2017/02/28

BACKYARD BABIES『FOUR BY FOUR』(2015)

活動停止から5年ぶり、オリジナルアルバムとしては前作『BACKYARD BABIES』(2008年)から実に7年ぶりのニューアルバム『FOUR BY FOUR』。メンバーはニッケ・ボルグ(Vo, G)、ドレゲン(G, Vo)、ヨハン・ブロムクウィスト(B)、ペダー・カールソン(Dr)という不動の4人のままで、前作からの空白を一切感じさせないBYB流ロックンロール満載のアルバムに仕上げられています。

これだけ長い期間バンドとして活動していないと、再始動した際バンドとしての感覚を取り戻すためにまずツアーをしたりするケースが多いですが、彼らの場合はいきなりこのアルバムの制作に突入。通常はここでぎこちなさが表出してしまったり気合いのみが空回りしてしまったりするものの、BYBに関しては本当に“しっくり”きたんでしょうか、先に書いたように7年の空白が嘘のような通常営業っぷりなんですよね。

とはいえ、7年前からまったく成長していないのかというとそうではなく、ニッケやドレゲンのソロ活動での成果もしっかり反映されている。スクラッチなどの遊びが入ったオープニングトラック「Th1rt3en Or Nothing」なんて、従来のBYBらしさと今までになかったカラーが絶妙なバランスでミックスされているし、大陸的なバラード「Bloody Tears」あたりは完全にニッケのカラーが反映されたもの(同曲のMVは来日時に東京で撮影されたもの。必見)。かと思えば、7分にもおよぶブルージーかつダークな「Walls」のような新境地ナンバーもある。バンドとしてしっかり成長し、前進していることはこれらの楽曲からも伺えるんじゃないでしょうか。

もちろん、それ以外の楽曲は従来のBYBらしさに満ち溢れたものばかり。「I'm On My Way To Save Your Rock 'n' Roll」の前のめり感、適度な哀愁味を携えた「White Light District」、USパンクからの影響も強い「Never Finish Anythi」といったナンバーのみならず、その他の楽曲も“これぞBYB”と呼べるものばかりです。古くからのファンはもちろんのこと、「BYBってどんなバンド?」と初めて接する人にも優しい内容と言えるでしょう。

ただ、ひとつだけ苦言を呈するならば……7年待たされて、たった9曲で34分という短さはなんなの!?と。古き良き時代のロックンロールアルバムならばこれが正解なんだろうけど、時は2015年。正直物足りなさを感じてしまったのも事実です。まぁやたらめったらと曲数多くて60分超えてたり、ライブで演奏しない曲ばかりの内容になるよりはマシなのかな。彼らなりに「こんな時代だからこそ……」というアンチ精神もあってこの構成だとしたら、それは素直に受け入れることにします。だって、無駄が一切ないんだから。

個人的に残念だったのは、仕事の関係で2015年秋の『LOUD PARK 15』に足を運べなかったこと。さらにその時期、耳の病気を患ってライブにもあまり足を運ぶことができず、無理して地方でのワンマン公演にも行けなかった……本当に悔しい限りです。しかしながら、『FOUR BY FOUR』を携えて行われたツアーから、2016年2月のストックホルム公演を完全収録したライブDVD&Blu-ray『LIVE AT CIRKUS』が3月3日にリリースされるので、こちらの到着を楽しみに待ちたいと思います。



▼BACKYARD BABIES『FOUR BY FOUR』
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投稿: 2017 02 28 12:00 午前 [2015年の作品, Backyard Babies] | 固定リンク

2017/02/26

WHITESNAKE『THE PURPLE ALBUM』(2015)

2008年に『GOOD TO BE BAD』、2011年に『FOREVERMORE』というオリジナルアルバムを発表し、それぞれ英米で(80年代には及ばないものの)まずまずの成績を残してきたWHITESNAKE。4年ぶりの新作として発表されたのが、デヴィッド・カヴァーデイル(Vo)がDEEP PURPLE在籍時に制作した3枚のアルバム、『BURN』(1974年)、『STORMBRINGER』(1974年)、『COME TASTE THE BAND』(1975年)からセレクトされた楽曲をセルフカバーした通算12枚目のスタジオアルバム『THE PURPLE ALBUM』です。

思えばWHITESNAKEは90年代にも「Soldier Of Fortune」(『STORMBRINGER』収録)をカバーしていましたし、もっとさかのぼれば70年代に「Mistreated」(『BURN』収録)もピックアップしていましたしね。ただ、前者に関しては非常にレアな機会に歌われていただけだし、後者は持ち曲が少ない時期にライブで披露していたという理由があったわけで、そこに変な意味合いはなかったはず。ところが、2000年代に入ってからの再結成では「Burn」からライブを始めたり、その「Burn」と「Stormbringer」をメドレー形式で演奏したりと急にパープル曲が増え始めた。当時はラッキーと思いつつ、「なぜ今パープルよ?」という複雑な心境になったものでした。

そんなですから、このアルバムを制作すると決まったときは、やはりモヤモヤした気持ちに。最近ライブでカヴァーデイルが声出なくなってきてるからチューニング下げまくりなところに、一番若々しかった時代の曲をセルフカバーって……はい、不安しかありませんでした。しかも、本作制作前には2000年代のWHITESNAKEにとって重要な存在だったダグ・アルドリッジ(G)が脱退。替わりに加入したのがNIGHT RANGERのジョエル・ホークストラだっていうんだから……ジョエルにブルースのブの字も感じたいことないし、どちらかというともう1人のギタリスト、レブ・ビーチと同系統だと思っていたので、不安以外のなにものでもありませんでしたよ。

いざ完成した『THE PURPLE ALBUM』は、予想通りチューニング下げまくり。ただ、「Stormbringer」や「Love Child」「The Gypsy」みたいなヘヴィで引きずるようなミドルチューンにはローチューニングは合ってるかな。とはいえ、「Burn」はやっぱり原曲のキーあってこそだという思いが強いし、「Sail Away」のアレンジも凡庸。名曲中の名曲「Soldier Of Fortune」もわざわざチューニング下げなくても歌えたんじゃないかと思うんですが……原曲への思いが強いだけに、ちょっと残念でなりません。

曲によっては新たな解釈が加えられており、“あくまでWHITESNAKEのアルバムですよ”との主張が感じられる。もちろんそれは正しいんだけど、だったらそのテイストの新曲を作れなかったのかなと。オリジナル曲半分、お遊びで新解釈のカバー半分みたいな作品作りもできたはずなのに、ただ曲数が多くて長いアルバムで終わっちゃってる気がします。そして、やっぱりデヴィッドの衰えだけが目立ってしまうという……だからこそ新曲で勝負してほしかったな。

かなりネガティブなことばかり書いてしまいましたが、すべてがすべて悪いというわけではないですよ。上に挙げたようなミドルヘヴィナンバーは原曲に匹敵するカッコよさが感じられたし、なにより個人的には久しぶりに聴いた『COME TASTE THE BAND』からの楽曲がこんなに良かったっけ?という新たな発見もありましたし。このアルバム、20代前半に聴いたっきりだったので、これを機に改めて聴き直そうと思ったくらいですから。そこに気づかせてくれたという点においては、僕にとっても意味のあるアルバムだったのかもしれません。聴く頻度は非常に低いですけどね(苦笑)。

最後に。本作は2012年に亡くなったDEEP PURPLE、WHITESNAKEのキーボーディスト、ジョン・ロードに捧げられた作品とのこと。本当にそうだとしたら、なおさらオリジナル曲を届けてほしかったな……シンガーとしての寿命も(普通に考えたら)この先決して長くはないだけに……という、好きすぎるからこその苦言でした。



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投稿: 2017 02 26 12:00 午前 [2015年の作品, Deep Purple, Whitesnake] | 固定リンク

2017/02/23

THUNDER『WONDER DAYS』(2015)

2000年の解散以降、何度か再結成〜解散を繰り返していたイギリスの至宝THUNDER。近年では2009年に再解散したものの、2011年には早くも一度限りの(そして何度目かの)再結成。そのまま2013年には『DOWNLOAD FESTIVAL』をはじめとするフェスに出演し、同年秋には来日公演を実施。さらに2014年秋には『LOUD PARK 14』出演のため再来日も果たしました。そこで彼らは新曲をいち早く披露。このうちの1曲が、翌2015年2月にリリースされた、実に6年ぶりのニューアルバム『WONDER DAYS』のタイトルトラックだったのでした。

