カテゴリー「2015年の作品」の65件の記事

2023年3月23日 (木)

PANTERA『BEFORE WE WERE COWBOYS』(2015)

2015年9月11日にリリースされたPANTERAの非公式ライブアルバム。当初は『BORN IN THE BASEMENT: THE DALLAS BROADCAST 1988』というタイトルで発表。日本では2018年4月6日に限定発売されています。

昨今のサブスク中心の音楽生活においては、ふいにこういった作品が追加されてビックリさせられることも少なくありません。本作もそのひとつであり、後ろめたさはありつつもついつい再生してしまう自分がいます。正直、本サイトでもこの手のアイテムはあまり紹介しないようにしていたのですが、内容が内容なだけに(かつ、この時期の音源を公式に聴く手段がないので)こうして改めてピックアップしてみました。

本作は1988年12月20日、アメリカ・テキサス州ダラスの The Basement Clubで行われたPANTERAのFMラジオ放送用ライブ音源に、非公式リリースに際してデジタルリマスタリングを施したもの。1986年に加入したフィル・アンセルモ(Vo)を擁する編成で初のスタジオアルバム(通算4作目)『POWER METAL』(1988年)を発表し、半年後に行われたライブのようです。

初期3作はグラムメタルの延長線上にあるサウンドでしたが、フィルの加入により(アルバムタイトルどおり)パワフルなメタルバンドへと生まれ変わったPANTERAですが、当時はまだメジャーデビュー前。本作のタイトルのように『COWBOYS FORM HELL』(1990年)前夜”という、非常にレアなタイミングでのライブとあって、選曲的にも今では想像できないような内容のステージが展開されています。

全9曲が収められた本作ですが、冒頭4曲(「Death Trap」「Rock The World」「Power Metal」「We'll Meet Again」)は『POWER METAL』からの選曲。『COWBOYS FORM HELL』以降しか知らない世代にとっては、この時点で相当新鮮に映ります。スタジオ音源では正統派メタル的カラーが強いものの、こうしてライブテイクを耳にすると、どの曲も『COWBOYS FORM HELL』期の片鱗を感じさせ、楽器隊(特にギターのダイムバック・ダレル)のプレイに関してはすでに“『COWBOYS FORM HELL』以降”を感じさせる完成度。そりゃあメジャーに引っ張られるわけだと納得してしまいます。

またこの時点で、のちに『COWBOYS FORM HELL』に収録される「The Art Of Shredding」「The Sleep」も披露されており、早くもバンドが次の変化に向けて動き出していたことも確認できます。大まかなアレンジはその後のスタジオバージョンと一緒ですが、やっぱり『POWER METAL』の楽曲とはちょっと質感が異なることもあり、このライブの流れで聴くと馴染んでいるようで乖離しているようでもあり、なかなか面白いことになってます。

さらに、本作には9分にもおよぶダイム(当時はダイアモンド・ダレル)のギターソロや、「This Bud's For You」のお遊びカバーなども含まれており、その後公式に残されたライブ作品とはまた違った味わい深さも伝わります。音質的には不安定さも否めませんが、ひとつの記録として、また『POWER METAL』収録曲の一部を追体験する上で非常に貴重な作品と言えるのではないでしょうか。いつサブスク上から消えるかわからない1枚ですが、『LOUD PARK 2023』での来日を前にチェックしてみてはどうでしょう。

 


▼PANTERA『BEFORE WE WERE COWBOYS』
(amazon:国内盤CD / MP3

 

2023年3月18日 (土)

CARCASS『SURGICAL STEEL』(2013)、『SURGICAL REMISSION / SURPLUS STEEL』(2014)

『SURGICAL STEEL』は2013年9月13日にリリースされたCARCASSの6thアルバム。日本盤は同年9月4日発売。

2007年にジェフ・ウォーカー(Vo, B)、ビル・スティアー(G, Vo)にマイケル・アモット(G)、体調面を考慮して不参加となったケン・オーウェーンに代わりARCH ENEMYのダニエル・アーランドソン(Dr)という布陣で再結成ツアーを行ったCARCASS。2012年にはマイケル、ダニエルがバンドを離れ、ジェフとビルは新作制作を前提として活動を継続します。

その後、現在までバンドに在籍するダニエル・ワイルディング(Dr)が正式加入。この3人で『SWANSONG』(1996年)以来17年ぶりとなるアルバム制作に臨みます。プロデューサーには名盤『HEARTWORK』(1993年)や『SWANSONG』を手掛けたコリン・リチャードソン(FEAR FACTORYNAPALM DEATHBULLET FOR MY VALENTINEなど)が担当したことからもわかるように、グラインドコアを通過した初期メロディックデスメタルやスラッシュメタル的テイストのアルバムが完成。そこに、ミックスでアンディ・スニープ(OPETHKILLSWITCH ENGAGETESTAMENTなど)が加わることにより、単なる原点回帰では終わらないモダンさも随所で感じられる1枚へと到達します。

『SURGICAL STEEL』というタイトルが、JUDAS PRIESTにおける『BRITISH STEEL』(1980年) のオマージュだという話もありましたが、そういった点からも彼らがこの復活作で「90年代以降のブリティッシュメタル/エクストリームメタル」を現代によみがえらせようとした……そう解釈できる音ではないでしょうか。アルバム冒頭を飾るアンセミックなインスト「1985」もどこか往年のヘヴィメタル的な空気感があり、ちょっと及び腰になってしまいますが、そこから唐突に雪崩れ込む「Thrasher's Abattoir」の残虐さに一安心(笑)。以降も(レコーディングではビルひとりですべてのギターパートを録音したものの)このバンドらしさ満点のツインリードギター&リフが随所に用意され、曲が切り替わるたびに思わずガッツポーズしたくなるほどの高揚感を味わえます。

復活作としては文句なしの仕上がりで、軽く平均点越えの内容だと思うのですが、CARCASSというエクストリームな存在にとってはいささかお行儀が良すぎるような印象も。1枚のヘヴィメタルアルバムとしては100点に近いクオリティですが、ことエクストリームの観点で接すると「もう一声」という本音も漏れてきます。

とはいえ、ライブで聴くと文句なしの高揚感が味わえるので、そういった意味では「ライブで化ける」曲たちが並んだ良作なのかもしれませんね。

 


▼CARCASS『SURGICAL STEEL』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ

 

 

 

その後、『SURGICAL STEEL』に収録されなかったアウトテイク(日本盤および海外諸国でのデラックス盤に追加されたボーナストラックを含む)で構成されたEP『SURGICAL REMISSION / SURPLUS STEEL』が2014年11月10日にリリースされます。日本盤未発売。

新たなツアーを行うために海外で発売された本作は、『SURGICAL STEEL』セッションから生まれた全5曲を収録。『SURGICAL STEEL』日本盤に追加収録された「A Wraith In The Apparatus」「Intensive Battery Brooding」といった耳馴染みの強い曲のほか、完全未発表の「Zochrot」「Livestock Marketplace」、『SURGICAL STEEL』冒頭を飾ったインスト「1985」のリプライズ・バージョンという『SURGICAL STEEL』との関連性の強さを感じさせる作品となっています。

「A Wraith In The Apparatus」「Intensive Battery Brooding」はスピード感よりも重さ重視したテイストで、アルバム本編と比べたらインパクトは若干弱め。ただ、「Intensive Battery Brooding」は終盤にアップテンポにギアチェンジするアレンジがカッコいいので、これはこれでアリ。

「Zochrot」も前2曲の延長線上にある作風ですが、仕上がり的にはアルバムに入っていても不思議じゃないレベル。アルバムに含まれていたら、よいフックになっていたかもしれません。「Livestock Marketplace」は『HEARTWORK』期のCARCASSというよりも『SWANSONG』期に近い内容で、ビルのカラーが強く表出した1曲ではないでしょうか。これもフックとしては十分な役目を果たしてくれそうな良曲です。

 


▼CARCASS『SURGICAL REMISSION / SURPLUS STEEL』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ

 

 

 

そして、これら2枚の作品を1枚のCDにまとめたのが、2015年10月30日にリリースされた『SURGICAL STEEL (COMPLETE EDITION)』です。日本盤は海外に先駆けて、同年10月7日発売。

当初はEP『SURGICAL REMISSION / SURPLUS STEEL』が日本盤未発売だったことを受け、『SURGICAL STEEL』日本盤に未収録だった『SURGICAL REMISSION / SURPLUS STEEL』からの3曲を追加する「『SURGICAL STEEL』ワークス完全版」として『LOUD PARK 15』での再来日にあわせた日本限定リリースの予定でしたが、のちに別ジャケットで海外でも発売。結果として、似たようなアートワークの作品が3枚も並ぶこととなります。

内容に関しては上で触れた通りですが、EPがミドルテンポ中心でクオリティ的にもアルバムより若干落ちること、かつトータル全16曲/約65分という長尺作品となってしまったことで、アルバムの魅力が良い形で伝わりきらないような印象も受けます。ただ、「1985」で始まり「1985 (Reprise)」で終わる構成はドラマチックで良いと思うので、EPからの4曲をカットして「Mount Of Execution」〜「1985 (Reprise)」でアルバムが終了していたらアルバムの持つ抒情性がより強調されたんじゃないかなと、今さらながらに思ってしまいます。

