに「時代の牽引者」になってほしいとは思わないし、新しいことにチャレンジしてもらいたいとも思わない。ただ、過去の名声に頼ることなく、好きなことを好き放題さってくれれば、俺はそれでいいよ。ペイジ・ハミルトンが曲書いて歌っていれば、間違いなくそれは「HELMET」なんだということが、この新作で再確認できたわけだからさ。

 俺は好きよ、このアルバム。前作以上に聴き込みそうだね。前作のレビューでも書いたけど、とにかく早くライブ観せろや!ってことですよ(むしろあれから2年経っても実現してないっていうのがおかしい!!)。



▼HELMET「MONOCHROME」(amazon:US盤UK盤

投稿: 2006 09 22 12:10 午前 [2006年の作品, Helmet] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/21

浅井健一『Johnny Hell』(2006)

 正直に言えば、俺はBLANKEY JET CITY解散後のベンジーにはあんまり興味がなかったのね。SHARBETSもJUDEも。いや、JUDEは最初だけちょっと「おおっ!?」って思ったけど、その後は……要するに「それやるんなら、別にブランキーでもいいじゃん?」っていう意地悪な見方しかできないファンだったのよ。いや、ファンというのは語弊があるな。ブランキー時代も後期はほとんどライブ観てなかったし。

 だからJUDEのアルバムも、最初の頃しか聴いてなくて。その後シングルとかリリースされれば、有線とかでたまに流れるのを聴いて「あ、これが新曲なんだ」ってスルーする程度。ホント、ぜんぜん興味が失せてしまっていたというか……

 そんなベンジーがいきなり、JUDEではなく「浅井健一」としてソロ活動を行うことを発表。考えてみれば、JUDEの最初のシングル「DEVIL」だって浅井健一名義だったよね? だから今回だって、メンバーが固定したらまたバンド名付けて定期的にライブやったりアルバム出したりするんでしょ?みたいな意地悪な見方(以下エンドレス)

 要するに、ここ数年の彼の生み出す楽曲に、まったくピンとこなかったというのが真相。はい、それ以上でもそれ以下でもないです。

 ところが、ソロ1発目のシングル「危険すぎる」を聴いて、考え方が変わった。いや、めっちゃカッコいいじゃんかこれ、って。照井利幸と茂木欣一が参加してるから、っていうのもあるのかもしれないけど、まず何よりも曲がカッコよかった。どこからどう聴いても俺が知ってるベンジーだったし、ちょっと上から目線で嫌だけど……戻ってきた感じが強く感じられて。それは続く2ndシングル「WAY」にしても同様で。

 そして、先月の早い時期に正真正銘のソロアルバム「Johnny Hell」を聴く機会を得て。しばらくはそのまま聴かないでいたんだけど、8月後半になってようやく聴いたら……1曲目のインスト "Super Tonga Party " で完全にノックアウト。続く "WAY" は……良いに決まってるよな! その後はお得意のロックンロールあり、スローナンバーあり、アコースティックあり、ストリングスを導入したヘヴィな超大作ありで、文字通り「浅井健一の集大成」的なアルバムに仕上がってるんだわ。もちろん、これがまとめって意味ではなくて、ある意味で次に進むために必要なセッションというか……そういう「今やれること/やりたいことを全部やった」という達成感みたいなものが強く感じ取れた気がします。

 これがブランキー時代に匹敵するとか、比較してどうとか言うつもりはまったくないです。あの一部がこの中にも入ってるとは思うけど、決して「ブランキーファンもこれ聴いたら気に入るよ!」とは言いません。だって、他人(他のブランキーファン)がどう感じるかなんて、俺の知ったこっちゃねーし、そんなもんわかるわけない。単純に、俺が気に入った。それだけのことですよ。

 このアルバムを聴いたら、俄然ライブが観たくなってきた。いや、だってこれらの楽曲がどう生で表現されるのか、すごい気になるし楽しみだもん。俺内の2006年度ベストアルバム候補のひとつだね。



▼浅井健一「Johnny Hell」(amazon:初回盤通常盤

投稿: 2006 09 21 12:10 午前 [2006年の作品, 浅井健一] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/20

IN FLAMES『COME CLARITY』(2006)

 北欧メロディック・デスメタル界の重鎮、IN FLAMESの8枚目のアルバム「COME CLARITY」はここ数作の集大成的内容に仕上がっています。初期の彼らはブルータルなデスメタルにIRON MAIDENやジャーマンメタルによくあるメロウなツインリードや、フックのあるソロを取り入れた独特な存在でした。が、ここ数作はボーカルがクリーンボイス(いわゆる「普通に歌う」歌唱法)を取り入れる比重が増したり、曲自体もより正統派メタルに近づいたこともあり、古くからのファンに敬遠されつつあったようです。俺も初期の数枚は聴いていて、ここ最近の作品はPVになったものをときどきテレビで目にするくらいだったんだけど、このアルバムは……スゴいと思います。

 現在のメロデスやメタルコアに強く影響を与えたバンドが、今やブームとなってしまったシーンの中でどう生き残るのか。正直な話、彼らはヨーロッパや日本では成功を収めているものの、ことアメリカに関してはまだまだといった印象が強く、ここらで先駆者として大きな成功を収めてほしいところなんですが……

 で、このアルバム。先に書いたようにここ数作のメロウ路線の集大成でありながら、初期の作風もちゃんと踏襲している。さすがに過去7作の集大成とまでは言わないけど、これは間違いなく「あの」IN FLAMESの現在形だと言い切れる1枚だと思います。1曲目の "Take This Life" でのブルータルぶりは初期の彼らに共通するものが多いし、正直ここまでやったのはここ数作ではなかったんじゃないの?ってくらいに暴れてる。その後、最近の作風に通ずるメロウな路線もあり、女性ボーカルをフィーチャーした楽曲もあり、さらにまたブルータルなナンバーも登場する。全体のバランスとしては非常に優れていて、間違いなくここ数年の彼らが好きな人は気に入るアルバムでしょう。と同時に、'90年代後半の彼らにも通ずるものがあるので(って当たり前じゃん、やってるのは同じバンドなんだし)、あの時代を愛した人たちにもきっと気に入ってもらえる1枚なんじゃないかなぁ、と思ってます。実際、俺はかなり気に入っているアルバムですよ。

 彼らはメタルコアと呼ぶにはちょっと違うと思うし、かといって今更メロデス云々でも括りたくないよなぁ……そう、彼らはこの10年間でより正統派ヘヴィメタルへと歩み寄っていったんじゃないかな。デスメタルやメロデスというのは確かにスタート地点ではあるんだけど、その狭い世界に収まるような器じゃなかったってことなんじゃないかな。もうそろそろ彼らを普通に「ヘヴィメタルバンド」と呼んでもいいような気がします。じゃないと、いろんな意味で辻褄が合わなくなりそうだもんね。

 そんなIN FLAMESも「LOUD PARK 06」での来日が決定。この名盤を引っ提げて、彼らは10年選手としてどれだけ気を吐くのか、大注目ですな。



▼IN FLAMES「COME CLARITY」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 09 20 12:10 午前 [2006年の作品, In Flames, LOUD PARK] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/18

THE WiLDHEARTS『GEORDIE IN WONDERLAND』(2006)

 これが最後になるのか、それとも復活への序章になるのか……なんにせよ、久しぶりの「THE WiLDHEARTS」名義のアルバム発表。現時点でのラストライブとなった2005年9月17日のステージを完全収録。フェス出演時のものなので時間自体は短いけど、それでも15曲。もともと彼らのライブはそこまで長いものでもないので、これくらいがほぼフルに近い感じかな。

 何よりもこの日のライブは、ベースのダニーが復帰という貴重な機会。編成はジンジャー、CJ、ダニー、そして後期ドラマーのリッチという4人。この編成は「EARTH VS THE WiLDHEARTS」リリース後のツアー以来かな。日本のファンがギリギリ観ることができなかった編成だよね。個人的には一番好みの編成かも。リッチのズッシリしたドラムが好きだからさ。

 正直に書いてしまうと、このライブ盤はそこまで褒めらるような内容でもないです。演奏のクオリティも高くないし、何よりも一昨年のツアー時よりも声が出てない。そして録音も悪い。曲によってはギタートラブルでギターの音が1本しか聞こえないものもある。生々しいという意味では最もライブ盤ぽいけど、これを最初に聴くことはないよ、初心者ワイハーファンのみんな。殆どのアルバムが廃盤だけど、中古でいくらでも良い録音・良いクオリティのライブ盤が聴けるはずだから。

 珍しい曲も一切ないしね。せいぜいアレか、リッチが叩く "Stormy In The North, Karma In The South" とか "Vanilla Radio" くらいか。特に "Stormy〜" はこれがライブアルバム初収録だから、そういう意味ではレア度が多少ある? そんなでもないか。

 まぁでも……スゴくファンがあたたかいんだよね、ダニーに対して。スタート前のダニーへのかけ声だったり、「Don't Worry About Me〜」の合唱だったり。これぞワイハーのライブっていう臨場感は確かに味わえるので、ファンはそれなりに満足するかも。大体、ジンジャーがこれらの楽曲をソロで歌うこともあんまりないわけで、そういう意味じゃこれは久しぶりにワイハーの楽曲を思いっきり堪能できる1枚なわけですよ。って自分で何書いてるかわかんなくなってきた(苦笑)。

 とにかく、アレだ。音は悪いけど、爆音で聴けと。そしてスピーカーの前で一緒に合唱して聴けばいいよ。これはそういう「記録作品」だから。



▼THE WiLDHEARTS『GEORDIE IN WONDERLAND』
(amazon:US盤UK盤

投稿: 2006 09 18 11:39 午後 [2006年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/17

IRON MAIDEN『A MATTER OF LIFE AND DEATH』(2006)

 IRON MAIDENの3年ぶりの新作「A MATTER OF LIFE AND DEATH」。これが通算14作目、デビューから26年以上経っちゃったわけですが……相変わらずの作風で、古くからのファンは嬉しくなっちゃうんじゃないかな?

 とはいってもこのアルバム、実は意外と敷居が高いアルバムのような気もします。いきなり冒頭からこんなこと書いちゃっていいのかどうかわからないけど、でも敢えて書かせてもらうと……『very MAIDEN』な1枚。いわゆる "Aces High" や "Wasted Years"、"Run To The Hills" で聴けるようなMAIDENじゃなくて、もっとアルバム・オリエンテッドなノリのMAIDENなんだよね。アルバムは「らしい」疾走チューン "Different World" でスタートするけど、その後はひたすら複雑な構成を持つ長尺ナンバーが目白押し。全10曲中4分台の曲はこれのみで、5分台が2曲、6分台が1曲(ま、ほぼ7分だけど)、7分台が3曲、8分台が1曲、9分台が2曲という、まさにプログレチックな作品なのね。アルバムはどちらかというとモノトーンで冷たい空気感。これまでの彼らを踏襲しているけど、例えば現メンバーによる過去2作とは明らかに違うものを感じさせる。気合い・気迫とは違った冷徹さ……いや、ちょっと違うかな。でもそういう冷たさが全体を覆っているのは確かだと思います。

 アルバムジャケットや各曲のテーマ、シンプルなビデオクリップ(しかもアルバム先行シングルは7分半もある "The Reincarnation Of Benjamin Breeg" なんだから驚き)、等々。そういった要素からクールさというか冷たさが伝わってくる。戦争をテーマにしていることは何となく伝わるし(俺は日本盤よりもひと足先にUK盤を購入したので、対訳なしで歌詞を斜め読みしただけです)、そういったスティーヴ・ハリスによるトータル・プロデュースはしっかり表現されてると思います。ただ、このアルバムからMAIDENに入る人がいたら、ちょっと苦しいかもという気もするけど。これが最初に書いた「意外と敷居が高いアルバムのような気も」というのに繋がるわけです。

 1曲1曲のクオリティは相変わらず。ただ、アルバム通してとなるとダークでモノトーンでヘヴィというイメージの強いアルバムだなぁ。実は最初に聴いたとき、10年以上前にリリースされた10作目「THE X-FACTOR」を思い浮かべたんだよね。あのアルバムに似てる気がするんだわ、全体を覆う空気感と楽曲の存在感、そして全体のコンセプトが。でもアルバムが駄作と呼ばれるひとつの理由として、当時のボーカル、ブレイズ・ベイリーの歌メロの弱さやボーカルの貧弱さが指摘されるじゃない? 誰もが当時「このアルバム(「THE X-FACTOR」)をブルース・ディッキンソンが歌っていたら、スゴい作品になってたはずなのに……」と心の奥底で感じていたと思う。そして今回の新作。そう、実は新作はそういうことなんじゃないかな、と俺は思うんだけど……どうでしょう? そして改めてブルースというシンガーの底力を知らしめる結果となったこのアルバム、俺は大好きですよ。気軽に聴ける作風ではないものの、家でジックリと聴きたい1枚ですよね。ライブじゃこのアルバムから全曲演奏したい、なんていう話を伝わってくるほど、メンバーも大満足のアルバムみたいだし、その辺も含めて10月の来日公演に期待したいと思います。幸い俺も武道館に観に行けることになったしね。

 いろんな意味で賛否両論のある1枚だとは思うけど、世間がモダン・ヘヴィネスだ、シンフォニックだ、ゴスだ、と時代に迎合している中、老舗らしく「うちはこれしかやらないし、できないから」という強いこだわりを示し続けるIRON MAIDENはやっぱりスゴいし、なくてはならないバンドだと再認識しました。あと何年続けられるかわからないけど、ずっと変わることなくこのスタイルを守り通してほしいな。

P.S.
最新のビルボードチャートでこのアルバム、初登場9位にランクインしてるんですね。MAIDENにとってこれが初の全米トップ10入りですよね? なんだかスゴいことになってるような……



▼IRON MAIDEN「A MATTER OF LIFE AND DEATH」
(amazon:海外盤日本盤

投稿: 2006 09 17 01:14 午前 [2006年の作品, Iron Maiden] | 固定リンク | コメント (0)

2006/09/16

mihimaru GT『mihimagic』(2006)

 この春にリリースしたシングル「気分上々↑↑」でブレイクした感が強いmihimaru GT。その後もシングルを連発し、まぁ「気分上々↑↑」程のヒットを記録した曲はなかったけど(「いつまでも響くこのmelody / マジカルスピーカー」はチャート的には過去最高位だったけど、セールス的には届いてないからね)、それでも話題にはこと欠かず、予定されていた企画盤(ベスト盤だっけ)を発売を中止して完成させたこの3rdアルバム「mihimagic」。シングルナンバーが5曲も収録されていたり、175RのSHOGO(Vo)とのコラボ曲や、'90年代の名曲 "部屋とYシャツと私" をカバーしていたり(しかもピアノは大江千里)など、とにかくバラエティ色豊かな1枚に仕上がっています。せっかく掴んだチャンスを逃さないぞ、という心意気がヒシヒシと伝わってくる内容ですね。

 Voのhirokoが矢口真里に似てるとかいろいろ言われるわけですが(主に俺界隈で)、そういうこともあって注目し始めた彼女たち。なんだろ……初期m-floの汎用版というイメージがあったんだよね。でももっと下世話で大衆的で、身近な感じというか。芸能寄りと言ってしまえばそれまでだけど、とにかく親しみやすくて、手が届きそうな位置にいるユニット。それがmihimaru GTのイメージだったのね。

 それは音に関しても同じで、決して難しい方向に走ろうとせず(もちろんそれが悪いという意味ではなく)、少数よりも大多数に響くようなメロディやアレンジを取り入れてるように思うのね。難しいことをやっていたりするんだろうけど、それを感じさせないのはさすがだと思うし、そういう意味でも彼女たちが単なるポッと出の似非ユニットじゃないことは理解できるかな、と。スタッフに恵まれているというのもあるだろうけど、それを手に入れるのも運であり才能だからね。やっぱりスゴいと思いますよ、はい。

 シングル曲のみならず、アルバム用に作られたナンバーも生音と打ち込みをバランスよく取り混ぜていて、それがhirokoの声に上手く合ってる。わかってるんだよね、作り手が。そして独りよがりになってない、ちゃんとこちらに届いてる(響いてる)。あんな大ネタ、今更使わねーよな "いつまでも響くこのmelody" がちゃんと成立してるのも、そのせいだと思う。俺的にはこの曲の方が "気分上々↑↑" よりも響いたなぁ。こっちをアルバムトップに持ってきたのは、その自信の表れなんじゃないかな?

 実際このアルバム、リリースから数日しか経ってないけど、過去最高のセールスを記録しそうとのこと。ランキング的にもトップ3入りしそうだし、そりゃこの内容(シングル曲満載とか、単純に楽曲の充実度とか)を考えたら、当たり前の結果なんだけどね。

 うん、かわいいよ。hirokoかわいいよ、hiroko(結局そこか)。



▼mihimaru GT「mihimagic」(amazon:DVD付初回盤通常盤

投稿: 2006 09 16 12:15 午前 [2006年の作品, mihimaru GT] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/15

HELLOGOODBYE『ZOMBIES! ALIENS! VAMPIRES! DINOSAURS!』(2006)

 「へっ、これパンクなの!?」

 それのこのバンドHELLOGOODBYEのニューアルバム「ZOMBIES! ALIENS! VAMPIRES! DINOSAURS!」を聴き始めたときの第一印象。USインディパンクの名門レーベル「DriveThru Records」が送り出すバンドということで、てっきりパンクバンドだと思っていたら違うのね。2004年にミニアルバムを1枚出していて、これが初のフルアルバム。8月にUS盤が出て、今月日本盤が出たばかり。以前「とみ宮」でニュースを取り上げた際にMySpaceで試聴したらかなり良かったので、そのままUS盤を購入したのね。

 どちらかというと、パワーポップ。そしてかなりエレクトロニックな味わい。シンセを重点的に使ってるとかそういったレベルじゃなくて、まんまダンスミュージック……それこそDAFTPUNKみたいな曲もある(特に2曲目の "Here (In Your Arms)" とかな)し、アコースティック調のナンバー(6曲目 "Oh, It Is Love")もあるし、純粋なパワポナンバー(3曲目 "All Time Lows" など)もしっかりある。パワポの中でも「特にこの辺!」という固定枠がなくて、それこそシンセを使って自由自在に変化するイメージがあるかな。すごい面白いバンドだと思います、はい。

 そりゃ期待のエースって言われるわな。とにかく曲がよく出来てるし、いろんな人にアピールする魅力を持ってる。パンクレーベルから登場したことで俺みたいな偏見を持って接するファンもいるだろうけど、これはいいよ。いろんなバンドを思い浮かべる……BEATLESもそうだし、SPARKSだったりSWEET、JELLYFISH、昨今のパンク勢、日本のすかんち、POLYSICS、そしてDAFTPUNKのようなディスコユニット。ほら、いろんなところに引っかかるでしょ?(そんなでもないか) 俺的にはかなり「すかんち」辺りのパワーポップに近いイメージを受けたなぁ。いや、ローリーほどハードロックやQUEENからの影響はないんだけど、それ以外の要素がかなり近い気がした。単にキーボードの使い方だけかもしんないけど。

 とにかく一度聴いてみ。これは大当たりだったなぁ。しばらく愛聴します。大好きこういうバンド。



▼HELLOGOODBYE「ZOMBIES! ALIENS! VAMPIRES! DINOSAURS!」(amazon:US盤

投稿: 2006 09 15 12:15 午前 [2006年の作品, Hellogoodbye] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/14

この夏、俺の生活を彩った3曲。

 この夏よく聴いた、というかこの夏の俺のテーマソング3曲を何となく紹介したくなったので、記録しておこうかと思います。ま、読まなくていいですよ。仕事の合間に気晴らしに書いてるようなもんなので。

 まず1曲目は月島きらり starring 久住小春(モーニング娘。)"恋☆カナ"。ほらね、読まなきゃよかったって思ったでしょ?(笑)

 去年の5月にモーニング娘。第7期メンバーとして加入した久住小春が、この春からアニメの声優をやっていて、これはその主題歌として発表されたもの。作詞作曲及びプロデュースにはつんく♂は一切絡んでおらず、完全にアニメ主体で制作されたナンバーなんだけど、これがかなり良いです。作曲は、かの織田哲郎。古くはTUBEやZARD、相川七瀬なんてアーティストを手がけ、それこそアニメ「ちびまる子ちゃん」の主題歌も彼ですからね。キャッチーなナンバーはお手のものなわけ。でもそれを差し引いても、覚えやすくてポップでキャッチー。歌詞は別の作家さんだけど、アレンジ含めアニソンにしておくには勿体ない王道ガールポップチューンじゃないでしょうか。アイドルソングとしてはかなりクオリティ高い方だと思います。カップリングの "SUGAO-flavor" 含めよく出来たシングルでした。正直ハロプロでリリースするには勿体ないくらい(苦笑)。


▼月島きらり starring 久住小春(モーニング娘。)「恋☆カナ」(amazon:初回盤通常盤シングルV


 続いて2曲目は……Berryz工房"笑っちゃおうよ BOYFRIEND"。あ、ほらまた引いた(笑)。

 この曲は7月末に代々木体育館で行われたハロプロコンサートで初めて聴きました。一聴して気に入ったんだよね、「これはCDで聴いたらもっと良いに違いない」って思って。実際良かったんだけどさ。

 いわゆる'50年代のアメリカンポップス、ドゥーワップの要素を取り入れたナンバーなんだけど、適度な再現性(ホンモノのドゥーワップに近づけようとする努力)と適度なユルさ、そしてローティーンの子どもならではの無邪気さが上手くミックスされてて、聴いていてすごく微笑ましい。この曲があったおかげで俺、8月には初めてBerryz工房の単独コンサートにまで行っちゃったからなぁ(遅刻して着いたら、いきなりこの曲だったという奇跡ぶり。笑)。単純に俺がこの手のアレンジが好きっていうのも大きいし(ほら、数年前の「ハロプロ楽曲大賞」では1位に "シャイニング 愛しき貴方" を選んでるじゃない俺)、Berryz工房に対して好意的な姿勢を取れるようになったっていうのが大きく作用してるのかな。いや、単に曲が親しみやすかったんだろうね。深く考えるのはやめよう。


▼Berryz工房「笑っちゃおうよ BOYFRIEND」(amazon:CDシングルV


 そして最後に選んだのは……スマン、またハロプロで(笑)。℃-ute"大きな愛でもてなして"

 ℃-uteはつい最近、DVDでメジャーデビューを果たしたハロプロの最年少グループ。先日デビューイベントをやってスポーツ紙なんかでも取り上げられたので、知ってる人もいるのかな。彼女たちはこの春くらいからハロプロのライブ会場やハロプロショップ限定でシングルを発表してきた、いわゆる「インディーズ」扱いの存在だったのね。これまでに4枚のシングルを発表していて、この "大きな愛でもてなして" は3作目のシングル。これも初めて夏のハロプロコンサートで聴いて、一発でハマってしまったという感じでして。アレンジもさることながら、とにかくメロディの中毒性がものすごいことになってるわけですよ。そう思わない?(って知らない人にはわかりにくいか。YouTubeで検索するかYahoo!ミュージックの特集コーナーで試聴できるので、一度聴いてみて)

 以前「あぁ!」や「ZYX」というハロプロユニットに在籍してBerryz工房に入れなかったメンバーによって構成されているんだけど、個人的に気になっていたメンバーが多いこともあって、実は思い入れって点ではBerryzよりも強いかも。いや、そこまで強いかと問われるとちょっと困るけど(笑)。それにしても、本当にすごい曲だよなぁ。今年聴いたハローの曲、いや、すべての音楽を含めてかなりの上位に食い込むよ、この曲。そんだけのインパクトと大衆性と中毒性を持ち合わせたナンバーだと思います。つんく♂、子どもにはホントにいい曲書くんだよなぁ(苦笑)