スタジオアルバムとしては通算10枚目となる本作は、往年の輝きを再び取り戻したかのようなみずみずしさと、長きにわたり活動してきた大御所ならではの貫禄が絶妙なバランスでミックスされた、再結成後の作品としてはベストと呼べる内容。アルバムのオープニングを飾るタイトルトラック「Wonder Days」は、適度な泣きメロとパワフルな演奏&アレンジは初期3作にも匹敵するものがあります。そこからストーンズライクな「The Thing I Want」へと自然と流れていき、トラディショナルなアコースティックナンバー「The Rain」、スウィング感が心地よい「Black Water」、緊張感みなぎる疾走チューン「The Prophet」と続き、従来のカラーとこれまでには感じられなかった質感が見事に織り交ぜられています。

後半も“これぞTHUNDER”な楽曲が続きます。適度な軽やかさと大きなノリがアダルトな雰囲気を醸し出す「Resurrection Day」、リフでグイグイ引っ張るミドルヘヴィナンバー「Chasing Shadows」、ダニー・ボウズ(Vo)の渋みが増したボーカルが存分に味わえるピアノバラード「Broken」、リフやメロディなど何から何までがTHUNDERでしかない名曲「When The Music Played」、ブルーステイスト濃厚なブギー「Serpentine」、LED ZEPPELINでいうところの「Rock And Roll」的な“何も考えずに踊れるロックンロール”「I Love The Weekend」……ホント、捨て曲一切なし。すごいアルバムだと思います。

確かに初期3作と比べたら、あそこまでの派手さはありません。しかし、少なくとも『THE THRILL OF IT ALL』(1996年)や『GIVING THE GAME AWAY』(1999年)に続く作品でも違和感がないほどの勢いや気概は過去数作以上だし、それでいて結成から30年近く経ったベテランだからこその貫禄と説得力も持ち合わせている。何度かの解散を経て、改めてこのタイミングにバンドとしての原点に立ち返ったのか、それとも「もういろいろやってきたんだから、好きなことだけやろう」と開き直ったのか。理由はなんにせよ、とにかく今このタイミングだからこそ完成させることができた傑作であることには違いありません。それもあってか、このアルバムは『BEHIND CLOSED DOOR』(1995年)以来20年ぶりに全英チャートでトップ10入り(9位)を達成しています。2000年代の再結成後に発表したどのアルバムも50〜70位台だったことを考えれば、いかにすごい結果かがご理解いただけると思います。

なお、本作は『WACKEN OPEN AIR 2013』のライブ音源を収めたボーナスディスク付き仕様も用意。さらに日本盤のみ、アルバム未収録の新曲4曲を収めたEP『KILLER』も付いた3枚組仕様が存在するので、THUNDERにちょっとでも興味があるという人は迷わずこちらをゲットしていただけるとよろしいのではないでしょうか。

いやぁ、それにしても本当にすごいアルバムだ。2000年に解散をしたときは、まさか15年後にまたこんなすごいアルバムを聴くことができるようになるとは思ってもみなかったよ。



▼THUNDER『WONDER DAYS』
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投稿: 2017 02 23 12:00 午前 [2015年の作品, Thunder] | 固定リンク

2017/01/25

DISTURBED『IMMORTALIZED』(2015)

2000年代に登場したバンドの中でも、DISTURBEDが“HR/HM界最後の砦”的存在としてリスペクトされていることを知る人は多いかもしれません。そんな彼らが4年近くにおよぶ活動休止期間を経て、2015年8月に発表したのが本作『IMMORTALIZED』。通算6枚目のオリジナルアルバムであり、2002年の2ndアルバム『BELIEVE』から5作連続で全米1位を獲得する快挙を成し遂げた記念碑的作品でもあります。

デビューした頃こそ“ニューメタル”と揶揄された彼らですが、彼らのような比較的正統派HR/HMに近いテイストを持つバンドがヒットチャート上でも成功を収めるケースは、ここ10年ほどでかなり少なくなりました。だからこそ彼らの5作連続1位はかなりインパクトがあり、若手(といってもすでにデビューから15年以上経ったベテラン組ですが)のトップランナーと捉えられているのも仕方ないのかもしれません。

ですが、2008年の4th『INDESTRUCTIBLE』、2010年の5th『ASYLUM』は僕個人的に厳しい内容でした。最初の3作の延長線上にある作風なのは仕方ないにしても、同じようなタイプの楽曲が続くことで若干の退屈さを感じてしまっていたのです。ミドルテンポの楽曲が中心となる彼らの場合、いかにしてアレンジやメロディにフックを仕込むかが重要になるだけに、少なからずマンネリ感が漂っていた4thと5thにはそこが足りなかったのではないかと今でも思っています。

ところが、『ASYLUM』から5年ぶりに発表された『IMMORTALIZED』は、アルバムを通して聴いても不思議と飽きがこない。ボーナストラック含め全16曲で66分と非常に長尺な作品集なのですが、意外と最後までスルスル聴けてしまったのです。もちろん久しぶりのアルバムということもあってメンバーの気合いも過去数作以上だったでしょうけど、それにしてもこの充実ぶりはなんなんだろう?と不思議に思ってしまうほど。曲順の妙技も大きいと思いますが、1曲1曲をピックアップすると、やはりかなり練り込まれていることが伺えます。タイトルトラック「Immortalized」しかり、テンポ感で緩急をつける「What Are You Waiting For」しかり、昨今のエモでの流行を取り入れたかのようなアレンジの「You're Mine」しかり。後半に同じテンポ感の楽曲がいくつか続きますが、今回はダレることなく楽しめました。

そして、“DISTURBEDといえばカバー”という人の声に応えるかのように、今作ではサイモン&ガーファンクルの超有名曲「The Sound Of Silence」をピックアップ。メタルバンドのカバーというよりも、壮大なアクション映画のエンディングに流れそうなボーカル曲に仕上がっているのには苦笑いですけどね。でもバラードらしいバラードが皆無な中、唯一のスローナンバーなので逆に新鮮味が残ります。

このアルバム、2015年8月発売にも関わらず、パッケージ(CD)としては2016年にMETALLICAの新作(51.6万枚)の次に(29.8万枚)売れたメタルアルバムだそうです(ソース)。これにより同作はトータルセールス50万枚を突破。パッケージが売れなくなった時代に、しっかり数字で結果を残したのですから、さすがとしか言いようがありません。



▼DISTURBED『IMMORTALIZED』
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投稿: 2017 01 25 12:00 午前 [2015年の作品, Disturbed] | 固定リンク

2016/12/30

DEAFHEAVEN『NEW BERMUDA』(2015)

海外では2015年10月、ここ日本ではだいぶ遅れて2016年6月に発表された、DEAFHEAVENの3rdアルバム。過去2作はここ日本でもインディー流通でしたが、今作からはメジャーのソニーからの発売(海外ではEpitaph Records系列のAnti-Recordsに移籍)。と同時に、今年7月開催の『FUJI ROCK FESTIVAL '16』が決まったことで、ここまで国内リリースが延びたのかなと。プロモーション的には正しいんだろうけど、こんな名盤を8ヶ月も放っておくなんて、なんて勿体ないことをするんだろう……。

2013年の前作『SUNBATHER』は個人的にも相当気に入っており、同年のベストアルバム10枚に選出しておりました。だからこそ、本作もリリースと同タイミングで輸入盤を購入したのですが、とにかく1曲が長く、全5曲のすべてが8分以上。内2曲が10分超えという大作のため、聴き込むのにかなり時間を要してしまい、昨年のベストアルバム候補に入れつつも最終的には外すこととなったのでした。

あれから1年以上経ち、しかもフジロックでの来日を前に時間をかけて聴き込んだことで、かなり体に入ってきたと思います。今回は前作『SUNBATHER』で見え隠れしたアンビエント的な要素が後退。むしろ初期から持つブラックメタル&シューゲイザー的要素がより強まった印象があります。と同時に、前作にもあった開放感も備わっていることで、長尺の中で暴力的なのにドラマチックという展開が繰り広げられます。

ブラストビートとトレモロギターリフとデス声、そこに突如訪れるドリーミーなダウンドメイキング。このメリハリは前作以上で、シューゲイザーやドリームポップというよりは、ブラックメタルやポストハードコアから影響を受けたプログレメタルという印象が強いかな。ポジとネガを行き来する音の洪水に飲み込まれた瞬間、抵抗できずそこから抜け出せなくなる。そんな有無を言わさぬ凄味を持つ力作だと思います。

