銀杏BOYZ『光』(2007)
この夏にリリースされ大きな反響を呼んだ2年半ぶりの音源(初シングル)「あいどんわなだい」(個人的2007年ベストソング候補)に続く作品は、すでにファンなら知っているであろうライブでの定番曲。僕も今春に観たイベント「AP BANG!」で初めて聴いて、涙をこらえきれなくなった1曲です。11分半もある大作で、聴きようによっては「こんな長尺必要だったの?」と感じなくもない。でも、聴き終えてみて初めて「こういう形じゃなきゃいけなかったんだ」と諭されるわけです。
彼らの周りにはつねに、トラブルでもなんでもない普通の出来事を「トラブル」に仕立て上げようとする人間がいる。それと同時に、そんな雑音を横目に銀杏BOYZの音楽と純粋に接するファンがいる。そして、そんなふたつの側の人たちを一歩離れたところから傍観しているだけの人。銀杏BOYZを取り巻く人間模様には、こんな3通りの生き方が見え隠れします。僕はその3者があってこその銀杏なんだろうなぁと最近思うんです。彼らの音楽を愛する人、けなす人、聴きもしないで「こんなもんがロックなら、ロックなんてクソくらえ」といきがる人。ロックなんてそんな孤高なもんじゃないよ。ロックを上から目線で見下すのも違う。ロックは自分とつねに等身大で、同じ目線の位置にあるもの。僕にとっての銀杏BOYZとは、つねにそういう存在なんです。
「光」は過去の楽曲でいえば「人間」の延長線上にある楽曲だと思うけど、何となくその重みが違うように感じられます。それは、彼らが積み重ねてきた経験が、しっかりと歌詞や歌、演奏などに表れています。つねにライブだけを見続けていると気付かなかったような成長が、こうやって音源としてまとめられると目に付くようになる。なんなんでしょうおね、これって。
作風的には3年前とほとんど変わっていないはずなのに、凄みという意味では以前よりも上回っているし、同時にこれまで以上にあたたかみも感じることができる。それはカップリングの「ナイトライダー」も同様で、彼らが新しいステージに到達したことが何となく伺える1枚なんじゃないでしょうか。
アルバムがどのタイミングで出るかはわからないけど、まだまだ銀杏BOYZからは目が離せそうにないなぁ。目を離すこと、イコール、ロックから目を背けることになりそうだから。
▼銀杏BOYZ「光」(amazon:日本盤)
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