2017/05/05

LINKIN PARK『LIVING THINGS』(2012)

バンドの歴史上もっとも大きな変化を遂げた4thアルバム『A THOUSAND SUNS』(2000年)は全米1位という結果を残したLINKIN PARK。過去最大の賛否を引き起こした同作から2年経たずして発表されたのが、続く5枚目のオリジナルアルバム『LIVING THINGS』です。1年9ヶ月というリリースサイクルはバンド史上最短で、バンドが変化を遂げたことで得た刺激がそのまま続く今作にも反映されています。

コンセプチュアルな作風で全15曲で47分という聴き応えのあった前作から一変、今作はノンコンセプトで全12曲37分というコンパクトさ。また1曲1曲も非常にコンパクトで、そのどれもが2〜3分台。このあたりは、2ndアルバム『METEORA』(2003年)にも通ずるものがあります。

また、作風的にも前作『A THOUSAND SUNS』で手にしたエレクトロロック路線を軸にしつつも、初期2作のミクスチャーロック感、さらには3rd『MINUTES TO MIDNIGHT』(2007年)での王道ロック&歌モノ路線を取り込んだことで、『A THOUSAND SUNS』よりも聴きやすさが増している印象が強い。ノンコンセプトでさらっと聴けてしまうことから、イメージ的には『METEORA』(2003年)にもっとも近いのかもしれません。

また、ラップボーカルやスクリームがさらに復活していることから、発売当時のキャッチコッピーにあった「新たな『HYBRID THEORY』」というたとえも納得できる。実際『A THOUSAND SUNS』よりもラウドさが戻ってきているし、ギターの存在感も復活している。でも、そのギターが主軸になるのではなく、あくまで各曲に色を添える程度の存在感で収まっている。そういう意味では本作で聴けるサウンドは、ニューメタルでもラップメタルでもない。ラウドロックからさらにはみ出し、独自の枠を作り上げたLINKIN PARKがデビューから12年でたどり着いた新たな場所。カテゴライズが好きな日本人には、当時このアルバムがどう映ったんでしょうね。

『A THOUSAND SUNS』がもっともお気に入りという自分にとっては、本作も当然お気に入りの1枚。また、『MINUTES TO MIDNIGHT』のような楽曲主体の方向性が好きという人にも、意外に受け入れられる1枚ではないでしょうか。

ちなみに、本作のプロデュースは三たびリック・ルービンとマイク・シノダが担当。『METEORA』から本作まで、4作連続で全米1位を獲得しています。



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投稿: 2017 05 05 12:00 午前 [2012年の作品, Linkin Park] | 固定リンク

2017/04/04

VAN HALEN『A DIFFERENT KIND OF TRUTH』(2012)

(前回のデヴィッド・リー・ロス『EAT 'EM AND SMILE』からの続き)で、その後デイヴとVAN HALENは一度、レコーディングで再集結を果たします。それが1996年に発表したベストアルバム『BEST OF –VOLUME 1』収録の新曲「Me Wise Magic」と「Can't Get This Stuff No More」でのこと。本来なら本格的な再結成になるはずが、結局ソリが合わずに再分裂。結局デイヴが本格的にバンドに復帰するのは、それからさらに10年後の2007年のことでした。ただし、その頃にはオリジナルベーシスト、マイケル・アンソニーの姿はなく、代わりにエディ・ヴァン・ヘイレンの息子ウルフギャング・ヴァン・ヘイレンがベーシストの座に。オリジナル編成のようで新編成のVAN HALENはツアーを中心に活動を続けていきます。

そこからさらに5年を経て、ついに完成したのが今回紹介するアルバム『A DIFFERENT KIND OF TRUTH』。オリジナル作品としては、ゲイリー・シェローン(EXTREME)が参加した1998年の11thアルバム『VAN HALEN III』以来14年ぶり、デイヴ参加アルバムとなると1984年の『1984』以来28年ぶりとなります。時空が歪むね。