▼℃-ute「ミュージックV特集1 〜キューティービジュアル〜」(amazon:DVD


 とまぁ、結局全部ハロプロかよ!という突っ込みはこの無視。俺がどのくらいこの3曲が好きだったかというと、iTunesやiPodでの再生回数がこの1〜2ヶ月ちょっとで上位が塗り替えられてしまうくらい、といったらわかりやすいかな? あと、この3曲は今年の夏に俺が何度かやったDJの中で全部使われてるのよ。しかも後者2曲に関しては、この並びで繋いでるからね!(酷い)

 ハロプロ云々を抜きにしても、純粋によく出来たガールポップだと思うので、音楽に対して偏見を持たない人は一度聴いてみてはどうでしょうか。ブーブー言ってる人は、一生ブリットポップでも聴いてなさい!(それも酷い)

投稿: 2006 09 14 02:12 午前 [2006年の作品, Berryz工房, ℃-ute, ハロー!プロジェクト, 月島きらり starring 久住小春(モーニング娘。)] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/13

ザ・クロマニヨンズ『タリホー』(2006)

 昨年末に突然のTHE HIGH-LOWS活動休止発表。そして夏にヒロトのソロシングル。マーシーはAAAに楽曲提供したり、そしてふたり揃って別々に少年ナイフのトリビュートアルバムに参加。大きな動きこそなかったものの、2006年前半のヒロトとマーシーもいつもどおりに動いてた。ただ、「バンド」という器がなかっただけの話。

 ふたりがまた一緒にバンドを組むっていう話は実は結構前から耳にしていて、でもそれが具体的にどういったものなのかは実際に目にするまではわからなかった。7月23日、大阪で行われた「MEET THE WORLD BEAT」に登場した謎のバンド「ザ・クロマニヨンズ」こそが、ヒロトとマーシーの新バンド。幸い俺はその映像を観ることができたけど、想像以上でも以下でもなかった。つまり、いつもどおり。そりゃそうだ、このふたりがやる以上こうじゃなきゃな。

 そのすぐ後にデビューシングル「タリホー」を聴く機会を得た。よりアーシーな方向へと進んでいきそうな気がした末期THE HIGH-LOWSとも違った、まさにあのライブで観たまんまの直球勝負。収録された3曲とも、そんなナンバーだったんだ。

 フジロックではタイミング悪く観ることができず、最終的にやっと目にすることができたのが「RISING SUN ROCK FESTIVAL」でだった。ほぼ10曲、つっ走りまくりのステージ。そりゃ30分で十分だわな。でも……なんか「奥歯にモノが引っかかる」ような疑問を感じたのも事実。

 ……これがTHE HIGH-LOWSを止めてまでやりたかったことなの?と。

 一説では活動休止の理由を「単に飽きたから」という、いかにもな一言で表現したという話もある。で、本当にそうなんだろうな。ブルーハーツの場合はいろいろ諸事情あったようだけど、基本的に「10年周期」っていうのは間違ってないのかもね。古いものが再び新しく受け入れられたり、その逆だったり。これが彼らなりの「何度目かの原点回帰」だったんだろうね。

 でも……これは本当にTHE HIGH-LOWSの次に来るべきものなのかなぁ。ザ・クロマニヨンズを聴く度に、そういう疑問が常に脳裏をよぎるんだ。そりゃ、リアルタイムでブルーハーツを登場時から追ってきた人間としては、全然「アリ」なんだけどさ。深く考えすぎたら楽しめない……まったくそのとおりなんだけどさ。

 とにかく、今はアルバム聴いてツアーを観たい。幸い12月のSHIBUYA-AXのチケットが確保できたので、それまでにアルバムが出るといいんだけど。余計なものをドンドン削ぎ落として、さらにソリッドになりつつあるヒロトとマーシー。今後彼らはどういう方向に進んでいくのか、2ndアルバム、3rdアルバムと重ねていくうちに見えてくるものなのか、それとも……やっぱり目が離せずに追っかけちゃいそうだ、うん。



▼ザ・クロマニヨンズ「タリホー」(amazon:DVD付限定盤通常盤

投稿: 2006 09 13 09:34 午後 [2006年の作品, ザ・クロマニヨンズ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/06

Spaghetti Vabune!『GUITAR POP GRAND PRIX』(2006)

 Spaghettie Vabune!について語ろうとすると、必ず個人的な話が入り交じってしまうので……ちょっと話しにくいっていうか。いや、正直に言えば照れちゃうんだよね(笑)。メンバーのみんなとも親しくさせてもらっているし、同じ「radio.gs」の仲間でもあるし。でも……それ以上に俺、彼らの音楽が大好きなんだよね。だから、今日はそういうことについてダラダラと書き綴ってみようかな、と思います。

 今回のアルバム「GUITAR POP GRAND PRIX」は、発売よりも先に聴く機会をいただきました。もちろん一聴して気に入りましたよ、あぁ俺の大好きなバビューンがひと回りもふた回りも大きくなって帰ってきた、っていう思いとともにね。7月の頭には出来たてのサンプル盤もいただきました。貰った翌日、アルバムを聴いている最中にバビューン・リーダーのケージくんから「2ndアルバムリリース記念特設ページでレビューを書いてもらえないか」と打診されました。もちろん俺は「オッケーに決まってるじゃない!」と即答しましたよ。だって、こんなに素敵なアルバムについての感想文を、バビューンのメンバーからお願いされるなんて考えてもみなかったから。これが自分的に「??」な内容だったらさすがに書くことに困っただろうけど、頭からお尻まで「これぞギターポップ!」というサウンドがギッシリ詰まってる名盤なんだもん。断るわけがない。

 こうして出来上がったのが、こちらのレビューです。今から2ヶ月前に書いたもので、ちょうどリリース日(7/12)にあわせてアップされたはずです。これを読んでアルバムを聴いてみた/買ってみたという人もいるらしく、個人的には嬉しく思ってます。

 8月6日。本当なら俺は「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」の会場にいるはずでした。が、実際にはShibuya O-nestでバビューンのライブを観てました。実はバビューンのライブ、去年の5月以来だったんだよね。自分でも驚くくらい観てなかったんだね、本当申し訳ないです。この日のセットリストなどについてはケージくんのブログに詳しく載っているので、そちらを参照してください。

 この日は俺の誕生日。そんな日にこの特別なライブを観ることができただけでなく、今回のアルバムレビューに対するお礼の言葉をステージ上からチイコちゃんに言われちゃって……ちょっとジーンときた、年甲斐もなく(笑)。あ、そっか。これが青春?(多分違う)

 新ドラマー・筒井くんを迎えた編成(森くんはパーカッションなどで参加)でのライブを初めて観たんだけど、これまでの良い部分はそのままに、さらに今後変化していくであろう片鱗が見え隠れしていて「アルバム出たばかりだけど、ここに留まっているわけにはいかないんだよ!」という強い決意表明みたいなのが感じられました。何だろう、これまで以上に頼もしさがヒシヒシ伝わってくるライブだったなぁ。過去何度も観てるけど、一番良かったし、一番「熱く」て「暑い」ライブだったよね。

 ライブ後にケージくんやチイコちゃん、森くんたちと少し話すことができたんだけど、そこでもいろいろ嬉しい話が聞けて、本当に来て正解だと思った。いやいや、忘れられない誕生日になりました。バビューンのみんな、遅ればせながら本当にありがとうございました!

 ……とここまで書いて、実はアルバムについての感想を殆ど書いていないことに気づいたわけですが……いや、やっぱり「最高!」以上の言葉が見つからないわけですよ。1曲1曲を取り出して、小難しい単語を用いて解説することもできるけど、そんなのはこのアルバムを前にしたら無意味だよね。ガツーンと鳴らせばいいんだよ、君の家のオーディオシステムで、ヘッドフォンで、ラジカセで、カーステレオで、iPodで、そして心の中で(決まったな、俺)。目の前で鳴っているサウンド、そしてあなたの心の中に響いているそのサウンドがすべてなんだからさ。これで十分じゃない?

 そうだ。先週末、渋谷に買い物に行った際、覗いた雑貨屋さんで普通にバビューンのこのアルバムが流れてたんだ。すごく自然にね。もうバビューンは「ギターポップ界の○△」みたいな限られた世界でのヒーローじゃなくて、ごく普通に生活の中に登場する「音楽」なんだな、と実感しました。

 大好きです、Spaghetti Vabune!。今度一緒にイベントやろうね!



▼Spaghetti Vabune!「GUITAR POP GRAND PRIX」(bluebadge labelAmazonHMVTOWER.JPiTunes Music Store

投稿: 2006 09 06 03:15 午前 [2006年のライブ, 2006年の作品, Spaghetti Vabune!] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/05

Anaïs『THE CHEAP SHOW』(2006)

 フランスの女性シンガー・Anaïs(アナイス)のデビューアルバム「THE CHEAP SHOW」というアルバムを、ここ数ヶ月よく聴いてます。きっかけは彼女が今年のフジロックに出演すると決まり、その名前を意識したことから。6月頃にCDショップ店頭で見かけて、何となく名前を覚えていたので手に取ってみて。試聴もせずに何となく……いわゆる「ジャケ買い」です。でも、当たりでしたこれ。

 1999年から2003年まで、彼女はOPOSSUMというロックバンドでボーカルをやってたんだとか。作詞・作曲も手がける多才ぶりで、今年の8月に30才の誕生日を迎えたばかりで、ソロとしては遅咲き新人。このアルバムは本国で昨年9月に発表されたものなんですが、発売と同時に大ヒットを記録し、20万枚以上も売り上げたんだとか。そんな人だけあって、音楽のみならずファッション誌などでも注目される存在とのこと。キャラクターも特異らしく、その異彩ぶりはアルバムにもハッキリと表れてます。

 というのも……このライブアルバム、全部ギター1本と彼女の「声」のみで表現されてるんです。オーバーダビング一切なしの実況中継盤のはずなのに、音や声に厚みを感じさせるのは、恐らくステージ上でサンプラーを使っているからでしょう。自分が歌ったフレーズや弾いたギターのフレーズをその場でサンプリングしてループさせていく。日本でも山崎まさよしや向井秀徳がステージ上で同じ手法を披露してますね。実際に写真や映像を観てないし、情報も少ないので憶測で書いてますが、まぁ間違いないでしょう。

 こうやって聴くと……やっぱりスゴいわこの人。曲がポップなのは勿論だけど、歌声も魅力的で、なおかつそのスタイルが面白くて深みがある。フランス語で歌われる曲が殆どで、MCも自国ということでフランス語。時々英語が入り交じったりするけど、そこはフランス人。どことなく小馬鹿にした感じがたまんないんだよね。時にフォーキーだったり、ロックを感じさせたり、ヒップホップだったり、フレンチポップだったり……でも基本はアナーキーですよ、この人のサウンドは。

 誰に似てるとかそういう例えは今回はなし。とにかく一度聴いてみて。普段ここで取り上げるようなヘヴィなサウンドではないけど、違った意味で「ヘヴィさ」を感じさせるタイプの音楽性だとは思うので、意外とここを普段から楽しんでくれてる皆さんなら気に入ってくれると信じてます。一度ライブ観たいなぁ。そういう意味じゃ、本当にフジロックキャンセルはガッカリだったなぁ(体調不良じゃしかたないけどさ)。日本盤も出たことだし、リベンジを期待してます。



▼Anaïs「THE CHEAP SHOW」(amazon:UK盤日本盤

投稿: 2006 09 05 12:30 午前 [2006年の作品, Anaïs] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/08/07

STONE SOUR『COME WHAT(EVER) MAY』(2006)

 '70年代チックなジャケットを見た瞬間、「お、これってストーム・トーガソン‥‥いや、違うな。誰だろう。見覚えあるんだけど‥‥」っていう思いが頭の中を巡ったんだけど‥‥そう、そんなアルバムなんです。

 コリィ・テイラーとジェイムズ・ルートがSLIPKNOT加入前からやっていたバンド、STONE SOUR。4年前のデビューアルバムに続くこの「COME WHAT(EVER) MAY」は、'70年代的なハードロックを21世紀の手法でアレンジしたアルバムと言えなくないかな。どうしてもSLIPKNOTとの比較をしちゃうんだけど、あそこまでハードコアな要素はないし、もっとオールドスクールな印象が強いんだよね(もちろん良い意味で)。コリィが終始歌おうとしてるってのも大きいけど、ギターひとつ取ってもメタル/ラウドロックというよりは(いや、ラウドロックのそれなんだけどさ)もっとハードロック的な要素が強く感じられるんだよね。なんていうか、聴いていてとても安心するというか‥‥ま、俺がそういうロックを通過してるから、単にそう感じるだけなんだろうけどさ。

 ハードコアなSLIPKNOTファンからすればこれはヤワな音楽って映るのかしら。正直そういうファンや若い子たちがどう感じるのかは、俺には一切わからない。ただ言えることは、素直にカッコいいと思える音楽をやってること。これは確かにSLIPKNOTと比較すりゃあ『息抜き』なのかもしれない。でも、その息抜きがこのクオリティなんだから、その本気度は十二分なはず。下手なラウド系を比較するのが申し訳なく思えるほどに、カッコいいし。

 やっぱりこのコリィ・テイラーって人は『Motherfucker』って叫ぶのが似合うよな。と同時に、前作で見せた側面(そしてそれをSLIPKNOTにも持ち帰った)‥‥『静』の要素も彼ならではのもの、と改めて実感したよ。"Sillyworld" しかり、"Through Glass" しかりね。こういった曲で見せる顔は、完全に'70年代のハードロックバンドのそれなんだよね。だから、ついつい嬉しくなっちゃうという。

 このアルバムが米・Billboardのアルバムチャートで初登場4位にランクインしたそうです。それも納得の作品ですわ。昨年はSLIPKNOTで、今年はSTONE SOURで出演するサマソニが今から楽しみでなりませんな。

 そうそう、先のジャケットの件。手がけたのは「Hugh Syme」でした。納得。



▼STONE SOUR「COME WHAT(EVER) MAY」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 08 07 10:43 午後 [2006年の作品, Slipknot, Stone Sour] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/07/20

マキシマム ザ ホルモン『恋のメガラバ』(2006)

 毎回ツボなタイトルを持ってくるマキシマム ザ ホルモン。過去にも「ロッキンポ殺し」「ざわ・・・わざ・・・ざ・・ざわ・・・・・・ざわ」といった強力な殺傷力を持ったものが多かったんですが、今回は「恋のメガラバ」。「恋の」と「メガラバ」て。「メガラバ」って聞いて、一瞬で「リゾ・ラバ」って単語が口をついて出た人は、皆30代以上とみた。どうだ?(「どうだ?」て言われてもな)

 さ、意外とライトなイメージの強いタイトルからは想像できないのが、彼らの曲調。今回はもう、リリース前からテレビCMバンバン打ったり、深夜番組のタイアップが付いたりと、とにかく売る気マンマン。実際、一番インパクトのある「爽やかでメロウでポップ」なサビからゴリゴリヘヴィなリフへと移る辺りが使われてるんで、インパクトは絶大。この曲で初めて彼らを知った(聴いた)って人も、これ聴かされたら思わず「うをっ!?」って振り返っちゃうんじゃないでしょうか。いやいや、実際に俺がそうだったからさ。今までスルーしてきた存在だっただけに、このインパクトはかなり大きかったですよ。気づけばあの意味不明な歌詞(しかも不完全)とメロを口ずさんでるんだから。

 以前からのファンからしたらこのポップさは「ちょっとちょっと!」って疑問に感じるのかもしれないけど、俺的にはとてもバランスが良く感じられるんだよね。メインリフとA〜Bメロ(?)のラウド/ヘヴィ路線、サビ前とメインのサビでの流れるようなポップさ。それこそ季節的に夏を感じさせるコーラスアレンジとか、すべてがツボ。ただのヘヴィロックバンドだったらここ日本にだって腐るほどいるけど、こういう「真ん中」に侵入しようとして成功を収めたバンドってまだ少ないよね。んで、それが見事に成功してるんだから、大したもんだと思いますよ(事実、チャート的にも初のオリコン・トップ10入りを果たしてるし)。

 カップリングの3曲も欧米のラウド/パンクの作風を踏まえつつ、独自の解釈で「日本語ロック」に仕立て上げちゃってる。簡単なようで、実はもっとも難しいことをやってのけてるんだよね。ちょっと感心したよ。こういうバンドがもっとオーバーグラウンドに出てって、ちゃんとした評価をされるようになったら嬉しいよね。この夏にはさまざまな夏フェス(サマソニとか)に出るようだから、邦楽ファンのみならず洋楽ファンにも受け入れられるといいなぁ。そんな思いでいっぱいです。もちろん俺も観るよ、サマソニで。



▼マキシマム ザ ホルモン「恋のメガラバ」(amazon:日本盤

投稿: 2006 07 20 05:00 午後 [2006年の作品, マキシマム ザ ホルモン] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/07/08

THE RACONTEURS『BROKEN BOY SOLDIERS』(2006)

 昨年辺りから話題になっていた、THE WHITE STRIPESのジャック・ホワイトとブレンダン・ベンソンが中心となって結成された新バンド、THE RACONTEURS。限定リリースされた7インチシングルに続き、この春にはいよいよフルアルバム「BROKEN BOY SOLDIERS」がリリースされたわけですが‥‥これがね、良いんですわ。もちろんブレンダンやTHE WHITE STRIPESのメンバーがやってるんだから、それぞれの音楽にも通ずる要素が強く感じられるんだけど、完全にそれというわけではない(当たり前だけど)。

 パワーポップでも、ガレージロックでもない。けど双方が持ってる「'60年代ぽさ」だけは強く感じさせる。なんだけど、ただの60'sリバイバルでは終わってない、しっかりと2006年の音になっている。もちろんそれは彼らが今を生きる現役アーティストだからっていうのもあるんだけど、それ以上のものを感じるんだよね。ま、それがいわゆる「バンドのケミストリー」ってやつなんだろうけどさ。

 例えばアルバムタイトルトラックの "Broken Boy Soldier" なんてジャックがギターとドラムだけで、もっと生々しいサウンドで録音すれば完全にTHE WHITE STRIPESになるわけじゃない。けど、ここではその匂いをさせつつも、他の新しいものになっている。いや、実際には古くささ満載なんだけど、でも俺らが知ってる「これまでのジャック・ホワイト」ともまた違う。そういう見方をすると、とても新鮮なアルバムなんじゃないかな?

 もちろん、THE WHITE STRIPESにも、そしてブレンダン・ベンソンにも興味がないっていうロックファンが聴いても、どこか引っかかりのある、魅力的なロックアルバムだと思いますよ。クオリティーは高いわけだし。ここ数年、確かにこういった'60年代リバイバル的な作品って多いけど、その中でも抜群なんじゃないかな。やるべき人が本気を出してやった、っていう気がするし。とにかく安心して聴ける1枚じゃないかと。

 幸いというか、今年のフジロックで彼らのライブが観れるわけですよ。このアルバムだけじゃ計り知れない要素を、このライブで十分に感じ取ろうじゃないですか。きっと、アルバム以上に「バンドのケミストリー」ってやつが見えて(聞こえて)くるはずだから。



▼THE RACONTEURS「BROKEN BOY SOLDIERS」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 07 08 11:50 午後 [2006年の作品, Raconteurs, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/07/07

DELOREAN『INTO THE PLATEAU』(2006)

 ちょっと長くなりますが、最初にごく個人的な話をします。このバンド‥‥というか彼らが所属する日本のレーベル「Loveless Records」のスタッフの方々から昨年初めに連絡を貰いました。いつも「RADIO TMQ」を聴いてくださっているとのことで、その後もメールのやり取りをさせてもらい、ラジオやサイトの方でレーベル所属アーティストを紹介することになりました。もちろん、俺自身が聴いて気に入ったから取り上げることを決定したわけですが。

 そのバンドの中のひとつが、今回紹介するDELOREANでした。彼らは昨年春、アルバム「DELOREAN」で日本デビューを果たしたスペインの4人組バンド。ボーカルの声がロバート・スミス(THE CURE)にちょっと似ていたり、サウンド的にもNEW ORDERを通過したディスコ・パンクといった色合いが強く、個人的にもかなり気に入ってラジオで積極的に紹介したり、DJで彼らの曲を使ったりなどして、小さい規模ながらも応援させてもらいました。

 昨年秋、メンバーのひとりであるイゴール(Dr)が日本語学校に通うために半年間来日する、という話をレーベルの方から聞きました。そのときは漠然と「自分のイベントとかに出てくれたら嬉しいなぁ、ラジオに出てくれたら楽しいだろうなぁ」なんてことを考えてましたが、実際には実現が難しいだろうなぁとも内心思っていたわけです。

 今年に入り俺が仕事を変え、都内で生活することになったので、イゴールに会う機会が現実的なものとなりました。丁度その頃「新作が春にリリースできるかも」という話を聞いていたので、帰国(3月末)前にラジオに出てもらってそのプロモーションをしたらどうだろう、と提案しました。さらに「2月に自分主催のDJイベントがあるので、よかったらゲストでDJをやれないだろうか?」と打診してみたところ‥‥レーベル側からも、そして本人からも快い返事をいただきました。すっごい嬉しかったですよ、はい。

 2月11日、四ッ谷で開催されたイベント「AIN'T IT FUN」で、イゴールは30分間ゲストDJをやってくれました。彼のお気に入りの曲は、当日会場にいたお客さんにも好意的に受け入れられ、イベントは大成功でした。そして24日には「RADIO TMQ」に生出演していただき、なんと日本語中心でやり取りをするという暴挙に。ここで初めて、リリースが5月以降に延びてしまったという待望の新作から、1曲だけ世界先行でオンエアさせていただきました。これがとにかくカッコ良くて、今でもあの瞬間をよく覚えてますよ。あか抜けたというか、一気にバンドが良い状態にビルドアップされてるなぁ、とその曲からは感じました。そして、後でアルバムを届けてくれる(リリース前に聞かせてくれる)、とも約束してくれたのです。嬉しかったなぁ。

 3月末の帰国から2ヶ月後、手元には1枚のCD-Rが届きました。そう、今回紹介するDELOREANのニューアルバム「INTO THE PLATEAU」のサンプルです。もうこの1ヶ月ちょっと、かなり聴き込みましたよ。ラジオの方でも毎回紹介させてもらい、その都度良い反応を得ています。

 前作ではまだまだ「若さ故の勢い重視」な部分が多く、逆にそこが魅力でもあったわけですが、この新作にはもっとクールな、奥の方でメラメラと燃える炎が見え隠れする、そんな頼もしさが感じられるようになってます。いや、もう頭からお尻まで、本当にクールなアルバムだと思いますよ。打ち込みも上手く取り込み、リズムもただ疾走するんじゃなしに、すごく心地よいテンポを刻んでる。一聴したら四つ打ちモノかと思わせるような、ダンサブルなナンバーばかりで、アルバム通して聴いてもまったく飽きがこない。そしてボーカルすら、楽器の一部と化しているというか‥‥アート的というか、知的さすら感じられます。あの「仮面ライダーやウルトラマンのお面を被ってたヤンチャな若者4人」の姿はここにはなく、ものすごい速度で人間として、ミュージシャンとして成長を遂げた4人の姿が、このアルバムからは伺えるんじゃないでしょうか。いやぁ、これはかなりの力作ですよ。

 すでに今年前半の俺内ベストアルバム・トップ5入りを果たしたこの「INTO THE PLATEAU」。本国スペインでは5月にリリースされているものの、ここ日本では本日7月7日発売ですからね。本来なら今年後半のランキングに入れるべき1枚ですよね。そういう意味では、これからこんなステキなアルバムに出会えるであろう皆さんを、本当に羨ましく思いますよ。いや、これはマジで必聴盤です! あとはこのアルバムを引っ提げての初来日公演を待つばかり。期待してますよ、「Loveless Records」の皆様!!