フランスのALCESTなど、ブラックメタルをルーツに持つシューゲイザー/ポストメタルバンドは増えていますが(今年発売されたALCESTの新作『KODAMA』もなかなかでした。こちらもいずれ紹介したいと思います)、この『NEW BERMUDA』(『絶海』という邦題も素晴らしい)はメタルサイドにも、そしてシューゲイザーなどを好むオルタナギターロック好きにもオススメしたい1枚。『SUNBATHER』はちょっと苦手だと思っていたメタル側の方々にも、十分に響く内容だと思います。



▼DEAFHEAVEN『NEW BERMUDA』
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投稿: 2016 12 30 12:00 午後 [2015年の作品, 2016年の作品, Deafheaven] | 固定リンク

2016/12/28

MOTORHEAD『BAD MAGIC』(2015)

2015年8月にリリースされた、MOTORHEADの事実上ラストアルバム。もちろん発売当初はこれが最後の作品になるなんて、考えてもみなかったし、その直前に行われた『FUJI ROCK FESTIVAL '15』での久々の来日公演を観て「次は新作発表後にフルでみたい」と思ったくらいでしたから。

レミー(Vo, B)、フィル・キャンベル(G)、ミッキー・ディー(Dr)の3人が揃って23年、このトリオ編成になってからはまるまる20年というタイミングに制作された今作。22枚のオリジナルアルバムということらしいですが、とにかく彼らは勤勉で、2010年の『THE WORLD IS YOURS』から2013年の『AFTERSHOCK』で3年空いたぐらいで、それ以外はほぼ2年に1枚のペースでアルバムを制作しています。しかもMOTORHEADの場合、アルバムごとに作風を変えるとか新しいことに挑戦するといったことはほぼ皆無で、どの曲がどのアルバムに入っていても不思議じゃないくらい安定した“これぞMOTORHEAD”な楽曲群を提供してくれるのです。そういうバンドのアルバムに対して、こういうレビューが果たして必要なのかとも思いますが、まぁやってみようじゃないですか。

M-1. Victory or Die
レミーの歌からスタートする、アップテンポのMOTORHEAD流ロックンロール。このリフ、以前も聴いたことあるけど気にしない。途中で展開が入ってメロの雰囲気が変わり、そのままギターソロへと流れていく構成がカッコいい。さらにソロ明け、ドラムとレミーの歌だけになるとさらにカッコよさが増します。

M-2. Thunder & Lightning
THIN LIZZYの同名曲とは無関係ですが、MOTORHEADのほうもTHIN LIZZYのそれと同じくらいのファストナンバー。「Ace of Spades」タイプといえば伝わるでしょうか。

M-3. Fire Storm Hotel
アップチューン2曲からテンポダウンして、小気味が良いリズム感のミドルチューン。ここまでの流れが本当に心地よい。

M-4. Shoot Out All of Your Lights
ミッキーの鋭いドラミングから、そのままツーバス踏みまくりのミドルテンポ、サビでテンポアップというヘヴィな1曲。ライブでのコール&レスポンスが目に浮かびます。

M-5. The Devil
不穏なイントロから、引き摺るようなヘヴィなテンポ感。そのまま歌に入るとテンポアップして、気持ち良く踊れます。サビでのタメの効いたリズムに、思わず首を振りたくなったりも。ちなみにこの曲、ギターソロをQUEENのブライアン・メイが弾いてます。

M-6. Electricity
何も考えずにヘドバンできる、アッパーなロックンロール。説明など必要なし。

M-7. Evil Eye
イントロのグルーヴィーなドラミングから一変、ストレートに突っ込んでいくファストチューン。サビでのレミーの、ドスの効いた声が最高。

M-8. Teach Them How To Bleed
これもファストチューン。今回のアルバム、思っていた以上に速い曲が多くて当時驚いた記憶が。

M-9. Till The End
泣きメロが印象的な、いわゆるバラードタイプの1曲。レミーはこういう楽曲を歌わせても天下一品。今作収録のオリジナル曲では、この曲が一番長い(4:05)というのも驚き。他は全部2〜3分台だし(そりゃ速い曲ばかりだしね)。

M-10. Tell Me Who To Kill
再びアップテンポのロックンロールへ。ギターよりもベースが前に出てる印象。

M-11. Choking On Your Screams
前の曲よりちょっとだけテンポを落としてるけど、それても速めの1曲。終始がなるようなボーカルが、不穏な空気を作り上げてます。

M-12. When The Sky Comes Looking For You
3連リズムのハードロック風アップチューン。本当にこのアルバム速い曲ばかりで、改めて生き急いでたなと実感させられます。ただ、速い曲の中でもいろんなテンポ感、いろんなリズムを使い分けることでバリエーションを作っているところは流石だと思います。

M-13. Sympathy For The Devil
アルバムラストを飾るのは、ROLLING STONESの名曲カバー。なぜこの曲で締め括る? そもそもなぜこの曲を選んだ? MOTORHEADってカバー曲のセンスが悪いよね。まぁそこがいかにもMOTORHEADらしいよね、とも思うんですが。そして、この曲がMOTORHEADのラストナンバーというのも意味深というか……。ただ、アレンジはさすがにカッコいいです。

以上、無駄に全曲解説をやってみましたが、解説するようなアルバム、楽曲ではないんですけどね。まぁ……面白いかなと。これ、今後もMOTORHEADのアルバムを紹介するときは毎回同じようにやってみようかな。常に同じこと書いてたりしてね(笑)。

あれから1年。早いもんですね。思えばここから始まったんですよね。早くこの負の連鎖を断ち切れないものですかね……。



▼MOTORHEAD『BAD MAGIC』
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投稿: 2016 12 28 12:00 午後 [2015年の作品, Motörhead, 「R.I.P.」] | 固定リンク

2016/12/26

STRYPER『FALLEN』(2015)

アメリカのクリスチャンメタルバンド、STRYPERが2015年秋に発表した通算11枚目のオリジナルアルバム。彼らは80年代半ばから後半にかけて活躍するものの、90年代に入ってしばらくすると解散。スポット的な復活がありながらも、2003年から本格的に復活。解散前(5枚)と解散後(6枚+α)では、解散後のほうがすでにアルバム制作枚数が多いんですね。ホント、勤勉なバンドだと思います。

しかし、『TO HELL WITH DEVIL』(1986年)、『IN GOD WE TRUST』(1988年)の時期が個人的なピークだったこともあってか(『IN GOD WE TRUST』期には武道館公演にも足を運ぶくらい好きでしたし)、なぜか再始動後のオリジナルアルバムには一切触れずに来ました。たぶん、再レコーディングされた「In God We Trust」(2005年のアルバム『REBORN』収録)が個人的にピンと来なかったのが理由だと思います。

しかし、マイケル・スウィートのソロアルバムレビューに書いたように、昨年SWEET & LYNCHのアルバムをきっかけにSTRYPER熱が再発。しばらくはSWEET & LYNCHを聴き返す日々でしたが、半年以上経ってから発売されたこの最新アルバム『FALLEN』でようやく新生STRYPERを本格的に聴き始めたわけです。

アルバムを聴いてまず感じたのは、「あ、これ僕が知ってる“あの”STRYPERだ!」ってこと。多くの再結成バンドが解散前の作品をなかなか超えられないのと同様に、STRYPERも『SOLDIERS UNDER COMMAND』(1985年)から『IN GOD WE TRUST』あたりの作品を超えるのは難しいんじゃないかと勝手に思い込んでいたんです。

ところが1曲目「Yahweh」(日本語で言うところのエホバの意)の冒頭、聖歌のようなコーラスから始まり、曲が進行するにつれ曲調が次々に変化していくアレンジにいきなり惹きつけられます。その後も「Fallen」「Pride」といった彼ららしいミディアムテンポの楽曲があったり、アコースティックバラード「All Over Again」があったり、クリスチャンバンドがBLACK SABBATHをカバーする意外な「After Forever」、ストレートなファストナンバー「Till I Get What I Need」「The Calling」「King Of Kings」など、どこを切っても「これぞSTRYPER!」という楽曲ばかり。終盤の畳み掛けも気持ちいいし、とにかく最後まで飽きずに楽しめる良質のハードロックアルバムに仕上がっています。