『VAN HALEN III』がVAN HALENとしては並の出来だったこと、その前のオリジナルアルバムはサミー・ヘイガー時代だったことを考えると、デイヴ時代を再現したかのような今作をリリース当時聴いたときは非常に新鮮な内容だなと思った記憶があります。オープニングの「Tattoo」はシンセこそ取り入れているものの、そのメロディやコーラスワーク、楽曲のスタイルは初期VAN HALENそのもの。続く「She's The Woman」も80年代前半までのVAN HALENを踏襲した作風だと言えますし、ちゃんと初期を彷彿とさせるファストチューン「China Town」や「Bullethead」「As Is」もある。マイケル・アンソニーがいないのに、それっぽいコーラスが聞こえるのは非常に不思議というか違和感が残りますが……。

正直、サミー・ヘイガーの加入によりその音楽性に幅が加わったVAN HALENが再びデイヴと組むことで、その音楽性の幅が再び狭まるのではないかと不安視していたのですが……確かに初期VAN HALENサウンドに回帰したそのスタイルは一本芯の通ったものですが、そこまで“幅が狭い”とは感じなかったのも事実。カラフルさよりも原色、あるいはモノトーンの強みとでも言いましょうか、そういう強い個性が感じられる1枚に仕上がっていると思います。実際、各曲のメロディも非常にしっかりしていて、かなりキャッチーですし、それを歌うデイヴの歌も思っていた以上に器用だし。ぶっちゃけ文句のつけようがないのが事実です。

ただ、『5150』(1986年)から『BALANCE』(1995年)までの“VAN HAGER”期に慣れ親しんでしまった耳には、どこか物足りなさを感じてしまうのも正直なところ。これ、15年遅かったよな……と思ってしまうのです。待たされたわりに“当たり前の内容”だったから、余計にね。だからといって悪い内容ではなく、むしろ良作だと思っているので、だからより複雑な感情を抱いてしまう。そんな1枚なのです。

どうせなら、これに続くオリジナルアルバムをもう1枚作ってくれたら、きっと本作に対する印象も多少は変わるんじゃないかなと。現時点ではそういうポジションの、とてもかわいそうなアルバムがこの『A DIFFERENT KIND OF TRUTH』なのでした。



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投稿: 2017 04 04 12:00 午前 [2012年の作品, Van Halen] | 固定リンク

2017/03/13

KISS『MONSTER』(2012)

昨日KISSについていろいろ調べていたら、最新作『MONSTER』が2012年秋のリリースで、もう4年以上経ったという事実に驚かされました。とはいえこの4年ちょっとの間にKISSは二度も来日しているんですよね(2013年秋と2015年春)。2013年のときはチケットを持っていながら仕事の都合で行けなかったのですが、2015年の際には逆に仕事として東京ドーム公演に関わることができ、リハーサル含め彼らのプロフェッショナルぶりを間近で体験することができました。

さて、今のところ最新作となるこの『MONSTER』はKISSにとって20作目のオリジナルアルバム。この前の作品にあたる『SONIC BOOM』(2009年)はバンドにとって11年ぶりのオリジナルアルバムだったにもかかわらず、ここ日本ではリリースされることはありませんでした。そうった意味でも、この『MONSTER』に賭けるバンドやレーベルの意気込みは、当時相当なものがあったと記憶しています。

アルバム自体は、前作『SONIC BOOM』の延長線上にある作風で、ポール・スタンレー(Vo, G)とジーン・シモンズ(Vo, B)のリードボーカル曲が程よいバランスで混在し、その合間をトミー・セイヤー(Vo, G)ソロVo曲、エリック・シンガー(Vo, Dr)ソロVo曲、そしてポール&ジーンのツインボーカル曲が埋めるという完璧な構成。70年代のキャッチーでコンパクトな楽曲スタイルを軸にしながらも、70〜80年代のハードさ、90年代のサイケさなども適度にまぶされており、いわば“KISSの集大成”と呼べるような仕上がりです。