P.S.
ラジオで「ライブで来日した際には、ぜひメンバー全員でラジオに」みたいな約束をした気がしますが‥‥えーい、そんときゃそのときよ!(笑)



▼DELOREAN「INTO THE PLATEAU」(amazon:日本盤

投稿: 2006 07 07 05:19 午後 [2006年の作品, Delorean] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/07/03

Spaghetti Vabune!、WEB先行シングル「prime plumstar」を限定リリース

 俺の大好きなギターポップバンド、Spaghetti Vabune!が7月12日に待望の2ndアルバム「GUITAR POP GRAND PRIX」をリリースします。これを記念して、WEB先行シングルとして収録曲 "prime plumstar" の無料ダウンロードが今月1日から開始されました。192kbpsの高音質で限定3000本の早い者勝ち。興味がある人はぜひダウンロードしてみてください。

 詳しくはこちらの特設ページをご覧ください。同曲の歌詞も掲載されてます。

 Vabune!のメンバーとは個人的に親しくさせてもらってますが、それを抜きにしてもお世辞抜きに素晴らしいアルバムが出来上がったと思います。ひと足先に聴かせていただき、すでに何度もリピートしているのですが、過去の作品に満足してる人はさらにこのアルバムで彼らのことを大好きになるだろうし、このWEB先行シングルを聴いて興味を持った人は、さらに彼らの魅力にヤラレること間違いなし。そう言い切れるだけの傑作ですよ。

 近々こちらでもレビューを書きますが、その前にちょっと面白い企画が進行してますので、そちらも来週中には発表したいと思います。どうぞお楽しみに!!



▼Spaghetti Vabune!「GUITAR POP GRAND PRIX」(bluebadge labelHMVTOWER.JP

投稿: 2006 07 03 03:23 午前 [2006年の作品, Spaghetti Vabune!, 「音楽配信」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/07/02

ROOSTER『CIRCLES AND SATELLITES』(2006)

 あー、これは賛否両論ありそうなアルバム作っちゃったなぁ‥‥まずそう思いましたね。前作から1年半経たずに完成させたROOSTERの2ndアルバム「CIRCLES AND SATELLITES」。日本では本国イギリスより1ヶ月以上早くのリリースとなりましたが、まずは大ブレイクを果たした日本で‥‥ってことなんでしょう。にしても、いきなり壮大なバラード "Home" からスタートする辺りに、多くの人がその違和感を感じるんじゃないかなぁ。

 改めて去年の3月、自分が書いた1stアルバムのレビューを読み返してみる。うん、やっぱりブレてないな、と。自分は日本でこんなに盛り上がる前、UKでリリースされて間もなくに1stアルバムを購入したんだけど(去年の2月頃か)。この2ndアルバムを何度か聴いて、実は1stを聴いた時と同じような感想を持ったのね。あー、俺こういう音を出すバンドが好きだったよなぁ、って。

 なんつーか、もう前作のレビューを読んでもらうと一番かと。ていうか、そのまま載せて2ndのレビューです、って言い張ってもいいくらい、実はこの2ndに繋がるようなことを書いてるんじゃないの?

 新作のプロデューサーってMAROON 5を手がけたマット・ウォレスなんだよね(過去にはFAITH NO MOREなんかもやってる人なんですけどね)。そのMAROON 5との共通点についても1stの時点で触れてるし。例えば前作のプロデューサーがDEF LEPPARDなどに携わるピート・ウッドロフだったり。そのLEPSやブライアン・アダムスとツアーをしたりとか。そう、このバンドの本質って「'70年代ブリティッシュロックの良き後継者」なんてもんじゃなくて、もともと「'80年代の産業ロックの良き後継者」だったんじゃないか、って。

 確かに前作の "Come Get Some" 辺りを聴くと、'70年代のブリティッシュロックにも通ずるリフロックというイメージがあるけど、全体を覆う空気って'80年代のソレだよね。だから「古き良き〜」を期待した若いファンがこのアルバムに肩すかしを食らう気持ちもよくわかる。でもね、残念。君たち勘違いだよそれ。ライブではそっち側のイメージが強いかもしれないけどね。

 良い意味で楽曲が整理され、前作を覆っていた「可能性」をより強靭な魅力として凝縮した。もちろん、一歩間違えば(間違えば?)あっち側に行っちゃってた可能性もあるでしょう。でも、彼らが選んだのはこっちだった。前作をより進化させた、順当な成長。それがこの「CIRCLES AND SATELLITES」だと個人的には思ってます。

 「このバンドの、こういう部分が好きだった」というのを、誇大妄想で「このバンドはこういう音楽性だったのに、変わってしまった」と決めつけてしまうのは、ちょっと違うんでないかなぁ。このアルバムを聴いても1stを出したROOSTERと別のバンドだとは全然思わないけど。いつまでも同じ場所に留まっていられないんじゃないの、だってまだ20代前半だし(それはあんま関係ないか)。

 まぁ後は、このアルバムをライブでどう表現するか、1stアルバムの楽曲との対比ですかね。すごく意地悪な見方をするとだけど。ま、勘違いされる可能性を強くはらんだ作品には違いないけどさ。曲順も大きく影響してるよなぁ、いきなり "Home" みたいな "Stairing At The Sun" をさらに壮大にした産業バラードだしさ。



▼ROOSTER「CIRCLES AND SATELLITES」(amazon:日本盤

投稿: 2006 07 02 12:30 午前 [2006年の作品, Rooster] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/07/01

MUSE『BLACK HOLES AND REVELATIONS』(2006)

 前作「ABSOLUTION」から3年ぶり、通算4作目となるMUSEのニューアルバム「BLACK HOLES AND REVELATIONS」なんですが‥‥これまたスゴいことになっちゃってますわ。何度か書いてきてるから覚えている人もいるかもしれないけど、俺スッゲーこのバンドが苦手だったんだよね、初期の頃。ま、1st「SHOWBIZ」の時期限定ですが。それが2nd「ORIGIN OF SYMMETRY」で一気にヤラレてね。その後は言うまでもなく。どのアルバムも今では大好きですよ(けど1stだけは今でも違和感残るかな)。

 そんな彼らがメジャー「Wea」移籍して、アメリカや日本でも本国イギリスとほぼ同時期に新作がリリースされる‥‥それだけ力入れてるってことでしょうね。実際、これはそれだけの内容だと思います。

 前作、前々作にあったようなメタリックな要素は若干後退して、その分ニューウェイブチックなアレンジの曲が増えたような気がします(例えばM-2〜4辺りの流れ)。かと思えばM-5〜6だけを何も知らずに聴かされたら「へっ、トム・ヨークのソロアルバムってもう出たの?ていうかこんなサウンドなんだ?」って思っちゃうんじゃないかな、と。実際、俺も店頭でM-5を聴いたときは焦ったもん。

 前作までがどちらかというと「シングル曲並みの完成度の高い曲を並べた作品集」という印象が強かったのに対し、このアルバムはもっとこう、アルバム・オリエンテッドな作風な気がしますね。流れがすごい良い。新機軸もあるんだけど、聴けばそれがMUSEの曲だとわかる。ダンサブルなシングル曲 "Supermassive Black Hole" みたいな異色作でもね。マシュー・ベラミーの声の強みだったり、あの変態的なキターサウンドだったり、そういったものの強みもあるけどね。RADIOHEADフォロワーみたいなことを今更言う人もいないだろうけど(単純に裏声のひっくり返り方がトムとマシューが似てるんだよね)、今から10年前に腐る程いたフォロワー予備軍の中では完全に一人勝ちな気がする(だからフォロワーじゃないってば)。

 でね。ものすごく純度が高くなってる分、やはり「Very British」な部分は隠せないんだよね。そういう意味では、この音がどこまでアメリカで善戦するのかが気になるところ。もしかしたら完全に拒絶されるかもしれないし、その逆に面白がられるかもしれない。可能性はゼロじゃないしね。ま、日本ではウケる音ですよ、こういうメロやサウンドは。ますますファンが増えるんじゃないかな、この夏のサマソニで。

 そうそう。やっぱりこのサウンドをどうライブで再現するのか、あるいは崩すのかが気になるね。そして過去の曲との対比も。並んだ時にどう聞こえてくるのか‥‥ま、そんな違和感はないだろうけどね。突出した出来というわけじゃなくて、順当にいい方向に成長してるサウンドだからさ、彼らの場合。

 いやぁ‥‥それにしても、本当に良いアルバムを作ったなぁ。良いバンドが期待以上のものを作ってくれた時の嬉しさって、何ものにも代え難いっていうか、表現難しいよね。とにかく、このアルバムがより多くの人に受け入れられることを願います。



▼MUSE「BLACK HOLES AND REVELATIONS」(amazon:US盤US限定盤日本盤

投稿: 2006 07 01 12:30 午前 [2006年の作品, Muse] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/06/30

THE GATHERING『HOME』(2006)

 女性ボーカルのゴシック系メタル/ラウドロックをいろいろ聴いていると、必ずといっていいくらいに名前が出てくる「THE GATHERING」というバンド名。不勉強なんですが、ホント名前を耳にしたことある程度で、どんなサウンドのバンドかも知らないし、これまで接する機会もなかったのね。で、先日リリースされた最新作「HOME」を手に取ってみまして。

 このバンド、オランダ出身で結成は1989年。元々は男性ボーカルのデスメタルだったんだけど、途中から女性ボーカル、アネク・ガースバーゲンを迎えて音楽性を一変。ゴシック色の強いハードロックへと移行していって、アルバムを重ねる毎にプログレ色も強くなり‥‥という存在なんだそうな。

 で、この最新作。これ、もはやハードロックでも何でもないよね。ゴシック色は感じるものの、すごくシンプルな音を鳴らしてるなぁ、と。アネクの声は本当にキレイだし、歌メロも美しい。あ、美メロ系メタルのそれともちょっと違うかな。もっとこう、民族音楽チックというか‥‥ケルト系とか、あっちの色を感じる。節回しとか裏声の使い方がそれっぽいのかな。

 サウンドやアレンジも、がっちり音を詰め込むタイプとは正反対で、空間を上手く使ってる。リズムのない曲だったり、コーラスの重ね方だったり、ギターのフレーズだったり。すごいトリップ感の強い音を鳴らすバンドだなぁって思った。なんていうか‥‥ツボを心得てるっていうか。わかってるよなーって。昨今のゴシックテイストの曲を爆音で鳴らせばいいや、っていう短絡的なバンドとは一線を画する存在。なぜこの人達がこのジャンルで重要視されているのかが、よーくわかる1枚ですわ。

 決して派手さはないし、どちらかというとイージーリスニングに近いノリもある。人によっては聴いてると心地よいっていう意見もあるんじゃないかな。でも、楽に聴けそうで、実はじっくり集中して聴かせてしまう力作。そういう作品じゃないかな。

 やっぱ本流は違うな。そう思わせるに十分な1枚でした。これ聴いたらその辺の似非ゴスメタルは聴けないわ。



▼THE GATHERING「HOME」(amazon:US盤

投稿: 2006 06 30 12:30 午前 [2006年の作品, Gathering, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/06/29

PUFFY『Splurge』(2006)

 PUFFYのデビュー10周年を記念するオリジナルアルバム「Splurge」は、その収録曲名やソングライター名が発表になって以来、俺の中ではかなり「これは傑作になるかも?」という思いがどんどんと高まっていった1枚なんですね。だってMARVEROUS 3の名曲 "Radio Tokyo" のカバーから始まって、最後がライブでもおなじみの "Basket Case"(もちろんGREEN DAYのカバー)で終わるなんて。当然、その間には数々のオリジナル曲が収録されてるんだけど、それらがアンディ・スターマー(元JELLYFISH)、ブッチ・ウォーカー、奥田民生、草野マサムネ(スピッツ)、セイジ(ギターウルフ)、ジョン・スペンサー、デクスター・ホーランド(OFFSPRING)、チャーリー・ドレイトン(民生とのセッションでおなじみ)、アンディ・トンプソン、甲本ヒロト、斉藤和義、横山健、などなど‥‥これが悪いはずないよね?

 仕事柄、人様よりもいち早く耳にする機会を得まして、実はこの1ヶ月近くかなりの頻度でリピートしている1枚でして‥‥あのね、これは絶対に聴いた方がいいって。特にパワーポップファン! 絶対にこれは気に入るはず。

 元来、PUFFYにはパワポの要素がそこら中に散りばめられていたし、デビュー曲 "アジアの純真" なんてまんまE.L.O.だったわけじゃないですか。その後もアンディ・スターマーが絡むようになった作品群はモロにそっち側だったわけで。今回もアンディが制作の大半に携わってるわけで(曲も一番提供してるしね。中には一部のファンの間では有名なブルー(Bleu)と共作してる曲もあるしね)、過去の作品同様悪いわけがない。しかも今回はさまざまなソングライター(しかも国内の一流ドコロ)が絡んだこともあり、それぞれが粒ぞろいという。逆に散漫にならないかが心配だったんだけど、無駄な心配でした。ライブ感も強くて適度にハード、そしてメロは甘くてポップ。ディストーションギターと同じくらいアナログシンセの音が鳴ってる。もうそれだけでニヤッとしちゃう。

 PUFFYが海外で「PUFFY AMIYUMI」として活躍し、コンピ盤「Hi Hi Puffy AmiYumi」っていうのを出したじゃない。あれに入ってる新曲もまんまパワーポップだったし、それ以外の代表曲もあわせて聴くと統一感があって、実はずっと前からパワーポップだったことに気づかされる。古めかしい歌謡ロックでも、アイドルが片手間でやってきた余興でも何でもない。This is POWER POP!

 最近じゃCHEAP TRICKの新作と交互に聴いても何ら違和感ない。もうなんなら海外のフェスとかでGREEN DAY辺りと対バンするといい。言い過ぎかもしれないけど、それくらいの説得力あるよ、この音には。だからこそ‥‥日本国内でのセールスの低さには淋しいものがあるんだよね。思ったより売れてないんだもん。昔みたいにバカ売れしなくてもいいから、せめてもうちょっと‥‥コアな音楽ファンには理解してほしいよね、せめてこのアルバムだけは。



▼PUFFY「Splurge」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 06 29 12:30 午前 [2006年の作品, PUFFY] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/06/28

DEF LEPPARD『YEAH!』(2006)

 2年くらい前から出る、出ると噂に上っていた「'70年代のブリティッシュロック/グラムロックのカバーアルバム」の最終型が、この「YEAH!」という身も蓋もないタイトルのアルバム。内容はというと、特にブリティッシュやグラムに限定したわけではなく、アメリカンもブルーズロックもポップロックもモッズも全部ある。要するに、DEF LEPPARの原型となるサウンド‥‥各メンバーが幼少の頃に聴いていた、影響を与えたバンドの名曲をストレートにカバーしたもの。何のひねりもない、ホントに直球。それは1曲目 "20th Century Boy"(もちろんあのT-REXのカバー)を聴けばお判りかと。

 これに対して「原曲の方が数百倍良い」とか「単なるお遊び」とか「LEPSならではのオリジナリティが感じられない」とか、ホント能無しな意見しか口にできない底の浅い奴らが多いこと、多いこと。なんつーかさ、これを素直に楽しめないっていうのがかわいそとすら思えてくるわ。

 「単なるお遊び」っていうのは間違ってないけど、ホントに遊ぶ気だったらもっと違う選曲になったんじゃないの。あと「原曲の方が〜」って意見は、もうこの手のトリビュートやカバーアルバムにはありがちな意見。以前、自分も他のトリビュート盤に対して同じような意見を述べたことがあったけど、そんなのは誰もが百も承知だし、そもそもそれを口に出したらおしまいでしょ。しかもありがちに「リアルタイムで通過した者としては〜」とか口にした日にゃ、「あー、単なる頭の固い、新しいものを受け入れられない、過去の思い出の中に生きてる年寄りかよ」ってさ。要するに、そういう人はこの手のアルバムを興味本位で聴かない方がいいんじゃねーの、って話ですよ。

 そして「LEPSならではのオリジナリティが感じられない」とか言っちゃった人。ねぇ、君はこのアルバムのどこを聴いてるの? そしてLEPSの何を聴いてきたの? このアルバムのそこら中から過去のLEPSの名作/名曲のルーツや元ネタが見つかるじゃないの。むしろ「ここまで直球にやったら、ネタバレしねぇ?」って心配しちゃうんだけど、俺は。なんつうか、批評したい気持ちはわかるんだけど(某音楽誌が無駄に持ち込んだ、なんちゃってジャーナリズムの汚点だな)、音楽を素直に楽しめなくなったら終わりじゃねぇ?

 まぁ固い話はここまで。確かにさ、ここには過去のLEPSにあったカッチリしたカッコ良さってのはないかもしれない。でも、オリジナルアルバムでいうところの前作「X」に続く作品として考えると、全然アリなんだよね。だからこそ、ちゃんと2004年に出てたらもっと効力があったと思うんだけどなぁ。勿体ない。でも良いアルバムだし、何も考えずに流しっぱなしにできる1枚だから良しとするか。

 音楽を頭で考えたり、常に批評精神を持って接するのも大切かもしれないし、ある意味では必要なことだと思う。でも、文字通り「音」を「楽」しめなくなったら、意味ないよね。もっと素直になった方がいいんじゃないのかな、みんな。



▼DEF LEPPARD「YEAH!」(amazon:US盤UK盤日本盤

投稿: 2006 06 28 12:30 午前 [2006年の作品, Def Leppard] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/06/27

THE CLICK FIVE『GREETING FROM IMRIE HOUSE』(2006)

 今年の「UDO MUSIC FESTIVAL 2006」で初来日を果たす、アメリカ出身の5人組パワーポップバンド、THE CLICK FIVE。全員が同じスーツを着て、何となくイメージも'60年代ぽい感じがウケてるのか、それとも単純にサウンドが今のアメリカの時流に上手いこと乗ってるのかはわからないけど、昨年の発売以降ですでに50万枚近いセールスを記録してるんですと。で、この来日にあわせて日本でも6月末にようやくアルバムリリース。これはウケる音ですよね、日本でも。

 何となくイメージ的に同じアメリカのFOUNTAINS OF WAYNEを思い浮かべたんだけど、このアルバムからの1stシングル "Just The Girl" がそのFOWのアダム作だそうで。アナログシンセの音とか、もうまんまなんでさすがに笑うしかないんだけど。その他の曲もFOWや最近のネオ・パワポバンドに近い流れ。殆どの曲が2〜3分台というのも好感持てるし、何よりも曲が良い&ハーモニーが気持ちよい。こんなの、俺が気に入るに決まってるじゃんか!

 アルバムのボーナストラックでトミー・ジェームズの(というよりも我々の世代だとティファニーのデビューヒットと言った方がわかりやすいか)"I Think We're Alone Now" のカバーが収録されてるんだけど、これもそれらしくて好感度アップ。とにかく気持ちよいっていうのが一番。

 えーっと‥‥もうこれ以上言葉が出てこない(笑)。ま、とにかく「ウドーフェスに出るんでしょ?じゃあ、ねぇ‥‥?」って偏見持ってる人がいたら、騙されたと思って聴いてみ。まぁ少なくともFOWが好きな人なら気に入ること間違いなしだと思うけど。



▼THE CLICK FIVE「GREETING FROM IMRIE HOUSE」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 06 27 12:30 午前 [2006年の作品, Click Five, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/06/26

CHEAP TRICK『ROCKFORD』(2006)

 そうそう、こういうチートリを待ってたんだよ!!!!!1

 CHEAP TRICKの約3年ぶりのアルバム「ROCKFORD」は、誰もが納得するようなハードドライビング・パワーポップアルバム。ここ20年近くの不振が嘘みたいな完成度なのね。正直な話、この20年近く(トム・ピーターソン復帰後の完全復活以降)の間にリリースされたアルバムの中で、頭からケツまで通して最高だった!ってアルバムは殆どないわけでして。辛うじて「WOKE UP WITH A MONSTER」や前作「SPECIAL ONE」はいい線いってたけど、やはり全盛期であるところの'70年代末〜'80年代初頭には敵わなかったよな、と。そりゃ、比較するのはよくないことくらいわかってるんですけどね。でも‥‥今の若い子たちに「チートリは過去の遺物じゃねーぞ!」って言い張りたいじゃないですか。

 やっと、20年経ってやっと、そう自慢できるようなアルバムが出来たなぁという気がして、聴き終えた後は嬉しさより先にホッとしたっていうのが本音です。

 何だろうねぇ‥‥正直、基本ラインはここ数作と何ら変わってないと思うんだけど。その音の鳴り方だったり鳴らせ方がより過去の名作での方法に近かっただけというか。ホント、それだけな気もする。でも、なぜかそれが今までは出来ていなかった。それも不思議なんだけど。曲自体は本当にここ数作というか、過去の集大成と言っても過言ではない内容。だけど、頭2曲の直球パワーポップ路線にみんなやられちゃってるんじゃないかな。いや、それ正しい。これまでそういう掴みの曲が少なかったから。リンダ・ペリーやらスティーヴ・アルヴィニやらジャック・ダグラスやらとにかく凄い面々が制作に参加して出来上がったこのアルバム。個人的には今年のトップ5に入れたい。そして‥‥当然ライブでこれらの曲を早く生で聴きたいね。過去の曲はもちろんだけどさ、やっぱり今はこのアルバムの曲をどうやってライブで表現してくれるかが気になる。いやー、夏フェスで来てくれるのが一番嬉しかったんだけどね。

 とにかく大傑作。パワーポップファンもロックファンも、みんな必聴!



▼CHEAP TRICK「ROCKFORD」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 06 26 01:27 午前 [2006年の作品, Cheap Trick] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/06/25

FLYLEAF『FLYLEAF』(2005)

 アメリカでは昨年初頭にEPをリリースし、10月にフルアルバムを発表したニューカマー・FLYLEAF。今年前半に海外では公開済みの映画「UNDERWORLD : EVOLUTION」にも楽曲提供などしてるので、まだ国内リリースのない状況でも意外と知ってる人は知ってる存在なのかな。俺が彼らの名前を始めて意識したのは、日本のDir en greyも参加することが決定している「FAMILY VALUES TOUR」でその名前を見つけてから。へー、女性フロントのバンドなんだー、やっぱりヘヴィロックなんだよねぇ、くらいの印象。音も聴いてなかったしね。

 んで、今度は今年10月に日本で行われるメタル/ラウド系の祭典「LOUD PARK 06」で初来日が決まって。そりゃ注目するでしょう、どんなバンドかって。日本盤の予定もなさそうだし、とりあえず輸入盤に手を出してみたわけ。

 最近女性ボーカルのヘヴィバンドっていうと(ここでも何度も紹介してるように)ゴス寄りのサウンドが多いんだけど、このバンドは生粋のアメリカのヘヴィバンドといった感じかな。スクリームもあるんだけど、基本的には普通に歌い上げてる。上手くファルセットも取り入れてるけど、サウンド自体からはゴスの色はそんなに強くない。むしろDEFTONES辺りからの影響を強く思わせるクールさの方が印象的。かといってポストロックの色は全くないんだけど。純粋な歌ものヘヴィロックバンドかな。こういうサウンドが売れると、まぁ二番煎じはいくらでも出てくるわけだけど、彼らもまだその域は出てないかも

 ゴスの色はあくまで「味付け」止まりで、やはり歌を中心に置いた、聴いていて気持ちいいラウドロックかなぁ。悪くない。けど彼らなりの魅力や特徴がね。惜しい。ま、デビューアルバムだし、この時点でこのクオリティなら、今後いくらでも化ける可能性はあるかな。あとはまぁ、来日した時にステージ観て判断したいと思います。意外とアグレッシヴな気がするし。

 ちなみに彼ら、MAROON 5と同じ「Octone Records」所属。てことは、BMG系列から日本でもリリースになるのかしら。

※8月末追記
無事9/6に日本盤リリースされることになりました。よかったよかった。



▼FLYLEAF「FLYLEAF」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 06 25 03:51 午前 [2005年の作品, 2006年の作品, Flyleaf, LOUD PARK] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/06/22

TOKYO DRAGONS『GIVE ME THE FEAR』(2005)

 その名前はちょっと前から耳にしてたんだけど、アルバムを聴いたのは今年に入ってからなんですよね。英米で昨年の秋にリリースされたTOKYO DRAGONSの1stアルバム「GIVE ME THE FEAR」は、本当によく出来た良質のハードドライビングロック&ブギーアルバム! なんかテキトーに知ってる単語を繋げただけっぽいけど特に気にする必要はないよ。だってまんまの音だから。

 今年の4月に英「Kerrang!」で取り上げられた際に、以下のステキな文章で彼らを紹介してるんだわ。


"People are still arriving as Tokyo Dragons are raising denim and leather hell. Front man Steve Lomax and co are on fire at the moment, playing old school heavy rock with as much blood and thunder as anyone. They've got the honest-to-goodness authenticity of Thin Lizzy mixed with The Datsun's bluster and brevity. All from a British band that everyone should be supporting."


