Mr.Children『HOME』(2007)
今の仕事の良いところは、人よりもひと足先に新作に触れる機会が多いということ。もちろんそれ以外にもたくさんあるんだけど、まず最初に、単純にそう感じました。ある意味ではうらやましいと思われるかもしれないけど、例えば……子どもの頃みたいにアルバムの発売日を心待ちにしてた、あの気持ちは少しずつ失ってしまったかな、という気もします。ま、もっともすべての新作をサンプルで聴いているわけではないし、実際CDを買う量は今の仕事を始める前と後では、そんなに変わらないんですけどね(もしかしたら増えてる可能性のほうが高いんだけど)。
Mr.Childrenのこのアルバムを聴いたのは、確かリリースの1ヶ月くらい前だったと記憶してます。ちょうどインフルエンザで寝込んでた頃で、そんなときにこのアルバムが到着したことに気付いて、熱でフラフラの状態の中かけて……それがこのアルバムとの第一接触。自然と、スーッと体の中に溶け込んでくるような暖かくて、優しい音だなぁと感じたのを今でも覚えています。
その後何十回、何百回(は大袈裟か)と聴いてきたこのアルバム。6月に行く予定だった横浜アリーナでのライブは、残念ながら仕事の都合で行けなかったんだけど、初めて耳にしたときから「ブレない」アルバムなんですよね。アルバムによっては聴いたときの体調や感情、あるいは年齢によって聞こえ方・感じ方が変わってくるアルバムが多いんですが(それはミスチルのアルバムにしても同じで、リアルタイムではよく聴いていたけど、最近はほとんど聴かないという作品もありますよね)、この「HOME」という作品集は本当にブレないんです。
デビュー15周年とか、大ヒット曲「しるし」が入ってるとか、そういった要素はあるものの、個人的にはあまりそういった『おまけ』に左右されないし、最初から最後までバランス良く楽しめる1枚。確かに過去の作品と比べればかなり地味なアルバムです。でも、その地味さが個人的には『自然体』に感じら、自然体なようで実はかなり手の込んだアレンジだったりするもんで、聴きごたえがある1枚に仕上がってるなぁというイメージがあるんですね。曲によっては初期ミスチル的なポップ感が戻ってきてるものもあるし、「深海」以降のギラギラさも随所に散りばめられている。そして前作「I♥U」からもしっかりと地続きの内容となっている。桜井和寿の私小説集と解釈できると同時に、しっかり『バンド・Mr.Children』のアルバムとしても機能している。これはそういうバランス感がバツグンに優れたアルバムなんだと思います。
ミスチルはギミックやインパクトを追求するようなバンドじゃない。デビュー時からつねに「いい曲」「聴き手に響く曲」を徹底的に追求してきたバンドなんですよ。確かに全体的に地味かもしれないけど、これが「君がいた夏」から15年後の成長の『しるし』なんじゃないでしょうか?
シングルヒットの影響もあるだろうけど、こういうアルバムが2007年度もっとも売れた作品というのも、また興味深いです。「時代なんだろうなぁ……」なんて安直なことは言いたくはないけど、でもそう言いたくなるようなご時世だし、そう言いたくてたまらないアルバムなんですけどね。

▼Mr.Children「HOME」(amazon:日本盤)
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