ポールが歌うアップテンポの「Hell Or Hallelujah」からスタートするのはちょっと意外でしたが、続くジーンVo曲「Wall Of Sound」はどこかビートルズ「Helter Skelter」を彷彿とさせるヘヴィな1曲。そこからポールVoの「Freak」、ジーンVoの「Back To The Stone Age」と、どことなく70年代のKISSを彷彿とさせる楽曲に続くのも興味深いところ。しかし、セルフパロディにならずに新しさもしっかり持ち合わせているのは、KISSの大ファンだったトミーが楽曲制作に加わっていることも大きいのかなと思います。5曲目「Shout Mercy」もメロ運びやギターリフが非常に初期のKISSっぽいし、6曲目「Long Way Down」は初期っぽさがありながら90年代のKISSが演奏しても不思議じゃない作風。ギターの歪み方が80〜90年代のファクトリーメイドな歪みとは異なる、ナチュラルな歪みだからこそ余計に初期のKISSを思い浮かべるのかもしれません。

ソウルフルなコーラスからスタートする「Eat Your Heart Out」、ダイナミックなアレンジが印象的な「The Devil Is Me」とジーンVo曲が2曲続いたあとは、いよいよトミー&エリックのVo曲が登場。トミーの歌う「Outta This World」は自分の役割をしっかり認識しているためか、エース・フレーリーが歌っても不思議じゃない軽やかなロックンロールを奏でています。またエリックが歌う「All For The Love Of Rock & Roll」もピーター・クリス時代を意識しているのか、ポールが書いた曲をエリックが歌うスタイルを取っています。どちらも2012年的とは言い難いかもしれませんが、KISSらしさという点においては100点満点。そこからAC/DC的な「Take Me Down Below」でポール&ジーンがツインボーカルを聴かせ、ポールが歌う王道KISSチューン「Last Chance」で派手に締めくくります。

全12曲で約44分。どの曲も3分前後で、どんなに長くても4分半止まり。しかもバラードなしで攻めまくるという構成。頭からお尻まで、どこを切り取ってもKISS以外の何者でもない本作は、KISSの最終到達点なのかもしれません。だからこそ、彼らが新作制作よりもライブに専念するのはある意味理にかなっているのかなと。これを超えること自体が難しいことだとは重々承知していますが、せめてもう1枚だけ、新作を聴いてみたいものです。



▼KISS『MONSTER』
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投稿: 2017 03 13 12:00 午前 [2012年の作品, KISS] | 固定リンク

2017/01/15

L.A.GUNS『HOLLYWOOD FOREVER』(2012)

昨日の続きで、現在のL.A.GUNSについてもちゃんと書いておこうと思います。

今回紹介するのは、2012年にリリースされた現時点での最新アルバム。通算10枚目のオリジナルアルバムとなるようで、本作の制作メンバーはフィリップ・ルイス(Vo)、スティーヴ・ライリー(Dr)の初期メンバーに加え、ステイシー・ブレイズ(G / 元ROXX GANG、最近はボビー・ブロッツァー主導RATTのツアーにも参加しているようです)、スコット・グリフィン(B, Key / 現在はボビー・ブロッツァー主導のRATTに参加)の4人。90年代後半からL.A.GUNSはシングルギター編成なんですよね(ライブではもう1人ギターが入っているようですが)。

さて、この『HOLLYWOOD FOREVER』。オープニングのタイトルトラックは疾走感がありつつも、若干落ち着いた印象もあり、さすがの彼らも年齢には逆らえないか……と期待度を下げられますが(いや、曲自体は悪くないです)、続く2曲目「You Better Not Love Me」の哀愁漂うマイナーメロディがツボに入りまくり。以降も派手さはないものの、メロディでグイグイ引っ張るタイプの楽曲が並びます。「Vine St. Shimmy」のような1stアルバム『L.A.GUNS』(1988年)、2ndアルバム『COCKED & LOADED』(1989年)に入ってそうな路線もありつつ、全体的には3rdアルバム『HOLLYWOOD VAMPIRES』(1991年)以降の流れにあるダーク路線だと思います。

