« THE QEMISTS『WARRIOR SOUNDSYSTEM』(2016) | トップページ | SCOUR『SCOUR』(2016) »

2016/12/23

KORN『THE PATH OF TOTALITY』(2011)

2011年に発表された、KORN通算10枚目のオリジナルアルバム。前作『KORN III: REMEMBER WHO YOU ARE』(2010年)でRoadrunnerに移籍&初期2作を手掛けたロス・ロビンソンと再びタッグを組んでおり、そのタイトルどおりそれ以前の数作にあった実験的要素を排除して、自分たちが何者かを思い出したかのように初期の作風を若干取り戻した内容に多くのファンが歓喜したのを今でも覚えています。実際、僕も『KORN III: REMEMBER WHO YOU ARE』は仕事柄リリース前に聴くことができたのですが、その内容に膝を叩いて喜んだのを昨日のことのように覚えています。

しかし、その『KORN III: REMEMBER WHO YOU ARE』から1年弱という短いインターバルで発表された次作『THE PATH OF TOTALITY』での変貌ぶりときたら……そもそもはダブステップ系アーティストとの実験的EP(ミニアルバム)というプロジェクトだったものが、一気にフルアルバムまでスケールアップ。それがこの短期間でのリリースにつながったようです。それだけ、ダブステップ系アーティストとのコラボレーションが実り多きものだったということなんでしょう。

がしかし。僕はこの変貌ぶり、実は大いに気に入っております。ここまで振り切れてこそKORNという変な興奮もありましたし、何よりもあの当時における「ヘヴィで暴力的な音」は間違いなくダブステップでしたから、そこに目をつけたジョナサン・デイヴィスに対して「さすが!」と思ったのも事実です。

今のようにEDM=パリピみたいな浸透の仕方をしてなかった時期の作品ですし、KORNの軸にあるメロディや変態性とダブステップとの相性は抜群。なによりも、既存の曲をダブステップリミックスしたわけではなく、一緒に曲作りをしているところにこのアルバムの真意があると思うのです。いわゆるギターサウンドこそがすべてという人種にはまったく受け付けない1枚だと思いますが、大音量で聴いたときにさらに発揮される暴力性はKORNの作品上1、2を争うものだと思います。

もちろん、これ1枚きりで終了したプロジェクトだからこそ意味があるわけで、ここを経たからこそ2016年に「KORNってこういうバンドだよね!」と納得できる12thアルバム『THE SERENITY OF SUFFERING』を生み出すことができたのではないでしょうか。個人的には1stアルバムに次ぐ好きな作品です。



▼KORN『THE PATH OF TOTALITY』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2016 12 23 12:00 午後 [2011年の作品, Korn] | 固定リンク