2015/10/06

Megadeth全アルバム私的レビュー(4/5)

順調に進んでいる全アルバムレビューもいよいよ佳境に突入。今回は再結成後の3枚(10th〜12th)を紹介したいと思います。個人的には80年代後半〜90年代前半のような熱を持って彼らを支持することはできないと思っていたこの時期ですが、今聴き返すと意外といいアルバムを作っていたんだなと気付かされます。もちろん往年の名作と比べてしまっては霞んでしまうのかもしれませんが、それでも僕のような人間が聴いて楽しむぶんには十分な良作、力作ばかりだと思いましたよ。前作を聴き終えてから、改めて何度も聴き返したくなったのは、実はこの時期の作品だったことも付け加えておきます。


■10th『The System Has Failed』(2004年)

2002年のムステイン脱退→バンド解散を経て、腕の故障から解放されたムステインはギターに元メンバーのクリス・ポーランド、ドラムにザッパやスティングとの仕事で知られるヴィニー・カリウタ、ベースにカントリー系のジミー・スロースという布陣でソロアルバムを制作開始。しかしレーベルからの意向でMegadeth名義でリリースされることになってしまう。ムステインがソロでどんな音楽を表現しようとしたのか……聴いてみておわかりのとおり、以前のMegadethと何ら変わらない、むしろ初期〜後期の総決算と呼べるような内容に驚かされたのではないだろうか。セールス面での心配があったとはいえ、やはりこのサウンドはMegadeth以外の何者でもなく、ムステインにはこれしか残されていないのではないかとさえ思えてくる。1曲目「Blackmail The Universe」の3rdあたりを彷彿とさせるスラッシーな楽曲に続いて、2曲目「Die Dead Enough」では5th以降のキャッチーな側面を見せ、3曲目「Kick The Chair」で再びアグレッシヴなテイストで攻めるなど緩急に富んだ作風は「実は解散前にやりたかったのはこれだったのでは?」と思わせるほど。片腕エルフソンがいないとはいえ、凄腕ミュージシャンたちと作り上げたこのアルバムが再びムステインのメタル魂に火をつけたことは間違いない。


▼Megadeth『The System Has Failed』
(amazon:輸入盤CD

■11th『United Abominations』(2007年)

ムステイン、グレン・ドローヴァー(G)、ショーン・ドローヴァー(Dr)、そして元White Lion、Black Label Societyのジェイムズ・ロメンゾ(B)という布陣で制作された、新生Megadethにとって真の復帰作。このメンツで2006年10月に初開催された『LOUD PARK 06』にも出演し、その際には本作に収録される「Washington Is Next!」も披露しており、4thの曲調を彷彿とさせるこの新曲を会場で聴いて「新作は期待できる!」と確信したものだ。作風的には前作のノリに近いが、過去の総括というよりはより限定された、2nd〜4thあたりの世界感を今の布陣、今の音で構築した印象が強い。6thアルバム収録の名バラード「A Tout le Monde」をリメイクし、Lacuna Coilの女性シンガー、クリスティーナ・スカビアとのデュエットで歌い上げた「A Tout le Monde (Set Me Free)」という異色作もあるが、全体的に硬派なイメージの強い本作を携えて、Megadethが再びシーンに舞い戻ったという強い印象を与えるに十分な1枚だと断言できる。


▼Megadeth『United Abominations』
(amazon:輸入盤CD


■12th『Endgame』(2009年)

前作が7thアルバム『Cryptic Writings』以来10年ぶりにBillboardアルバムチャートでトップ10入り(8位)を果たしたMegadethが、ほぼ2年というインターバルで発表した通算12枚目のアルバム(今作も9位にランクイン)。今作でギタリストがクリス・ブロデリックに交代したものの、作風は前作の延長線上にある内容で安定したメタルチューンの数々を楽しむことができる。オープニング「Dialectic Chaos」が久しぶりにインストから始まり、そのままさらにスラッシーな「This Day We Fight!」へとなだれ込む構成も気持ち良い。かと思うとドラマチックなイントロの「44 Minutes」もある。ポップとは意味合いが異なるメロウな王道メタル+Megadethらしさという、4th以降に彼らが成し遂げたかったこともここでようやく迷いなく示すことができるようななった印象。個人的にはリリース当時は前作よりも印象が弱いイメージがあったが、こうやって改めて聴いてみたら前作よりも好きかもしれないと思えるほど気に入った。ボーナストラックを除いて44分程度という昔ながらのランニングタイムも、1枚通して聴くときに好印象を与えてくれる。2000年代でもっとも“らしい”アルバムと言えるのではないだろうか。なお、本作を携えたツアー中にムステインの戦友・エルフソンがバンドに復帰する。