ブルージーなバラードかと思いきや正統派パワーソング「Dirty Black Night」、ブルージーなスローソングかと思ったらまんまだった「Underneath The Sun」など地味だけどじわじわくる曲が大半で、初期の作品が好きな方には物足りなさを覚えるかもしれません。しかし、昔は歌メロがイマイチだったフィルのボーカルも安定しており、現在の曲調にフィットしている。むしろ、初期の激しく張り上げる歌い方はトレイシーに強要されてたんじゃないか、と思ってしまうほど。肩の力が抜けたロックンロール「Queenie」「I Won't Play」くらいの張り上げ方が、今のフィルには心地よいのかもしれませんね(それを年老いた、と言うのかもしれませんが……)。

80年代に青春時代を謳歌した人にとっては、これは「俺たち、私たちの知ってるL.A.GUNS」じゃないのかもしれない。でも、L.A.GUNSには俺たち、私たちが知らない間もずっと活動していたわけで、むしろそっちの時間のほうが長いのです。そういう意味では、この『HOLLYWOOD FOREVER』で鳴らされている音のほうが「真のL.A.GUNS」なんでしょうね。偏見なく楽しめる人に、ぜひ気楽に接してほしい1枚です。

ちなみに、このアルバム後のL.A.GUNSについて補足を。昨年、フィルとトレイシーが14年ぶりに一緒にステージに立ち、この2人を中心にL.A.GUNS名義でアルバムを制作することも発表されましたが、昨年末にフィルがバンドを脱退。しかしこれが、スティーヴ・ライリーを含む編成からの脱退であることが明かされ、フィルは現在もトレイシーと一緒に活動していることが発表されています。なんだかなぁ(苦笑)。



▼L.A.GUNS『HOLLYWOOD FOREVER』
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投稿: 2017 01 15 12:00 午前 [2012年の作品, L.A.Guns] | 固定リンク

2016/12/20

AEROSMITH『MUSIC FROM ANOTHER DIMENSION!』(2012)

スタジオアルバムとしては2004年の『HONKIN' ON BOBO』以来8年半ぶり、オリジナル楽曲によるアルバムとしては2001年の『JUST PUSH PLAY』以来実に11年半ぶりの新作。『HONKIN' ON BOBO』以降はとにかくバンド内の不仲やらスティーヴン・タイラーやジョー・ペリーのソロ活動で、ライブはときどきやるものの制作に関しては思うように進まない。AEROSMITHにとっての2000年代後半はそういった苦難の時期だったように思います。

事実、この15枚目のスタジオアルバム『MUSIC FROM ANOTHER DIMENSION!』もリリースが二転三転。2012年春に今作からのリードトラック「Legendary Child」が公開されたときは、誰もが「やっと……!」と思ったのに、結局アルバムは半年先までお預け。「Lover Alot」「What Could Have Been Love」とシングルを切り刻んで、同年11月にようやくファンの手元に届けられたのでした。

オリジナルアルバムとしては11年半も待たされたこのアルバム。15曲68分という大作なのに、日本盤はここにボーナストラック2曲(ともにカバー)を加えた17曲76分という、時代が時代なら2枚組アルバム並みのボリューム。さらに、今作にはデラックスエディションも用意されており、アルバム本編未収録の新曲3曲入りディスク2と、ライブ映像やメンバーインタビューが収録されたDVDが付いた3枚組仕様という、過剰なサービスぶりが発揮されています。

さすがに新録曲が一気に20曲も届けられるとは思ってもみなかったので、最初は嬉しかったものの、何度か聴き返すと……印象に残る曲が少ないというのが正直なところ。『JUST PUSH PLAY』の流れにあるオープニングトラック「Luv Xxx」もどこか覇気が感じられず、いまいちパンチに欠ける。無駄をそぎ落としまくったストーンズライクなロックンロール「Oh Yeah」、グルーヴィーでストレンジな雰囲気の「Beautiful」、カントリーテイストのバラード「Tell Me」と、どれも悪くないんだけど決定打に欠けるというか……それは先行シングルの「Legendary Child」や「Lover Alot」にも言えることで、10年前後も待たされたゆえの期待値の高さがあったとはいえ、80年代後半〜90年代半ばの黄金期を知っているだけに、なんとも言えないむず痒さを覚えたわけです。