これだけで十分に伝わる気がするんだけど‥‥どうだろう?

 THIN LIZZYだとかDATSUNSの名前が挙がってるけど、ホントそのとおりの音で。後はAC/DCだったりKISSだったり‥‥っていうとあれだね、THE HELLACOPTERS辺りの名前も挙げないとね。いや、このデニム&レザーの小汚い野郎ども4人は完全に確信犯ですわ。バンド名がアレで、ちょっと引いちゃう人もいるかもしれないけど、このダサイセンスこそ、'70年代ブリティッシュロックに必要な要素だからね。ホント確信犯(だって「TOKYO」っていう単語を使ったのは、単に響きがカッコ良かったから、って理由だしね。無意識・無自覚だとしても、完全な確信犯。音とバンド名がピッタリじゃんか)。

 なんかいろいろ調べてみたら、彼らが2004年以降サポートを務めたバンドは先のDATSUNSやSTATUS QUO、HANOI ROCKSやTHE WiLDHEARTSといった辺り。そうそう、俺のど真ん中。ね、もうその音が想像できるでしょ? ホント最近イギリスからいいバンドが出てきてるよね。THE DARKNESSもそうだし、最近アルバムをリリースしたTOWERS OF LONDONもそうだし。こういうバカがもっと増えればいいと思うよ。

 そんなTOKYO DRAGONSがいよいよ8月に日本デビュー。日本盤化に際してバンド表記は「東京ドラゴンズ」になるんだってさ。なんじゃそりゃ。「URUSEIYATSURA」が「奴ら」って表記されんのと同じようなもんか(多分違う)。ま、なんにせよ‥‥早いとこ日本でライヴ観たいね!



▼TOKYO DRAGONS「GIVE ME THE FEAR」(amazon:US盤UK盤日本盤

投稿: 2006 06 22 12:51 午前 [2005年の作品, 2006年の作品, Tokyo Dragons] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/06/21

AFI『DECEMBERUNDERGROUND』(2006)

 今やアメリカでのゴス人気っていうのは本物らしく、「パンキッシュでちょっとメタリック、それでメンバーがゴスメイクしてればバカ売れする」なんて冗談があるくらい、軽いゴスメイクをしたパンク系バンドがチャートを席巻してたりするんですよね。

 んで、上に書いたようやたとえが冗談にならないくらい、今のアメリカではAVENGED SEVENFOLDやMY CHEMICAL ROMANCEのようなバンドが10代の女の子から絶大な支持を得ていて、それがアイドル並みの人気だというんだから‥‥そうか、あれだ。アニメキャラがウケるような感じだ。そうに違いない。だってここに挙げたバンドに共通することといったら、もともとスクリーモ系のバンドでライト・ゴスなメイクをしてたってことくらいしか見つからないもの。

 さて。そんな2バンドよりも先にメジャーシーンに飛び出したのがAFI。彼らの歴史は結構古いのですが、前作「SING THE SORROW」がいきなり米・ビルボードのトップ5入りしちゃったもんだから、さぁ大変。そういやぁPVでは日本のアニメキャラみたいなのが出てきてたし、実際メンバーの何人かは日本のアニメ(しかもマニアックなもの)にかなり精通してたような記憶が‥‥なるほど、タイミング的には間違ってなかったわけですね。これでDir en greyがアメリカでウケる理由も何となく見えた気がした。

 そんなAFIが約3年ぶりのアルバム「DECEMBERUNDERGROUND」をリリースしたんですが、これがなんとビルボード初登場1位を記録。もちろんこれは彼らにとって初めてのことだし、セールス的にも発売1週目で前作の記録を軽く抜いてしまったそうな。これまたタイミングが絶妙だったわけですね。ウヒャー。

 サウンド的には決してドンズバのゴシックロックというわけではなく(ここでいうのはBAUHAUSやSISTERS OF MERCYなんかね)、ここ最近流行ってるゴスパンク/ポップパンクの流れにあるもの。時々スクリーモ的なシャウトも入りつつ、基本的にはポップなメロディと疾走感あるプレイ。ただこのアルバムを聴くと結構アレンジに力を入れてるというか、風変わりな曲調がいくつか見受けられるのね。GREEN DAYがパンク一辺倒だった時期に、ロカビリーだとかパワーポップの要素を強めていったみたいなことが、このアルバムからも感じられるわけ。要するに、バンドとしてはかなりレベルアップしてる、と。そういやぁこのアルバムのプロデュースって、そのGREEN DAYを手がけたJERRY FINNが担当してるんですよね。なんかそれも納得な気がする。

 そういえばこのアルバムのEU盤にはボーナストラックが2曲収録されていて、その内の1曲がNINE INCH NAILSの "Head Like A Hole" のカバーなんですよね。これが直球というか、まんまなのが微笑ましくて笑えます。NINもゴスの影響下にあるバンドだし、現在USではそのBAUHAUSと共にツアーしてたりしますしね。巡り巡って繋がっていくんだなぁというのを感じさせる1曲ですな。



▼AFI「DECEMBERUNDERGROUND」(amazon:US盤US限定盤

投稿: 2006 06 21 10:59 午後 [2006年の作品, AFI] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/06/07

ムック『6』(2006)

 日付が変わってしまいましたが、昨日6月6日に日本武道館へムックを観に行ってきました。まぁ最近ヨーロッパツアーも成功させ、アルバムもイタリアだったかフランスだったかで大ヒットしてるっていうし、観る機会を得たんだから観ておこうって思いまして‥‥で、俺は彼らの曲を1曲も知らなかったので、行く前にちょっとくらいは聴いておこうと思って、4月末に日本・欧州で同時リリースされたミニアルバム(といっても全9曲でフルアルバム並みですが)「6」を聴いたんですよ、当日の昼間に。

 えーっと、俺は完全にこいつらを甘くみてましたね。Dir en greyが同じくドイツやヨーロッパ、はてはアメリカでウケたように(ビルボード・アルバムトップ200で初登場84位でしたっけ。これは本当に売れてるんだなぁ)、ムックがヨーロッパでウケる理由もこのアルバムを聴いたら何となく理解できましたよ。勿論、彼らがウケているのは欧米にいる「OTAKU」‥‥日本のアニメや文化に興味を持つ、まさしくオタクの外人達に支えられてるわけですが、サウンドだけでも十分に魅力的なのね。

 Dir同様、いわゆるラウドロック/スクリーモ以降のサウンドを上手く消化して取り入れてい、そこに日本人ならではの歌謡メロディ‥‥要するに、hideが生前やろうとしてたことの延長線上、というか、彼がもし今生きていたら、こういうことをやってたんだろうなぁって思わせるサウンドなわけ。ただ、ムックがDirと違うのは完全に日本語にこだわってる点かな。曲のタイトルもすべて日本語だし、歌詞も英語詞は一切なし。しかも結構考えさせられるというか、じっくり読ませる(聴かせるというよりは、文字通り「読ませる」といった方が正しいかも)内容。サウンドもビジュアル系というよりも、もっとエモ寄り‥‥たとえばTHE BACK HORNみたいなバンドとの共通点の方が見つけやすい。Dir en greyとの共通点もあるにはあるけど、もはや完全に別のバンドと考えた方がよさそう。同じ海外進出したバンドというだけで、スタイルは違ってるし、コンセプトも違うわけだから。

 シングル曲ではモロに歌謡路線を押し進めて、聴きやすい方向を強めてる(=一般層にアピール)。一方アルバムではライヴを意識した生々しいラウド路線。他のアルバムも聴いてみたけど、両者のバランスが絶妙なんだよね。そう、ビジュアル系じゃなくてエモなんだよこれは。

 Dir en greyの時も感じたけど、ガチガチに作り上げられたイメージが邪魔をしてなかなか手が伸びないタイプのバンドだけど、実はかなりクオリティが高いことが判っただけでも大収穫ですよ。そして、武道館ライヴも素晴らしかったし。残念ながら俺はアンコール時に退席しなきゃいけなくて、最後まで観れなかったんだけど、それでも十分に楽しめました。また機会があったらライヴ観たいと思います。勿論、音源もちゃんとチェックしますけどね。



▼ムック「6」(amazon:日本盤

投稿: 2006 06 07 01:53 午前 [2006年の作品, LOUD PARK, MUCC] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/06/02

PET SHOP BOYS『FUNDAMENTAL』(2006)

 PET SHOP BOYSの、前作「RELEASE」から4年ぶりのオリジナルアルバム。あれからもう4年も経ったのか‥‥「FUJI ROCK FESTIVAL」出演から。あの時は、フジのステージで彼らのライヴを観ることができて、本当に感激したよなぁ。そして4年も経っているなんて思ってもみなかった。考えてみれば、2003年には「DISCO3」が出てるし、同年末にはベスト盤「PopArt」も出てるしね。さらに「TENNANT/LOWE」名義で「BATTLESHIP POTEMKIN」サウンドトラックも去年発表してるから、毎年何かしらアイテムがリリースされてたのね。だから4年も経った気がしなかったのか。

 生音重視で落ち着いた印象の強かった前作「RELEASE」は、個人的にはPSBの作品の中では2ndアルバム「ACTUALLY」に匹敵するくらい聴き込んだし、大好きなアルバムだったんですね。ところが今回の「FUNDAMENTAL」は、それすら軽く超えるような出来映えというか‥‥トータルでもっとも「PSBらしい」作品集に仕上がってるんじゃないかと感じました。前作は楽曲単位で本当によく練られた1枚だったんだけど、音の感触がやや柔らかすぎるので「ちょっと‥‥」と思う人もいたかも。

 それを考えると、今度のアルバムは一聴してすぐに「あ、知ってる知ってる、PSB」っていう音に仕上がってる。単なる過去の焼き直しに終わっておらず、ちゃんと前進までしてる辺りはさすがというか。エレクトロ路線に戻ってるから余計にそう感じるんでしょうね。でも‥‥メロディも相変わらずだし。そうそう、今回のアルバムってあのトレヴァー・ホーンがプロデュースしてるんですよね。「あの」と言われて「誰?」って思った人。そうです、FRANKIE GOES TO HOLLYWOODや'80年代のYESのプロデューサー‥‥でもあるけど、ここはひとつt.A.T.u.の〜と言えば判りやすいかな? 今までありそうでなかった組み合わせだけに、これはちょっと興味深いですね。彼をプロデューサーに選んだ時点で、自ずと進みべき道は決定してたんですね。で、そのディレクションは間違ってなかった、と。

 もうデビューから20年以上経ってるわけじゃないですか、彼ら。それでも貫禄みたいなものを感じさせず、未だに中堅止まり的なイメージがあるんだけど‥‥俺だけ? その辺が個人的にはツボだったりするんだけどね。いやはや、こりゃ良いわ。



▼PET SHOP BOYS『FUNDAMENTAL』
(amazon:US盤US限定盤UK盤UK限定盤日本盤日本限定盤:CCCD

投稿: 2006 06 02 12:54 午前 [2006年の作品, Pet Shop Boys] | 固定リンク

2006/06/01

V.A.『EXIT MUSIC : SONGS WITH RADIO HEADS』(2006)

 昨日はアメリカの'90年代を代表するアーティスト・NIRVANAのトリビュートアルバムを取り上げたけど、今日はイギリスの'90年代を代表するアーティストのトリビュートアルバムを紹介したいと思います。あ、OASISじゃないですよ。RADIOHEADの方をね‥‥ちょうどタイミングよく、海外で4月にこの「EXIT MUSIC : SONGS WITH RADIO HEADS」がリリースされたんだよね。本家レディへもこの春からショートツアーを始めて、海外の夏フェスとかに出るようだし(その合間にレコーディングも進めているとのこと。レーベルはまだ決まってないようだけど)、7月にはトム・ヨークのソロアルバムもリリース決定したしね。絶好のタイミングじゃないですかね。

 んでその内容。昨日のは日本のギターロックバンドが中心だったこともあって、そこまで代わり映えのしないストレートなカバー集だったんだけど、こちらはクラブ系アーティストによるカバー集。そう、原曲を良い意味で「壊し」てるんだよね。選曲も通好みというか‥‥あえて超代表曲 "Creep" を外してたりね。ま、あれだけ浮いちゃうもんな。選曲はほとんど2nd〜4thの曲が中心。参加アーティストの多くは、実はよく知らないアーティストばかりなんだけど、そんな中にも例えばMATTHEW HERBERTやMESHELL NDEGEOCELLO、THE CINEMATIC ORCHESTRA、MARK RONSONといった名前をよく知ってるアーティストも参加してる。しかもアレンジがメチャメチャ良いよね。例えば、完全にソウルと化してしまってる "High & Dry" とか、あのヘヴィなギター・オーケストレーションをすべてブラスで再現してしまった "Just" とか。もうやること成すこと、全部カッコよすぎ。原曲の良さは勿論残しつつ、それぞれの色をしっかり出してる辺りはさすがというか。ま、ギターバンドとクラブ系アーティストという大きな違いもあるし、NIRVANAとRADIOHEADという違いもあるから、一概に比較するのは難しいとは思うんだけど‥‥にしても、やっぱりこれ聴いちゃうとね。トリビュートアルバムとかカバー集っていうのは、こういうもんだよな、って改めて考えちゃう。

 そして‥‥ヘンテコな方向に進んでしまった「KID A」以降の曲も、実はちゃんと「良い曲」なんだってことが、改めて確認できるという。そういう意味でも、二度おいしいアルバムというか。久しぶりにRADIOHEADをちゃんと聴き直してみたいと思わされたね、これ聴いたら。

 ま、このアルバムからRADIOHEADに入る・入門するっていう人はまずいないと思うけど、ひと通り彼らの作品を楽しんだ後にこれ聴くと、新たな発見がたくさんあっていいかもしれないよ。

 やっぱりRADIOHEADって‥‥偉大なんだな‥‥当たり前の話だけどさ。俺、彼らのことが死ぬ程好きだったってこと、すっかり忘れてたよ。それを思い出させてくれたという意味でも、これはありがたいアルバムでしたね。はい。



▼V.A.「EXIT MUSIC : SONGS WITH RADIO HEADS」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 06 01 12:46 午前 [2006年の作品, Compilation Album, Radiohead] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/31

V.A.『ALL APOLOGIES』(2006)

 今年はカート・コバーンが亡くなってから12年。日本でいうところの「十三回忌」ってことになるのかな? 偶然のタイミングで映画「ラスト・デイズ」が日本公開になったのもあり、日本でも2枚のトリビュートアルバムがリリースされたわけだけど、これはそのうちの1枚。純粋なトリビュートアルバム、というか、単なるカバー曲集という言い方もできるんだけどね。

 この手のアルバムは、大まかに2タイプあるじゃないですか。ひとつは、原曲に忠実な作品集。そしてもうひとつが、原曲を大きく崩して、各アーティスト流に仕上げてしまった作品集。この「ALL APOLOGIES」というアルバムは、どちらかというと前者に限りなく近い作品。前半を聴いて、やはりカバーアルバムの域を出てないなぁとガッカリしたんだけど‥‥あの名曲 "Smells Like Teen Spirit" をメジャーコードでリアレンジし、印象的なリフすらぶちこわしてしまったB-DASHのカバーに、思わす吹き出しちゃって。このアレンジ、賛否あるかと思うんだけど、俺は逆に「やっちゃった」感が強い彼らを支持したいなぁ。好き嫌いは別にしてね。

 結局、MO'SOME TONEBENDERの百々和宏のコメント、「NIRVANAを演ってみて、これらの曲はカートが歌ってないと意味が無いんだと気付きました。」がすべてを物語ってるように思いませんか? ま、当たり前の話っていえば当たり前なんだけどね。

 その相手がMO'SOMEだろうが、Dr.StrangeLoveだろうが、吉井和哉だろうが、KING BROTHERSだろうが、答えは全部一緒なんだよね。いや、それぞれに愛情が感じられて、俺は好きなんだけどさ。でも、結局トリビュートアルバムって最後はそこに行き着いちゃうんだよね。無い物ねだりっつーかね。

 演奏がシンプルすぎればすぎる程、それを崩したり自分の色を付け加えるのが、実は難しいのかもしれないね。ましてやNIRVANAみたいに情念がこもった音楽なら尚更っつーかさ。あとはもう‥‥NIRVANAをリアルタイムで知らない世代が、ここに参加した若手バンドのカバーを聴いて、原曲に興味を持ってくれるのなら、これほど嬉しいことはないよね。

 改めて、12年ってあっという間なのか、それとも長い時間なのか、考えさせられました。



▼V.A.「ALL APOLOGIES」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 31 01:52 午前 [2006年の作品, Compilation Album, Nirvana] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/29

HOOBASTANK『EVERY MAN FOR HIMSELF』(2006)

 HOOBASTANKの通算3作目のアルバム「EVERY MAN FOR HIMSELF」は、バカ売れした前作「THE REASON」から約2年半ぶりに発表される作品集という以上に、ベースのマーク脱退後初の作品という意味で注目される1枚なのかもしれません。全米第2位を記録したシングル "The Reason" で完全にブレイクした感の強い彼らですが、果たして新しいアルバムではどういった方向性を押し進めるのか、そしてメンバーチェンジはその音楽に影響するのか。このアルバムに対する注目点は大きく分けてこの2点かと思います。

 で、アルバムよりも先に先行シングル曲 "If I Were You" がラジオやMTV、ネット上で流れ始めて‥‥新作はこの大ヒット曲路線を押し進めたものになるのか、とちょっとガッカリしてたんですよね。勿論、デビューから5年近く経って未だにスクリーモもないだろう、とは思うんだけど。多くのファンはああいった路線を求めてるように感じてたんでね。当たり前といえば当たり前か、前作のヒットを受けて同じ路線を進むのは。

 ところがアルバムをいざ聴いてみると‥‥一概に「"The Reason" 路線」と言い切ってしまうにはちょっと違うように感じたんですね。いや、確かに全体を覆う大らかでゆったりしたイメージは、間違いなくあの大ヒットの影響なんでしょうけど。大ヒットしたことで、実験的なことをやってみたくなった、あるいは前からやってみたかった路線に進める環境になったのか。この新作には一筋縄ではいかない要素をいろいろ見つけることができます。

 確かにアッパーな曲も1〜2曲あるにはあるんだけど、残りの曲はメロウなミドル〜スローチューン。しかも若干サイケな色合いも見られる。ぶっちゃけて書くと、評価の分かれるアルバムだなぁと。曲間が殆どなく、全部つながってるような印象を受けるので、ある意味ではコンセプトアルバムっぽいイメージもあるし。特に前半7曲は完全にそういう印象が強い。中盤で以前の路線 "Without A Fight" でちょっとブレイクが入って、その後は再びミドル〜スロー路線へ。結局最後の "More Than A Memory" まで聴かせる路線で一貫してる。ある意味では潔いって思うんだけど、ちょっと聴き手を突き放し過ぎかも?という気も。このアルバムでさらに新しいファン層を掴む可能性も多いにあるだけに、ちょっと今後に注目したいかな、と。

 非常によく出来た、良いアルバムだと思うんだけど、これはホントの意味で理解するにはもっと聴き込まないといかんな。時間をかけて、ゆっくりじっくりと味わいたいアルバムですね。


 
▼HOOBASTANK「EVERY MAN FOR HIMSELF」(amazon:US盤US限定盤日本盤日本限定盤

投稿: 2006 05 29 12:45 午前 [2006年の作品, Hoobastank] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/26

KILLING JOKE『HOSANNAS FROM THE BASEMENT OF HELL』(2006)

 21世紀に入ってからのKILLING JOKEが、なぜか良いカンジなんだよね。なぜだろう? インダストリアルな方向により歩み寄った'90年代の2作(「PANDEMONIUM」「DEMOCRACY」は決して悪くなかったけど、個人的にはそこまでグッとこなかったんだよね、当時は(でも最近聴いたら結構良かった)。で、実はそういうこともあって、2003年リリースの「KILLING JOKE」は出た当初、聴いてなかったんだよね(聴くのが怖かった)。デイヴ・グロウル(FOO FIGHTERS)が参加してるってだけで、まぁいいんだろうなーと思ってたし、なによりもオリジナルメンバーが揃ってたってだけで、個人的には結構グッとくるものがあったんだけど。んで、1年くらい経ってから聴いて。そしたらホント良くて。

 で、あれから3年(俺が聴いてから2年)。意外と早くに届いた新作「HOSANNAS FROM THE BASEMENT OF HELL」は再びインディー落ちしちゃったけど、そんなこと全く関係ないぜ!ってくらいに素晴らしい。残念ながらユースは脱退しちゃってるしドラムも新メンバーなんだけど、そんなの全然関係ないです。すごい良い。冒頭から攻めっぱなし。スラッシーな曲も多いし、妙にインダストリアルに偏ってもない。そりゃ最近のMINISTRYみたいな派手さはないけど、デビュー26年目のオッサンを通り越した年代のジジイが今、この音を鳴らしてるってだけで、個人的にはググっとくるものがあるんだよね。贔屓目かしら?

 ジャズ・コールマンの声はさらに凄みを増してるし、ギターのザクザクした感じもさらに強調されてる。曲の長さもちょうど良いし(ミドルスローの曲はさすがに7〜8分台あって、有無をも言わせぬ迫力があるね)、全体的にバランスが良いと思う。いやいや、ホント会心の出来ですよ。

 そんな彼らがこの夏、「FUJI ROCK FESTIVAL '06」で久しぶりの来日を果たすっていうんだから、そりゃ観ないわけにはいかないでしょ! このアルバムの世界観を野外で再現し、さらに初期の曲(勿論 "Wardance" や "The Wait" もね!)も生で聴けるっていうんだから‥‥ま、それがなくてもフジロックには例のごとく、今年も行くんだけどね!