▼Megadeth『Endgame』
(amazon:国内盤CD / 輸入盤CD

投稿: 2015 10 06 12:05 午前 [2004年の作品, 2007年の作品, 2009年の作品, Megadeth] | 固定リンク

2010/01/03

BEST OF 2009(洋楽アルバム編)

さて、昨日から引き続き2009年の総括・洋楽編です。洋楽アルバムに関しては仕事上で聴くものとプライベートで聴くものとでジャンルに偏りが出てしまうのですが、そのおかげで幅広いジャンルを聴くことができているのかな、なんて思ったり。いわゆる国内盤がリリースされているものから、外盤でしか手に入らないしょーもないメタルまで、ホントさまざまです。中には一度聴いてそれで終わりという作品もあったり、逆に「あれー、これ去年のアルバムかー。なんでもっと早く聴かなかったんだろう?」と時期を逃してしまったものもあったり。ま、それは2009年に限ったことではなく、例年いつだってそうなんだけど。

で、2009年の洋楽アルバム。正直困ったなぁというのが本音。こちらは仕事抜きでゼロから選び始めたので、それこそジャンルがとっ散らかっていたり、あれも入れたい、これも外したくないと選んでたら、最終的に10枚を超えていて。一応前回の邦楽編と同じ規定に従って5枚にまで絞りましたが、あくまでこれは2010年1月2日深夜の時点での5枚かな。きっと1日経ったらまた変わるだろうから。そういう心づもりで読んでもらえると幸いです。

本当にね、なんであれを外さなきゃならなかったんだろうってのも多かったんですよ。それこそ「メタルだけで5枚とか別の機会にやろうかな」なんて思うくらいに。ま、やらないんですけど(苦笑)

==========


▼MANIC STREET PREACHERS「JOURNAL FOR PLAGUE LOVERS」(amazon:日本盤US盤

結局、来日しないし(苦笑)。まぁこのバンド、このアルバムに関しては過去のエントリーをじっくり読んでいただきたい。それで十分でしょう。リリースから半年以上経ったけど、僕の気持ちは変わらないです。



▼MUSE「THE RESISTANCE」(amazon:日本盤US盤

これは賛否両論激しかった1枚でしたね。海外では評価高いのかな……いや、よく知らないんだけど。先行シングル「Uprising」を指して「MARILYN MANSONみたい」という理由で批判する人がいたのには閉口したけど、その後に届けられたこのアルバムについても、あれやこれや……。正直、僕もこのアルバムを初めて聴いたときは「なんじゃこりゃ……」と言葉を失ったけど(良くも悪くもね)、だけど「じゃあ今年(2009年)、他にこんなアルバムあったか?」と自分に問いかけてみると思い当たらない。それだけ衝撃が大きなアルバムだったことは間違いないわけで。

前作がひとつの大きな分岐点になったのは間違いないと思うんだけど、あの大ヒットを受けてMUSEが“どっち”側に転がっていくのか。それがこのアルバムに遺憾なく発揮されていると思います。別にこのバンドのやることならなんでもOKとは言わないけど、確実に僕個人の趣味の範疇に近づいてきたな、と。最終的にはそこに尽きると思います。あくまで個人的には、ね。



▼GIRLS「ALBUM」(amazon:日本盤US盤

とにかく不思議なバンド。ローファイ。パワーポップ。変態。でも美しいくてピュア。いろんな例えができるサウンドで、バンドに対する前情報や歌詞を目にすることなしに聴いたらどんな反応を得るのか……恐らく多くの人は雑誌やらネットで得たこのバンドに対する事前情報で、彼らに距離を置いたりちょっと敬遠したりするのかもしれない。逆に、これはちょっと聴いてみたいなと興味を持つかもしれない。実際、僕は後者だったんですが……そういった前情報がなくても、これは純粋に音/楽曲だけで気に入ってただろうな。