いや、悪くなんですよ。実際、最初に聴いたときは「これこそエアロ! ちょっと70年代テイストも戻ってきていて、いいじゃないか!」と両手を上げて喜んだのも事実だし。けど、過去の作品のように何10回も繰り返し聴くかと言われると「たまにでいいです」と返したくなるし、「これだったら『JUST PUSH PLAY』聴くし」と思ってしまう。「Out Go The Lights」や「Street Jesus」、「We All Fall Down」、「Another Last Goodbye」などは個人的にもグッときたんだけど、いわゆるキラーチューンが……前作でいえば「Jaded」や「Just Push Play」みたいな曲がひとつでもあれば、また全体の印象も変わったんでしょうね。あるいは、12曲程度に絞って勝負すれば、まだここまで散漫な印象は受けなかったのかも。

本作リリースからしばらくして、トム・ハミルトンが「もうアルバムは作らない」なんて発言をして物議を醸し出し、最近では「来年のツアーをもって解散」という噂も後を絶たないAEROSMITH。実際、スティーヴン・タイラーもとうとうソロアルバムを作ってしまい、こちらのツアーも行っているわけで。本当にどうなってしまうのか……できることなら、最後の最後に完全無欠のロックアルバムを作って、それで有終の美を飾ってほしいな。「やっぱりカッコよかったよね、エアロって」って言いたいもの。



▼AEROSMITH『MUSIC FROM ANOTHER DIMENSION!』
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【AEROSMITH ディスクレビュー一覧】
『AEROSMITH』(1973)
『GET YOUR WINGS』(1974)
『DONE WITH MIRRORS』(1985)
『PERMANENT VACATION』(1987)
『PUMP』(1989)
『GET A GRIP』(1993)
『BIG ONES』(1994)
『NINE LIVES』(1997)
『JADED EP』(2001)
『JUST PUSH PLAY』(2001)
『HONKIN' ON BOBO』(2004)
『ROCKIN' THE JOINT』(2005)
『MUSIC FROM ANOTHER DIMENSION!』(2012)

【AEROSMITH ライブレポート一覧】
2002年2月2日@東京ドーム
2002年2月3日@東京ドーム


投稿: 2016 12 20 02:30 午前 [2012年の作品, Aerosmith] | 固定リンク

2016/11/21

METALLICA『BEYOND MAGNETIC』(2012)

8年ぶりのニューアルバム『HARDWIRED…TO SELF-DESTRUCT』がリリースされたことを祝して、当ブログで取り上げていなかったスタジオ作2枚(アルバム『DEATH MAGNETIC』とEP『BEYOND MAGNETIC』)についても触れておかなければと思い、急に思い立ってあれこれ書いてみることにしました。ここではEP『BEYOND MAGNETIC』について触れていきます。

この『BEYOND MAGNETIC』は、アルバム『DEATH MAGNETIC』のリリースから3年以上経ってから発表された、4曲入りのEP(ミニアルバム)です。楽曲自体は『DEATH MAGNETIC』制作時のアウトテイク……つまり、アルバム収録を見送られたボツ曲なわけです。言い方悪いですが。なわけで、作風自体は『DEATH MAGNETIC』の延長線上、というかそのままの路線です。なので、『DEATH MAGNETIC』が気に入っている人にはスッと入っていける1枚ではないかと。

時期的には2011年というと、秋にルー・リードとのコラボアルバム『LULU』を発表し、各方面を絶句させたタイミング。確かその直後、年末ぐらいにまずは配信限定で『BEYOND MAGNETIC』はリリースされたと記憶しています。で、年明けにフィジカルでも発売。日本盤も2012年春に発売されたかと記憶しています。