ひとつだけ難をつけるとするならば、「Together As One」「Honestly」「I Believe In You」といった過去のアルバムに必ず1曲は収録されていたピアノバラードがなかったこと。「All Over Again」にようにレイドバックしたバラードも悪くないですが、上記に挙げたピアノバラードのSTRYPERにとっては大きな武器のはず。なかなかこれらの楽曲を超えるのは難しいかと思いますが、ぜひ今後は新たなピアノバラードでリスナーを感涙させてほしいなと思います。

同時代にシーンを盛り上げたバンドたちが同じように再結成するも、なかなかここまでのレベルの作品を生み出せていない現在。STRYPERのようなバンドの存在は非常に貴重です。今年4月の来日公演も大成功だったようですし、今後もこのまま安定した活動継続と良質な作品発表を続けてほしいですね。



▼STRYPER『FALLEN』
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投稿: 2016 12 26 12:00 午後 [2015年の作品, Stryper] | 固定リンク

2016/12/21

BRING ME THE HORIZON『THAT'S THE SPIRIT』(2015)

2015年秋にリリースされた、BRING ME THE HORIZONにとって通算5枚のオリジナルアルバム。全英2位、全米2位という、それまでのキャリアでともに最高位を記録しただけでなく、バンドの新境地を伝える斬新な1枚でもあります。

初期のデスコア路線こそがBMTHだ!という人にとっては、キーボーディストを正式メンバーに迎えて制作された前作『SEMPITERNAL』(2013年)以降の流れには不満かもしれません。事実、僕も最初に『SEMPITERNAL』からのリード曲「Sleepwalking」を聴いたときは正直ショックでしたし、慣れるまでにしばらく時間がかかりました。とはいえ、『SEMPITERNAL』というアルバム自体はそれ以前の作風も含まれており、聴き込めば聴き込むほぼハマっていく不思議な魅力が備わっていたのも事実です。

その流れで発表されたこの『THAT'S THE SPIRIT』では、いわゆるスピードナンバーを完全排除し、ミドルテンポ中心の中でサウンドメイキングで緩急をつけるという挑戦的な内容。ギターのローサウンドとメランコリックなシンセサウンドの融合、そこにオリヴァー・サイクス(Vo)の歌メロを大切にしたボーカルが乗る作風は、それまでのBMTHを考えれば新鮮以外のなにものでもなく、曲によっては「LINKIN PARKかよ!」とツッコミたくなるくらい屈託ない楽曲が並びます。

彼らがこのタイミングでいわゆる売れ線を狙ったとは思えませんし、単に音楽の趣味が拡散した故のこの作風なんだと思いますが、いかがでしょうか。彼らがそれまで軸足を置いていた村からはケチョンケチョンに酷評されたようですが、僕自身はバンドとしての新たな可能性を感じたし、むしろ「この次」こそが真の勝負作なんじゃないかと感じています。過去からの脱却を経て、彼らがどこに進むのか。それがヘヴィロックの未来につながるんじゃないか、そう信じています。

昨年、僕は自身のサイトや各誌で求められた年間ベストアルバムにて、このアルバムを1位に選びました。あれから1年経ちましたが、その考えは今も変わっていません。事実、今年1年も本当に聴きまくったアルバムですし。だからこそ、今年頭に予定されていた久しぶりの単独来日公演が延期(事実上の中止)になってしまったのは残念でなりません。このアルバムのタイミングで彼らを日本で観ることができないなんて……ライブを見せることで、このアルバムに対する評価も少しは変わったかもしれないのに。



▼BRING ME THE HORIZON『THAT'S THE SPIRIT』
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投稿: 2016 12 21 12:00 午後 [2015年の作品, Bring Me The Horizon] | 固定リンク

2016/12/16

DEF LEPPARD『DEF LEPPARD』(2015)

ブライアン・アダムス『WAKING UP THE NEIGHBOURS』について語っていたら、続いてDEF LEPPARDのことも書いてみたくなったので、昨年発売された最新アルバム『DEF LEPPARD』についてもレビューしてみたいと思います。

スタジオアルバムとしては2008年の『SONGS FROM THE SPARKLE LOUNGE』以来7年ぶりとなる今作は、デビューから所属したメジャーレーベルのMercury Recordsを離れて最初の新作。よくDEF LEPPARDはオリンピックイヤーに(4年に1枚)アルバムを出すなんて揶揄されてきましたが、今回は過去最長の7年というブランク。とはいえ、バンドはその間に毎年のようにツアーを行っていましたし、2011年には新曲を含むライブアルバム『MIRROR BALL』、2013年には代表作『HYSTERIA』の完全再現ライブの模様を収めたライブアルバム『VIVA! HYSTERIA』も発表しているので、そこまで空いたという感覚がないのも事実。2008年、2011年にはそれぞれ来日公演も敢行されましたし、人によっては7年というブランクに驚くかもしれません。

この7年の間に、音楽産業も大きな変化を遂げました。それにより、80〜90年代にパッケージをバカスカ売り上げていたDEF LEPPARDのようなバンドにとってかなり厳しい時代に突入しました。そんな時代に、彼らがニューアルバムをパッケージでリリースする意味はあるのだろうか。おそらく僕ら以上に当のメンバーはよりそんなことを考えたのではないでしょうか。

しかし、彼らはそんな不安を払拭するような傑作を作り上げた。しかもアルバムタイトルに堂々とバンド名を冠した、自信作を。外部ソングライターを一切入れず、気心知れた面々だけで制作された本作は、『PYROMANIA』や『HYSTERIA』ほどの緻密さはなく、適度なラフさを伴っています。楽曲のタイプ的には先の2作をより深化させたものに、バンドのルーツを感じさせるブリティッシュロック/ポップの流れにあるものばかり。1曲1曲が比較的聴きやすい長さで、全14曲中2分台が2曲、3分台が6曲、4分台が3曲、5分台が3曲で計52分。過去の作品には6分を超える大作が1曲は入っていましたが、今回は極力無駄なアレンジを排除しているのも印象的です。

40年近くバンドを続け、セールスという点では満足行くほどのヒット作を連発した。メンバーに不幸が出来事が続いたし(本作制作中に発覚したいヴィヴィアン・キャンベルのガンもそのひとつ)、この先あと何年今の活動を続けられるのか……そう考えたときに、リラックスして好きなものを作るという答えたに到達した。それが今作だったのではないでしょうか。

個人的には昨年のベスト10枚に選出はしませんでしたが、そこに限りなく近い位置にある1枚なのは間違いありません。だって、リリースから1年以上経ってもいまだに聴いているんですから。シンプルだからこそ飽きが来ない、いつ聴いても単純に楽しいと思える、そんなアルバムです。



▼DEF LEPPARD『DEF LEPPARD』
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【DEF LEPPARD ディスクレビュー一覧】
『HIGH'N'DRY』(1981)
『PYROMANIA』(1983)
『HYSTERIA』(1987)
『EUPHORIA』(1999)
『X』(2002)
『YEAH!』(2006)
『DEF LEPPARD』(2015)

投稿: 2016 12 16 03:00 午前 [2015年の作品, Def Leppard] | 固定リンク

2015/12/31

2015年総括(1):洋楽アルバム編

さて、2015年もあとちょっとで終わりということで、今年を総括してみたいと思います。

毎年恒例となりましたが、その年のお気に入りアルバムを洋楽10枚(+次点10枚)、邦楽10枚(+次点10枚)、2015年気になったアイドルソング10曲(次点なし)、そして今年印象に残ったライブ3本をピックアップしました。アルファベット順、五十音順に並べており、順位は付けていませんが特に印象に残った作品 / 楽曲には「●」を付けています。

特にこの結果で今の音楽シーンを斬ろうとかそういった思いは一切ありませんので、あしからず。あといろんなところに貼り付けたりFacebookでシェアされても恥ずかしいだけなので、やめておいてもらえるとありがたいです。本当にごく私的な、単純に気に入った/よく聴いたレベルでの「今年の10枚」ですからね。

あ、今年から動画を貼り付けてるので、各項目ごとにエントリー分けしてあります。まずは洋楽アルバム編です。

■洋楽10枚(アルファベット順)

