2017/06/27

BON JOVI『LOST HIGHWAY』(2007)

このアルバム、今から10年前の6月にリリースされたんですね。そうか、もうそんなに経つのか……。

とういことで、今回紹介するのはBON JOVIが2007年6月にリリースした通算10枚目のオリジナルアルバム『LOST HIGWAY』です。7作目『CRUSH』(2000年)で本格的な復活を果たし、続く『BOUNCE』(2002年)『HAVE A NICE DAY』(2005年)がともに全米2位という好成績を残してきましたが、この『LOST HIGWAY』でBON JOVIは4th『NEW JERSEY』(1988年)以来19年ぶりに全米1位に輝きます。

プロデュースには現在も共同制作者としてバンドに携わるジョン・シャンクスと、元GIANTのギタリストで現在はカントリー系プロデューサーとして知られるダン・ハフが各6曲ずつ参加。前作『HAVE A NICE DAY』からのシングル「Who Says You Can't Go Home」がカントリーチャートでヒットしたこともあり、同アルバムで見せた「カントリーテイストをにじませたアメリカンパワーポップ」路線をさらに推し進めた、よりアーシーで土着的なカントリーロックが軸になっています。もともと持ち合わせていたカラーではあるものの、ここでその後10年のBON JOVIの路線を決定付けたという意味では、非常に重要な1枚と言えるでしょう。

パワフルなビートが心地よいハードロック「Summertime」や、黒っぽさが強くにじみ出た(かつギターワウを用いた)「We Got It Going On」など従来のBON JOVIらしさも残しつつも、全体を覆うのは「Lost Highway」や「Whole Lot Of Leavin'」みたいに肩の力が抜けたカントリーロック。もはや「Livin' On A Prayer」も「Bad Medicine」も「Born To Be My Baby」も、ここには存在しません。が、聴けばそれが「BON JOVIだ」と認識できる楽曲ばかりなのはさすがといいますか。

かと思えば、カントリー界の人気アーティストBIG & RICHをフィーチャーした「We Got It Going On」や、ジョン・ボン・ジョヴィとリアン・ライムスのデュエットが楽しめる「Till We Ain't Strangers Anymore」みたいなコラボ曲もある。このへんは「Who Says You Can't Go Home」がもたらした成功が大きかったんでしょうね。ただ、それによって「80〜90年代のBON JOVI」は遠くになりけり……ということになってしまったわけですが。

今聴くと本当にリラックスして楽しめるアルバムですし、前作『HAVE A NICE DAY』が好きなら問題なく気に入ってもらえるんじゃないかな。ただ、残念ながら「Have A Nice Day」や「It's My Life」みたいな“キメの1曲”が存在しないことで、本作の印象を弱めているのも事実。特に「80〜90年代のBON JOVI」が好きな人、そのイメージが強い人にとってはこの『LOST HIGHWAY』を素直に楽しめるかどうかで、その後の諸作品にスッと入っていけるかが決まるような気もします。



▼BON JOVI『LOST HIGHWAY』
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投稿: 2017 06 27 12:00 午前 [2007年の作品, Bon Jovi] | 固定リンク

2017/05/03

LINKIN PARK『MINUTES TO MIDNIGHT』(2007)

『HYBRID THEORY』(2000年)『METEORA』(2003年)の2枚でゼロ年代前半のラウドロックシーントップの座を手中に収めたLINKIN PARK。しかし、2000年代半ばに入るとラップメタルやニューメタルといった一過性のブームは過去のものとなり、ラウドロックシーンはさらなる変革を迎えていきます。

そんな中でLINKIN PARKが新たに取った手法は、音楽的に大胆なシフトチェンジを図ること。2007年春に発表され4年ぶりのオリジナルアルバム『MINUTES TO MIDNIGHT』では、プロデューサーを過去2作手がけたドン・ギルモアから大御所リック・ルービンに交代。約14ヶ月かけ、100曲の中から厳選された全13曲が収められています。

重心の低いミドルテンポのヘヴィロックが中心だった過去2作から一変。本作では前時代的なハードロックやメロディアスなロックが軸となっており、彼らが単なるラウドロックバンド、ラップメタルバンドではないことを証明しています。だって、マイク・シノダによるラップがフィーチャーされた楽曲は全13曲中たったの2曲(「Bleed It Out」「Hands Held High」)で、「In Between」においてはマイクがリードボーカルを担当しているのですから。

もう一方のシンガー、チェスター・ベニントンもスクリームを極力抑え、丁寧に歌うことに専念。ギタリストのブラッド・デルソンもメタル調ディストーションを控え、曲によっては大胆にギターソロを取り入れるなどして各曲に彩りを与えています。「What I've Done」のMVでブラッドが普通にストラトキャスターを弾いている姿を目にしたときは、そりゃあ驚いたものです。

そういえば、その「What I've Done」のMVはカリフォルニアの砂漠で撮影されたもので、歌詞同様に環境汚染・破壊などの社会問題を提示するものでした。LINKIN PARKがそういった問題と積極的に向き合い始めたのも、この前後だったと記憶しています。人によってはそのへんに姿勢に対して不信感を持ち始め、バンドと距離を置き始めたり離れ出したりしたのもこの頃だったように思います。

特に日本人にとってはこのへんの問題があまりに身近なものではないため、どうしても完全に理解できないかもしれません。が、それも「3.11」におけるバンドの働きによって、より深く理解することができたのではないでしょうか。バンドがどんどん大きくなり、視野や意識がどんどん広まることによって生まれる弊害……と言ったら語弊があるかもしれませんが、これってビッグネームになればなるほどぶつかる“壁”なのかもしれませんね。

と、ちょっと話題が脱線しましたが。アッパーな「Given Up」「Bleed It Out」「In Pieces」、ヘヴィな「No More Sorrow」、ヒップホップと賛美歌を融合させたかのような「Hands Held High」、メロウなバラード「Shadow Of The Day」、そしてアンセミックなハードロック「What I've Done」と楽曲のバラエティは過去2作以上。曲によってはエレクトロの要素も散りばめられていき、次作でのさらなる大変化を予感させる内容となっています。僕のように初期のニューメタル的作風が苦手という方は、もしかしたらこのアルバムからLINKIN PARKに入ると案外イケるかもしれません。



▼LINKIN PARK『MINUTES TO MIDNIGHT』
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投稿: 2017 05 03 12:00 午前 [2007年の作品, Linkin Park] | 固定リンク

2015/10/06

Megadeth全アルバム私的レビュー(4/5)

順調に進んでいる全アルバムレビューもいよいよ佳境に突入。今回は再結成後の3枚(10th〜12th)を紹介したいと思います。個人的には80年代後半〜90年代前半のような熱を持って彼らを支持することはできないと思っていたこの時期ですが、今聴き返すと意外といいアルバムを作っていたんだなと気付かされます。もちろん往年の名作と比べてしまっては霞んでしまうのかもしれませんが、それでも僕のような人間が聴いて楽しむぶんには十分な良作、力作ばかりだと思いましたよ。前作を聴き終えてから、改めて何度も聴き返したくなったのは、実はこの時期の作品だったことも付け加えておきます。


■10th『The System Has Failed』(2004年)

2002年のムステイン脱退→バンド解散を経て、腕の故障から解放されたムステインはギターに元メンバーのクリス・ポーランド、ドラムにザッパやスティングとの仕事で知られるヴィニー・カリウタ、ベースにカントリー系のジミー・スロースという布陣でソロアルバムを制作開始。しかしレーベルからの意向でMegadeth名義でリリースされることになってしまう。ムステインがソロでどんな音楽を表現しようとしたのか……聴いてみておわかりのとおり、以前のMegadethと何ら変わらない、むしろ初期〜後期の総決算と呼べるような内容に驚かされたのではないだろうか。セールス面での心配があったとはいえ、やはりこのサウンドはMegadeth以外の何者でもなく、ムステインにはこれしか残されていないのではないかとさえ思えてくる。1曲目「Blackmail The Universe」の3rdあたりを彷彿とさせるスラッシーな楽曲に続いて、2曲目「Die Dead Enough」では5th以降のキャッチーな側面を見せ、3曲目「Kick The Chair」で再びアグレッシヴなテイストで攻めるなど緩急に富んだ作風は「実は解散前にやりたかったのはこれだったのでは?」と思わせるほど。片腕エルフソンがいないとはいえ、凄腕ミュージシャンたちと作り上げたこのアルバムが再びムステインのメタル魂に火をつけたことは間違いない。


▼Megadeth『The System Has Failed』
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■11th『United Abominations』(2007年)

ムステイン、グレン・ドローヴァー(G)、ショーン・ドローヴァー(Dr)、そして元White Lion、Black Label Societyのジェイムズ・ロメンゾ(B)という布陣で制作された、新生Megadethにとって真の復帰作。このメンツで2006年10月に初開催された『LOUD PARK 06』にも出演し、その際には本作に収録される「Washington Is Next!」も披露しており、4thの曲調を彷彿とさせるこの新曲を会場で聴いて「新作は期待できる!」と確信したものだ。作風的には前作のノリに近いが、過去の総括というよりはより限定された、2nd〜4thあたりの世界感を今の布陣、今の音で構築した印象が強い。6thアルバム収録の名バラード「A Tout le Monde」をリメイクし、Lacuna Coilの女性シンガー、クリスティーナ・スカビアとのデュエットで歌い上げた「A Tout le Monde (Set Me Free)」という異色作もあるが、全体的に硬派なイメージの強い本作を携えて、Megadethが再びシーンに舞い戻ったという強い印象を与えるに十分な1枚だと断言できる。


▼Megadeth『United Abominations』
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■12th『Endgame』(2009年)

前作が7thアルバム『Cryptic Writings』以来10年ぶりにBillboardアルバムチャートでトップ10入り(8位)を果たしたMegadethが、ほぼ2年というインターバルで発表した通算12枚目のアルバム(今作も9位にランクイン)。今作でギタリストがクリス・ブロデリックに交代したものの、作風は前作の延長線上にある内容で安定したメタルチューンの数々を楽しむことができる。オープニング「Dialectic Chaos」が久しぶりにインストから始まり、そのままさらにスラッシーな「This Day We Fight!」へとなだれ込む構成も気持ち良い。かと思うとドラマチックなイントロの「44 Minutes」もある。ポップとは意味合いが異なるメロウな王道メタル+Megadethらしさという、4th以降に彼らが成し遂げたかったこともここでようやく迷いなく示すことができるようななった印象。個人的にはリリース当時は前作よりも印象が弱いイメージがあったが、こうやって改めて聴いてみたら前作よりも好きかもしれないと思えるほど気に入った。ボーナストラックを除いて44分程度という昔ながらのランニングタイムも、1枚通して聴くときに好印象を与えてくれる。2000年代でもっとも“らしい”アルバムと言えるのではないだろうか。なお、本作を携えたツアー中にムステインの戦友・エルフソンがバンドに復帰する。


▼Megadeth『Endgame』
(amazon:国内盤CD / 輸入盤CD

投稿: 2015 10 06 12:05 午前 [2004年の作品, 2007年の作品, 2009年の作品, Megadeth] | 固定リンク

2008/06/14

2008/06/13 (fri)

前日、深酒したせいかまたまた目が覚めたら11時回ってました……もう言い訳のしようがないですね。すんません。

家を出る前に、Amazonから届きもの。


▼THE CURE「THE ONLY ONE」(amazon:US盤


▼THE CURE「FREAKSHOW」(amazon:US盤

9月のニューアルバム発売を前に、5月から8月にかけて毎月13日にシングルを発表することになったTHE CURE。1枚目の「THE ONLY ONE」はポップな仕上がり、2枚目の「FREAKSHOW」はヘヴィ&ストレンジで前作の延長線上にある楽曲な気がしました。アルバム未収録のカップリング曲含め、どれもなかなかの仕上がりだったので、今からアルバムが楽しみなところです。

日中〜夜まで事務所で仕事。一度帰宅してから、終電間際に代官山へ「申し訳ないと」のコンピCDリリースパーティに行ってきました。会場に入って間もなくして、BON-BON BLANCOが登場。実はライブを観るのは5〜6年ぶりなので、まだ幼いと思っていたメンバーが大人になっていて、衝撃を受けました。そりゃそうだよな、一部メンバーは成人してるわけだし。ほとんどが知ってる曲だったのも嬉しかったな。

しばらくは地下の第二フロアでまったり。アニソン祭りには本気で腹抱えて笑わせてもらいました。途中、知人は先に会場入りしていた同僚と会ったりして、最後は掟→宇多丸のアイドルソングコンボで踊りまくり、6時ちょい前に店を出ました。家に着いて風呂入って落ち着いたら7時半。そのままぐっすり寝落ちましたとさ。



▼BON-BON BLANCO「B3 Master Pieces 2002-2004」(amazon:日本盤DVD付日本盤

投稿: 2008 06 14 07:17 午後 [2007年の作品, 2008年のライブ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/12/26

Mr.Children『HOME』(2007)

今の仕事の良いところは、人よりもひと足先に新作に触れる機会が多いということ。もちろんそれ以外にもたくさんあるんだけど、まず最初に、単純にそう感じました。ある意味ではうらやましいと思われるかもしれないけど、例えば……子どもの頃みたいにアルバムの発売日を心待ちにしてた、あの気持ちは少しずつ失ってしまったかな、という気もします。ま、もっともすべての新作をサンプルで聴いているわけではないし、実際CDを買う量は今の仕事を始める前と後では、そんなに変わらないんですけどね(もしかしたら増えてる可能性のほうが高いんだけど)。

Mr.Childrenのこのアルバムを聴いたのは、確かリリースの1ヶ月くらい前だったと記憶してます。ちょうどインフルエンザで寝込んでた頃で、そんなときにこのアルバムが到着したことに気付いて、熱でフラフラの状態の中かけて……それがこのアルバムとの第一接触。自然と、スーッと体の中に溶け込んでくるような暖かくて、優しい音だなぁと感じたのを今でも覚えています。

その後何十回、何百回(は大袈裟か)と聴いてきたこのアルバム。6月に行く予定だった横浜アリーナでのライブは、残念ながら仕事の都合で行けなかったんだけど、初めて耳にしたときから「ブレない」アルバムなんですよね。アルバムによっては聴いたときの体調や感情、あるいは年齢によって聞こえ方・感じ方が変わってくるアルバムが多いんですが(それはミスチルのアルバムにしても同じで、リアルタイムではよく聴いていたけど、最近はほとんど聴かないという作品もありますよね)、この「HOME」という作品集は本当にブレないんです。

デビュー15周年とか、大ヒット曲「しるし」が入ってるとか、そういった要素はあるものの、個人的にはあまりそういった『おまけ』に左右されないし、最初から最後までバランス良く楽しめる1枚。確かに過去の作品と比べればかなり地味なアルバムです。でも、その地味さが個人的には『自然体』に感じら、自然体なようで実はかなり手の込んだアレンジだったりするもんで、聴きごたえがある1枚に仕上がってるなぁというイメージがあるんですね。曲によっては初期ミスチル的なポップ感が戻ってきてるものもあるし、「深海」以降のギラギラさも随所に散りばめられている。そして前作「I♥U」からもしっかりと地続きの内容となっている。桜井和寿の私小説集と解釈できると同時に、しっかり『バンド・Mr.Children』のアルバムとしても機能している。これはそういうバランス感がバツグンに優れたアルバムなんだと思います。

ミスチルはギミックやインパクトを追求するようなバンドじゃない。デビュー時からつねに「いい曲」「聴き手に響く曲」を徹底的に追求してきたバンドなんですよ。確かに全体的に地味かもしれないけど、これが「君がいた夏」から15年後の成長の『しるし』なんじゃないでしょうか?

