JUDAS PRIEST『TURBO』(1986)
JUDAS PRIESTが1986年に発表した、当時は問題作なんてレッテルを貼られたことでも知られる10thアルバム『TURBO』。その前作にあたる『DEFENDERS OF THE FAITH』からプリーストに足を踏み入れた人間にとって、「シンセサイズドギターを導入」「デジタル録音」「よりポップに」といったこの『TURBO』路線は受け入れがたいものだったことを、昨日のことのように覚えています。当時はまだ中学生。硬派こそが正義だと信じていたウブな時代です。
時は流れ、2012年2月。2009年の『LOUD PARK』での来日時にロブ・ハルフォードにインタビューする機会があったことから、続く2012年のジャパンツアーにも足を運ぶことができました。Zepp Tokyoと武道館の2公演を観たのですが、ここで演奏されたのが『TURBO』のオープニングトラック「Turbo Lover」。あれ、こんなにカッコよかったっけ? それが素直な感想で、「これ、もしかしたら……」と思い久しぶりにCDに手を伸ばしてみたら……。
全体的にポップな(というか、キャッチーなメロディを持つ)楽曲が多いのと、ギターオリエンテッドではなくてシンセの比率が高くなったことで勘違いしてたけど、偏見抜きに聴くと本当に優れた楽曲が並ぶアルバムだと思います。冒頭の「Turbo Lover」「Locked In」「Private Property」の流れは気持ち良いし、ポップな「Parental Guidance」も過去の「Living After Midnight」あたりと同系統のポップさだと思うし。かと思うと疾走感の強い「Rock You All Around The World」があり、叙情的なミドルチューン「Out In The Cold」もある。アメリカナイズされたワイルドな「Wild Nights, Hot & Crazy Days」、シーケンスさえ気にならなければひたすらカッコいい「Hot For Love」、そして“これぞジューダス!”な泣きメロを持つ「Reckless」で幕を降ろす。最高じゃないですか。ネガティヴな感情で接していたため、アルバムの本質を見過ごしてたのかな。若さって強いね。
先に述べたように、過去のジューダスには「Living After Midnight」や「Take On The World」のようなポップな楽曲もあり、それらはイギリスでシングルカットされた事実もあるわけです。もっと言えば、後には『PAINKILLER』のようにスラッシュメタルにすり寄ったアルバムも発表している。要するに、やることが極端すぎるんですよ。それがガチなメタルファンには時に好意的に受け入れられ、時には攻撃の材料となるだけの話。身にまとう装飾は作品ごとに変わるけど、軸にある本質は実は変わってないんだなと。
そうそう。2017年2月には『TURBO』の30周年記念エディションが発売されるとのこと。アルバム本編の最新リマスター版に当時のライブ音源(CD2枚組)を同梱したパッケージになるそうです。この頃のライブといえば、1987年にリリースされたライブアルバム『PRIEST...LIVE!』でも聴けますが、あれよりも長いフルサイズになるそうなので、こちらも楽しみに待ちたいと思います。
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