パワーポップの中でもかなり60's寄りのサウンドで、しかもサイケデリック調で、かなりカルトチックな雰囲気を醸し出してる。ぶっちゃけ、このバンドの評価って0か100のどちらかだと思うんです。でも、そこを乗り越えたときに初めて分かち合える“何か”を持ったアルバムなんじゃないかな……そう信じてます。きっと3年後にはハイプとして片づけられちゃうかもしれない。でもいいじゃない。こういうのってリアルタイムで体験してこそでしょ?



▼THE QEMISTS「JOIN THE Q」(amazon:日本盤US盤

2009年、もっともライブを観れなかったのが悔やまれるのがTHE QEMISTS。サマソニ……(今更悔やんでも仕方ないんだけど)。海外ではPENDULUMあたりと比較されてるみたいだし、そのPENDULUMも2008年のサマソニで好評だったから、本当に観たかったんだよね。

ま、その話はまあ今度じっくり語るとして。正直、THE QEMISTSの音ってニューレイヴやエレクトロの流れにあるものなんだろうけど、根本にあるのはロックに近いような気がして。だから僕みたいな人間にも親しみやすいんだろうし、そういう意味では90年代のTHE PRODIGYに立ち位置が近いような。同じような理由で彼らに興味を持った、そしてハマッたロックファンも多いんじゃないでしょうか。トレンドって意味では決して新しい音ではないんだけど、個人的には一周回って(カッコイイとは言わないまでも)新しい気がしました。



▼CONVERGE「AXE TO FALL」(amazon:日本盤US盤

2009年一番の衝撃はこのアルバムと、今年12月頭に行われたCONVERGEの来日公演でした。そう言い切れるくらい、インパクトの強い作品、強烈なライブでした。。

“激情、カオス、そして悲しみ”……このアルバムを通して聴いたとき、こんな言葉が脳内に思い浮かんだんだけど、これが合ってるかどうかは別として、個人的にはこういうアルバムはひさしぶりな気がしました。この3つの要素のうち、どれか2つが揃っているアルバムはたくさんあるんだけど、そのすべてが揃うのは希かな、と。でも、メタルのそれとはまた違うんですよね。エモのそれともちょっと違っていて……って、なかなか表現が難しいんだけど。

単純に頭振れるってだけの音じゃない、非常に知的で感情をダイレクトに出しつつも、どこか抑制したりコントロールしてる。そこがこのアルバム、このバンドの魅力なのかなと個人的には思ってます。

投稿: 2010 01 03 02:57 午前 [2009年の作品, 「1年のまとめ」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2010/01/02

BEST OF 2009(邦楽アルバム編)

先月、某音楽雑誌からの依頼で2009年の邦楽シーンを振り返るアンケートに答えたのですが、これについて考えているときに「そういえばここ4年くらい、ブログで1年のまとめ的なこと書いてないなぁ」なんてことに気づいてしまって。実は毎年毎年、その候補となるようなアルバムだけは20枚くらい書き留めるようにしてはいるんですが、そこで終わってしまっていたんですよ。なので今回は……まぁ世間的には“ゼロ年代”とやらの終わりの年なので(そもそもこの言い方は大嫌いなのですが)、たまにはいいかなと思ってそのアンケート結果をもとに、拡張版をここに書いていこうかなと思います。

以前ここの読者さんにもアンケートに答えてもらう形式とは違って、今回は「邦楽アルバム5枚」「洋楽アルバム5枚」「邦楽シングル5枚」「良かったライブ3本」「2009年を象徴するアーティスト」「2009年印象に残った新人アーティスト」みたいな項目で回答していこうかなと思います。

というわけで、今回は邦楽アルバム編です。実際雑誌用には3枚しか選んでなくかったんだけど(しかも無理矢理順位付けてたし)、今回はさらに選出できなかった候補から2枚追加した5枚を選んでます。