▼KILLING JOKE「HOSANNAS FROM THE BASEMENT OF HELL」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 26 02:06 午前 [2006年の作品, Killing Joke] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/25

Midnight Bankrobbers『冬のピノキオ』(2006)

 多分、誰もが今のROSSOの状況に対して妙な違和感みたいなものを感じてるんじゃないかな‥‥少なくとも、俺はどうにもしっくりこないものがあるんだわ。昨年夏にいきなり登場した、このMidnight Bankrobbersというチバとイマイによる弾き語りユニット。単なるライブでのお楽しみ企画だと思ってたら、いきなりアルバムまで作っちまう。その後に発表された、ROSSOニューアルバム「Emissions」リリースの情報と、第2期ROSSOが今作でファイナルという事実。そして本日、照井がベンジー(浅井健一)のソロ作に参加していることが発表されて‥‥

 本人達からのオフィシャルコメントがないので、何をどう信じていいか判らないし、本当にどうなっているのか全く見えてこない。これが今のROSSOを取り巻く現状。まぁとにかく、あと2週間もしたらリリースされるアルバムを待つしかないか。

 その前に、この作品についてちょっと触れておきましょう。実は昨年末、このMidnight Bankrobbersをイベントで観るチャンスがあったんだけど‥‥遅刻して観れなかったんだわ。噂で「2人してエレキで弾き語りしてる」なんて話が伝わってきてたんだけど、実際に出来上がったアルバムは、まぁ確かにその言葉通りではあるんだけど、もっと自由度の高い、とても実験的なロックアルバムだったなぁと。多分ミッシェルやROSSOでのストレートなロックンロールを期待したファンには辛い内容かもしれないけど、こういう要素はミッシェル時代からあったはずだし、要するに見せ方・聴かせ方なんだと思うのね。これが現在の、2006年のチバの表現方法なんだろうな、と。

 全17曲中10曲がインストナンバーという暴挙ぶりに、このユニットに対する自由度が伺えるし、歌モノにしてもポエトリーリーディング的なものが多い。中にはドラムが入ってる曲もあって、それを叩いてるのが元thee michelle gun elephantのクハラカズユキだというんだから、笑える。ま、だからといってこれがミッシェルというわけではないんだけど。

 でも、同時にミッシェルでもROSSOでもあるんだよね、矛盾してるけど。要するにそれらのバンドの中にあるセンチメンタルな要素だったり、実験的な要素だったりを抜き出して、それを2006年に追求したらこうなった。そういうシンプルな作品なんじゃないかな。決してこれがやりたいからROSSO第2期が終わるとは思えないのね。最初聴いたときは、次につなげるためのアク抜き程度にしか思ってなかったし。けどこうなっちゃうと、このアルバムの存在が重要な意味を持つのかもしれないなぁ‥‥実際にはないんだろうけど。

 評価は人によって分かれる内容だと思うけど、俺は好き。チバのこういう面が好きだったからさ。



▼Midnight Bankrobbers「冬のピノキオ」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 25 09:24 午後 [2006年の作品, Midnight Bankrobbers, THEE MICHELLE GUN ELEPHANT] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/24

真心ブラザーズ『FINE』(2006)

 4年半ぶりに発表された、真心ブラザーズの通算10作目のオリジナルアルバム「FINE」。2005年春に復活を宣言し、シングル「Dear, Summer Friend」「I'm in Love」を立て続けにリリースしたものの、ちょっと我々の期待が大きすぎたのか、それに応えるほどの傑作ぶりは発揮してくれませんでした。でも、勿論真心としてのクオリティはかなり高い方だと思うんだけど‥‥あと一歩なんだよね。なんだろう、この歯がゆさは。復活後のライヴはホントどれもすばらしいものなのに。

 昨年夏の復活後、4人バージョンを含めて何回彼らを観たんだろう‥‥5回は観てるんだな、この4月の野音を含めて。イベントやフェスでの出演も含まれるけど、それらは本当に感動的で涙腺を刺激するようなものでした。でも、それは過去に曲にであって、新曲には‥‥普通に接してたというのが本音。昨年末の中野サンプラザで披露された "I'm in Love" アコースティックバージョンには、さすがにグッときたけどね。

 そして復活後第3弾シングル「情熱と衝動」もかなりいいとこまできたよなーって感じさせる1曲で、確かにこれ聴いたらアルバムに期待しちゃうような出来だよな、と。で、シングルから遅れること半月後にようやく発表されたのが、今回の「FINE」ってわけ。

 正直に書くと、シングルの時点でそこまで期待してなかった自分と、ライヴを観て過剰な期待をしてる自分が同時に存在したんだけど‥‥う〜ん、80点の出来、って最初は思ったよ。シングル曲はアルバムの流れで聴くとピッタリはまってる気がするし、他のアルバム曲の完成度もなかなか。ていうか、桜井曲の出来はやっぱりハンパないと思った。一方、YO-KINGが‥‥あと一歩、あと一歩なんだよなぁ。すごくも勿体ない。彼自身は今、非常にいい状態なんだろうけど、やっぱりどこか数センチ、いや、数ミリズレちゃってる気がね、するんだよね。で、これまでの真心ってその「ズレ」を桜井が歩み寄ることで補正してたように感じてたんだけど、今回は良い意味でそれが感じられない。すごく音で戦ってる気がする、対等に。これがもっと続けることで良い方向に作用すると思うんだけど‥‥だから、あと一歩って感じるんだよね。

 この2人に関して過剰な期待をしてしまうのは、やっぱりライヴでものすげーものを見せつけられてきてるから。この1枚と、これに伴うツアーでまた活動休止なんてことはないよね? 適度な休憩はしつつも、コンスタントに活動を続けることで、通算11作目のアルバムはさらにすごい内容になると思うんだけどな‥‥どうでしょう?



▼真心ブラザーズ「FINE」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 24 12:15 午前 [2006年の作品, 真心ブラザーズ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/23

bonobos『あ、うん』(2006)

 昨年はシングル "THANK YOU FOR THE MUSIC" が多くの音楽ファンに受け入れられ、一気にブレイクへと近づいたbonobos。昨年11月のセルフプロデュースによるミニアルバム「GOLDEN DAYS」以来、約半年ぶりのアルバムとなる通算3作目のフルアルバム「あ、うん」は、先行シングル「Beautiful」同様、朝本浩文が共同プロデュースを担当してます。

 実はこれまでのbonobosの作品って、「音源は音源、ライヴはライヴ」っていう、どこか壁を感じさせる印象があったんですね。良く言えば「作品として作り込まれているのが録音楽曲で、ライヴはそれを崩す作業」というイメージ。悪い言い方をすれば、レコーディング作品とライヴとの間に差(溝?)がある、と。それを良く取るか悪く取るかで、彼らに対する評価も違うんでしょうけど、俺はライヴ観るたびに「勿体ないなぁ‥‥」ってずっと感じてたんですね。というのも、どっちも優れものなだけに、それを上手くひとつに結びつける、あるいは近づけることってできないのかなぁ、って。

 ミニアルバム「GOLDEN DAYS」辺りから少しずつだけど、よりライヴ感みたいなものが増してきた気もしてて、それって結局セルフプロデュースだからかな、だったら朝本浩文が作品を作り込みすぎるのかな?という疑問が沸々と湧いてきてたんだけど、実はこのニューアルバムはそこまで「差(溝)」を感じさせない作風なんですね。これは恐らく意識してのことだと思うんだけど、アレンジはかなりきっちり作り込まれてる印象がありつつも、しっかりライヴ感が増しているという。バンドとしてのグレードもアップしてるし、それをバックアップする朝本側の理解度も増してる。お互いの意思が良い方向に結びついた、すごい良作に仕上がったのが今回の作品なんですね。

 先行シングルを聴いた時点で、もう今度のアルバムは期待十分だと思ってたけど、こうやって8曲を通して聴くと、俺の期待以上の出来だったんで驚いたのと同時に、すっごい嬉しかったなぁ。bonobos独特のグルーヴ感がさらに強調され、ポップ感はそのまま。楽曲のクオリティもより増してるし、蔡忠浩の表現力も向上してる。よく「ポスト・フィッシュマンズ」なんていう例えをされることの多い彼らだけど‥‥これはもう、お互いのバンドに失礼だなと思うようになったなぁ、これ聴いたら。bonobosはbonobosとしての個性をここではっきり確立したと思う。

 前作「electlyric」も名盤と呼んでも差し支えない1枚だったけど、今度の「あ、うん」は間違いなくbonobos史上に残る名盤だと言い切れると思います。いやぁ、このアルバムの曲をライヴで聴くのがすっげー楽しみだ!



▼bonobos「あ、うん」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 23 12:15 午前 [2006年の作品, bonobos] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/22

DIRTY PRETTY THINGS『WATERLOO TO ANYWHERE』(2006)

 さて、続けてカール・バラーによる新バンド、DIRTY PRETTY THINGS。昨年暮れ、ピート・ドハーティのBABYSHAMBLESのアルバムがリリースされたのを見計らってからともいえるような時期に、オフィシャルサイトにてアルバムに収録予定だった(後にシングルとしてもリリースされた)"Bang Bang You're Dead" のPVが先行公開され話題に。いよいよTHE LIBERTINESの面々が、それぞれの道を歩み始めたなぁという印象を受けました。

 あれから約半年。とうとうリリースされたDPTのデビューアルバム「WATERLOO TO ANYWHERE」。ピート抜きのTHE LIBERTINESという表現もピッタリといえるメンバー(ドラムのゲイリーは元メンバーだし、ギターのアンソニーもピート抜き時代にTHE LIBERTINESのツアーにサポートメンバーとして参加)に、カールの新たな相棒といえるディス・ハモンド(元THE COOPER TEMPLE CLAUSE)を迎えて新たな出発をするこのバンド。BABYSHAMBLESとの比較は避けて通れないだろうし、実際に俺みたいな意地悪な見方をするファンもいるだろうから、この先には茨の道が待ち受けてるとも言えるでしょうね。でも、大丈夫だ、このバンドは。サウンドを聴いて安心した。良くも悪くも、THE LIBERTINESなんだもん。

 音楽性云々よりも、その精神性を引き継いだBABYSHAMBLES。そして音楽性そのものを引き継いだDPT‥‥そう言い切ったら、ちょっと乱暴すぎるかな? でも、俺にはそう感じられました。

 元THE CLASHのミック・ジョーンズを三度迎えて制作されたBABYSHAMBLESのアルバムと違い、DPTは新たにデイヴ・サーディ(レッチリやSLAYER、最近じゃOASISやJETなんかも手がけてる)とトニー・ドゥーガン(ベルセバとかMOGWAI辺りが有名)という名プロデューサーを迎え、リリースも「Rough Trade」ではなくメジャーの「Vertigo(Universal傘下)」から。結果、デビュー曲 "Bang Bang You're Dead" は全英チャートで5位、アルバムも初登場3位を記録したわけです。元THE LIBERTINESという話題性と、メジャーレーベルによる広告力と、そしてこの数年で培った実力が生み出した結果だと、俺は確信してます。

 確かに、ここには意外性も初期衝動も薄い。そういうのを求めるファンはBABYSHAMBLSを聴けばいい。乱暴な言い方だけど、俺が求めるTHE LIBERTINESはこっちだったんだな、と音を聴いて実感できたという意味では、この2組の音を同時に聴けたのはラッキーだったね。

 でも‥‥改めて言うけど、これはTHE LIBERTINESではない。と同時に、BABYSHAMBLESもTHE LIBERTINESではない。当たり前だけど、どっちもTHE LIBERTINESとは別のバンド。それを冷静に受け入れられるようになるまでには、もうちょっと時間がかかりそうだけどね。



▼DIRTY PRETTY THINGS「WATERLOO TO ANYWHERE」(amazon:UK盤US盤日本盤

投稿: 2006 05 22 01:00 午前 [2006年の作品, Dirty Pretty Things, Libertines, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/20

AVENGED SEVENFOLD『CITY OF EVIL』(2005)

 正直な話、AVENGED SEVENFOLDなんてバンド、サマソニへの出演が決まらなければ知らなかったわけですよ、俺。すでにアルバムを3枚も出していて、そのいずれもが日本国内盤が出てないんだもん。そりゃ知りませんわな。だけど彼らの最新作「CITY OF EVIL」が全米チャートのトップ50入りして、セールスも100万枚近くまでいってるわけで。なのに日本ではほとんど話題にもならず、実際最新作はメジャー移籍第1弾にも関わらず、日本のワーナーは完全スルーだったしね。ホントひどい話ですよ!

 けどまぁ、こうやって6月には日本盤リリースも決まったわけで、ようやくこういう形で紹介できるようになったと。ま、日本盤が出なくても紹介してたけどね。ただ、一応5〜6月にはリリースされると聞いていたんで、それにあわせて紹介しようかと思ってここまで引っ張ってみました。実際には3月頃に買ったんだけど。

 なんつーか、彼らはインディーズ時代はもっとパンク寄りで、ボーカルも結構スクリーミングしてる感じだったのに(後で過去の音源もチェックしました)、このメジャー作では完全に歌い上げ系に専念してるんだよね。変なデス声も一切なし。しかもギターがツインリード決めまくり、大袈裟な展開は入るわ、曲は長いわで‥‥思わず「これ、ホントにアメリカのバンド? ジャーマンメタルなんじゃねーの?」と疑ってしまったほどに、アメリカっぽくない。ま、逆の見方をすれば、それだけ異質で個性的ともいえるんだけどね(アメリカでは、って意味で)。彼らは今、「2006年のGUNS N'ROSES」みたいに祭り上げられようとしてるんですわ。そのルックスもゴスメイクでキメてて、ちょっと見は確かにグラムロック系と言えなくもない。でも出してる音は‥‥えーっと、日本のX JAPANとか好きな人は、意外と気に入っちゃうんじゃないかな?ってくらいに、後半の曲の畳み掛け&ストリングスやコーラス隊を使った優雅な世界観は、とてもじゃないけどGN'Rとは言えないよね。どっちかっていったらMANOWARじゃんか、ってね。

 はい、ここまでのキーワードを読んでお尻の辺りがむず痒くなったそこのあなた! 絶対に気に入るから聴いてみなって。「BULLET FOR MY VALENTINEに対する、アメリカからの回答」なんてキャッチコピーもあるみたいだけど(どっちが先に世に出てんだよ!?って話もあるんだけど)、それもあながち外れてないよな、とも思ったり。当のBULLET FOR MY VALENTINEがそのGN'Rと一緒に全米ツアーやってるんだからね。方向性にブレはないな、と。実は密かに、サマソニで観るのを楽しみにしてるバンドのひとつなんだけどね。



▼AVENGED SEVENFOLD「CITY OF EVIL」(amazon:US盤日本初回盤日本通常盤

投稿: 2006 05 20 12:15 午前 [2005年の作品, 2006年の作品, Avenged Sevenfold] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/19

Dir en grey『Withering to death.』(2005)

 Dir en greyが2005年3月にリリースした、通算8枚目のオリジナルアルバム「Withering to death.」が先日、いよいよ全米でリリース。この発売に先がけて、かの「Billboard.com」ではトップ記事で「Dir en greyって何者!?」と彼らを紹介してるんですわ。さらにドイツでは昨年に続き今年も「Rock am Ring」フェスへの出演が決定、しかもメインステージの中盤に登場という優遇ぶり。そして夏にはKORNやDEFTONESらと共に、アメリカで久しぶりに開催される移動型フェス「Family Values Tour」への出演も決まっちゃってる‥‥新曲のレコーディングなんてしてる暇がないくらいに、世界中を駆け回ってる。さらに、7/31&8/1には日本武道館でのライヴも‥‥もはや敵なし状態の彼ら。いったいなぜこの時期に世界的ブレイクを果たしたんでしょうか。

 このアメリカでもリリースされたアルバムを、US盤で購入して聴いてみました。ま、日本盤でもいいんですけどね。個人的にはこれまでシングル曲を数曲しか知らないのと、最新のシングル「CLEVER SLEAZOID」が完全メタルコア/スクリーモ化してたってことくらいの知識。そんなまっさらな状態で彼らに接したんですが‥‥なるほどね、こりゃイイわ。確かに上に挙げたような音楽性も取り入れつつ、日本特有のビジュアル系(海外にいくとこの辺はゴスと評価されるんでしょうか)の要素も強く、ボーカルの京はファルセットを使ったクリーントーンで歌い上げたり、かと思えばヒステリックに叫んだり、あげくの果てにはデス声に近いタイプのスクリームまで登場する。うん、これ日本語じゃなかったら海外の新人メタルコアバンドと勘違いするかもしれないわ。完成度は確かにめっちゃ高いですよ。個人的には日本語でも英語でも全然気にならないんで、その辺で評価が下がったりすることはないです。人によってはいろいろあるでしょうけどね。

 日本に'80年代からあるメタル‥‥ジャパメタだったり、アンダーグラウンドなハードコアだったり、そして'90年代以降に登場したビジュアル系だったり‥‥そういった歴史をしっかり辿りつつ(踏まえつつ)、彼らなりの「らしさ」をしっかり確立。X(X JAPAN)が成し得なかった「全米ブレイク」という夢に、今もっとも近い存在と言えるんでしょうね。実際、このアルバムがどのくらいのセールスを記録するのが、とても気になります。UTADA(宇多田ヒカル)でさえトップ100に入らなかった、天下の「Billborad」にね。

 噂では、今秋開催される「taste of CHAOS」のアジア版にBULLET FOR MY VALENTINEやTRIVIUMといった海外のメタルコアバンドと共に出演するなんて話も聞こえてきます。昨年の「taste of CHAOAS」日本版に出演した経験を持つだけに、それもあながち間違ってないような気もします。いや、むしろその組み合わせで観てみたいですよね、欧米のメタルコアにやられた身としては。



▼Dir en grey「Withering to death.」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2006 05 19 12:13 午前 [2005年の作品, 2006年の作品, DIR EN GREY, LOUD PARK] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/18

smorgas『smorgas choosen from '99-'06』(2006)

 smorgasのインディーズ時代からつい最近までの楽曲の中から、ファンお気に入りの楽曲とメンバー自身が気に入っている曲の中から選ばれた20曲。単なるヒットコレクション(ま、彼らの場合はヒットという言葉とは程遠いし、正直そういうのとは関係のない時間軸の中で活動してるような気もするんだけどね)では終わらない、非常に濃いベストアルバムに仕上がってます。えっとね、俺は彼らのこと大好きだったけど、それもあらきさんがいた頃に限定されてさ‥‥要するに彼女の脱退を機に、その後聴かなくなっちゃったんだよね。だから未だに一番好きなアルバムは?と問われると「INTERACTIVA」という2001年にリリースされたメジャー1stアルバムを選んじゃうんだよね。ま、俺がこういったオルタナティヴな日本のバンドを積極的に聴いてたのが、この頃ってことなんだろうね。

 今回、こういう形で1枚にまとめられた彼らの歴史を聴いてみると、結局本質は1999年から今現在に至るまで、何にも変わってなかったんだなぁということに気づかされるんだよね。すごくいいバンド。メンバーの脱退/交代といったトラブルが非常に目立つ(気がする)バンドではあるんだけど、MCのふたり(アニイと来門)が戦う姿勢を忘れない限りは、このバンドは大丈夫なのかな‥‥そんな気すらしてくる。勿論、辞めていったSENSHO1500とか河辺真とか、本当に勿体ないと思うし、できることなら辞めてほしくなかったという気持ちもあるんだけど。だけど、そういうトラブルがあったからこそ、このバンドはこういう形で続いたんだろうな、とも思えるわけで。ま、結果論でしかないんだけど‥‥ホントいいバンドだと思います。正直な話、今の彼らがどういうライヴをやるのかは見えてこないんだけど(だからこそ観たい、という気持ちも強い)、まぁ取るに足らない問題なんだろうな‥‥いいライヴやってるに決まってるって。それは十分に伝わってきましたよ、この20曲と付属のDVDを観て。

 和製RAGE AGAINST THE MACHINEだとか、日本のBEASTIESだとか、まぁたとえはいろいろあるかと思うし、逆にそれに対して嫌悪感を持つ洋楽ヲタも多いと思う。けど聴かず嫌いするには勿体ない存在だよ。こういうバンドこそ、どうにかして生き残ってほしいし、活動を続けてほしい。クソくだらないバンドが多い中、こんなにカッコいい音を9年にわたって出し続けてるんだからさ。



▼smorgas「smorgas choosen from '99-'06」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 18 09:10 午後 [2006年の作品, smorgas] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/17

レミオロメン『HORIZON』(2006)

 レミオロメンのニューアルバムはこれまでのイメージを良くも悪くも裏切った、なんだかすごい作品に仕上がってます。前作から1年2ヶ月ぶり、通算3枚目のフルアルバムなんだけど‥‥ついに行き着くところまで行ったかな、というよりも、振り切っちゃったかな、という気がします。俺はメジャーデビュー後の2枚のアルバムは聴いてなくて、インディーズ時代の作品全部とメジャー後のシングル曲しか知らない程度の知識でこれを書いてるので、もしかしたらコアなファンからしたら見当違いなことを書いてる可能性もあるけど、それでも気になったことを書いておきたいと思います。

 リリース前にこのアルバムを聴く機会を得て、それ以来何度も繰り返し聴いていたんですが‥‥とにかくスゲーアルバムだな、と。バンドの力量が一気にレベルアップしたってのもあるんだろうけど、やはりプロデューサー・小林武史って男も改めてすごい奴だと思いましたね。小林が好きそうなプログレの要素も適度にアレンジに取り込みつつ、曲自体のクオリティも以前以上に煌びやかで多くの人に伝わりやすいものになってる。全体のバランスがすごく良いんですよね。通して聴いたとき、次々繰り出される楽曲にちょっとゾクゾクしたりもしてね。アルバムジャケットの色使いやイメージのせいもあるけど、これはもしかしたらMr.Childrenでいうところの「Atomic Heart」みたいな1枚になるんじゃないか‥‥そんな予感すら感じさせる作品だと。ていうのは言いすぎですかね?

 ただし、気になる点もあって。たとえばそれまで身近な「個」について歌っていた楽曲が多く感じられたのに、アルバムにはもっと壮大で大きなテーマを持つ楽曲が増えていること。この辺もミスチルの「Atomic Heart」っぽいと感じさせる一因なんですが。個人的には「雨上がり」「3月9日」で歌われているような世界観が好きだったので、ちょっと寂しい気もするんですけどね。その辺をファンがどう受け取るかで、今後の評価も変わってくるのかな、という気も。ま、どちらにせよ、これは良いアルバムには違いないですよ。

 「化けた」というよりは、変化の過程にあるような印象が強いこのアルバム。ひとつの「地平線」を超えて、次の目的地を探してるような、そんな時期なのかな。だとしたら、次の目的地を見つけた後に訪れる「この次のアルバム」はもっとすごいことになってるんじゃないか‥‥ミスチルとの比較でファンには大変申し訳ないですが‥‥あの人たちが「深海」にたどり着いたみたいに、ね。



▼レミオロメン「HORIZON」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 17 12:00 午後 [2006年の作品, レミオロメン] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/16

PEARL JAM『PEARL JAM』(2006)

 改めて思うけど、PEARL JAMってつくづく不幸なバンドだなと思う。だって、デビューした時期や周辺のシーンのせいでグランジ扱いされ、その十字架を勝手に背負わされ、未だにあの頃の幻想をファンは追ってるし。結局グランジという色眼鏡でこのバンドを見続けてる人にとっては、この先もずっとPEARL JAMは「初期を超えられない終わったバンド」で片づけられちゃうんだろうな。

 かくいうこの俺も、彼らのことをこの10年は完全に誤解してたように思うんだよな。やっぱり最初の3枚のインパクトやイメージが強過ぎて。それと初来日公演な。あれを観た後に聴いたそれ以降の作品は、やはり‥‥

 そしてここ1〜2作に関しては完全にスルーしてた俺。だけどネット先行配信された "World Wide Suicide"、そしてリリース前に聴かせていただいたアルバム収録曲の出来に思わずニヤリとして、今回は予約してまで買いましたよ。

 期待以上の出来でしたね。すごくストレートで、これなら日本人にも伝わりやすいと思う。こういう土着的なアメリカンロックって、実は日本人には受けが悪いじゃないですか。あと彼らの場合は歌詞も抽象的だったりするし、メディアに出る機会も少ないので、余計にアピールしにくいというか。日本で受けるロックって、やっぱりメジャー感が強くて、判りやすい方が人気あるしね。

 あと‥‥これは反論あるかもしれないけど、彼らって実験的なことも結構やったりしてるけど、基本的には「判りやすい、普遍的なロック」をやってるバンドなんですよね。その時代時代の色だったり、メンバーの感情の起伏とかそういうのが作品にダイレクトに表れてるから、ムラがある。でも今回のアルバムを改めて聴いて、これはもうずーっと変わることのない、いや、もっと昔から在ったロックだな、って実感しましたね。ニール・ヤングとの交流でよく比較されたりもする彼らだけど、それも判る気がする。

 とにかく。久し振りにPEARL JAMのアルバム聴いて、スッキリしたな。これは良いアルバムですよ。



▼PEARL JAM「PEARL JAM」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 16 01:46 午前 [2006年の作品, Pearl Jam] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/09

WHITESNAKE『LIVE : IN THE STILL OF THE NIGHT』(2006)

 間もなく来日を果たすWHITESNAKEの、2004年10月にロンドンで行われたライヴの模様を収録したDVD。海外では今年の2月にリリースされていましたが、日本では5月の来日公演に合わせて4月末の発売に。もともと昨年から出る出ると言われていたDVDなだけに、やっと出た!という印象が強いかも。