シングルヒットの影響もあるだろうけど、こういうアルバムが2007年度もっとも売れた作品というのも、また興味深いです。「時代なんだろうなぁ……」なんて安直なことは言いたくはないけど、でもそう言いたくなるようなご時世だし、そう言いたくてたまらないアルバムなんですけどね。



▼Mr.Children「HOME」(amazon:日本盤

投稿: 2007 12 26 02:00 午前 [2007年の作品, Mr.Children] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/12/16

SIXX:A.M.『THE HEROIN DIARIES SOUNDTRACK』(2007)

まず最初に、このアルバムにMOTLEY CRUE的なアリーナロックの要素を求めている人は、その過剰な期待を一旦収めてから音に接することをオススメします。MOTLEYの『次作』として聴こうとすると、絶対に正しい評価が下せないと思うので。

この夏、アメリカで発表されたニッキー・シックスの新プロジェクト・SIXX:A.M.のアルバム「THE HEROIN DIARIES SOUNDTRACK」が、いよいよ日本でも今週発売されます。実は僕、アルバムが発売されてすぐに手を出さず、つい先日まで聴いていなかったんですよ。ところが仕事でこのアルバムと接することになり、このアルバムを制作するきっかけとなった書籍「THE HEROIN DIARIES」の要約(日本語訳)を目にしながらアルバムを聴いたんですけど……これはね、アルバム単体としてではなく、ぜひ書籍を読んで一緒に楽しんでほしいアルバムだなぁと感じました。

サウンド的にはとてもダークな内容で、オリジナルメンバーで復活したMOTLEYでいうと「If I Die Tomorrow」といった新曲群にも通ずる要素があるかと思います。ソングライターとしてのニッキー・シックスの手腕を楽しむといった意味では、とても興味深いアルバムだし、以前リリースされたニッキーのアルバム「DIET FOR A NEW AMERICA」(58名義)よりも断然聴きやすい1枚です。それは、このアルバム制作に携わったDJアシュバとジェイムズ・マイケルといったメンバーの個性が活かされたことも関係あると思います。モダンな方向へは行かず、適度なダーク&ヘヴィさを保ったハードロックアルバム。いや、これはあくまで「サウンドトラック」なのかな。もちろん、こういった湿り気のあるサウンド&メロディが好きなHRファンにもアピールすると思うけど、やっぱり本とセットで楽しんでほしいんですよ。

でも、今のところ「THE HEROIN DIARIES」翻訳版の発売は未定。これ、絶対に来年の早い時期に実現させてほしいよなぁ……MOTLEY CRUEに少しでも興味がある人なら、絶対に読むべき1冊だと思うし、アメリカのロック史を語る上でも今後重要になる書籍だと思うので(多少、脚色されてる部分もあるように感じられたけど、そこはこの人ならではのエンターテイメント性の表れなのかもね)。

いわゆる脳天気なアメリカン・ハードロックは皆無。どちらかというとヨーロピアンな……と書くと語弊があるかな。MOTLEY CRUEとしてやっても違和感はないだろうけど、多分それは求められていないだろうなぁという気もします。リードトラック「Life Is Beautiful」や「Accidents Can Happen」といったミディアム/スローナンバーは、ニッキーらしさも感じられ、個人的には今後愛聴していくことになりそうな1枚といえます。ジェイムズ・マイケルの歌声もいい感じだしね。非常にクオリティも高いので、今後もMOTLEYと並行してアルバムとか作っていけばいいのに……なんて思ったりして。



▼SIXX:A.M.「THE HEROIN DIARIES SOUNDTRACK」(amazon:日本盤w/DVD日本盤US盤


▼NIKKI SIXX「THE HEROIN DIARIES」(amazon:洋書

投稿: 2007 12 16 06:21 午後 [2007年の作品, Guns N' Roses, Motley Crue, Sixx:A.M.] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/12/14

DURAN DURAN『RED CARPET MASSACRE』(2007)

サイモン・ル・ボン(Vo)、ニック・ローズ(Key)、ジョン・テイラー(B)、アンディ・テイラー(G)、ロジャー・テイラー(Dr)という全盛期のメンバーが再び揃ってリリースされた2004年のアルバム「ASTRONAUT」は、話題性のわりにはそんなにヒットしなかったDURAN DURAN。ナイル・ロジャースやダラス・オースティン、ドン・ギルモアといった大御所プロデューサーを迎えたものの、個人的にそのサウンドからは何となく最初期の楽曲に近い印象を受けました。

サマソニでの来日とかあったりしたものの、案の定というかアンディ・テイラーが脱退。残された4人で制作された3年ぶりのアルバムは、ティンバランドやジャスティン・ティンバーレイクなどといった旬の人たちをプロデューサーに迎えた意欲作に仕上がっています。前作はまだ「ロックバンド・DURAN DURAN」の色合いが濃かった気がしますが、本作ではもっと開き直り、ポップミュージックを追求した80年代の彼ら、その勢いを取り戻そうとした90年代初頭の彼らと同じ空気が感じられます。

彼らが本来持っていたヨーロピアンな香り、そして憧れたファンクやソウルなどブラックミュージックの要素、そして近代クラブミュージックのテイストがバランスよく取り込まれた、聴きごたえタップリの1枚。決して派手でもないし、新しくもない。だけど、何となく僕らは今のDURAN DURANにこういうものを求めてたんじゃないかな……というサウンドを、しっかりと提示してくれているのが嬉しいかぎりです。

どの曲もライブ向きではないし、クラブで派手に踊るタイプのサウンドではないんだけど、終始安心して聴いていられる。内向的なアルバムかもしれないけど、かなり水準高い1枚だと思います。前作よりもヒットしてほしいし、それ以上に高く評価されてほしい、そう素直に願ってしまうアルバムです。



▼DURAN DURAN「RED CARPET MASSACRE」(amazon:日本盤w/DVD日本盤US盤

投稿: 2007 12 14 11:13 午後 [2007年の作品, Duran Duran] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/12/12

THE WiLDHEARTS『THE WiLDHEARTS』(2007)

もう二度と出ることはないだろうなぁと思っていた、THE WiLDHEARTSのニューアルバムが2007年春に発売されました。今年の頭には来日公演も行い、新編成によるお披露目的な素晴らしいステージを披露したそうです(残念ながら僕は行けませんでしたが)。

気付けば前作「THE WiLDHEARTS MUST BE DESTROYED」から3年半近く経っていたんですね。その後、UKのみのBサイド集「COUPLED WITH」とかUS向け編集盤「RIFF AFTER RIFF」とか複数のライブ盤が出たりで、なんかいろいろ出てる印象はあったんだけど、結局満足させられた作品というとジンジャーのソロくらいだったという。

ドラムが90年代後半に参加したリッチ、ベースがスコット・ソーリー(元AMEN、ジンジャーとはBRIDES OF DESTRUCTIONでも一緒に活動してましたね)、それ以外はジンジャーとCJというおなじみの布陣。ま、21世紀のワイハーは基本この2人がいれば問題なさそうですね。

肝心の内容は、前作をよりハードにして、さらにリフ、リフ、リフの嵐という、これこそ「RIFF AFTER RIFF AFTER MOTHERFUCKER RIFF」というタイトルがふさわしいんじゃねーの?と言いたくなるような仕上がり。素晴らしい。こういうワイハーを待ってたんですよ!

しかし、もうひとつの魅力であるメロディがちょっと弱い。21世紀の彼らはジンジャーとCJによるツインボーカル(含ハーモニー)でメロ自体の質をうまくごまかしているように感じられるんですよね。実はそんなに大したことないメロディなんだけど、それをハーモニーでボカしたり。ちょっとそこだけが勿体ないなぁと強く思うわけです。まぁどんなアーティストにも言えることだけど、オリジナル期(ここで指すのは90年代の彼ら)に思い入れのある人、リアルタイムでその辺を通過しているファンからすると、どうしても要求が高くなってしまうのは仕方ないのかなぁと。続いてくれたことには大感謝なんですが、次の作品にはそれこそ古くからのファンを「俺が悪かった!」と言わせるくらいの傑作に期待したいところです。

でも……これはこれで好きだよ。このアルバムでのツアーも観たいなぁ。早く日本に戻ってきてくださいね!



▼THE WiLDHEARTS『THE WiLDHEARTS』
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投稿: 2007 12 12 12:07 午前 [2007年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/12/11

THE WOMBATS『PROUDLY PRESENT...A GUIDE TO LOVE, LOSS AND DESPERATION』(2007)

今年のフジロックでも来日した、リバプール出身の3人組ギターポップバンドによる1stアルバム(過去に日本限定で「GIRLS, BOYS & MARSUPIALS」というアルバムがリリースされてるけど、収録曲被ってるし、今回のがワールドワイドなフルアルバムという扱いなのかな?)。ぜんぜん知らなかったんだけど、彼らはポール・マッカートニーが通った学校を改装して創設された「Liverpool Institute of Performing Arts (LIPA)」に通う生徒さんなのね。いわゆるヤンチャなギターポップバンドといった印象で、確かにそこはかとなくイギリスの香りがしますね。嫌いじゃないです。いや、むしろ好きな部類です。

実は先日「BRITISH ANTHEMS」を観に行ってきたわけですが。感想でも書こうと思ったんだけど……あまりに中途半端なバンドが多くて、途中で本当に帰りそうになるくらい、退屈さを感じる瞬間が多かったんですよ。自分はBLOOD RED SHOESから参加して、THE ENEMYを2曲観て帰ったんですが、本当に「個性を磨く」というのは大切なことであり、同時に大変なことなんだなぁと思わされたわけです。もちろん、すべてのバンドがヒドかったわけではないけど、個人的にはTHE ENEMYからはなにも感じなかったし、これが全英No.1なんだ……と逆に「う〜ん」と考え込んでしまったりで、本当にいろいろ考えさせられました。

話をTHE WOMBATSに戻すと、彼らは来年3月に再び開催されるこのイベントの第5弾に出演するんですね(会場にて発表されてました)。次回も英国でイチオシの新人バンドが数多く出演すると思いますが、彼らがどれくらい健闘するのか、そしてどれだけの個性を放つのかなどいろいろ気になるわけです。アルバムを聴く分には音の太さやキャッチーさに惹かれるものが多かったけど、実際にライブを観たら印象変わるってこともあるし。正直、このアルバムだけでは評価は難しいです。

ただ、個人的な好みでいえば、この音って嫌いじゃないんですよ。先日ライブを観たTHE CRIBSにも通ずるものがあるし、このヤンチャさを失わずに前進していってくれれば、きっと面白い存在になるはず。あんまり先物買い的なオススメとかは好きじゃないんですが、ギターポップ好きはチェックしておいて間違いないと思います。



▼THE WOMBATS「PROUDLY PRESENT...A GUIDE TO LOVE, LOSS AND DESPERATION」(amazon:日本盤UK盤

投稿: 2007 12 11 11:23 午後 [2007年の作品, Wombats, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/12/08

新垣結衣『そら』(2007)

いわゆる女優さんが門外漢の「歌手」としてデビューすると、かならずその歌唱力に対する酷評や、やれ「話題作りのため、○○(有名アーティストの名前)が楽曲提供」といったことで、切り捨ててしまう傾向にありますよね。まぁそれだけ注目されているという事実もあるわけですが、まぁここではそういった視点では語りません。

単純に、いちファンとしての視点で語ります(えー)。

実は仕事でこのアルバムについて書かせてもらいました(こちら)。できればインタビューもしたかったけど、まぁそれはまた別の話なんで。あそこに書いたことがすべてなんですよね。

確かに歌は下手くそだし、決して褒められたもんじゃないと思う。でも、それ言ったら某・元国民的アイドル集団だってどんぐりの背比べだし、そういった点で語るべきじゃないよなぁ、と。「女優さんなんだから、もっと表現力豊かなのかと思った」という意見。ごもっとも。でも、彼女は女優としてもまだまだこれからの人だと個人的には思ってるので……いいじゃないか、今後に期待すりゃ!

さぁ、だんだんとキビしくなってきたぞ(笑)。まぁ冗談はさておき……多分このアルバムを純粋に楽しむことができる人は、ガッキーのアイテムならなんでもオッケーという盲目的なファンと、ここで歌われているような歌詞に思わず胸がキュンとしちゃうような人たちなんじゃないかな。自分はファンだけど、少なくとも前者ではないので……そうです、いい歳したオッサンがこのアルバム聴いて、思わず泣きそうになったわけですよ。ちなみに映画とかは一切観に行ってませんよ。行ってみようとは思ってるけど。

歌声がキャラクターとして成立する、それが最終的に個性となり説得力を持つというのは、別にアイドルに限らずいくらでもある話。僕はガッキーに対して、実はそっち方向のシンガーになるんじゃないかと感じています。特につじあやの辺りが書いた曲を聴いてると、そう強く思うわけです。今後しばらく歌手としての活動を積極的に行っていくようなので、次のシングルなりアルバムなりの出来に期待ですね。



▼新垣結衣「そら」(amazon:日本盤(初回盤)日本盤w/DVD

投稿: 2007 12 08 12:05 午前 [2007年の作品, 新垣結衣] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/12/07

!!!『MYTH TAKES』(2007)

そういえば、去年の今頃はこのアルバムのプロモーションで来日中だったニック(Vo)にインタビューしたなぁ、と急に思い出しました。自分にとって初の海外アーティストへのインタビュー経験だっただけに、緊張したのと同時に、初めての相手がニック……というか!!!でよかった、と改めて思ったものです。

そんな彼らのアルバム3rdアルバム「MYTH TAKES」は、サンプルのカセットテープが届いてからずっと聴いてたなぁ。もちろんCDが発売されたら、ちゃんと購入してそちらを聴き続けましたけど。前作もカッコよかったけど、新作は新たな要素も感じられ、それが個人的にはとても気持ちよく響いてきたのが印象的です。ここ数年、ディスコパンクやらニューレイヴやら、ダンスに特化したロックバンド(あるいはそこにダンスユニット/テクノユニットも括られちゃうかもね)が増えていますが、このアルバムを聴くと彼らはそんなシーンから数歩離れたところにいるように感じられます。

本作では持ち前のファンキーさや独特なエレクトロ感はそのままに、さらにサイケでダークな要素も強調されつつあり、単なる「クラブ指向の1枚」からよりリスニングに耐えうるアルバムへと進化しています……という言い方は変かな。フロアライクな内容でもあり、自宅でジックリ聴きたい人に向けてもアピールする要素が含まれている、と言いたいだけなんですけどね。

去年の今頃、インタビュー当日の午後にやっとサンプルが届いて、とにかく集中して聴いたこのアルバム。あのときの衝撃、手に汗握る感覚、サウンドスケープに引き込まれるような説得力は、今聴き返してもまったく色褪せていません。個人的には2007年のベストアルバム1枚選べと言われたら、このアルバムかSUPER FURRY ANIMALSの「HEY VENUS!」のどちらかで悩むんだろうな。多分しばらく自分の中で、この2枚を超える作品とは出会えないかもしれないなぁ……。



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投稿: 2007 12 07 01:21 午前 [2007年の作品, Chk Chk Chk (!!!)] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/12/06

AVENGED SEVENFOLD『AVENGED SEVENFOLD』(2007)

いやぁ、開き直ったなぁ……というのが第一印象。前作「CITY OF EVIL」で昨年日本デビューを果たして、そのままサマソニにも出演。メタルファンのみならず、幅広い層にアピールする絶好の機会を得て、うまいことブレイクしたA7Xがセルフタイトルの新作を発表しました。ご存じのとおり、アメリカでもこのアルバムで大ブレイクを果たし(ビルボード・アルバムチャートでトップ10入りを記録)、ただいま絶好調!といったところでしょうか。

いわゆるメタルコア/スクリーモなどの流れにあるバンドの中では、もっとも日本人の琴線に触れるメロディを持つ彼ら。アメリカのバンドなのに北欧/ジャーマンメタルかよ!?というような臭いメロディを発し、なのに「第2のMOTLEY CRUE」とか「第2のGUNS N'ROSES」という触れ込みで売られちゃってる。ま、その辺のアンバランスさもアメリカらしいっちゃあらしいですけどね。