==========


▼detroit7「Black & White」(amazon:日本盤

正直な話、自分にとってdetroit7って「外タレのライブに行くとオープニングに出てくるオルタナバンド」という存在でしかなかったんだけど、このアルバムを聴いて考えを改め直しました。で、この音を聴いて確実にライブが観たくなって、何本かライブにも行ったなぁ。恐らくここ数年、こういう昇り調子だったとは思うんだけど、その成果が上手く表現されたアルバムだと思います。detroit7は早くも1月に、さまざまなアーティストと曲毎にコラボしたミニアルバムをリリースしますが、そこでさらに化けてくれるはず。まだまだ本性を現しきってないと思うので、2010年も目が離せそうにないです。



▼フジファブリック「CHRONICLE」(amazon:日本盤

12月上旬の段階ではこのアルバム、候補の10枚には選んでたんだけどトップ5とかトップ3に入れるのは違うなと思ってたんですよ。自分にとっては2008年の「TEENAGER」が完璧すぎたので、この“新たなステージに向かう過渡期的な1枚”は評価こそしてるけど、ベストに選ぶのは違うのかなって。だけど……新年早々あまりしんみりするのも違うと思うけど……もうこれは、作品の内容以上に別の要因が強すぎて、選出するしかないなと。ホント、これに続くアルバムがどうなっていたのか……今後の展開などいろいろ耳にしていただけに、残念でなりません。まだフジファブリックの音を聴いたことない人がいたら、前作「TEENAGER」もしくはこの「CHRONICLE」から触れてみてはどうでしょう。もちろん、「FAB FOX」でもいいわけですが。



▼KREVA「心臓」(amazon:日本盤初回DVD付日本盤通常

ヒップホップ、特に日本のシーンに疎い自分がこのアルバムを選ぶのはどうなんでしょう……でも明らかなのは、KREVAはヒップホップの枠を超越して、ひとつのポップス、カルチャーとして存在していること。特にこのアルバムは過去のソロ作と比較してもヒップホップ度が薄いかもしれないけど、このタイミングでこれを出さなきゃならなかった意味みたいなものが強く感じられる1枚でした。コンセプトアルバムというわけではないだろうけど、確実にそう思わせる構成/作風なのも、自分が気に入った要因なのかもしれないし。あと、秋に始まったツアーを観てしまったのも選出した要因のひとつかな。ライブ観てから、このアルバムを聴く頻度はさらに上がったし。ここ数年さまざまなフォロワーが登場したけど(特に誰とは言わないけど)、そんな後続たちを一気に引き離す、圧倒的な1枚だと思います。



▼DEAD END「METAMORPHOSIS」(amazon:日本盤初回DVD付日本盤通常

DEAD ENDは自分にとって特別な存在なんです。このバンドがいなかったら10代後半から20代前半、自分はバンドで飯食っていこうなんて考えなかったし、またシーンにおいても90年代以降のV系バンドに大きな影響を与えたわけだし。メジャーでの活動期間も本当に短くて、リアルタイムではたった1回しか観てないんですよね。そんな伝説のバンドが、20年ぶりに再始動して。個人的にはユニコーン以上に“ありえない”再結成(正確には解散してないので再始動ですが)だったわけで。8月の幕張メッセの復活ライブは衝撃以外の何ものでもなかったし、その上全盛期メンバーで作った20年ぶりの新作も「ZERO」と2009年の間の空白(=20年)を自然に繋ぐ内容だったし。なんかもう、言葉にするのも勿体ないくらいの凄みや衝撃が詰まった1枚だと思います。恐らくその内容以上に自分の思い入れが勝ってしまっているのかもしれないけど、そんなのどうでもいいや。2009年という年にDEAD ENDとGUNS N' ROSESが観れた……それだけで十分です、自分にとっては。



