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2017/01/19

GUNS N' ROSES『USE YOUR ILLUSION I』(1991)

いよいよ開催まで数日に迫ったアクセル・ローズ(Vo)、スラッシュ(G)、ダフ・マッケイガン(B)を含む編成でのGUNS N' ROSES来日公演。彼らについては本サイトの過去記事(カテゴリー「GUNS N' ROSES」をクリックしてもらえれば、とみ宮時代のものからすべて読むことができます)を参考にしてもらって……と思ったら、まだ取り上げてないアルバムがあることに気づきました。

そう、1991年のアルバム『USE YOUR ILLUSION』です。

1stアルバム『APPETITE FOR DESTRUCION』はもちろん大事だけど、今回の来日公演を観る上で同じくらい重要なのが、2枚同時リリースで当時大きな話題となったこの『USE YOUR ILLUSION』だと思っています。なので、今日と明日の2日間にわたってこの『USE YOUR ILLUSION I』および『USE YOUR ILLUSION II』を全曲解説という形で徹底的に紹介したいと思います。

まずは黄色と赤のコントラストが非常に印象的な『USE YOUR ILLUSION I』からです。本作は全米2位(1位は『USE YOUR ILLUSION II』でした)でチャート初登場し、現在までにアメリカだけで600万枚近いセールスを記録しています。

M-1. Right Next Door To Hell
アルバムのオープニングにぴったりな、疾走感あふれるファストチューン。リリース前に行われたツアーではオープニングで披露される機会も多かったこの曲、アルバム発表後はほとんど演奏されてないんじゃないでしょうか。ギターソロに入る前の、アクセルの「Fuck You!」のスクリームが本当にカッコいい1曲。ぜひ一度、生で聴きたい。

M-2. Dust N' Bones
日本にも同名バンドがいましたが、間違いなくここから取られたと思われ。イジー・ストラドリン(G)がリードボーカルを担当する、今や演奏される機会のないクールなロックナンバー。イジーがメインとはいえ、アクセルとのツインボーカル的な作風で、なんだかんだでアクセル目立ってます。アルバムとして聴くと1曲目からの落差が激しいですが、これはアクセルによると「できてる曲を全部詰め込んだから、曲順とか考えてねえ!」から。そういう意味では『USE YOUR ILLUSION』の2枚ってアルバムとしての完成度はそれほど高くないんですよね。

M-3. Live And Let Die
ポール・マッカートニーのWINGSが70年代に発表した、映画『007 死ぬのは奴らだ』の主題歌カバー。比較的原曲どおりのアレンジで、ちゃんとオーケストラサウンドも取り入れてるのに、微妙にギターで再現してるパートもあったりで、原曲を知る人なら思わず意表をつかれるんじゃないでしょうか。リリース後は毎回必ずといっていいほどライブで演奏される1曲。アルバムからの3rdシングルとして発表され、全米33位を記録しました。

M-4. Don't Cry
『APPETITE FOR DESTRUCTION』レコーディング時から存在したバラードナンバー。ブートレッグで当時のスタジオセションを聴くことができるのですが、初期バージョンはもっとスローで、どことなくHANOI ROCKSっぽさが漂ってました。「You Could Be Mine」に続いてシングルカットされ、全米10位まで上昇しました。この曲は最近もたまにライブで演奏されますが、その際には初期バージョンに近いテンポで披露されることが多いです。

M-5. Perfect Crime
ひたすらヒステリックなボーカルが耳に残る疾走系ショートチューン。「Right Next Door To Hell」をもっと激しくしたようなイメージ。この曲はアルバムリリース前によく演奏されていましたが、発売後はほとんど演奏されてない模様。今度の来日では、こういった曲を突然プレゼントするようなサプライズに期待したいですね。

M-6. You Ain't The First
アコースティック編成で演奏される、肩の力抜けまくりのカントリーナンバー。『GN'R LIES』(1988年)があったからこそ生まれたと言えなくもない、お遊び的1曲かな。

M-7. Bad Obsession
マイケル・モンローがハーモニカでゲスト参加した、ホンキートンク調ロックンロール。スラッシュのスライドギターとマイケルのハーモニカ、そこに絡むディジー・リード(Key)のピアノの組み合わせが最高にカッコいい。こういう曲は『APPETITE〜』期に演奏してたらもっとルーズだったんだろうけど、新加入のマット・ソーラム(Dr)のタイトなリズムによって硬質な仕上がりに。そこだけが残念すぎる。とはいえ、『USE YOUR ILLUSION』ツアーでは見せ場のひとつとなった曲でもあるので、記憶に残っているファンも多いのでは?