本作のサウンドは、前作で聴けた路線の延長線上にあるものだと思います。すでに下火になりつつあるこの手の路線ですが、さらに押し進めて暑苦しさ全開のナンバーを聴かせてくれます。ただ、さすがにそこは経験を積んだバンドだけあって、非常にアレンジなどが練り込まれているんですよね。単なる一発屋では終わらないぜ!という意気込みが感じられる、勢いも重量感も兼ね備えた強力な作品といっていいでしょう。

ただ……新鮮さは皆無。すでに10年近く活動しているバンドですが、ここまでフレッシュさがなくていいものかと心配もしてしまいますが、まぁこれはこれでいいんでしょうね。なんていうか……彼らは今後もMOTLEY CRUEにもGN'Rにもなれないと思います。なれなくて当然なんですよ、だってA7Xなんだから。でも、彼らならではの魅力を維持したまま、このポジションを守り続けてくれるんじゃないか……そう願ってるんですけどね。決して「全米で800万枚突破!」というアーティストにはならないと思うし、ならなくていいんじゃないかと。こういうオーセンティックはHM/HRを聴いていると、ついそう思っちゃうんですよね。



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投稿: 2007 12 06 12:05 午前 [2007年の作品, Avenged Sevenfold] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/12/05

delofamilia『quiet life』(2007)

ORANGE RANGEのブレイン・NAOTO(G)による、初のソロユニット・delofamiliaのデビューアルバムがリリースされました。本来なら毎年この時期はORANGE RANGEのオリジナルアルバムがリリースされる時期だったりするんですが、今年は夏に初のベストアルバムを発表したこともあってか、新作の発売はなし。その代わりというわけではないでしょうけど、このdelofamiliaのアルバムが完成したわけです。

バンドでもほぼすべての曲を彼が書いているわけで……世間的にはパクリ云々が取り沙汰されるわけですが、そういったセンス含め、面白い才能の持ち主だとずっと思っていた彼が、ソロとして動き出す。いったいどんな音を出すのか、どんな曲を書くのか……個人的にとても興味があったわけです。彼の実兄がRYUKYUDISKO、兄弟揃って電気グルーヴの大ファン、以前テレビで放送されたドキュメント番組でのレコーディング作業、etc...NAOTOというミュージシャンに対する興味は尽きることなく、僕個人もORANGE RANGEに対しては世間とはちょっと違った見方で楽しませてもらっていました。

ほぼすべてのトラックを彼が手がけ、メインボーカルとして信近エリやAIR(1曲だけNAOTO自身も歌ってます)をゲストに迎え制作されたこの「quiet life」という作品。タイトルから何となく想像できるかもしれませんが、非常に穏やかな、ORANGE RANGEのパーティ感とは一線を画するサウンドを耳にすることができます。何だろう、エレクトロニカ……フォークトロニカ? そういったジャンルがもっとも近いのかなぁ。もちろん、ところどころにORANGE RANGEにみられるポップセンスは散りばめられているし、実際どの曲もかなりキャッチーなメロディを持つ楽曲ばかりなんですよね。ポストロックとも違うし、かといってエレポップと呼ぶにはちょっと派手さに欠ける。そういった意味では一番フォークトロニカに近いんでしょう。ラストの「so lonely」を聴くと、THE TWILIGHT SADあたりのシューゲイザーも思い浮かぶ。まぁ狙いとしてはその辺なんでしょう。

ある意味想像してたとおりの内容なんだけど、ちょっと想像と違う部分もある。AIR参加の曲は想像どおりの内容で思わず笑ってしまったけど、信近エリの個性もそれなりに活かし、なおかつNAOTOというアーティストの個性もしっかり主張されている。なによりも、これを聴いてORANGE RANGEのソングライターと一緒だとは思わないでしょうね。そういう意味では、ソロ作品として成功を収めてるんじゃないでしょうか。

ただ……これが「ORANGE RANGE」という色眼鏡を通して評価されてしまうのが、勿体ない気がします。



▼delofamilia「quiet life」(amazon:日本盤w/DVD日本盤

投稿: 2007 12 05 12:05 午前 [2007年の作品, delofamilia] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/12/04

THE HELLO WORKS『PAYDAY』(2007)

いやぁ、ひたすらカッコイイ。予想してたのよりも数十倍カッコよかった。ライブでは何度も目にしてるはずなのに、それ以上だったもんだから、ただただ驚くばかりです。

スチャダラパー、SLY MONGOOSE、ロボ宙という総勢10名から成るスーパーバンド、THE HELLO WORKS。ファンキーなロックバンドをバックにラップするというスタイルは決して新しいものではないんだけど、完成したアルバムは2007年を代表する10枚に入りそうなほどの完成度を誇っています。適度にハードなバンドサウンドと、かなりクールでタイトなフロウの融合。まさかここまでやってくれるとは正直思ってなかったもんだから、嬉しい誤算ですよ。

各アーティスト、ピンではそれぞれ孤高の存在といっても過言ではないアーティストですが、その3組が合体することで単なる足し算ではなくかけ算になっていたという。そのくらい聴きごたえタップリの1枚ですよね。このアルバムはこれまでスチャダラあたりのヒップホップを敬遠してきた日本のロックファンにこそ聴いてもらいたい作品です。ヒップホップファン以上に、ロックファンが手に汗握るような内容じゃないでしょうかね、これは。

スチャダラは去年発表したひさしぶりのアルバム「CON10PO」も素晴らしかったけど、こっちもいいよね。その前は電スチャだったわけだけど……全部素晴らしいんだけど、個人的には一番しっくりくるかもしれない。ってそれは結局、自分が単なるロックファンでしかないってことを言い表してるようなもんだけどさ。

夏フェスなどで彼らを一度でも目にしたことがあるという人。期待以上の出来です。もちろん、まだライブを一度も観たことがないという人も、間違いなく楽しむことができる1枚だと思いますよ。ホント素晴らしい。個人的には「今夜はブギーバック」がなくても、傑作には違いない作品ですね。



▼THE HELLO WORKS「PAYDAY」(amazon:日本盤w/DVD日本盤

投稿: 2007 12 04 12:05 午前 [2007年の作品, HELLO WORKS, THE] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/30

D'ERLANGER『LAZZARO』(2007)

まさか2007年にD'ERLANGERの新作を聴くことになろうとはね……今年は本当にいろんなバンドが復活/再結成したけど、個人的にはOBLIVION DUSTとD'ERLANGERの復活が一番大きかったかもしれないなぁ。しかも、両者とも解散前にも劣らないオリジナルアルバムを作ってくれたんだから(オブリは来年1月リリースですが、いち早く聴かせてもらいました。もしかしたら最高傑作かもしれないぞ)。

話題をD'ERLANGERに戻して……メジャー1作目・通算2作目のアルバム「BASILISK」から実に17年ぶり、通算3作目のオリジナルアルバム「LAZZARO」が今年3月にリリースされました。当時のファンにも、そしてここ数年再び盛り上がっているネオ・ビジュアル系バンドのファンたちにも十分アピールする、隙のない内容に仕上がっています。基本的には「BASILISK」の延長線上といえる作風だけど、もっと骨太になってるのが印象的にですね。各メンバーそれぞれ、DIE IN CRIESやBUG、CRAZEなどいろんなバンドを経てきたけど、それらの色が良い意味で反映されているかなぁ。だけど、奏でられるサウンドはD'ERLANGERそのもの。いやはや、圧巻のひと言です。

こうやって2007年のサウンドで彼らのアルバムを聴いていると、一見古くさそうなんだけど、実はそうでもなかったりするんじゃないかと思うんですよ。これは……とても個人的な見解ですが、彼らのサウンドって欧米のエモ/パンクバンドと並べても意外とイケるんじゃないかなぁ……なんて思っちゃうんですよね。例えばMY CHEMICAL ROMANCE。昨年の大ヒット作「THE BLACK PARADE」と続けて聴いても、そこまでの違和感はないように感じます。実際、マイケミ自体も日本のビジュアル系からの影響が多少なりとも感じられるし(実際にどうだかは知らないけど)、実はその辺地続きだったりするんじゃないかとずっと考えていたんですよ。昨年のマイケミなり、MUSEなり、ムックなり。この辺は個人的には繋がってくるところが多少なりともあるんですよね(それはまた別の機会に話しましょう)。

そんなこんなで、D'ERLANGERの新作は今年発表されたこの手のバンドの作品としては、かなりの高品質の1枚と言えます。ホントは今年のサマソニあたりに出演して、欧米のこの類のバンドと共演してくれたら面白かったんだけどね。そこは来年以降に期待しましょうか。



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投稿: 2007 11 30 12:05 午前 [2007年の作品, D'ERLANGER] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/29

PUFFY『honeycreeper』(2007)

あんまり売れてないですね、PUFFYのニューアルバム。昨年のオリジナルアルバム「Splurge」が傑作と呼ぶにふさわしい内容だっただけに、それに続く本作は前作以上に売れてほしいなぁと思っていたんですが……ライブにはお客が入るのにね。本当に残念。

デビュー10周年を迎えた2006年を経て、次のディケイドに向けて走り出した彼女たちが贈る最新作は、前作以上に豪華な作家陣を迎えています。井上陽水&奥田民生の黄金コンピ、チバユウスケ、吉井和哉、真島昌利、山中さわお、宮藤官九郎&富澤タク(グループ魂)、ピエール瀧、そして海外からブッチ・ウォーカーやスウェーデンのパワーポップバンド・THE MERRYMAKERSの面々……各ソングライターの個性が色濃く表れた楽曲にもかかわらず、PUFFYのふたりがそれを歌えばちゃんとPUFFYの曲へと様変わりしてしまうのは、さすがと言うべきか。決して作家陣が彼女たちにあわせた曲作りをしているとは思えないんだけど(そりゃ多少は意識して書いてるんだろうけど)、ここまでPUFFYとして成立してしまうのは、もはや個性と言うべきなんでしょうね。

今作で興味深いのは、これまでアルバム作りに携わってきたアンディ・スターマーが曲作りに参加していない点。まぁTHE MERRYMAKERSの面々はアンディ繋がりで参加することになったはずだから、そういう意味では間接的に参加しているとも言えますけどね。ただ、個人的にはアンディの曲が1曲もないのが残念だなぁと思うわけです。

それにしても……ここまで豪華で強力なアルバム、そうはないと思うんですけどね。どうして浸透しないのか……逆に、ここまで手が込んでいると、気軽に手を出しにくいということなんでしょうか。絶対に聴いてみようという気にさせないというか……そんなことない? すごく勿体ないと思うんだけどなぁ。



▼PUFFY「honeycreeper」(amazon:日本盤

投稿: 2007 11 29 12:05 午前 [2007年の作品, PUFFY] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/28

SERJ TANKIAN『ELECT THE DEAD』(2007)

SYSTEM OF A DOWNを突然活動休止させ、フロントマンのサージ・タンキアンが完成させたのがこのソロアルバム。ほとんどの楽器を彼が担当し、ドラムのみSOADのジョン・ドルマイアンと、元PRIMUS(GUNS N'ROSESにもいたことがあったね)のブライアン・"ブレイン"・マンティアが叩いたという、まさにソロアルバムと呼ぶにふさわしい仕上がりとなっています。

SOADを好きだった人からすれば、このアルバムはとてもストレートに聞こえるかもしれません。それほど聴きやすくなっているんですよね……ま、普通のハードロック/ヘヴィロックと比較すれば、十分にねじれてますけど。SOADから変態性を希釈させ、いろんなコーティング(曲によってはピアノやストリングスの音も聞こえますよね?)を施して聴きやすくした印象を受けます。もっとも、その「聴きやすさ」は意図的にそうしたというよりも、本作に収録された楽曲に必要だと感じたからそうしたまでといったところでしょうか。

あのSOADの変態性って、結局はサージやジョン、ダロン・マラキアン(G/Vo)やシャヴォ・オダジアン(B)という4人が揃ってそこのものなんですよね。頭ではわかっていても、実際にこうやって出来上がったそるアルバムを聴いてみないと理解できないもんなんですよね、ファンというのは。

とにかく本作は、ちょっと映画を観てるかのような劇的な作品となっています。より正統派なメロディアス・ハードロックと化した曲もあれば、SOADのような複雑な展開を持つ楽曲もある。恐らく、これまで「SYSTEM OF A DOWNはちょっとわかりにくい」と感じていた人ほど、今回のアルバムにグッと引き寄せられるのかもしれませんね。

個人的には、不思議と「このアルバムをSOADでやったら面白いのに……」とは思わなかったんですよね。これはこれ、というふうに最初聴いたときから割り切れていたというか。この「ELECT THE DEAD」という作品集は、この形で完璧なんですよね。ここまでメランコリックなアルバムは、逆にSOADではやれないと思うし。そういう意味では、今回のソロ活動は正解だったんじゃないかと感じています。こうなると、(いつになるかはわからないけど)俄然SOADの次のアルバムが楽しみになってきますね。



▼SERJ TANKIAN『ELECT THE DEAD』
(amazon:US盤US盤w/BOX日本盤

投稿: 2007 11 28 12:05 午前 [2007年の作品, Serj Tankian, System of a Down] | 固定リンク

2007/11/27

エレファントカシマシ『俺たちの明日』(2007)

「うわっ、エレカシがまた売れちゃうよ。」

今回の移籍第1弾シングル「俺たちの明日」を初めて聴いたとき、素直にこう思いました。いや、売れちゃ困るわけじゃないんだけど、そのお膳立てが整っちゃったなぁと。そう感じたわけです。

タイトル曲は昨年末の「COUNTDOWN JAPAN 06/07」で初披露され、以後ライブやイベントでかならずといっていいほど披露されていた、90年代後半の彼らに通ずる「歌力」を持ったキャッチーなナンバー。昨年春に発表されたアルバム「町を見下ろす丘」にあった、どこか燻った感じはここには一切なく、ただただ前のみを見据えている宮本浩次の姿が目に浮かぶような力強い1曲に仕上がっています。初めてライブで聴いたとき以上に「歌」をフィーチャーしてる印象が強くて、こんなエレカシを聴くのは下手したら「明日に向かって走れ-月夜の歌-」以来かもしれないね。

カップリングの「さよならパーティー」も最高にカッコイイし、ボーナストラックとして最後に収録されている「俺たちの明日(Acoustic ver.)」もバンドバージョンとは違った味わいが感じられ、今のエレカシのさまざまな顔を楽しむことができるんじゃないかと思います。

で、この後に控えている次のシングル「笑顔の未来へ」が、これまた素晴らしい出来なもんだから、ホントに嬉しくなっちゃう(この曲、ライブで「悲しみのテロリスト」というタイトルで披露されていたナンバーですね。正直以前のタイトルだったら、突き抜ける前のエレカシのままだったように思います)。きっと今のエレカシには、よいスタッフ、よいブレインが付いてるのかもしれない。別に売る気満々というわけじゃないのに、すべてが良い方向に作用してるように感じられます。いやぁ、こりゃ来年1月末に発売されるアルバムも楽しみになっちゃうね。

ホント、エレカシがまたこういうスタイルで前向きに突き進んでくれることを、心から嬉しく思います。



▼エレファントカシマシ「俺たちの明日」(amazon:日本盤w/DVD日本盤

投稿: 2007 11 27 12:05 午前 [2007年の作品, エレファントカシマシ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/26

SPOON『GA GA GA GA GA』(2007)

海外では今年の7月にリリースされ、ビルボードのトップ10入りを記録したヒットアルバム。日本では12月5日にようやく発売され、来年2月には待望の初来日公演も予定されています。このアルバムでいよいよ本格的に盛り上げていこうといったところでしょうか。