 このDVD、俺はUS盤を2月に入手していち早く楽しませてもらっていたんですが(但しリージョン1なのでご注意を)、そもそもWHITESNAKE自体約10数年振りに観たもので、いろんな意味でショックを受けましたね。いや、いい意味でだよ? 声が出なくなって来てるのは、すでに10数年前の時点で判っていたので今更驚かないし、逆に「ああ、このくらいは出るんだ」と安心したりもしたのね、今回のDVDを観て。

 ダグやレブといったレコーディングには参加してないギタリストのプレイも、ちゃんとオリジナルの良さを抑えつつ、それでいて自分らしさをしっかり表現してるあたりは流石というか。けど、古いファンからは評価が分かれそうだよね。「ギターのF1グランプリ」云々な表現で速弾きギタリストを拒絶した男が、またこんなギタリストを迎え入れてるんだから。でも、今後新作を出すとして、それにダグやレブといった曲も書けるギタリストが参加するんだったら、それはそれで楽しみだなーと。素直にそう思えます。

 選曲は'80年代の、所謂アメリカでのブレイク時の曲を中心に、懐かしい初期のヒット曲(イギリス向け)や、DEEP PURPLE時代の "Burn" や "Stormbringer" まで飛び出すサービスぶり。恐らく今度の来日公演もこれに近い選曲になるんだろうね。"Take Me With You" みたいな1stアルバムの曲までやってるんだもん、ちょっと観ておきたいよね。ま、その前にこのDVDだけどね。

 あ、あとこれを観ちゃうと、マルコ・メンドーザ脱退はちょっと惜しいなぁって気が。"Burn" でのグレン・ヒューズのパートを彼が歌ってたんだけど、新しいベーシストはそれをこなせるんでしょうか。不安です。

 ちなみに。日本初回盤にはこのDVD収録曲から10曲が収録されたCDが付いてきます。US盤にも付いてたけど、何やら世界中でトータル50万枚にしか付かないそうなので、お早めに。



▼WHITESNAKE「LIVE : IN THE STILL OF THE NIGHT」DVD(amazon:US盤日本初回盤日本盤

投稿: 2006 05 09 12:10 午前 [2006年の作品, Whitesnake] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/08

安倍なつみ『2nd 〜染みわたる想い〜』(2006)

 約2年ぶりのアルバムとなる安倍なつみの「2nd 〜染みわたる想い〜」。本来ならもう1年くらい早く出てたはずだけど、まぁあの「事件」のお陰でリリース自体が暗礁に乗り上げちゃったからね。恐らくこのアルバム自体、当時制作されていたものとは内容が大幅に変わってるはず。予定されていたシングル曲(TAKUI作曲で話題になったやつな)もリリースされることなく、そしてこのアルバムにも収録されてないし。レコーディング自体は終了してたはずなのに‥‥完全にお蔵入りですか。勿体ない。ま、いずれ発表される可能性はあるだろうし、そっちはそっちで楽しみにしておきましょうか。

 で、このアルバム。最近のシングルがつんく♂作&プロデュースではないのに、アルバム用の新曲制作&アルバムプロデュースがつんく♂なんですよね。そこまでは投げないんですね、他人に。でもね、これが予想外に(と言っちゃあ失礼かな)良かった。もっとも最近のつんく♂ワークスはアルバムに関してはハズレはそんなにないので、そこまで心配もしてなかったけど。普通に安心して聴けるJ-POPモノといった印象。シングル曲以上に出来が良い楽曲が多いし(かといって、じゃあそれらをシングルにするとちょっと弱いという。インパクト重視なんだろうな、やっぱり)、今の安倍にピッタリな曲‥‥等身大って意味では、今までで一番合ってるんだろうね。無理してないというか。"恋のテレフォンGOAL" とかリリース当時聴いた時はどうしようかと思ったけど、今こうやって聴くと全然違和感がない(単に慣れただけか?)。アルバムの中の1曲として聴くと、意外と馴染んでるような。

 こういうアルバムを聴いちゃうと、もうつんく♂は安倍をまるごと他人に預けてプロデュース任せちゃったらいいんじゃないかと、マジメに思うんだけど。それはそれで淋しいって思う人も多いのかもしれないけど、ちゃんと成長を見せてくれてる人を、このまま飼い殺しするのは勿体ないと思うんだけど。いや、このアルバムの出来が良かっただけに、余計にそう思うわけですが。



▼安倍なつみ「2nd 〜染みわたる想い〜」(amazon:日本盤

投稿: 2006 05 08 12:10 午前 [2006年の作品, ハロー!プロジェクト, 安倍なつみ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/04

KATATONIA『THE GREAT COLD DISTANCE』(2006)

ジャケットとバンド名に惹かれて、思わず手にとってしまった1枚。ゴシック系のデスメタルかなぁ~って思ったら、正解。このKATATONIAはスウェーデンのゴシックメタルバンドで、'90年代前半から活動してるそうですね。今年3月にリリースされたこのアルバムは、通産7作目にあたるフルアルバムなんですが‥‥

 途中、確かにデスっぽい叫び声が入るものもあるんですが、基本的には中音域メインで歌い上げるタイプ‥‥ホントにゴシックメタルっていうイメージが強い音なんですよね。一昔前のPARADISE LOST辺りに通ずるというか。そこにちょっとヘヴィで凝ったアレンジ(ところどころで変拍子入れたりとか)のバックトラックが乗る感じ。すごく聴きやすい。

 だけど、ひたすら暗い(笑)。好きな人にはたまらない世界観ですね、これ。曲のテンポもひたすらミドル~スロウが中心。ボーカルだけ聴いてると、ALICE IN CHAINSとDEPECHE MODEが結婚したかのような暗さ‥‥って表現もどうかと思うけど、とにかく暗い。そして独特なムードがある、と。もうこのジャケット見てるだけで、こっちが頭を抱えたくなるというか‥‥一緒になって頭抱えて凹む、みたいなね。そんなバンドですよ(ってどんなだよ?)。

 それにしても、ホントにスウェーデン人はこういうサウンドやらせたら上手いね。って偏見か? いやいや、本当に上手いと思う。メロディック・デスメタルにしろ、ゴシックメタルにしろ。きっと一年中寒いから、みんなうつむき加減で生活してるんだろうね!(ひどい偏見だ)でも、本気でそう信じたくなるようなサウンドを、次から次へと繰り出してくるんだもの、このアルバムも。

 攻撃性や爽快感といったものは皆無。ただひたすらメロウでダーク。部屋の片隅で、ひざでも抱えながら聴いてみてください。ハマリますから。いや、保証はしないけどね。



▼KATATONIA「THE GREAT COLD DISTANCE」(amazon:US盤UK限定盤

投稿: 2006 05 04 12:10 午前 [2006年の作品, Katatonia] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/03

LULLACRY『VOL.4』(2006)

 このバンド、偶然「Century Media Records」のサイトをさまよってたら見つけたんですよ。アメリカでは今年の1月に同レーベルからリリースされた、LULLACRYというバンドの4枚目のアルバム「VOL.4」。4曲目に収録された "Stranger In You" という曲を試聴したら結構好みだったので、即購入しまして。

 ホント、音だけ聴いてそれ以外の情報は一切なしで。アルバムが届いてからオフィシャルサイトを覗いたくらいですから。そしたらこのバンド、アメリカ出身じゃないのな! いや、聴いた時点でそれっぽくないとは思ってたけど、まさかフィンランドのバンドだったとは‥‥最近多いですね、フィンランドのバンド。NEGATIVEとかHIMもフィンランドでしたよね、確か。言われてみると、この辺のバンドに共通する「哀愁漂う歌メロ」要素に合致するんですけどね。

 ヘルシンキ出身の、女性ボーカルを含む5人組。'90年代後半から活動してるようで、実は日本盤もリリースされてるんですね。この「VOL.4」もアメリカでは今年リリースされたものの、ヨーロッパや日本では昨年の秋にリリース済み。日本盤にはKISSの "I Stole Your Love" とW.A.S.P.の "L.O.V.E. Machine" のカバーがボーナストラックで収録されてるんだそうな‥‥そっち買えばよかった(苦笑)。

 内容は、上に書いたような「歌メロ重視の、潤いあるメロディアスハードロック」路線。ボーカルは最近流行の(EVANESCENCEやLACUNA COILみたいな)耽美なゴス系ではなく(でも一応本国ではゴス系に括られてるらしい。本人達にもその意識はあるとか‥‥)、どちらかというとビッチ系? いや、いい意味でね(いい意味で「ビッチ系」て‥‥)。メタルというよりは、ハードロックって呼んだ方が正しいかもしれない。いや、すごい好み。タイプはちょっと違うと思うけど‥‥

 でも、最初に聴いた "Stranger In You" が'80年代のKISSをちょっとヨーロピアンにした感じで(伝わるかな?)、スゴイ好みの音だったんだよね。それで女性ボーカルだし。決してアヴリル・ラヴィーン的とは言わないものの‥‥EVANESCENCEと足して割ると、丁度いいのかな?(それは言いすぎか)とにかくカッコイイです。メロウなハードロック、例えばPINK CREAM 69とか(懐かしすぎ)「THE FINAL COUNTDOWN」以降のEUROPEとか、その辺の音が好きな人には絶対に伝わるものがあるはず。あとは上記のフィンランド勢がお気に入りの人達ね。ぜひチェックしてみてくださいな。



▼LULLACRY「VOL.4」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 03 12:10 午前 [2006年の作品, Lullacry] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/02

ROB ZOMBIE『EDUCATED HORSES』(2006)

 前作「THE SINISTER URGE」から約4年4ヶ月ぶりに発表する、ROB ZOMBIE通算3作目のアルバム。2003年にはベストアルバム「PAST, PRESENT & FUTURE」がリリースされているので、実はそんなに時間が経ってるなんて思ってなかったんですが。そういやぁこの人はWHITE ZOMBIE時代含め、ホントにリリース間隔が長いですよね。その割りに、毎回内容は一緒なんですけど(良い意味でな)。

 さて、WHITE ZOMBIE時代にメジャーから2枚のオリジナルアルバムを、ソロになってからも2枚のアルバムを出している彼ですが、ベスト盤をひと区切りとしてここで心機一転、新しい音で勝負してくるのか‥‥と思いきや、まったく変わってません。安心してください、ファンの皆さん! 驚くくらいに変わり映えがないというか。いや、もう彼に関してはこれでいいのかもしれない。もともと音楽的に革新的なことをやってきた人じゃないし、むしろキャラ勝負なとこが強かったわけだし。ビジュアル面(映像作品など含め)でいろいろ凝ったことをやってる割りには、音は毎回一緒。もちろん手抜きは一切なく、細部まで徹底的に作り込まれてるんだけどね。

 今回も前半にキャッチーな曲を持ってきて、中盤にインターミッション的なインスト曲を挿入し、その後はミドルヘヴィでムード感のある曲が続くという構成は、ある意味では映画的かもしれません。あと、この人のオリジナルアルバムって、毎回適度な長さなんですよね。今回も40分がちょい欠ける程度。勢いで聴けてしまうというか、飽きる前に終わっちゃうし、程よい長さなんですよね。まぁ最近じゃCDの限界近くまで音を詰め込むアーティストが多いから、そういう意味でアンチテーゼっぽいかも(実はなにも考えてなかったりしてな)。

 とにかく、これまでの彼の曲が好きな人なら間違いなく気に入る1枚でしょう。この金太郎飴みたいなアルバムを楽しめたなら、もうこっちのもの。あとはひたすらリピートするのみ。そう、一度聴くと、2度、3度と繰り返し聴いてしまうアルバムなんですよね、これ。もちろんそれには曲が良いという大前提があるわけなんですが‥‥いやいや、マジでいいアルバムだって。MARILYN MANSONはダークすぎて&キモくて苦手、っていう人でも、こっちならいけるんじゃないかな? 実は音的にはまったくひねくれてない、ド直球だからね、ROB ZOMBIEって。



▼ROB ZOMBIE「EDUCATED HORSES」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 02 12:10 午前 [2006年の作品, Rob Zombie] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/05/01

GODSMACK『IV』(2006)

 アメリカ・ボストン出身のヘヴィロックバンド、GODSMACK。その彼らが前作「FACELESS」から約3年ぶりに発表する、通算4作目のアルバム「IV」は、前作をより進化させたような快作に仕上がってます。

 俺、このバンドに対する知識って殆どなくて、アルバムをちゃんと聴いたのも前作からなんですよね。コンピレーション盤に収録されていた1st~2ndのシングル曲は耳にはしていたものの、そんなに印象に残らなくて。ところが前作がいきなり全米ナンバー1になり、2003年夏の「FUJI ROCK FESTIVAL」に出演。アルバムを予習して彼らのステージを観たわけ。このときは丁度ドラムに元AMENのシャノン・ラーキンを迎えて初めての来日で。どんなステージを見せてくれるのかワクワクしたんだけど‥‥ちょっと会場の雰囲気に合わなかったかなぁ、と。悪くはなかったんだよね。トライバルなパーカッションプレイを導入したステージングは興味深かったし、演奏もカッチリしてて安心して最後まで観れたし。でも、スゴイとは思わなくて。実はこれ、アルバムにも通ずる印象だったんだよね。ALICE IN CHAINS直系の、ダークでムーディーなヘヴィサウンドは確かに心地よいし、個人的に思いっきりツボなんだけど。でもハマらなかった。

 今回のアルバムは確かに前作の延長線上にある作風で、さらにムーディーに作りこんでる気がするんだけど‥‥うん、いい意味で開き直ったかな、と。あの不協和音的なツインボーカルがない分、アリチェンというよりはストテン(STONE TEMPLE PILOTS)に近い気がするんだけど。まぁサウンド的には確かに初期アリチェンだよね。

 いきなりスローでブルージーな "Livin' In Sin" で始まるから「おっ!?」って惹きつけられ、2曲目に王道ヘヴィチューン "Speak" でドカーンと爆発する。いやいや、普通にカッコイイよね、この辺の曲は。いかにもアメリカのヘヴィバンドって感じで。続く "The Enemy" もさらにアッパーで、冒頭の良いバイブをそのまま引き継いでる。中盤、ブルースハープを取り入れた "Shine Down" やストリングスとアコースティックギターでじっくり聴かせる "Hollow" みたいな曲もある。ニューメタルとかアフターグランジとかヘヴィロックとか、そういった括りを上手くはみ出したかな、って気がしますね。もちろんこれらは全部、今までのアルバムに存在した要素なんだけど、それらがより洗練され、やりたい放題やったら上手くまとまった、みたいな感じなんでしょうか。うん、すごく良いんじゃないかと思います。

 前作にあったようなパーカッシブな "Voodoo Too" もしっかりあるし、なにかを捨て去るんじゃなくて、全部を残したまま上手く前進したかな、と。間もなくウドーフェスで再来日しますが、観ておいて損はないと思いますよ。明らかにアメリカと日本とでは、その人気に格差がありますけど、好きな人にはたまらない、如何にもアメリカンなバンドですからね。



▼GODSMACK「IV」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 05 01 12:10 午前 [2006年の作品, Godsmack] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/04/30

HIGH and MIGHTY COLOR『傲音プログレッシヴ』(2006)

 俺がこのバンドの新作について触れないわけがないでしょ?(笑)

 というわけで、久しぶりのハイカラです。ファーストアルバム「G∞VER」から約半年で届いたこのアルバム。いやー、ビックリした。このペースで来るとは思ってないじゃない普通。しかもセールスがデビュー曲以降、ひたすら下降線をたどってるバンドなのにさ。俺自身もここ最近のシングルはもちろん追っていたけど、取り上げる時間とか全然なくてさ(ま、その辺はそのうち時間ができたらまとめてやりますけどね。ってやるのかよ!)。

 確かに1stアルバム以降に出た2枚のシングルは、適度にヘヴィさがあり、それでいて彼ららしいポップさも十分にあって、バランス的にはいいものだったんですよね。幸い最新シングル "一輪の花" がスマッシュヒットしたのと、全米デビューが決まったことで、かなり話題になってくれたし。そこでこの2ndアルバムですから、そりゃ注目集まりますわな。

 たった2枚のシングルでアルバム作って、全11曲中9曲が未発表新曲という構成なんだけど‥‥思った以上、いやかなり出来が良くてビックリしたというのが本音。かなりバンドとしてまとまってきたというか、すべてにおいてタイトになったかな、と。もともと演奏はしっかりしてたし、曲もちゃんと書けるバンドだったので、課題は女性ボーカルの歌唱力向上と男性ボーカルとの絡みや使い分けだったんですよね。デスメタル‥‥じゃないや、ラウドロックファンも唸らせつつ、それでいて普通のJ-POPファンにもアピールできるようなクオリティーの作品作り。デス声が浮いちゃうような前作の構成だと厳しいよなぁ、と。幸い1stアルバムの時点で「男女混合ボーカル」路線の進むべき道みたいなのが提示され、それを最新シングルで上手いことアピールできた、と。その後のアルバムだから、あとはそれを後押しするだけで。それが上手いこと受け入れられるといいんだけど。

 ま、そうはいいながらもちゃんとデス声健在で、アンチノブナガファン(笑)としてはひと安心なんですけどね。

 楽曲は、まぁ特に目新しい点はないかな。タフでハードな楽曲はそのままに、ポップでキャッチーな曲はさらにポップに。双方の路線がより洗練されてるんだけど、バラバラ感はあんまりないかな。頭4曲がとてもタフな路線なんで、思わず唸ってしまったんだけど、5曲目 "水玉ラムネ" のイントロで一瞬だけズッコケそうになるものの、実はそこまでポップすぎず、バランス感がちゃんと維持されてるんだよね。これが前作だと極端にポップソングになりすぎちゃってる感があって。それ1曲を取り出せば全然アリなんだけど、アルバムに入るとまとまりが‥‥ってなっちゃってたわけ。でもこのアルバムでは「シングル中心」というよりは、アルバムオリエンテッドな作風があるんで(シングル曲2曲も馴染んでるし)全然気にならない。ていうか‥‥半年でこれだけの結果を出したのは、成長の表れというか、スタッフが頑張ったというか。

 アメリカのアニヲタにも大人気らしい彼ら。興味本位でもいいから、一度日本のラウド系リスナーにも聴いてほしいかなぁ‥‥無理を承知で言ってるんだけど。この際、今年のサマソニに出ちゃえばいいんだよな。去年は大阪だけ出たんだっけ。今年はぜひ東京でも! そうすると、すっげー喜ばれます! 特に俺に!!



▼HIGH and MIGHTY COLOR「傲音プログレッシヴ」(amazon:日本盤(期間限定)

投稿: 2006 04 30 12:10 午前 [2006年の作品, HIGH and MIGHTY COLOR] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/04/29

エレファントカシマシ『町を見下ろす丘』(2006)

 エレファントカシマシ通算17作目のオリジナルアルバム「町を見下ろす丘」は、ここ最近のエレカシとは若干作風が異なるんだけど、これは傑作です。言い切ります。つーか言い切らせろや。

ここ数作‥‥恐らく2002年リリースの「DEAD OR ALIVE」以降からなんだけど、とにかくハイペースで新曲ができて、それを思うがままにレコーディングしていって、作品として提供する。いや、時には真っ先にライヴで披露してファンを驚かす。ここ数年のエレカシにはそういうイメージがあったんだけど、今度のアルバムって前作「風」から丁度1年半ぶりなんだよね。そう、思ったよりも間が空いてたんだ。ライヴは頻繁にやっていた方だから、全然そんな気はしなかったんだけど。

 今度のアルバムでは、8年ぶりに佐久間正英をプロデューサーに迎えているんだけど、これが良い方向に作用してると思う。良い意味で抑制され、そして整然としている。これまでのヤケクソ気味にどう処理していいか判らないパワーは、ここには存在しない。その代わり、余裕というか開き直りみたいなものが感じられるのね。うん‥‥「諦め」? そうかもしれない。でも‥‥違うか。うん、違う。「悟り」の方が近いかもしれない。言葉遣いにしろ、音の感触にしろ、そういったキメ細やかさが感じられる。なんていうか、サウンドだけ聴いてると安心できるんだけど、歌詞に耳をやると相変わらず刺さるというか。今回のタッグは双方の良い面が上手く生かせ、良い結果が出せたんじゃないかと。

 アルバムタイトルにしろ曲名にしろ、とにかく生活観・生活感が強いものが多い。もちろんエレカシにとって「生活」というのは根底にあるテーマなんだけど、それがここ数作の中で一番色濃く出てるのかな、と。しかも、それが非常に聴き手の側に密着したというか‥‥宮本の生活感なんだけど、聴き手側の生活感でもある。共感しやすいとかいう問題じゃなくて、当たり前のものとしてそこにある、みたいな。だからスーッと入ってくるし、そしてグサリと突き刺さる。久しぶりだなぁ、宮本の歌詞でここまでグッサリやれれたのは。

 攻撃的なエレカシを求めていた人にはちょっと肩透かしなのかなぁ。いやそんなことないでしょ? なんていうか、むしろこのアルバムは俺と同年代で、エピック時代の彼らしか認めないといって離れていった「元ファン」にこそ聴いてほしいアルバムかな。宮本に近い年齢だからこそ感じるもの、あるはずだからさ。

 いやぁ、エレカシも今年でデビュー18年。現在のメンバーになってから丁度20年とかですよね‥‥全然守りに入らなねーのな。ホント、異端なバンドだよな。



▼エレファントカシマシ「町を見下ろす丘」(amazon:日本盤

投稿: 2006 04 29 12:10 午前 [2006年の作品, エレファントカシマシ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/04/28

THE PRIVATES『真夜中の太陽 (THE SUN OF THE MIDNIGHT)』(2006)

 いやーっ、多分10数年ぶりくらいにまともに音源聴いたよ、THE PRIVATES。'80年代末のデビュー以来、恐らく'90年代後半の‥‥クラブミュージックに影響を受けたかのような音楽性の時期があったかと思うんだけど、その辺までの記憶はあるんだよね。まぁアルバムでいったら「THRILL! SPEED! SEX!」までしか聴いてないんだけどね。

 一昨年の「RISING SUN ROCK FESTIVAL」で、たまたま彼らのライヴを観て。それすら1989年以来だから、15年ぶりくらいで。でもね、これが確実に良かったんだわ、'80年代よりも。モッズやガレージからの影響をストレートに出した、ていうかまんまなんだけど。とにかく過去と比べれば、確実に今の方が直球で判りやすい。良いとか悪いとかを超越した、ロックンロールのカッコよさがストレートに伝わるライヴだったのよ。

 今回、偶然にも彼らのニューアルバムをリリースよりも早く聴く機会を得て、実はこの2ヶ月近く、かなりの頻度でこの「真夜中の太陽 (THE SUN OF THE MIDNIGHT)」を聴き込んでます。もうね、無心で聴けるカッコいいロックンロールアルバム。冒頭の "DELTA ECHO #1" で勝負決まり!みたいな。その後は緩急あるものの、基本的には時代を超越したガレージ色の強いロックンロール。'80年代の彼らも、'90年代の彼らも、そしてここ数年の彼らもを飲み込んで、噛み砕いて、吐き出されたものがこのサウンドなんだろうな、と。すごく原色っぽくてギトギトしてるんだけど、決してそれが嫌味というわけじゃない。むしろ心地よいくらい。本当に聴いていて気持ちいい。ロックンロール好きでこのアルバムがダメっていう人、いないんじゃないの?