▼吉井和哉「VOLT」(amazon:日本盤初回DVD付日本盤通常

80年代の自分にとってDEAD ENDが大切だったように、90年代の自分にはTHE YELLOW MONKEYがいた……なんてことをふと、最近出たトリビュートアルバムを聴きながら思い出したわけですが(実はそこまで大切な存在だとは当時思ってなくて、普通に追ってたくらいの心づもりだったんですが、よくよく考えるとイエモン以降そういうバンドっていないんですよね、自分にとって)。で、イエモンが正式に解散する前後からスタートした吉井のソロ。ライブは正直怖くて観に行ってなかったんだけど、3rdソロ「39108」リリース前後のフェス出演を機に、自分の中で吉井に対する認識が変わって。吉井の健在ぶりとイエモンの不在を同時に感じ、それ以降は機会あるごとにライブを観に行ってるわけです。

で、個人的には「39108」以降のアルバムはどれもグッとくるものばかりで(YOSHII LOVINSON時代も良いんだけど、聴くときの体調によって持ってかれちゃうからね)、そんな中でも「VOLT」の漲り度はハンパないっつうか。ライナーでRO界隈の方々もイエモン「SICKS」との比較をされてますが、恐らくそう感じたファンは自分含め多かったはず。そのくらい「おお、ここまで来たか!」と思ったのと同時に、怖いな……とも思ったわけで。鉄壁すぎて、これライブでどうするんだろうとか思ってたら、ちゃっかりライブでは全曲披露してたりして。もちろんライブも文句なしで、吉井ファンとしては年末の吉井武道館(ソロ時代のグレイテスト・ヒッツ的内容)含め大満足の1年だったと思います。

なんて言うか……音の粒子が凝縮されたような太い音。バンドサウンドしかり、歌しかり。楽曲的にもバラエティに富んでいて、最後の最後「またチャンダラ」でほわほわした空気で終わって、また頭から聴き返そうとすると鉄壁な「ビルマニア」が始まる。中毒性という意味で、非常に「SICKS」に近いのかな、と。やってることは違うんだろうけど、そこにある精神性みたいなものは非常に近いと思います。

となると、本当に次が心配なんですが(苦笑)、吉井の話だと次のアルバムは1年後みたいなので(「VOLT」から2年ぶりってことか)、まぁ焦らずに待つことにしますか。きっとまた全部をご破算にするような新たな試みを始めるかもしれないしね、あの人のことだから。

投稿: 2010 01 02 03:16 午前 [2009年の作品, 「1年のまとめ」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009/08/03

Sparta Locals解散

Sparta Locals、11年間のバンド活動に終止符(ナタリー)

ついに発表されちゃいましたか。いや、9月のワンマンライブのタイトルが「ラストダンスはあなたに」(THE DRIFTERS「ラスト・ダンスは私に」が元ネタ?)になると知った時点で、最悪の事態は想定できたのですが……それに加え、外部からいろいろ伝わってくる噂などもあって、いつ発表されてもおかしくないんだろうなと思ってた。それなりに覚悟はできてたとはいえ、いざ発表されると思っていた以上にショックですね。

このバンドにちょうど1年前、インタビューをしていて。インディーズに移って最初のアルバム「Leecher」発売に伴い行われたものでした。

新たなスタートをきる『SPARTA LOCALS』にインタビュー!(YAMAHA gage)

個人的にこの「Leecher」というアルバムは、“2008年の10枚”に真っ先に挙げるアルバムでした。それくらいよく聴いたし、もっといろんな場所で爆音で鳴らすべき作品だと思ったし。だからこそ、インタビューでも語られていた「Leecher」に続く新曲たちをもっとたくさん聴きたかったな。結局、この1年間でリリースされた新曲って今年の頭に出たシングル「水のようだ」とそのカップリング「サーカス小屋の少女」だけ。勿体ないよ、本当に……。

彼らはこの春、キャリア初となる海外ツアーをアメリカで実施しました。「SXSW」の「Japan Nite」の一環として行われたこのツアーに動向した人の話ですが、Sparta Localsのライブは現地の人にかなり熱狂的に迎えられたとのこと。実際に動向した別のバンドのスタッフの方々は、「へっ、スパルタってこんなバンドだっけ!?」とかなり驚かされたそうです。そのパワフルなパフォーマンスは、シングル「水のようだ」にも9曲ほど収録されてますが、本当にここ最近の彼らのライブは(特に新曲を伴ったパフォーマンスは)強烈なものだったと思います。