●Bring Me The Horizon『That's The Spirit』(amazon

・Grimes『Art Angels』(amazon

・Hudson Mohawke『Lantern』(amazon

・Jamie XX『In Colour』(amazon

・Jeff Lynne's ELO『Alone In The Universe』(amazon

・Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』(amazon

・Motörhead『Bad Magic』(amazon

・The Prodigy『The Day Is My Enemy』(amazon

・Slayer『Repentless』(amazon

・Venom『From The Very Depths』(amazon

<次点>
・Backyard Babies『4our By 4our』
・Beach House『Depression Cherry』
・The Chemical Brothers『Born In The Echoes』
・Chvrches『Every Open Eye』
・Def Leppard『Def Leppard』
・Faith No More『Sol Invictus』
・Keith Richards『Crosseyed Heart』
・Muse『Drones』
・New Order『Music Complete』
・Tame Impala『Currents』

上半期は完全にMuse『Drones』だったんですよね。少なくともフジロック終了後までは。でも9月に入ってBMTHにノックアウトされて完全にこっちに。1月の来日公演、非常に楽しみです。正直、それ以外のアルバムは次点の10枚を含めてそんなに差がないかも。なので、日によってこのへんが入れ替わる感じですかね。

ただ、Motörheadに関しては昨日の今日なので仕方ないかなと。なんかもう記憶、記録としてここに残しておかないといけない気がしたので、無理くり上位10枚に入れました。本当はこんなことなく、もっとフラットに接したかったんだけどね……残念でなりません。

邦楽アルバム編に続く)

投稿: 2015 12 31 11:59 午後 [2015年の作品, 「1年のまとめ」] | 固定リンク

2015年総括(2):邦楽アルバム編

洋楽アルバム編に続いて、邦楽アルバム編。こちらのエントリーでは2015年もっとも気に入った邦楽アルバム10枚(+次点10枚)を紹介します。


■邦楽10枚(アルファベット→五十音順)

・BOOM BOOM SATELLITES『Shine Like A Billion Suns』(amazon

・callme『Who is callme?』(amazon

・Ken Yokoyama『Sentimental Trash』(amazon

・Mr.Children『REFLECTION {Naked}』(amazon

・NOT WONK『Laughing Nerds And A Wallflower』(amazon

●WANIMA『Are You Coming?』(amazon

・トリプルファイヤー『エピタフ』(amazon

・星野源『YELLOW DANCER』(amazon

・真心ブラザーズ『PACK TO THE FUTURE』(amazon

・吉井和哉『STARLIGHT』(amazon

<次点>
・3776『3776を聴かない理由があるとすれば』
・MONOEYES『A Mirage In The Sun』
・NoisyCell『Sources』
・→Pia-no-jaC←『BLOOD』
・skillkills『Ill Connection』
・筋肉少女帯『おまけのいちにち(闘いの日々)』
・私立恵比寿中学『金八』
・水曜日のカンパネラ『ジパング』
・ドレスコーズ『オーディション』
・乃木坂46『透明な色』


いろいろ悩んだ挙句、WANIMAを2015年の1枚に選びました。これは2016年への期待値も込めて、ということで。実際何と悩んだかというとミスチル、星野源、吉井和哉だったりします。前者2組のポップネスは今の自分にとってど真ん中だし(そういう意味ではWANIMAが持つポップネスもこれに値するかなと)、吉井に関してはTHE YELLOW MONKEY時代から今日までの総括的内容だったもので。まあ吉井の場合は「次」がより楽しみなんですけどね。

あ、邦楽のほうも洋楽同様、次点含めた20枚は日によって上下します。ので、12月末現在の記録ということで。

3776は最後の最後にやられた感じです。これはズルい。あと乃木坂46は半ばベストアルバムですが、いろんな思い入れ込み、かつ念願の紅白おめでとうの意味を含めての次点入り。結局、なんだかんだで一番聴いたアルバムはこれかもしれない(苦笑)。

アイドルソング&印象的なライブ編へ続く)

投稿: 2015 12 31 11:58 午後 [2015年の作品, Mr.Children, 「1年のまとめ」] | 固定リンク

2015年総括(3):アイドルソング&印象的なライブ編

このエントリーで最後。こちらではアイドルソング10曲と、2015年印象に残ったライブ3本を紹介したいと思います。アイドルソングは去年まで5曲しか選んでなかったけど、最近TIPさんのほうで連載も始まったので、ちょっと頑張って10曲に増やしてみました。

てな感じで、まずはアイドルソング10選です。


■アイドルソング10曲(アルファベット→五十音順)

・Peach sugar snow「仮初の涙」(amazon

・sora tob sakana「夜空を全部」(amazon

●アンジュルム「大器晩成」(amazon

・乙女新党「ツチノコっていると思う...?♡」(amazon

・こぶしファクトリー「ラーメン大好き小泉さんの唄」(amazon

・五五七二三二〇「ポンパラ ペコルナ パピヨッタ」(amazon

・私立恵比寿中学「金八 DANCE MUSIC」(amazon

・寺嶋由芙「ふへへへへへへへ大作戦」(amazon

・乃木坂46「ポピパッパパー」(amazon

・ももいろクローバーZ「青春賦」(amazon


なんだかんだで、やっぱりアンジュルム「大器晩成」のインパクトと飽きなさはダントツでした。それに匹敵するのがももクロ「青春賦」かな。この曲は映画『幕が上がる』の素晴らしさと相乗効果で、一時期聴いてるだけで涙が出そうになったものです。

そして妙な中毒性があるのがエビ中や乃木坂46の2曲。思わず口ずさみたくなるフレーズの反復は強いと思います。あと別の意味での中毒性があるのはPeach sugar snow。こちらは今年出したシングル2作とも素晴らしいと思いました。五五七二三二〇に関しては、Queen好きとして選ばざるを得ないですし。エビ中も選んでるし、どちらか一方にしようかと悩んだけど、結局両方入れることにしました。


■印象的なライブ3選

・GLAY@東京ドーム(5月31日)
・BOOM BOOM SATELLITES@FUJI ROCK FESTIVAL '15(7月24日)
・King Crimson@オーチャードホール(12月17日)

GLAYはショーとして完璧なのと、10年前から物語を続けてきたことに対するリスペクトの意味も込めて。いや、普通に感動的なライブでした。ブンブンは現時点でこれが最後に観た彼らのライブなのですが、新作を軸にした生々しいまでのステージには正直鳥肌が立ちました。ちょっとだけ観て次のステージに移動するつもりが、結局最後まで観てしまったし。そしてクリムゾンはニューウェイブ期を除いた「こういうクリムゾンが観たかった」という内容をすべて見せて/聞かせてくれたから。3人ドラムも圧巻でした。

ちなみに2015年に観たライブ/イベント/舞台の数は計146本。2014年は172本だったので、ー26本となります。が、会社勤めをやめてこれだけ言ってるのは、ある種異常かと思います。その大半は仕事として入ったものばかりですが、ありがたい限りです。

2016年も素敵な音楽に出会えますように。そして、来年も引き続きよろしくお願いいたします。

投稿: 2015 12 31 11:57 午後 [2015年の作品, 「1年のまとめ」, 芸能・アイドル] | 固定リンク

2015/12/04

COLDPLAY『A HEAD FULL OF DREAMS』(2015)

COLDPLAYのようなバンドが前作『GHOST STORIES』から1年半という短期間で新作を発表することも驚愕だが、それ以上に前作と対極に位置する、高揚感や多幸感に満ちた作品を作り上げたことにも驚きだ。

内省的な前作からの反動と言ってしまえばそれまでだが、改めて前作を聴き返すとアヴィーチーが参加した本編最終曲「A Sky Full Of Stars」と今作オープニング「A Head Full Of Dreams」は連作のようなものだと気づかされる。対極なのだが兄弟のような作風。すべては必然だったのだ。

R&Bエレポップなどダンスミュージックの色合いが強まっているものの、クラブサウンド特有のギラギラ感は皆無。全体を通して地味以外の何者でもないが、サウンドや歌声からは不思議と生命の躍動感や未来への希望が強く感じられる。良作だが頻繁に手に取ることが躊躇われた前作も、本作と合わせて聴くことで新たな魅力も発見できそう。単体でも抜群だが、ぜひとも前作と対で楽しみたい傑作。

※このレビューは同作リリース時に『TV BROS.』に掲載されものを一部修正して掲載しております。



▼COLDPLAY『A HEAD FULL OF DREAMS』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2015 12 04 12:00 午前 [2015年の作品, Coldplay] | 固定リンク