 以前はボーカルの延原の声が苦手って人が周りにいたんだけど、今じゃ誰もそんなこと言わないよね? いや、そういう次元になるほど注目されてないとか‥‥いやぁ、クソくだらない「中途半端な、自称ロックバンド」が多い中、彼らのようなバンドはなんで見向きもされないんだろうね。コアなファンにはちゃんと支えられてるけどさ。折角今回はメジャーに復帰したわけだし、これを機にもっとオーバーグラウンドに浮上してもいいと思うんだけど。このアルバムはその原動力になる1枚になるはず。絶対に。

 思えば彼らはここまでメンバーチェンジしてないんだよね(ま、キーボード脱退っていうのはあったけど、基本的に今の4人はデビュー時からずっといるメンバーだし)。そんな苦楽を共にした、20年近くにわたり活動してきたTHE PRIVATEの通算15枚目のアルバム。これを聴かないなんてあり得ないよ。絶対に聴くべき。



▼THE PRIVATES「真夜中の太陽 (THE SUN OF THE MIDNIGHT)」(amazon:日本盤

投稿: 2006 04 28 12:10 午前 [2006年の作品, Privates, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/04/27

THE VIBRATORS 『PUNK : THE EARLY YEARS』(2006)

 今年で結成30周年を迎えるTHE VIBRATORSが、自らを記念する企画アルバムを制作。それがこの「PUNK : THE EARLY YEARS」なんだけど‥‥全編、'70年代のオリジナル・パンクの名曲ばかり。ニューヨーク・パンクも、ロンドン・パンクも、全部ひっくるめて「THE EARLY YEARS」ってことにしてるし。さらに自分達の曲("Automatic Lover"、"Baby Baby"、"Rip Up The City"、"Whip And Furs")も現在3人で再録音。これも含めて全20曲。完璧なパンクアルバムですわ、良くも悪くも。

 ゲストとして "Sonic Reducer"(言わずと知れたDEAD BOYSの名曲)ではウェイン・クレイマー(MC5)がギターで、"Vibrator"(MOTORHEADのカバー!)ではレオナルド(THE DICKIES)がボーカルで、それぞれゲスト参加。それぞれかなりそれっぽくなっちゃってます。

 全曲、カバーというよりはコピーに近いかな‥‥いきなりド頭の "White Riot"(言うまでもなくTHE CLASH)の爆走ぶりに驚きつつ、続く "New Rose"(これも言うまでもなくTHE DAMNEDな)のキーを低くしたボーカルでひっくり返る。さらにほぼ原曲のまんまな "Sheena Is A Punk Rocker"(言わなくてもいいでしょ?)が出てきて‥‥SEX PISTOLSはあるわ、U.K.SUBSはあるわ、UNDERTONESはあるわ、ジョニー・サンダースはあるわで‥‥ま、THE VIBRATORSの曲含め、全部名曲ですからね、悪いわけがない。

 実はこのアルバムとは別に、今年の後半にはオリジナルアルバムも用意しているようなので、これはあくまで「楽しむためにやった、企画盤」って割り切れるからいいんですけどね。まぁ割り切る云々の前に、カッコいいし、楽しいから全然アリなんですけど。

 まぁあれですよ。早い話が‥‥これ聴いて文句たれたり、楽しめないって奴は、ロックなんて聴くの、辞めちゃえばいいんですよ。そういう、理屈抜きで楽しめる1枚。

 あ、最後に‥‥このアルバムのプロデューサーの名前が、ボブ・キューリックって記載されてるんですが‥‥あのボブ・キューリックですかね。元KISSのギタリスト、ブルース・キューリックの実兄で、そのKISSのポール・スタンレーのソロツアーにも参加したことがある、あのボブ・キューリック。なんか想像つかないんですが‥‥単に今はプロデュース業もやってるとか、ただそれだけかしら?



▼THE VIBRATORS 「PUNK : THE EARLY YEARS」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 04 27 12:10 午前 [2006年の作品, Vibrators, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/04/26

BACKYARD BABIES『PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE US』(2006)

 BACKYARD BABIES、本領発揮といったところでしょうか? 多分ここ数年「あと一歩なんだよなぁ‥‥」と嘆いていた人、アメリカナイズされた(いや実際にはされてないんだけど)3rd「MAKING ENEMIES IS GOOD」や4th「STOCKHOLM SYNDROME」を駄作扱いしてた奴ら。みんなこの5thアルバムを聴いて、何を思うんだろうね。ま、せいぜい毒づけばいいんじゃないかな。

 スタジオアルバムとしては約2年半ぶり、間にライヴアルバム「LIVE LIVE IN PARIS」を出しているので、そんなに時間が経っているような気はしないですね。インターバル的には前作の時と同じなんですが。あと前作の時は「SONIC MANIA」で来日したり、その後単独公演でも来日してるから、余計そんな気がするのかも。ていうか、そんなことはどうでもいいですよ。

 ともかくこれは、2006年を代表する1枚に決定ですよ。ええ。

 かつてドレゲンが参加したTHE HELLACOPTERSでの盟友、ニッケ・アンダーソンが今回プロデュースを務めたこのアルバム。悪いわけがない。作風としては前作/前々作にあった音圧(装飾)を取っ払って、とにかく根っこにある「芯」が出るまですべてを削ぎ落としたかのようなロウ(生)なサウンドが印象的で、人によっては軽く聴こえてしまうかもしれないけど(実際、自分も最初聴いた時の印象が「軽いなぁ〜」だった)、何度も聴き込んでいると、これが必要不可欠なものなんだと理解できます。ていうか、これこそがBYBの持ち味じゃん、てね。

 あと、ニッケが絡んでるからってのも大きいんだろうけど、ここ数作のTHE HELLACOPTERSにも通ずる「枯れ」の要素が増えてる。枯れたとか書くとあまり良い印象がないかもしれないけど、実はその逆で、こういうのって自然に表出させること自体が難しいし、積み重ねて来たものが自然と出てるだけなんだよね。まぁBYB自体がすでに20年近く活動してるバンドなわけで、これまでの「テンパリ振り」とはひと味違った要素もここに来て引き出されてるかな、と。これは新しいプロデューサー=ニッケとの共同作業が大きく作用してるんでしょう。

 もうひたすら吹っ切れた感が強い楽曲。ド頭から突っ走り、中盤で聴かせる曲、先の「枯れた」感を存分に味あわせてくれるバラード、そしてAC/DCも真っ青なミドルチューン、さらに疾走、爆走、疾走‥‥みんな、こういうのを待ってたんじゃないの? 確かにここにあるサウンドは2nd「TOTAL 13」とは違う。ていうか、同じことに何の意味があるわけ? あれにこだわり続けてる心の狭い人(という言い方を敢えてさせてもらうね)を置いてけぼりにして、BYBは常に前進し続けてたわけでしょ。勿論、その方向性については人それぞれ感じ方だったり好みはあるだろうけど、少なくともこの5作目「PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE US」(最高のタイトルだな!)はあの頃とは別の次元に到達しちゃってるし。どっちが上でどっちが下とか、そういう問題じゃなく、このアルバムは純粋にロックンロールアルバムとして優れてると思います。もうこれ以上、言葉は必要ないでしょ? あとは聴くだけ。聴けばいいよ。丁度日本盤も出たところだし。

 俺はこのアルバム、スウェーデン盤が入荷した4/17からひたすら聴き続けて、すでに10日近く経っちゃってるわけですが‥‥BYBのアルバムでここまで聴き込んだの、久し振りだよ。もちろん今までのアルバムも大好きだったけど、これはドンズバっていうか、自分の趣味に一番近いから。あー、あとは来日だけだね。これをライヴでどう再現するか‥‥ってこのままなんだろうね。多分一番ライヴに近いサウンドだと思う。だからこそ、すっごい楽しみなんだけど。


 
▼BACKYARD BABIES「PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE US」(amazon:US盤EU盤日本盤

投稿: 2006 04 26 12:10 午前 [2006年の作品, Backyard Babies, LOUD PARK] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/04/25

MINISTRY『RIO GRANDE BLOOD』(2006)

 ポール・バーカーが抜け、完全にアル・ジュールゲンセンのワンマンプロジェクトとなったMINISTRY。約2年ぶり、ワンマン化から2作目となるこの「RIO GRANDE BLOOD」は、レーベルを「Sancuary」から「Megaforce」に移って初の作品となります。前作「HOUSES OF THE MOLE」が非常に攻撃的で、内容も反ブッシュ政権的なものだったこともあり、初期のファンからは「ここ数作のヘヴィ&ダーク路線よりはいいけど、ちょっとウルさい」なんて声も聞こえてきたほど、ド頭から攻めまくってました。あ、俺は嫌いじゃないですけどね(ただ、確かに前述のファンの気持ちも理解できるんだけどね)。

 んじゃこの新作はどうなってるのかというと‥‥前作を気に入ってるファンは、間違いなくこのアルバムも気に入ると思います。いや、もしかしたら前作以上に気に入るかもしれませんね。ジャケットもこれ、ブッシュですよね(苦笑)。そして、オープニング曲 "Rio Grande Blood" 冒頭での演説‥‥ブッシュ親子のことを相当嫌っているのは知っていましたが、ここまで引っ張るのはある意味尊敬に値しますわ。曲名とか見ても、そういう「怒り」を匂わせるタイトルが多いし。

 MINISTRYっていうと、やはり'90年前後から「PSALM 69」までが好きって人が多いかと思うんですよ。実は俺自身もそれに当てはまるわけで、特に2000年前後以降の作品ってあまり聴いてなかったんですよね。多分久しぶりに聴いたのが、ここ1~2作辺りからだったんですが‥‥確かにちょっと(いや相当か)変わってしまったとは思うけど、本質的な部分はあんまり変わってないのかなぁという気もして。ま、前作やこの新作辺りは、スラッシュギターと打ち込みドラムという「攻撃性」の部分に特化してる気はしますけど。バランス感がね‥‥よい意味で持ってたはずなんですよ、前述の頃は。ま、気づけばメンバーも減り、アルのワンマン体制ですからね。こうならざるを得ないのかな、とも思いますけど。

 あ、決してつまらないとか嫌いって言ってるわけじゃないですよ。むしろ自分の好みのサウンドだし、俺は気に入ってますよ。頭2曲の突っ走りっぷりはMINISTRY以外の何者でもないですしね。その後出てくるミドルヘヴィチューンもまた「らしい」曲ばかりだし。しかもただミドルのままで終わるんじゃなくて、途中でテンポアップする展開が入ったりで、結局は突っ走りっぱなし、みたいな。「PSALM 69」の攻撃的な部分が好きな人も、きっとこれなら気に入ってくれると思うんですけどね。

 今回、アメリカでも5/2にリリース予定のこのアルバムを真っ先に聴く機会を得て、こうやって紹介してるわけですが‥‥うん、楽しみにしていていいと思いますよ。なにやらこのアルバムのツアーでは、SLIPKNOTのジョーイ・ジョーディソンがドラムを担当するそうじゃないですか‥‥このアルバムにピッタリの人選だと思います。むしろSLIPKNOTのマスク&衣装を纏ったジョーイにバックを固めてもらって、アルにはフロントを陣取らせて。もうそれだけでさまになってるし。すっげー観たいなぁ、それ。どうやら日本にも9~10月頃には来てくれそうなので、ちょっと楽しみに待ちましょう。ポール・レイヴン(元KILLING JOKE)もツアーメンバーとして参加してるしね。



▼MINISTRY「RIO GRANDE BLOOD」(amazon:US盤UK盤

投稿: 2006 04 25 12:14 午前 [2006年の作品, Ministry] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/04/24

DIO『HOLY DIVER LIVE』(2006)

 DIOなんて多分10数年ぶりくらいに聴いたよ。しかも、今回みたいな特別な理由でもない限り、今後も新譜なんて聴くこともないだろうけどね。っていうか、これを純然たる『新譜』として扱うのも、ちょっと違うんだけどさ。

 このアルバムはタイトルの通り、ライヴアルバム。しかもまんま「HOLY DIVER」を完全再現したライヴなんですね。「HOLY DIVER」っていうのは、ロニー・ジェイムズ・ディオがBLACK SABBATHを辞めた後に結成した、まぁ自身の名前を用いてはいるもののバンドなわけですよ。BON JOVIとかVAN HALENと同じような感覚といえばいいのかな。少なくともデビューから数年は、固定メンバーによるバンドだと思ってたんですけどね。まさかその後、ヴィヴィアン・キャンベルがWHITESNAKEに入って、しまいにゃDEF LEPPARDの固定メンバーになるなんて、この当時は思ってみませんでしたが。

 昨年ロンドンで行われた公演を収録したもので、2枚組。ディスク1に1983年にリリースされたデビューアルバム「HOLY DIVER」収録の全9曲をライヴで再現。ディスク2には懐かしいRAINBOW時代の曲や、BLACK SABBATHでの名曲のほかにDIOの曲も挿入。最後はやはり "We Rock" で終わるという構成。往年のメタルファンには、それだけでたまらない内容になってるわけですが‥‥

 俺自身は多分10年くらい前にDIOを観てるんですよ。この時が初めてで、すでにその当時で50才は軽く越えてたと思うんだけど、それでもスゴイ声量に驚いて、感涙した記憶があります。そりゃ最後の "We Rock" では一緒になってメロイックサイン掲げて大合唱しましたよ。確かその時点でもうチューニングは半音下げだったと記憶してますが(当時の新曲が全てモダンヘヴィネス系だったしね)、当然このライヴアルバムでもオールダウンチューニング。そこで人によっては「原曲と違う」と引いてしまうかも。実際、10年前と比べれば、声も相当出なくなってますしね。いや、それでも常人‥‥普通の60代と比べりゃ、比較にならない程の声量なわけですが。

 そういえばこのアルバムには、ギタリストのクレジットがないんですよ。現時点での最新作「MASTER OF THE MOON」では懐かしい二代目ギタリスト、クレイグ・ゴールディが弾いてましたけど、どうやらライヴではダグ・アルドリッチが弾いてるようですね。だけどクレジットはなし。でもライヴのMCでは彼の名前を叫んでる。ご存知の通り、現在ダグはWHITESNAKEにも参加してるので、恐らくはその辺契約の関係なのかな、と‥‥邪推ですけどね。そういえばつい最近来日した時も確かダグが参加してたんですよね‥‥謎です、ホント。

 WHITESNAKEの最新ライヴDVDを観た時も思ったんですけど、ダグ・アルドリッチっていいギタリストになりましたね。俺、この人はLION時代から観てるんですが‥‥BAD MOON RISINGの時は、ホントに苦手でしたからね。まぁ現時点では既存の曲を弾いてるだけなので、余計に良いと思えるのかもしれませんが。どっちにしろ、過去とは比べものにならない程、成長してると思いますよ。

 まぁそんなことは置いておいて‥‥やっぱり耳に馴染んだ、というか体に染み付いた楽曲ばかりですからね、RAINBOWやSABBATH時代の曲含めて。特に「HOLY DIVER」の曲は‥‥半音下げてもカッコイイですよ、当たり前だけど。さすがに "Holy Diver" はちょっとテンポ落としてヘヴィすぎるかな?って気もするけど、これはこれで時代に合ってていいのか? "Don't Talk To Strangers" なんてオープニングのスローパートからバンドが入る瞬間だったり、ギターソロだったり、とにかく聴きどころ満載だし。客の歌声もスゴイしね。日本だとここまで歌えるのかしら。ていうか、これ歌ってる客っていったい何才だよ? 明らかに俺と同年代かそれ以上だろ? 絶対に10代や20代前半のファンは限られてるだろうね。

 このライヴアルバム。今のところ日本盤の予定はないみたいなので、何の解説もないけどUS盤を買ってみてください。当時のスタジオ盤も今ではリマスタリングされてますけど、それでもショボイと感じる人はこっちの方がいいのかもね。

※ダグ・アルドリッチの件はどうやらこういうことらしいですね。なるほど、正式メンバーじゃないから、クレジットにないのか‥‥違う?



▼DIO「HOLY DIVER LIVE」(amazon:US盤UK盤

投稿: 2006 04 24 02:00 午前 [2006年の作品, Dio, LOUD PARK] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2006/04/23

LACUNA COIL『KARMACODE』(2006)

 LACUNA COILのニューアルバム「KARMACODE」がどうやら世界中で売れてるようで。特設サイトのニュース欄でも取り上げられてるけど、米「BILLBOARD」アルバム・トップ200(いわゆる総合アルバムチャートね)で初登場28位を記録。勿論これは過去最高の記録なわけで。他にもイタリアで17位、ギリシアで21位、フィンランドで40位、ドイツで43位、イギリスで43位、オーストリアで52位、フランスで54位、カナダで72位‥‥って最後の方はアレだけど、とにかく各国で過去最高の順位を記録しているのね。んじゃ日本は‥‥となると、実は来月下旬までリリースの予定がないとのこと。まさかここまでブレイクするとは日本のレコード会社も思ってなかったんじゃないかと。そりゃそうでしょ、インディーズの、トップ100に入るのがやっとみたいなバンドだったのが、いきなりトップ30入りですからね。

 今回のブレイクの要因には、恐らく今年の「OZZFEST」メインステージへの出演が決まったのが大きいのかなぁ、と。オジー・オズボーンやSYSTEM OF A DOWN、DISTURBEDといった強豪と名前を並べるだしね。

 いや、そんな話題だけじゃ売れないか‥‥プロモーションの方法とかいろいろな要因があるかと思うんだけど、最終的には内容なんだよね。これが確かに良いんだわ。

 実はこのバンドを聴くの、今回が初めてで。名前は知っていたんだけど、どういうバンドかも知らず、ましてや男女ツインボーカルだってことも今回初めて知ったくらいで。あー、EVANESCENCE以降この手のバンドが増えてるしねーって思っていろいろ調べてみると、実はEVANESCENCEよりも歴史が長い、既に中堅クラスのバンドだというし。フルアルバムとしては今回で4作目にあたるわけで、確かにそれなりに活動してるんだよね。で、もっと驚いたのが、このバンドはアメリカのバンドじゃなくて、イタリアのバンドだということ。アメリカでこれだけ大きくブレイクしたんだから、てっきりそうなんだと思ってたら、やっぱりヨーロッパのバンドなのね。いや、サウンド的にはそれっぽいし納得なんだけど。思いっきり「あー、最近はアメリカでもこういうバンドが増えてきてるんだなー」って素直に思っちゃってた。そりゃイタリアのチャートで17位と一番順位が高いのも頷ける話だよな。

 そんなこの「KARMACODE」というアルバム。確かにEVANESCENCEにも通ずるゴシックな要素が強いヘヴィロックを聴かせてくれます。女性ボーカルのクリスティーナは「イタリアの音楽は好きではない」と言ってこういうアメリカ色の強いヘヴィロックを始めたようですが、そこは血を隠せないというか、ところどころにヨーロッパ人じゃなきゃ表現できないような繊細さや優雅さが散りばめられているんですね。そこが日本人の感性にフィットすると思うし、絶対にウケると思うんですよね。実際、過去のアルバムも日本じゃ好評だったようだし、今回のブレイクによって更に知名度はアップするんじゃないかと思います。

 ゴシックメタルの一言で片付けられない魅力を持った、非常に興味深いバンドですね。このアルバムは適度にヘヴィで、そして良質のメロディと劇的なサウンドは非の打ち所がないですし。男性ボーカルのアンドレアと女性ボーカルのクリスティーナによる歌は、どこかオペラを彷彿とさせるほど。デス方向に走ることもなく、これなら万人受けするんじゃないか‥‥個人的な感想ですが、このアルバムはアメリカで確実に50万枚は売れる音だと思います。国外のアーティストに冷たいアメリカで28位という記録を達成したことは、話題性云々もあるでしょうけど、その表れだと思いますよ。んじゃ100万枚は‥‥ってことになると、あとはもうタイミングやいろんなきっかけの積み重ねだと思います。EVANESCENCEが映画「デアデビル」との絡みでヒットを掴んだように、このアルバムも同様なきっかけさえあればその「壁」を乗り越えられると思うんですが‥‥(勿論、単に売れればいいってもんでもないですけどね)

 最後にDEPECHE MODEの名曲 "Enjoy The Silence" を取り上げている辺りにも、彼らが「なにをやりたいのか」ってことが端的に表れているんじゃないでしょうか。俺は彼らのことを、今後も支持したいと思います。とにかくライヴが観てみたいな‥‥ぜひ年内に実現して欲しいですな!



▼LACUNA COIL「KARMACODE」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2006 04 23 06:11 午後 [2006年の作品, Lacuna Coil] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/04/12

BULLETS AND OCTANE『IN THE MOUTH OF THE YOUNG』(2006)

 いやー、久しぶりに活きのいいアメリカン爆走ロックに出会った気がするよ。パンクでもなくメタルでもなく、かといって最近のエモやスクリーモ/メタルコアとも違う。純粋に爆走しまくるハードドライビン&ハードロッキンなロケンローバンド。いそうでいないんだよね、こういう単純明快なバカって。まぁアメリカくらい広けりゃ、探せばいるんだろうけど、これをメジャーのフィールドでやってる、しかもこれが2ndアルバムだっていうんだからね。嬉しくなっちゃうよ、ったく。

 今回紹介するBULLETS AND OCTANEというバンド。上にも書いたように、このアルバム「IN THE MOUTH OF THE YOUNG」は彼らにとって2枚目のアルバムにあたるんだけど‥‥俺、前作が出たの、覚えてたわ。というのも、彼らのデビュー盤「REVERLY」のプロデューサーが、元CANDY~KILL FOR THRILLS~GUNS N'ROSESのギルビー・クラークだったんですよ。それで俺、記憶に残ってたのね。ま、今日の今日までその名前までは覚えてなかったわけですが(今回新作を買っていろいろ調べたら判ったという)。

 んで、今回の新作。アメリカではデビュー盤が2004年9月にリリースされているんですが(日本盤は昨年4月)、約1年半ぶりのリリースとなりますね。前のアルバムがヒットしたという話を聞いてないのでアレですが、よくメジャーから落ちなかったなぁと。アメリカの「RCA / SONY BMG」はやる気なんですかね、こんなエロでやさぐれたジャケットのアルバムなのに。

 前作ではギルビー・クラークという21世紀には非常に微妙な人選だったわけですが、今回はある意味ですごい組み合わせですよ。だってプロデュースがペイジ・ハミルトン(HELMET)、ミックスがケン・アンドリュース(元FAILURE~YEAR OF THE RABBIT)ですからね! その筋の人が聞いたら驚きそうな名前ですよね。んで、この組み合わせによる音がコレですから。極太で低音の効いた、歪みまくりのギターが暴走しまくるパンク/ロックンロールチューンが12曲。MOTORHEADも真っ青ってくらいに全編前のめりで突っ走ってます。ホント、頭が悪いとしか思えないくらい、バカのひとつ覚えと言わんばかりに、休みなく走ってます。勿論、中には聴かせる曲もありますよ。でも、それも「爆走ロケンロー」の範疇での話ですけど!

 いやー、なんの予備知識もなく、ただジャケットに惹かれて手にしただけなんですよ、俺。試聴もしてないし。ジャケ買いですよ、マジで。んで裏ジャケ見たら、上のプロデュース&ミックスの人選ですよ。悪いわけがない。さらにその名前からは予想のつかなかった、まんまジャケ通りの音が40分鳴りっぱなしなわけですから。そりゃいいに決まってますよ!