実はこのバンド、僕は今回のアルバムで初めて接するのですが……地味なんだけど、ものすごいクオリティの作品集ですよね。いかにもなアメリカン・インディーズ作品なんだけど、一度聴いたらヤミツキになる要素がタップリ詰まってます。決して派手に弾けることなく、ブラスを導入したモータウン調ナンバーやら、ピアノを中心に据えたミディアムナンバー、フォーキーなギターロック、どことなくポストロック色を感じさせるスペーシーな楽曲などなど。個人的には近年のDEATH CAB FOR CUTIEあたりにも通ずる色合いを感じました。このバンド自体は決してエモの流れにあるバンドだとは思いませんが、ここ最近エモ系のバンドが到達するひとつの流れにこのSPOONも乗っかっているように思えたんですね。それくらいムーディで、とてもよく出来たアルバムではないでしょうか。

実は現在のこのバンドのベーシストが、元THE GET UP KIDSのロブ・ポープだったりするあたりにも、その辺の共通項が何となく見え隠れしたりして……というのは、単なるこじつけでしょうか。とにかく、こういうクオリティの高いバンドがまだまだアメリカのインディーズ・シーンにはうようよしていて、しかもいきなりチャートのトップ10入りしちゃったりするんだから、非常に面白い。決して日本でバカ売れするようなタイプのサウンドではないけど、確実にこの手のサウンドが好きなファンからは大絶賛されるアーティストですよね。前作「GIMME FICTION」は海外メディアで高評価を得たそうですが、本作もきっと「ROLLING STONE」あたりを筆頭に「Best of 2007」の1枚に選ばれることでしょう。実際、日本でもすでに一部音楽誌で好意的に評価されてるんですよね。それも納得の内容だと思います。

仕事で彼らの音楽と接することがなかったら、多分来年の夏くらいまでスルーしてたかもしれない1枚。ぜひ2月の来日公演には足を運んでみたいなぁと思ってます。そして、間違いなく2008年の「FUJI ROCK FESTIVAL」に出演して、多くのロックファンから大絶賛されることでしょう……単なる願望ですが、そう願って止みません。



▼SPOON「GA GA GA GA GA」(amazon:日本盤US盤UK盤

投稿: 2007 11 26 04:44 午前 [2007年の作品, Spoon] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/24

Perfume『ポリリズム』(2007)

今年に入ってから、というか例のAC公共広告機構のCM出演が決まったあたりから流れが変わりましたよね、Perfumeに対する世間の。木村カエラがPerfumeの大ファンだとか、アイドルマスターで彼女たちの楽曲が大人気とか、とにかくネタが尽きることなく9月の「ポリリズム」発売を迎え、インストアイベントが大盛況、地上波の音楽番組にも出演など、彼女たちがいわゆる「サブカル層のアイドル」から「一般層にとってのアイドル的存在」へと成長しつつある流れができつつあるといってもいいでしょう。実際、この「ポリリズム」もオリコン・トップ10入りを記録。年末の「COUNTDOWN JAPAN 07/08」への出演も決定し、あとは「ミュージックステーション」などの人気番組への出演と、年末の紅白歌合戦に出ることができたら完璧ですよね。

彼女たちの人気や魅力については今さら言うまでもないので、ここでは割愛。とにかく中田ヤスタカという男は、どれだけ短い期間でクオリティの高い楽曲を量産するんだ、という話ですよ。彼がこの1年間にどれだけの楽曲を量産したかは、ファンサイト辺りを調べてくれれば一目瞭然かと。一時期のつんく♂もスゴイものがあったけど、あれとはレベルが違う。つんく♂は曲を書いてプロダクションに携わるのがメイン。でも中田は自分で曲作ってアレンジして、レコーディングして、またそれをいじって完パケすると、そこまでやってるわけだよね。もちろん一時のハロプロとは量は比べようにないけど、それにしても自身の活動もちゃんと精力的に続けつつ、Perfumeをはじめとする他アーティストへも同等のクオリティの楽曲を提供しているわけだから、本当に頭が下がります。一説には、彼は2〜3日で1曲を完パケしてしまうという話ですよ。

でも、この曲はやはりPerfume用に書かれた曲だよなぁ。あの3人あってこその楽曲。確かに過去のシングル曲と比べれば「最高の1曲」とは呼べないかもしれないけど、でも水準以上のものすごいポップソングでしょう。このシングルの場合はタイトル曲以上に、新境地を見せつける「SEVENTH HEAVEN」の存在が大きいかな。ちょっとウルッときそうなメロディや展開など、今までのPerfumeにはなかったタイプの楽曲だけに、これまでのファンにも、そして「ポリリズム」から新たに入ってきたファンにも十分にアピールする強力な1曲に仕上がっていると思います。

いやぁ、それにしても「ポリリズム」は本当にポリリズムなんだもんなぁ(なんだその表現は)。クラブとかで大音量であのパートを聴くと、本当に覚醒しますね。来年1月には早くもニューシングルが発表されますが、どれだけ高クオリティの新曲を届けてくれるのか、今から楽しみで待ちきれません。



▼Perfume「ポリリズム」(amazon:日本盤日本盤w/DVD

投稿: 2007 11 24 11:24 午後 [2007年の作品, Perfume] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/23

SOILWORK『SWORN TO A GREAT DIVIDE』(2007)

はい、前作「STABBING THE DRAMA」で彼らに興味を持った遅咲きの僕ですが、ちゃんと新作聴きました。もう前作から2年以上経っていたんですね、ちょっと驚きました。

古くからのファンからは評価の低い前作(というか、ここ近作か)でしたが、個人的には普通に「良いメロディアスなデス寄りのメタルバンド」が良い作品を出したといった感想だったのが前作。確かに初期の頃のブルータルさは完全に後退したし、ブラストビートを導入した疾走チューンなんて1曲くらいしかなかったですよね。そういう意味では、本作はその延長線上にある作品なのですが、よりバランス良く練り込まれていて、メロウなタイトルトラック(1曲目)の後にいきなりブルータルな「Exile」が登場したり、デスボイスとクリーントーンのコーラスパートを取り混ぜた「The Pittsburgh Syndrome」など、聴きごたえタップリなナンバーが並んでいると思います。

僕自身、今は生活の中につねにメタルがあるような日々を送っているわけではなく、1週に1度、ふと思い出したように買いだめしておいたCDの山の中から抜き取ったら、たまたまそれがメタルのCDだった……というような接し方なのです。恐らく真性のメタラーからすれば本作はダメダメなアルバムなのかもしれませんが、そんな日々良質なメタルにばかり浸ってるわけでもないので、これは普通にメリハリのある良いアルバムにしか聞こえないんですが……まぁいいでしょう。そんなの感性の問題でしょうし。僕の感性が劣っているだけでしょうしね実際のところ。

……何の防衛戦を張ってるんだよ、って話ですが(苦笑)。

でも、本当に良いアルバムだと思うけどなぁ。逆に、これ以上激しくてメロディが薄い作品だと、自分みたいな人間は頻繁に聴こうとは思わないんですよね。逆に構えちゃうから、姿勢を正してちゃんと聴こうとしないと聴かない。そんなタイミング、今の生活の中に数えるほどしかないから、仕事の合間や移動中にふと聴けるような作品に手を出す機会が増えるんでしょう。実際、このアルバムもCDで聴くよりもiPodやiTunesで聴く頻度のほうが高いし。

そういう意味じゃ僕、メタルに対してとても保守的になってきてるのかもしれませんね。ま、だからといって日々BLACK SABBATHばかり聴いてるわけじゃないけどね(そういうタイミングもあるにはあるけど、年のうち数回)。一時、狂ったようにこういうタイプのバンドばかり聴いてたけど、飽きたかといえば、実はそんなでもないんですよ。もともとああいうスタイル/バランスを持ったバンドが好きなのもあるんでしょうけどね。だから、今回のSOILWORKのアルバムも楽しんで聴くことができたんでしょうか……いや、本当にいいアルバムだってば。決して「BEST」ではないけど、「GOOD」で「COOL」な作品だと自信を持って言えますよ。某メタル専門誌ではどうかは知りませんけどね。



▼SOILWORK「SWORN TO A GREAT DIVIDE」(amazon:日本盤日本盤w/DVDUS盤

投稿: 2007 11 23 12:43 午前 [2007年の作品, Soilwork] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/22

銀杏BOYZ『光』(2007)

この夏にリリースされ大きな反響を呼んだ2年半ぶりの音源(初シングル)「あいどんわなだい」(個人的2007年ベストソング候補)に続く作品は、すでにファンなら知っているであろうライブでの定番曲。僕も今春に観たイベント「AP BANG!」で初めて聴いて、涙をこらえきれなくなった1曲です。11分半もある大作で、聴きようによっては「こんな長尺必要だったの?」と感じなくもない。でも、聴き終えてみて初めて「こういう形じゃなきゃいけなかったんだ」と諭されるわけです。

彼らの周りにはつねに、トラブルでもなんでもない普通の出来事を「トラブル」に仕立て上げようとする人間がいる。それと同時に、そんな雑音を横目に銀杏BOYZの音楽と純粋に接するファンがいる。そして、そんなふたつの側の人たちを一歩離れたところから傍観しているだけの人。銀杏BOYZを取り巻く人間模様には、こんな3通りの生き方が見え隠れします。僕はその3者があってこその銀杏なんだろうなぁと最近思うんです。彼らの音楽を愛する人、けなす人、聴きもしないで「こんなもんがロックなら、ロックなんてクソくらえ」といきがる人。ロックなんてそんな孤高なもんじゃないよ。ロックを上から目線で見下すのも違う。ロックは自分とつねに等身大で、同じ目線の位置にあるもの。僕にとっての銀杏BOYZとは、つねにそういう存在なんです。

「光」は過去の楽曲でいえば「人間」の延長線上にある楽曲だと思うけど、何となくその重みが違うように感じられます。それは、彼らが積み重ねてきた経験が、しっかりと歌詞や歌、演奏などに表れています。つねにライブだけを見続けていると気付かなかったような成長が、こうやって音源としてまとめられると目に付くようになる。なんなんでしょうおね、これって。

作風的には3年前とほとんど変わっていないはずなのに、凄みという意味では以前よりも上回っているし、同時にこれまで以上にあたたかみも感じることができる。それはカップリングの「ナイトライダー」も同様で、彼らが新しいステージに到達したことが何となく伺える1枚なんじゃないでしょうか。

アルバムがどのタイミングで出るかはわからないけど、まだまだ銀杏BOYZからは目が離せそうにないなぁ。目を離すこと、イコール、ロックから目を背けることになりそうだから。



▼銀杏BOYZ「光」(amazon:日本盤

投稿: 2007 11 22 12:05 午前 [2007年の作品, 銀杏BOYZ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/21

ミドリ『清水』(2007)

実は今年一番ライブを観ているのは、このバンドなんじゃないだろうか、とつい最近気付きました。最初は周りの友人から「とにかく一度観てみ」と言われ……ちょうどインディーズからの2枚目「セカンド」が出るか出ないかというタイミングだったかなぁ。とにかく圧倒的なパフォーマンスで、1秒たりとも目が離せない、そんなステージでした。アルバムはサンプルをいただいていたので何度か聴いていたけど、音源以上……いや、比較しちゃいけないな。まずこれから聴いてみようと思ってる人は、先入観なしにライブから観ることをオススメします。

そんな彼女たちが、ついにというか、いよいよメジャーデビュー。いや、その噂は以前から耳にしていたのですが、いざ改めて考えてみると感慨深いものがありますね。春先から今日まで、ものすごい勢いで突き進んでますからね、ミドリ。本作「清水」を含めてもまだミニアルバム3枚しか出してないんだよね。ものすごくディープなナンバーが並ぶものの、ミニアルバムという短編集なんですよ。これがもし、フルアルバムとして発表されたら……いや、なんかこのバンドの場合、フルアルバムという形態は似合わない気がしないでもないなぁ。作り手側のスタンスとしても、そして聴き手側の体力的な問題としても。

メジャー第1弾となる「清水」は、イントロダクションを除くと計5曲。しかも全部ライブで耳にしたことがあるものばかりなので、新鮮味は皆無。「ファースト」に収録されている楽曲の新録バージョンも含まれているので、ある意味では新規客への名刺的な役割なのかもしれません。もっとも、この作品の肝となるのは同梱のDVDパートなんじゃないでしょうか。

実はここに収められている映像、僕はリアルで観てるんですよ。会場は間違いなくShibuya O-WESTですよね。だとすると、今年9月のGO!GO!7188との対バンライブだと思うんですが(細かいところも結構覚えていて、それと重なるんですよね)、あえてアウェーでの映像を収めるところが彼女たちらしいというか。たった2曲ですが、これ見たさで購入するのもありなんじゃないかと思います。

初めてミドリのライブを観たとき、自分の中で「初めてナンバーガールを観たとき」と印象が似てたんです。決してサウンドやスタイルが同じというわけではないけど、なんともいえない気持ちになって、その気持ちをどう表現していいかわからなかった……実はいまだにミドリはどこがスゴイのか、言葉で表現するのは難しいんですよ。スゴイんだけど、明確な言葉・表現が思いつかない。ある意味ではそういうくだらない評価や批評すら拒絶するくらいの勢いがあるのかもしれない……ていうか、本当は音楽なんて、もっと個々の感性で聴けばいいものななずなのに、こういうブログみたいなものが一般に普及するようになったら一億総音楽評論家化してしまったわけで(それも善し悪しなんですよね)。何となく、ミドリの音楽と接するということは体で、感覚で音を楽しめと言われているような気がします。もしかしたらナンバーガールのときもそうだったのかもしれませんね。彼らもものすごい勢いで成長/変化を繰り返していたから、自分がその考えに到達する前に彼らのほうが終焉を迎えちゃってたんですけど。

好き嫌いがハッキリするタイプのバンドだと思うけど、ぜひ一度ライブを観てほしいバンドだと思います。このタイミングで観ておかないと、多分この先後悔すると思うから。



▼ミドリ「清水」(amazon:日本盤

投稿: 2007 11 21 12:05 午前 [2007年の作品, ミドリ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/20

L'Arc-en-Ciel『KISS』(2007)

前作「AWAKE」から2年5ヶ月ぶりにリリースされる、ラルクの通算11作目となるオリジナルアルバム。前作から現在までの間に、各メンバーのソロもあったりしたわけですが、今年に入ってから再びラルクとしての活動が活発化しており、今年だけでも4枚のシングルを発表していたりします(2005年発売の「Link」とあわせると、計5枚のシングルがこのアルバムに収められていることになりますね)。

さて、そんなシングル曲満載のこのアルバム。別にそういった意味から言うわけではないですが、非常にバラエティ豊かな作風となっています。知っている曲が多いから聴きやすいというのもあるかもしれないけど、それ以上に1曲1曲の完成度が異常なんですよ。例えばラルクのアルバムってこれまで、後半に進むとちょっと楽曲的に弱い曲もあったりすることがあったんですが、本作に関してはまったく隙が感じられない。むしろ、全体を通して異様なまでの完成度を誇っているんですね。ぶっちゃけ、「True」「HEART」といったアルバム以降で、ここまで充実していてなおかつスゴイアルバムだ!って関心させられたのって初めてな気がします。

それと、アルバム全体の雰囲気がちょっとだけ「HEART」以前に戻ってきてるなぁとも感じました。メガヒットを記録した「ark」「ray」以降ってヘヴィやダークな色合いがどこかにあったじゃないですか。いわゆるハードロック路線というか、前作まではどこかしらにその色合いが残っていたんだけど、本作にはもっと初期の頃のニューウェイブ的な要素が復活しているように思うんです。それって、アルバムを作りながらライブツアーを行っていたのも影響してるのかもしれませんね。今春からスタートした全国ホールツアーでは、このアルバムに収録されている大半の曲が披露されていたそうですし、そうやって新曲をライブで試しつつどんどんビルドアップしていった、と。アマチュア時代と同じようにね。この辺、バンドの原点回帰ともいえるのかもしれないけど、そこまで戻ってるわけでもないんだよね。色合い的にニューウェイブっぽいってだけで、その根底にあるものは何も変わっていないと思うし。単純に今回の彼らがそういうモードだったってことでしょう。そういう単純なものだと思いますよ。