確かに、従来のファンからすると「Leecher」というアルバムは賛否両論の1枚だったかもしれません。バンドが新たなステージに突入したのと同時に、新たなスタイルを確立しようとした。決して「Leecher」というアルバムでは、そのスタイルは完成していなかったし、本当ならもう1枚ないし2枚はリリースを重ねて、現編成での「Sparta Locals第2章」を我々に提示してほしかったな、というのが本音です。

ラストライブ、観に行こうかどうか非常に悩んでます。確かにこれを観逃せばもう彼らのライブを楽しむことはできない。だけど、本当はもっとフラットな気持ちでSparta Localsのライブを楽しみたかったというのもあって。だけど……結局足を運んでしまうんでしょうね。

この曲も、そしてビデオも、とても素晴らしい出来だっただけに、本当に残念でなりません。



▼Sparta Locals「水のようだ」(amazon:日本盤

投稿: 2009 08 03 01:43 午前 [2009年の作品, Sparta Locals, 音楽] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009/07/31

STEEL PANTHERがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!

多分、現在多くのHR/HMファンが注目しているであろうバンド、STEEL PANTHER。8月上旬に予定されている初来日公演は、キャパの小ささも関係してか即日完売。これ、まだ日本盤アルバムが発売されるまでの出来事だからね(アルバムは来日公演翌日にリリース)。すでに輸入盤はリリースされているし、YouTubeなどでも彼らのライブ映像がたくさん公開されてるから、そのへんから彼らに注目したって人も多いことと思います。

僕自身もYouTubeでいろんなビデオ(特にお約束的な80'sハードロックのカバー映像)を観て、彼らにハマッたクチ。当然アルバムも買って、ヘヴィローテーション中。これは何をしてでも観たいバンドだよね確かに。

カッコよすぎる。ちょっとTWISTED SISTERの「We're Not Gonna Take It」を彷彿とさせる作風がいいよね。ギターが昔のジョージ・リンチ・モデルっぽかったり、サビ前のフレーズがGUNS N'ROSES「Sweet Child O'Mine」を引用してたり。

個人的に好きな映像が、これ↓。コリー・テイラー(SLIPKNOT)が飛び入りして、POISON「Nothin' But A Good Time」を一緒に歌うやつ。コリー、完全にブレット・マイケルズになりきってるし。

もともとはロスで80's HR/HMの名曲をカバーする目的のバンドだったのが、気がついたらオリジナル曲もやってた。そんなところでしょうね。メンバーには元FIGHT(ギター)とか元L.A.GUNS(ボーカル)といった名のあるバンドのメンバーもいるしね。

アルバム自体は決して新しいことをやってないし、これを2009年に出すってどうなのよ!?的な批判もあるかもしれない。でも、敢えてこれを2009年に堂々とやることに意味があるように思えるんだよね。確かに海外ではこの手のハードロックが再評価されてるし、当時のいろんなバンドが再結成してる。でも再結成組はあの頃の魅力を完全に再現できてないし、何か新しいことをやろうとしても……ねぇ? だったら若い世代がまんまやればいいって話ですよ。

ま、STEEL PANTHERのメンバーが全員、本当に若いとは思えないけど……トリビュートバンドはどこの世界にもいるし、それこそ日本でもサマソニに行けばそういったバンドがステージに出てるわけだし。偏見を捨て去って、その感覚で観れば十分に楽しめるバンドだと思います。



▼STEEL PANTHER「FEEL THE STEEL」(amazon:日本盤US盤

投稿: 2009 07 31 12:22 午前 [2009年の作品, Steel Panther] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2009/07/18

MANIC STREET PREACHERS『JOURNAL FOR PLAGUE LOVERS』(2009)

MANICSがスティーヴ・アルビニと仕事をすると知ったとき、もうそれだけで勝利は決まっていたと思うし、そのアルバムが“リッチー・エドワーズの遺した詩を使った「THE HOLY BIBLE」の続編”になると聞いて、その思いはさらに強い確信へと変わっていった。そう思ったMANICSファンは多いはずだと思う。