2015/10/03

JANET JACKSON『UNBREAKABLE』(2015)

意外にも前作から7年ぶり、兄マイケル・ジャクソンの死(2009年)後からも初のアルバムだと知って驚かされた。

そんなジャネットの通算11枚目のアルバムは、80年代の名作を手がけたジャム&ルイスとの共同プロデュース作。先行発表されたJ.コールやミッシー・エリオットとのコラボ曲(「No Sleeep (Feat. J Cole)」「Burnitup! (Feat. Missy Elliott)」)からはモダンなテイストが感じられるが、全体を包む空気感はとても穏やかで、古きよき時代のソウル、ゴスペルの要素が色濃く表れている。

どの曲もコンパクトにまとめられており、クラブアンセム的な楽曲すら存在するアルバム前半から、1本筋の通ったコンセプチュアルな後半への流れも圧巻。兄マイケルを思い出させたり、ラブストーリーの中にもほのかに宗教色をにじませた歌詞からは全体的に大きなテーマが感じられ、そのせいもあってか後半のコンセプチュアルな流れからは輪廻転生といったイメージを受けた。

特に大団円を迎えるM-16「Well Traveled」、エンドロール的なM-17「Gon B Alright」というエンディングから穏やかなM-1「Unbreakable」に戻ると、余計にそう感じる。地味だが過去20年で一番の秀作。

※このレビューは同作リリース時に『TV BROS.』に掲載されものを一部修正して掲載しております。



▼JANET JACKSON『UNBREAKABLE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2015 10 03 12:00 午前 [2015年の作品, Janet Jackson] | 固定リンク

2015/07/15

THE STRYPES『LITTLE VICTORIES』(2015)

「なんだこれは!?」まさかこの言葉をTHE STRYPESというバンドに対して二度も使う日が来るとは。一度目は彼らがシーンに登場したとき。10代半ばの少年たちがこんなに古臭いロックを21世紀に鳴らすなんて。その存在感や支持のされ方は日本におけるTHE BAWDIESに近いものがあるのでは、そんなことさえ考えたものだ。

そして二度目が今回。あれから数年経ち、THE STRYPESの面々もハタチ前後となり、1stアルバムからたったの2年で一気に時代を飛び越えたかのようなモダンなアルバムを完成させるまでに進化した。グルーヴィーなリズムが心地よい1曲目からして前作とは異なる色合いの今作は、ブルースをベースにしながらも「今」のリズム感、タイム感を前面に押し出した、ある意味年相応な1枚。

この成長の過程は、例えばARCTIC MONKEYSが数作かけて成し遂げたものをたった1枚で達成してしまったような、そんな性急さすら感じる。「恐るべき10代」がこの先どう成長していくのか、ただただ楽しみでならない。

※このレビューは同作リリース時に『TV BROS.』に掲載されものを一部修正して掲載しております。



▼THE STRYPES『LITTLE VICTORIES』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2015 07 15 12:00 午前 [2015年の作品, Strypes, The] | 固定リンク

2015/07/11

2015年上半期総括

2015年も気付けば上半期終了。フリーになって最初の上半期ですが、ただ突っ走って終わった気がします。その突っ走った結果が、そろそろいろんな形で世に出ると思うのですが、ここでは今年前半気になったアルバムを洋楽5枚、邦楽5枚セレクトしてみたいと思います。年末にいつもやってるベスト10枚の上半期版ですね。思えば初めてかも、上半期のセレクトって。

きっと半年後、ここに選んだ作品が漏れることもあると思うんですよね。というか、下半期に名盤が連発するような、そんな1年になることを願いたい。もしくは、気分的に今回外したアルバムが、やっぱり下半期には盛り返すこともあるので、あくまで7月11日現在ということで。

Hudson Mohawke「Lantern」(amazon

Jamie XX「In Colour」(amazon

Muse「Drones」(amazon

Paradise Lost「The Plague Within」(amazon

The Prodigy「The Day Is My Enemy」(amazon

BOOM BOOM SATELLITES「SHINE LIKE A BILLION SUNS」(amazon

Mr. Children「REFLECTION {Naked}」(amazon

NOT WONK「LAUGHING NERDS AND A WALLFLOWER」(amazon

skillkills「Ill Connection」(amazon

SuG「BLACK」(amazon


洋楽、邦楽ともに15枚くらいずつセレクトした中から選んでるので、あれもこれも落としてっていう感じで心苦しいです。けどまあ、個人的な感想として今年上半期はミスチルとMuseが最後に持っていったなと。あくまで個人的な感想ですが。

あと、あえて外しましたが乃木坂46のアルバムとWhitesnakeのDeep Purpleカバー盤。あの2枚は選ぶにはちょっと違うかなと思いまして。どちらも今年上半期、かなり聴いた作品なのですが。

投稿: 2015 07 11 03:04 午前 [2015年の作品, 「1年のまとめ」] | 固定リンク

2015/06/10

MUSE『DRONES』(2015)

マット・ラングとの共同プロデュースに妙な安心感を覚えた新作は、セルフプロデュースの前2作よりもハードロック色濃厚。現代的な重々しいミドルチューンを連発しながらも近作にあったエレクトロの要素も味付け程度に登場し、後半にかけてはQUEEN風オペラコーラスも健在。

しかしあくまでもこのアルバムの主役は、原点回帰とも言える「トリオ編成のバンドサウンド」であることが近作との大きな違いだ。アルバムタイトルには日本で旬なキーワードが用いられているがその内容はとてもシリアスで、コンセプトアルバムとして各曲のストーリーが連なっていく。

アッパーな楽曲が少なくてもテクニカルなギタープレイやアレンジによって全体に起伏を付けており、「内面の死」を歌った1曲目から劇的な結末へと流れるように続く構成は過去の作品以上に筋が通ったものといえる。個人的には4作目がピークと思っていたが、ここにきてまた新たな高みに到達したのではないだろうか。どうせならアルバム完全再現ライブにも期待したい。

※このレビューは同作リリース時に『TV BROS.』に掲載されものを一部修正して掲載しております。



▼MUSE『DRONES』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2015 06 10 12:00 午前 [2015年の作品, Muse] | 固定リンク

2015/02/05

Extreme『Extreme II : Pornograffitti』Deluxe Edition(1990 / 2015)

言わずと知れたExtremeの出世作である2ndアルバム「Extreme II : Pornograffitti」(1990年発売)が、リリースから25年を経てデラックスエディション化……と書けばカッコがつくかもしれませんが、要はユニバーサル系にありがちな「シングルのB面や別バージョン、未発表テイクなどを加えて水増しした2枚組」です。昨年はBon Joviの4thアルバム「New Jersey」がこのスタイルで再発(かつ、DVDも付いたスーパーデラックスエデョンも用意)されましたが、まさかExtremeまでこの企画で再発されるとは思ってもみませんでした。

先日、たまたまCDショップのHR/HMコーナーをうろうろしてたら偶然こいつを見つけて、そのまま手にして即レジ行き。このアルバム自体はリリース当時に輸入盤で買って持っているのにも関わらず……完全にDISC 2目当てですけどね。

今回のデラックスエディション化で気になっていたのは、下記の2点。

1. オリジナルアルバム(DISC 1)はリマスタリングされているか。
2. 「More Than Words」のMV音源は収録されているか。
3. シングルのカップリング曲は網羅されているか。レアトラックは収録されているか。

「1」に関しては、まあせっかく2枚目を買うんだから、ちょっとでも音がよくなっていてほしいなと。「2」については……過去に8cmシングル(短冊形のシングル)として国内盤がリリースされた際にはこの音源が収録されておらず、別のショートバージョンだった記憶があるんです。当時このシングルを購入したんですが、確か違ってたと思うんですよね。輸入盤のシングルも購入したけど、そこにも収録されてなかったし。

こちらの音源ですね。1コーラスから2コーラスに入る直前の「Fu〜」というハーモニー、エンディングのハーモニーがオリジナルバージョンにないものなんですよね。これが個人的に気に入ってまして。ま、原曲が一番という大前提があって、この風変わりなショートバージョンが気に入ってるだけなんですが。

というわけで、実際に購入して聴いてみました。

1. オリジナルアルバム(DISC 1)はリマスタリングされているか。

実は25年前に買ったCDを探しているのですが、部屋の隅に積み重ねられた段ボールのどこかに入っているらしく、見つけられませんでした。なので、スピーカーを通して聴いてみた印象で書きます(大丈夫か、それ?)。