いやぁ、それにしても本当にスゴイアルバムです。四つ打ちニューウェイブな「SEVENTH HEAVEN」あり、大ヒット曲「HONEY」の流れを汲む!?「Pretty girl」あり、今後この曲を超えることはできるのかと心配になってしまうほどの超名曲「MY HEART DRAWS A DREAM」あり、耽美なラルクを象徴するような「ALONE EN LA VIDA」「海辺」あり、唯一これまでのダーク/ヘヴィ路線を引き継ぐ「THE BLACK ROSE」あり、ポップ感あふれる「Link」「Hurry Xmas」あり、切なくなるほどのバラード「雪の足跡」あり、と……決して新しいことはやっていないし斬新なアルバムというわけではないんだけど、なんだかものすごいアルバムなわけですよ。

これまでラルクを避けてきた人にも十分アピールする作品だと思うし、そういう人にこそ聴いてもらいたい1枚だと思います。とにかくここ10年で一番の出来。改めてL'Arc-en-Cielってものすごいバンドなんだなと思い知らされたアルバムです。



▼L'Arc-en-Ciel「KISS」(amazon:日本盤

投稿: 2007 11 20 02:32 午前 [2007年の作品, L'Arc-en-Ciel] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/16

ART OF FIGHTING『RUNAWAYS』(2007)

オーストラリアはメルボルン出身の男女4人組バンドによる、約2年半ぶり・通算3作目のアルバム。彼らについてはこのアルバムで初めて知ったんだけど、聴いて一発で気に入りました。いわゆるポストロックの範疇に入るバンドなんだろうけど、まぁ早い話がRADIOHEAD「OK COMPUTER」以降というか。もっとも、それも前作までのサウンドを称しての話ですけどね。

本作ではかなり「歌」に重点を置いた、かなりムーディな作風となっています。例えば……ちょっとジャンルは異なるかと思いますが、COLDPLAYやTRAVISといったバンドにも通ずる普遍性がある楽曲ばかりなんですよ。キレイなメロディがあって、それをバックアップするかのようにさまざまな楽器が鳴る。けど、それらのサウンドは決して歌を邪魔していない。邪魔しない程度に自己主張している、という印象を強く受けます。とにかく心地よい。これに尽きます。

実は彼ら、3月に日本でこのアルバムをリリースした直後、5月上旬に来日公演を行っています。といっても、東京でたった2公演のみなんですが。幸運にも自分は5月3日に下北沢ERAで行われたライブを観ることができました。そこでも感じたんですが、とにかく不思議な世界観を持ったバンドだなぁと。ポストロックというと楽器の音が機械的に鳴ってるイメージがあるんですが、彼らの場合はもっと柔らかくてあたたかい、ゆらゆらしたサウンドを鳴らしているんですよね。なんていうか……'90年代以降のR.E.M.にも通ずる色もあるのかなぁ。ちょっとこれまでに大物の名前ばかり例えに挙げてますが、そういったアーティストを好んで聴いている人にも十分にアピールする要素がたくさんあると思いますよ。

個人的にはこのアルバム、今年の10枚の中に確実に入る1枚です。まったく派手さはないし、ロックならではの躍動感といったものとは無縁のバンドですが、どういうわけか気付いたら聴いてるアルバムなんですよね。人によっては過去2作のほうがいい!というかもしれませんが(僕は全部好きなんですよね)、とりあえずダマされたと思って聴いてみてください。



▼ART OF FIGHTING「RUNAWAYS」(amazon:日本盤UK盤

投稿: 2007 11 16 12:05 午前 [2007年の作品, Art of Fighting] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/15

VELVET REVOLVER『LIBERTAD』(2007)

いやぁ、しかし笑わせてもらいました、今回のVELVET REVOLVER来日キャンセル。公演10日前になっていきなりの中止、しかも理由が「VISAが下りない」って……いやいや、楽しみにしていたファンの皆さんにとっては(特に宿や交通手段を予約していた遠方の方々にとっては)笑えない残念な知らせですよね。失礼しました。でもね、ひさしぶりにこんな理由で来日できないアーティストを目にしたもんだからさぁ。彼らは確か、2004年初頭の「SONIC MANIA」でアルバムリリース前に初来日を果たす予定だったものの、そこでも入国に難ありということで発表前にキャンセルになったんでしたっけ。今回は特にいろいろ厳しくなったもんだから、逮捕歴のあるメンバーの過去が問題になったようですが……だからといって、日本で何をするというわけでもないのにね。そりゃガッカリしますよ、ファンもバンドも。

3年前のデビューアルバム「CONTRABAND」が(CCCDだったにもかかわらず)いきなり全米チャート1位を記録した、元GUNS N'ROSES残党&元STONE TEMPLE PILOTSのVo+αによるVELVET REVOLVER。両バンドとも好きな存在だっただけに、その組み合わせはうまくいくのか音を聴くまでは心配だったものの、出来上がったアルバムは無難な仕上がりで納得させられたものです。スラッシュ特有のリフ・ゴリ押しオールドスクール・ロックンロールと、スコット・ウェイランドが持つ独特なポップセンス&サイケ感がうまく融合しており、これがガンズの代わりになるとは思わなかったけどそれはそれとして楽しんだものです。

続いてリリースされた本作は、前作以上に楽曲ひとつひとつがバラエティ豊かになったなぁと一聴して感じました。前作にあったような「いかにもスラッシュが書きましたという、ガンズの亜流ナンバー」はなくなり、前作の延長線上にありながらも新たな要素を感じさせる力作に仕上がってます。特にスコットの色が前作以上に濃く表れていて、個人的にはこの進化は大歓迎。シンプルな疾走ロックンロール「Let It Roll」からスタートし、前作にあったようなミドルテンポのハードロックチューン、スコットならではのサイケポップ「The Last Fight」「Gravedancer」、前作と同系統のようでよりひねりが効いた「Just Sixteen」「Spay」、ELECTRIC LIGHT ORCHESTRAのカバー「Can't Get It Out Of My Head」といった、興味深い楽曲が並んでいます。さらに日本盤には、海外でリリースされたシングルに収録されていたTALKING HEADSのカバー「Psycho Killer」も追加収録。ちょっと意外な選曲で、今回は驚かされますね(これまではSEX PISTOLSやNIRVANA、CHEAP TRICKといった王道だったし)。

アメリカでは前作ほどのセールスを上げていないこともあってあまり評価されていないみたいですが、個人的には前作以上に好きなアルバムです。だからこそ、生で聴いてみたかったなぁ(といっても、ライヴじゃハードな曲がメインなんでしょうけど)。次に来日する可能性があるのは、サマソニとか「LOUD PARK」といったフェスかなぁ。でも、どうせなら単独で観たいよね(今回チケットを取っていなかったお前が何を言う!?といった感じですが)。

結局のところ、誰も「APPETITE FOR DESTRUCTION」の頃のガンズサウンドを引き継いでいないのが面白いなぁ、アクセルにしろ、スラッシュやダフにしろ。ライブじゃ初期の曲をガンガンやってるアクセルだけど、オリジナル曲はまったくの別物だし、VELVET REVOLVERにしてもスコットの色を加えることでより違った方向へと突き進んでいるしね。そういう意味で、もっとも原点に忠実なのは、実はイジー・ストラドリンでもギルビー・クラークでもなく、スティーヴン・アドラーなのかもしれないね?(それはそれでどうかと思うが)



▼VELVET REVOLVER『LIBERTAD』
(amazon:日本盤US盤

投稿: 2007 11 15 12:05 午前 [2007年の作品, Guns N' Roses, Stone Temple Pilots, Velvet Revolver] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/14

GO!GO!7188『569』(2007)

前作「パレード」から1年ぶり、BMG JAPAN移籍第1弾アルバムとなる「569」は、想像していた以上にゴリゴリしていて、でもそれでいてキャッチーなロックアルバムに仕上がっています。前作で試していた実験が、ここにきてようやく実を結んだといったところでしょうか。とにかくひたすらカッコいいナンバーが、タップリ詰め込まれています。

このバンド自体、実は初期の頃にちゃんと聴いたきりで、ここ数年は真面目に聴いてこなかったんですね。前作も流し聴きしたのみで、特に印象に残らなかった……というか、ちゃんと聴いてなかったんですよね。ところが、9月にたまたま彼女たちのライブを観る機会があって。それこそ5年ぶりくらいだったんだけど、ガッツリやられちゃったわけですよ。あれ、こんなにカッコよかったっけ?って。

会社に戻ってから、すでに届いていたこのニューアルバムのサンプルをザックリ聴いたんですが……カッコいい。もう本当にそれだけなんですよ。シンプルに、カッコいい。もともとクセの強いバンドだったけど、それが薄まるわけでもなく、より濃厚になりつつも新たなチャレンジが感じられる。特にバンド・アンサンブルの自由度の高さに、ビックリさせられましたね。そういえば今年は2度にわたるアメリカツアーもあったし、その辺も良い方向に作用しているのかもしれません。サウンド自体は非常にドライなんだけど、メロディがキラキラしている分そこまでドライに感じさせない。女性ボーカルの利点をうまく活かしつつ、男性バンドに負けないガッツがそこら中から感じ取ることができる。ホント、いいバンドに成長したなぁ。

ここ5〜6年の間に海外でガレージバンドがリバイバル的に盛り上がりましたが、これを日本に当てはめるとグループサウンズの存在が欠かせないわけです。一部のバンドは海外でも高く評価されているし、その辺は異論ないかと思います。現代においてもいくつかのバンドはその流れを汲むサウンドを鳴らしていますが、GO!GO!7188もそこに含まれるんじゃないでしょうか。そして、彼女たちが海外でも好意的に受け入れられるのは、この辺が関係してるのかなぁ……なんてふと思ったんですが、どうでしょう?

変化しているけど、決してこれが到達点ではない。今後さらに変化を繰り返していく、それがGO!GO!7188というバンドなのかもしれませんね。この新作を聴いて改めてそう確信しました。



▼GO!GO!7188「569」(amazon:日本盤w/DVD日本盤

投稿: 2007 11 14 11:48 午前 [2007年の作品, GO!GO!7188] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/13

MO'SOME TONEBENDER『C.O.W. (CHECK OUT WORLD)』(2007)

さて、2007年2月末にリリースされた「SUPER NICE」が音楽ファンの間で大きな物議を醸し出したMO'SOME TONEBENDER。アルバム発表後には初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブを含む全国ツアーを行い、春には「ARABAKI ROCK FEST」などのイベントに出演したものの、夏の間はレコーディングに費やすことを早くから発表しました。よって、フジロックやライジングサイといった恒例の夏フェス出演は一切なし。ま、百々は別バンドで出演したりしましたけどね。

あんだけのアルバムを作り上げてしまったというのに、早くもスタジオに向かった彼ら。その創作力にただただ驚かされたものです。そして前作から実質7ヶ月曲で届けられたのが、この「C.O.W. (CHECK OUT WORLD)」というアルバム。先行シングル一切なし、とにかくどうなっているのか一切わからない状態でこのアルバムを聴いたのですが……

ますますおかしいことになってるじゃないかよ!(笑)

いきなりオープニングで某浦安辺りのアミューズメント施設を彷彿させるインストが流れ始めて、続く「Bad Summer Day Blues」は……ジュリアナかよ!?(死語)と言いたくなるようなダンスチューン。確かに前作からの流れだったら、これも想像できなくもなかったけど……ファンの想像のはるか上を行きすぎ! そしてインタールードを挟んで、前作での「TIGER」的な爆走ナンバー「L.O.V.E.」や、どことなくモータウン・テイストを感じさせるポップチューン「ルルル」といった曲に驚かされるわけです。

その後も'80年代テイスト(というかまんま)なダンスナンバー「パーティーは続くよ」、ヒリヒリしたギターサウンドが気持ちいい疾走チューン「Young Lust」や「エンゲルロージー」、こちらもジュリアナ・テイストのシンセがループする「Lost In the City」、ディスコパンクとは一線を画する打ち込みナンバー「PERFECT」、このアルバムの中では比較的ストレートな部類の「ハラヒレ」、ヘヴィなスローナンバー「18(eighteen)」、そして文字どおりボーカルトラックをスロー再生させたアウトロ的な「SLOW PLAY」(これは前作のラストナンバー「We are Lucky Friends」をスロー再生したものだよね?)……とにかく「混沌」という言葉がピッタリなアルバムと言えるでしょう。

だけどね、どの曲を聴いても「あ、これモーサムの曲だ」とわかるのがスゴイ。いや、そりゃファンだからでしょ?って思うかもしれないけど、あんなヘンテコなダンスナンバーでもモーサムの持ち味は失われてないんですよ。

これまでのモーサムっていつも「ライブのほうがスゴイのに」と思わされてばかりだったのに、特にこのアルバムに関してはライブよりもアルバムありきの作品なんじゃないかとさえ思えてくるんですよ。もっとも僕もまだこのアルバムを引っさげたライブを観ていないこともあって、なんとも判断しづらいところもあるんですけど。でもこれは、確実にライブを想定しないで、スタジオに籠もって勢いで作ったのか伺える1枚ですよね。好き嫌いを超越した、ものスゴイアルバムですよ。

常人がいきなりこんなアルバム作り出したら、恐らく「あいつ、絶対に変なクスリやってるぜ?」と言われるのがオチでしょう。ところが、これがモーサムとなると話は別。もはや「モーサムならしゃーないわな」と言わせてしまう説得力を持ってるわけですから(それは言い過ぎか。ていうか、それはあまりにもアレですね)。僕はこのアルバム、というかここまでの流れを大絶賛したいと思います。



▼MO'SOME TONEBENDER「C.O.W. (CHECK OUT WORLD)」(amazon:日本盤)

投稿: 2007 11 13 12:05 午前 [2007年の作品, MO'SOME TONEBENDER] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/12

MO'SOME TONEBENDER『SUPER NICE』(2007)

2005年末の「Rockin' Luuula」以降、個人的には目が離せないバンドのひとつに再浮上したモーサム。2006〜7年の快進撃ぶりは本当に目を見張るものがあって、特に今年はアルバムを2枚もリリースするという多作ぶりでファンを驚かせています。今回は2回にわたり、その2枚のアルバムについてコメントしていきたいと思います。

まずは、今年2月にリリースされた「SUPER NICE」。アルバムに収録される新曲のいくつかは2006年末のライブで耳にしていて、「これはもしかしたらスゲーアルバムが出来たんじゃないの!?」とワクワクしたものです。仕事柄、ひと足に(多分2006年末かな)このアルバムを聴くことができたんですが……第1印象は「……なんじゃこりゃ!?」でした。スゴイとかカッコイイを超越した、なんだかよくわからない異物感。どう評価していいかわからないまとまりのなさ。ただ、ひとこと言えるのは「振り切れまくってるなぁ」ということだけ。なんだかわからないけどものすごいアルバムが完成したことだけは間違いなさそうです。