M-8. Back Off Bitch
この曲も『APPETITE〜』セッション時には存在した1曲。デビュー時期のライブでも披露されることが多く、ブート映像で確認できるはず。確かに1stアルバムに入っていても違和感ない作風で、新境地ナンバーが多い『USE YOUR ILLUSION』の中では不思議と安心感のあるナンバーかも。

M-9. Double Talkin' Jive
ライブではスラッシュのギターソロへとつなぐ役割を持つ、疾走ナンバー。しかし抑揚を抑えたアクセルのボーカルのせいもあって、不思議と高揚感を感じない。『USE YOUR ILLUSION』ではこういう、アクセルのロウトーンボイスを多用した楽曲がいくつか含まれており、そういった楽曲が今までにない雰囲気を作り上げています。この曲は最近のツアーでも演奏されているみたいなので、予習しておくといいのではないでしょうか。

M-10. November Rain
『USE YOUR ILLUSION』からの4thシングルにして、同作からもっともヒットしたシングル(全米3位)。原曲は『APPETITE〜』セッション時から存在していましたが、時期によってアレンジがころころと変わっているのがこの曲の特徴。アコギだけのバージョン、ピアノの入ったバージョン、歌メロ構成も現在のような「Do You Need Someone〜」パートがないバージョンなどさまざまで、完成までに試行錯誤したことが伺えます。にしても、完全版が9分という長尺で、なおかつオーケストレーションを含む“全部乗せ”だったのには、さすがに笑いましたが。「まとめる気、なくなったのかよ!」って(苦笑)。まぁ、曲自体は悪いわけはなく、特に中盤と終盤のスラッシュによるギターソロのドラマチックさは特筆に値するものだと思います。

M-11. The Garden
アリス・クーパーをゲストに迎えた、怪しい雰囲気を醸し出すミディアムナンバー。アクセルが歌う平熱感の強い平歌パートと、アリスが歌い出してから急に演奏が激しくなるパートとの落差が気持ちいいかな。ライブではあまり披露されないけど、これはこれでいいんじゃないでしょうか。

M-12. Garden Of Eden
「Garden」つながりで、再び3分に満たない疾走系ショートチューンの登場。言葉を詰め込むように歌うアクセルのボーカルがすべてかな。この曲はMVの印象が強いので、そちらと合わせてお楽しみいただけるといいんじゃないでしょうか。

M-13. Don't Damn Me
曲調的には『APPETITE〜』路線と『〜ILLUSION』路線の中間といった印象。リフやアレンジは前者で、アクセルの字余りっぽい言葉詰め込み型ボーカルが後者。中盤でスローテンポになるアレンジも、フックが効いていて面白いと思います。ライブで演奏されたことあるんだっけ?ってくらい、レア度の高い1曲。

M-14. Bad Apples
ファンキーなギターワークと、刻むようなピアノが心地よいロックンロールナンバー。メロディという概念を無視したアクセルのボーカルは、もはや唯一無二のもの。それでいて、サビはキャッチーなんだから恐れ入ります。90年代には何度か演奏された記憶があるけど、21世紀に入ってからはほぼゼロじゃないかな?

M-15. Dead Horse
アクセルのアコギと歌で静かに始まり、途中でバンドの演奏でメリハリをつけるワイルドな楽曲。そこまで煮詰められたアレンジというわけでもなく、シンプルっちゃあシンプルな1曲。全部アクセルの歌で引っ張ってるイメージかな。

M-16. Coma
『USE YOUR ILLUSION I』のクライマックスと呼ぶにふさわしい、10分超の大作。楽曲としては決して複雑なものではなく、幾つかのパートを繰り返すのみなんだけど、不思議な魅力があって最後まで惹きつけられてしまう。アクセルの歌とスラッシュのギター、中盤の静かめになるパートでのダフのベースなど見どころ、聴きどころ多し。最近もたまに演奏しているようなので、日本でも披露されることを願っております。



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投稿: 2017 01 19 12:00 午前 [1991年の作品, Guns N' Roses] | 固定リンク