BRYAN ADAMS『WAKING UP THE NEIGHBOURS』(1991)
1987年春に発表した5thアルバム『INTO THE FIRE』がその前のメガヒット作『RECKLESS』(1984年)には遠く及ばない小ヒット作で終わってしまい、一部ファンの間では「終わった」なんて囁かれていたブライアン・アダムス。しかし、ここ日本では1988年1月に武道館5DAYSを含む大々的なジャパンツアーを成功させ、1989年末にも東京ドームでのカウントダウンイベントで再来日して好調ぶりをアピールしたのでした。
そんなブライアンの運命を変える1曲が、1991年夏にリリース。それが映画『ロビン・フッド』の主題歌に起用された王道バラード「(Everything I Do) I Do It For You」でした。この曲は全米7週連続1位、全英では16週1位というギネス記録を樹立しました。そんなメガヒット曲に続いて発表されたのが、4年ぶりのオリジナルアルバム『WAKING UP THE NEIGHBOURS』です。
「(Everything I Do) I Do It For You」を含む本作のプロデュースを手がけたのは、古くはDEF LEPPARDの『PYROMANIA』(1983年)、『HYSTERIA』(1987年)のプロデューサーとして知られるロバート・ジョン・マット・ラング。あの印象的なビッグサウンド&コーラスが全面的に導入され、楽曲自体もどこかDEF LEPPARDをイメージするミディアムテンポが中心。泣きのバラード「Do I Have To Say The Words?」なんて「Love Bites」のアレンジをそのまま流用したんじゃないかってくらい激似ですし。確かに前作での渋さや暗さは皆無で非常に明るさに満ちていますが、初期の溌剌とした疾走感が減退したことで昔からのファンからは異論を唱える声もあったほどです。
しかし、数字の上では全米6位、全英1位という好成績を残しています。売り上げも『RECKLESS』に匹敵する記録で、シングルも先の「(Everything I Do) I Do It For You」以降「Can't Stop This Thing We Started」(全米2位)、「There Will Never Be Another Tonight」(同31位)、「Though I'd Died And Gone To Heaven」(同13位)、「Do I Have To Say The Words?」(同11位)とヒット曲を連発。ここ日本では1992年2〜3月に大掛かりなアリーナツアーを開催したほか、翌1994年2月には一夜限りの武道館公演のために再来日も果たしました。
40オーバーの方々にとっては「ブライアン・アダムスといえば『RECKLESS』」かもしれませんが、それよりちょっと下の世代から「ブライアン・アダムスといえば『WAKING UP THE NEIGHBOURS』」という声が聞こえてきたとしても不思議ではないほど、『RECKLESS』以降の彼を代表する1枚と言えるでしょう。ただ、1曲1曲の完成度が異常に高いものの、全15曲74分という収録内容はちょっとやりすぎかなと。あと3曲削って60分以内にまとめてくれたら、もっと親しみやすいアルバムになったんじゃないかな。さらに、ロックアルバムという点にこだわったとしたら、全10曲でもいいくらい。という意味では、ブライアン・アダムスが本気でポップスと向き合った最初の1枚だったのかもしれませんね。

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