決して前作「SEND AWAY THE TIGERS」は駄作だと思わないし、実際にここ数作の中ではもっともヒットした1枚だと思う。でも、個人的にしっくりこなかった。それだけの話であって、だから2年前のサマソニにも足を運ばなかった。それについては、ちょっとだけ後悔してる部分もあるけど(その後、単独来日公演が実現しなかったからね)。

さて。前作から2年ぶり、通算9作目のオリジナルアルバムとなる本作。「THE HOLY BIBLE」と双子のようなキリキリ/ヒリヒリした重苦しい作品集を期待した人も多いと思うけど、実際にはちょっと違ってた。確かに「THE HOLY BIBLE」やそれ以前の2枚(「GENERATION TERRORISTS」「GOLD AGAINST THE SOUL」)の要素を中心に起きつつ、それ以降……つまり“リッチー不在後”のサウンドも何の臆面もなく、積極的に導入してみせる。ある意味では集大成ともいえる作風で、だけど“あの頃のMANICS”が戻ってきたともいえる内容。そのバランス感であり、説得力は前作にはなかったものだと思う。これは、ある意味“覚悟が違う”んだろうね。そんな気がした。

1曲1曲を取り出して、この曲は○○からの影響が強くて、この○○って曲には「THE HOLY BIBLE」のアノ曲のフレーズが引用されてる、とか。そういうことはこの際どうでもいい。いや、本当はよくないんだけど、ぶっちゃけそんなことがどうでもよくなるほどにMANICSらしいアルバムだなぁ。僕は「KNOW YOUR ENEMY」での“第2のデビューアルバム”感も、「LIFEBLOOD」での“実験しながら迷走”感も大好きだった。だって、そのダメさ加減がいかにもMANICSらしいじゃない、人間らしいくていいじゃない。MANICSってそういうバンドだったじゃないか。“4 REAL”事件も、「30曲入り2枚組デビューアルバムを1位にして解散」発言にしても、その後の解散撤回にしても。そんな愛すべきMANIC STREET PREACHERSが帰ってきた。僕にとってはそう思えるし、「KNOW YOUR ENEMY」→「LIFEBLOOD」→「JOURNAL FOR PLAGUE LOVERS」という流れは、なんとなく「GENERATION TERRORISTS」→「GOLD AGAINST THE SOUL」→「THE HOLY BIBLE」の流れに共通してる部分がたくさんあると思うんだよね。だからこそ、「SEND AWAY THE TIGERS」というアルバムが(決して悪くはないんだけど)どうにもしっくりこない。ま、結果論でしかないのかもしれないけどさ。

UKツアーでは彼ら、2部構成のライブを行ったんだとか。1部で新作を曲順どおりに全曲披露。2部でおなじみのヒット曲を演奏する構成。そうする必要は絶対にあると思う。今後はどうかわからないけど、今はこの流れでひとつの作品……ぶっちゃけ、日本盤ボーナストラックを除く13曲で1曲なんだと。別にコンセプトアルバムでもなんでもないんだけどね。だけど……わかるよね?

あと数日で、MANICSは再び日本のフェス(NANO-MUGEN)出演のために来日する。今回もフェス、しかも単独公演はなし。恐らく1時間程度のセットリストだろうから、新作完全再現もないだろうし、さっそく新作の曲を数曲取り入れたグレイテストヒッツ的内容になるんだろうね。かなり残念だけど、前回見逃してる分を取り戻したいと思う。当然2日間とも行くし、その翌日のアコースティックセットにも足を運ぶ。こんな機会でもないと、彼らのアコースティックライブなんて観れないからね。

さて……アジカンやスピッツ、the HIATUSを目当てに会場に足を運んだ若い子たちに、この音がどう響くのか。とくと見届けてやろうじゃないですか。

……ということを夕べ書いて用意しておいたんです。そしたら、ね。ご存じのとおり、ニッキーの急病で来日キャンセル。あちゃー。これはもう、完璧な単独公演を待つしかないね。とにかく、ニッキーお大事に。



▼MANIC STREET PREACHERS『JOURNAL FOR PLAGUE LOVERS』
(amazon:日本盤海外盤

投稿: 2009 07 18 12:05 午前 [2009年の作品, Manic Street Preachers] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック