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2016/06/15

RADIOHEAD『A MOON SHAPED POOL』(2016)

初聴でここまですんなりと体に入り込んできたRADIOHEADのアルバムは、ずいぶん久しぶりじゃないだろうか。それは過去2作(2007年の『IN RAINBOWS』、2011年の『THE KING OF LIMBS』)とは異なり、配信直前にリードトラック2曲「Burn The Witch」「Daydreaming」を(しかもじっくり作り込まれたMVと一緒に!)公開したことも大きい。いや、それ以上に今作が『KID A』以降に彼らが積み重ねてきた音楽的変遷の集大成のような内容というのが一番の理由かもしれない。

とはいえ、ここにあるのは単なる過去の焼き直しではない。そりゃあ過去にライブで披露してきた楽曲の新録も含まれているし、『KID A』などで見せた驚きの新機軸こそないものの、1曲1曲の作り込み方や説得力は近作の中でもベストなのでは。

本人たちに自覚はないのかもしれないが、このアルバムからはメンバー5人が改めて「RADIOHEADとは?」というテーマと向き合いながら、今持ち合わせているアイデアと技術と経験をすべて注ぎ込むんだという気概を感じた。それが最初に述べた入り込みやすさにつながったのだろう。対極な作風かもしれないが、『KID A』以来の大傑作だと断言したい。


※このレビューは同作リリース時に『TV BROS.』に掲載されものを一部修正して掲載しております。



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投稿: 2016 06 15 12:00 午前 [2016年の作品, Radiohead] | 固定リンク