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2016/12/20

AEROSMITH『DONE WITH MIRRORS』(1985)

70年代末にジョー・ペリー、そして80年代に入るとブラッド・ウィットフォードが脱退し低迷期に突入したAEROSMITH。しかし1984年にジョーとブラッドがバンドに復帰し、黄金の布陣でツアーを行い成功を収めます。その勢いのままスタジオ入りし、完成させたのがこの8thアルバム『DONE WITH MIRRORS』。プロデューサーにVAN HALENなどで知られるテッド・テンプルマンを迎え、往年のアグレッシヴなサウンドを目指して制作されました。

アナログ盤は全8曲、CDでは1曲追加の全9曲入りで、トータル35分程度という70年代のエアロにも通ずる作風。中身もキャッチーなメロディが軸にあるものの、サウンド自体は無骨で隙だらけのシンプルなロックンロール。この8年後に発表される『GET A GRIP』とは正反対の内容です。

アルバムのオープニングを飾るのは、ジョー・ペリーが自身のTHE JOE PERRY PROJECTで発表した楽曲の歌詞と歌メロを改変した「Let The Music Do The Talking」。この曲だけを聴けば「俺たちのエアロが帰ってきた!」とガッツポーズを取りたくなるはずです。特に終盤のスティーヴン・タイラーのシャウトには、どんなロックファンだって胸が熱くなることでしょう。

しかし、アルバム内でキラーチューンと言えるのはこの1曲のみ。2曲目「My Fist Your Face」も悪くないものの、その後はシンプルが災いして退屈さすら感じる「Shame On You」を筆頭に「今ひとつ、いや、今ふたつ」な楽曲が続きます。どの曲にもどこか“抜けきれない”もどかしさが付きまとっており、モヤモヤしたまま(CDでの)ラストナンバー「Darkness」を迎えます。ちなみにアナログ盤には「Darkness」は未収録で、勢いあるブギーナンバー「The Hop」で終了。個人的には(モヤモヤは残るものの)「Darkness」で締めくくる構成のほうが好きです。

このアルバムから現在もライブで披露される機会があるのは、先の「Let The Music Do The Talking」程度。メンバーもこのアルバムに関しては否定的な意見をとることが多いようです。時期的にもオリメンには戻ったものの、まだドラッグから抜けきれてないメンバーもいたりで、どことなく気持ちがひとつに固まってない頃だったのでしょうか。以降の一枚岩のような作風を考えると、第二のデビュー作『PERMANENT VACATION』へ到達するための過渡期的作品なのかもしれません。

ただ、個人的には「嫌い」と切り捨てられないのもこのアルバム。このモヤモヤした感じこそ、実は70年代から彼らが引きずってきたものであり、その片鱗が残っている今作を嫌いになれるはずもなく。今でも忘れた頃に引っ張り出しては、そのモヤモヤに浸ることもある……そんな1枚です。



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投稿: 2016 12 20 12:00 午前 [1985年の作品, Aerosmith] | 固定リンク