DISC 1、DISC 2を通して聴くと、明らかにDISC 2の方が音圧があり、全体的な音量もDISC 1より大きいです。かといって、DISC 1の音圧も1990年という時代性を考慮して考えてみても、若干高めのような気が。しかしパッケージやブックレットにはリマスタリングの文字は見つけられず。ところがオフィシャルサイトのテキストを読む限りでは、DISC 1もリミックスされていると受け取ったほうがいいようです。

2. 「More Than Words」のMV音源は収録されているか。

結論から言うと、入ってました。MVのバージョンはDISC 2のM6「More Than Words (Accapella)」ということになります。聴く前はサブタイトルにある「アカペラ」にダマされて、「ああ、やっぱり入ってないか……」と凹んだものの、いざ聴いてみたら「……これこれ!」と。やっとめぐり会えました。

で、このCD。ちょっとした「More Than Words地獄」仕様なんですよ(笑)。「More Than Words」だけで4バージョン、DISC 1のオリジナルバージョンを含めれば計5バージョンの「More Than Words」を聴けるわけですから。詳しく解説していくと、

(1)「More Than Words」(DISC 1 M5):5分半あるオリジナル版。パーカッションなし。
(2)「More Than Words (Edit)」(DISC 2 M3):2コーラス後のエンディングを2分近く短縮&パーカッション追加。
(3)「More Than Words (Remix)」(DISC 2 M1):(2)のリミックスバージョン。ボーカルがリバーブ深めな印象。
(4)「More Than Words (Accapella)」(DISC 2 M6):先のMVバージョン。一部ハーモニーを追加。パーカッションなし。
(5)「More Than Words (Accapella with Congas)」(DISC 2 M6):(4)からギターを取り除き、パーカッションを追加したもの。サビでのハモリの声数が(4)よりも多い。

正直(2)と(3)の違いがあまりわかりませんでしたが、(5)までくるとなかなか笑えるものがあります。「ギターなしかよ!」と。

にしても、(1)とそれ以外のバージョンを続けて聴くと、やっぱりDISC 1はリマスタリングされてないんじゃないか……という気がしてくるんですが……もうこの際、どうでもいいか。

3. シングルのカップリング曲は網羅されているか。レアトラックは収録されているか。

「Extreme II : Pornograffitti」収録楽曲に関しては網羅されています。というのも、同作からのシングルには1stアルバム「Extreme」収録曲のリミックスバージョンが収められておりまして(「Get The Funk Out」輸入盤シングル収録の「Mutha (Don't Wanna Go To School Today)」リミックス)、こちらは今回のデラックスエディションでは対象外となったようです。

さらに、これは公式シングルではないのかもしれませんが、名バラード「Song For Love」がイギリス限定でシングル化されており、こちらにはブライアン・メイをフィーチャーしたQueen「Love of My Life」のカバーが収められていますが、こちらも対象外。なんだか中途半端なデラックスエディションになってしまた気がします。

また、DISC 2の収録曲10曲すべてがすでに世に出ている音源であり、残念ながら初出しのレアトラックは含まれておりません。そうは言いましても「Extreme II : Pornograffitti」というアルバム自体は名盤中の名盤。シングルのカップリング曲が網羅されてないからといって、アルバムの価値が下がるとは思えません。実際、このアルバムをまだ聴いたことがないという人は、おまけが付いた今回のデラックスエディションを手にするのもいいかもしれませんね。「More Than Words地獄」でぜひ笑ってください。



うん、やっぱり今聴いてカッコいい。「Decadence Dance」のリフ、ちゃんと弾けるようになりたかったなあ。

Extremeが最後にオリジナルアルバムを出したのは2008年の「Saudades de Rock」が最後。2010年には初のライブアルバム「Take U Alive」もリリースしているものの、しばらく新曲はご無沙汰です。再結成後は頻繁に来日してくれる印象がありますが(ゲイリー・シェローンはHurtsmileでも来日してるから余計にそう感じるのかも)、そろそろニューアルバムにも期待したいものですね。



▼Extreme「Extreme II : Pornograffitti」(Deluxe Edition)
(amazon:輸入盤 / MP3

投稿: 2015 02 05 04:14 午前 [1990年の作品, 2015年の作品, Extreme] | 固定リンク

2015/01/30

Salems Lott『Salems Lott』(2015)

昨年暮れから非常に気になっているアメリカのHR/HMバンド、Salems Lott。まずはオフィシャルサイトでそのルックスをご覧ください。

……はい、確認しましたか? ケバいですね? 時代錯誤のLAメタルリバイバルかと思いましたよね? ちょっと日本のV系も入ってますよね? しかも微妙に時代遅れで、80年代のジャパメタっぽくもありますよね?

それでは、そんなあなたのために、ミュージックビデオを。

……はい、確認しましたか? 音も完全に時代遅れですよね? ていうかこれ、本当に2010年代の曲かよ!?っていう懐かしさすら感じさせますよね? 30代後半以上の方なら絶対に「これ、80年代のカバーだろ?」って錯覚しますよね? なんならビデオで確認できるファッションもメイクも、全部ジャパメタ的(昔懐かしのファッションショップ?「BLACK」を思い出すような)ビジュアルですよね? いやいや、ビックリですよ。いろんな意味で。個人的には2014年一番の衝撃だったかもしれません。あと、Steel Pantherとの共演経験が多いというのも、なにげに納得です。類は友を呼ぶんですね。

彼らはLAを拠点に活動する4人組バンドで、海外サイトでは「Glam / Speed Metal」バンドと紹介されています。“グラム”で“スピードメタル”かよ?とお思いでしょうが、それも納得できる映像をここでご紹介します。

……ね? “スピードメタル”でしょ? そうなんです。彼ら、れっきとした「X(X JAPAN)フォロワー」なんです。そういう視点で彼らのことを見ると、あら不思議。そのファッションや佇まい、野暮ったい楽曲といったすべての要素が微笑ましく思えてしまうんです。オフィシャルサイトの右上に表示されてる「LUST, BLOOD, VIOLENCE AND RAW ENEGY!」ってフレーズも、Xのアレっぽくて納得でしょ? え、そんなことないですか? ちなみに彼ら、このほかにもKISS「Black Diamond」のライブ映像も公開してるので、もし興味があったらチェックしてみてください。

さて、本題に。そんなSalems Lottが先日、待望の1stミニアルバム「Salems Lott」をリリースしました。今作は日本国内ではCDなどのフィジカルでは販売されず、iTunes Store、Amazon MP3などでのデジタル配信のみとなっています(オフィシャルサイトではCDの通販も実施中)。バンドのオフィシャルサイトでは「Megadeth, Motley Crue, X-Japan, King Diamond, WASP, Alice Cooper, Racer X, Ozzy Osbourne and Accept」といったアーティストを比較例として上げてますが、なるほど納得。それっぽさは全部入ってますよね。そこにあえて加えるとしたら、「FLATBACKER, E.Z.O, 44 MAGNUM」といったジャパメタ勢。完全なる個人的偏見ですけど。

楽曲はどれも野暮ったさを残した、「これ、80年代に活躍したバンドのアウトテイク?」と思えるようなものばかり。正直、「これがSalems Lottの個性だ!」と言い切れるようなものは現時点では見当たらないのですが、でも一度聴いて放り出してしまうこともなく、なぜか二度、三度と聴き返してしまう常習性がある。彼らの魅力をずっと文字で表現しようと考えてみたのですが、ダウンロードしてから10日近くたった現在もそれができずにいる。でも何度も聴いてしまうんですよね。不思議と。

それにしても、本当にXリスペクトな作品ですよね。ボーカルはウド・ダークシュナイダーやポール・スタンレーを彷彿とさせる声ですが。いきなり飛び出すベースソロの小楽曲やギターの刻み方、ピアノフレーズ、コーラスの入れ方、妙な“語り”等々……どれも「VANISHING VISION」であり「BLUE BLOOD」じゃねえか、と。そう、X JAPANじゃなくてXなんですよね、彼ら。ファッション的にも「BLUE BLOOD」初期のX的だし。自分がもっとも聴きまくっていた時期のXと共通する点が多いからこそ、惹かれるものがあるのかもしれません。

そういう意味ではもしかしたら僕は、世代的に「懐かしの80'sメタルを聴く感覚」でこの作品と接しているのかもしれません。そう、80年代のB級LAメタルや当時アナログを手に入れられなかったジャパメタ作品の復刻盤を楽しむように。特に思い入れはないんだけど、あの頃の空気を懐かしみたくて手を出す……今はそれが一番近いのかなあ、という結論に達しました。

そうは言っても、彼らが来日する機会がありましたらぜひライブを観てみたいんですけどね。きっとXの「オルガスム」もやってくれるでしょうし。どんな日本語聴かせてくれるのか楽しみ!