ぶっちゃけ『SURGICAL STEEL』1枚持っていれば問題ありませんが、CARCASSのすべてを知っておきたくて『SURGICAL STEEL』未聴の方ならこのコンプリートエディションを入手しておけば大丈夫でしょう。

なお、『SURGICAL STEEL』に関連したこの3作品は、国内サブスクでは未配信。配信で購入したい、聴きたいという方はBandcampで購入できますので、こちらをチェックしてみてください

 


▼CARCASS『SURGICAL STEEL (COMPLETE EDITION)』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

 

 

2023年3月 1日 (水)

MOTÖRHEAD『BAD MAGIC: SERIOUSLY BAD MAGIC』(2023)

2023年2月24日にリリースされたMOTÖRHEADのリイシューアルバム。日本盤未発売。

本作はMOTÖRHEAD通算23作目にして最後のオリジナルアルバム『BAD MAGIC』(2015年)に、未発表楽曲および未発表ライブ音源を追加したデラックスエディション。CDは2枚組、アナログは4枚組仕様で、特に日本のファンにはうれしい(というか絶対に聴いておくべき)内容となっています。

CDのDISC 1には、アルバム『BAD MAGIC』本編13曲に、のちにカバーアルバム『UNDER COVER』(2017年)に未発表音源として収録されるデヴィッド・ボウイのカバー「Heroes」、『BAD MAGIC』と同時期に録音されたものの今日まで未発表だったオリジナル曲「Bullet In Your Brain」と「Greedy Bastards」を追加。「Heroes」については『UNDER COVER』の項目に譲るとして、ここでは「Bullet In Your Brain」「Greedy Bastards」の2曲について触れましょう。

「Bullet In Your Brain」はいかにもMOTÖRHEADらしい、疾走感の強いスピードチューン。ほかのアルバム曲として劣るかと言われるとそういうわけもなく、単純にアルバムの中でバランスを取って外したのかなと。ただ、完全な形で完成させる前の段階だったのか、レミー・キルミスター(Vo,B)のボーカルは若干ピッチも甘くてラフな印象。演奏に関してはあとからいくらでも手直しできるので、まあそういったことなのかな。フェードアウトで終わるアレンジからもそういった印象を受けますし。

続く「Greedy Bastards」は、冒頭の時点でデモの延長であることが伺える作風。レミーのトークから始まり、そこに演奏が加わっていくミディアムスローのバラード調ナンバーは、『BAD MAGIC』のほかの楽曲とは一線を画する仕上がり。こういう曲も作っておこうといったノリで作ったものの、アルバムにはすでに「Till The End」が存在していたので外されたんでしょうかね。これはこれでいい曲だし、全然アリなんですが。

そして、DISC 2。『LIVE AT MT. FUJI FESTIVAL 2015 - SAYONARA FOLKS!』というタイトルが付けられたこちらは2015年7月24日、新潟・苗場スキー場で開催された『FUJI ROCK FESTIVAL '15』DAY 1のGREEN STAGEでのパフォーマンスを完全収録したライブアルバム。同年12月に亡くなったことで、結果として最後の来日公演となった貴重なライブを追体験することができます。

当日はヘッドライナーFOO FIGHTERSの直前、セミヘッドライナーとしてステージに登場しました。僕も当日は会場でこのステージを目撃しておりましたが、真裏のWHITE STAGEがBOOM BOOM SATELLITESで、結果としてどちらもラストとなってしまったという……確かMOTÖRHEADを観て、途中でBBS観て、再びMOTÖRHEADだったような。お客の入りは満員とまでいかないものの、ダイハードなMOTÖRHEADファンがたくさん駆けつけ、それなりに盛り上がっていた記憶があります。ただ、レミーの調子は絶好調とは言い難かった印象も。少しモヤモヤも残りましたが、最終的には「Ace Of Spades」「Overkill」の2連発で帳消しといういつもの流れでした。

本作は記録用に残された録音が元になっているようで、音質的には決してベストとは言い難い内容。日本のCS放送向けに収録もされていたので、そちらの音源をどうにか入手してミックスし直すという方法もあったはずですが(あるいはもう残っていなかったか)、結果としてはオマケ程度の代物となってしまいました。まあ、このラフさもMOTÖRHEADらしいと言えばそれまでですが。それに、資料としての価値は十分に高いので、これはこれでいいか……という気もします。

すでに『BAD MAGIC』をCDで所持している筆者のような人間には、貴重なリイシューというよりもファンアイテム的側面が強く映る本作。今はサブスクでも気軽に楽しめる時代ですし、気になる方は新曲とライブ音源だけでもチェックしてみてはどうでしょう。あ、『BAD MAGIC』本編は問答無用の力作なので、安心してお楽しみいただけるはずです。

 


▼MOTÖRHEAD『BAD MAGIC: SERIOUSLY BAD MAGIC』
(amazon:海外盤CD / 海外盤ボックスセット / 海外盤アナログ / MP3

 

2023年1月25日 (水)

BRYAN ADAMS『GET UP』(2015)

2015年10月2日にリリースされたブライアン・アダムスの13thアルバム。日本盤は同年10月16日発売。

新作スタジオ音源としては70年代の名曲カバー集『TRACKS OF MY YEARS』(2014年)から約1年ぶり、新曲で構成されたオリジナルアルバムとしては『11』(2008年)から約7年半ぶりの新作。その7年の間には、『BARE BONES』(2010年)、『LIVE AT SYDNEY OPERA HOUSE』(2013年)とライブ作品も立て続けに発表されていたので、意外と空いた感覚はなかったですよね。

『11』では一部楽曲で盟友ロバート・ジョン“マット”ラングを迎え、基本的にセルフプロデュースで制作を進めていましたが、今作ではELOやTRAVELING WILBURYSのメンバーにしてジョージ・ハリスンやトム・ペティ、ポール・マッカートニーなどのプロデュースでも知られるジェフ・リンがトータルプロデュースを担当。全13曲で構成された本作ですが、新曲は9曲のみで、そのほかの4曲はその新曲のアコースティックバージョン(この別ていくのみブライアン自身がセルフプロデュース)。かつ、1曲1曲が2〜3分という古き良き時代のロック/ポップスを踏襲した構成で、アルバム自体約36分という短い尺なのです。これ、アコースティックバージョンを除いたら26分くらいなんですよ(苦笑)。

そんな短い内容ですが、どの曲もブライアンらしいキャッチーなポップロックばかり。直前にルーツ回帰的な『TRACKS OF MY YEARS』を経たこともあってか、従来の彼らしさにレイドバック感も加わり、かつジェフ・リンらしいサウンドメイクによってビートルズ・ライクな質感へと昇華されている。ソングライティング自体はブライアンとおなじみジム・ヴァランスとのタッグ中心なのですが、そもそもブライアン自身がこういうモードなんでしょう。

あと、『ON A DAY LIKE TODAY』(1998年)などでコラボしたフィル・ソーナリー(ex. THE CURE、ex. JOHNNY HATES JAZZ)も「That's Rock And Roll」でコライトしたほかギターを担当していたり、「Go Down Rockin'」で初期からの仲間であるキース・スコットがギターを弾いていたりするものの、レコーディングの大半をブライアンとジェフ・リンが担当しているのも、過去の代表作との大きな違いでしょうか。エンジニアリングやミキシングのみならず、演奏面でもジェフによる“ビートルズっぽさ”が大きく作用しているようです。

2023年時点での最新作『SO HAPPY IT HURTS』(2022年)との共通点も見受けられ、現在に至る最新の基本スタイルはここでひとつ完成した感もあるのかな。もともと持ち合わせていた要素ではあるものの、ここまで特化させたのはヒット云々を抜きに、やりたいことをやって余生を過ごしたいという思いも強かったのかもしれません。もはや20〜30代の頃のようなメガヒットを狙うより、童心に帰って音楽を楽しむほうが合っている気がしますしね。

 


▼BRYAN ADAMS『GET UP』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

2022年12月 4日 (日)

KISSのベストアルバムを総括する(2022年版)

ブライアン・アダムスAEROSMITHに続く「ベストアルバムを総括する」シリーズ第3弾(シリーズだったのか……)はKISS。まあとにかくベスト盤やコンピ盤、ボックスセットが多い方々ですが、今回は数あるベスト盤の中からレーベル主導で制作された『MILLENNIUM COLLECTION』シリーズを除く、バンド側の公式リリースに絞ってセレクトしております。中には新曲やレアトラックなど含まないもの、現在廃盤でサブスクでも配信されていないものも含まれていますが、あえて掲載してみます。

とにかく非常に長いエントリーなので、心してお読みください……(苦笑)。

 

 

『DOUBLE PLATINUM』(1978)

 

1978年4月2日にリリースされたKISS初のグレイテストヒッツアルバム。アナログ2枚組、CD1枚もの。

リリース当時のメンバーはポール・スタンレー(Vo, G)、ジーン・シモンズ(Vo, B)、エース・フレーリー(G, Vo)、ピーター・クリス(Dr, Vo)のオリジナル編成。新曲こそ皆無ですが、既存楽曲に加え「Strutter」のリテイクバージョン「Strutter '78」やリミックステイクなどが豊富。サブスクではApple Musicはフルで楽しめますが、Spotifyでは「Calling Dr. Love」と「Black Diamond」が歯抜け状態。Amazon Musicでは配信すらされていないようなので、どうにかしていただきたいものです。

詳しくはこちらのエントリーを参照のこと。

 


▼KISS『DOUBLE PLATINUM』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤カセット

 

 

 

『KILLERS』(1982)

 

1982年6月15日にリリースされた、KISSにとって2作目の公式コンピレーションアルバム。アナログ/CDともに1枚もの。

当時のメンバーはポール・スタンレー、ジーン・シモンズ、エース・フレーリー、エリック・カー(Dr, Vo)。日本やオーストラリアなどアメリカ以外の諸国で先行発売。当時はここでしか聴くことができなかった新曲4曲(「I'm A Legend Tonight」「Down On Your Knees」「Nowhere To Run」「Partners In Crime」)がかなり話題となりました。ジャケットにエースの姿はあるものの、当時はすでにバンドから脱退しており、新曲のレコーディングにはのちにバンドに加入するブルース・キューリック(G)の実兄ボブ・キューリック(G)がリードギターとして参加しています。

詳しくはこちらのエントリーを参照ください。

 


▼KISS『KILLERS』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

 

 

『CHIKARA』(1988)

 

1988年5月25日に日本限定でリリースされたコンピレーションアルバム。CD1枚もの。

当時のメンバーはポール・スタンレー、ジーン・シモンズ、ブルース・キューリック、エリック・カー。この年の春に10年ぶり(ノンメイクアップ時代としては初めて)の来日公演が決定したことを受け、それにあわせて日本のみ10万枚限定で制作されたレアアイテム。今となっては10万枚も刷ったのか!って驚きですけどね。内容は「Rock And Roll All Nite」や「Love Gun」などの70年代ヒットよりも、「Creatures Of The Night」や「Lick It Up」「Heaven's On Fire」「Tears Are Falling」などの80'sヘアメタル期が中心。主にシングルカット/MV制作された楽曲が中心で、そんな中に「I Was Made For Lovin' You」のリミックスバージョンという初CD化レア音源が含まれているのが売りかな(のちに「Psycho Circus」シングルのカップリングで世界的にCD化されました)。

枚数限定生産ということで、現在は廃盤。ただ、中古盤ショップを回れば意外と簡単に見つけられるはず。値段もそこまで張っていないので(Amazonは論外!)、気になる方はぜひチェックしてみてください。

 


▼KISS『CHIKARA』
(amazon:国内盤CD

 

 

『SMASHES, THRASHES & HITS』(1988)

 

1988年11月15日にリリースされた、KISSにとって3作目の公式コンピレーションアルバム。CD1枚もの。

当時のメンバーはポール・スタンレー、ジーン・シモンズ、ブルース・キューリック、エリック・カー。日本では『CHIKARA』から間を空けずに発表されることになりましたが、『KILLERS』未発売だった北米などの海外諸国では『DOUBLE PLATINUM』以来10年ぶりのベスト盤。考えてみたら「I Was Made For Lovin' You」はもちろん、80年代の楽曲をまとめたコンピが10年も出ていなかった事実に驚かされます。

内容は「Let's Put The X In Sex」「(You Make Me) Rock Hard」の新曲2曲や、一部楽曲のリミックス、そしてエリック・カーが歌唱した「Beth」など、単なるベスト盤では片付けられない楽曲が多数。北米盤ではなぜか直近の新作『CRAZY NIGHTS』(1987年)からの楽曲が含まれていません(ヨーロッパ盤には「Crazy Crazy Nights」「Reason To Live」収録)。とはいえ、ヘアメタル期のヒットシングルが簡単におさらいできるので、実はもっとも手軽に楽しめる入門盤かもしれません。

詳しくはこちらのエントリーを参照ください。

 


▼KISS『SMASHES, THRASHES & HITS』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

 

 

『GREATEST KISS』(1997)

 

1997年4月8日にリリースされたKISSの公式コンピレーションアルバム第4弾。日本盤は1997年1月の来日公演にあわせて、1996年12月9日発売。CD1枚もの。

リリース当時のメンバーはポール・スタンレー、ジーン・シモンズ、エース・フレーリー、ピーター・クリス(Dr, Vo)。オリジナル編成およびメイクアップ期へと回帰した彼らのワールドツアーにあわせて制作されたもので、北米、ヨーロッパ、日本とそれぞれ収録曲が一部異なるのが特徴。

これまでのコンピのように新曲やリミックス曲は皆無で、既発曲がリマスタリングされている程度。ただ、それだけでは売りがなさすぎるので、1996年6月28日のデトロイト公演から「Shout It Out Loud」のライブ音源を追加。こちらは当時MVも制作されています。

オリメン時代にこだわった選曲なので、『SMASHES, THRASHES & HITS』以降に生まれたヒット曲「Hide Your Heart」「Forever」「Unholy」などは未収録。ただ、北米盤以外では「God Gave Rock 'N' Roll To You II」が選出されているのが謎かも。なお、日本盤のみ海外盤未収録の「C'mon And Love Me」「Rock Bottom」がセレクトされております。このへん、いかにもですね。

サブスクでも聴くことができますが、Apple Musicでは日本盤バージョンで配信、Spotifyはヨーロッパバージョンでの配信のようです。

 


▼KISS『GREATEST KISS』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / MP3

 

 

続きを読む "KISSのベストアルバムを総括する(2022年版)" »

2022年11月 1日 (火)

V.A.『IMMORTAL RANDY RHOADS - THE ULTIMATE TRIBUTE』(2015)

2015年3月3日にリリースされた、ランディ・ローズ(G/ex. OZZY OSBOURNE、ex. QUIET RIOT)のトリビュートアルバム。日本盤は同年3月25日発売。

ランディのトリビュートアルバムは、過去にオジーの楽曲のみを集めた『RANDY RHOADS TRIBUTE』(2000年)が発表されていますが、今作は1970年代のQUIET RIOT時代の楽曲も含む選曲。また、前作がピュアなHR/HM系アーティストによるものなら、今作はランディと同時代に登場したミュージシャンや活動を共にしたアーティスト、90年代以降のモダンなメタルを奏でるミュージシャンなど、より幅広さを感じさせる人選となっています。

まあとにかく、オープニングの「Crazy Train」を聴いて多くのリスナーがひっくり返るのではないでしょうか。だって、ボーカルがサージ・タンキアンSYSTEM OF A DOWN)、ギターがトム・モレロRAGE AGAINST THE MACHINE)ですからね。正統派メタルリスナーやランディを妄信的に愛する方からは非難の嵐じゃないかな(苦笑)。ただ、個人的にはサージのボーカルにはオジー愛を感じたし、トムのギターもただコピーするんじゃなくて自分らしさを貫きながらランディのスタイルを表現しようとする強い意志も伝わりましたが、いかがでしょうか。

その後も、シンガーはオジーやケヴィン・ダブロウをコピーしつつ(ほとんどティム・リッパー・オーウェンズですが。笑)、ギタリストたちはランディの印象的なフレーズを随所に残しつつ、各々の個性を発揮させる。原曲レイプだ、けしからん!と怒る気持ちもわかりますが、だったらそもそもトリビュートアルバムだのカバーアルバムだの聴かないほうがいいし、これくらい遊んでくれるから聴きがいもあるわけで。個人的にはどれくらい原曲を“壊す”かが楽しみなわけで、そういう意味では本作は……ギターに関しては及第点だけど、それ以外のパートや楽曲アレンジに関しては普通すぎるかな。

そんな中、己を突き通しまくるチャック・ビリー(TESTAMENT)による「Mr. Crowley」が、サージ歌唱の「Crazy Train」並みによかったな。この曲では、今は亡きアレクシ・ライホ(G/BODOM AFTER MIDNIGHT、ex. CHILDREN OF BODOM)の泣きまくりギターも楽しめるので、なお良し。あと、ジョエル・ホーケストラ(G/WHITESNAKE)が頑張りまくりの「Killer Girls」も悪くなかったな。

逆に、実際にオジーバンドに在籍した経験を持つガス・G.(FIREWIND)による「Goodbye To Romance」や、ブラッド・ギルス(NIGHT RANGER)による「Suicide Solution」が、ランディ云々よりも自分らしさ全開なのが笑えます。特にガス・G.、君はやりすぎだ(笑)。

まあ、あれです。こういったカバーアルバムやトリビュートアルバムはマジになりすぎないのが一番。笑いながら「お、意外と良いじゃん」「いやいや、それはないでしょ」とかツッコミ入れつつ楽しむのが、精神衛生上もっとも好ましいと思います。

なお、本作はサブスクでも配信されていますが、2015年のCD/アナログ盤と曲順が若干異なっているのでご注意を(オリジナルの曲順はこのあたりでご確認いただけます)。

 


▼V.A.『IMMORTAL RANDY RHOADS - THE ULTIMATE TRIBUTE』
(amazon:国内盤CD+DVD / 海外盤CD+DVD / 海外盤アナログ / MP3

 

2022年10月27日 (木)

SAMMY HAGAR & THE CIRCLE『AT YOUR SERVICE』(2015)

2015年5月19日にリリースされたSAMMY HAGAR & THE CIRCLEのライブアルバム。日本盤未発売。

本作はサミー・ヘイガーの新バンド・THE CIRCLEを携えて開催された2014年のツアーから収録されたもの。バンドメンバーはサミー(Vo, G)のほか、VAN HALENやCHICKENFOOTでサミーと活動を共にしたマイケル・アンソニー(B, Cho)、VAN HALEN脱退以降のソロ活動におけるサミーの片腕ヴィック・ジョンソン(G)、そしてジョン・ボーナム(LED ZEPPELIN)の愛息ジェイソン・ボーナム(Dr)という国籍/世代を超えた布陣。

内容的にもMONTROSEからスタートしたサミーのキャリアを総括するようなセットリスト。70〜80年代のサミーのソロヒット、『5150』(1986年)『OU812』(1988年)などサミー在籍時のVAN HALENのヒット曲、さらにはジェイソン絡みで「Good Times Bad Times」「Whole Lotta Love」「Rock And Roll」などLED ZEPPLEINの代表曲を含む、非常に豪華な選曲となっています。

ソロやVAN HALEN在籍時初期にも「Rock And Roll」をカバーしていたこともあり、サミーの歌うZEPナンバーの安定感は抜群。もちろん、あの頃から30年経ち加齢もあって声域も狭まりつつありますが(この時点で60代後半ですからね……汗)、それでもほかのシンガーには真似できない迫力は圧巻の一言。さらに、ヴィックのそつなく、どんなタイプの曲にも対応するギタープレイと、実父にも負けず劣らずの厚みとパワフルさで迫るジェイソンのドラミングもあり、ZEPナンバーとVAN HALENの名曲が並んでも違和感なく楽しめる。

これだけのパワープレイヤーが揃っているわけですから、当然各パートのソロコーナーも用意されています。マイケルはVAN HALEN時代を彷彿とさせるベースソロを、ヴィックは1分半程度に収められたフラッシーなソロをフィーチャー。ジェイソンに関してはZEPのインスト曲「Moby Dick」に絡めてソロを披露しています。なるほど、その手があったか。

この頃はまだご健在だったエディ・ヴァン・ヘイレンに敬意を表したヴィックのギタープレイは、個人的にはかなり好印象。「Best Of Both Worlds」でのトーンコントロールは本家には及ばないものの、必死に再現しよう(かつ、そこに自身の個性を加えよう)とする直向きさが感じら得ます。

にしても、やっぱり「Poundcake」や「When It's Love」「Why Can't This Be Love」「Finish What Ya Started」「Right Now」、そしてラストにアコースティックで披露される「Dreams」と……二度とエディのプレイでは聴くことができない名曲の数々を、今のサミーのボーカルとマイケルのコーラス(&ベース)、そしてエディに対するリスペクトが込められたヴィックのギタープレイで楽しめるという意味では、本作はVAN HALEのファンはもちろん、アメリカンハードロックを愛するリスナーにも届いてほしい1枚(2枚組作品)ですね。

ちなみに本作、2015年12月には映像版ライブDVDも発売されています。すでに廃盤状態のようですが、どうやらリージョンフリーらしいので、見つけたら即購入してみてはどうでしょう。

 


▼SAMMY HAGAR & THE CIRCLE『AT YOUR SERVICE』
(amazon:海外盤CD / MP3

 

2022年4月 5日 (火)

LAMB OF GOD『VII: STURM UND DRANG』(2015)

2015年7月24日にリリースされたLAMB OF GODの7thアルバム。日本では『VII: シュトゥルム・ウント・ドラング ~疾風怒濤』の邦題で同日発売。

全米3位を記録した前作『RESOLUTION』(2012年)から3年半ぶりの新作、前身バンドBURN THE PRIEST時代の作品を含めると8枚目のオリジナルアルバム。アメリカでは変わらずEpic Records所属ですが、日本を含む海外ではNuclear Blast Records移籍第1弾作品としてリリースされました。

プロデュースは5thアルバム『WRATH』(2009)以来タッグを組んでいるジョシュ・ウィルバー(TRIVIUMCrossfaithSONS OF TEXASなど)が担当。「Embers」にはチノ・モレノ(Vo/DEFTONES)、「Torches」にはグレッグ・プチアート(Vo/KILLER BE KILLED、ex. THE DILLINGER ESCAPE PLANなど)がそれぞれゲスト参加しています。

オープニングの「Still Echoes」から従来のLAMB OF GOD節が前回で、過去作のファンならば問答無用で楽しめる1枚。個人的にはこの曲といい、続く「Erase This」といい、過去数作と比較すると非常に聴きやすくなった印象を受けました。特に、チノ・モレノをフィーチャーした「Embers」は彼が歌唱するパートが非常にDEFTONES的テキストでまとめられていることもあり、よりそうした親しみやすさを覚えるのかもしれません。

とはいえ、基本的にはランディ・ブライ(Vo)の怒号のようなスクリームと、手数の多いクリス・アドラー(Dr)のヘヴィだけど軽やかなドラミング、マーク・モートン(G)&ウィル・アドラー(G)が織りなすギターサウンドの“壁”(と、随所ににじみ出るメロディアスさ)を首尾一貫楽しめる1枚かな。PANTERA以降のモダン・ヘヴィメタル/グルーヴメタルに何の偏見もないメタルリスナーには、ど真ん中と言えるくらい正統派モダンメタルの良作だと思います。

と同時に、ランディがメロディアスかつ囁くように歌うスロー&ヘヴィナンバー「Overlord」にはグランジからの影響も見え隠れするし、グレッグ・プチアートのカラーが色濃く表れた「Torches」の浮遊感の強さにはオルタナ/ニューウェイヴからの影響も伝わってくる。これらの要素は一見浮いてしまいそうに思えるのですが、意外にもアグレッシヴな全体像に見事馴染んでいるから不思議です。そういった意味でも、本作はトータルバランスに非常に優れた、2015年時点での集大成的1枚ではないでしょうか。

あと、前作が全14曲/56分と長尺だったのに対し、本作は全10曲/48分と比較的コンパクト。1曲1曲は4〜5分とかなり密度の高い仕上がりなので、これだけでも十分におなかいっぱいになる内容です。デラックス盤および日本盤はボーナストラック2曲(「Wine & Piss」「Nightmare Seeker (The Little Red House)」が追加され、結果的には56分と前作並みのボリュームになってしまうのですが(さらに日本盤はライブ音源2曲を追加)、できることなら本作はM-10「Torches」で潔く終えるのがベストかな。おまけはおまけでしかないし、ボートラ2曲が加わることでアルバムの印象が薄まるような気がするので。

ちなみに本作、いつのまにか日本の各ストリーミングサービスから消えてしまっています。ここの日本の流通元はリスナーに対して優しくないといいますか、こういうケースが少なくないので困りものです(リリースから5年くらい経つと聴けなくなっている作品、多々あるのでどうにかしてもらいたいものです)。

 


▼LAMB OF GOD『VII: STURM UND DRANG』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ

 

2022年3月 1日 (火)

SCORPIONS『RETURN TO FOREVER』(2015)

2015年2月20日にリリースされたSCORPIONSの18thアルバム。日本盤は『祝杯の蠍団〜リターン・トゥ・フォエヴァー』の邦題で、同年3月4日発売。

オリジナルバムとしては『STING IN THE TAIL』(2010年)から約5年ぶり、スタジオ新録作品としてはカバーアルバム『COMEBLACK』(2011年)から3年4ヶ月ぶりの新作。プロデューサーは『STING IN THE TAIL』、『COMEBLACK』から引き続き、ミカエル・ノルド・アンダーソン&マーティン・ハンセン(THE RASMUSなど)が担当しています。

レコーディグメンバーはクラウス・マイネ(Vo)、ルドルフ・シェンカー(G)、マティアス・ヤプス(G)、パウエル・マチヴォダ(B)ジェイムズ・コタック(Dr)の5人。2016年秋にジェイムズが脱退し、元MOTÖRHEADのミッキー・ディー(Dr)に交代するので、14thアルバム『UNBREAKABLE』(2004年)から続いた布陣はここで一旦終了することになります。

作風的には完全復活を遂げた前作『STING IN THE TAIL』の延長線上にある、80年代〜90年代初頭の彼ららしさに満ち溢れた楽曲が並びます。それもそのはずで、本作には80〜90年代にライティングされたもののお蔵入りとなっていたアウトテイクを流用したものが多く含まれているから。例えば、ブギー調の「Rock My Car」の原曲は80年年代半ば、「House Of Cards」は90年代末、「Catch Your Luck And Play」は80年代後半、「Hard Rockin' The Place」は80年代初頭と、それぞれ原曲を書いた時期はまちまち。しかし、その時期ならではの空気感が多少なりとも残されており、その結果全体を覆う空気感が80年代半ばから後半にかけてのHR/HM一大ブームの頃を彷彿とさせる、非常にゴージャスなものとしてまとめ上げられているのです。

そんな中、本作のために新たに制作されたオープニングトラック「Going Out With A Bang」やリードシングル「We Built This House」は『STING IN THE TAIL』からの空気を引き継ぎつつ、しっかりと往年のSCORPIONS節を踏襲した良質なハードロックチューン。なんとなくですが、過去のアウトテイクを総決算しながら、それに見合うようなテイストの楽曲をあえて用意したようにも映ります。しかし、それこそが我々リスナーがバンドに求めるSCORPIONS像でもあるわけで、この試みは見事に成功したのではないでしょうか。

ただ、全12曲(ボーナストラック除く)中バラードが3曲(「House Of Cards」「Eye Of The Storm」「Gypsy Life」)と比較的多めなのが玉に瑕。これもファンが求めるSCORPIONS像ではあるものの、せいぜい2曲程度に抑えてもらえたら尚よかったのにと思わずにはいられません。その点を除けば、本作は完璧な1枚なんですけどね。

極端な例えですが、前作が“21世紀の『LOVE AT FIRST STING』(1984年)だとしたら今作は“21世紀の『SAVAGE AMUSEMENT』(1988年)かな、という印象。わかる人ならわかってもらえるのではないでしょうか。

なお、本作はボーナストラックも豊富に用意されており、それらはデラックスエディションや配信バージョンなどを通じて耳にすることができます。この中には『SAVAGE AMUSEMENT』期のアウトテイクとして制作された「Dancing With The Moonligh」も収録。実はこの曲、「Dancing In The Moonligh」というタイトルのデモテイクが『SAVAGE AMUSEMENT』現行盤に収録されているので、ぜひ聴き比べてみることをオススメします。

 


▼SCORPIONS『RETURN TO FOREVER』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

2021年11月24日 (水)

QUEEN『A NIGHT AT THE ODEON - HAMMERSMITH 1975』(2015)

2015年11月20日にリリースされたQUEENのライブアルバム。

フレディ・マーキュリー(Vo)死去から24年後に制作された本作は、QUEENの4thアルバム『A NIGHT AT THE OPERA』(1975年)発表から約1ヶ月後の1975年12月24日にロンドンのHammersmith Odeon(現・Hammersmith Apollo)にて開催されたライブの模様を収録したもの。ライブCDに加え、同公演の映像(DVD、Blu-ray)が同梱された仕様も用意されています。

2014年に発表された『LIVE AT THE RAINBOW '74』と比べて、こちらのライブは当時BBCで映像収録されたほか、BBC Radio 1でもオンエアされたこともあり、これまで多数のブートレッグも出回っています。その完全版であり、音声/映像がクリアなものが40年の時を経てお披露目されたわけですから、そりゃありがたい限りです。

この日の公演は『A NIGHT AT THE OPERA』を携えたUKツアーの最終日。ちょうど「Bohemian Rhapsody」が9週連続で全英1位を獲得していた時期での公演とあって、会場には5000人もの観客が集まりました(当然ソールドアウト)。アルバム自体も初の全英1位を獲得したあとだけに、名実ともにトップバンドの仲間入りを果たした絶妙なタイミングでの公演、悪いわけがありません。

「Now I'm Here」「Ogre Battle」「White Queen」という流れは1974年後半のツアーと似た流れですが、当然このツアーでは「Bohemian Rhapsody」をはじめとする『A NIGHT AT THE OPERA』も複数演奏されています。が、後年のように「Bohemian Rhapsody」の中盤パートをライブで(音源にて)再現することなく、オペラパート&ハードロックパートを省いて「Killer Queen」「The March Of The Black Queen」へとつなぐメドレー形式で披露。最後は再びエンディングのバラードパートへと戻って終わっていきます。このアレンジもこの時期ならではと言えるものではないでしょうか。これはこれでカッコいいし(特に「Killer Queen」へと切り替わるタイミングのスリリンスさ、たまらんです)。

あと、「Brighton Rock」からブライアン・メイ(G, Vo)の長尺ギターソロへと続く構成は、すでにこの時期からあったものだったのだと気づかされます。そこから「Son And Daughter」へと流れるアレンジもカッコいいの一言。こういう洒落たアレンジ、一度は生で聴いてみたかったなあ。

にしても、『A NIGHT AT THE OPERA』からの曲が思った以上に少ないなと……あのアルバム、それ以前と比べてライブを想定して制作に取り組んでいないような気がしますし、レコーディングが終了してからツアーに入るまでの期間が短すぎて、新曲を体に染み込ませるには時間が足りなかったのかな、という気もします。

それと、後年のように「Bohemian Rhapsody」をクライマックスに持ってきたり、「We Are The Champions」で締め括るお約束に慣れてしまうと、エルヴィス・プレスリー「Jailhouse Rock」が当たり前のように毎ツアー演奏されていたり、「Seve Seas Of Rhye」「See What A Fool I've Been」でエンディングを迎える終盤の流れは、我々のようにQUEENのライブを生で体験したことのない世代には非常に新鮮です。

フレディの死後、数々の企画盤が続発したことに対して悪い感情を持っているファンも少なくないようですが、こういう初期の貴重なライブ音源が楽しめるようになったことは、後期〜末期からファンになった僕や後追い世代にとってうれしいのでは。ここは素直に喜びたいところです。

 


▼QUEEN『A NIGHT AT THE ODEON - HAMMERSMITH 1975』
(amazon:国内盤CD / 国内盤CD+Blu-ray / 国内盤CD+DVD / 海外盤CD / 海外盤CD+DVD / 海外盤アナログ / MP3

 

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

1963年の作品 1964年の作品 1966年の作品 1967年の作品 1968年の作品 1969年の作品 1970年の作品 1971年の作品 1972年の作品 1973年の作品 1974年の作品 1975年の作品 1976年の作品 1977年の作品 1978年の作品 1979年の作品 1980年の作品 1981年の作品 1982年の作品 1983年の作品 1984年の作品 1985年の作品 1986年の作品 1987年の作品 1988年の作品 1989年の作品 1990年のライブ 1990年の作品 1991年の作品 1992年の作品 1993年の作品 1994年の作品 1995年の作品 1996年の作品 1997年の作品 1998年のライブ 1998年の作品 1999年のライブ 1999年の作品 2000年のライブ 2000年の作品 2001年のライブ 2001年の作品 2002年のライブ 2002年の作品 2003年のライブ 2003年の作品 2004年のライブ 2004年の作品 2005年のライブ 2005年の作品 2006年のライブ 2006年の作品 2007年のライブ 2007年の作品 2008年のライブ 2008年の作品 2009年のライブ 2009年の作品 2010年のライブ 2010年の作品 2011年の作品 2012年のライブ 2012年の作品 2013年のライブ 2013年の作品 2014年の作品 2015年のライブ 2015年の作品 2016年の作品 2017年のライブ 2017年の作品 2018年のライブ 2018年の作品 2019年のライブ 2019年の作品 2020年のライブ 2020年の作品 2021年のライブ 2021年の作品 2022年のライブ 2022年の作品 2023年のライブ 2023年の作品 2024年のライブ 2024年の作品 =LOVE A Day to Remember A New Revenge A Perfect Circle a-ha A.A. Williams AA= AAAMYYY ABBA Abbath AC/DC Acacia Strain, the Accept Ace Frehley Adam Lambert Adrian Younge Aerosmith AFI After the Burial Afterglow Ahab aiko Air (France) AIR (Japan) AKB48 ALAZEA Alcatrazz Alcest Aldious Alexisonfire Alice Cooper Alice in Chains Alicia Keys Allman Brothers Band, the Almighty, the Alter Bridge Altitudes & Attitude Amaranthe American Head Charge American Hi-Fi Amorphis Anaal Nathrakh Anaïs Anchoress, the Anderson .Paak Andrew W.K. Andy Bell Andy Black Andy McCoy Andy Taylor Angel Du$t Angel Witch Angels & Airwaves Angra Animals as Leaders Annihilator Annisokay Anohni ANTHEM Anthrax Anti-Flag Aphex Twin Appice Aqours Arcade Arcadia Arch Echo Arch Enemy Architects Arctic Monkeys Aretha Franklin Arlo Parks Armed, the Armored Saint ARROWS, the Art of Fighting Ash Asia Asian Dub Foundation ASIAN KUNG-FU GENERATION Asking Alexandria asmi At the Drive-In At the Gates Atari Teenage Riot ATATA Atomic Bitchwax, the Atreyu Audioslave August Burns Red Aurora Avalanches, the Avatarium Avenged Sevenfold Avril Lavigne Ayron Jones Azusa B'z Baby Chaos BABYMETAL Babyshambles Backstreet Girls Backyard Babies Bad Company Bad English Bad Moon Rising Bad Omens Badlands BAND-MAID Bang Tango Bangles, the Baroness BAROQUE Basement Jaxx Battle Beast Battles BAZRA BBHF BBM bdrmm Be the Wolf Beach House Beartooth Beastie Boys Beatles, the Beck Behemoth Belle & Sebastian Ben Folds Ben Harper Berlin Bernard Butler Berryz工房 Between the Buried and Me Beyoncé Biff Byford Biffy Clyro Big Brother and the Holding Company Big Scenic Nowhere bigLOVE Billie Eilish Billie Joe Armstrong Billy Corgan Billy F Gibbons Billy Idol Billy Talent BiSH Björk Black Crowes, the Black Earth Black Eyed Peas, the Black Label Society Black Lung Black Midi Black Sabbath Black Star Riders Black Swan Black Veil Brides BLANKEY JET CITY Bleachers Bleed from Within Blessing a Curse Bleu Blind Channel Blind Guardian Blind Melon Blink-182 Bloc Party Blondshell Blood Incantation Blood Orange Bloodywood Blue Murder Blues Pills Bluetones, the Blur Boards of Canada Bodom after Midnight Body Count Bodyslam Bon Iver Bon Jovi BON-BON BLANCO Bones UK Bonobo bonobos BOOM BOOM SATELLITES BOOM, THE Boris Born of Osiris Boston Boston Manor BOWWOW Boxer Rebellion, the Boy George BOYNEXTDOOR BOØWY BPMD BRAHMAN brainchild's Brian Eno Brian May Brides of Destruction Brides of Lucifer Bring Me the Horizon Brink, the British Lion Brkn Love Bronx, the Bruce Dickinson Bruce Springsteen Brujeria Bruno Mars Brutal Truth Bryan Adams BTS BUCK-TICK Buckcherry Budderside Buddy Guy Budgie Buffalo Daughter BUGY CRAXONE Bullet for My Valentine Bulletboys Bullets and Octane BUMP OF CHICKEN Buono! Burn the Priest Burning Witches Bury Tomorrow Bush Butch Walker Butcher Babies Cacoy Caesars Caliban callme Can't Swim Candlemass Candy Cane Hill Cannbal Corpse Capra Carcass CAROL Caroline Polachek Cars, the Catatonia Cathedral Cats in Boots Cavalera Conspiracy Cave in Celeste Chamber Charlatans, the Charlie Benante Charlie Sexton Cheap Trick chelmico Chelsea Wolfe Chemical Brothers, the Chic Children of Bodom Chip Z'nuff Chk Chk Chk (!!!) Chris Cornell Chris Poland Christina Aguilera Chrome Division Chthonic Chuck Berry Chvrches Cibo Matto Cigarettes After Sex Cinderella Circa Waves Clam Abuse Clash, the Classless Act Cleanbreak Click Five, the Clutch CO-FUSION Cocco Code Orange Coheed and Cambria Colbie Caillat Coldplay coldrain Comeback Kid Compilation Album COMPLEX Confusion Master Converge Corey Taylor Cornelius Cornershop Corrosion of Conformity Counterparts Courteeners, the Courtney Barnett Courtney Love Coverdale・Page Covet Cozy Powell CQ Cradle of Filth Crashdïet Crazy Lixx Cream Creature Creature Creed Creeper Cribs, the Crosses (✝✝✝) Crossfaith Crown the Empire Crown, the Cry of Love Cryptopsy Crystal Lake Cult, the Culture Club Cure, the Cutting Crew CYaRon! Cybernauts Cyhra Cymbals Cynic D'Angelo D'ERLANGER D-A-D D.A.N. Dachambo Daft Punk Damageplan Damn Yankees Damned Things, the Damned, the Damon Albarn Dance Gavin Dance Danger Danger Danko Jones Danny Elfman Danzig Dark Tranquillity Darkness, the Dashboard Confessional DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN DATS Datsuns, the Daughtry Dave Gahan Dave Lombardo David Bowie David Coverdale David Ellefson David Lee Roth David Sylvian Dead by April Dead by Sunrise Dead Cross Dead Daisies, the DEAD END Dead Kennedys Deafheaven Death Angel Death of Lovers Debbie Gibson DECAYS Deckard Dee Snider Deep Purple Def Leppard DEF.DIVA Deftones delofamilia Delorean Demolition 23. Departure, the Depeche Mode Deraps Derek Sherinian Desmond Child Destruction detroit7 Devil Wears Prada, the Devin Townsend Project Diamond Head DIAMOND☆YUKAI Diffuser Dillinger Escape Plan, the Dimmu Borgir Dinosaur Jr. Dio DIR EN GREY Dirty Honey Dirty Pretty Things Dirty Shirley Distillers, the Disturbed Dizzy Mizz Lizzy DMBQ Dogs D'Amour, the Dogs Die in Hot Cars Dokken Don Broco Don Dokken Donavon Frankenreiter Donnie Vie Doors, the Dorothy Down Down 'n' Outz downset. downy Dr. Feelgood Dragon Ash DragonForce Dream Theater Dream Widow Dreamboy Dreams Come True Dregen Drug Church DRY & HEAVY Dry Cleaning Dub War Duff McKagan Duran Duran Durbin DUST'N'BONEZ, THE Dweezil Zappa DYGL Dynazty Earthshaker eastern youth Echo & the Bunnymen Eclipse Eddie Vedder EGO-WRAPPIN' ELECTRAGLIDE Electric Century Electric Light Orchestra Electric Pyramid Electric Six ELLEGARDEN Elliott Smith Elton John Elvis Presley Eminem Emma Ruth Rundle Emperor Empire State Bastard Employed to Serve En Minor End Machine, the ENDRECHERI Enforcer Enter Shikari Entombed Enuff Z' Nuff Eric Clapton Eric Martin Erra Erykah Badu Eskimo Callboy Europe Eurythmics Evanescence Eve Every Time I Die Evil Stig Evile Ex: Re Exodus Explosions in the Sky Extreme Eyehategod E・Z・O Faceless, the Fair Warning Fairground Attraction Faith No More Falco Fall of Troy, the Fall Out Boy Faster Pussycat Fatboy Slim Fate Fates Warning Father John Misty Faye Webster Fear Factory Fear, and Loathing in Las Vegas Feeder Feeling, the Fever 333, the Fight Filter Finch Firehouse Firestarter Firewind Firstborne Fit for a King Five Finger Death Punch FKA Twigs Flaming Lips, the Flashcubes Flatbacker Fleetwood Mac Flotsam and Jetsam Flying Colors Flyleaf FM Foi Fontaines D.C. Foo Fighters