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2015年4月29日 (水)

CINDERELLA『LONG COLD WINTER』(1988)

HALESTORM's LZZY HALE And TOM KEIFER Perform CINDERELLA's 'Nobody's Fool' In Nashville (BLABBERMOUTH)

この記事を読んで、久しぶりにトム・キーファーのソロアルバム「The Way Life Goes」を引っ張り出して聴いていたんですが、もう発売から丸2年経つんですね。で、流れ的には漏れなくCinderellaへと向かうわけですが……iTunesにも、MP3ぶっ込んでるHDにもCINDERELLAのアルバムが1枚しか入ってなくて。しかも先のニュースでカバーされた「Nobody's Fool」が収められた1stではなく、2nd『LONG COLD WINTER』という。

個人的にはCINDERELLAというと、ドラムがかわいそうなバンドという認識が強く。いわゆる全盛期のメンバーとしてはフレッド・コウリーという人がバンドに在籍していたわけですが、この人って1stアルバムや2ndアルバムでは叩いてないんですよね。1stアルバム『NIGHT SONGS』では別のドラマーが叩いていて、レコーディング終了後に加入。ビデオクリップではフレッドが叩いているし、その後のツアーでも彼がしっかり見せ場を作ったわけですが、続く本作のレコーディングであまりのテクのなさにプロデューサーやメンバーが呆れ、再びスタジオミュージシャンを招集して制作した……と記憶しています。しかも、そこで呼ばれたドラマーがコージー・パウエルやデニー・カーマシー。そんな高度なスキルが要求されてたなんてフレッドさん、思いもしなかったでしょうね。しかもかわいそうなことに、フレッドさんはその後バンドに復帰して、コージーやデニーが叩いたものをコピーするわけです。しかしフレッドさん、3rdアルバム『HEARTBREAK STATION』ではレコーディングに無事完全参加。セールス的には過去2作に及ばず、湾岸戦争の影響やHR/HMからグランジへの移行などが災いしてCINDERELLAを正式脱退することに。残念な人だ。

とまあ、そんな印象のあるCINDERELLAですが、個人的にアルバムを通してよく聴いたのがこの2ndアルバム。正式なクレジットがないので実際どの曲でコージーやデニーが叩いているのか、そしてフレッドのテイクはどの程度残されてるのかは一切不明です。実際本当に残されてるのかも微妙。とまあそんなことは関係なく、ブルースベースの良質ハードロックが楽しめます。

1stアルバムは80年代半ばらしい派手でメタリックなサウンドと、適度にヘヴィな楽曲の数々が印象的で、BON JOVIのバックアップもあって大成功を収めました。同作ではそれほどブルースロックの色合いは感じられませんが、BON JOVIが3枚目の大ヒット後、続く『NEW JERSEY』でブルース色を強めたように、CINDERELLAも時流に乗ってか、それとも売れて本来やりたかったことができるようになってか、この『LONG COLD WINTER』でルーツ色を強めます。

オープニングのドブロギター&ブルースハープに驚かされるものの、曲が進むに連れてあのヒステリックなボーカルも健在だし、前作の延長線上にあるハードロックナンバーもあるしで、前作までのファンを安心させる要素も残されてます。とはいえ、ピアノとストリングスの音色に心洗われるメジャーキーのバラード「Don't Know What You Got (Till It's Gone)」、「Still Got The Blues」以降のゲイリー・ムーアを彷彿とさせるスローブルース「Long Cold Winter」、牧歌的なカントリーロック「Coming Home」といった新境地ナンバーも飛び出し、明らかに前作で掴んだファンをふるいにかけるアルバム構成となっています。

……と、キツい書き方をしましたが、改めてこのアルバムを聴いてたら実際この変化についていけなかった友人が当時いたことを思い出しちゃったもので。まあ仕方ないですよね、いきなりブルース言われても。しかも1988年って猫も杓子もブルースだ、本格派だって鞍替えし始めたタイミングだったので(ヴィジュアル系で言うところの、急に髪を短くしたり化粧を薄くしたりするタイミングみたいなものでしょうか)。MTVロック的なきらびやかな世界観から、GUNS N' ROSESの成功によってリアリティのあるものへと移行していき、LED ZEPPELINの再評価とともにKINGDOM COMEみたいなクローンバンドが続出したり……まあ、そういう時期です。

とはいえ、CINDERELLAは1stアルバムのツアーをしてる時点で自身のルーツを垣間見せるカバーや演奏をしており、この変化 / 進化は必然なわけです。運良く(いや悪く?)たまたまタイミングが合ってしまったくらいな感じと言えばいいのか。

でもね、発売から30年近く経った今聴いてもカッコイイと思えるアルバムであるのは確か。実際、リリース当時も1stアルバム同様2、300万枚ものヒットにつながっているわけですから。歴史に名を刻むような作品ではないかもしれませんが、80年代後半のロックシーンを華麗に彩った重要な作品だと個人的には思います。



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