▼Salems Lott「Salems Lott」
(amazon:MP3

投稿: 2015 01 30 03:11 午前 [2015年の作品, Salems Lott] | 固定リンク

2015/01/15

Sweet & Lynch『Only To Rise』(2015)

ここ数日、80年代のHR/HMばかり聴き漁る日々でございます。が、新年明けて早半月。そろそろ新譜についても書きたいなあと思ってたところに、このアルバムが発売されました。ということで、今日はこの異色の組み合わせによるアルバムについて。

僕はジョージ・リンチというギタリストが大好きで。いや、正確には80年代から90年代初頭のジョージが大好きでした。アルバムで言うとLynch Mobの2ndアルバムあたりまで。ギタープレイ自体も好きなのですが、恐らくあのDokken〜Lynch Mobのサウンドの上で鳴らされるリフやソロが大好きだったんだと思います。だから再結成Dokkenのアルバムで聴けた「周りを見ないで自分の中だけで鳴らされてるソロ」にイマイチ馴染めなくて。アルバム自体は嫌いではなかったんですけどね……それ以降のDokkenや再結成Lynch Mobなどの作品にピンと来るものはなく、期待してたT&Nもバンドというよりはプロジェクト感が強い中途半端な作品、昨年発売されたKXMも悪くはなかったけど「別にジョージ・リンチにそれ求めてないから……」という印象でした。

だから、いくらStryperのマイケル・スウィート(Vo, G)と一緒にアルバムを作ると知っても、そこまで過剰な期待はできませんでした。ところが、このMVを観てその不安は一気に逆転。もはや期待しか持てなくなってしまったのです。


日本先行リリースされたこの記念すべき1stアルバム。想像していた以上の出来でした。80年代中盤のDokkenが持っていた魅力、そして当時のジョージ・リンチが持っていたバランス感が絶妙に発揮された、メロディアスなアメリカンハードロックの良作だと思います。アルバムはDokkenの3rdアルバム「Under Lock and Key」やStryperの3rdアルバム「To Hell With The Devil」に入っていても不思議じゃない「The Wish」からスタートして、Dokken「The Hunter」を彷彿とさせる「Dying Rose」、 枯れた雰囲気が絶妙な「Love Stays」へと続いていきます。往年のスタイルを、酸いも甘いも噛み分けた2人が今表現することで生まれる“ちょうどよさ”。もちろん過去の焼き直し的なスタイルだけではなく、「Time Will Tell」みたいな“ありそうでなかった”タイプの楽曲もあるし、サイケでありLed Zeppelin的な色合いもみせる「Strength In Numbers」もある。「Alone Again」の続編と言えなくもないパワーバラード「Me Without You」はじめ、Dokken的な要素はそこらじゅうに散りばめられていますが、現在のジョージらしいブルージーなミディアムヘヴィナンバーも満載です。そして、そういった楽曲を丁寧に、力強く歌い上げていくマイケル・スウィートのボーカルはさすがの一言。これを今のドン・ドッケンが歌ったところで……おっと、誰か来たようだ(苦笑)。

そんな2人のパワープレイを、決して派手な演奏に走らず手堅くフォローするリズム隊の存在も重要です。ジェイムズ・ロメンゾ(B)、ブライアン・ティッシー(Dr)というPride & Gloryでのタッグで知られる2人がベーシックな部分を支えたからこそ生まれた化学反応と言ってもいいのかもしれません。ジェフ・ピルソンでもミック・ブラウンでもなかったから、ここまでの作品が生まれたのだ……と言い切ってしまいたくはないですが、それはそれで皮肉なものです(とは言いながらも、タイトルトラックのエンディングで聴かせるドラムソロは強烈ですけどね)。

「Recover」や「Only To Rise」のようなファストチューンもあり、ジョージの激しいソロやマイケルのハイトーンボイスもちゃんとフィーチャーされてる。「Divine」冒頭の弾きまくりソロなんて、往年のジョージそのものですもんね。マイケルはStryperで忙しいでしょうし、ジョージもいろんなバンドをやってるから定期的に作品を作るのは難しいでしょうけど、可能でしたら数年に1枚でいいので継続してほしいプロジェクトだと思います。でもライブは……観たいような、観たくないような。意外とライブが原因で消滅しそうな気もするので、無理にはしなくても大丈夫ですよ。



▼Sweet & Lynch「Only To Rise」
(amazon:日本盤 / 輸入盤 / MP3

投稿: 2015 01 15 12:05 午前 [2015年の作品, Dokken, Stryper, Sweet & Lynch] | 固定リンク

2015/01/04

乃木坂46私的カップリングベスト(1stアルバム「透明な色」リリースに寄せて)

本当はここで乃木坂46について書くのはやめておこうと思ったんですが、これを書く場所がなかったもので……どうしても残しておきたかったので、備忘録程度の意味合いで書こうかなと。

いよいよリリースされます、乃木坂46の1stアルバム「透明な色」。新録楽曲についてはオフィシャルで書きましたし、真面目なコラムはリアルサウンドさんのほうに寄稿しました。じゃあほかに何を書くかといいますと……タイトルの通りです。ファン投票で決定したDISC 2(Type-A、同Bのみ付属)に収録されているシングルのカップリング曲10曲のみ、自分の好きに選曲したらどうなるんだろうか、というところから始まった単なる思い付きです。DISC 1のシングル表題曲10曲に関しては、僕はこの曲順である必要があると思った人間なんです。けどDISC 2のほうは投票結果を反映したものだというのなら、こちらのみ好き勝手に選曲してもいいよな、と。

というわけで、以下が「僕ならこの10曲を、この曲順で聴きたい」カップリング10曲です。実際DISC 2に収録されるカップリングリクエストTOP 10の結果はオフィシャルサイトでご確認ください。

■とみぃ選曲による乃木坂46私的カップリングベスト
M-1. 涙がまだ悲しみだった頃 [c/w 3rd sg「走れ!Bicycle」]

M-2. 無口なライオン [c/w 9th sg「夏のFree&Easy」]

M-3. 生まれたままで [c/w 8th sg「気づいたら片想い」]

M-4. あの日 僕は咄嗟に嘘をついた [c/w 10th sg「何度目の青空か?」]

M-5. ここじゃないどこか [c/w 4th sg「制服のマネキン」]

M-6. 扇風機 [c/w 6th sg「ガールズルール」]

M-7. せっかちなかたつむり [c/w 3rd sg「走れ!Bicycle」]

M-8. 偶然を言い訳にして [c/w 2nd sg「おいでシャンプー」]

M-9. 13日の金曜日 [c/w 5th sg「君の名は希望」]

M-10. そんなバカな… [c/w 7th sg「バレッタ」]


現行の収録曲と比較すると、M-1、2、4、9の4曲がカブり。気付いたら10曲中5曲がアンダー曲だったという事実。無意識って恐いですね。間違いなくアンダーライブの影響です(実際これ、年末の有明ライブ後に選曲しましたから)。あと各シングルからバランスよくセレクトされてますね、1stシングル「ぐるぐるカーテン」からは残念ながら未セレクトですが。これも無意識ですが。

このプレイリストで移動中、iPodなどで聴いてるわけです。もちろんDISC 2のほうもそのまま聴いております。なんとなく流れは作ったつもりです。

……えーっと、これだけです。これが書きたかっただけです(笑)。ホントすみません。大々的に批評しようとか、分析しようとか、そんな気は一切ありません。そういうのは得意な人に任せます(まあ自分なりの分析とかそういうのはリアルサウンドさんのほうで書いているので)。

こういう遊び、というか「○○選曲による乃木坂46私的カップリングベスト」はもっと見てみたいです。局地的に盛り上がるといいなあ……。



▼乃木坂46「透明な色」
(amazon:Type-A / Type-B / Type-C

投稿: 2015 01 04 09:50 午後 [2015年の作品, 乃木坂46, 芸能・アイドル] | 固定リンク