Foreigner Fountains of Wayne fra-foa Francis Dunnery Frank Black Frank Turner Frankie Goes to Hollywood Franz Ferdinand Freddie Mercury Free Frost* Fudge Tunnel Fugees, the FUJI ROCK FESTIVAL Funeral for a Friend Futureshock Fuzzbubble G. Love Gabriels GALNERYUS Gamma Ray Garbage Garth Brooks Gary Moore GASTUNK Gatecreeper Gathering, the Gaupa Gene Simmons Genesis George Harrison George Lynch George Michael Georgia Satellites, the Get Up Kids, the GHEEE Ghost Ghost Inside, the Ghost Iris Ghostemane Ghostkid Gilby Clarke Gin Blossoms Ginger Wildheart Gits, the Giuda Glass Tiger Glassjaw GLAY Glenn Hughes GLIM SPANKY Go Ahead and Die GO!GO!7188 God is an Astronaut Godsmack Godspeed GOING STEADY GOING UNDER GROUND Gojira Goldie Lookin Chain Gorillaz Gotthard Graham Bonnet Grapevine Graupel GREAT ADVENTURE Great White Green Day Greg Puciato Greta Van Fleet Grey Daze Greyhaven Grimes GTR Guilty Kiss Gun Guns n' Roses H.E.A.T H.E.R.O. H.P. オールスターズ Hacktivist Halestorm Halford Halsey Hammer King Hanoi Rocks Hanson Harakiri for the Sky Hardcore Superstar Hardline Harem Scarem HARISS Harry Styles Hatebreed Haunted, the HAWAIIAN6 Hayley Williams HEAD PHONES PRESIDENT Health Heart Heartbreakers, the HEATWAVE Heaven & Hell Heaven Shall Burn Hell Freezes Over Hellacopters, the HELLO WORKS, THE Hellogoodbye Helloween Hellyeah Helmet HER NAME IN BLOOD Hermann H. & The Pacemakers Heroes and Monsters HEY-SMITH Hi-STANDARD hide HIGH and MIGHTY COLOR HIGH-LOWS, THE Higher Power HIM Hives, the Ho99o9 Hole Hollywood Rose Hollywood Vampires Honeycrack HoneyWorks Honne Hoobastank House of Lords Hu, the Huaska Hudson Mohawke Hurricane Hurricane #1 HUSKING BEE Hypocrisy I Mother Earth I Prevail I See Stars Ian Hunter Ibaraki Ice Nine Kills Iggy Pop Ihsahn Imminence Impellitteri Imperial State Electric In Flames In the Soup In This Moment Incubus Indianhead Infectious Grooves Inhaler INI INORAN Inter Arma International Noise Conspiracy, the Inxs Iron Maiden Issues It Bites Ithaca Izzy Stradlin J Jack Johnson Jack White Jaded Hearts Club, the Jake Bugg James Bay James Brown James Dean Bradfield James LaBrie Jamie XX Jamila Woods Jane's Addiction Janet Jackson Janis Joplin Japan Jeevas, the Jeff Beck Jeff Beck Group Jeff Buckley Jeff Healey Band, the Jeff Wootton Jellyfish Jerry Cantrell Jerusalem Slim Jessie Buckley Jesus & Mary Chain, the Jesus Jones Jet Jetboy Jim Steinman Jimi Hendrix Jimmy Eat World Jimmy Page Jimmy Page / Robert Plant Jinjer Joan Jett & the Blackhearts Joe Lean & the Jing Jang Jong Joe Lynn Turner Joe Perry Joe Satriani Joe Strummer & the Mescaleros Joel Hoekstra's 13 John Corabi John Diva & The Rockets of Love John Frusciante John Lennon John Mayer John Mellencamp John Sykes Johnny Thunders Johnny Winter Jomi Massage Jon Bon Jovi Jon Spencer Blues Explosion, the Jonathan Davis Josh Todd Josh Todd & the Conflict Joss Stone JOUJOUKA Journey Joy Division Judas Priest JUN SKY WALKER(S) Juno Reactor Jurassic 5 Justice Justin Timberlake JYOCHO Kaato Kadavar Kamasi Washington Kanye West Kaonashi Kasabian Katatonia Katmandu Keane Keith Richards Kelela Kelly Osbourne KEMURI Ken Yokoyama Kendrick Lamar Kenny Loggins KENZI & THE TRIPS Kerry King Khemmis Kid Laroi, the Kiko Loureiro Killer be Killed Killers, the Killing Joke Killswitch Engage King 810 King Crimson King Gizzard & the Lizard Wizard King Woman King's X Kingdom Come KinKi Kids Kirk Hammett KISS Kissin' Dynamite Kittie Kix KK's Priest Klan Aileen KLF, the Knack, the Knocked Loose KOOK Kooks, the Korn Korpiklaani Kottonmouth Kings Kraftwerk Kreator Kula Shaker Kurt Cobain Kurt Vile Kvelertak KXM Kylie Minogue Kyuss L'Arc-en-Ciel L.A.Guns La'cryma Christi LA-PPISCH Lacuna Coil Lady Gaga Lamb of God Landmvrks Last Days of April Laufey Led Zeppelin Lemon Twigs, the Lemonheads, the Lenny Kravitz Leprous Liam Gallagher Libertines, the Liella! Light the Torch Like a Storm Lil Uzi Vert Lily Allen Limp Bizkit Lindemann Lingua Ignota Linkin Park Lion Liquid Tension Experiment LiSA Lita Ford Little Angels Little Caesar Little Glee Monster Liturgy Living Colour Local Band, the Lock Up Lonerider Lordi Lords of Black LOST IN TIME Lotus Eater Lou Reed LOUD PARK LoudLion Loudness Love and Death LOVE PSYCHEDELICO LOVEBITES Loverboy LOW IQ 01 Luby Sparks Lucer Lucifer Lullacry LUNA SEA Lurking Fear, the Lynch Mob Lynyrd Skynyrd lyrical school M/A/R/R/S Machine Gun Kelly Machine Head Mad Capsule Markets, the Mad Season Madball Madonna Magic Numbers, the Maison book girl Mamiffer Mammoth Mammoth Mammoth WVH MAN WITH A MISSION Man, the Mando Diao Manic Eden Manic Street Preachers Manowar Mansun Mantar Marillion Marilyn Manson Mark Morton Mark Slaughter Marmozets Maroon 5 Mars Electric Mars Volta, the Marty Friedman Marvelous 3 Massive Attack Mastodon Matchbox Twenty Matt Bellamy Matt Cameron Matthew Sweet Mayhem McAuley Schenker Group MD.45 Mdou Moctar Meat Loaf Meathook Seed Megadeth MELTONE Melvins Mercury Rev Meshuggah Metal Church Metallica METALVERSE Methods of Mayhem Mew Michael Jackson Michael Monroe Michael Schenker Michael Schenker Fest Michael Schenker Group Michael Sweet Mick Jagger Mick Mars Mick Ronson Midnight Bankrobbers Midnite City Mighty Mighty Bosstones, the Migos mihimaru GT Mike Shinoda Ministry Mission, the Mitski MIYAVI MO'SOME TONEBENDER Moby MODS, THE Mogwai Mondo Generator Mondo Grosso Monkees, the MONO NO AWARE MONOEYES Monster Magnet Mooney Suzuki, the Mordred Morrie Mother Love Bone Motley Crue Motorhead Mott the Hoople Mountain Mouse on Mars Mr. Big Mr. Bungle Mr. Mister Mr.Children Mrs. Piss MUCC Mudhoney Mudvayne Muse Music, the Mutation My Bloody Valentine My Chemical Romance My Darkest Days My Dying Bride My Little Lover Myles Kennedy Myrkur Måneskin Møl Nailbomb NAMBA69 Nancy Wilson Napalm Death Nashville Pussy Nelly Nelson NEMOPHILA Nervosa Neurotic Outsiders Neve New Order New Years Day New York Dolls NewJeans NEWS Newsted NGT48 Nicke Borg Homeland Nickelback Night Ranger Nightwish Nile Nine Black Alps Nine Inch Nails Nirvana NiziU Noel Gallagher's High Flying Birds NoisyCell NOT WONK Nothing Nothing But Thieves nothing, nowhere. Nova Twins NOVEMBERS, THE Nuclear Valdez O.P.KING Oasis Obituary Oblivion Dust Obscura Ocean Colour Scene Ocean, the OCEANLANE Octavision Of Mice & Men Offspring, the OGRE YOU ASSHOLE Oingo Boingo Olivia Rodrigo ONE OK ROCK Oneohtrix Point Never Opeth ORANGE RANGE Oranssi Pazuzu Orbital Ordinary Boys, the Orgy Orianthi ORIGINAL LOVE Our Hollow, Our Home Out of This World Outkast Outrage Overkill Ozzy Osbourne Palace Palaye Royale Paledusk PALEDUSK Pallbearer Panic! at the Disco Pantera Papa Roach Paradise Lost Paradox Paramore Parkway Drive PassCode Patti Smith Paul Draper Paul Gilbert Paul McCartney Paul Rodgers Paul Stanley Paul Weller PE'Z Peach sugar snow PEALOUT Pearl Jam PENPALS Perfume Periphery PERSONZ Pet Shop Boys Peter Gabriel Phantom Excaliver Phantom Planet Phil Campbell and the Bastard Sons Phish Pig Destroyer pillows, the Pink Cream 69 Pink Floyd Pixies Placebo Plastic Tree Playmates, the Poison Polaris (Australia) Polaris (Japan) Police, the polly Polyphonic Spree, the POLYSICS Pop Evil Poppy Porcupine Tree Portishead Power Station, the Power Trip Powerman 5000 Praying Mantis Predators, the