 多分こういうバンドは、ブルージーなミドルチューンをやらせても上手いはずなんですよ。だけど、あえて走りまくる。走りたくてたまんねーんだろうなぁ。やさぐれたい年頃なんですよ、きっと。最近、やたらと'80年代チックなロックバンドがアメリカに増えてるから、きっとその流れでこのバンドも取り上げられる機会が増えるんじゃないかな‥‥勿論、よい方向で取り上げてくれればいいんだけど。日本でもこの手のサウンド(そしてビジュアル)が好きなファンって多いし、絶対に需要があるはずだから、ぜひ早いとこ日本盤だして、来日させてあげてください。これはサマソニに合ってると思うんだけど。

 このドロドロした濃いロケンローを、早く生で体験したいなぁ‥‥いやぁ、久しぶりにいいバンドに出会えた気がしたよ。



▼BULLETS AND OCTANE「IN THE MOUTH OF THE YOUNG」(amazon:US盤

投稿: 2006 04 12 12:40 午前 [2006年の作品, Bullets and Octane] | 固定リンク | トラックバック

2006/03/24

MOTLEY CRUE『CARNIVAL OF SINS : LIVE』(2006)

 アメリカやヨーロッパでのみリリースされた、MOTLEY CRUEの2枚組ライヴアルバム。これ、音源的には去年の後半にアメリカでリリースされたDVD「CARNIVAL OF SINS」と全く同じ音源です。DVDは日本発売の予定なし、しかも外盤はリージョン1なので、通常の家庭用プレイヤーでは観れないんですね。そういう意味では、このライヴ盤は有り難いんじゃないか、と。

 思えばMOTLEYってフル・ライヴアルバムってリリースしてないんですよ、25年以上活動してきて。過去、デビュー時から1999年頃までのライヴ音源を集めた2枚組コンピ「LIVE : ENTERTAINMENT OR DEATH」のリリースはあったけど、あれは時期もまちまちなベスト盤的内容でしたからね。1本のライヴを通して収録という意味では(DVDと同じ内容とはいえ)今回の方がちょっと嬉しいかな、という気も。

 ただ、これって復活後のツアー‥‥つまり、ヴィンス・ニールの声はイマイチだし、ミック・マーズのギターも時々ヨレヨレだし、っていう難点が幾つかあるんですね。でも、そういうのもまた「ライヴならでは」として見逃すことができる心の広い人なら絶対に楽しめる1枚(いや、2枚組な)ですね。

 やっぱり今回のツアーって、あの視覚要素があってこそだと思うんですよ。それを排除したライヴアルバムに今回何の意味があるのか‥‥考えてみたんです。選曲的にはベスト盤に近い。初期の曲を今のテクニックで演奏している。臨場感のある(?)歓声や花火の音が沢山入ってる。とか‥‥いろいろあるんですけど、やっぱり「オリジナル4での正式なフル・ライヴアルバム」っていう点に意義があるのかな、と。しかもこれ、アメリカ(確かマジソン・スクエア・ガーデン)公演でしょ。その辺にも大きい意味を持たせてるのかな、とも思ったり。ま、邪推すればいくらでもできるし、良いとこだけ見つけるのも簡単。あとは聴いた人が純粋に楽しめればいいんじゃないかな、と。ここまで書いておいて何ですけどね!

 それにしても、去年の11月に行われたジャパン・ツアーは本当にすごかったですね。未だに思い出に残ってますよ。この音を聴いただけでも、あの当日の興奮は追体験できますよ。日本盤がスルーされてるのはいただけないけど(いろんな契約の絡みなんだろうけど、"Home Sweet Home '05" の未リリース含め、ホントダメだな日本のレコード会社は!)、とりあえず輸入盤で手に入るので、そっちを入手することをオススメします。なお、ヨーロッパ盤はディスク1&2がバラ売りされてるみたいなので、ご注意を。アメリカ盤&カナダ盤は2枚組セットで売られてます。店頭で見かけた場合は気をつけてね。あ、あと俺の持ってるカナダ盤は、一応ディスク2がエンハンスド仕様になってるようで、DVDに入ってるライヴ映像が数曲観れるみたいですよ。確認はしてないんだけど(買った時にステッカーが貼ってあったのと、ディスクの盤面見ると一応エンハンスド仕様にはなってるようです)。DVD買ってない人は、そちらも併せてお楽しみに。

 ま、要するに、ロックバカは買って損なし、って話ですよ、ええ。



▼MOTLEY CRUE「CARNIVAL OF SINS : LIVE」(amazon:US盤

投稿: 2006 03 24 02:53 午前 [2006年の作品, Motley Crue] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/03/21

星井七瀬『ナナナビゲーション』(2006)

 一部の音楽ファンの間で、星井七瀬の「恋愛15シミュレーション」が隠れたヒットを飛ばしたのは、今から何年前の話でしょうか。当時、この曲はCCCDでのリリースだったため、俺はつい最近iTunes Music Storeで購入できるようになるまで手に入れることはなかったんですが。確かにこの曲の中毒性はものすごいものがありましたよね。自分の身の回りの、信頼できる人達が皆この曲にヤラレていく様を見ていただけに、遅れをとった自分はちょっと歯痒い思いを当時してました。

 昨年末に星井七瀬は東芝EMIからavexに移籍し、第一弾シングル「パーマパビリオン」をリリース。これは俺もリアルタイムで購入しました。以前の彼女のパブリックイメージをなぞりつつも、ちょっとロック色の強い方向へと導こうとしてるのは、そのビジュアルイメージのみならずサウンドからも伺えました。しかし、今回のシングル「ナナナビゲーション」では更にそっち方向へと導こうとしているようです。しかもそれが上手い具合にいい方向に作用してるようですね。

 タイトル曲「ナナナビゲーション」はちょっとモータウンっぽい色もありつつも(多分ストリングスやブラスのせいかな?)、これまで以上にロック調を色濃くした名曲に仕上がってます。いやはや、これは普通にいい曲じゃないですか? なんだろう、この聴いた時に胸にググッとくる感じは? ある意味では「恋愛15シミュレーション」すら超えてしまったんじゃないか‥‥そう思わせるだけのパワーとインパクトを持った1曲なんですよ。

 カップリングの「青春しぼり汁」はタイトルこそアレですが、曲調自体はアッパーなビートロック。巻き舌で歌う彼女の歌唱方法が新鮮で、これまた新しい魅力を発見できる1曲。普遍的なポップさを持ったタイトルチューンとはこれまた違った意味で印象的な楽曲ですよね。すげえなぁ、このシングル。

 もしかして星井七瀬って「恋愛15シミュレーション」の時もそうだったけど、すっげースタッフに恵まれてる? にも関わらず、東芝時代はそれを上手く作用することができなかった歯痒さが残るだけに、移籍後の今回は是非いいアルバム作って、一気にブレイクして欲しいなぁ。だって勿体ないもの。

 今回も、自分の信頼できる連中が皆、この曲にノックアウトされてる様を見ると、ちょっと嬉しくもあります。今回だけはリアルタイムでその魅力を共有できたからね。これは暫くヘヴィローテーションになるだろうし、DJやる時にも結構使いそうです。


 
▼星井七瀬「ナナナビゲーション」(amazon:DVD付通常盤

投稿: 2006 03 21 02:07 午前 [2006年の作品, 星井七瀬] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/03/20

WITCH『WITCH』(2006)

 ついさっきまで、今日買ってきたBLACK SABBATHのアルバムを聴いてたんだけど。ある瞬間にふと、あるアルバムの存在を思い出して。今月の頭にAmazonで購入したはいいものの、全然聴く余裕がなくて放ったらかしにしてたアルバムを。

 WITCHというバンドについて、皆さんどれくらいの知識があるでしょうか? へっ、ANGEL WITCHじゃないですよ。そう、WITCH。しかも今年デビューした新人バンド。2006年にWITCHなんてバンド名を付けてしまうそのセンスもすごいですが、やってる音楽もこれまた2006年の音じゃなくてね‥‥完全なヘヴィーロック/ストーナーロックですわ、これ。

 DINOSAUR JR.のファンの人なら知ってるかもしれませんが、実はこのバンドってDINOSAURのJマスシスが結成した新バンドなんですよ。しかもJはギターやボーカルじゃなくて、ドラマーとして参加してるんですね。何でもJはここ最近、ハードロックにとても興味があるようでして(つーかお前がこれまでやってきたこと自体がハードロックじゃねーか!っていうツッコミはなしの方向で)。友人のデイヴ・スウィートアップル(Bass)と一緒に始めたのが、このWITCHというバンドでして。そこにニュー・イングランド出身のカイル・トーマス(Guitar & Vocal)とアーサ・アイアンズ(Guitar)という、FEATHERSってバンドのメンバーを迎えて4人でアルバム作って。それがこの「WITCH」ってアルバムなんですよ。

 ま、DINOSAUR以上にハードロックですよね、これは。完全に'70年代のアーシーなハードロック。現代のカテゴリーでいうと、ストーナーとかドゥームロックっていうのかしら(要するに、ハッパでアレして(Stoned)演奏して、聴く方もキメて聴く音楽っていうことね)。古くはBLACK SABBATH、最近でメジャーなのだとQUEENS OF THE STONE AGE辺りになるのかな?(むしろその前身のKYUSS辺りか)あとは‥‥って名前を出したところでそのへんとの比較論になりそうなので、止めておきますが。

 とにかく、Jのドラムも面白いんだけど、それ以上に普通にストーナーしててカッコいい。数年前にデイヴ・グロール(FOO FIGHTERS)がメタルをやるっていう企画盤(PROBOT)があったけど、アレはあくまで企画モノなイメージが強い。でも今回は「バンド」っていう意識が強いのかな、聴いててすごく自然なのね。真性のドゥームロック/ストーナーロックファンにどう受け入れられるのかは判らないけど、DINOSAUR好きで普通にハードロックも好きな俺にとっては、これは良いアルバムですよ、普通に楽しめるもん。

 ギターのファズのかけ具合が妙にJっぽいのは気のせい? ソロとかは‥‥まぁちょっと違うかな、って気もするけど。つーかJのドラミングが笑える笑える。その姿を想像しただけで、もうニヤニヤもんですよ。

 ま、確かにこれよりも遥かにカッコいいストーナーものは沢山あるだろうし、これやるんだったら早くDINOSAURのアルバム作れよ!って声もあるだろうけど。俺は別にこれ、楽しめたからいいや。つーか、すっかり買ったことを忘れてたから、ちょっと儲けモンかな、って。

 っていうか、このアルバムをぜひ今のBLACK SABBATHの面々に聴かせてみたいね。君ら、進むべき道に迷ってる場合じゃないよ?って。



▼WITCH「WITCH」(amazon

投稿: 2006 03 20 12:24 午前 [2006年の作品, Dinosaur Jr., Witch] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/03/17

メロン記念日『メロン記念日 コンサートツアー2005 冬「今日もメロン明日もメロン、クリスマスはマスクメロンで!」』(2006)

 メロン記念日の、本当に久し振りのリリースとなったこのDVD。収録されたライヴ自体も約1年振り(その1年前の2004年12月のクリスマスライヴ@渋谷公会堂って俺、観に行ってるんだよね)。その冷遇っぷりに、実は俺自身も気持ちが離れ気味だったりしたんだけど‥‥実際、この厚生年金会館で行われたライヴ、行かなかったしね。

 んで、注文してたこのDVDが今朝職場に届いて。もうね、ずーっと気が気じゃないわけですよ。職場でもDVD観れるけど、そこはグッと我慢して‥‥

 実は今、そのDVDを横目にこの文章を書いてるんだけど。もうね、書かずにはいられなくて。

 基礎情報としてはいろいろ、みんなの方が知ってると思うのね。例えば去年のクリスマスに行われたこのライヴ。2時間15分に及ぶ、ものすごく濃い内容だったこと。全シングルナンバー14曲を、フルコーラス歌ったこと(勿論、それ以外に歌われた人気曲5曲も全部フルコーラスだったわけですが)。等々‥‥俺も前情報としていろいろ耳に目にしてたんだけど、いざ映像を目にすると圧倒されるわけ。

 いろんなハロプロユニットの全国ツアーにゲストとして帯同したりはあったけど、単独コンサートは1年振り。だからってわけじゃないけど、ところどころ不安定なところはあるにはあるけど、それはまぁ前からだし。変なクセをつけちゃってるメンバーもいるけど、まぁそれも目をつぶるよ。

 とにかくセットリストがすごい。頭2曲でメロンが最もメロンらしかった時期(2002年前半)の曲が続き、その後にデビューシングルから3rdシングルまで立て続けに3曲。ユルーい彼女達らしいMCが10分以上続いた後に、名曲 "香水" や "シャンパンの恋" があって。更にそこからエロ路線3曲。最後にゃM字開脚の "肉体は正直なEROS" があって‥‥そこから最後まで、突っ走りっぱなし。ああ、俺が観たかったメロンだ、って。

 いろんな表情のメロン記念日が観れるって意味では、集大成的内容のライヴだと思います。選曲もそうだし、アンコールの最後の最後に "ENDLESS YOUTH" で終わる辺りも‥‥なんかね、てっきりこれで『最期』くらいに思ってたから。解散させられるんだって。そしたら今月に単独ミュージカルはあるわ、6月には中野サンプラザ(だっけ?)で単独ライヴがあるっていうし。いくらなんでもそりそろ新曲も用意されてるだろうし。もしかしたら本当の意味での「メロン記念日・第二章」が始まるのは、今年からなのかなぁって気もしてきて。

 これ、本当にいいライヴだと思いますよ。これからメロン記念日を聴こうって思ってる奇特な人がどれくらいいるかわからないけど、下手なCDに手を出すよりもこのDVD買って観た方が、より彼女達の本質が見えてくるんじゃないか、って思いましたね。で、俺みたいな少し離れ気味だった人は、これ観てメロンの本質を思い出して欲しいな、と。そういう意味で、これはちょっとした宝物になるんじゃないでしょうか。

 ハロー!プロジェクトで唯一メンバーチェンジのないユニット、メロン記念日。彼女達もデビューしてまる6年。正直、ここまで続くと思ってなかったよな‥‥もっと評価されてもいいはずなのにね。タンポポを除けば、今や一番好きなユニットは彼女達ですからね、俺。

 あ、"ENDLESS YOUTH" が始まった‥‥泣けるなぁ、この曲をライヴで聴くと。

 6月のライヴには久々顔を出そうかと思います。それまでの約3ヶ月、このDVDを何度もリピートして彼女達の魅力を、本質を忘れないようにしたいな、と。



▼DVD「メロン記念日 コンサートツアー2005 冬「今日もメロン明日もメロン、クリスマスはマスクメロンで!」」(amazon

投稿: 2006 03 17 02:27 午前 [2006年の作品, ハロー!プロジェクト, メロン記念日] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/02/27

モーニング娘。『レインボー7』(2006)

 モーニング娘。通算7作目、前作「愛の第6感」から数えて1年2ヶ月振りのアルバム。その前が1年8ヶ月のブランクがあっただけに「やっと出た」ってイメージがあったんだけど、実は‥‥個人的には今回の方が「やっと出た」っていう印象が強くて。

 ご存知の通り‥‥いや、ファン以外の人は知らないかもしれないけど、この1年2ヶ月の間に大幅なメンバーチェンジがあったのね。昨年1月末に最後のオリジナルメンバー、飯田圭織が卒業。寝耳に水の矢口真里、脱退('05年4月)。そして発表から1年がかりだった石川梨華の卒業(同年5月)。更に同年5月頭には第7期メンバーとして久住小春の加入。前作リリース時に12人だった娘。は、辛うじて10人を維持してるのが現状。15人体制を経験してるだけに、見た目的にはかなり安心して観れるようになったけど、やはり‥‥小粒感は否めないというか。

 いろんな意味でこの1年というのは、残されたメンバーにとっての試練の期間だったと思うわけですよ。実力的には決して最高とは言い難かった4期メンバーの中で唯一残った吉澤ひとみがリーダーを引き継ぎ、5期6期メンバーを引っ張って来た歴史。それが今度のアルバムに色濃く出てるんじゃないかな‥‥そう考えながら聴くと、このアルバムって非常に感慨深い1枚なんですね。

 あ、勿論そういった「ファン」以外の人にも、どこかしら響くポイントがいろいろと散りばめられてるんじゃないかな、って思うんですが。前作は出来はかなり良いながらも地味な印象は拭えなかった。でも今回は‥‥前作以上にバラエティー豊かかな、と。いきなり極太ファンクロックチューン "HOW DO YOU LIKE JAPAN? 〜日本はどんな感じでっか?〜" でスタートするこのアルバム。「GET A GRIP」期のAEROSMITHか、はたまたRED HOT CHILI PEPPERSかと思わせるような気持ち良さを感じさせる1曲で、スラップベースがやけにカッコいいなーと思ったら、またリズム隊が爆風スランプですか。成る程ね。

 その後もアルバムは名曲(迷曲?) "THE マンパワー!!!"、小気味良いポップチューン "青空がいつまでも続くような未来であれ!"、個人的にはものすごく大好きな歌モノ "大阪 恋の歌"、新垣・亀井・田中の3人で歌われるムーディーな "INDIGO BLUE LOVE" と、とにかくてんでバラバラ、いろんなジャンルの曲が矢継ぎ早に飛び出す。統一感のなさという意味では、もしかしたら過去最高かもしれない。そして‥‥

 個人的にはモーニング娘。史上最強、いや、最狂のナンバーに認定したい "レインボーピンク" の存在。人によってはこれがネックになるかもしれないけど、個人的にはこれがあるとないとでは、評価が大きく異なるのね。「重ピンク」こと道重さゆみと、「こはっピンク」こと久住小春の子弟コンビによるこの曲は、冒頭のセリフ(コントともいう)でまずいきなりヤラれる。所謂アイドルのコンサート会場でのMCを元にしたドラマ形式なんだけど‥‥もうこれが‥‥脳ミソが腐りかねない程の出来でして‥‥いや、最高に褒めてるんだよ、これ? もうね、これをこの2人にやらせたつんく♂と、完全にやり切った道重と久住、偉い! 曲自体はまぁありがちなアイドルポップチューンで、初期の松浦亜弥に歌わせても何ら違和感のない1曲。特別最高ってわけでもないんだけど、やはりあのセリフに誤摩化されちゃうんだよね、良くも悪くも。中盤とラストにもセリフがあるんだけど‥‥もう完璧ですわ。

 そしてクールダウンさせてくれる2曲‥‥地味ながらもムーディーで味わい深い "色っぽい じれったり"、大人チーム(吉澤・高橋・紺野・小川・藤本)による和テイストのバラード "無色透明なままで" でガラッとアルバムの印象が変わったところで、アッパーなR&B歌謡 "パープルウインド" がきて‥‥これもモーニング娘。ならではの1曲だろう "さよなら SEE YOU AGAIN アディオス BYE BYE チャチャ!"。こちらもセリフ回しの多い1曲で、まぁ今時こういう曲はモーニング娘。しかやらないだろうな、っていうちょっとおふざけ色の強いナンバー。けど、これが悪くない。全然アリだと思わせてしまうのは、多分ここまでの流れがメチャメチャだったから。でも、メチャメチャながらも1本筋が通ってる気がするのは、俺の思い過ごしかな? アルバムタイトル通り、虹の如くいろんな色/個性を放つ楽曲をひとまとめにした作品集って意味では大成功してると思うし、まぁトータルコンセプトとかそういったものはあってないようなものだけど、これはこれで全然アリなんだろうなーと。

 そういう意味では、最後の2曲‥‥過去の楽曲の焼き直しである "直感2 〜逃がした魚は大きいぞ!〜(全くその通りリミックス)" と "女子かしまし物語3" は蛇足かなぁ、という気も。リミックスの出来としては決して悪くない前者。でも原曲がなぁ‥‥シングル曲が多く収録されているって意味でのお得感は多少あるけどね。そして後者‥‥メンバーが変わる度にこの曲は「〜4」「〜5」とどんどんリニューアルされていくのでしょうか。まぁそれもアリっちゃあアリですけどね。

 確かにこの2曲を含めた全12曲で「レインボー7」なんですけどね。この満点取れない感じも、まぁ「モーニング娘。らしい」っちゃあらしいですね。うん、そう思うことにしますわ。

 多分いろんな所で言い尽くされてるのかもしれないけど、最近殆どその手のサイトを観てないので‥‥今更かもしれないけど。いやー、俺このアルバム好きですわ。前作の時も相当リピートしたし、今でも聴く頻度が非常に高い1枚なんですよ。今回もそれに匹敵する、いや、もしかしたらそれ以上に聴き込んじゃうアルバムかも。この1年で今の10人が経験してきた苦難が、ちゃんと形として、結果として表れてると思うんだけど‥‥どうでしょう?

 なんかね‥‥思い出深いメンバーがどんどんいなくなって、自分の中で完全に一周しちゃったからか、今のモーニング娘。を非常にピュアな気持ちで見ることができるのね。だから‥‥変なノイズも今は入ってこないし、眼中にないし。気持ちよく楽しむことができますよ、今は。

 うん、これは良いアルバムですよ。


 
▼モーニング娘。「レインボー7」(amazon:初回限定盤通常盤

投稿: 2006 02 27 11:57 午後 [2006年の作品, ハロー!プロジェクト, モーニング娘。] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2006/02/26

DINOSAUR Jr.『ZOMBIE WORM』(2006)

 DINOSAUR Jr.が初期のメンバー‥‥J・マスシス、ルー・バーロウ、マーフの3人で活動再開したのが去年の春。それから世界中をツアーし、いろいろなフェスにも出演し、そして2005年7月にはいよいよ日本に上陸。過去、何度かDINOSAUR Jr.名義では来日しているものの、それはルー脱退後の、所謂「メジャー後」の彼等。つまり昨年のフジロックでのステージが、初期メンバーでの初来日となったわけ。

 人にやっては「DINOSAUR Jr.といえば "The Wagon" でしょ?」とか「"Out There" は名曲だよね」とか「"Feel The Pain" のPVが面白くてさぁ〜」と、メジャー移籍後のイメージしかできないかと思います。実はこの俺も、そのひとりだったわけ。少なくとも去年のフジロックを観るまでは。勿論初期の作品もひと通り聴いてきてたし、好きな曲も多かったけど、どうしても思い入れとなるとメジャー後の作品になっちゃって。リアルタイムで聴いたのが多分「GREEN MIND」の頃だからさ‥‥

 J・マスシス(発音的には「マスキス」が正しいんだよね確か)というソングライター。実は個人的にすごく好きなひとりでして。ギタリストとしても勿論好きだし、あのやる気を感じさせないボーカルスタイルも気に入ってるんですが、やはりこの人のソングライターとしての非凡さには目を見張るものがあるな、と。それは既に1stアルバム「DINOSAUR」の頃から確立されていて、それが時間を追う毎にどんどんと覚醒、整頓されていく様がすごいなぁ、とアルバムを時系列に沿って聴いてくと思うわけ。その辺は、オールタイムベストとなる「EAR BLEEDING COUNTRY : THE BEST OF DINOSAUR Jr.」を聴いてもらうと非常に判りやすいんじゃないかと(ほぼリリース順に曲が並び、最後にDINOSAUR後のJのバンド「J MASCIS + THE FOG」の音源が入ってますからね)。

 今回、彼等の「初のオリジナルメンバーでのジャパンツアー」に合わせてリリースされたのが、この「ZOMBIE WORM」と題されたベストアルバム。オリジナル編成でリリースした3枚のアルバム+EP収録曲、そして数曲のライヴテイクによって構成されるこのベスト盤、今のところ日本限定リリースとなっています。初回盤には、初期3作の日本盤にのみCD-EXTRAで収録していたPV4曲が別途DVDで付いてくる貴重な1品。

 こうやって聴くと、やはり基本路線は何も変わってなくて(当たり前だ、同じ人間が曲書いてギター弾いて歌ってるんだから)、やはりアルバムを重ねる毎にどんどんと純度が濃くなって、整頓されていってる気がします。それが人によっては「丸くなった」とか「大人になった」って取られるのかもしれないけど、全然そんなことないよねぇ? 勿論、ここで聴ける初期衝動的な作風は唯一無二なものだと思うけど‥‥それでも、やっぱり俺は全部好きだからねぇ。冷静な判断は下せません。

 彼等の歴史をザーッとおさらいしたい人には「EAR BLEEDING COUNTRY : THE BEST OF DINOSAUR Jr.」はオススメかもしれないけど、やっぱり各アルバムから1〜2曲なので、まずは現行の彼等をよく知るためにも今回のベスト盤を最初に聴いて欲しいな、と。これ聴いて、あとは1stから順を追って聴いていくのが一番良いと思います。んで、ベスト盤の最後に入ってるライヴテイク2曲(2005年11月30日のテイク! "Forget The Swan" と "Freak Scene" という選曲も良いスね!)を聴いて、いてもたってもいられなくなった君。悪いことは言いません。是非現在絶賛開催中のジャパンツアーに足を運びましょう! ま、東京は今日日曜と明日月曜しかありませんが‥‥

 というわけで、これをアップした後、俺はSHIBUYA-AXに行ってきます! もしかしたら、明日も行ってるかもね‥‥フフフ。



▼DINOSAUR Jr.「ZOMBIE WORM」(amazon:DVD付初回盤通常盤

投稿: 2006 02 26 03:46 午後 [2006年の作品, Dinosaur Jr.] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック