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2016/09/30

BON IVER『22, A MILLION』(2016)

今年2月の初来日公演(チケットを持っていたものの急な取材で泣く泣く断念…)も記憶に新しいアメリカの新世代シンガーソングライターによる、今年もっとも熱望されていた新作。ライブで先行披露された楽曲をネットを通じてすでに耳にしたリスナーも多いと思うが、こうやって盤という形でスタジオ音源に耳を傾けると、また違った印象が湧き上がってくるから不思議だ。

楽曲が持つメロディの強さは前2作より高まっているのだが、その歌やメロディがまとうサウンドスケープの自由度はさらに増している。シンプルだけどどこか入り組んでいて、でも複雑さや難しさはあまり感じられず、結局最後に残るのはメロディや歌の強さという楽曲が持つ個性は、まさに本作における「読めないんだけど雰囲気は伝わってくる」曲名そのものではないだろうか。

サウンドのテイストはよりモダンに進化しているのに、昔から知っている懐かしのポップ/フォークミュージックのような。あるいは賛美歌を最新のアレンジで聴いているような。そんな普遍的な強さを持った、稀有なのに当たり前として存在してほしい傑作と呼びたい。


※このレビューは同作リリース時に『TV BROS.』に掲載されものを一部修正して掲載しております。



▼BON IVER『22, A MILLION』
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投稿: 2016 09 30 12:00 午前 [2016年の作品, Bon Iver] | 固定リンク