先行シングルにもなったオープニングの「TIGER」が、まずいきなりなんだかわかんない状態じゃないですか(笑)。もうね、狂ってるとしか言いようがないっつうか……それでその次に「JACK THE TRIPPER」みたいなホンワカしたポップチューンが来るし。こうやって個性バラバラな楽曲が並ぶと、いかに「You are Rock'n Roll」が普通に聞こえることか(ま、この曲はライブのほうがはるかに優れてますけどね)。かと思うと、いきなりドリーミーな「秘密にしようよ」はあるし、アコースティックナンバー「オバケ」の次はヘヴィな「慈・善・事・業」、今までの彼らだったらあり得ないであろうスカナンバー「SUMMERスカ?」、どことなくMUSEを彷彿させるアレンジの「STOP THE MUSIC」、ドラムの藤田がボーカルを取るスローナンバー「ロジョー」、そして今やライブでのキラーチューンにまで成長したディスコチューン「We are Lucky Friends」……きっと「echo」「LIGHT, SLIDE, DUMMY」あたりを愛聴してきたファンなら、この変化に拒絶反応を示すのかもしれませんね。

このバンドは何となく、実験作「TRIGGER HAPPY」からつねに変化を繰り返している……いや、試行錯誤しているように映るときがあるんですよね。でも、そんな試行錯誤の結果がこういういびつな形で答えを出そうとしている。賛否あるだろうけど、これを真正面からやれるバンドって今やモーサムくらいしかいないんじゃないか……とさえ思えてくるんですよね。好き嫌いあるのは仕方ないとして、俺はこの破綻したスタイルにドキドキしたし、それをどうライブで表現するのか、本当に楽しみだったんですよね(そのライブは、当たり・ハズレがあったりするのもまたこのバンドらしいというか)。

このアルバムを何度も何度も楽しんでいるうちに、ふと思ったことがあったんですよ。「これやっちゃったら、次はどうすんだろう」って。だって、ここまで振り切れちゃったら、そう簡単には次は作れないですよね? でも……やっちゃったんですよね、たった7ヶ月強で(苦笑)。



▼MO'SOME TONEBENDER「SUPER NICE」(amazon:日本盤)

投稿: 2007 11 12 12:05 午前 [2007年の作品, MO'SOME TONEBENDER] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/10

9mm Parabellum Bullet『Termination』(2007)

個人的には、今年一番の衝撃かもしれないなぁ、このバンドとの出会いは。同僚から彼らのインディーズ盤(「Gjallarhorn」「Phantomime」)を紹介してもらったんだけど、それを聴いたときは正直今ほどは強烈には感じてなくて、まぁカッコイイよなくらいの感想だったんです。その時点でメジャーデビューの話も耳にしていて、プレ・デビュー盤「The World e.p.」を聴いたときも、あぁ音が良くなったな、演奏がこなれてきたなぁ……としか思わなかったのね。いや、確かにカッコイイとは思ったけどさ。実際、好みの音だったし。

だけどね……なんだろう、何か別のバンドに似てるんだけど、それが思い出せなかったんだよね。すごく重要なバンドなはずなんだけど、なんだっけなぁ〜って。

そして、この夏にやっと、彼らのライブを生で観る機会を得て。そこではと気がついたわけです。「あぁ、そうか。AT THE DRIVE-INだ」って。

決してまんまとは言わないし、スタイルも同じだとは言いません。けど、初めて耳にしたとき、ライブを目にしたときに感じる違和感……異物感といったほうがいいのかな? そういった印象が、AT THE DRIVE-INを初めて観たとき/聴いたときと一緒だったんだよね。別にボーカルの髪型とかエモーショナルなハードコアサウンドが似てるとか、そういうことを言いたいんじゃないよ? でも、僕の中では重なっちゃったわけ。

9mm Parabellum Bulletのメンバーはまだ20代前半。バンド結成からまだ4年も経ってないんだよね。実際まだ拙い部分もあるし、決してこれが完成形とは言わないよ。でも、なんだろう……この説得力は。先行シングルの「Discommunication e.p.」がオリコンのシングル・ウィークリーチャート初登場9位ということで、スポーツ新聞にも取り上げられてしまった彼ら。歌謡曲チックでエモーショナルなメロディと、ライブじゃ間違いなく耳をやられるよなぁっていう轟音。このシングルでもその両面は思う存分楽しむことができます。なにしろ、1,000円以下のシングルに30分以上あるライブテイク(新宿LOFTでのイベント出演時の音源をワントラックでまるまる収録)を楽しめるんだから。

そして、いよいよ発売されるフルアルバムでは、これまでの彼らの集大成ともいえる内容に仕上がっています。衝撃度でいったら過去2枚のミニアルバムのほうが上だけど、いよいよバンドとしてまとまりつつあるなぁというのが伺える仕上がりです。これは売れるんだろうなぁ。いや、売れてほしいなぁ。

日本のバンドで誰に似てるとか、誰々が好きな人なら絶対に気に入るというたとえは、しようと思えばできるけど、そういう先入観なしに聴いてほしい1枚です(そういうお前が真っ先にAT THE DRIVE-INとか言うなよ!?って話もありますが。まぁこの際そこは忘れてください)。最初から最後まで、手に汗握りながら、アっという間に聴けてしまう強力なアルバムですよ。



▼9mm Parabellum Bullet「Termination」(amazon:日本盤)

投稿: 2007 11 10 12:05 午前 [2007年の作品, 9mm Parabellum Bullet] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/09

GOING UNDER GROUND『おやすみモンスター』(2007)

すごく「突き抜けた」1枚だと思います。異論はあるだろうけど、個人的には今まで彼らがリリースしてきた作品の中では、2003年の「ハートビート」だったんですよ(唯一文句があるとすれば、いまだにこのアルバムがCCCDとして出回っていることくらい。そんな前時代的な代物、とっととなくしちまえばいいのに!)。その後に発表してきたアルバムも悪くはないんだけど、あと一歩という作品がずっと続いていたんですよね、個人的には。

1年8ヶ月振りにリリースされた本作は、いわゆる原点回帰なアルバムといえるんだろうけど、それ以上の内容だと思います。シングル曲はどれも「これまで」と「これから」を踏まえた強力なナンバーばかりだし、アルバム曲も……「TRAIN」とか聴くと「そういえばこのバンドの名前って、THE JAMから取られてるんだっけ」ってう基本中の基本を思い出させてくれるし、次から次へと飛び出してくるキャッチーなギターポップはどれもが「おっ!?」と引き込まれるナンバーばかり。アルバム曲がシングル曲に負けてないし、もっと言えば全曲シングルとしてもいけるんじゃないかくらいの仕上がりなんですよね。

恐らく多くの人たちが彼らに求めるもの、イメージするものが全部詰まったアルバムなんじゃないかな……産みの苦しみってやつを思い切り味わった末に完成した、強力な1枚ですよね。昨夏の初武道館ライブを僕は観てるんですけど、あの勢いのまますぐにアルバムを出してしまっていたら、こういう内容にはならなかったでしょうね。いや、あそこを境にいろいろと考えることがあったのかもしれない。それは当人たちにしかわからないことなので、これ以上は憶測になっちゃうんだけど……この約2年は決して無駄ではなかったな、そう強く思わせるアルバムですよ、これは。

どこから聴いても、全部GOING UNDER GROUNDそのもの。でも、単なる過去の焼き直しではない。1stやインディーズ時代からやってきたことを引き継ぎつつ、新たな要素も取り入れている。そしてそれが失敗で終わっておらず、ちゃんと「GOING UNDER GROUNDの作品」として昇華できている。簡単にできるようで、実はメチャクチャ難しいことですよね。でも、それをしっかりと形にしている。もうこのバンドには何も怖いものはないんじゃないか……そんな気がします。ひさしぶりにライブ観てみたいなぁ。とにかく新曲をライブで聴くのが楽しみです。



▼GOING UNDER GROUND「おやすみモンスター」(amazon:日本盤(初回)日本盤(通常)

投稿: 2007 11 09 12:05 午前 [2007年の作品, GOING UNDER GROUND] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/08

KORN『UNTITLED [無題]』(2007)

KORNというバンドに衝撃だとか刺激を求めるという意味では、その役割は大ヒット作の3rd「FOLLOW THE LEADER」でひとまず終わったんじゃないでしょうか。ただ、その幻影を求めて毎回アルバムを「そのときの見方」のまま評価してしまうという……その結果、やれ「終わった」だのと叩かれ続けている。これが現在のKORNの立ち位置なのかなぁという気がします。

通算8作目のアルバムは、タイトルを持たない作品……「UNTITLED」や「無題」というのは便宜上そう呼ばれているだけで、実際にはタイトルを持たない、「ファンが好きなように呼んでくれればいい」というジョナサン・デイヴィスの思いが込められた1枚です。サウンド的には前作をさらに進化させたような……わかりやすい比較でいうと、前作「SEE YOU ON THE OTHER SIDE」と2002年の問題作(と呼ばれる)「UNTOUCHABLES」の中間、さらにゴシック要素を加えたムーディな作風となっています。

「Evolution」のような前作までの路線のナンバーもあるにはあるけど、ここでむしろ声を大にして言っておきたいのは、「Kiss」や「Do What They Say」のようなナンバーの存在でしょう。ただヘヴィなだけでなく、DEPECHE MODEあたりの色合いを感じさせる独特な世界観を持つ楽曲。そういえばアルバムの約半年前には「MTV UNPLUGGED」のライブアルバムも出てたっけ……こっちではRADIOHEAD「Creep」のカバーや、EVENESCENCEのエイミー・リーやTHE CUREのロバート・スミスがゲストで参加してるんですよね。何となくだけど、あそこからこの新作までずーっと繋がってるのかなぁという気がしました。だって、曲によっては「おいおい、MARILYN MANSONかよ!?」というナンバーまでありますからね。

きっとこのアルバムは、1stや2nd「LIFE IS PEACHY」の続編をいまだに求めているようなファンには何も響かないのかもしれませんね。でも、これはこれで素晴らしい出来だと思います。まぁ僕自身がそっち側の音も大好きだから、というのが大きいからかもしれませんけど。「そもそもKORNにそんなもん、求めてないし!」という人には、もはや何を言っても無駄でしょうけどね。

このアルバムをライブでどう表現するのか……残念ながら今回のアルバムでは来日公演は実現しそうにないみたいですが、ぜひ一度観てみたかったです。どうせなら、1日はアンプラグド、もう1日は新作の世界観を表現するような構成でね。



▼KORN「UNTITLED [無題]」(amazon:日本盤日本盤w/DVDUS盤

投稿: 2007 11 08 12:05 午前 [2007年の作品, Korn] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/07

Dir en grey『THE MARROW OF A BONE』(2007)

あぁ、これは賛否分かれるアルバムだなぁ……まず最初に聴いたときにそう感じました。ファン待望の、というよりも今や全世界待望のニューアルバムといっても過言ではない、Dir en greyの最新作。前作「Withering to death.」がアメリカのみならず、ヨーロッパ諸国でも高く評価されたこともあって、本当に待ち望まれた1枚だったんじゃないでしょうか。

「CLEVER SLEAZOID」「凌辱の雨」「Agitated Screams of Maggots」といったヒットシングル(しかも、日本のヒットチャートでは『ヒットシングル』と言いがたいハードコアなナンバーばかり)を含む、通算6作目のオリジナル・フルアルバム。数々の海外経験が生かされた、世界レベルの1枚を期待するファン、そして従来のビジュアル系の範疇内の路線を望むファンなど、彼らに対する期待感はその立ち位置によっていろいろ変わってくると思います。実際、完成したアルバムを聴いてガッツポーズを取った人、落胆して二度と聴いていない人、感想はそれぞれでしょう。

僕自身にわかファンで、それこそ一昨年「CLEVER SLEAZOID」を聴いて「こいつら、いつの間にこんなことになってたんだ!?」と驚かされ、それから注目するようになった程度ですから。そんな僕はいわゆる「世界進出後」のサウンドを彼らに求めていました。だから「Agitated Screams of Maggots」のような曲がシングルとして切られて、しかもチャートのトップ3入りを果たすという快挙を目にして喜んだりもしたものです。

ところが、リリースされたアルバムを聴いて感じたのは上記のような不安感。さらに「……こんなもんかなぁ!?」と続くわけですが……うん、悪くはないんだけど、予想の範疇内の出来だったんだよね。恐らくこう来るだろうなぁという作品で、それ以上でもそれ以下でもない。アルバムの頭から飛ばさずに、彼らならではのミディアムスローナンバー「CONCEIVED SORROW」でスタートするあたりは思わずニヤリとしたけど、その後のメタル・コア路線は予想どおりで、正直シングル曲を超えるような楽曲はないんですよ。シングルとして聴いたときは「もっとヘヴィな曲をシングルで切ればいいのに」落胆した「凌辱の雨」が、逆にアルバムの中ではとても活きてくる。そこでハッとするわけです。

ワールドワイドな活動は大いに結構。でも、自分たちの持ち味をそぎ落としてまである方向に特化してしまうのは正直勿体ないなぁ、と。彼らは確かにヘヴィでアグレッシヴな路線も素晴らしいし、正直海外のB級バンドとは比較にならない個性を持っていると思うんです。でも、Dir en greyってそれだけじゃないじゃんか、日本独自の文化「ビジュアル系」の中からスタートした、海外バンドには真似できない個性を持っているわけですよ。それがこの新作からはほとんど感じられないわけです。かろうじて冒頭や「艶かしき安息、躊躇いに微笑み」や「THE PLEDGE」といったミディアム/スローナンバーから感じ取ることができるくらい。でも、これらのナンバーだって過去の同タイプの楽曲と比較すれば……ねぇ?

かといって、決してダメダメなアルバムではないんですよね。日本のバンドで、それなりのポピュラリティを持ったままこういうことができるアーティストって数えるくらいしかいないわけだし、そういうバンドのアルバムが海外でも評価されるのは嬉しいし、実際このアルバムも評価されてもいい作品だと思います。でも、これ1枚でDir en greyを評価されてしまうと、ちょっとかわいそうだなぁと。そういうことなですよ。

ちょっと辛口の感想になってしまったけど、それもこれも期待が大きいから。シングルではものすごい曲を持ってきてるんだから、そのレベルの楽曲が10曲並ぶだけでぜんぜん違うと思うんですよね。今ヒットしている新曲「DOZING GREEN」なんて、まさに「これこそDir en greyにしかできない楽曲」なわけで、だから余計に勿体ないなぁと思ってしまうんです。次のアルバムはこれまでの10年間を総括したベストアルバムになるわけだけど、だからといってベスト盤を聴けばいいってわけでもないわけですよ、彼らの場合は。

ホント、次の一発に大期待してますよ。



▼Dir en grey「THE MARROW OF A BONE」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2007 11 07 05:54 午後 [2007年の作品, DIR EN GREY] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/06

SUPER FURRY ANIMALS『HEY VENUS!』(2007)

スーファリはアルバムが出るたびにちゃんと聴いていたんだけど、ライブを観たのが去年のフジロックが初めてだったんです。で、そこでものすごい衝撃を受けて……だって自分、ほとんどの曲が歌えたんだもんなぁ。そんなに聴いてきてたつもりはなかったんだけど、でも気がついたらアルバムを手に取ってる。そんな不思議な常用性があるのが、スーファリの魅力なんですよ。なんだかよくわからない、そんな魅力。

で、今回のアルバム。前作「LOVECRAFT」から2年ぶり、通算8枚目のオリジナルアルバムになります。インディーズの「ROUGH TRADE」に移籍して1発目になるわけですが、これがめっちゃ良いわけですよ。ビックリするくらい良すぎて、今回は初めて手にした日から現在までガンガンリピートしまくってます。先に言っちゃいますけどこれ、俺の2007年度ベストアルバム。間違いなく3本指に入る1枚です。

ポップでサイケ、トラッドもあればモッズ調のナンバーまで登場する。そんな「音楽のおもちゃ箱」状態のアルバムといっていいでしょう。しかもコンセプトアルバムということなんだけど、そんな堅苦しい印象も受けない。1曲1曲の完成度が高いから、独立しても十分に楽しめるわけです。前作にあったようなちょっとダークな色合いは今回はなく、とにかく音に関してはもうド真ん中。最高です。