たった4曲のみですが、収録時間は29分とかなり長め。要は長尺曲の多かった『DEATH MAGNETIC』セッションから生まれた曲ですからね。ただ面白いのは、いわゆる“最終ミックス”的な補正があまり施されておらず、ドラムやギター、ジェイムズの歌に生々しさが満ち溢れている点。ボーカルも補正されてないもんだから、ところどころで声がひっくり返ったりしたまま。良く言えばスタジオライブ的、悪く言えばデモテイク風。だけど、嫌いになれないんだよね。というか、個人的には『DEATH MAGNETIC』よりも好きだったりするし。

どの曲も基本7分前後、ラストの「Rebel Of Babylon」に関しては8分もあるんだけど、確かにもうちょっと練ったら『DEATH MAGNETIC』にも収めてもらえたのにね……と思ってしまうポイントもあるにはある。けど、ファンサービス、次のアルバムまでのつなぎという意味ではこれでよかったのかもしれない。ここから数年後の「Lord Of Summer (First Pass Version)」に見事につながったしね。そう考えれば、何事にも意味があるということです。

ちなみに、個人的には2曲目「Just A Bullet Away」が気に入ってます。このリフ最高じゃないですか。



▼METALLICA『BEYOND MAGNETIC』
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投稿: 2016 11 21 06:27 午前 [2012年の作品, Metallica] | 固定リンク

2013/01/01

2012年総括

こちら、Facebookのほうには公開していたのですが、ブログのほうには未公開だったので、せっかくですしちゃんと形に残しておこうかなと。

■洋楽10枚(アルファベット順)

・Aerosmith『Music from Another Dimension!』(amazon

・Converge『All We Love We Leave Behind』(amazon

・Deftones『Koi No Yokan』(amazon

・Flying Lotus『Until The Quiet Comes』(amazon

・Kiss『Monster』(amazon

・Led Zeppelin『Celebration Day』(amazon

・Meshuggah『Koloss』(amazon

・Muse『The 2nd Law』(amazon

・Sigur Rós『valtari』(amazon

・Swans『The Seer』(amazon

<次点>
・THE BEACH BOYS「THAT'S WHY GOD『MADE THE RADIO』
・CRYPTOPSY『CRYPTOPSY』
・DIRTY PROJECTORS『SWING LO MAGELLAN』
・GRIZZLY BEAR『SHIELDS』
・SQUAREPUSHER『UFABULUM』


そして、こちらが当時のコメント。


いろいろ悩んだあげく、今年のベストアルバムはシガーロスとフライングロータスとツェッペリンのライブ盤とスワンズとデフトーンズとメシュガーでいいや。次点でエアロとキッス。って、だったら10枚選べよと。

あ、そこにコンヴァージとミューズ足せば10枚か。じゃあそれで!


こんな簡単に決まってしまいましたが(笑)、今改めて読み返しても間違ってないかなと。

続いて、邦楽10枚です。


■邦楽10枚(アルファベット→五十音順)

・Creature Creature『PHANTOMS』(amazon

・DEAD END『Dream Demon Analyzer』(amazon

・GOING UNDER GROUND『Roots & Routes』(amazon

・GREAT 3『GREAT 3』(amazon

・Ken Yokoyama『Best Wishes』(amazon

・MO'SOME TONEBENDER『Strange Utopia Crazy Kitchen』(amazon

・OGRE YOU ASSHOLE『100年後』(amazon

・SuG『Lollipop Kingdom』(amazon

・フラワーカンパニーズ『ハッピーエンド』(amazon

・小林太郎『MILESTONE』(amazon

<次点>
・ART-SCHOOL『BABY ACID BABY』
・MEANING『Shine Our Journey』
・Plastic Tree『インク』
・ドレスコーズ『the dresscodes』
・ナノ『nanoir』


邦楽に関してはやっぱり自分がインタビューなどで関わる機会の多かったものをどうしても選んでしまいます。あと今回はあえてアイドル周りのアルバムは外しています。アイドル周りで何が一番良かった?って訊かれたら、迷わずモーニング娘。「13カラフルキャラクター」を選ぶと思いますが。

ということで、2013年も素敵な音楽にたくさん出会えますように。

投稿: 2013 01 01 03:31 午前 [2012年の作品, 「1年のまとめ」] | 固定リンク