Pretty Boy Floyd Pretty Maids Pretty Reckless, the Pride & Glory Primal Scream Primus Prince Privates, the Probot Prodigy, the Prong Protest the Hero Public Enemy PUFFY Pulp PUNPEE pupa Pvris Qemists, the Queen Queen + Adam Lambert Queens of the Stone Age Queensryche Quicksand Quiet Riot Quireboys, the R.E.M. Raconteurs, the Radiohead RADWIMPS Rage against the Machine Raging Speedhorn Rainbow RAISE A SUILEN Rammstein Ramones RAMRIDER Rancid Randy Rhoads Rapture, the RAREDRUG Rasmus, the Ratt Raven RCサクセション Reckless Love Red Dragon Cartel Red Hot Chili Peppers Red Warriors Reef Refused Revolution Saints Rex Brown RHYMESTER Richie Kotzen Richie Sambora Ricky Warwick Ride Rina Sawayama Riot Riot V RIP SLYME Rise of the Northstar Rival Sons Riverdogs RIZE Rob Zombie Robert Palmer Robert Plant Rock City Angels ROCK IN JAPAN FESTIVAL Rock Star Supernova ROCKBOTTOM Rocket from the Crypt Rod Stewart Roger Daltrey Rolling Stones Rolo Tomassi ROMANS RON RON CLOU Ronnie Atkins Ronnie Wood Rooster ROOSTERS, THE Roselia ROSSO Rough Cutt ROVO Roxy Blue Roxy Music Royal Blood Royal Republic RSO Run D.M.C. Rush Russian Circles Ryan Adams Sabaton Sacred Reich Sads Saigon Kick Saint Snow Saint Vitus Salems Lott Sam Smith Samantha's Favourite Sami Yaffa Sammy Hagar Santa Cruz Santana Saosin Savages Savatage Saxon SBK Scissor Sisters Scorpions Scott Weiland Scour Screaming Soul Hill Sean Lennon Sebastian Bach Secret Machines SeeYouSpaceCowboy SEKAI NO OWARI Selfish Cunt Senses Fail Septic Tank Sepultura Serj Tankian Sevendust SEX MACHINEGUNS Sex Pistols Shadow King Shadows Fall Shark Island Sharon Van Etten Sharptooth Sheryl Crow Shinedown Shinning Shobaleader One showmore Siamese Sick of it all Sigh Sigue Sigue Sputnik Sigur Rós Silver Ginger 5 Silverstein Silvertide Simple Minds Simply Red SION Sixty-Eight Sixx:A.M. SKE48 SKETCH SHOW Skid Row Skillet skillkills Skills Skin Skindred Skunk Anansie Slash Slash's Snakepit Slaughter Slaughter to Prevail Slaves (US) Slayer Sleep Sleep Token Sleeping with Sirens sleepyhead Slipknot Sloan Slowdive SLY Smashing Pumpkins Smith/Kotzen Smiths, the smorgas SNAKE HIP SHAKES Sneeze Snow Patrol Snuts, the Sodom Soen SOFT BALLET Soft Cell Soilwork Sonics, the Sons of Apollo Sons of Texas SOPHIA sora tob sakana Soul Asylum Soul Flower Union Soul Glo Soulfly Soulsavers Soulwax Soundgarden South Spaghetti Vabune! Sparta Sparta Locals Spiritbox Spiritual Beggars Spiritualized Spoon Squarepusher SR-71 St. Vincent STALIN, THE Starcrawler Starmen Starset Static-X Steel Panther Steelheart Stella Donnelly Stenfors Stephen Pearcy Stereophonics Steriogram Steve Conte Steve Jones Steve Perry Steve Stevens Steve Vai Steve Whiteman Steve Winwood Steven Tyler Steven Wilson Stevie Salas Stevie Wonder Stick to Your Guns Stills, the Sting Stone Roses, the Stone Sour Stone Temple Pilots Stooges, the Stormtroopers of Death Strapping Young Lad Stratovarius StringerBessant Strokes, the Struts, the Stryper Strypes, the STU48 Style Council, the Styx Suede SuG Suicidal Tendencies Suicide Silence Sum 41 SUMMER SONIC Sunbomb SUPER BEAVER SUPER BUTTER DOG Super Furry Animals Super$hit 666 Superchunk Supergrass SUPERSNAZZ Survive Survivor Suspended 4th Sweet Sweet & Lynch Sweet Oblivion Swervedriver Switchfoot Syrup16g System of a Down Szuters, the T. Rex t.A.T.u. Taking Back Sunday Talas Tame Impala Tank task have fun Taylor Swift Tea Party, the Team Sleep Tears for Fears Tears, the Teenage Fanclub Television Temple of the Dog Temples TENDRE Terence Trent D'Arby Terrorizer Terrorvision Tesla Tesseract Testament THEE MICHELLE GUN ELEPHANT Them Crooked Vultures Therapy? THE冠 Thin Lizzy Thirteen Senses Thirty Seconds to Mars Thou Three Days Grace Thunder Thundercat Thundermother Thunderpussy Thy Art is Murder Times of Grace Tin Machine Tinted Windows TMG TNT To Kill Achilles Toad the Wet Sprocket Todos Tus Muertos Tokyo Dragons Tokyo Motor Fist TOKYO ZAWINUL BACH Tom Keifer Tom Misch Tom Morello Tomahawk Tommy Lee Tommy's Rocktrip Tony MacAlpine Tony Martin Tool Toro Y Moi Torres Tortoise Toto Touché Amoré Towers of London Traening Train Trapped Under Ice Travis Treatment, the TREEBERRYS Tribulation TRICERATOPS Trivium Trixter Turbulence Turmion Kätilöt Turnstile Twenty One Pilots Twisted Sister Two (2wo) Two Door Cinema Club Two Lone Swordsmen Tycho Tygers of Pan Tang Tyketto U.D.O. U2 UA UFO Ugly Kid Joe Ultraphonix Ultraísta Umbra Vitae Underoath Underworld Unearth United Unkle Uriah Heep Used, the UVERworld Vader Vain Van Halen Vandenberg Vandenberg's Moonkings Veil of Maya Velvet Revolver Venom Venom Prison Verve, the Vexed Vibrators, the Vicious Rumors Vince Neil Vinnie Vincent Invasion Violette Wautier Vivian Campbell Vixen Voivod Vola Volbeat Volumes VOW WOW VV (Ville Valo) w-inds. W.A.S.P. Wage War Waltari WANIMA Wardruna Wargasm (UK) Warrant Warrior Soul Waterparks Wavves Wear Your Wounds Weeknd, the Weezer Wet Leg Wham! Wheatus While She Sleeps White Lion White Stones White Stripes, the Whitechapel Whitesnake Who, the Wig Wam Wildhearts, the Wilko Johnson Willard, the Willow Winery Dogs, the Winger Wings Witch Witherfall Within Temptation Wombats, the Wrench W(ダブルユー) X JAPAN XG Xibalba Y&T Yeah Yeah Yeahs Year of the Knife Yellow Magic Orchestra YELLOW MONKEY, THE Yes Yngwie Malmsteen YO-KING Yo-Yo's, the YOASOBI Yonaka You Me at Six YUKI Yumi Zouma Yungblud Yves Tumor Zakk Sabbath Zakk Wylde ZAZEN BOYS Zeal & Ardor Zeppet Store ZIGGY ZYX ZZ Top ×ジャパリ団 μ's ℃-ute →Pia-no-jaC← 「100番勝負」 「10年前」 「1年のまとめ」 「20年前」 「AIN'T IT FUN」 「CCCD」 「DJ / イベント出演」 「R.I.P.」 「アクセスランキング」 「アンケート」 「ゾ」 「ネットラジオ」 「フェス」 「仕事紹介」 「再結成」 「分析ネタ」 「平成の30枚」 「私的ベスト10」 「記事一覧」 「音楽配信」 あぁ! おとぎ話 からあげ姉妹 くるり こぶしファクトリー すかんち どうぶつビスケッツ×PPP ぼくのりりっくのぼうよみ ももいろクローバーZ ゆず ゆらゆら帝国 アイドルネッサンス アンジュルム イヤホンズ インビシブルマンズデスベッド ウマ娘 ウルフルズ エイプリルズ エレファントカシマシ カントリー娘。 カントリー娘。に石川梨華(モーニング娘。) カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。) カーネーション キタニタツヤ キュウソネコカミ キリンジ ギターウルフ クマリデパート クラムボン クリープハイプ クレイジーケンバンド グループ魂 ゲスの極み乙女。 コンタクト サザンオールスターズ サバシスター サンボマスター サ上と中江 ザ・クロマニヨンズ スカート スガ シカオ スタァライト九九組 スチャダラパー ストレイテナー スネオヘアー スピッツ スーパーカー ソニン タンポポ チャットモンチー トリプルファイヤー ドレスコーズ ナンバーガール ニューロティカ ハナレグミ ハロー!プロジェクト ヒプノシスマイク ピーズ, The フィッシュマンズ フィロソフィーのダンス フジファブリック フラワーカンパニーズ フランシュシュ プッチモニ マキシマム ザ ホルモン ミドリ ミニモニ。 ムーンライダーズ メロン記念日 モーニング娘。 モーニング娘。おとめ組 モーニング娘。さくら組 ユニコーン ラストアイドル ラブライブ! ラブリーサマーちゃん レミオロメン ロッカーズ ロマンポルシェ。 三浦大知 中島美嘉 中村一義 中村佳穂 中澤裕子 乃木坂46 乃紫 乙女新党 人間椅子 伊藤美来 佐野元春 八代亜紀 凛として時雨 加藤いづみ 勝手にしやがれ 原田知世 吉井和哉 吉川晃司 和田彩花 坂本真綾 堂島孝平 夢眠ねむ 大塚愛 大槻ケンヂ 大江慎也 太陽とシスコムーン(T&Cボンバー) 奥田民生 奮酉 女王蜂 如月レオン 宇多田ヒカル 安倍なつみ 安全地帯 寺嶋由芙 小沢健二 小泉今日子 尾崎豊 岡村靖幸 岡村靖幸と石野卓球 左とん平 市井紗耶香 布袋寅泰 平井堅 後浦なつみ 後藤真希 忌野清志郎 怒髪天 惑星 折坂悠太 押尾コータロー 推定少女 揺らぎ 斉藤和義 斉藤壮馬 新垣結衣 日向坂46(けやき坂46) 日暮愛葉 星井七瀬 星屑スキャット 星野みちる 星野源 春ねむり 暴動クラブ 曽我部恵一 月島きらり starring 久住小春(モーニング娘。) 有村竜太郎 朝霧 Jam 木村カエラ 東京スカパラダイスオーケストラ 東京事変 東京女子流 松浦亜弥 松田聖子 柴田淳 桑田佳祐 森七菜 森重樹一 椎名林檎 椿屋四重奏 楠木ともり 櫻坂46(欅坂46) 氣志團 水曜日のカンパネラ 水瀬いのり 氷室京介 永井ルイ 沢田研二 浅井健一 浜崎あゆみ 浜田麻里 渋さ知らズ 片平里菜 玉置成実 玉置浩二 田中フミヤ 真心ブラザーズ 矢口真里 石川梨華 砂原良徳 私立恵比寿中学 筋肉少女帯 米津玄師 結束バンド 絢香 羅針盤 美勇伝 花冷え。 菊地成孔 藤本美貴 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 道重さゆみ 遠藤ミチロウ 金子ノブアキ 銀杏BOYZ 阿部真央 陰陽座 離婚伝説 電気グルーヴ 鞘師里保 頭脳警察 飯田圭織 齋藤飛鳥 10-FEET 1975, the 2 Many DJ's 22-20s 22/7 3 Colours Red 3 Doors Down 3rd Secret 3776 44MAGNUM 54-71 9mm Parabellum Bullet

カテゴリー