……う〜ん、何か書こうと思ってたんだけど、アルバム出てすぐに仕事でレビューを書いてしまっているので、そこと全部被っちゃいそうなんだよね。だから、細かいところはそこで読んでください。ってそれじゃあこの文章の意味がなくなってしまうなぁ。

多分こういう音って、絶対に必要なものだけど現在の音楽シーンの中では非常に希少価値の高いものなのかなぁという気がします。それは今のイギリスのシーンを見渡せばわかってもらえるかと。彼らは一貫してこのスタイルだし、そこにいろんな要素を取り込んでいってバンドとして大きくなっていったわけです。だけど、このアルバムは彼らの集大成ってわけでもないんだよね。彼らにとって当たり前のことをやってるんだけど、決してマンネリではない。安心感のある音だけど、オオッと唸らされる作風をキープしているし、歌詞にしてもグリフらしさ全開だしね。

もうすぐ来日しますね。俺もライブに足を運んでみようと思います。でも、できることなら来年もフジロックで観たいなぁ……



▼SUPER FURRY ANIMALS「HEY VENUS!」(amazon:日本盤UK盤

投稿: 2007 11 06 12:05 午前 [2007年の作品, Super Furry Animals] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/05

GHEEE『GHEEE』(2007)

昨日のHARISSのところで触れたので、せっかくだからGHEEEについても何か書いてみましょうか。

GHEEEは今年結成された4人組ギターロックバンド。メンバーは近藤智洋(Vo&G:ex.PEALOUT)、深沼元昭(Vo&G:Mellowhead、PLAGUES)、hiisayo(B:東京ピンサロックス)、YANA(Dr:DRYASDUST、ex.ZEPPET STORE)という豪華な布陣。近藤さんと深沼さんによるツインボーカルが魅力で、とにかくハードにロックンロールするちょっとひねくれたサウンドが魅力的です。

PEALOUTにしろPLAGUESにしろZEPPET STOREにしろ、みな洋楽を感じさせるようなサウンドで'90年代後半からロックファンを魅了したバンドなんだけど、そこに所属したメンバーが一堂に会した新バンドというのにまずドキリ。そして紅一点のベース・hisayoの存在ね。これが非常に大事です。ステージを観てもらえばわかると思うけど、独特なしなやかさをバンドに吹き込んでるんですよ。コーラス要因としても大活躍だし、スラッとした長身の彼女がムサい30〜40代のオッサンたち(笑)の中にいるだけでぜんぜん違うわけですよ。

サウンドは……PEALOUTともPLAGUESともZEPPET STOREとも、もちろん東京ピンサロックスともMellowheadとも違う、独特なもの。ポイントポイントでこれらのバンドの要素は感じられるんだけど、そのものズバリとか、「あぁ、そうそう!これこれ!」というようなものではないのね。そりゃもちろん、近藤さんが歌えばどこかPEALOUTっぽく感じられなくもないし、深沼さんが歌ってギター弾きまくればPLAGUES的と言えなくもない。だけど、違うの。完全に新しいものを構築しようとしてるんですわ。意図的なのか、自然になのかは別として……多分、自然に出てきた音なんでしょうね。手前味噌ですが、うちの会社でGHEEEにインタビューしているので、よかったら読んでみてください(しかも、メディアとして初だしね)。

初期のPEALOUTやZEPPETがそうだったように、このバンドも歌詞は英語。ギターはとにかく歪んでる……ライブを一度観ましたけど(確か結成してから2度目とか、それくらいのライブ)、音はデカイですよ。あと、曲は確実にライブで聴くべきだと思いました。ライブ観る前から、すでに出来上がっていた1stのサンプルを何度も聴いていたんだけど、それ以上でしたね。そういう意味では、まだこのバンドとしての最大の魅力をCDには詰め込みきれてないとも言えるわけですが……まぁそれは、作品を重ねていくごとに解消されてくんじゃないかな。とにかく、ライブ観てほしいですね、ライブ。

ストレートなようで、変なクセがある。だけどライブを観ると一発でノックアウトされてしまう。そんなカッコイイバンドですよ、GHEEEは。恐らくフェスとかに出て多くの人の目に触れる機会を得れば、さらに飛躍すると思いますよ(人気も、そしてバンドとしてのケミストリーも。やっぱりバンドは人に見られてナンボですからね)。



▼GHEEE「GHEEE」(amazon:日本盤

投稿: 2007 11 05 12:05 午前 [2007年の作品, GHEEE] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/04

HARISS『NEW WORLD』(2007)

元THE COLTSやSIDE-ONE、PEALOUTのメンバー4人によって結成されたバンドの2ndアルバム(といってもミニアルバム)。今年の3月に1stアルバム「POP SAVE US」がリリースされてるので、半年というわりと短いスパンで発表された作品ということになりますが、これを聴けばこのバンドが今かなりイイ感じだということが理解できると思います。

4ピースのバンドで、ベースがウッドベース、なのにサウンドはパワーポップという非常に変わったスタイルのバンドですが、とにかく曲がキャッチーで気持ちいい。歌詞は英詞(ときどき日本語も登場)なんだけど、歌詞カードを見ると全部漢字や似た響きの単語(日本語)が充ててあるというこだわりよう。そう考えると、実際に歌われている歌詞にもあまり意味はないのかも……いや、そういう言語を超越した気持ちよさ/カッコよさがこのバンドには備わっています。

各メンバーが過去に携わったバンドとも違うサウンドを鳴らしているという意味では、昨年から今年にかけて登場したHOODISやGHEEEと同じ流れなのかもしれない。ただ、HARISSのほうが……サウンド的にも……フットワークが軽いような印象があるかな。それはHOODISがうまく続いていなかったり、GHEEEが一般的にまだ浸透してないのも関係するのかも(まぁGHEEEは年明けに2ndが出て、また状況が変わると思いますけどね)。HARISSはライブもかなり精力的にやってるようだし、とにかく「これが好きなんです!」という意気込みがその音からもダイレクトに伝わってくるんだよね。ま、伝わりやすい音・音楽性だというのもあるんだけどさ。

パワーポップ好きにはどこかしらに引っかかると思います。あるいはカバー曲(DEEP PURPLEやKULA SHAKERでおなじみの「HUSH」や、THE CLASHの「CAPITAL RADIO」)から聴くと入りやすいとかね。僕の場合は、アルバムタイトル曲の「NEW WORLD」でノックアウトされました。これぞパワーポップ!みたいなド直球のナンバーで、とにかくカッコイイ。アルバムラストの「GOOBYE MY REASON」なんて、WEEZERやRENTALSあたりを彷彿させる雰囲気もあるしね。

元PEALOUTのタカハシ(Dr)が参加しているから気になるというのもあるんだけど、それ以上にウッドベースを含む編成で「目の前で展開するパワーポップ・ワールド」を、ぜひ一度生で観てみたいなぁ。機会があったらぜひライブに足を運んでみたいと思います。



▼HARISS「NEW WORLD」(amazon:日本盤

投稿: 2007 11 04 12:05 午前 [2007年の作品, HARISS] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/03

LOST IN TIME『さぁ、旅を始めよう』(2007)

リリース前のサンプル盤の時点から現在まで、本当によく聴いた1枚です。ただ、このアルバムに対して何かコメントを発しようとすると、どうしてもためらってしまうというか、書いた後のことまで考えてしまい、結局発表から半年以上の月日が流れてしまったというわけです(ま、それ以前にサイトの更新自体がストップしてましたけどね。苦笑)。それくらい、熱心なファンからの視線が気になるバンドになってしまったなぁという印象が強いです、今のLOST IN TIMEは。

前作「時計」から1年半ぶり、通算4作目のオリジナルアルバム……というよりは、同じ「LOST IN TIME」という名前のバンドによるデビューアルバムと言ったほうがいいのかもしれません。それくらい、それ以前とは方向性や姿勢が変化したアルバム……と、世間的には言われています。実際そうなのかもしれません。

でも、僕にしてみると全部繋がってるように見える(聞こえる)んですよね……そりゃ熱心なファンの皆さんよりはライブも頻繁に観てないし、過去のアルバムの聴き込みも足りないのかもしれない。僕は1stアルバム「冬空と君の手」よりも2nd「きのうのこと」、2ndよりも3rd「時計」が好きというように、変わったファンと映るのかもしれませんね。いや、ファンとすら思われないんだろうなぁ。

自分も少なからず音楽の道を目指した人間だから、この変化・成長も理解できる。得るもの、失うものも十分に承知してると思う。何よりもメンバーチェンジがあったのだし。ただ、その変化のスピードがファンの柔軟性を超えていただけ……なのかもね。

これまでの繊細さが嘘みたいに、前向きで、力強くて、カッコ悪くて、それでももがき苦しみながら前進しようとする。その姿勢がこれまで以上に濃厚に表れた1枚だと思います。単純に今の自分にフィットしたというのもあるんだろうけど、バンドとして数段上のステップに到達した作品に仕上がったと思います。サポートミュージシャンの力もあるだろうけど、やはり中心人物・海北くん自身の変化・成長が大きかったんだろうなぁ(もちろん源ちゃんもね)。このアルバムを聴くと、いつもそういうことを考えます。

多分、このアルバムでのLOST IN TIMEはまだ中途半端なんだと思う。これはスタートラインであって、まだまだ成長の過程なんじゃないかな。そう、」さぁ、旅を始めよう」というタイトルどおりにね。

この作品を最高傑作と呼ぶこともできるけど、恐らくこの次に出来上がるアルバムはさらにスケールアップしたサウンド/歌詞を聴かせてくれるはずです。そう、これまでのアルバムの完成度がいつも前作を上回っていたように。こんなにも次の作品が今から楽しみなバンドも、そうはいないだろうなぁ。



▼LOST IN TIME「さぁ、旅を始めよう」(amazon:日本盤

投稿: 2007 11 03 12:05 午前 [2007年の作品, LOST IN TIME] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/02

MANIC STREET PREACHERS『SEND AWAY THE TIGERS』(2007)

2004年リリースの「LIFEBLOOD」から3年ぶりに発表された、MANIC STREET PREACHERSの8thアルバム。2005春からは約1年強のライブ活動休止期間がありましたが、バンドは当初の予定よりも早くレコーディングに突入し(そのおかげで、昨秋に予定されていたジェームスとニッキーのソロ・カップリングツアーは中止となってしまいましたが)、一聴して「これぞマニックス!」とすぐにわかるような力作を届けてくれました。

前作での実験的要素がなくなり、ギターリフありきの楽曲がズラリと並んでいます。全体の構成や作風も、過去の「EVERYTHING MUST GO」あたりを彷彿させるものだし、恐らく多くのファンが望むマニックス像に忠実なロックアルバムに仕上がっていると思います。実際、これだけいきなり聴かされたら、もう「サイコーッ!」と唸ってしまうはず。2008年度のベストアルバム入りも間違いないんじゃないかな?

でも、待って。そうじゃないだろ、と。

僕も最初にこのアルバムを聴いたとき……先行シングルの「Your Love Alone Is Not Enough」や無料配信された「Underdogs」を聴いたときは、思わず興奮して「これこれっ、これを待ってたんだよ!」と手に汗握ったものでした。実際、アルバムを通して聴いたときも、全10曲(国内盤のボーナストラックを除く)とその後に登場するシークレットトラックに鳥肌を立てたりしたものです。

でも、違うんだよ。そうじゃないんだよ。

確かに「SEND AWAY THE TIGERS」は素晴らしいロックアルバムだと思います。けど、マニックスの歴史の中でみれば、このアルバムはそれほど重要じゃない気がするんです。むしろ、これまでのマニックスのサウンドの変遷を考えれば考えるほど、これは単なる過渡期なんじゃないかなぁと思えてくるわけですよ。しかも、無駄に完成度が高いからタチが悪い。思い入れを抜きにすればいいんだろうけど、本当に評価に困ったアルバムだと思います。

彼らはアルバムごとに、その前の作品とは同じことをしていないんですよね。唯一の例外は「EVERYTHING MUST GO」から「THIS IS MY TRUTH TELL ME YOURS」だけ。この流れは必然を感じさせられたけど(あのときは、ああするしかなかった、みたいな)、今回はなぜこんな「まとめモード/総決算モード」の作風にしてしまったのかなぁ。確かにニューウェイブの要素を取り入れて、打ち込みやらテクノポップやらの色がにじみ出た「LIFEBLOOD」はセールス的に苦戦したし、実際酷評するファンも多かったと聞きます。でも、だからこその冷却期間(活動休止期間)だったんじゃないの。ジェームスもニッキーもソロでそれぞれやりたいことをやってアク抜きをしたと思ったら、「GENERATION TERRORISTS」から「EVERYTHING MUST GO」までの要素(「THE HOLY BIBLE」は例外か)を総括したような内容が出てくるもんだから……確かに大多数のファンには求められているかもしれない、でもそれはMANIC STREET PREACHERSというバンドのスタイルとはまた違ったものなんじゃないの?

聴けば聴くほど、そういう疑問が頭の中をグルグル駆けめぐる。そして彼らに対する熱が少しずつ冷めていく。いや、今でも大ファンだよ。それは間違いない。だけど、さすがにサマソニには行けなかった。後で聞けば、そのセットリストも「いかにもフェス向きのグレイテスト・ヒッツ構成」だったというし。新曲はたった2曲だっけ? フジロックのときでももう少し新曲やってたよね。それ知ったら、さらにガッカリしたなぁ。

結局は単独公演を観てみないと、何も解決しない気がします。俺は別に彼らに対してミーハーなファンというわけじゃないので、そのルックスがどう変化しようが特に気にしません。でも、音や言葉や姿勢に対しては、最後まで貫いてほしいと思うわけです……そこに惹かれてこの15年、ファンを続けてきたわけですから。もしかしたら僕は、マニックスにTHE CLASHを重ねすぎてるのかなぁ。

ホント、ひとつのロックアルバムとしては素晴らしくよく出来た作品なんですよ。だからこそ、歯がゆいわけです。いやいや、もしかしたら僕が初めて「EVERYTHING MUST GO」に接したときみたいに、1年2年と時間を置いたら、このアルバムの意味が見えてくるのかもしれない。でも今は……う〜ん、本当に困った1枚です。



▼MANIC STREET PREACHERS『SEND AWAY THE TIGERS』
(amazon:日本盤UK盤

投稿: 2007 11 02 07:38 午後 [2007年の作品, Manic Street Preachers] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/01

後藤真希『How to use SEXY』(2007)

後藤真希がハロプロを卒業した。その経緯はこの際どうでもいい。彼女はすでにハロー!プロジェクトの一員ではないという事実がそこにあるのみ。だけど、その事実に対して何も感じない自分がいる。これもまた事実。

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ハロプロのCDを買うこと自体が半年ぶりのことなんですよ。どういうことかというと……ご想像どおり、ハロプロに対してまったく興味がなくなってしまったというのが本当のところ。いや、仕事で接するくらいで、日常の中にはほとんどといっていいほど、彼女たちの音楽が僕の中に入ってくることはなくなりました。そして、別に彼女たちの音楽がなくても、自分の生活はそれまでと何も変わらないし、特に寂しいと感じることもないわけです。まぁぜんぜん聴かないというわけではないし、どんなユニットが結成されてどんなアイテムが発表されてどんな曲調なのか……ということくらいは把握してるわけですが。

この後藤真希のアルバムだって、発売から1ヶ月以上経ってから買ったものだし、多分今回の一件がなければ自ら購入することはなかったと思います。だって、ハロプロのCDに3,000円費やすなら、もっと聴くべき国内アーティストがたくさんいるし、聴いておきたい海外のアーティストの輸入盤が2枚も買えちゃうし。

まぁそんな感じで、気まぐれに「ご祝儀」程度の気持ちで買ったこのCD。評価が高いのは知ってたんですが、確かに良い出来ですね。アルバムとして一本筋が通っている(R&B路線で貫かれている)ので、これまでみたいな「幕の内弁当」的な作風にはなっていない。でも、昨年の路線変更を考えればこれは当たり前の結果であって、ファンにとっても納得のいく1枚だと思います。

楽曲はすべてつんく♂によるもの。シングル曲3曲を除く、計7曲が新たにアルバム用に書き下ろされており、R&B路線の範疇内でのバラエティに富んだ楽曲が並んでいます。確かに「歌手・後藤真希」を上手く活かした内容だと思うし、確かにこれを今のハロプロ内でやろうとするには無理があるのかもしれませんね。

正直なところ、彼女が今後どんな音楽をやっていきたいのかは、本人にしかわかりません。結局、あの声明文を読んでも、卒業理由のひとつとなった「方向性の相違」が何を意味するのかも、現時点では明らかにされていませんし(現在のセクシーR&B路線のことを指すのか、それとも現状の「おこちゃま路線」なハロプロを指すのか)。でも、恐らくこのアルバムに示されていることが、彼女自身が一番やりたいことなんでしょう。昨年のライブには足を運びましたが、きっと今年のソロツアーもこのアルバムからのナンバーを中心に、かなり本格的なステージパフォーマンスを目にすることができたはずだと想像します。

少なくとも、このアルバムを地盤に……いや、これを最低ラインに、今後はアーティストとしてもっと羽ばたいてくれるはず。そう願って止みません……いや、それは嘘だな。言い過ぎ。そんなに興味ないもの。ゴメン。

とにかく、自分にとっても、そして後藤真希にとっても、最後にふさわしい快心の出来だと思います。



▼後藤真希「How to use SEXY」(amazon:日本盤w/DVD日本盤

投稿: 2007 11 01 02:22 午前 [2007年の作品, ハロー!プロジェクト, 後藤真希] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/10/31

DASHBOARD CONFESSIONAL『THE SHADE OF POISON TREES』(2007)

前作「DUSK AND SUMMER」から1年4ヶ月という短いスパンで届けられた、待望のニューアルバム。その前が3年近いインターバルがあったので、これはかなり勢いで作られたんだろうなぁと思います。前作がメジャーから配給され、全米チャートでも大健闘したじゃないですか。そんな大躍進の後にリリースされる作品ということで、作り手側も聴き手側もかなり構えてたんじゃないかと思うんです。いや、ぶっちゃけ相当プレッシャーだったと想像するんですよ。

ところが。いざ出来上がった新作を聴いてみると、あっさりと聴けてしまう。前作でのエモ路線から一転して、アコースティック主体の作風。ほぼ全編弾き語りがメインで、そこにいろいろなバックトラック(ときにそれがリズム隊であり、ときにそれがピアノやシンセになる)が被さる。でも、前作での主軸になっていたような路線とはちょっとズレる。いや、前作のタイトルトラックがまさにこの路線だったんですよね。そういう意味では、彼の中にあるスタイルのひとつを特化させたアルバムということもできるわけです。

確かに前作までの疾走感あふれるエモロック路線を好んでいた人からすれば、ちょっと敬遠したくなるような落ち着いた作風なわけで、正直ガッカリしたという人もいるかもしれません。が、この人のメロディメイカーぶりは一切スケールダウンしているわけではなく、むしろより深みが加わったと個人的には思ってます。よくエモ系のバンド/アーティストが作品を重ねるごとに落ち着いた路線だったりアコースティックを多用した作風に移行していくことはあると思いますが、彼の場合もまさにそこですよね。それに、この人ってもともとはアコギ1本からスタートした人じゃないですか。原点に戻った、自分のルーツを見つめ直した1枚ともいえるし、「このメロディには、このアレンジが必要」と実感したからこそ、こういう内容になったと思うんですよね。僕自身はそこは一切否定するつもりはないです。だって、むしろ前作以上に気に入っているから。

それにしても、このクリス・キャラバという男は心底面白い男ですね。ソロユニットだからこそなんでも自由自在なわけで、それこそ前作みたいなバンド路線でパワーポップ/エモロック的なこともできるし、その後に今回みたいなギター1本を軸にした落ち着いたアルバムも発表できる。ファンにっては振り幅の大きいアーティストなのかもしれないけど、僕からすれば「毎回まったく飽きさせないアーティスト」のひとりであり、今回は予想外のアルバムが届いたのでちょっと驚いたけど、聴いてるうちにだんだん体になじんでいって……今はかなりのお気に入りです。



▼DASHBOARD CONFESSIONAL「THE SHADE OF POISON TREES」(amazon:US盤

投稿: 2007 10 31 12:01 午前 [2007年の作品, Dashboard Confessional] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/10/30

OCEANLANE『Castle In The Air』(2007)

不勉強ながら、ちゃんとアルバムを聴くのはこの作品が初めてです。もちろん存在は知っていたし、試聴とかもしたことありますよ。ただ、腰を据えてジックリ聴いてみようと思ったのはこれが初めて。仕事を離れて、普通に音楽ファンとして初めてちゃんと聴いてみたわけですが……いいね、これ(笑)。いや、冗談抜きで。多分彼らのファンには「何をいまさら……」って言われるだろうけどね。

実はシングルの「Walk Along」だけは前もって聴いていて、「お、なかなかいいじゃん」と感じてたわけです(それこそ、何をいまさらですよね?)。まぁ僕自身があまりエモとかあの手の路線を積極的に聴いてこなかった(海外のバンドは聴くようにしてたけど、日本のバンドにまで手が回らなかったというのが本音です)というのもあるし、やっぱり……もっとこう、エモコア寄りのバンドなのかな?という意識があったんですよ。いや、それ以前に聴いていた数曲にはそういう曲はなかったんだけどね。先入観って怖いね。

オール英語詞で、エモーショナルなメロディ&バンドサウンド。しかし、そんな中にも透き通るような透明感がつねに存在している。そこがとても日本人的というか、日本人ならではの個性だと思います。彼らは海外からも高く評価されているようですが、それもうなずける話だと思いました。海外のエモバンドとは確かにちょっと違うもの。日本人がいかにも好みそうな要素がタップリ詰め込まれていて、逆に海外の人からみればそれが特異なスタイルに映る。感じ方は違うのかもしれないけど、良いバンドには違いない……うん、本当に気持ちよいサウンドを持つバンドですね。

これを聴いたら、他の2枚も聴きたくなるわな普通は。昨日観たライブもかなり素晴らしかったし、これは個人的にかなりのお気に入りになりそうな予感です。



▼OCEANLANE「Castle In The Air」(amazon:日本盤

投稿: 2007 10 30 12:01 午前 [2007年の作品, OCEANLANE] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/10/28

MEGADETH『UNITED ABOMINATIONS』(2007)

アルバム自体はリリースされてすぐに買ったんだけど、今でもしょっちゅう聴いてます。ここ数作の中では一番聴き込んでるアルバムですね。で、このアルバムを聴いた感想を以前mixi日記に書いていたので(だったらなぜこっちにアップしない!?という話ですが……)、それを若干修正してこちらに掲載したいと思います。今読み返しても、まったく同じ感想ですしね。

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いろんなところで言われてるように、かなり過去の名盤と呼ばれるアルバムに並ぶ作風に仕上げられてますね。例えばオープニングの「Sleepwalker」なんて3rd「SO FAR, SO GOOD...SO WHAT!」の延長線上の作風といえるし、「Washington Is Next!」は「RUST IN PEACE」の頃を彷彿させる。その他のミドルテンポの曲なんかも「CRIPTIC WRITINGS」の頃みたいだし、名曲「A Tout Le Monde」をLACUNA COILのクリスティーナとデュエットバージョンでリメイクしてみたり。目新しさは皆無だけど、'90年代以降のファンの誰もが思い浮かべる『MEGADETH像』を忠実に再現したアルバムといった印象ですね。

'80年代からのファンって、恐らくデイヴ・ムステインのヒステリックなボーカルだったり、複雑な展開を持つスラッシュメタル・サウンドや鬼気迫る作風(悪く言えば完全にラリッて狂ってたようなイメージ)を、無い物ねだりとわかっていても求めちゃうと思うんですよ。俺も一時期はそうだったし。前作「THE SYSTEM HAS FAILED」は駄作とは言わないけど、デイヴのソロアルバムなのかなぁという印象が強かったしね(実際バンド形態ではなく、デイヴ+スタジオミュージシャンの形態で制作されたものだし)。そういう観点からすると、これは「まだまだでしょ?」な1枚かもしれない。でも、「CRIPTIC WRITINGS」の頃と比べればよっぽど健全だし、いい意味で「ロックしてる」作品だと思うんだけどなぁ。僕はMEGADETHというバンドには散々裏切られてきたという思いがあるので、去年の「LOUD PARK 06」で15年ぶりくらいにライブを観るまでは本当にいい印象がなかったんですよ。でも、そんな僕でも「Washington Is Next!」にはやられたし、「Sleepwalker」やその他の曲を純粋にかっこいいと思ったわけです。

多分、聴き手によって、MEGADETHに何を求めるかで評価が大きく変わる1枚だと思います。それは間違いないですね。

このアルバムを聴いてから、自分の中でスッポリ抜けてた「THE WORLD NEEDS A HERO」や「THE SYSTEM HAS FAILED」を聴き返すと……意外と「聴ける」んだですよね。そういう意味では、この新作はうまい落としどころを見つけさせてくれるアルバムなのかもしれません。



▼MEGADETH「UNITED ABOMINATIONS」
(amazon:US盤日本盤

投稿: 2007 10 28 12:05 午前 [2007年の作品, Megadeth] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/10/27

THE HIVES『THE BLACK AND WHITE ALBUM』(2007)

前作「TYRANNOSAURUS HIVES」から約3年ぶりに発表される、通算4枚目のオリジナル・フルアルバム。実は……正直な話をすれば、前作ってあまりピンとこなかったんだよね。なんだろう、彼らに対してガツンとくるガレージロックを期待しすぎていたのかなぁ。そういうこともあって、ミドルテンポの曲が増えて、聴かせる要素が増えた前作に違和感を覚えたのかもしれないね。

そんなこともあり、しばらく自分の中で忘れ去られていたTHE HIVES。このひさしぶりの新作を聴いてまず驚いたのは、これまでの作品の集大成的な内容に感じられたこと。疾走感あふれるガレージロックから、前作の延長線上にあるミドルテンポのナンバー、さらには渋いブルーズナンバーやディスコチューンまで(!)、新たな要素も加えつつもこれまでの活動を総括するようなパワフルな作品に仕上がっています。

曲の制作やレコーディングはいろいろな国やスタジオで行われ、プロデューサーも複数導入。しかもその中にはファレル・ウィリアムズまで! ソウルやファンク、モータウン・サウンドといったブラック・ミュージックからの影響がこれまで以上に濃厚に表れていて、これぞガレージロックと言わんばかりの説得力を持ったサウンドを鳴らしています。まさに、タイトルに偽りなしといったところでしょうか。1曲1曲は独立した魅力を放っていて、アルバム通して聴いたらバラつきあるかなぁと思ってたけど、意外とそんな印象も受けずすんなりと聴けちゃう1枚。これはもう、THE HIVESとしての個性が勝っちゃってるってことなんでしょうね。

あと、モータウンなどのソウルミュージックからの影響という意味では、RAMONESとの共通点も改めて感じました。ていうか、アルバム中の数曲でペレ(Vo)の歌い方や歌声がジョーイ・ラモーンっぽくて、ゾクゾクしましたもん。

このアルバムを聴いた後に前述の前作を聴くと、あら不思議。これまたすんなり聴けちゃうんですよ。すべてはバランスなのかもしれませんね……そういう意味じゃ、これから聴いてみようという人にうってつけのアルバムかもしれません(まぁそれ以前にコンピレーション盤「YOUR NEW FAVOURITE BAND」に手を出すのは必須ですけどね!)。



▼THE HIVES「THE BLACK AND WHITE ALBUM」(amazon:US盤日本盤

投稿: 2007 10 27 12:01 午前 [2007年の作品, Hives, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/10/24

ZIGGY『NOW AND FOREVER』(2007)

今年でメジャーデビュー20周年を迎えたZIGGY。前作「JUST A ROCKIN' NITE」から約3年ぶりとなるオリジナルアルバム「NOW AND FOREVER」が、ついにリリースされました。ここまでの道のりは、正直かなり長いものがありました。長期のライブ活動休止(結局2年くらい休んだ?)、ベーシストの脱退、各メンバーのソロ/ユニット活動などなど。今年に入ってからも各ユニットが動いてるもんだから、「本当に今年動きがなかったら、もう解散だろうな……」と覚悟を決めてたファンも多いんじゃないでしょうか。

この春、ようやく「正式メンバーは残った森重・松尾・JOEの3人のみ。サポートメンバーとしてベースとギターを迎えた5人編成でライブ/レコーディングを行う」と発表。7月にはライブを行い、ようやく10月24日にアルバム「NOW AND FOREVER」がリリースされたのでした。

さて、その音ですが。サポートとして参加している五十嵐"jimmy"正彦(G/EASY WALKERS)、市川"James"洋二(B/元THE STREET SLIDERS)というメンツからも想像がつくような、かなりアーシーでルーツ寄りのロックンロール。前作からZIGGY本来の持ち味のひとつ「ポップ/パンク」色を排除した、かなり渋い作風となっています。ぶっちゃけ、ここまでルーズなロックンロールアルバムをZIGGYの新作として聴くことになるなんて、誰も想像してなかったんじゃないかな。森重や松尾のソロならまだしも、ここはZIGGYですよ。しかも3年も待たせて、挙げ句デビュー20周年のアニバーサリーイヤーに、ファンが求めるような「ハードでポップでキャッチーなロックンロール」とは違ったアルバムを持ってきたんだから。

えーっとね、最初に断っておきたいんだけど、決して駄作とは行ってませんよ。このメンツならではの、非常にハイレベルなロックンロールアルバムだと思います。そこは間違いない事実。森重や松尾の魅力が思う存分発揮された、気持ちいいアルバムなんですよ。でも……ここまで枯れちゃっていいの?というのもまた本音。毎回「I'M GETTIN' BLUE」や「GLORIA」「HEAVEN AND HELL」みたいな曲を作れとは言わないけど、ZIGGYならではの「幕の内弁当」的なバラエティはここにはないよね。どちらかというと「頑固オヤジが営む、1品しかメニューのないこだわりのラーメン屋」みたいな、そんな音。逆に徹底してるからこそ、本格的な「らしさ」がにじみ出てる。だけど……

実は1ヶ月以上前にサンプルをいただいて、週に1回くらいの頻度で聴いてました。「週に1回」というのは、続けて数回とか聴く気になれなかったということ。こういう音は三度の飯より大好きなんだけど、これを2007年のZIGGYがやる必然性がどこにあったのかなぁ……と。このインタビューとか読んじゃうと、じゃあ仕方ないよねと思わなくもないけど、だからといって大絶賛する気にもなれない。ライブディスクも聴いたけど、ギター2本なのに「I'M GETTIN' BLUE」や「GLORIA」といった曲で以前ほどの迫力を感じないのはなぜだろう。ドラムもボーカルも前のままなのにね。

正直、ライブはつらそうだなぁ。今回のツアーは足を運ぶの、控えようかと思います。別に彼らにとっては今回はお祭りモードとかそういうのじゃなさそうだし。単純に「NOW AND FOREVER」という地味なアルバムが出来て、それをプロモーションするためのツアーとしか考えてないのかもね。それはそれでいいんじゃないでしょうか。



▼ZIGGY『NOW AND FOREVER』
(amazon:LIVE CD EDITIONPV EDITION

投稿: 2007 10 24 12:10 午前 [2007年の作品, ZIGGY] | 固定リンク